JP7247934B2 - 粒鉄製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、溶鉄から粒鉄を製造する粒鉄製造装置に関する。
高炉等で製造される溶鉄から粒鉄を製造するプロセスがある。特許文献1には、溶銑を構造物に落下させ、構造物から跳ね返った液滴が下の冷却浴に落ちて冷却され、これにより、粒鉄が製造される粒状金属製造方法が開示されている。また、特許文献2には、水流で溶銑を粒化させ、液状の粒鉄を水中に投下することで冷却、凝固させ、大量の粒鉄を製造する装置が開示されている。
水中に投入される時の粒鉄は高温である。溶鉄の温度は、1200~1500℃程度なので、このような高温の粒鉄が水に接触すると高温物体表面上に蒸気膜が生じる膜沸騰状態となって水が蒸発し、粒鉄の熱を奪っていく。この膜沸騰は冷却能力が低く、例えば、蒸気膜が生じない核沸騰の数100分の1程度の熱伝達率しかない。このため、膜沸騰が長く続くと、粒鉄が十分に冷却されず、冷却水内で粒鉄同士が合体することがある。粒鉄同士が合体すると、搬送しにくい大きさの粒鉄が増えて搬送が困難になる。また、粒鉄同士が合体する際に冷却水が内含されると水蒸気爆発を引き起こす原因にもなる。
また、冷却水温が高いと水が沸騰しやすくなるので、高温物体周囲に蒸気膜が維持されやすく膜沸騰になりやすい。したがって、冷却水の水温が高くなると、粒鉄の冷却能力が著しく低下し、粒鉄同士の合体が発生しやすくなる。このような問題に対し、特許文献2には、2次冷却水の冷却水量を調整してピット内の冷却水温を68℃以下に維持し、これによりピット内に堆積した粒鉄の合体を抑制できることが開示されている。
特開平5-154607号公報 特開平9-20902号公報
溶鉄から粒鉄を製造する時に粒鉄が水平方向にある程度広がることと、凝固した粒鉄の搬送装置の設置スペースとを考慮すると、粒鉄の冷却にはかなりの大きさの冷却水槽が必要になる。冷却水槽には、冷却水を供給する吐出口と、温度が上昇した冷却水を冷却設備に搬送する排水口とを設け、これにより冷却水を水槽と冷却設備とに循環させる制御を行うが、大きい水槽全体に冷たい冷却水をいきわたらせるように制御することは難しく、冷却水の流れによっては、水槽内によどみ領域が生じることがある。このよどみ領域に粒鉄の冷却に使用された暖かい冷却水が滞留すると、局所的に水温が高い領域ができる場合がある。この領域に粒鉄が大量に投入された場合には、膜沸騰状態が長い間維持され、十分に冷却できず、粒鉄が互いに合体して、冷却水槽からの取り出し搬送が困難になる。また、この合体物に水が内包された場合には水蒸気爆発を引き起こす場合もある、という課題があった。本発明は上記課題を解決するためになされた発明であって、その目的は、粒鉄を効率的に冷却して、粒鉄同士の合体を抑制できる粒鉄製造装置を提供することにある。
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
(1)溶鉄を液滴とする粒化装置と、前記液滴を受ける位置に設けられ、冷却水を収容する水平断面が円形の水流制御容器と、前記水流制御容器に接続し、前記水流制御容器に冷却水を供給する複数の冷却水管と、を有し、前記水流制御容器は、下方に向けて前記水流制御容器の水平断面積が狭くなるように傾斜した傾斜面を内側に有するとともに前記傾斜面の下方には排出口が設けられ、前記傾斜面における前記水流制御容器の軸線方向に垂直となる断面を、所定位置を0°として0°から360°に分けた場合に、前記複数の冷却水管の少なくとも1つは、前記断面の0°より大きく90°未満となる領域に、水流方向が前記断面の90°以上180°以下の範囲となるように接続され、前記複数の冷却水管の少なくとも1つは、0°より大きく90°未満となる領域に設けられる冷却水管と同じ高さの断面の180°より大きく270°未満となる領域に、水流方向が前記断面の270°以上360°以下の範囲となるように接続される、粒鉄製造装置。
(2)前記水流制御容器に冷却水を供給する4以上の冷却水管を有し、前記複数の冷却水管の少なくとも1つは、0°より大きく90°未満となる領域に設けられる冷却水管よりも高い傾斜面であって、前記所定位置を0°として0°から360°に分けた断面の60°以上90°未満となる領域に、水流方向が前記断面の270°以上300°以下の範囲となるように接続され、前記複数の冷却水管の少なくとも1つは、前記断面の60°以上90°未満に設けられる冷却水管と同じ高さの断面の240°以上270°未満となる領域に、水流方向が前記断面の90°以上120°以下の範囲となるように接続される、(1)に記載の粒鉄製造装置。
(3)前記水流制御容器に冷却水を供給する4以上の冷却水管を有し、前記複数の冷却水管の1つは、0°より大きく90°未満となる領域に設けられる冷却水管よりも高い傾斜面であって、前記所定位置を0°として0°から360°に分けた断面の90°より大きく120°以下となる領域に、水流方向が前記断面の240°以上270°以下の範囲となるように接続され、前記複数の冷却水管の1つは、前記断面の90°より大きく120°以下に設けられる冷却水管と同じ高さの断面の270°より大きく300°以下となる領域に、水流方向が前記断面の60°以上90°以下の範囲となるように接続される、(1)に記載の粒鉄製造装置。
(4)冷却水を収容する冷却水槽をさらに有し、前記冷却水槽は、前記水流制御容器を収容する、(1)から(3)のいずれか1つに記載の粒鉄製造装置。
(5)前記水流制御容器の下方には、冷却された粒鉄を前記冷却水槽の外に搬送する搬送装置をさらに有する、(4)に記載の粒鉄製造装置。
本発明の粒鉄製造装置では、傾斜面を有する水流制御容器内に冷却水を供給して冷却水の旋回流を形成させて粒鉄を効率的に冷却できる。この結果、粒鉄が十分に冷却されず、粒鉄同士が合体することを防止できる。この粒鉄同士の合体を防止することで、これらの合体物に水が内包されることによって発生する水蒸気爆発も防止できる。
本実施形態に係る粒鉄製造装置10の一例を示す模式図である。 水流制御容器20の模式図である。 冷却水管30、31の接続位置を説明する水流制御容器20の模式図である。 冷却水管60、62の接続位置を説明する水流制御容器20の模式図である。 冷却水管64、66の接続位置を説明する水流制御容器20の模式図である。 水流制御容器内の冷却水流をシミュレートした結果を説明する図である。
以下、本発明を発明の実施形態を通じて説明する。図1は、本実施形態に係る粒鉄製造装置10の一例を示す模式図である。粒鉄製造装置10は、溶鉄から粒鉄を製造する装置である。溶鉄は、高炉で製造された溶銑であってもよく、溶鋼であってもよく、スクラップを電気炉で溶解して製造されたものであってもよい。粒鉄製造装置10に用いられる溶鉄は、鉄を主成分とするものであればいずれの製造方法であっても用いることができる。
本実施形態に係る粒鉄製造装置10は、溶鉄を液滴とする粒化装置12と、冷却水を収容する水流制御容器20と、冷却水40を水流制御容器20に供給する2本の冷却水管30、31と、冷却水槽32と、搬送装置34とを有する。溶鉄は、粒化装置12で液滴とされ、水流制御容器20で冷却されて粒鉄となる。
溶鉄は、溶銑鍋やトピードカー等により、粒鉄製造装置10が設けられている場所に輸送される。輸送された溶鉄は、粒化装置12により液滴にされる。粒化装置12は、例えば、タンディッシュ14および耐火物16を有し、タンディッシュ14に収容された溶鉄18を流出させ、流出された溶鉄18を耐火物16に衝突させて液滴にする装置である。なお、粒化装置12はこれに限らず、タンディッシュ14から流出された溶鉄18に水を衝突させて液滴にする装置であってもよい。これらの粒化装置12を用いることで、溶鉄を所定の粒径の粒鉄となる液滴に調整できる。
液滴の形状が大きくなると、熱容量が大きくなって凝固に時間がかかり、高温のままの粒鉄同士が水流制御容器20内で互いに接触・合体し、大きな塊となって取り出し搬送がしにくくなるおそれがある。このため、粒化装置12は、溶鉄を冷却後の粒鉄の最大長さが50mm以下になる液滴にすることが好ましい。溶鉄18は、粒化装置12で液滴とされ、水流制御容器20内に落下する。ここで、液滴とは、溶鉄が滴状になったものをいい、液体の滴や、表面は凝固しているが内部は液体である状態のものを含む。
水流制御容器20は、水平断面が円形であり、下方に向けて水流制御容器20の水平断面積が狭くなるように傾斜した傾斜面22を内側に有する。水流制御容器20の傾斜面22が設けられた下方端部の穴は、冷却されて凝固した粒鉄の排出口26である。水流制御容器20は、同一の鉛直線上に中心がある円形の水平断面形状を有することが好ましい。水流制御容器20の水平断面形状は、楕円形やその他の形状であってもよいが、後述するように、水流制御容器20には複数の冷却水管が設けられ、冷却水が水流制御容器20内を旋回する。冷却水の流れを阻害しないように、水流制御容器20の断面形状は、上から見て、円形であることが好ましい。また、傾斜面22は、水流制御容器20の内側に形成される。外側の形状は、特に制約されない。図1では、水流制御容器20の上部に円筒形状の部分を設けた例を示したが、円筒形状の部分は無くてもよい。円筒形状があることで、傾斜面より水流を円筒周方向へ向けることになるので循環力が強くなる点で有利になる。円筒形状を設ける場合は、水流制御容器20の上下方向の長さの50%以下に収めることが好ましい。
水流制御容器20の傾斜面の所定位置には、同じ高さで冷却水管30が接続する吐出口24と、冷却水管31が接続する吐出口25とが設けられる。2本の冷却水管30、31は、不図示の熱交換機やクーリングタワー等の冷却設備によって0℃以上35℃以下に冷却された冷却水40が通る水管である。冷却水40は、2本の冷却水管30、31を通り、吐出口24および吐出口25から水流制御容器20内に吐出される。図1に示した例においては、2つの冷却水管30、31を水流制御容器20に接続した例を示したが、これに限らず、3つ以上の冷却水管を水流制御容器20に接続してもよい。すなわち、粒鉄製造装置10は、水流制御容器20に接続する少なくとも2つ以上の複数の冷却水管を有すればよい。但し、3つ以上の冷却水管を設ける場合において各冷却水管は、各冷却水管から吐出される冷却水40の水流が互いに衝突しない、すなわち、各冷却水管から吐出される冷却水40の水流方向(冷却水管の中心軸の方向)が同軸とならない位置に設けることが好ましい。
水流制御容器20は、粒化装置12によって液滴となった溶鉄18を受ける位置に設けられる。液滴となった溶鉄18は、水流制御容器20の上側端部から水流制御容器20内に投入される。溶鉄18の液滴は、水流制御容器20内の冷却水40によって冷却されて粒鉄となる。粒鉄は、重力により傾斜面22を降下し、排出口26から排出される。このようにして、溶鉄18から粒鉄が製造される。
傾斜面22は、製造された粒鉄を排出口26に案内する。このため、傾斜面22の水平面に対する傾斜角度は、粒鉄の安息角以上であることが好ましい。すなわち、傾斜面22の水平面に対する角度は30°以上60°以下の範囲内であることが好ましい。傾斜面22の水平面に対する傾斜角度を30°以上にすることで、粒鉄を傾斜面22に滞留させることなく排出口26に案内できる。さらに、傾斜角度を60°以下にすることで、搬送装置34に案内するための傾斜面を短くでき、水流制御容器20の深さが深くなって粒鉄製造装置10が大きくなることを抑制できる。
冷却水槽32は、冷却水40と水流制御容器20と搬送装置34とを収容する。水流制御容器20は、冷却水槽32に収容される冷却水40の中に設置される。冷却水槽32内に収容される冷却水40は、水流制御容器20から排水された冷却水40である。冷却水槽32内に収容される冷却水は、冷却水槽32の冷却水面が一定になるように、冷却水管30、31から吐出される冷却水量と同じ量の冷却水40が排水口33から排水される。なお、大容量の冷却水槽32を用いることによって、冷却水面を制御することが容易になり、安定して粒鉄を製造できる。
搬送装置34は、排出口26から排出された粒鉄を冷却水槽32の外の所定の位置に搬送する。搬送装置34は、冷却された粒鉄を冷却水槽32の外に搬送する装置である。粒鉄を搬送できる装置であれば、搬送方法や装置構成を限定することなく搬送装置34として用いることができる。但し、冷却水40が冷却水槽32の外に搬出されないように、搬送装置34としてメッシュコンベアを用いることが好ましい。
図2は、水流制御容器20の模式図である。図2(a)は水流制御容器20の側面断面模式図であり、図2(b)は水流制御容器20の上面模式図である。図2(a)に示すように、吐出口24、25から吐出された冷却水40は、傾斜面22に衝突することで冷却水40の流れ方向が変化する。この流れ方向の変化により、水流制御容器20内の水平方向に回転(図2(b)では上から見て時計回り)しながら上方へと向かう旋回流42が生じる。この旋回流42により、水流制御容器20内におけるよどみ領域の生成が抑制されるので、冷却水40の局所的な温度上昇が抑制されて粒鉄を効率的に冷却でき、粒鉄が十分に冷却されずに互いに合体することが抑制される。この旋回流42の生成の観点からも、傾斜面22の水平面に対する角度は30°以上60°以下であることが好ましい。なお、冷却水管30、31から吐出される冷却水40の水量が排出口26から排水される排水量よりも少ないと冷却水40は排出口26から排出されてしまうので水流制御容器20内で冷却水40の旋回流が生じなくなる。このため、冷却水管30、31から吐出される冷却水40の水量は、少なくとも排出口26から排水される排水量よりも多くなるように設定される。
また、吐出口24、25を水流制御容器20の上下方向の中央位置よりも下方に設け、冷却水40を水流制御容器20の下方から吐出させることが好ましい。冷却水40を水流制御容器20に吐出させると、冷却水40は開口の広い上方に向かう。このため、冷却水40を下方から吐出させると水流制御容器20内を下方から上方へ流れる。一方、粒鉄は水流制御容器20の上方から下方へ降下するので、粒鉄と冷却水40とが互いに反対方向に移動することになり冷却水40による粒鉄の冷却効率が高くなる。これにより、冷却水40による粒鉄の冷却がさらに促進され、粒鉄が十分に冷却されずに互いに合体することがさらに抑制される。
また、冷却水温が低すぎると、粒鉄表面の蒸気膜が不安定となり、粒鉄表面で水蒸気爆発が起きる場合がある。これに対しても吐出口24、25を水流制御容器20の下方に設け、粒鉄と冷却水40とを向流として冷却効率を高くすることで、水流制御容器20の上方における冷却水40の水温が高くなるので、冷却水温の低下による水蒸気爆発の発生を抑制できる。
次に、冷却水管30、31と水流制御容器20との円周方向での接続位置について説明する。図3は、冷却水管30、31の接続位置を説明する水流制御容器20の模式図である。図3(a)は水流制御容器20の正面図であり、図3(b)は、図3(a)のA-A断面図である。冷却水管30が接続している位置の水流制御容器20の軸線方向に垂直となる断面を、所定位置50を基準位置(0°)として0°から360°に分けた場合に、本実施形態に係る水流制御容器20では、冷却水管30は、当該断面の0°より大きく90°未満となる領域に、冷却水管30から吐出される冷却水40の水流方向(冷却水管30の中心軸の方向)が当該断面の90°以上180°以下の範囲を向くように水流制御容器20に接続される。同様に、冷却水管31は、冷却水管30と同じ高さであって、当該断面の180°より大きく270°未満となる領域に、冷却水管31から吐出される冷却水40の水流方向(冷却水管31の中心軸の方向)が当該断面の270°以上360°以下の範囲を向くように水流制御容器20に接続される。
このような位置で冷却水管30、31を水流制御容器20に接続することで、冷却水管30、31から吐出される冷却水40の水流方向が水流制御容器20の偏心方向(中心とは異なる偏心を通る方向)となり、冷却水40が対向する傾斜面22に衝突したときに水平方向の旋回流42が形成されやすくなる。さらに、冷却水管30、31から吐出される冷却水40の冷却水流同士が衝突することがないので、より強い旋回流を生じさせることができる。なお、冷却水管30、31が水流制御容器20に接続する吐出口24、25の位置は、水流制御容器20の中心軸に対して軸対称となるように配置することが好ましい。
なお、本実施形態では、粒鉄製造装置10が粒化装置12と、冷却水40を収容する水流制御容器20と、冷却水40を水流制御容器20に供給する冷却水管30、31と、冷却水槽32と、搬送装置34とを有する例を示したが、これに限らない。粒鉄製造装置10は、冷却水槽32と搬送装置34とを有しなくてもよい。冷却水槽32を設けない場合、水流制御容器20の上方および下方から冷却水40が排水される。水流制御容器20の下方において粒鉄と排水とをメッシュ状部材を用いて分離し、分離後の排水を回収することで、図1に示した粒鉄製造装置10と同様の方法で溶鉄18から粒鉄を製造できる。
このように、本実施形態に係る粒鉄製造装置では、冷却水40を収容し、下方に向けて水流制御容器20の水平断面積が狭くなるように傾斜した傾斜面22を有する水流制御容器20を用い、水流制御容器20の所定位置に設けられた冷却水管30、31から、水流制御容器20に冷却水40を吐出させることで冷却水40の旋回流42を生じさせ、当該旋回流42によって粒鉄を効率的に冷却できる。さらに、粒鉄と冷却水40とが互いに反対方向に移動することで粒鉄をより効率的に冷却でき、粒鉄が十分に冷却されずに互いに合体することを防止できる。これにより、粒鉄の取り出し搬送が容易になるとともに、合体物に水が内包されたことに起因する水蒸気爆発の発生も防止される。
次に、4つの冷却水管を有する粒鉄製造装置における水流制御容器20と各冷却水管との円周方向の接続位置について説明する。図4は、冷却水管60、62の接続位置を説明する水流制御容器20の模式図である。図4(a)は水流制御容器20の正面図であり、図4(b)は、図4(a)のB-B断面図である。なお、冷却水管30、31が接続する位置は、図3に示した例と同じであるので、その説明は省略する。
冷却水管60が接続している位置の水流制御容器20の軸線方向に垂直となる断面を、所定位置50を基準位置(0°)として0°から360°に分けた場合に、冷却水管60は、冷却水管30よりも高い位置の傾斜面22であって当該断面の60°以上90°未満となる領域に、冷却水管60から吐出される冷却水40の水流方向(冷却水管60の中心軸の方向)が当該断面の270°以上300°以下の範囲を向くように水流制御容器20に接続される。同様に、冷却水管62は、冷却水管60と同じ高さであって、当該断面の240°以上270°未満となる領域に、冷却水管62から吐出される冷却水40の水流方向(冷却水管62の中心軸の方向)が当該断面の90°以上120°以下の範囲を向くように水流制御容器20に接続される。
冷却水管30、31から冷却水40を吐出させて、水流制御容器20に冷却水40の旋回流を生じさせると当該旋回流の中心部がよどみ領域となり、水流制御容器20の中心部の水温が上昇する場合がある。そこで、冷却水管30、31よりも高い位置であって、水流制御容器20の断面における90°と270°とを接続した位置から当該断面の半径rの2分の1以内となる60°以上90°未満となる領域と、240°以上270°未満となる領域とに冷却水管60、62を接続し、それぞれ対向する半径rの2分の1以内となる領域に向けて冷却水を吐出させる。これにより、冷却水管60、62から衝突させることなく冷却水40を水流制御容器20の中心部に吐出させることができ、この結果、旋回流の中心部によどみ領域が生じることが抑制され、当該中心部の水温の上昇を抑制できる。
図5は、冷却水管64、66の接続位置を説明する水流制御容器20の模式図である。図5(a)は水流制御容器20の正面図であり、図5(b)は、図5(a)のA-A断面図である。図5に示した例においても冷却水管30、31が接続する位置は、図3に示した例と同じであるので、その説明は省略する。
冷却水管64が接続している位置の水流制御容器20の軸線方向に垂直となる断面を、所定位置50を基準位置(0°)として0°から360°に分けた場合に、冷却水管64は、冷却水管30よりも高い位置の傾斜面22であって当該断面の90°より大きく120°以下となる領域に、冷却水管64から吐出される冷却水40の水流方向(冷却水管64の中心軸の方向)が当該断面の240°以上270°以下の範囲を向くように水流制御容器20に接続される。同様に、冷却水管66は、冷却水管64と同じ高さであって、当該断面の270°より大きく300°以下となる領域に、冷却水管66から吐出される冷却水40の水流方向(冷却水管66の中心軸の方向)が当該断面の60°以上90°以下の範囲を向くように水流制御容器20に接続される。
このように、冷却水管64、66を設けたとしても、水流制御容器20の断面における90°と270°とを接続した位置から当該断面の半径の2分の1以内となる領域に冷却水管64、66が接続され、対向する半径rの2分の1以内となる領域に向けて冷却水を吐出できる。これにより、冷却水管64、66から衝突させることなく冷却水40を水流制御容器20の中心部に吐出させることができ、この結果、旋回流の中心部によどみ領域が生じることが抑制され、当該中心部の水温の上昇を抑制できる。
このように、本実施形態に係る粒鉄製造装置では、冷却水40を収容し、下方に向けて水流制御容器20の水平断面積が狭くなるように傾斜した傾斜面を有する水流制御容器20を用い、当該水流制御容器20の所定の位置に接続された複数の冷却水管から冷却水40を吐出させる。これにより、水流制御容器20内に冷却水40の旋回流が生じさせることができ、粒鉄を効率的に冷却できる。さらに、粒鉄と冷却水40とが反対方向に移動するので粒鉄をさらに効率的に冷却でき、粒鉄が十分に冷却されずに互いに合体することを防止でき、この結果、粒鉄の取り出し搬送が容易になるとともに、合体物に水が内包されたことに起因する水蒸気爆発の発生も防止される。
図6は、水流制御容器内の冷却水流をシミュレートした結果を説明する図である。図6(a)は、2本の冷却水管から吐出される冷却水の水流方向が衝突しないように、2本の冷却水管を互いに異なる方向にオフセットして配置した場合の冷却水流をシミュレートした結果を示す。図6(b)は、2本の冷却水管から吐出される冷却水の水流方向が互いに向き合うように、2本の冷却水管を対向させて配置した場合の冷却水流をシミュレートした結果を示す。これらのシミュレーションでは冷却水管の配置のみ変更し、他の条件は全て同じとして冷却水管から吐出された後の冷却水流をそれぞれシミュレートした。
図6(a)に示すように、2本の冷却水管を互いに異なる方向にオフセットして配置した場合には、水流制御容器の内壁面に沿って旋回する冷却水の旋回流がよどみなく発生しているのが見て取れる。これに対し、図6(b)に示すように、2本の冷却水管を対向させて配置した場合には、2本の冷却水管から吐出された水流が衝突し、水流制御容器の内壁面に沿った冷却水の旋回流が発生しづらくなっていることが見て取れる。この結果から、各冷却水管から吐出される冷却水が衝突しないように冷却水管を配置することで、流制御容器の内壁面に沿った強い旋回流を形成できることが確認された。
10 粒鉄製造装置
12 粒化装置
14 タンディッシュ
16 耐火物
18 溶鉄
20 水流制御容器
22 傾斜面
24 吐出口
25 吐出口
26 排出口
30 冷却水管
31 冷却水管
32 冷却水槽
33 排水口
34 搬送装置
40 冷却水
42 旋回流
50 所定位置
60 冷却水管
62 冷却水管
64 冷却水管
66 冷却水管

Claims (5)

  1. 溶鉄を液滴とする粒化装置と、
    前記液滴を受ける位置に設けられ、冷却水を収容する水平断面が円形の水流制御容器と、
    前記水流制御容器に接続し、前記水流制御容器に冷却水を供給する複数の冷却水管と、
    を有し、
    前記水流制御容器は、下方に向けて前記水流制御容器の水平断面積が狭くなるように傾斜した傾斜面を内側に有するとともに前記傾斜面の下方には排出口が設けられ、
    前記傾斜面における前記水流制御容器の軸線方向に垂直となる断面を、所定位置を0°として0°から360°に分けた場合に、
    前記複数の冷却水管の少なくとも1つは、前記断面の0°より大きく90°未満となる領域に、水流方向が前記断面の90°以上180°以下の範囲となるように接続され、
    前記複数の冷却水管の少なくとも1つは、0°より大きく90°未満となる領域に設けられる冷却水管と同じ高さの断面の180°より大きく270°未満となる領域に、水流方向が前記断面の270°以上360°以下の範囲となるように接続される、粒鉄製造装置。
  2. 前記水流制御容器に冷却水を供給する4以上の冷却水管を有し、
    前記複数の冷却水管の少なくとも1つは、0°より大きく90°未満となる領域に設けられる冷却水管よりも高い傾斜面であって、前記所定位置を0°として0°から360°に分けた断面の60°以上90°未満となる領域に、水流方向が前記断面の270°以上300°以下の範囲となるように接続され、
    前記複数の冷却水管の少なくとも1つは、前記断面の60°以上90°未満に設けられる冷却水管と同じ高さの断面の240°以上270°未満となる領域に、水流方向が前記断面の90°以上120°以下の範囲となるように接続される、請求項1に記載の粒鉄製造装置。
  3. 前記水流制御容器に冷却水を供給する4以上の冷却水管を有し、
    前記複数の冷却水管の1つは、0°より大きく90°未満となる領域に設けられる冷却水管よりも高い傾斜面であって、前記所定位置を0°として0°から360°に分けた断面の90°より大きく120°以下となる領域に、水流方向が前記断面の240°以上270°以下の範囲となるように接続され、
    前記複数の冷却水管の1つは、前記断面の90°より大きく120°以下に設けられる冷却水管と同じ高さの断面の270°より大きく300°以下となる領域に、水流方向が前記断面の60°以上90°以下の範囲となるように接続される、請求項1に記載の粒鉄製造装置。
  4. 冷却水を収容する冷却水槽をさらに有し、
    前記冷却水槽は、前記水流制御容器を収容する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の粒鉄製造装置。
  5. 前記水流制御容器の下方には、冷却された粒鉄を前記冷却水槽の外に搬送する搬送装置をさらに有する、請求項4に記載の粒鉄製造装置。
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