JP7444118B2 - 溶銑処理量の検出方法、粒銑製造設備の制御方法および溶銑処理量の検出装置 - Google Patents

溶銑処理量の検出方法、粒銑製造設備の制御方法および溶銑処理量の検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7444118B2
JP7444118B2 JP2021051593A JP2021051593A JP7444118B2 JP 7444118 B2 JP7444118 B2 JP 7444118B2 JP 2021051593 A JP2021051593 A JP 2021051593A JP 2021051593 A JP2021051593 A JP 2021051593A JP 7444118 B2 JP7444118 B2 JP 7444118B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hot metal
throughput
amount
liquid level
tundish
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021051593A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022149432A (ja
Inventor
裕太 保久
浩臣 宮田
稔 桑原
雄大 土田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2021051593A priority Critical patent/JP7444118B2/ja
Publication of JP2022149432A publication Critical patent/JP2022149432A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7444118B2 publication Critical patent/JP7444118B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)
  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)
  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
  • Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)

Description

本発明は、溶銑から粒銑を製造する粒銑製造設備における溶銑処理量の検出方法、粒銑製造設備の制御方法および粒銑製造設備における溶銑処理量の検出装置に関する。
高炉で生産された溶銑は溶融状態で製鋼工場へ搬送され、製鋼工場で精錬される。一方、溶銑をそのまま粒状に凝固させて鉄源として利用する場合もある。特許文献1には、トピードカー等の溶銑搬送設備を用いて搬送された溶銑を、タンディッシュを介して冷却設備に供給して粒銑を製造する粒銑製造設備が開示されている。冷却設備内で冷却されて生成された粒銑はコンベア等で所定の貯留設備へ搬送されて貯留される。
特表2018-512499号公報
この設備で安定して所定粒度の粒銑を製造するためには、冷却設備へ供給する溶銑処理量を所定の量に保持し、溶銑処理量と冷却設備で使用される冷却水の量との比率が予め定められた範囲内となるようにし、溶銑と冷却水との接触を安定に保つ必要がある。このように、溶銑処理量と冷却設備で使用される冷却水の量との比率を予め定められた範囲内となるようにするためには、何らかの形で溶銑処理量を計測する必要がある。
溶銑処理量は、冷却設備内に生成して滞留する粒銑の量がほぼ一定になるように粒銑を抜き出して、コンベアで貯留設備へ搬送するようにし、この冷却設備から貯留設備へ粒銑を搬送するコンベアにコンベアスケール等の搬送量計測器を設置して、搬送される粒銑の量を計測することで、この値を溶銑処理量としている。しかしながら、この方法は、冷却設備で冷却された粒銑の量を計測しているので、タンディッシュから冷却設備へ供給される溶銑処理量が変化した場合に、その変化を搬送量計測器で検知するまでに5分程度の時間を要するので、冷却設備での冷却水量の制御および溶銑処理量の制御等に遅れが生じてしまう、という課題があった。
一方、タンディッシュの置台に秤量装置を設置し、タンディッシュ全体の重量変化を計測することでタンディッシュから冷却設備へ供給される溶銑処理量を計測する方法もある。しかしながら、この方法は、秤量装置に測定誤差が生じたり、操業中に不純物がタンディッシュに付着して成長することから、タンディッシュ重量の増減を正確に測定することは困難である、という課題があった。本発明はこのような従来技術を鑑みてなされたものであり、秤量装置を用いることなく、タンディッシュから冷却設備へ供給される溶銑処理量を計測できる溶銑処理量の検出方法、溶銑処理量の検出装置および当該検出方法を用いる粒銑製造設備の制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1]タンディッシュに貯留される溶銑を、前記タンディッシュの排出孔から冷却装置に排出して粒銑を製造する粒銑製造設備における溶銑処理量の検出方法であって、
前記タンディッシュ内の前記溶銑の液面高さと、前記排出孔の内径と、を用いて溶銑処理量を求める、溶銑処理量の検出方法。
[2]下記(1)式を用いて前記溶銑処理量を求める、請求項1に記載の溶銑処理量の検出方法。
Figure 0007444118000001
上記(1)式において、Xは前記溶銑処理量(t/s)であり、ρは前記溶銑の密度(t/m)であり、Cは流量係数であり、gは重力加速度(m/s)であり、Hは前記液面高さ(m)であり、πは円周率であり、Dは前記内径(m)である。
[3][2]または[3]に記載の溶銑処理量の検出方法で求められる前記溶銑処理量が予め定められた範囲内になるように前記液面高さを制御する、粒銑製造設備の制御方法。
[4]前記タンディッシュへの前記溶銑の注入流量を制御することで前記液面高さを制御する、[3]に記載の粒銑製造設備の制御方法。
[5]タンディッシュに貯留される溶銑を、前記タンディッシュから冷却装置に排出して粒銑を製造する粒銑製造設備における溶銑処理量の検出装置であって、前記タンディッシュ内の前記溶銑の液面高さを計測する液面計と、前記タンディッシュの排出孔から排出される前記溶銑を撮像して画像データを生成するカメラと、前記カメラから取得した画像データを用いて前記排出孔の内径を求め、前記液面計から取得した液面高さと前記内径とを用いて溶銑処理量を検出する演算装置と、を有する、溶銑処理量の検出装置。
[6]前記演算装置は、下記(1)式を用いて溶銑処理量を検出する、[5]に記載の溶銑処理量の検出装置。
Figure 0007444118000002
上記(1)式において、Xは前記溶銑処理量(t/s)であり、ρは前記溶銑の密度(t/m)であり、Cは流量係数であり、gは重力加速度(m/s)であり、Hは前記液面高さ(m)であり、πは円周率であり、Dは前記内径(m)である。
本発明に係る溶銑処理量の検出方法の実施により、秤量装置を用いることなく、タンディッシュから溶銑冷却装置へ供給される溶銑処理量を計測できる。これにより、溶銑冷却設備に供給される溶銑処理量の変化を正確に検出できるので、遅れを生じさせることなく溶銑冷却装置に供給される溶銑処理量や冷却水量を制御できる。そして、このように溶銑処理量や冷却水量を制御することで、溶銑冷却装置における溶銑処理量と冷却水量との比率が予め定められた範囲内になるように維持でき、所定粒度の粒銑の安定的な製造が実現する。
本実施形態に係る溶銑処理量の検出装置を含む粒銑製造設備10の一例を示す模式図である。 タンディッシュ20の構成を示す断面模式図である。 トピードカー14の傾転速度の制御概念を示すグラフである。 実施例1の溶銑処理量、内径、液面高さおよび傾転速度の時間変化を示すグラフである。 実施例2の溶銑処理量、内径、液面高さおよび傾転速度の時間変化を示すグラフである。
以下、本発明を発明の実施形態を通じて説明する。図1は、本実施形態に係る溶銑処理量の検出装置を含む粒銑製造設備10の一例を示す模式図である。粒銑製造設備10は、タンディッシュ20と、溶銑処理量の検出装置30(以後、「検出装置30」と記載する。)と、冷却設備40と、搬送設備50とを有する。
トピードカー14は、紡錘型の形状を有し、中央に開口を有する鍋状容器16を搭載した台車である。トピードカー14は不図示の電動機を有し、当該電動機により紡錘状の両端部を軸として、台車の横方向に鍋状容器16を傾動させることができる。高炉で生産された溶銑12はトピードカー14の鍋状容器16に導入されて粒銑製造設備10に搬送される。鍋状容器16内の溶銑は、鍋状容器16が傾動されることで排出され、タンディッシュ20内に注入される。タンディッシュ20への溶銑12の注入流量は、鍋状容器16の傾転速度の増減により調整される。傾転速度は電動機に印加する電圧を調整することで増減できる。
図2は、タンディッシュ20の断面模式図である。タンディッシュ20は、鉄皮25、耐火物26、ノズル27およびストッパー24を有する。鉄皮25は、直方体形状の容器であり、その内側には、溶銑12の熱から鉄皮25を保護する耐火物26が設けられている。タンディッシュ20の底面には、同じく耐火物で構成される円筒状であって長さLのノズル27が埋め込まれている。ノズル27の中空部分により排出孔22が形成され、当該排出孔22から溶銑12が溶銑流となってタンディッシュ20から排出される。この溶銑12の排出によって、溶銑12がタンディッシュ20から冷却設備40に供給される。
また、排出孔22の鉛直上方には、ストッパー24が設けられている。何らかの異常が発生した場合に、ストッパー24は鉛直下方に移動して、排出孔22を部分的もしくは完全に閉塞させ、排出孔22からの溶銑12の排出を減少させたり、停止させることができる。
再び、図1を参照する。検出装置30は、タンディッシュ20から冷却設備40に供給される溶銑処理量を検出する。検出装置30は、液面計32と、カメラ34と、演算装置36とを有する。液面計32は、例えば、マイクロ波液面計である。液面計32は、溶銑液面にマイクロ波を発信し、発信したマイクロ波が溶銑液面で反射して帰ってくるエコーを受信する。液面計32は、発信したマイクロ波を受信するまでの時間を計測することで、液面計32から溶銑液面までの距離を計測する。液面計32には、予め、液面計32からタンディッシュ20の底面までの距離が格納されており、液面計32は、当該距離から計測した液面計32から溶銑液面までの距離を減じることで、溶銑12の液面高さHを計測する。液面計32は、溶銑12の液面高さHを演算装置36に出力する。
カメラ34は、タンディッシュ20の排出孔22から排出される溶銑12の溶銑流を撮像して画像データを生成する。カメラ34は、生成した画像データを演算装置36に出力する。なお、液面計32から液面高さHを出力する頻度およびカメラ34から画像データを演算装置36に出力する頻度は、10秒間に1回以上の頻度であることが好ましく、1秒間に1回以上の頻度であることがさらに好ましい。なお、カメラ34は、カラー画像データを生成するカラーカメラであることが好ましい。カラーカメラを用いることで、後述する画像データにおける溶銑12と他の部分との境界の特定が容易になる。但し、溶銑12と他の部分とが境界が特定できれば、モノクロカメラであってもよい。
演算装置36は、CPU等の演算部とメモリ等の格納部を有するパソコン等の汎用コンピュータである。演算装置36は、カメラ34から画像データを取得すると、当該画像データを用いて排出孔22の内径Dを求める。1500℃前後の溶銑12と、溶銑12以外の部分とは画像データにおける輝度値が大きく異なるので、演算装置36は、予め定められて格納部に格納される輝度の閾値を用いて、画像データにおける排出孔22から排出される1500℃前後の溶銑12と、溶銑12以外の部分との境界を特定する。
演算装置36は、特定した溶銑12と溶銑12以外の部分との境界間の距離を算出することで排出孔22から排出される溶銑流の流れ太さを算出する。溶銑流の流れ太さに相当する長さは排出孔22の内径と同じになるので、溶銑流の流れ太さを算出することで、演算装置36は排出孔22の内径Dを求めることができる。粒銑製造設備10を長期間使用すると、溶銑流により排出孔22の内側耐火物が損耗するので排出孔22の内径Dは大きくなる。上述したように、演算装置36は、排出孔22の内径Dを所定の頻度で計測するので、当該内径Dが変化したとしてもその変化を把握できる。
演算装置36は、排出孔22の内径Dと、液面計32から取得した溶銑12の液面高さHと、下記(1)式とを用いて溶銑処理量Xを求める。
Figure 0007444118000003
上記(1)式において、Xは溶銑処理量(t/s)であり、ρは溶銑12の密度(t/m)であり、Cは流量係数であり、gは重力加速度(m/s)であり、Hは液面高さ(m)であり、πは円周率であり、Dは排出孔22の内径(m)である。
冷却設備40では、タンディッシュ20から供給された溶銑12に向けて冷却水が常時供給されており、溶銑12を冷却して粒銑を生成させる。冷却設備40で冷却された粒銑は、ベルトコンベア等の搬送設備50によって所定の貯留設備へ搬送され、当該設備にて貯留される。粒銑の生産量を把握するために、搬送設備50の途中にコンベアスケール等の搬送量計測器を設置してもよい。
このように、本実施形態に係る検出装置30では、排出孔22の内径Dと、タンディッシュ20の液面高さHとから溶銑処理量Xを求めるので、秤量装置を用いることなく、タンディッシュ20から冷却設備40へ供給される溶銑処理量を正確に検出できる。これにより、計測遅れを生じさせることなく冷却設備40に供給される溶銑処理量の変化を検出できるようになる。そして、当該検出結果に基づいて冷却設備40に供給される溶銑処理量や冷却水量を制御することで、溶銑冷却装置における溶銑処理量と冷却水量との比率が予め定められた範囲内になるように維持でき、所定粒度の粒銑の安定的な製造が実現できる。
検出装置30は、10秒間に1回以上の頻度、さらに好ましくは1秒間に1回以上の頻度で、液面高さHおよび画像データを取得してリアルタイムに溶銑処理量を求めることが好ましい。これにより、タンディッシュ20から冷却設備40へ供給される溶銑処理量の変化を迅速に検出できるようになり、所定粒度の粒銑のさらなる安定的な製造が実現できる。
次に、溶銑処理量Xを算出する(1)式について説明する。溶銑処理量Xを算出する(1)式は、下記(2)式から導かれる。
Figure 0007444118000004
上記(2)式において、Xは溶銑の処理速度(t/s)であり、ρは溶銑12の密度(t/m)であり、vは溶銑12の排出速度(m/s)であり、Sは排出孔22の断面積(m)である。
溶銑12の排出速度vは、溶銑12の液面高さHと、下記(3)式とを用いて求められる。
Figure 0007444118000005
上記(3)式において、vは溶銑12の排出速度(m/s)であり、gは重力加速度(m/s)であり、Hは液面高さ(m)であり、Cは流量係数である。上記(3)式は、底面に開孔を有する容器から流体が自由落下する際の流体の排出速度vは、液体の密度、粘度等の物性値に影響されず、容器の「液面高さ」のみで求められるというトリチェリの定理から導かれる式である。トリチェリの定理は上記(3)式に示すように密度および粘度の項がない。このため、溶銑に代えて水を用いた実機スケールの実験を行うことで流量係数Cを求めることができる。流量係数Cとして1.05~1.25(中央値1.16)を用いることができる。
排出孔22の断面積Sは、排出孔22の内径Dと下記(4)式で算出できる。
Figure 0007444118000006
上記(4)式において、Sは排出孔22の断面積(m)であり、πは円周率であり、Dは排出孔22の内径(m)である。上記(2)式に上記(3)式および上記(4)式を代入することで溶銑処理量Xを算出する(1)式が導かれる。
次に、粒銑製造設備10における溶銑処理量の調整方法について説明する。上述したように、粒銑製造設備10において所定粒度の粒銑を安定的に製造するには、冷却設備40における溶銑処理量と冷却水量との比率が予め定められた範囲内になるようにする必要がある。冷却設備40では所定量の冷却水量が常時供給されているので、当該冷却水量に対応した溶銑処理量の範囲を目標溶銑処理量の範囲として予め定めておき、当該目標溶銑処理量の範囲内になるように溶銑処理量を制御すればよい。溶銑処理量は、例えば、タンディッシュ20の液面高さを制御することで制御される。これにより、粒銑製造設備10において、所定粒度の粒銑の安定的な製造が実現できる。なお、ストッパー24により溶銑処理量を制御してもよい。
例えば、粒銑製造設備10の長期使用により、排出孔22の内径が大きくなって溶銑処理量が多くなり、目標溶銑処理量の範囲の上限を超えるおそれが生じた場合には、トピードカー14の鍋状容器16の傾転速度を遅くして、タンディッシュ20への溶銑12の注入流量を減少させ、タンディッシュ20の液面高さを低くすればよい。これにより、タンディッシュ20から排出される溶銑処理量が少なくなるので、この結果、溶銑処理量を目標溶銑処理量の範囲内に維持できるようになる。
また、何らかの原因で排出孔22が部分的に閉塞し、溶銑処理量が少なくなり、目標溶銑処理量の範囲の下限未満になるおそれが生じた場合には、トピードカー14の鍋状容器16の傾転速度を速めて、タンディッシュ20への溶銑12の注入流量を増加させ、タンディッシュ20の液面高さを高くすればよい。これにより、タンディッシュ20から排出される溶銑処理量が多くなるので、この結果、溶銑処理量を目標溶銑処理量の範囲内に維持できるようになる。
次に、タンディッシュ20の液面を目標液面高さに維持するトピードカー14からの注入流量の制御について説明する。図3は、トピードカー14の傾転速度の制御概念を示すグラフである。図3において、目標液面高さHを維持するトピードカー14の傾転速度を「傾転速度R」と定義する。
例えば、目標液面高さHに対して、液面高さがHからH1に上昇した場合、目標液面高さHまで液面を低下させるためにトピードカー14の傾転速度をRからR1まで低下させ、タンディッシュ20への溶銑12の注入流量を減少させる。これにより、液面高さはH1からHに低下する。液面高さがHに低下した後は、トピードカー14の傾転速度をR1からRに上昇させる。
一方、液面高さがHからH3に低下した場合には目標液面高さHまで液面を上昇させるためにトピードカー14の傾転速度をRからR3まで上昇させ、タンディッシュ20への溶銑12の注入流量を増加させる。これにより、液面高さはH3からHに上昇する。液面高さがHに上昇した後は、トピードカー14の傾転速度をR3からRに低下させる。
このようにトピードカー14の傾転速度を制御することで、タンディッシュ20の液面高さを目標とする高さに維持できる。図3に示した制御は、種々の液面高さに対応した傾転速度に対して適用できるので、これらの制御を行うことでタンディッシュ20の液面高さを制御して、溶銑処理量を目標溶銑処理量の範囲内になるように維持する。これにより、冷却設備40における溶銑処理量と冷却水量との比率が予め定められた範囲内になるように維持でき、粒銑製造設備10において、所定粒度の粒銑の安定的な製造が実現する。
次に、タンディッシュ内の溶銑の液面高さが低下した場合の溶銑処理量の検出および制御について確認した実施例1を説明する。実施例1では、発明例および比較例ともに60分程度で300tの粒銑を製造できる粒銑製造設備と、300tの溶銑を保有できるトピードカーと、を用いて粒銑の製造を実施した。
トピードカーからタンディッシュに溶銑を注入して粒銑を製造する場合に、排出孔の内径が一定であったとしても、その製造の初期(傾転開始時)と末期(傾転終了時)はタンディッシュ内の液面高さが大きく変動する。実施例1では、このタンディッシュ内の液面高さが大きく変動する期間において、発明例では、本実施形態に係る粒銑製造設備10を用いて10秒ごとに溶銑処理量を検出するとともに、検出された溶銑処理量が目標を満足するように液面高さを制御した。一方、比較例では、搬送設備に設けられた搬送量計測器によって5分後に測定された粒銑量により溶銑処理量を検出し、検出された溶銑処理量が目標を満足するように液面高さを制御した。実施例1では、発明例および比較例ともに排出孔の内径は一定であるとした。
図4は、実施例1の溶銑処理量、内径、液面高さおよび傾転速度の時間変化を示すグラフである。図4(a)は、溶銑処理量の時間変化を示し、図4(b)は排出孔の内径の時間変化を示す。また、図4(c)は液面高さの時間変化を示し、図4(d)は傾転速度の時間変化を示す。なお、比較例では、検出装置30を有する設備を用いて、あくまで本発明の有効性を確認するために5分後の搬送量計測器の測定結果のみに基づいて操業した結果であり、排出孔の内径と液面高さを制御に用いていない。
図4に示すように、比較例では、5分後に搬送量計測器によって測定された粒銑の製造量から溶銑処理量を検出しているので、仮に発明例と同じ制御をしたとしても、その制御は発明例よりも5分遅くなる。すなわち、10分経過後から液面高さの低下により溶銑処理量が減少し始めるが、搬送量計測器がこの溶銑処理量の減少を検知するのは5分後の15分経過後になる。このため、トピードカーの傾転速度の増加調整が5分遅れて液面高さが低下してしまい、これにより、図4(a)に示すように溶銑処理量が減少し、粒銑の製造量が減少した。
一方、発明例では10分10秒後から溶銑処理量の低下を検出できるので、当該溶銑処理量の検出結果に応じてトピードカー14の傾転速度を増加調整できる。これにより、発明例では、液面高さの低下が抑制されて目標溶銑処理量近傍で粒銑を製造できるようになり、粒銑の安定的な製造が実現できた。
次に、排出孔22が急激に損耗し排出孔の内径が拡大した場合の溶銑処理量の検出および制御について確認した実施例2を説明する。実施例2においても、発明例および比較例ともに60分程度で300tの粒銑を製造できる粒銑製造設備と、300tの溶銑を保有できるトピードカーとを用いて粒銑の製造を実施した。
実施例2では、20分経過後に排出孔の内径が溶損により拡大したとして、発明例では、本実施形態に係る粒銑製造設備10を用いて10秒ごとに溶銑処理量を検出するとともに、検出された溶銑処理量が目標を満足するように液面高さを制御した。一方、比較例では、搬送設備に設けられた搬送量計測器により測定された粒銑量により溶銑処理量を検出し、検出された溶銑処理量が目標を満足するように液面高さを制御した。
図5は、実施例2の溶銑処理量、内径、液面高さおよび傾転速度の時間変化を示すグラフである。図5(a)は、溶銑処理量の時間変化を示し、図5(b)は排出孔の内径の時間変化を示す。また、図5(c)は液面高さの時間変化を示し、図5(d)は傾転速度の時間変化を示す。なお、図5においても比較例の溶銑処理量および液面高さは、5分後の搬送量計測器の測定結果に基づく値である。
図5に示すように、比較例では、5分後に搬送量計測器によって測定された粒銑の製造量から溶銑処理量を検出しているので、発明例と同じ制御をしたとしても、その制御は発明例よりも5分遅くなる。すなわち、20分経過後から排出孔の内径拡大により溶銑処理量が増大し始めるが、搬送量計測器がこの溶銑処理量の増大を検知するのは5分後の25分経過後になる。このため、比較例では、トピードカーの傾転速度の低下調整が遅れ、溶銑処理量が増大し過ぎて一時的に粒銑製造設備10の最大溶銑処理能力500t/hを超過したため、粒銑の安定的な製造が実現できなかったと判断した。ここで粒銑の安定的な製造とは、搬送設備50の安定稼働と冷却設備40の冷却能力とが保持されることである。最大溶銑処理能力500t/hを超過すると搬送設備50の設備仕様能力を超過するので、搬送設備50が過負荷停止する可能性がある。搬送設備50が過負荷停止すると、搬送設備50内に高温の粒鉄が堆積してしまい操業継続不可となる場合がある。更に、最大溶銑処理能力500t/hを超過すると、冷却設備40の冷却能力上限も超過するので冷却水温度が上昇する。冷却水温度が高くなり過ぎると、最悪の場合、水蒸気爆発が発生する。
一方、発明例では20分10秒後から溶銑処理量の低下を検出できるので、当該溶銑処理量の検出結果に応じてトピードカー14の傾転速度を低下調整できる。これにより、発明例では、溶銑処理量の増大が抑制されて目標溶銑処理量近傍で粒銑を製造できるようになり、粒銑の安定的な製造が実現できた。
10 粒銑製造設備
12 溶銑
14 トピードカー
16 鍋状容器
20 タンディッシュ
22 排出孔
24 ストッパー
25 鉄皮
26 耐火物
27 ノズル
30 検出装置
32 液面計
34 カメラ
36 演算装置
40 冷却設備
50 搬送設備

Claims (6)

  1. タンディッシュに貯留される溶銑を、前記タンディッシュの排出孔から冷却装置に排出して粒銑を製造する粒銑製造設備における溶銑処理量の検出方法であって、
    前記タンディッシュの排出孔から排出される前記溶銑を撮像するカメラによって生成される画像データを用いて前記排出孔の内径を求め、
    前記タンディッシュ内の前記溶銑の液面高さと、前記排出孔の内径と、を用いて溶銑処理量を求める、溶銑処理量の検出方法。
  2. 下記(1)式を用いて前記溶銑処理量を求める、請求項1に記載の溶銑処理量の検出方法。
    Figure 0007444118000007
    上記(1)式において、Xは前記溶銑処理量(t/s)であり、ρは前記溶銑の密度(t/m)であり、Cは流量係数であり、gは重力加速度(m/s)であり、Hは前記液面高さ(m)であり、πは円周率であり、Dは前記内径(m)である。
  3. 請求項1または請求項2に記載の溶銑処理量の検出方法で求められる前記溶銑処理量が予め定められた範囲内になるように前記液面高さを制御する、粒銑製造設備の制御方法。
  4. 前記タンディッシュへの前記溶銑の注入流量を制御することで前記液面高さを制御する、請求項3に記載の粒銑製造設備の制御方法。
  5. タンディッシュに貯留される溶銑を、前記タンディッシュから冷却装置に排出して粒銑を製造する粒銑製造設備における溶銑処理量の検出装置であって、
    前記タンディッシュ内の前記溶銑の液面高さを計測する液面計と、
    前記タンディッシュの排出孔から排出される前記溶銑を撮像して画像データを生成するカメラと、
    前記カメラから取得した画像データを用いて前記排出孔の内径を求め、前記液面計から取得した液面高さと前記内径とを用いて溶銑処理量を検出する演算装置と、を有する、溶銑処理量の検出装置。
  6. 前記演算装置は、下記(1)式を用いて前記溶銑処理量を検出する、請求項5に記載の溶銑処理量の検出装置。
    Figure 0007444118000008
    上記(1)式において、Xは前記溶銑処理量(t/s)であり、ρは前記溶銑の密度(t/m)であり、Cは流量係数であり、gは重力加速度(m/s)であり、Hは前記液面高さ(m)であり、πは円周率であり、Dは前記内径(m)である。
JP2021051593A 2021-03-25 2021-03-25 溶銑処理量の検出方法、粒銑製造設備の制御方法および溶銑処理量の検出装置 Active JP7444118B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021051593A JP7444118B2 (ja) 2021-03-25 2021-03-25 溶銑処理量の検出方法、粒銑製造設備の制御方法および溶銑処理量の検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021051593A JP7444118B2 (ja) 2021-03-25 2021-03-25 溶銑処理量の検出方法、粒銑製造設備の制御方法および溶銑処理量の検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022149432A JP2022149432A (ja) 2022-10-06
JP7444118B2 true JP7444118B2 (ja) 2024-03-06

Family

ID=83463153

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021051593A Active JP7444118B2 (ja) 2021-03-25 2021-03-25 溶銑処理量の検出方法、粒銑製造設備の制御方法および溶銑処理量の検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7444118B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7444147B2 (ja) 2021-08-26 2024-03-06 Jfeスチール株式会社 粒鉄製造装置および粒鉄製造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017159334A (ja) 2016-03-10 2017-09-14 日立金属株式会社 銅合金材の製造装置および製造方法
JP2018512499A (ja) 2015-02-16 2018-05-17 ウヴォン ホールディング エービー 溶融材料の造粒用のノズルおよびタンディッシュ装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018512499A (ja) 2015-02-16 2018-05-17 ウヴォン ホールディング エービー 溶融材料の造粒用のノズルおよびタンディッシュ装置
JP2017159334A (ja) 2016-03-10 2017-09-14 日立金属株式会社 銅合金材の製造装置および製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022149432A (ja) 2022-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3266540B1 (en) Pouring machine and method
US8241390B2 (en) Semi-liquid metal processing and sensing device and method of using same
JP7444118B2 (ja) 溶銑処理量の検出方法、粒銑製造設備の制御方法および溶銑処理量の検出装置
US8960263B2 (en) Centrifugal casting method and apparatus
CN105612016B (zh) 熔融材料的造粒
WO2018020929A1 (ja) 排滓重量推定方法及び排滓重量推定装置
CN105121065A (zh) 用于连续铸造工艺的方法、控制器和浇口盘控制系统
CN111683766B (zh) 用于监测连续铸钢工艺的方法和设备
US20190136334A1 (en) Device and method for sensing a conveying rate of a liquid material
JP7444147B2 (ja) 粒鉄製造装置および粒鉄製造方法
JPH0976050A (ja) モールドパウダー厚の制御方法および装置
US4245758A (en) Method and apparatus for measuring molten metal stream flow
JP6435988B2 (ja) 連続鋳造におけるブレークアウト予知方法、ブレークアウト防止方法、凝固シェル厚の測定方法、ブレークアウト予知装置およびブレークアウト防止装置
JP2856077B2 (ja) 連続鋳造用パウダー層厚の制御方法および装置
JPH09253812A (ja) タンディッシュ内溶鋼温度の管理方法
JP2702344B2 (ja) アトマイズ金属粉末製造方法
JP6547474B2 (ja) 高炉、及び、高炉装入物の高さレベルを測定する測定方法
JPH0124592B2 (ja)
JPS6316841A (ja) 連続鋳造における湯面変動の制御方法
JP3513381B2 (ja) 鋳型内液面レベルの検出方法及び装置
JPH03115129A (ja) ガラス溶融装置の溶融ガラス流出量調節方法および装置
KR101670123B1 (ko) 용강의 연속 주조 방법
JP2020094283A (ja) 高炉操業方法
CN108367343B (zh) 用于执行连续铸造机的终止操作的设备和方法
JPH0711019B2 (ja) 高炉操業における吹抜け防止方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221028

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230919

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231003

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231027

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240123

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240205

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7444118

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150