JP7124666B2 - 焼結鉱冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、焼結鉱製造プロセスにおいて、焼結機から排出される高温焼結鉱を冷却する焼結鉱冷却装置に関する。
焼結鉱は、焼結機のパレット上に積載された焼結原料に着火し、パレットの下側から吸気して、焼結原料を焼き固めることにより製造される。焼結機は、焼結原料を積載して移動可能な複数のパレットが無端状に連結されており、これらのパレットを周回させる間に焼結原料層の上方表面から下方に向かって焼結原料が焼き固まる燃焼帯を進行させ、焼結鉱を連続的に製造する。
このようにして製造された焼結鉱は、パレットから排出された直後に1次クラッシャーで粗破砕され、クーラーへ供給される。焼結機から排出される焼結鉱は、400~700℃と高温であるため、クーラーで通風冷却を行ってベルトコンベアで搬送可能な温度(約100℃)まで冷却される。クーラーから排出された焼結鉱は、2次クラッシャーや複数の篩設備による整粒処理を経た後、高炉の主原料として供給される。
通常、クーラーの冷却能力は焼結機の能力に合わせて設計されるが、焼結機能力増強の際にクーラーの冷却能力を増強しなかった場合等には、クーラーの冷却能力が不足する状況が起こり得る。このような冷却不足が発生する焼結機及びクーラーでは、冷却能力を補うための補助的な手段として、高温焼結鉱への直接散水が従来より実施されてきた。
例えば、特許文献1では、排ガス循環方式の焼結機において、ストランド上の焼結鉱表面の所定位置(両側壁から200mm以上離れた中央部位置)に、冷却水を補助的に散水する冷却技術が開示されている。
また、特許文献2では、焼結機後段のクーラーにおいて、クーラーの冷却ゾーンごとの冷却ブロアー風量をベーン開度で制御し最適化すると共に、ベーン開度全開で冷却不足となる場合には焼結鉱へ補助的に散水を行う冷却技術が開示されている。
特許第2927217号公報 特開平10-36924号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2記載の技術は、いずれも焼結鉱の充填層に対して、上部一方向から下方へ向かって散水する構成となっているため、水との接触面だけが集中的に冷却され、水と接触しない側の面は冷却されにくい。また、充填層内の冷却水の拡散が、重力による流下に依存しているため、充填層の上下方向及び水平方向で生じる冷却むらを回避できない。その結果、過冷却により濡れた焼結鉱と高温の焼結鉱が混在する状態が形成され、冷却効率が悪く実質的な冷却速度は遅くならざるを得ない。
また、特許文献1及び特許文献2記載の技術では、通常の散水ノズルを用いているため、散水時の液滴径が大きく、飛散した液滴が焼結機やクーラーの内壁などに付着しやすい。このような液滴が多く飛来する箇所は、局所的に冷却されて液体状態の水が溜まりやすく、排ガス中のダスト類が付着して堆積する起点となりやすい。さらに、高温の焼結鉱が液滴により急冷されると、焼結鉱の脆化が発生しやすくなる。焼結鉱の脆化は、高炉に供給される焼結鉱の粒径10mm以下の割合である粉率の上昇を引き起こし、高炉の通気性悪化の原因となる。また、内壁部材が液滴により急冷されると、亀裂が発生しやすくなり、設備寿命の短命化の原因となる。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、散水冷却による焼結鉱の脆化や内壁部材の劣化を回避しつつ、焼結鉱を効果的に冷却することが可能な焼結鉱冷却装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る焼結鉱冷却装置では、焼結機の排鉱部から排出される焼結鉱をクーラーへ投入するシュートの上側内壁面に設けたミストを噴霧するための吹出口の上方水と空気の2流体用ミスト噴霧ノズルが設置され、前記シュート内を降下移動中の焼結鉱に前記2流体用ミスト噴霧ノズルから粒径50ミクロン以下の微細ミストが噴霧されることを特徴としている。
焼結機から排出される直前の焼結鉱は、シンターケーキと呼ばれる大きさ1m以上の塊状体であるが、1次クラッシャーで200mm未満の焼結鉱に粗破砕され、シュートを経由してクーラーへ投入される。この粗破砕直後の焼結鉱は、シンターケーキ内部の高温部分が新たに表面に露出した状態となるため、ミスト噴霧によって高温部分を効果的に冷却することが可能である。
さらに、シュート内部は、常に焼結鉱が降下移動している状態であり、充填層に比べて焼結鉱の存在密度が低い。特許文献1の焼結機上のシンターケーキや特許文献2のクーラー内充填層では、空隙率が40~60%程度であるが、シュート内部の空隙率は80~90%であり、ミストが充満するシュート内空間を、焼結鉱が冷却されながら降下移動する状況を作り出すことができる。
このように、本発明によれば、1次破砕で露出した焼結鉱の高温表面を、シュート内に噴霧したミストに確実に接触させることができ、焼結鉱粒子の全方向から均等に冷却することにより、短時間で効果的な焼結鉱冷却を行うことができる。
シュートの上側内壁面であれば、シュート内が焼結鉱で完全に満たされない限り、吹出口が焼結鉱と接触する可能性は小さい。万が一、シュート内に焼結鉱が満槽に充填された場合でも、上側内壁面の内側にノズルを設置しておけば、ノズルの損傷を回避することができる。
200ミクロン未満の微細ミストは蒸発速度が非常に速いため、高温物との接触前に殆どのミストを水蒸気化させることができ、周辺空気が蒸発熱によって冷却され、その冷却空気によって間接的に焼結鉱を冷却することができる。
本発明に係る焼結鉱冷却装置では、焼結機の排鉱部から排出される焼結鉱をクーラーへ投入するシュートにミスト噴霧ノズルが設置されているので、焼結鉱粒子全方向からの効果的な冷却を実現することができる。さらに、焼結鉱の部分湿潤化や脆化、内壁部材の劣化など散水に伴う2次的被害を回避することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る焼結鉱冷却装置の模式図である。 同焼結鉱冷却装置におけるミスト噴霧ノズルの幅方向配置を示した模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係る焼結鉱冷却装置の模式図である。 同焼結鉱冷却装置におけるミスト噴霧ノズルの幅方向配置を示した模式図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、本明細書及び図面において実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[第1の実施の形態に係る焼結鉱冷却装置]
本発明の第1の実施の形態に係る焼結鉱冷却装置の構成を図1に示す。
図1に示す一般的な鉄鉱石焼結機では、排鉱部100において焼結パレット101から排出された焼結鉱は1次クラッシャー102で粗破砕され、1次クラッシャー102の下方に設置された排鉱シュート103a(シュートの一例)を経由してクーラー(図示省略)へ供給される。本実施の形態では、水平面に対する排鉱シュート103aの傾斜角度は45度とされている。
なお、焼結パレット101に残留して1次クラッシャー102に排出されなかった焼結鉱は、排鉱部100の直下に配置されたサブシュート108aから焼結機外へ排出される。
排鉱シュート103aの上面を構成する上側内壁面110aには、排鉱シュート103a内を降下移動中の焼結鉱に冷却用のミスト104を噴霧するための吹出口111aが設けられている。吹出口111aの上方にはミスト噴霧ノズル105aが設置されており、吹出口111aから鉛直下方に向けて、吹出口111aの中心を通る鉛直軸に対して±45度の範囲にミスト104が噴霧される。ミスト噴霧用の水は、バルブスタンド106より水配管107を経由してミスト噴霧ノズル105aに送給される。
ミスト104の吹出口111aを排鉱シュート103aの上側内壁面110aに設けるのは、ノズルの摩耗防止のためである。焼結鉱は非常に堅い粒状物であるため、耐摩耗加工を施した金属製のノズルであっても、短期間で摩耗するおそれがあり、焼結鉱と直接接触しない位置にノズルを設置することが望ましい。
排鉱シュート103aの上側内壁面110aであれば、排鉱シュート103a内が焼結鉱で完全に満たされない限り、吹出口111aが焼結鉱と接触する可能性は小さい。万が一、排鉱シュート103a内に焼結鉱が満槽に充填された場合でも、水平面より45度以下(0度以上)の緩やかな上側内壁面110aの内側にノズルを設置しておけば、ノズルの損傷を回避することができる。通常の焼結鉱の安息角は45度であるため、これを超える傾斜角度の内壁面は焼結鉱の粉体圧を直接受けるが、安息角45度以下の内壁面はさほど大きな粉体圧を受けないので、ノズルを保護することができる。
ノズルを上側内壁面110aよりも上部、例えば100mm~300mm引っ込めた位置に設置しておけば、降下時のバウンドで焼結鉱が飛来した場合でも、直接ノズルに当たらず、ノズルの損傷を避けることができる。
ミスト噴霧ノズル105aとしては、1000ミクロン未満の小径のミスト粒径が形成できる分散型のノズル形状が好ましい。1000ミクロン以上の大粒径ミストは、接触した焼結鉱や内壁部材の固体表面に局所的な急冷を引き起こし、焼結鉱の脆化や内壁部材への亀裂の発生などの弊害を引き起こすおそれがある。ミスト粒径が1000ミクロン未満であれば、ミストとの接触による焼結鉱の脆化は大幅に軽減される。
使用するノズルの形状は特殊なものではなく、市販の1流体拡散型ノズルを用いることができる。これらのノズルの一般的ミスト粒径は200ミクロン~2000ミクロンであり、1000ミクロン未満のミスト粒径を有するノズルを選択すればよい。ミストの拡散幅は、噴霧する排鉱シュート103aの形状に応じて選定すればよく、排鉱シュート103aの内壁面に直接ミストが噴射されないような拡散幅に設定することが望ましい。噴霧量を多くしたい場合には、小径のノズルを複数本設置して、ミスト粒径が1000ミクロンを超えないようにノズルの選定を行うことが望ましい。
ミスト噴霧ノズル105aの幅方向配置を図2に示す。本配置例では、排鉱シュート103aの幅方向に対して、ミスト噴霧ノズル105aを等間隔で一列に配置することにより、排鉱シュート103a内を降下する焼結鉱が必ずミストと接触するようにしている。
なお、ミスト噴霧ノズル105aの配置に関して特に規定するものではないが、焼結鉱の均一な冷却を図るという観点から、排鉱シュート103aの全幅に対して極力均等にミストを噴霧できるように配置することが好ましい。ミスト噴霧ノズル105aの配置列数は、必ずしも1列とする必要はなく、排鉱シュート103の降下距離が十分長い場合には、焼結鉱の降下方向に2列以上のミスト噴霧ノズル105aを設置しても良い。
また、ミスト噴霧ノズル105aの間隔は、選定したノズルのミスト拡散特性に応じて、隣接するノズル同士のミストが重ならない距離を選定することが好ましい。隣接するミストが重なると、重なり部分で液滴の合体が起こりミスト粒径が粗大化してしまい、ミスト微細化の効果が得られないおそれがある。
ミスト噴霧量については、焼結機から排出される焼結鉱の温度によって異なるため、特に規定するものではないが、一般的な焼結機における通常の焼結鉱温度500~600℃程度であれば、焼結鉱1tonあたり50kg以内の噴霧量とすることが好ましい。50kg/tonを超える噴霧量では、ノズル噴霧方向正面のミスト量が過多となるため、焼結鉱の冷却むらが増加し、冷却効率が低下するおそれがある。
[第2の実施の形態に係る焼結鉱冷却装置]
本発明の第2の実施の形態に係る焼結鉱冷却装置の構成を図3に示す。
本実施の形態における焼結機は、排鉱シュート103b(シュートの一例)とサブシュート108b(シュートの一例)が下方で合流している。排鉱シュート103bとサブシュート108bの合流部の上側内壁面110bには、冷却用のミスト104を噴霧するための吹出口111bが設けられている。吹出口111bの上方にはミスト噴霧ノズル105bが設置されており、吹出口111bから鉛直下方に向けて、吹出口111bの中心を通る鉛直軸に対して±45度の範囲にミスト104が噴霧される。
なお、水平面に対する上側内壁面110bの傾斜角度は0度である。
本実施の形態では、排鉱シュート103bとサブシュート108bの合流部にミスト104で満たされた空間を形成することで、排鉱シュート103bとサブシュート108bから落下する焼結鉱を効果的に冷却することができる。
ミスト噴霧ノズル105bは、水と空気の2流体用噴霧ノズルであり、ノズル1本ごとに水と空気の流量を独立して調整できる構成としている。これにより、シュート103b、108b内の局所的な焼結鉱の通過量分布に応じて噴霧量を細かく調整することができる。
ミスト噴霧ノズル105bの幅方向配置を図4に示す。図4に示す2流体用噴霧ノズルの配置例では、水の供給以外に、バルブスタンド106から空気配管109を経由して圧縮空気をミスト噴霧ノズル105bへ供給する構成とし、ノズルごとの気水比(Nm(空気)/ton(水))を細かく調整できるようにしている。
2流体用噴霧ノズルとしては、粒径200ミクロン未満の微細ミストを噴霧することが可能なものが好ましい。200ミクロン未満の微細ミストは蒸発速度が非常に速いため、高温物との接触前に殆どのミストを水蒸気化させることができる。このため、周辺空気が蒸発熱によって冷却され、その冷却空気によって間接的に焼結鉱をマイルドに冷却することができる。これにより、焼結鉱への局所的な熱衝撃を防止することが可能となり、焼結鉱の脆化を回避することができる。
噴霧するミストの粒径は、市販の2流体用噴霧ノズルを用いて、空気と水の供給量比(気水比)を調整することにより、容易に調整可能である。一般的には、噴霧ノズルの噴射口の開口幅を小さくするほど、また空気量を増やして気水比を大きくするほど、ミスト粒径の小径化が可能であり、10ミクロン程度の霧状ミストを形成させることができるノズルも市販されている。
本発明では、ミスト粒径の下限は定めていないが、ミストを蒸発させるためのシュート内空間が狭い設備条件では、極力、ミスト粒径を小径化することが望ましい。2流体用噴霧ノズルでは、気水比を大きくするほど、ミスト粒径を小さくすることができるので、ミストの蒸発空間が狭いシュート構造の場合には、気水比を上げてミスト粒径をより微細化させるなどの微調整が可能である。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更や上記実施の形態の組み合わせを施してもよい。例えば、第1の実施の形態では、ミスト噴霧ノズルとして1流体用噴霧ノズルを使用しているが、2流体用噴霧ノズルを使用してもよい。同様に、第2の実施の形態では、ミスト噴霧ノズルとして2流体用噴霧ノズルを使用しているが、1流体用噴霧ノズルを使用してもよい。
本発明の効果について検証するために実施した検証試験について説明する。
[実施例1]
焼結面積260m、生産量350ton/hの焼結機において、3m幅の排鉱シュートに3本の1流体用ミスト噴霧ノズルを設置し、焼結鉱のミスト噴霧冷却試験を実施した。
1本のノズル当たりの水量を0.8ton/hに調整し、噴霧装置全体で水量2.4ton/hのミスト噴霧を行った。ミスト粒径は500ミクロンであった。
同一の操業条件において、ミスト噴霧のON/OFFテストを繰り返し行い、クーラー入側に設置した放射温度計を使って、焼結鉱の表面温度の変化を計測した。さらに、温度低減効果を正確に評価するため、クーラー入側の焼結鉱をサンプリングし、水中浸漬による水温上昇代から焼結鉱全体の平均温度を算出した。
また、焼結鉱の脆化の評価指標として、高炉に供給される前の焼結鉱をサンプリングして篩で分級し、粒径10mm以下の割合である粉率を測定した。
その結果、ミスト噴霧を行うことで、放射温度計による焼結鉱の表面温度は観察視野内で約15~50℃低下していることが確認された。
また、焼結鉱の水中浸漬による計算では、ミスト噴霧を行うことで約13℃の平均温度の低下が確認された。
一方、焼結鉱の脆化の評価では、ミスト噴霧を行うことで、高炉供給される焼結鉱の10mm以下の粉率は約0.2%の上昇する傾向が確認された。
[実施例2]
焼結面積660m、生産量880ton/hの焼結機において、5m幅の排鉱シュートに6本の2流体用ミスト噴霧ノズルを設置し、焼結鉱のミスト噴霧冷却試験を実施した。
1本のノズル当たりの水量を1ton/h、空気量を170Nm/hに調整し、噴霧装置全体で水量6ton/h、空気量1000Nm/hのミスト噴霧を行った。ミスト粒径は50ミクロンであった。
実施例1と同様、同一の操業条件において、ミスト噴霧のON/OFFテストを繰り返し行い、クーラー入側に設置した放射温度計を使って、焼結鉱の表面温度の変化を計測した。さらに、温度低減効果を正確に評価するため、クーラー入側の焼結鉱をサンプリングし、水中浸漬による水温上昇代から焼結鉱全体の平均温度を算出した。
その結果、ミスト噴霧を行うことで、放射温度計による焼結鉱の表面温度は観察視野内で均等かつ安定的に約40~60℃低下する現象が確認された。
また、焼結鉱の水中浸漬による熱量計算では、約15℃の平均温度低下が確認された。この温度低下代は、熱量的には水の蒸発潜熱による抜熱量の理論値とほぼ一致するものであり、ミスト蒸発による冷却が効果的に行われたと考えられる。
一方、焼結鉱の脆化の評価では、50ミクロンの微細なミストの噴霧を行うことで、高炉供給される焼結鉱の10mm以下の粉率は上昇しておらず、悪化影響が全く見られなかった。
このように、2流体用噴霧ノズルを使って微細なミストを噴霧することにより、焼結鉱を脆化させることなく、効果的な焼結鉱冷却を行うことができる。
[比較例1]
焼結面積660mに焼結機を用いて、焼結ベッド上の焼結鉱に6ton/hのスプレー散水を行うON/OFFテストを実施し、実施例2と同様に、焼結鉱の表面温度と水中浸漬による焼結鉱全体の平均温度の変化を観察した。
その結果、焼結ベッド上での散水による焼結鉱の表面温度の低下は0~30℃と小さく、また水中浸漬により算出した焼結鉱全体の平均温度も6℃の低減効果に留まった。このときの焼結ベッドの表層部は明らかに濡れており、クーラー入口においても湿った焼結鉱が部分的に確認される状況であった。これは、焼結ベッド上での散水では、表層の焼結鉱のみが冷却されて湿潤化し、ベッド中層及び下層の焼結鉱がほとんど冷却されないためであると考えられる。
一方、焼結鉱の脆化の評価では、スプレー散水を行うことで、高炉供給される焼結鉱の10mm以下の粉率は約1.0%上昇した。
[比較例2]
焼結ベッド上のスプレー散水量を20ton/hにまで増加させた高散水量操業を2週間継続した。20ton/hの散水を行うことで、焼結鉱全体の平均温度を15℃低減させることができたが、一方で、高炉供給の焼結鉱粉率は約3.5%上昇し、高炉での通気悪化などの悪影響が明確に認められた。さらに、この期間中に焼結ベッド下部の鋳物製グレートバーが折損する設備トラブルが3回発生した。焼結ベッドには焼結過程で生じる複数のクラックが内在しており、多量の散水を行った場合には、このクラックを流路として水が最下層まで流下し、ベッド下の高温の鋳物部材が散水の熱衝撃で破損するリスクが避けられない。
一方、本発明による排鉱シュートでのミスト噴霧であれば、少ない水量で焼結鉱の脆化を抑制しつつ効果的な冷却が可能であり、なおかつ、このような設備損傷のリスクも回避することができる。
100:排鉱部、101:焼結パレット、102:1次クラッシャー、103a、103b:排鉱シュート(シュートの一例)、104:ミスト、105a:ミスト噴霧ノズル(1流体用)、105b:ミスト噴霧ノズル(2流体用)、106:バルブスタンド、107:水配管、108a:サブシュート、108b:サブシュート(シュートの一例)、109:空気配管、110a、110b:上側内壁面、111a、111b:吹出口

Claims (1)

  1. 焼結機の排鉱部から排出される焼結鉱をクーラーへ投入するシュートの上側内壁面に設けたミストを噴霧するための吹出口の上方に設置され、該シュート内を降下移動中の焼結鉱に粒径50ミクロン以下の微細ミストを噴霧する、水と空気の2流体用ミスト噴霧ノズルを備えることを特徴とする焼結鉱冷却装置。
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