JP2023032091A - 粒鉄製造装置および粒鉄製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】適正な粒径を有する粒鉄を長期間にわたり安定して継続的に製造する。【解決手段】溶鉄吐出用のノズル2を備えたタンディッシュ1と、ノズル2から吐出されて流下する溶鉄の液柱を衝突させる溶鉄受け盤3と、溶鉄受け盤3に衝突してその周囲に飛散した溶鉄の液滴を冷却水中に落下させて冷却する冷却水槽4を備えた粒鉄製造装置およびこの装置を用いた粒銑製造方法であって、衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500を満足するように、ノズル2のノズル口径d0、ノズル2からの溶鉄の吐出速度v0、およびノズル2の先端から溶鉄受け盤3の上面までの垂直方向距離hdが構成され、且つ、その吐出速度v0および垂直方向距離hdにおいてノズル口径をノズル2の使用限界時のノズル口径(但し、ノズル損耗によるノズル口径の拡径によりノズル2が使用限界となる時のノズル口径)としたときの衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500を満足するように設定する。【選択図】図4

Description

本発明は、粒鉄の製造技術、すなわち、溶銑や溶鋼などの溶鉄を液滴化させた状態で冷却して凝固させることにより粒鉄(粒状の鉄材)を製造する技術に関する。
粒鉄とは、溶銑や溶鋼などの溶鉄を液滴に分散させた状態で冷却して凝固させることにより得られる粒状の鉄材であり、その平均粒径は数mm~数十mm程度である。鉄鋼を製造する一貫製鉄所において、製鋼以下の工程においてトラブル等が発生し、高炉から出銑した溶銑の処理が滞ることにより余剰の溶銑が生じた場合に、この余剰な高炉溶銑(1200~1500℃程度の高温で液状の溶銑)を、数mm~数十mm程度に液滴化した状態で冷却して凝固させることにより粒銑とし、この粒銑を鋳鉄用鉄源として保管することが行われている。
溶銑を粒銑にする場合、溶銑を溶銑鍋やトピードカーで粒銑製造設備まで輸送し、この粒銑製造設備において、例えば、タンディッシュから溶銑を流出させて耐火物製の受盤に衝突させることで液滴化し、この液滴を冷却することにより粒銑とする。
溶銑から粒銑を得る方法として、特許文献1には、溶銑の流れを固定板に当てて液滴に分解し、この液滴を冷却水槽の水たまりに落下させて冷却し、凝固させることで粒銑を製造する装置が開示されている。溶銑の液滴は、冷却水槽内に配置された漏斗状の筒体内側に落下して冷却水で冷却され、この冷却で生じた粒銑は漏斗状の筒体の下端から排出され、コンベアにより冷却水槽外に搬出される。
また、特許文献2には、溶銑の流れを階段状に配置された複数の傾斜定盤に当てて液滴化し、この液滴を冷却水槽の水たまりに落下させて冷却し凝固させることで粒銑を製造する装置が開示されている。
ここで、溶銑から粒銑を得る場合、粒銑粒径(液滴粒径)が大きすぎると十分な冷却ができず、冷却水中で粒鉄どうしが融着し、融着する際に冷却水を内包すると水蒸気爆発を引き起こす原因となる。したがって、粒銑を安定的に冷却するためには、粒銑粒径を大きくしすぎない(平均粒径を概ね15~20mm以下とする)ことが重要である。
粒銑粒径を調整する方法について、特許文献1には「固定板7上のとりべ1の高さを増せば、流れ8の分解が進んで細かい粒状金属ができることは一般に言えることである」(第2頁3欄7~9行目)と記載され、また、特許文献2には「この粒銑の大きさは自由落下エネルギーを大きくすれば粒子径を小さくすることができる」(段落0020)と記載され、溶銑の流れが当たる固定板や傾斜定盤から溶銑を溜めておく容器(タンディッシュなど)の溶銑吐出口(タンディッシュノズルなど)までの高さによって、粒銑粒径を調整できることが示されている。
特公昭52-20948号公報 特開平5-154607号公報
本発明者らは、特許文献1に準じた粒銑製造設備として、タンディッシュのノズルから溶銑を吐出させて流下させ、その溶銑を下方の固定板(溶銑受け盤)に衝突させて液滴化し、その液滴を冷却水槽内の冷却水中に落下させて冷却し、粒銑として回収するようにした試験設備を用い、粒銑の製造試験を行った。その際、固定板(溶銑受け盤)に対するタンディッシュノズルの高さを、粒銑粒径が8~25mm程度(平均15mm程度)となるように調整した。製造試験を開始してしばらくの間は、目標とする粒径範囲の粒銑が安定して得られたが、同じタンディッシュで試験を継続して実施したところ、次第に粒銑粒径が不安定となり、粒銑粒径が100mm程度の異常に大きい粒銑や3mm以下の異常に小さな粒銑が混在するようになる場合があった。
粒銑を冷却水槽から払い出す搬出装置として、水切りができるメッシュ状のベルトを備えたベルトコンベアを使用することが考えられるが、得られる粒銑の粒径が小さすぎると、ベルトコンベアに載った粒銑がメッシュ状のベルトを通過してしまうので、粒銑の回収歩留まりが低下してしまう。一方、得られる粒銑の粒径が大きすぎると(例えば粒径100mm以上)、上述したように、冷却水槽内で十分な冷却ができず、冷却水中で粒鉄どうしが融着し、融着する際に冷却水を内包すると水蒸気爆発を引き起こすおそれがある。
しかし、特許文献1、2には、上述したような、粒銑の製造を連続して実施した場合に粒銑粒径が不安定化する現象についての知見はなく、当然これを抑制する技術についての開示はない。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、適正な粒径を有する粒鉄を長期間にわたり安定して継続的に製造することができる粒鉄製造装置及び製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、まず、1つの設備で粒鉄の製造を続けた場合に、粒鉄粒径が次第に不安定化する現象が生じる原因について検討を行い、その結果、粒径が不安定化するのは、タンディッシュから溶鉄を吐出するノズルが損耗することによりノズル口径が大きくなる(拡径する)ことが原因であることが判明した。ここで、使用によるノズル損耗は避けがたいことであり、したがって、粒鉄粒径が不安定化した場合、これを解消するにはタンディッシュを交換する必要がある。しかし、このような対応策では、比較的短い周期でタンディッシュを交換する必要があり、交換したタンディッシュのメンテナンス費用や交換に伴い設備休止が発生するので、トラブル等で発生した溶鉄の処理効率が低くなる。そこで、粒鉄粒径の不安定化の対策についてさらに検討を進めた結果、ノズルの損耗によりノズル口径がある程度大きくなっても、ある程度の期間は粒鉄粒径の不安定化を生じることなく粒鉄の製造を続けることができる条件が存在すること、そして、その条件を満たすように装置構成ないし操業条件の初期設定を行うか、若しくは操業途中で操業条件を変更することにより、同じタンディッシュを用いて、相当期間、粒鉄粒径の不安定化を生じることなく粒鉄の製造を継続できることを見出した。
本発明は、以上のような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]収容した溶鉄を吐出するノズル(2)を備えたタンディッシュ(1)と、
該タンディッシュ(1)のノズル(2)から吐出されて流下する溶鉄の液柱を衝突させる溶鉄受け盤(3)と、
該溶鉄受け盤(3)の下方に配置され、溶鉄受け盤(3)に衝突してその周囲に飛散した溶鉄の液滴を冷却水中に落下させて冷却する冷却水槽(4)を備えた粒鉄製造装置であって、
下記(1)式~(5)式で定義される衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500を満足するように、ノズル(2)のノズル口径d、ノズル(2)からの溶鉄の吐出速度v、およびノズル(2)の先端から溶鉄受け盤(3)の上面までの垂直方向距離hが構成され、且つ、その吐出速度vおよび垂直方向距離hにおいてノズル口径をノズル(2)の使用限界時のノズル口径(但し、ノズル損耗によるノズル口径の拡径によりノズル(2)が使用限界となる時のノズル口径)としたときの衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500を満足することを特徴とする粒鉄製造装置。
Figure 2023032091000002
但し I:衝突レイノルズ数[-]
Re:レイノルズ数[-]
We:ウェーバー数[-]
d:ノズル(2)から吐出されて流下する溶鉄の液柱が溶銑受け盤(3)に衝突する際の液柱径[mm]
v:ノズル(2)から吐出されて流下する溶鉄の液柱が溶銑受け盤(3)に衝突する際の衝突流速[m/s]
ρ:溶鉄の密度[kg/ m
μ:溶鉄の粘度[mPa・s]
σ:溶鉄の表面張力[mN/m]
g:重力加速度[m/s
:ノズル(2)のノズル口径[mm]
:ノズル(2)からの溶鉄の吐出速度[m/s]
:ノズル(2)の先端から溶鉄受け盤(3)の上面までの垂直方向距離[mm]
[2]上記[1]の粒鉄製造装置において、ノズル(2)の使用限界時のノズル口径(但し、ノズル損耗によるノズル口径の拡径によりノズル(2)が使用限界となる時のノズル口径)が、ノズル口径d+5mm~ノズル口径d+30mmの範囲内であることを特徴とする粒鉄製造装置。
[3]上記[1]または[2]の粒鉄製造装置において、溶鉄受け盤(3)の平面形状が円形であり、該円形状の溶鉄受け盤(3)の外径D[mm]と、ノズル(2)から吐出されて流下する溶鉄の液柱が溶鉄受け盤(3)に衝突する際の液柱径d[mm]が、1≦D/d≦7を満足することを特徴とする粒銑製造装置。
[4]上記[1]~[3]のいずれかの粒鉄製造装置において、冷却水槽(4)内に上下端が開口した仕切筒体(5)を配置して、該仕切筒体(5)の内側を、上方から落下する溶鉄の液滴を受け入れて冷却する冷却領域部(A)とし、
冷却水槽(4)の外部から供給される冷却水を冷却領域部(A)に導入する冷却水供給管(6)を設けたことを特徴とする粒鉄製造装置。
[5]上記[4]の粒鉄製造装置において、冷却領域部(A)において溶鉄の液滴を冷却して生じた粒鉄を冷却水槽(4)外に搬出するための搬出コンベア(7)を備え、
仕切筒体(5)下端の下方に搬出コンベア(7)の搬送始端部を位置させることにより、仕切筒体(5)の下端から落下した粒鉄が搬出コンベア(7)により冷却水槽(4)外に搬出されるようにしたことを特徴とする粒鉄製造装置。
[6]上記[4]または[5]の粒鉄製造装置において、冷却水が仕切筒体(5)内にその筒芯に対して偏芯した方向に導入されることで、冷却領域部(A)で冷却水の旋回流が生じるように、冷却水供給管(6)が仕切筒体(5)に接続され、若しくは冷却水供給管(6)の端部が仕切筒体(5)内に配置されることを特徴とする粒鉄製造装置。
[7]上記[4]~[6]のいずれかの粒鉄製造装置において、仕切筒体(5)の全体または下側部分が漏斗状に構成され、その漏斗状部に冷却水供給管(6)が接続され、若しくはその漏斗状部内に冷却水供給管(6)の端部が配置されることを特徴とする粒鉄製造装置。
[8]収容した溶鉄を吐出するノズル(2)を備えたタンディッシュ(1)と、
該タンディッシュ(1)のノズル(2)から吐出されて流下する溶鉄の液柱を衝突させる溶鉄受け盤(3)と、
該溶鉄受け盤(3)の下方に配置され、溶鉄受け盤(3)に衝突してその周囲に飛散した溶鉄の液滴を冷却水中に落下させて冷却する冷却水槽(4)を備えた装置を用いて粒鉄を製造する方法であって、
下記(1)式~(5)式で定義される衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500を満足するように、ノズル(2)のノズル口径d、ノズル(2)からの溶鉄の吐出速度v、およびノズル(2)の先端から溶鉄受け盤(3)の上面までの垂直方向距離hを構成し、且つ、その吐出速度vおよび垂直方向距離hにおいてノズル口径をノズル(2)の使用限界時のノズル口径(但し、ノズル損耗によるノズル口径の拡径によりノズル(2)が使用限界となる時のノズル口径)としたときの衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500を満足することを特徴とする粒鉄製造方法。
Figure 2023032091000003
但し I:衝突レイノルズ数[-]
Re:レイノルズ数[-]
We:ウェーバー数[-]
d:ノズル(2)から吐出されて流下する溶鉄の液柱が溶銑受け盤(3)に衝突する際の液柱径[mm]
v:ノズル(2)から吐出されて流下する溶鉄の液柱が溶銑受け盤(3)に衝突する際の衝突流速[m/s]
ρ:溶鉄の密度[kg/ m
μ:溶鉄の粘度[mPa・s]
σ:溶鉄の表面張力[mN/m]
g:重力加速度[m/s
:ノズル(2)のノズル口径[mm]
:ノズル(2)からの溶鉄の吐出速度[m/s]
:ノズル(2)の先端から溶鉄受け盤(3)の上面までの垂直方向距離[mm]
[9]上記[8]の粒鉄製造方法において、ノズル(2)の使用限界時のノズル口径(但し、ノズル損耗によるノズル口径の拡径によりノズル(2)が使用限界となる時のノズル口径)が、ノズル口径d+5mm~ノズル口径d+30mmの範囲内であることを特徴とする粒鉄製造方法。
[10]収容した溶鉄を吐出するノズル(2)を備えたタンディッシュ(1)と、
該タンディッシュ(1)のノズル(2)から吐出されて流下する溶鉄の液柱を衝突させる溶鉄受け盤(3)と、
該溶鉄受け盤(3)の下方に配置され、溶鉄受け盤(3)に衝突してその周囲に飛散した溶鉄の液滴を冷却水中に落下させて冷却する冷却水槽(4)を備えた装置を用いて粒鉄を製造する方法であって、
下記(1)式~(5)式で定義される衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500を満足するように、ノズル(2)のノズル口径d、ノズル(2)からの溶鉄の吐出速度v、およびノズル(2)の先端から溶鉄受け盤(3)の上面までの垂直方向距離hを構成して粒鉄の製造を開始し、
粒鉄の製造を開始した後、ノズル損耗によるノズル口径の拡径によりノズル(2)が使用限界になるまでの間、衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500を満足する状態が維持されるように、吐出速度vまたは/および垂直方向距離hを調整することを特徴とする粒鉄製造方法。
Figure 2023032091000004
但し I:衝突レイノルズ数[-]
Re:レイノルズ数[-]
We:ウェーバー数[-]
d:ノズル(2)から吐出されて流下する溶鉄の液柱が溶銑受け盤(3)に衝突する際の液柱径[mm]
v:ノズル(2)から吐出されて流下する溶鉄の液柱が溶銑受け盤(3)に衝突する際の衝突流速[m/s]
ρ:溶鉄の密度[kg/ m
μ:溶鉄の粘度[mPa・s]
σ:溶鉄の表面張力[mN/m]
g:重力加速度[m/s
:ノズル(2)のノズル口径[mm]
:ノズル(2)からの溶鉄の吐出速度[m/s]
:ノズル(2)の先端から溶鉄受け盤(3)の上面までの垂直方向距離[mm]
[11]上記[10]の粒鉄製造方法において、ノズル損耗によるノズル口径の拡径によりノズル(2)が使用限界となる時のノズル口径が、ノズル口径d+5mm~ノズル口径d+30mmの範囲内であることを特徴とする粒鉄製造方法。
[12]上記[8]~[11]のいずれかの粒鉄製造方法において、溶鉄受け盤(3)の平面形状が円形であり、該円形状の溶鉄受け盤(3)の外径D[mm]と、ノズル(2)から吐出されて流下する溶鉄の液柱が溶鉄受け盤(3)に衝突する際の液柱径d[mm]が、1≦D/d≦7を満足することを特徴とする粒鉄製造方法。
[13]上記[8]~[12]のいずれかの粒鉄製造方法において、冷却水槽(4)内に上下端が開口した仕切筒体(5)を配置して、この仕切筒体(5)の内側を、上方から落下する溶鉄の液滴を受け入れて冷却する冷却領域部(A)とし、
冷却水槽(4)の外部から供給される冷却水を、冷却水供給管(6)を通じて冷却領域部(A)に導入することを特徴とする粒鉄製造方法。
[14]上記[13]の粒鉄製造方法において、冷却領域部(A)において溶鉄の液滴を冷却して生じた粒鉄を冷却水槽(4)外に搬出するための搬出コンベア(7)を備え、
仕切筒体(5)下端の下方に搬出コンベア(7)の搬送始端部を位置させることにより、仕切筒体(5)の下端から落下した粒鉄を搬出コンベア(7)により冷却水槽(4)外に搬出することを特徴とする粒鉄製造方法。
[15]上記[13]または[14]の粒鉄製造方法において、冷却水供給管(6)を通じて、冷却水を仕切筒体(5)内にその筒芯に対して偏芯した方向に導入することにより、冷却領域部(A)で冷却水の旋回流を生じさせることを特徴とする粒鉄製造方法。
[16]上記[13]~[15]のいずれかの粒鉄製造方法において、仕切筒体(5)の全体または下側部分が漏斗状に構成され、その漏斗状部に冷却水供給管(6)を通じて冷却水を導入することを特徴とする粒鉄製造方法。
本発明によれば、適正な粒径を有する粒鉄を長期間にわたり安定して継続的に製造することができる。すなわち、同じタンディッシュを使い続けたときに粒鉄粒径が不安定となることを抑制し、適正な粒径を有する粒鉄を安定して製造し続けることができる。このためタンディッシュの交換周期を延長することが可能となり、タンディッシュのメンテナンス費用や交換に伴う設備休止の発生を抑制し、溶鉄の処理効率を高めることが可能となる。
本発明の粒鉄製造装置およびこの装置を用いた本発明の粒鉄製造方法の一実施形態を模式的に示すもので、装置全体を縦断面した状態で示す説明図 図1の実施形態において、冷却水槽内に配置される仕切筒体の平面図 図1の実施形態において、冷却水槽内に配置される仕切筒体の縦断面図 溶鉄(液柱)が溶鉄受け盤の上面の中央に衝突することで周囲に飛散し、液滴化する際の様子(挙動)を模式的に示したもので、図4(a)はタンディッシュおよび溶鉄受け盤を縦断面した状態で示す説明図、図4(b)は、溶鉄受け盤の上面に衝突した溶鉄の様子を示す説明図 溶鉄が溶鉄受け盤の上面に衝突した際に溶鉄傘と液滴が生成する状況を調査するための水モデル実験の実験方法を示す説明図 図5の水モデル実験において溶鉄(水)傘と液滴が生成する状況を撮影した写真 ノズルから吐出された溶鉄の液柱が溶鉄受け盤に衝突する際の状況を調べるための水モデル実験において得られた試験結果であって、適正な溶鉄(水)傘の形成の可否とノズル口径dおよびノズル吐出速度vとの関係を示すグラフ 図7の水モデル実験で形成された溶鉄(水)傘の態様を模式的に示した説明図 本発明で使用されるタンディッシュ、ノズルおよび溶鉄受け盤で構成される溶鉄粒化機構部の縦断面を模式的に示す説明図 図7と同様の水モデル実験において得られた試験結果であって、適正な溶鉄(水)傘の形成の可否と衝突レイノルズ数Iおよびノズル口径dとの関係を示すグラフ 本発明の粒鉄製造装置およびこの装置を用いた本発明の粒鉄製造方法の他の実施形態を示すものであって、冷却水供給管による仕切筒体内側への冷却水の供給方式のいくつかの例を示す説明図
図1~図3は、本発明の粒鉄製造装置およびこの装置を用いた本発明の粒鉄製造方法の一実施形態を模式的に示すもので、図1は装置全体を縦断面した状態で示す説明図、図2は冷却水槽内に配置される仕切筒体の平面図、図3は同じく仕切筒体の縦断面図である。
この粒鉄製造装置は、溶銑や溶鋼などの溶鉄を液滴化させた状態で冷却して凝固させることにより粒鉄(粒状の鉄材)を製造する装置であり、溶鉄xを収容し、底部に溶鉄吐出用のノズル2を備えたタンディッシュ1(溶銑桶など)と、このタンディッシュ1のノズル2から吐出されて流下する溶鉄の液柱xを衝突させる溶鉄受け盤3と、冷却水wを収容した水槽であって、溶鉄受け盤3の下方に配置され、溶鉄受け盤3に衝突してその周囲に飛散した溶鉄xの液滴を冷却水w中に落下させて冷却する冷却水槽4を備えている。
溶鉄受け盤3は円盤状の耐火物で構成され、支持体を介して冷却水槽4の構成部材(本実施形態では後述する仕切筒体5)に支持されている。
本実施形態の粒鉄製造装置は、さらに、冷却水槽4内の一部を仕切って冷却領域部Aを形成する仕切筒体5、冷却領域部Aにおいて溶鉄xの液滴を冷却して生じた粒鉄xを冷却水槽4外に搬出するための搬出コンベア7などを備えるが、これらを含む粒鉄製造装置の構造の詳細については、後に詳述する。
溶鉄xは、溶鉄搬送容器10(例えば、トピード、溶銑鍋など)で粒鉄製造装置に搬送され、樋11などを介してタンディッシュ1に注ぎ込まれる。この際、タンディッシュ1の湯面が一定水準となるように、溶鉄搬送容器10からの溶鉄xの流入量が制御される。
タンディッシュ1内の溶鉄xはノズル2から吐出されて流下(自由落下)し、この溶鉄の液柱xが溶鉄受け盤3に衝突し、周囲に液滴となって飛散する。この溶鉄xの液滴は冷却水槽4に収容された冷却水w中に落下し、冷却されて凝固し、粒鉄x(粒状の鉄材)となる。この粒鉄xは搬出コンベア7により槽外に搬出され、回収される。
本発明者らは、溶鉄x(液柱x)が溶鉄受け盤3の上面の中央に衝突することで周囲に飛散し、液滴化する際の様子(挙動)について、次のような事実を見出した。図4は、その際の溶鉄xの様子(挙動)を模式的に示したもので、図4(a)はタンディッシュ1および溶鉄受け盤3を縦断面した状態で示す説明図、図4(b)は、溶鉄受け盤3の上面に衝突した溶鉄xの様子を示す説明図である。
図4に示すように、溶鉄受け盤3に衝突した溶鉄x(液柱x)は、衝突位置を中心として同心円状に溶鉄受け盤上面を流れて広がる液膜となり、溶鉄受け盤3を覆って傘状のように広がる溶鉄傘を形成する。この溶鉄傘は、衝突位置から一定距離を離れると液膜が次第に不安定化して液滴となり(粒化)、この液滴の状態で冷却水槽4内に落下する。このときの液滴の大きさ(液滴径)が、粒銑粒径である。
上記のようにして溶鉄xを液滴とし、これを冷却水で冷却・凝固させて得られる粒鉄のサイズは、通常、最大粒径(最大粒径の測定方法は実施例の記載の通り)が50mm以下であることが好ましく、35mm以下あることが特に好ましい。また、平均粒径(平均粒径の測定方法は実施例の記載の通り)としては8~20mm程度が好ましく、12~16mm程度が特に好ましい。このような粒径サイズおよび粒度の粒鉄xが得られるように、溶鉄受け盤3からタンディッシュ1のノズル2までの高さを設定するなどして、溶鉄xの液滴のサイズを最適化する。
しかしながら、上述したように、同じ設備で粒鉄の製造を一定期間続けると、次第に粒鉄の粒径が不安定となり、異常に大きい粒鉄や異常に小さな粒鉄が混在するようになる。本発明者らは、このように粒鉄の粒径が不安定になる現象について、その原因と対策を検討した。
本発明者らは、1000℃以上の高温であるため取り扱いが難しい溶鉄の代わりに水を用いる水モデル実験を行い、溶鉄傘と液滴が生成する状況を調査した。
この実験では、図5に示すように、ノズル2、溶鉄受け盤3、およびノズル2の先端(下端)から溶鉄受け盤上面までの垂直方向距離hを実機と同じスケールにした水モデル実験装置を用い、ノズル2の先端(下端)のノズル口径d(以下、単に「ノズル口径d」という)とノズル2からの溶鉄xの吐出速度v(以下、単に「ノズル吐出速度v」という)を変更し、溶鉄傘と液滴が生成する状況を観察した。
図6は、図5の水モデル実験において溶鉄(水)傘と液滴が生成する状況を撮影した写真である。図6(a)に示すように、ある特定の範囲内のノズル吐出速度vでは、安定した液膜を有する溶鉄(水)傘が形成された後、粒径の大きさの揃った液滴となって周囲に飛散している。これに対して、図6(b)に示すように、ノズル吐出速度vが低いと、溶鉄(水)傘は形成されるものの、溶鉄(水)傘の周縁部の液膜に揺らぎが生じ、部分的に液膜を形成せず、大粒の液滴となって飛散し、液滴の大きさが不均一となる。また、図6(c)に示すように、ノズル吐出速度vが高いと、溶鉄受け盤3の上面に衝突直後に液膜を形成せず、大粒と小粒の入り混じった液滴となって飛散し、液滴の大きさが不均一となる。
以上の結果から、本発明者らは、安定した液膜を有する溶鉄(水)傘を形成できる場合に、粒径の大きさの揃った液滴を形成できることを突き止めた。
図7に、水モデル実験における適正な溶鉄(水)傘の形成の可否と、ノズル口径dおよびノズル吐出速度vとの関係を示す。ここで、図8(a)~(c)に、この水モデル実験で形成された溶鉄(水)傘の態様を模式的に示すが、溶鉄(水)傘が適正に形成されたかどうかは、目視により以下のような基準で判定した。
○:図8(a)に示す通り、溶鉄(水)傘を上面視した時に、図中の仮想線で示すように液膜が円形状に安定して形成され(液膜の輪郭が明確である)、その液膜の周縁部が液滴化している。
△:図8(b)に示す通り、溶鉄(水)傘を上面視した時に、液膜が円形状に近く、その周縁部が液滴化しているものの、図中の仮想線で示すように液膜の周縁部に揺らぎが生じて輪郭形状が不安定であり、このため液滴の一部が大粒となるなど、液滴の大きさがやや不均一となる。
×:図8(c1)に示す通り、溶鉄(水)傘を上面視した時に、明確な液膜が形成されず、大粒と小粒の入り混じった液滴となって飛散し、液滴の大きさが不均一となる。或いは、図8(c2)に示す通り、溶鉄(水)傘が液滴化しない状態で落下する。
図7によれば、安定した液膜を有する適正な溶鉄(水)傘を形成できるノズル吐出速度vの範囲は、ノズル口径dが大きくなるほど上限側が大きく狭まる。これは、ノズル口径dが大きくなると流量が増加し、溶鉄受け盤3の上面に衝突する際の運動エネルギーが大きくなり、衝突直後に大粒と小粒の入り混じった液滴となって飛散し、適正な溶鉄(水)傘を形成できないためである。
以上の結果から、本発明者らは、同じタンディッシュを使い続けると、粒鉄粒径が不安定となる現象は、ノズル2の損耗が進んでノズル口径dが大きくなり、適正な溶鉄(水)傘が形成されなくなるためであると推定した。
そこで、本発明者らは、水モデル実験に得られた安定液膜を有する溶鉄(水)傘を形成できる条件を、実際の溶鉄製造装置に適用するために、粘度と表面張力と慣性力に関連し、液柱の物体への衝突に関する無次元数である衝突レイノルズ数に着目した。
図9は、タンディッシュ1、ノズル2および溶鉄受け盤3で構成される溶鉄粒化機構部の縦断面を模式的に示したものであり、タンディッシュ1のノズル2から流下した溶鉄xの液柱xが溶鉄受け盤3に衝突して溶鉄受け盤上面で液膜となり、その後液滴化することが模式的に示されている。
図9において、dはノズル2のノズル口径[mm]、vはノズル2からの溶鉄xの吐出速度[m/s](吐出流速)、hはノズル2の先端から溶鉄受け盤3の上面までの垂直方向距離[mm](溶鉄落下高さ)、Dは円盤状の溶鉄受け盤3の外径[mm]、hはタンディッシュ1内の湯面高さ、dはノズル2から吐出されて流下する溶鉄xの液柱xが溶銑受け盤3に衝突する際の液柱径[mm]、vはノズル2から吐出されて流下する溶鉄xの液柱xが溶銑受け盤3に衝突する際の衝突流速[m/s]である。また、表1に溶鉄(溶銑)と水の物性値を示す。
Figure 2023032091000005
衝突レイノルズ数Iは、ノズル2から吐出した溶鉄流(液柱x)が溶鉄受け盤3の上面に衝突する位置での溶鉄流(液柱x)の径および速度と、溶鉄の粘度、密度および表面張力とで与えられ、溶鉄の粘性および表面張力、吐出した溶鉄流に働く慣性力が影響する液体(溶鉄)の衝突に関する無次元数であり、溶鉄流が溶鉄受け盤3の上面に衝突する際の液膜の生じやすさの指標となる。この衝突レイノルズ数Iは、流体力学の無次元量であるウェーバー数Weとレイノルズ数Reとの関係式である下記(1)式により算出される。
ウェーバー数とは、液滴や気泡など表面張力が関与する現象の動的挙動に対する相似則を表す無次元量であり、液滴や気泡などの形状や変形の挙動を支配するパラメータとされ、下記(2)式より算出される。ここで、代表長さは、溶鉄の液柱xが溶鉄受け盤3に衝突する際の液柱径とした。
また、レイノルズ数とは、流れの粘性力と慣性力の比を表す無次元量であり、力学的に相似となる流れの状態を表し、下記(3)式より算出される。ここで、代表長さは、溶鉄の液柱xが溶鉄受け盤3に衝突する際の液柱径とした。
下記(4)式および(5)式は、タンディッシュ1のノズル2から吐出されて流下する溶鉄の液柱xが、ノズル2の先端(下端)から垂直方向距離h下方の溶鉄受け盤3に衝突する際の、エネルギー保存の法則より導出した液柱径dの算出式と、体積一定の法則より導出した衝突流速vの算出式である。
Figure 2023032091000006
但し I:衝突レイノルズ数[-]
Re:レイノルズ数[-]
We:ウェーバー数[-]
d:ノズル2から吐出されて流下する溶鉄の液柱が溶銑受け盤3に衝突する際の液柱径[mm]
v:ノズル2から吐出されて流下する溶鉄の液柱が溶銑受け盤3に衝突する際の衝突流速[m/s]
ρ:溶鉄の密度[kg/ m
μ:溶鉄の粘度[mPa・s]
σ:溶鉄の表面張力[mN/m]
g:重力加速度[m/s
:ノズル2のノズル口径[mm]
:ノズル2からの溶鉄の吐出速度[m/s]
:ノズル2の先端から溶鉄受け盤3の上面までの垂直方向距離[mm]
図10に、水モデル実験における適正な溶鉄(水)傘の形成の可否と、衝突レイノルズ数Iおよびノズル口径dとの関係を示す。ここで、溶鉄(水)傘が適正に形成されたかどうかは、図7と同様の基準で判定した。
図10によれば、安定した液膜を有する適正な溶鉄(水)傘を形成するには、ノズル口径dに関わらず、衝突レイノルズ数Iを3000≦I≦7500とすればよいことが判る。なお、衝突レイノルズ数Iが決まる要素のばらつき、例えば、ノズル2からの溶鉄の吐出速度v、タンディッシュ1内の湯面高さhの制御精度のばらつき等を考慮して、衝突レイノルズ数Iを3000≦I≦7500よりも狭い範囲としてもよい。
ここで、上述した(1)式~(5)式からして、図9に示すような溶鉄粒化機構部において衝突レイノルズ数Iが決まる要素としては、ノズル2のノズル口径d、ノズル2からの溶鉄xの吐出速度v、およびノズル2の先端から溶鉄受け盤3の上面までの垂直方向距離hがある。なお、ノズル2からの溶鉄xの吐出速度vは、図9に示すタンディッシュ1内の湯面高さhを変えることにより調整できる。
そして、さきに述べたように粒鉄の製造をある程度の期間継続した場合に粒鉄粒径の不安定化を生じるのは、ノズル2の損耗によりノズル口径dが大きくなり、衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500の範囲外になるためである。
そこで、本発明の第一の形態では、ノズル2の損耗によりノズル口径dがある程度大きくなっても、衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500に収まるように、ノズル2のノズル口径d、ノズル2からの溶鉄xの吐出速度v、およびノズル2の先端から溶鉄受け盤3の上面までの垂直方向距離hを設定するものである。
一般的なタンディッシュ1に備えられるノズル2のノズル口径dは、経験則上、ノズル損耗によって吐出溶鉄量300t当たり約1mm程度拡径することが判っており、このようなノズル損耗によるノズル2の使用限界は、ノズル2のノズル口径部の耐熱材の肉厚や、粒鉄製造装置の冷却能力に基づく処理可能な溶鉄吐出量の上限などの粒銑製造装置全体の設備仕様を考慮して決められる。例えば、ノズル損耗によるノズル口径の拡径によりノズル2が使用限界となる場合としては、(i)ノズル口径部の耐熱材の肉厚が減少してノズル自体が使用できなくなる場合、(ii)ノズル自体は使用可能であるが、ノズル口径の拡径により溶鉄吐出量が増加し、粒鉄製造装置の冷却能力を超えてしまう場合、(iii)ノズル口径の拡径による溶鉄吐出量の増加を抑えるためにタンディッシュ1の湯面高さhを調整する(湯面高さを下げる)対応をとった場合、安定操業を確保するという観点から、その調整代が限界に達してしまう場合、などがあり、これらの諸事情によりノズル2の使用限界が決まることになる。
このため、本発明の第一の形態では、衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500を満足するように、ノズル2のノズル口径d、ノズル2からの溶鉄xの吐出速度v、およびノズル2の先端から溶鉄受け盤3の上面までの垂直方向距離hを構成し、且つ、その吐出速度vおよび垂直方向距離hにおいてノズル口径をノズル2の使用限界時のノズル口径(但し、ノズル損耗によるノズル口径の拡径によりノズル2が使用限界となる時のノズル口径)としたときの衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500を満足するように設定するものである。
一方、本発明の第二の形態では、ノズル2の損耗によりノズル口径dがある程度大きくなっても、衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500に収まるように、操業途中で吐出速度vまたは/および垂直方向距離hを調整(変更)するものである。
すなわち、衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500を満足するように、ノズル2のノズル口径d、ノズル2からの溶鉄xの吐出速度v、およびノズル2の先端から溶鉄受け盤3の上面までの垂直方向距離hを構成して粒鉄の製造を開始し、粒鉄の製造を開始した後、ノズル損耗によるノズル口径の拡径によりノズル2が使用限界になるまでの間、衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500を満足する状態が維持されるように、吐出速度vまたは/および垂直方向距離hを調整(変更)する。より具体的には、ノズル2の損耗によりノズル口径dが大きくなると衝突レイノルズ数Iが増加するので、衝突レイノルズ数I>7500とならないように、操業途中で吐出速度vまたは/および垂直方向距離hを小さくする。
上述したように、ノズル2からの溶鉄xの吐出速度vは、図9に示すタンディッシュ1内での湯面高さhを変えることにより調整できる。したがって、吐出速度vを調整する(低下させる)場合には、溶鉄搬送容器10からの溶鉄流入量を調整してタンディッシュ1内の湯面高さhを低下させればよい。また、垂直方向距離hを小さくするには、例えば、溶鉄受け盤3を高さ調整可能な構造とし、溶鉄受け盤3の高さを高くすればよい。また、これらを併用することで、吐出速度vと垂直方向距離hの両方を変更する(小さくする)ようにしてもよい。
ここで、ノズル2の使用限界時のノズル口径(但し、ノズル損耗によるノズル口径の拡径によりノズル2が使用限界となる時のノズル口径)は、上述したような諸事情に鑑み、通常、ノズル口径d(初期ノズル口径)+5mm~ノズル口径d(初期ノズル口径)+30mm程度の範囲内となることが多い。したがって、ノズル2の使用限界時のノズル口径を、例えば、「ノズル口径d+10mm」或いは「ノズル口径d+20mm」などのように定め、上述した本発明の第一の形態や第二の形態を実施すればよい。
なお、ノズル損耗によるノズル口径の拡径の程度は、上述した通り溶鉄吐出量300t当たり約1mm程度であることが判っているが、使用するノズル2について、試験などにより溶鉄吐出量とノズル損耗によるノズル口径の拡径との関係を調べてもよい。
溶鉄受け盤3の平面形状は任意であるが、図8(a)のように円形状の液膜を安定して形成させるためには、本実施形態のように円形状(円盤状)であることが好ましい。
溶鉄受け盤3の大きさに特別な制限はないが、ノズル2から吐出されて流下する溶鉄の液柱xが溶鉄受け盤3に衝突する際の液柱径dに対して溶鉄受け盤3の外径Dがあまりに大きいと、粘性抵抗の影響で液膜の広がる速度が不安定になり、溶鉄傘や液滴の形成に悪い影響を与える恐れがある。このため、溶鉄受け盤3の外径をD[mm]、ノズル2から吐出されて流下する溶鉄の液柱xが溶鉄受け盤3に衝突する際の液柱径をd[mm]とした場合、D/dは7.0程度を上限とすることが好ましい。一方、液柱径dが溶鉄受け盤3の外径Dよりも大きいと、液柱xの周縁部分は溶鉄受け盤3に衝突せず液滴化されないので、D/dは1.0以上とすることが好ましい。
次に、図1~図3に示す実施形態の粒鉄製造装置および製造方法の詳細について説明する。
タンディッシュ1が備えるノズル2は略円筒状であり、本実施形態ではタンディッシュ1の底部に設けられているが、例えば、タンディッシュ1の側面下部に設けてもよい。
この実施形態の冷却水槽4内には、上下端が開口した仕切筒体5が配置され、この仕切筒体5の内側を、上方から落下する溶鉄xの液滴を受け入れて冷却する冷却領域部Aとし、冷却水槽4の外部から供給される冷却水を、冷却水供給管6を通じてこの冷却領域部A(仕切筒体5の内側)に導入している。
このように仕切筒体5によって冷却水槽4内に冷却領域部Aを設けるのは、(i)この領域に冷却水を集中して導入することにより溶鉄xの液滴を効率的に冷却する、(ii)粒鉄xを仕切筒体5内で生成させ、この粒鉄xが仕切筒体5の下端開口から下方に払い出されるようにすることにより、粒鉄xを1箇所に集めて回収しやすくする、という2つの効果を得るためである。さらに、仕切筒体5を下記するような特定の形状とすることにより、後述するように、冷却領域部A(仕切筒体5の内側)に冷却水の旋回上向き流を生じさせ、粉鉄xの冷却効率を高めることができる効果も得られる。
仕切筒体5は、その全体が漏斗状(コーン状)であって、上下端が開口(開放)した構造を有しており(図中、50が上端開口、51が下端開口)、冷却水槽4内において図示しない支持部材を介して支持されている。この仕切筒体5の漏斗形状(コーン形状)の傾斜面の水平からの傾斜角度θ(図3参照)は、粒鉄を滞留させないなどの観点から40~60°程度が好ましい。
仕切筒体5には、1つ以上の冷却水供給管6が接続され、冷却領域部A(仕切筒体5の内側)に冷却水槽4の外部から冷却水が導入されるが、本実施形態では、仕切筒体5の周方向及び上下方向で間隔を置いた複数の位置にそれぞれ冷却水供給管6が接続され、これら複数の冷却水供給管6から冷却領域部A(仕切筒体5の内側)に冷却水が導入されるようにしている。
このように漏斗形状の仕切筒体5内に冷却水供給管6から冷却水を供給することにより、冷却水は開口面積が大きい仕切筒体5の上端開口50側に流れようとし、且つ冷却水供給管6から吐出された冷却水流が仕切筒体5の内側傾斜面に当たることによっても、上向きに旋回して流れようとするので、仕切筒体5内に冷却水の上向き旋回流が生じる。このため冷却領域部A(仕切筒体5の内側)での水のよどみがなくなるとともに、上から落下してくる粒鉄x(凝固中の溶鉄液滴)に対して冷却水流が向流となり、粒鉄xの冷却効率が高められる。また、仕切筒体5の下部側に冷却水供給管6を接続して、この冷却水供給管6から冷却水を導入することにより、より大きい上向きの冷却水流を形成させることができる。
また、図2に示すように、各冷却水供給管6は、仕切筒体5内にその筒芯に対して偏芯した方向に冷却水を導入するように仕切筒体5に接続されており、これにより冷却領域部Aで冷却水の旋回流をより効果的に生じさせることができるので、粒鉄の冷却効率をより高めることができる。
なお、仕切筒体5は下側部分のみが漏斗状(コーン状)に構成されてもよく、その漏斗状部に本実施形態と同様の形態で冷却水供給管6を接続し、冷却水が導入されるようにしてもよい。
また、冷却水供給管6は、仕切筒体5に接続されるのではなく、例えば、図12(a)~(d)に示すように、その端部が仕切筒体5内に配置されるようにしてもよい。
したがって、冷却水供給管6は、仕切筒体5に対して下記(i)または/および(ii)のように設けることができる。
(i)冷却水が仕切筒体5内にその筒芯に対して偏芯した方向に導入されることで、冷却領域部Aで冷却水の旋回流が生じるように、冷却水供給管6が仕切筒体5に接続され、若しくは冷却水供給管6の端部が仕切筒体5内に配置される。
(ii)仕切筒体5の全体または下側部分が漏斗状に構成され、その漏斗状部に冷却水供給管6が接続され、若しくはその漏斗状部内に冷却水供給管6の端部が配置される。
冷却水槽4の下部には排水口8が設けられており、冷却水槽4内の冷却水面が一定になるように、冷却水供給管6で供給された冷却水量に見合う量の冷却水が排水口8から排水される。また、冷却水を冷却水槽4内外で循環使用する場合には、冷却水槽4内での溶鉄の冷却によって温度が上昇し(例えば65℃以上)、排水口8から排水された冷却水が冷却装置で冷却(例えば30~35℃程度に冷却)された後、冷却水供給管6から再び冷却水槽4の冷却領域部Aに導入される。
冷却水槽4には、冷却領域部Aにおいて溶鉄の液滴を冷却して生じた粒鉄を冷却水槽4外に搬出するための搬出コンベア7が設けられている。この搬出コンベア7は、搬送始端部70が仕切筒体5下端の下方に位置し、搬送終端部71が冷却水槽4の槽外に位置するように、冷却水槽4内に傾斜した状態で設置されている。
冷却領域部Aで生成した粒鉄は、漏斗状(コーン状)の仕切筒体5で集められ、仕切筒体5の下端開口51から落下して搬出コンベア7の搬送始端部70に載り、そのまま搬出コンベア7により槽外に連続的に搬出される。
なお、搬出コンベア7は、水切りができるメッシュ状のコンベアベルトを備えたものが好ましい。
本実施形態では、溶鉄受け盤3は支柱9を介して仕切筒体5に支持されることで、タンディッシュ1のノズル2の下方に配置されている。
ここで、本発明の第二の形態において、ノズル2の先端から溶鉄受け盤3の上面までの垂直方向距離hを調整(変更)するために、操業中に溶鉄受け盤3の高さを変える必要がある場合には、例えば、溶鉄受け盤3を支持する支柱9を伸縮可能とし、溶鉄受け盤3の高さを調整できるようにする。
また、粒鉄製造装置としては、冷却水槽4内に仕切筒体を設置することなく、冷却水供給管6を冷却水槽4自体に接続するか、若しくは冷却水供給管6の端部を冷却水槽4内に配置させてもよい。この場合には、冷却水槽4の全体または下側部分を漏斗状(コーン状)に構成するとともに、その底部に粒鉄を冷却水とともに吸引排出する排出管を接続すればよい。
[実施例1]
図1に示すような本発明の粒鉄製造装置を用い、本発明の第一の形態により、表2および表3に示す条件で粒銑を製造した。ノズルの使用限界については、粒鉄製造装置の冷却能力に基づく処理可能な溶鉄吐出量の上限に基づき、ノズル損耗によりノズル2のノズル口径がノズル口径d(初期ノズル口径)+20mmとなる時点とした。すなわち、本発明例として、衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500を満足するように、ノズル2のノズル口径d、ノズル2からの溶鉄の吐出速度v、およびノズル2の先端から溶鉄受け盤3の上面までの垂直方向距離hを構成し、且つ、その吐出速度vおよび垂直方向距離hにおいてノズル口径をノズル2の使用限界時のノズル口径(すなわち、ノズル損耗によるノズル口径の拡径によりノズル2が使用限界となる時のノズル口径=ノズル口径d(初期ノズル口径)+20mm)としたときの衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500を満足する条件で粒銑の製造を行った。
一方、比較例として、ノズル口径dでの衝突レイノルズ数Iまたはノズル2の使用限界時のノズル口径での衝突レイノルズ数Iが、それぞれ3000≦I≦7500を満足しない条件で粒銑の製造を行った。
製造された粒銑のなかで、ノズル2が使用限界となった時のチャージで得られた製品(粒銑)の粒径を測定し、粒銑の平均粒径および最大粒径を求めた。この結果を、表2および表3に併せて示す。
粒銑粒度の測定と平均粒径および最大粒径の算出は、JIS Z8801-1「試験用ふるい 金属製網ふるい」またはJIS Z8801-2「試験用ふるい 金属製板ふるい」に記載の試験用ふるいを用い、JIS M8706「鉄鉱石及び還元鉄-ふるい分けによる粒度分布の測定方法」に準拠して行った。
また、本実施例では1チャージ当たりの溶銑量が300tであり、経験則上、ノズルの損耗によりノズル口径は1チャージ毎に約1mm拡径すると考えられるので、これを前提に5チャージ後および10チャージ後の衝突レイノルズ数を算出した。
表2および表3によれば、比較例1~14は、いずれもノズル口径dでの衝突レイノルズ数I、ノズルの使用限界時のノズル口径での衝突レイノルズ数Iのいずれかまたは両方が3000≦I≦7500を満足しないため、ノズル使用限界時のチャージで得られる粒銑は最大粒径がいずれも50mmを超えている。また、ノズル口径dでの衝突レイノルズ数Iが7500を超える比較例8~10は、平均粒径も20mmを超えている。これに対して発明例1~発明例13では、ノズル使用限界時のチャージで得られる粒銑はいずれも平均粒径が20mm以下であり、最大粒径も35mm以下である。
Figure 2023032091000007
Figure 2023032091000008
[実施例2]
図1に示すような本発明の粒鉄製造装置を用い、本発明の第二の形態により、表4および表5に示す条件で粒銑を製造した。すなわち、本発明例として、衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500を満足するように、ノズル2のノズル口径d、ノズル2からの溶鉄の吐出速度v、およびノズル2の先端から溶鉄受け盤3の上面までの垂直方向距離h(溶鉄受け盤までの溶鉄落下高さh)を表4に示すように構成して粒銑の製造を開始し、粒銑の製造を開始した後、ノズル損耗によるノズル口径の拡径によりノズル2が使用限界(実施例1と同様、ノズル損耗によりノズル2のノズル口径がノズル口径d(初期ノズル口径)+20mmとなる時点)になるまでの間、衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500を満足する状態が維持されるように、表5に示すように溶鉄落下高さhを調整しつつ粒銑の製造を行った。具体的には、当初1000mmであった溶鉄落下高さhを5チャージ後に737mm、10チャージ後に524mm、その後さらに206mmに変更した。なお、溶鉄落下高さhは、高さ調整可能な溶鉄受け盤3の高さを変えることにより調整した。
一方、比較例として、衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500を満足するように、ノズル2のノズル口径d、ノズル2からの溶鉄の吐出速度v、およびノズル2の先端から溶鉄受け盤3の上面までの垂直方向距離h(溶鉄受け盤までの溶鉄の落下高さh)を表4に示すように構成して粒鉄の製造を開始し、その後、表5に示すようにそのままの条件で継続して粒銑の製造を行った。
製造された粒鉄のなかで、ノズル2が使用限界となった時のチャージで得られた製品(粒銑)の粒径を[実施例1]と同じ方法で測定し、粒銑の平均粒径および最大粒径を求めた。この結果を、表5に併せて示す。
なお、5チャージ後および10チャージ後の衝突レイノルズ数を算出方法は[実施例1]と同じである。
表5によれば、比較例は、5チャージ後の衝突レイノルズ数Iから3000≦I≦7500を満足しなくなり、ノズル2が使用限界となった時のチャージで得られる粒銑は最大粒径が50mmを超えている。これに対して発明例は、衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500に維持されるため、ノズル2が使用限界となった時のチャージで得られる粒銑は、平均粒径が20mm以下、最大粒径が50mm以下(35mm以下)である。
Figure 2023032091000009
Figure 2023032091000010
[実施例3]
図1に示すような本発明の粒鉄製造装置を用い、本発明の第二の形態により、表6および表7に示す条件で粒銑を製造した。すなわち、本発明例として、衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500を満足するように、ノズル2のノズル口径d、ノズル2からの溶鉄の吐出速度v、およびノズル2の先端から溶鉄受け盤3の上面までの垂直方向距離h(溶鉄受け盤までの溶鉄落下高さh)を表6に示すように構成して粒銑の製造を開始し、粒銑の製造を開始した後、ノズル損耗によるノズル口径の拡径によりノズル2が使用限界(実施例1と同様、ノズル損耗によりノズル2のノズル口径がノズル口径d(初期ノズル口径)+20mmとなる時点)になるまでの間、衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500を満足する状態が維持されるように、表7に示すようにノズル2からの溶鉄の吐出速度vを調整しつつ粒銑の製造を行った。具体的には、当初3.6m/sであったノズル2からの溶鉄の吐出速度vを、タンディッシュ1の湯面高さhを下げることにより5チャージ後に3.4m/s、10チャージ後に3.2m/s、その後さらに2.9m/sに変更した。
一方、比較例として、衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500を満足するように、ノズル2のノズル口径d、ノズル2からの溶鉄の吐出速度v、およびノズル2の先端から溶鉄受け盤3の上面までの垂直方向距離h(溶鉄受け盤までの溶鉄の落下高さh)を表6に示すように構成して粒鉄の製造を開始し、その後、表7に示すようにそのままの条件で継続して粒銑の製造を行った。
製造された粒鉄のなかで、ノズル2が使用限界となった時のチャージで得られた製品(粒銑)の粒径を[実施例1]と同じ方法で測定し、粒銑の平均粒径および最大粒径を求めた。この結果を、表7に併せて示す。
なお、5チャージ後および10チャージ後の衝突レイノルズ数を算出方法は[実施例1]と同じである。
表7によれば、比較例は、5チャージ後の衝突レイノルズ数Iから3000≦I≦7500を満足しなくなり、ノズル2が使用限界となった時のチャージで得られる粒銑は最大粒径が50mmを超えている。これに対して発明例は、衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500に維持されるためノズル2が使用限界となった時のチャージで得られる粒銑は、平均粒径が20mm以下、最大粒径が50mm以下である。
Figure 2023032091000011
Figure 2023032091000012
1 タンディッシュ
2 ノズル
3 溶鉄受け盤
4 冷却水槽
5 仕切筒体
6 冷却水供給管
7 搬出コンベア
8 排水口
9 支柱
10 溶鉄搬送容器
11 樋
50 上端開口
51 下端開口
70 搬送始端部
71 搬送終端部
A 冷却領域部
x 溶鉄
液柱
粒鉄
w 冷却水

Claims (16)

  1. 収容した溶鉄を吐出するノズル(2)を備えたタンディッシュ(1)と、
    該タンディッシュ(1)のノズル(2)から吐出されて流下する溶鉄の液柱を衝突させる溶鉄受け盤(3)と、
    該溶鉄受け盤(3)の下方に配置され、溶鉄受け盤(3)に衝突してその周囲に飛散した溶鉄の液滴を冷却水中に落下させて冷却する冷却水槽(4)を備えた粒鉄製造装置であって、
    下記(1)式~(5)式で定義される衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500を満足するように、ノズル(2)のノズル口径d、ノズル(2)からの溶鉄の吐出速度v、およびノズル(2)の先端から溶鉄受け盤(3)の上面までの垂直方向距離hが構成され、且つ、その吐出速度vおよび垂直方向距離hにおいてノズル口径をノズル(2)の使用限界時のノズル口径(但し、ノズル損耗によるノズル口径の拡径によりノズル(2)が使用限界となる時のノズル口径)としたときの衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500を満足することを特徴とする粒鉄製造装置。
    Figure 2023032091000013
    但し I:衝突レイノルズ数[-]
    Re:レイノルズ数[-]
    We:ウェーバー数[-]
    d:ノズル(2)から吐出されて流下する溶鉄の液柱が溶銑受け盤(3)に衝突する際の液柱径[mm]
    v:ノズル(2)から吐出されて流下する溶鉄の液柱が溶銑受け盤(3)に衝突する際の衝突流速[m/s]
    ρ:溶鉄の密度[kg/ m
    μ:溶鉄の粘度[mPa・s]
    σ:溶鉄の表面張力[mN/m]
    g:重力加速度[m/s
    :ノズル(2)のノズル口径[mm]
    :ノズル(2)からの溶鉄の吐出速度[m/s]
    :ノズル(2)の先端から溶鉄受け盤(3)の上面までの垂直方向距離[mm]
  2. ノズル(2)の使用限界時のノズル口径(但し、ノズル損耗によるノズル口径の拡径によりノズル(2)が使用限界となる時のノズル口径)が、ノズル口径d+5mm~ノズル口径d+30mmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の粒鉄製造装置。
  3. 溶鉄受け盤(3)の平面形状が円形であり、該円形状の溶鉄受け盤(3)の外径D[mm]と、ノズル(2)から吐出されて流下する溶鉄の液柱が溶鉄受け盤(3)に衝突する際の液柱径d[mm]が、1≦D/d≦7を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の粒銑製造装置。
  4. 冷却水槽(4)内に上下端が開口した仕切筒体(5)を配置して、該仕切筒体(5)の内側を、上方から落下する溶鉄の液滴を受け入れて冷却する冷却領域部(A)とし、
    冷却水槽(4)の外部から供給される冷却水を冷却領域部(A)に導入する冷却水供給管(6)を設けたことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の粒鉄製造装置。
  5. 冷却領域部(A)において溶鉄の液滴を冷却して生じた粒鉄を冷却水槽(4)外に搬出するための搬出コンベア(7)を備え、
    仕切筒体(5)下端の下方に搬出コンベア(7)の搬送始端部を位置させることにより、仕切筒体(5)の下端から落下した粒鉄が搬出コンベア(7)により冷却水槽(4)外に搬出されるようにしたことを特徴とする請求項4に記載の粒鉄製造装置。
  6. 冷却水が仕切筒体(5)内にその筒芯に対して偏芯した方向に導入されることで、冷却領域部(A)で冷却水の旋回流が生じるように、冷却水供給管(6)が仕切筒体(5)に接続され、若しくは冷却水供給管(6)の端部が仕切筒体(5)内に配置されることを特徴とする請求項4または5に記載の粒鉄製造装置。
  7. 仕切筒体(5)の全体または下側部分が漏斗状に構成され、その漏斗状部に冷却水供給管(6)が接続され、若しくはその漏斗状部内に冷却水供給管(6)の端部が配置されることを特徴とする請求項4~6のいずれかに記載の粒鉄製造装置。
  8. 収容した溶鉄を吐出するノズル(2)を備えたタンディッシュ(1)と、
    該タンディッシュ(1)のノズル(2)から吐出されて流下する溶鉄の液柱を衝突させる溶鉄受け盤(3)と、
    該溶鉄受け盤(3)の下方に配置され、溶鉄受け盤(3)に衝突してその周囲に飛散した溶鉄の液滴を冷却水中に落下させて冷却する冷却水槽(4)を備えた装置を用いて粒鉄を製造する方法であって、
    下記(1)式~(5)式で定義される衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500を満足するように、ノズル(2)のノズル口径d、ノズル(2)からの溶鉄の吐出速度v、およびノズル(2)の先端から溶鉄受け盤(3)の上面までの垂直方向距離hを構成し、且つ、その吐出速度vおよび垂直方向距離hにおいてノズル口径をノズル(2)の使用限界時のノズル口径(但し、ノズル損耗によるノズル口径の拡径によりノズル(2)が使用限界となる時のノズル口径)としたときの衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500を満足することを特徴とする粒鉄製造方法。
    Figure 2023032091000014
    但し I:衝突レイノルズ数[-]
    Re:レイノルズ数[-]
    We:ウェーバー数[-]
    d:ノズル(2)から吐出されて流下する溶鉄の液柱が溶銑受け盤(3)に衝突する際の液柱径[mm]
    v:ノズル(2)から吐出されて流下する溶鉄の液柱が溶銑受け盤(3)に衝突する際の衝突流速[m/s]
    ρ:溶鉄の密度[kg/ m
    μ:溶鉄の粘度[mPa・s]
    σ:溶鉄の表面張力[mN/m]
    g:重力加速度[m/s
    :ノズル(2)のノズル口径[mm]
    :ノズル(2)からの溶鉄の吐出速度[m/s]
    :ノズル(2)の先端から溶鉄受け盤(3)の上面までの垂直方向距離[mm]
  9. ノズル(2)の使用限界時のノズル口径(但し、ノズル損耗によるノズル口径の拡径によりノズル(2)が使用限界となる時のノズル口径)が、ノズル口径d+5mm~ノズル口径d+30mmの範囲内であることを特徴とする請求項8に記載の粒鉄製造方法。
  10. 収容した溶鉄を吐出するノズル(2)を備えたタンディッシュ(1)と、
    該タンディッシュ(1)のノズル(2)から吐出されて流下する溶鉄の液柱を衝突させる溶鉄受け盤(3)と、
    該溶鉄受け盤(3)の下方に配置され、溶鉄受け盤(3)に衝突してその周囲に飛散した溶鉄の液滴を冷却水中に落下させて冷却する冷却水槽(4)を備えた装置を用いて粒鉄を製造する方法であって、
    下記(1)式~(5)式で定義される衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500を満足するように、ノズル(2)のノズル口径d、ノズル(2)からの溶鉄の吐出速度v、およびノズル(2)の先端から溶鉄受け盤(3)の上面までの垂直方向距離hを構成して粒鉄の製造を開始し、
    粒鉄の製造を開始した後、ノズル損耗によるノズル口径の拡径によりノズル(2)が使用限界になるまでの間、衝突レイノルズ数Iが3000≦I≦7500を満足する状態が維持されるように、吐出速度vまたは/および垂直方向距離hを調整することを特徴とする粒鉄製造方法。
    Figure 2023032091000015
    但し I:衝突レイノルズ数[-]
    Re:レイノルズ数[-]
    We:ウェーバー数[-]
    d:ノズル(2)から吐出されて流下する溶鉄の液柱が溶銑受け盤(3)に衝突する際の液柱径[mm]
    v:ノズル(2)から吐出されて流下する溶鉄の液柱が溶銑受け盤(3)に衝突する際の衝突流速[m/s]
    ρ:溶鉄の密度[kg/ m
    μ:溶鉄の粘度[mPa・s]
    σ:溶鉄の表面張力[mN/m]
    g:重力加速度[m/s
    :ノズル(2)のノズル口径[mm]
    :ノズル(2)からの溶鉄の吐出速度[m/s]
    :ノズル(2)の先端から溶鉄受け盤(3)の上面までの垂直方向距離[mm]
  11. ノズル損耗によるノズル口径の拡径によりノズル(2)が使用限界となる時のノズル口径が、ノズル口径d+5mm~ノズル口径d+30mmの範囲内であることを特徴とする請求項10に記載の粒鉄製造方法。
  12. 溶鉄受け盤(3)の平面形状が円形であり、該円形状の溶鉄受け盤(3)の外径D[mm]と、ノズル(2)から吐出されて流下する溶鉄の液柱が溶鉄受け盤(3)に衝突する際の液柱径d[mm]が、1≦D/d≦7を満足することを特徴とする請求項8~11のいずれかに記載の粒鉄製造方法。
  13. 冷却水槽(4)内に上下端が開口した仕切筒体(5)を配置して、この仕切筒体(5)の内側を、上方から落下する溶鉄の液滴を受け入れて冷却する冷却領域部(A)とし、
    冷却水槽(4)の外部から供給される冷却水を、冷却水供給管(6)を通じて冷却領域部(A)に導入することを特徴とする請求項8~12のいずれかに記載の粒鉄製造方法。
  14. 冷却領域部(A)において溶鉄の液滴を冷却して生じた粒鉄を冷却水槽(4)外に搬出するための搬出コンベア(7)を備え、
    仕切筒体(5)下端の下方に搬出コンベア(7)の搬送始端部を位置させることにより、仕切筒体(5)の下端から落下した粒鉄を搬出コンベア(7)により冷却水槽(4)外に搬出することを特徴とする請求項13に記載の粒鉄製造方法。
  15. 冷却水供給管(6)を通じて、冷却水を仕切筒体(5)内にその筒芯に対して偏芯した方向に導入することにより、冷却領域部(A)で冷却水の旋回流を生じさせることを特徴とする請求項13または14に記載の粒鉄製造方法。
  16. 仕切筒体(5)の全体または下側部分が漏斗状に構成され、その漏斗状部に冷却水供給管(6)を通じて冷却水を導入することを特徴とする請求項13~15のいずれかに記載の粒鉄製造方法。
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