JP6860812B2 - 赤外線センサ - Google Patents
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Description
このような赤外線センサとしては、近年、柔軟性に優れると共に全体を薄くすることができる絶縁性フィルム上に薄膜サーミスタを形成したフィルム型赤外線センサが開発されている。
すなわち、上記従来の赤外線センサの場合、環境温度に変化が生じた場合、例えば周囲空気の対流の影響を受けて受光側及び補償側の一方で温度が変化した場合、温度が変化した一方で熱が配線膜を介して端子電極に逃げ易いため、受光側と補償側との熱バランスの収束が遅くなってしまい熱応答性が低下してしまう不都合があった。
すなわち、この赤外線センサでは、熱結合部が、第1のパターン配線の一部に対向して形成されているので、熱結合部が薄い絶縁性フィルムを介して第1のパターン配線の一部に最も近接し、高い熱結合性を得ることができる。
すなわち、この赤外線センサでは、熱結合部が、前記近傍領域の第1のパターン配線に対向した外縁近傍結合部を有しているので、外縁近傍結合部によって絶縁性フィルム外縁の近傍領域からも熱を伝えることができる。
すなわち、この赤外線センサでは、熱結合部が、第1のパターン配線のうち第2の感熱素子の近傍に延在した部分に対向した補償側近傍結合部を有しているので、受光側の熱を第1のパターン配線を介して補償側へ伝達すると共に、第2の感熱素子近傍で補償側近傍結合部が第1のパターン配線に熱結合して補償側の赤外線反射膜全体に熱を伝えることで、より熱バランスの収束を早くすることが可能になる。
すなわち、この赤外線センサでは、熱結合部が、第1のパターン配線のうち絶縁性フィルムの第1の感熱素子側の端部近傍に延在した部分に対向した受光側端部結合部を有しているので、補償側から最も遠い端部からも熱を伝え易くなり、より熱応答性の向上を図ることができる。
すなわち、この赤外線センサでは、赤外線反射膜が、受光領域の周囲も覆って形成されているので、熱結合部を介して伝わった環境温度の変化が受光領域の周囲全体にも伝わり、さらに熱バランスの収束を早くすることが可能になる。したがって、第1の感熱素子側と第2の感熱素子側との間の空気対流による温度勾配が小さくなり、2つの感熱素子の応答速度を同等にすることが可能になる。
例えば、第2の感熱素子に対向する領域のみに赤外線反射膜が形成されている場合、周囲空気の対流により第2の感熱素子側から空気が流れてきたとき、第2の感熱素子の上方の赤外線反射膜が冷えて絶縁性フィルムの温度が局所的に変化してしまう。これに対し、本発明の赤外線センサでは、赤外線反射膜が第1の感熱素子に対向する受光領域の周囲も覆って形成されているため、空気の流れによって第2の感熱素子側の領域が冷えても赤外線反射膜の熱伝導性によって受光領域の周囲の温度も下がり、全体的に温度の差分が生じ難くなって、周囲空気の対流による影響を受け難くなる。なお、第1の感熱素子の上方の受光領域は赤外線反射膜で覆わないため、測定対象物からの赤外線の受光を妨げない。
すなわち、本発明に係る赤外線センサによれば、赤外線反射膜が、第1のパターン配線の一部に近接した熱結合部を有しているので、熱結合部を介して受光側と補償側との相互で環境温度の変化を効率的に伝えることができ、受光側と補償側との熱バランスの収束が早くなり、熱応答性が向上する。
したがって、本発明の赤外線センサによれば、熱応答性が高く、複写機やプリンタ等の加熱ローラの温度測定用として好適である。
この熱結合部Cは、第1のパターン配線6Aの一部と熱結合させるための部分であり、第1のパターン配線6Aの一部に対向して形成されている。
上記一対の第1のパターン配線6Aは、一端に第1の感熱素子5Aに接続された一対の第1の接着電極3Aを有している。また、上記一対の第2のパターン配線6Bは、一端に第2の感熱素子5Bに接続された一対の第2の接着電極3Bを有している。
また、第1のパターン配線6Aは、さらに絶縁性フィルム2の外縁の近傍領域にまで延在している。また、熱結合部Cが、前記近傍領域の第1のパターン配線6Aに対向した外縁近傍結合部C2を有している。
さらに、上記赤外線反射膜8は、受光領域Dの周囲も覆って形成されている。
すなわち、第1のパターン配線6Aは、まず第1の接着電極3Aから第2の感熱素子5Bに向けて一対の伝熱膜7の間を延在し、そして一対の伝熱膜7の端部近傍で絶縁性フィルム2の短辺に沿った方向であって長辺に向けて延在している。この延在部分に対向するように補償側の赤外線反射膜8の一部が対向して形成され、補償側近傍結合部C1とされている。さらに、第1のパターン配線6Aは、伝熱膜7の外側を絶縁性フィルム2の長辺に沿って第1の端子電極4Aまで延在している。この延在部分に対向して絶縁性フィルム2の外縁の近傍に赤外線反射膜8が延在しており、この部分が外縁近傍結合部C2とされている。
なお、第2のパターン配線6Bは、第1のパターン配線6Aに比べて短い距離で延在し、第2の端子電極4Bに達している。
上記伝熱膜7は、第1のパターン配線6Aよりも広い面積で形成されている。
伝熱膜7の第1の接着電極3Aに対する接続幅は、第1のパターン配線6Aの第1の接着電極3Aに対する接続幅よりも広く設定されている。すなわち、正方形状とされた第1の接着電極3Aの4辺のうち、2辺全体に伝熱膜7が接続されているのに対し、第1の接着電極3Aに4つある角部のうち1つに第1のパターン配線6Aが接続されている。このように伝熱膜7の第1の接着電極3Aへの接続部と、第1のパターン配線6Aの第1の接着電極3Aへの接続部とは、別々に設定されている。
上記第1の接着電極3A及び第2の接着電極3Bには、それぞれ対応する第1の感熱素子5A及び第2の感熱素子5Bの端子電極が半田等の導電性接着剤で接着されている。
すなわち、本実施形態では、赤外線の受光面直下に配された第1の感熱素子5Aが赤外線の検出用素子とされ、赤外線反射膜8直下に配された第2の感熱素子5Bが補償用素子とされている。
なお、図1において、裏面側の赤外線反射膜8を破線で図示している。また、図2の(a)(b)において、各端子電極、各パターン配線、伝熱膜7及び赤外線反射膜8をハッチングで図示している。
上記一対の第1の端子電極4A及び一対の第2の端子電極4Bは、絶縁性フィルム2の角部近傍に配設されている。
この赤外線反射膜8は、絶縁性フィルム2よりも高い赤外線反射率を有する材料で形成され、上述したように、銅箔上に金メッキ膜が施されて形成されている。なお、金メッキ膜の他に、例えば鏡面のアルミニウム蒸着膜やアルミニウム箔等で形成しても構わない。
特に、熱結合部Cが第1のパターン配線6Aの一部に対向して形成されているので、熱結合部Cが薄い絶縁性フィルム2を介して第1のパターン配線6Aの一部に最も近接し、高い熱結合性を得ることができる。
特に、赤外線反射膜8が、受光領域Dの周囲も覆って形成されているので、外縁近傍結合部C2を介して伝わった環境温度の変化が受光領域Dの周囲全体にも伝わり、さらに熱バランスの収束を早くすることが可能になる。したがって、第1の感熱素子5A側と第2の感熱素子5B側との間の空気対流による温度勾配が小さくなり、2つの感熱素子の応答速度を同等にすることが可能になる。
なお、第1の接着電極3Aへの伝熱膜27の接続部分にくびれ部27aを形成しているので、くびれ部27aがサーマルランドとして機能し、ハンダ時に熱が必要以上に周囲に逃げてハンダが溶け難くなってハンダ不良となることを抑制することができる。
このように第3実施形態の赤外線センサ31では、熱結合部Cが、第1のパターン配線36Aのうち絶縁性フィルム2の第1の感熱素子5A側の端部近傍に延在した部分に対向した受光側端部結合部C5を有しているので、補償側から最も遠い端部からも熱を伝え易くなり、より熱応答性の向上を図ることができる。
Claims (5)
- 絶縁性フィルムと、
前記絶縁性フィルムの一方の面にパターン形成された一対の第1の端子電極及び一対の第2の端子電極と、
前記絶縁性フィルムの一方の面に設けられた第1の感熱素子及び第2の感熱素子と、
前記第1の感熱素子に一端が接続されていると共に一対の前記第1の端子電極に他端が接続され前記絶縁性フィルムの一方の面にパターン形成された一対の第1のパターン配線と、
前記第2の感熱素子に一端が接続されていると共に一対の前記第2の端子電極に他端が接続され前記絶縁性フィルムの一方の面にパターン形成された一対の第2のパターン配線と、
前記絶縁性フィルムの他方の面に設けられ前記第1の感熱素子に対向した受光領域と、
前記絶縁性フィルムの他方の面に形成され前記受光領域を避けて少なくとも前記第2の感熱素子の直上を覆う赤外線反射膜と、を備え、
前記赤外線反射膜が、前記第1のパターン配線の一部に近接した熱結合部を有し、
前記第1のパターン配線が、前記第1の感熱素子から前記第2の感熱素子に向けて延在した部分と、前記第2の感熱素子の近傍に延在した部分とを有し、
前記熱結合部が、前記第1のパターン配線のうち前記第2の感熱素子の近傍に延在した部分に対向した補償側近傍結合部を有し、
前記補償側近傍結合部が、前記第2の感熱素子の直上を覆っている前記赤外線反射膜に連続して接続されている部分であることを特徴とする赤外線センサ。 - 請求項1に記載の赤外線センサにおいて、
前記第1のパターン配線が、前記絶縁性フィルムの外縁の近傍領域にまで延在し、
前記熱結合部が、前記近傍領域の前記第1のパターン配線に対向した外縁近傍結合部を有していることを特徴とする赤外線センサ。 - 請求項1又は2に記載の赤外線センサにおいて、
前記第1のパターン配線が、前記絶縁性フィルムの前記第1の感熱素子側の端部近傍に延在し、
前記熱結合部が、前記第1のパターン配線のうち前記絶縁性フィルムの前記第1の感熱素子側の端部近傍に延在した部分に対向した受光側端部結合部を有していることを特徴とする赤外線センサ。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の赤外線センサにおいて、
前記赤外線反射膜が、前記受光領域の周囲も覆って形成されていることを特徴とする赤外線センサ。 - 絶縁性フィルムと、
前記絶縁性フィルムの一方の面にパターン形成された一対の第1の端子電極及び一対の第2の端子電極と、
前記絶縁性フィルムの一方の面に設けられた第1の感熱素子及び第2の感熱素子と、
前記第1の感熱素子に一端が接続されていると共に一対の前記第1の端子電極に他端が接続され前記絶縁性フィルムの一方の面にパターン形成された一対の第1のパターン配線と、
前記第2の感熱素子に一端が接続されていると共に一対の前記第2の端子電極に他端が接続され前記絶縁性フィルムの一方の面にパターン形成された一対の第2のパターン配線と、
前記絶縁性フィルムの他方の面に設けられ前記第1の感熱素子に対向した受光領域と、
前記絶縁性フィルムの他方の面に形成され前記受光領域を避けて少なくとも前記第2の感熱素子の直上を覆う赤外線反射膜と、を備え、
前記赤外線反射膜が、前記第1のパターン配線の一部に近接した熱結合部を有し、
前記第1のパターン配線が、前記第1の感熱素子から前記第2の感熱素子に向けて延在した部分と、前記第2の感熱素子の近傍に延在した部分とを有し、
前記熱結合部が、前記第1のパターン配線のうち前記第2の感熱素子の近傍に延在した部分に対向した補償側近傍結合部を有し、
前記第1のパターン配線が、前記受光領域を囲んで配されていることを特徴とする赤外線センサ。
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