JP7468820B1 - 粒鉄製造装置及び粒鉄製造方法 - Google Patents

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Abstract

粒鉄を効率的に冷却して、粒鉄同士の合体を抑制できる粒鉄製造装置及び粒鉄製造方法を提供する。粒鉄製造装置70であって、水流制御容器30と、水流制御容器内に冷却水24を供給する冷却水管群40とを有し、水流制御容器30は、傾斜面34を有する仕切筒体32と、仕切筒体32の下方に接続されるダクト筒体35とを有し、冷却水管群40は、仕切筒体32に接続する上段冷却水管群44、中段冷却水管群46及び下段冷却水管群48とを有し、中段冷却水管群46及び上段冷却水管群44から供給される冷却水24によって仕切筒体32内を循環する第1の循環流を生じさせ、下段冷却水管群48から供給される冷却水24と仕切筒体32からの排水によって、ダクト筒体35内を循環する第2の循環流を生じさせる。

Description

本発明は、溶鉄から粒鉄を製造する粒鉄製造装置及び粒鉄製造方法に関する。
粒鉄とは、溶銑や溶鋼などの溶鉄を分散せしめた後に粒状に凝固させたもので、その平均粒径は数mmから数十mm程度である。銑鋼一貫製鉄所において、製鋼以下の工程においてトラブル等が発生し、高炉で製造された溶銑が突発的に過剰になった場合に、これを粒銑として一時的に保管している。近年は高炉が大型化されており、一時的に大量の溶銑を処理できなければ高炉の減風に繋がる。このため、製鋼以下の工程でトラブル等が発生した場合に備え、バッファーとなる設備が要求されている。
また、近年の製鉄業におけるCO排出量削減の需要から、コークス(炭素源)ではなく、還元剤として水素または天然ガス等の炭化水素ガス系ガスを使用して生産される還元鉄のニーズが高まっている。脈石(主にSiOやAl)やP濃度の高い還元鉄から鉄鋼製品を製造するには、還元鉄の製造以降に脈石除去や脱りん処理が不可欠である。このため、鉄鋼製品を製造する前処理として、還元鉄を一旦溶解して溶鉄にした後、脈石除去や脱りん等の処理を行い、処理後の溶鉄を輸送可能な粒鉄として保管する場合がある。
溶銑を粒化する方法として、特許文献1には溶銑に圧力水を吹き付けることにより粒化する方法が開示されている。しかしながら、特許文献1に開示の方法では粒銑が中空になるものが多く、この中空部に水が溜まり、再溶解時に水蒸気爆発を引き起こす危険があった。特許文献2には、溶銑を固定板上に落下させ、液滴が固定板上に跳ね返って下の冷却浴に落ちて冷却され、これにより、粒銑が製造される粒状金属製造方法が開示されている。また、特許文献3には、水流で溶銑を粒化させ、液状の粒銑を水中に投下することで冷却、凝固させ、大量の粒銑を製造する装置が開示されている。
水中に投入される時の粒銑は高温である。粒銑の温度は、1200~1500℃程度なので、このような高温の粒銑が水に接触すると高温物体表面上に蒸気膜が生じる膜沸騰状態となって水が蒸発し、粒銑の熱を奪っていく。この膜沸騰は冷却能力が低く、例えば、蒸気膜が生じない核沸騰の数100分の1程度の熱伝達率しかない。このため、膜沸騰が長く続くと、粒銑が十分に冷却されず、冷却水内で粒銑同士が融着し、合体することがある。
また、冷却水温が高いと水が沸騰しやすくなるので、高温物体周囲に蒸気膜が維持されやすく膜沸騰になりやすい。したがって、冷却水の水温が高くなると、粒銑の冷却能力が著しく低下し、粒銑同士の合体が発生しやすくなる。このような問題に対し、特許文献3には、2次冷却水の冷却水量を調整してピット内の冷却水温を68℃以下に維持し、これによりピット内に堆積した粒銑の合体を抑制できるとしている。
特開2018-115363号公報 特公昭52-20948号公報 特開平9-20902号公報
溶銑から粒銑を製造する時に溶銑の液滴が水平方向にある程度広がることと凝固した粒銑の搬送装置の設置スペースとを考慮すると、粒銑の冷却にはかなりの大きさの冷却水槽が必要になる。冷却水槽には、冷却水を供給する吐出口と、温度が上昇した冷却水を冷却設備に搬送する排水口とを設け、これにより冷却水を冷却水槽と冷却設備とに循環させている。
しかしながら、広い冷却水槽全体に冷たい冷却水を行き渡らせるように制御することは難しい。特許文献3には、2次冷却水の冷却水量を調整してピット内の冷却水温を68℃以下に維持することが記載されているが、冷却水槽内の流れを制御する方法については何ら記載されておらず、冷却水の流れによっては冷却水槽内によどみ領域が生じることがある。このよどみ領域に粒銑の冷却に使用された暖かい冷却水が滞留することで、局所的に水温が高い領域ができる場合がある。この水温が高い領域に粒銑が大量に投入されると、膜沸騰状態が長い間維持されて粒銑が十分に冷却されず、粒銑同士が融着し、合体する。粒銑同士が合体すると、搬送しにくい大きさの粒銑が増えて搬送が困難になる。また、粒銑同士が合体する際に冷却水が内含されると水蒸気爆発を引き起こす原因になる、という課題があった。
本発明は上記課題を解決するためになされた発明であって、その目的は、溶鉄を効率的に冷却して、粒鉄同士の合体を抑制できる粒鉄製造装置及び粒鉄製造方法を提供することである。
上記課題を解決できる本発明の要旨は以下の通りである。
[1]溶鉄を液滴とする粒化装置と、前記液滴を冷却水に落下させて冷却する冷却水槽とを有する粒鉄製造装置であって、前記冷却水槽内に設けられ、上下端が開口する水流制御容器と、前記水流制御容器内に冷却水を供給する冷却水管群とを有し、前記水流制御容器は、水平断面積が下方に向けて狭くなるように傾斜した傾斜面を有する仕切筒体と、前記仕切筒体の下方に接続されるダクト筒体とを有し、前記冷却水管群は、前記仕切筒体に接続する上段冷却水管群及び中段冷却水管群と、前記ダクト筒体に接続する下段冷却水管群とを有し、前記上段冷却水管群は、前記仕切筒体の上端を含む傾斜面の上段に接続され、前記上段冷却水管群から供給される冷却水によって、上方から下方に傾斜面に沿った冷却水流を生じさせ、前記中段冷却水管群は、前記仕切筒体の傾斜面の中段に、前記仕切筒体の筒芯に向けて水平に接続され、前記中段冷却水管群から供給される冷却水によって、前記仕切筒体の筒芯に向かい、前記筒芯で合流して上昇し、前記上方から下方に傾斜面に沿った冷却水流を伴い、前記仕切筒体内を循環する第1の循環流を生じさせ、前記下段冷却水管群は、前記ダクト筒体の側面に接続され、前記下段冷却水管群から供給される冷却水と前記仕切筒体からの排水によって、前記ダクト筒体内を循環する第2の循環流を生じさせる、粒鉄製造装置。
[2]前記水流制御容器の下方に設けられ、
前記水流制御容器内で冷却された粒鉄を前記冷却水槽の外に搬送する搬送装置をさらに有する、[1]に記載の粒鉄製造装置。
[3]前記冷却水管群から前記水流制御容器に供給される冷却水量を制御する制御装置を有し、前記制御装置は、前記冷却水管群から供給される冷却水量が、前記中段冷却水管群、前記上段冷却水管群、前記下段冷却水管群の順に少なくなるように制御する、[1]又は[2]に記載の粒鉄製造装置。
[4]前記上段冷却水管群及び/又は前記中段冷却水管群が前記傾斜面に接続する接続部の上側を覆う突出部を有する、[1]から[3]のいずれかに記載の粒鉄製造装置。
[5]前記突出部の断面形状は、上方から下方に向けて広がる逆V字形状又は逆U字形状である、[4]に記載の粒鉄製造装置。
[6]前記上段冷却水管群が前記傾斜面に接続する接続部の上側を覆う保護カバーを有し、前記保護カバーの上端部は閉じられている、[1]から[5]のいずれかに記載の粒鉄製造装置。
[7]前記保護カバーの断面形状は、上方から下方に向けて広がる半円又は半楕円形状である、[6]に記載の粒鉄製造装置。
[8][1]から[7]のいずれかに記載の粒鉄製造装置を用いた粒鉄の製造方法であって、前記冷却水管群から供給される冷却水量が、中段冷却水管群、上段冷却水管群、下段冷却水管群の順に少なくする、粒鉄の製造方法。
本発明の粒鉄製造装置では、仕切筒体内に下方から上方に向かう冷却水の第1の循環流を生じさせ、さらに、ダクト筒体内に冷却水の下方から上方に向かう第2の循環流を生じさせ、当該循環流で粒鉄を冷却する。これにより、仕切筒体内の粒鉄の冷却効率が高まり、粒鉄冷却時に粒鉄同士が融着し、合体することが抑制される。さらに、粒鉄の冷却効率が高められることで、粒鉄の冷却能を同じにしたとしたらよりコンパクトな装置となり、装置の大きさを同じとしたらより多くの粒鉄を製造できる装置となる。
図1は、本実施形態に係る粒鉄製造装置の断面模式図である。 図2は、冷却水管群が接続している部分の水流制御容器の断面模式図である。 図3は、仕切筒体及びダクト筒体内に生じる循環流を説明する断面模式図である。 図4は、本実施形態に係る粒鉄製造装置に用いられる別の水流制御容器を示す断面模式図である。 図5は、突出部が設けられた給水口を水平方向から見た模式図である。 図6は、本実施形態に係る粒鉄製造装置に用いられる別の水流制御容器を示す断面模式図である。 図7は、保護カバーが設けられた給水口を水平方向から見た模式図である。 図8は、発明例1及び発明例2のシミュレーション条件を示す図である。 図9は、比較例1及び比較例2のシミュレーション条件を示す図である。 図10は、発明例1及び発明例2のシミュレーション結果を示す図である。 図11は、発明例1における各冷却水管群から供給された冷却水の水流を示す斜視模式図である。 図12は、比較例1及び比較例2のシミュレーション結果を示す図である。 図13は、給水口への粒鉄の侵入の有無を確認した結果を示す図である。
以下、本発明を発明の実施形態を通じて説明する。図1は、本実施形態に係る粒鉄製造装置70の断面模式図である。粒鉄製造装置70は、溶銑や溶鋼などの溶鉄を液滴化させた状態で冷却して凝固させて、粒状の鉄材である粒鉄を製造する装置である。粒鉄製造装置70は、溶鉄を液滴とする粒化装置10と、冷却水槽20と、水流制御容器30と、冷却水管群40と、搬送装置50とを有する。
粒化装置10は、溶鉄60を収容し、底部に溶鉄吐出用のノズル16を備えたタンディッシュ12(溶銑桶など)と、ノズル16から吐出されて流下する溶鉄の液柱62を衝突させる溶鉄受け盤14とを有する。溶鉄受け盤14は、円盤状の耐火物で構成され、支持体18に支持される。ノズル16から流下した溶鉄の液柱62は溶鉄受け盤14に衝突してその周囲に溶鉄60の液滴64が飛散する。
溶鉄60の液滴64が大きくなると、熱容量が大きくなって凝固に時間がかかり、高温のまま溶鉄60が水流制御容器30内で互いに融着して合体し、大きな塊となり搬送しにくくなるおそれがある。このため、粒化装置10は、溶鉄60を冷却後の粒鉄66の最大長さが50mm以下になる液滴64にすることが好ましい。溶鉄60は、粒化装置10で液滴64とされ、冷却水24に落下する。さらに、粒化装置10では、水流制御容器30が設けられた領域に液滴64が落下するようにタンディッシュ12からの溶鉄60の流下量が制御される。
冷却水槽20は、冷却水24と水流制御容器30を収容する。水流制御容器30は、冷却水槽20に収容される冷却水24の中に設置される。冷却水槽20内に収容される冷却水24は、水流制御容器30から排水された冷却水24が含まれてよい。冷却水槽20内に収容される冷却水24は、冷却水槽20の冷却水面が一定になるように、供給される冷却水量と同じ量の冷却水24が排水口22から排水される。なお、大容量の冷却水槽20を用いることによって、冷却水面を制御することが容易になり、粒鉄製造装置70による粒鉄の製造が安定する。
水流制御容器30は、冷却水槽20に設けられ、粒化装置10で液滴とされた溶鉄を受け入れる位置に設けられる。水流制御容器30は、内部に収容した冷却水24で液滴を冷却、凝固させて粒鉄66とする。
水流制御容器30は、水平断面積が下方に向けて狭くなるように傾斜した傾斜面34を有する仕切筒体32と、仕切筒体32の下方に接続されるダクト筒体35とを有する。仕切筒体32の上端部には液滴64を受ける投入口33が設けられ、ダクト筒体35の下端部には粒鉄を排出する排出口36が設けられる。すなわち、水流制御容器30は、上下端が開口されている。傾斜面34は、水流制御容器30の内側に形成されればよく、水流制御容器30の外側の形状は特に限定しない。傾斜面34の傾斜角度は粒鉄66を滞留させないなどの観点から40~60°の範囲内の角度にすることが好ましい。また、図1に示した例では、水流制御容器30の上端側に円筒部分を有さない例を示したが、水流制御容器30の上端側に円筒部分を有してもよい。
本実施形態では、水流制御容器30によって形成される粒鉄66の冷却領域を冷却領域Aとする。このように水流制御容器30によって形成される冷却領域Aを設ける理由は、以下の2つの効果を得るためである。
(1)冷却領域Aに冷却水24を集中して導入することで、粒鉄66を効率的に冷却できる。
(2)仕切筒体32内で生成させた粒鉄66を傾斜面34で1箇所所に集められるので、粒鉄66の回収が容易になる。
冷却水管群40は、不図示の熱交換機やクーリングタワー等の冷却設備によって0℃以上35℃以下に冷却された冷却水24が通る水管群である。冷却水管群40から水流制御容器30の仕切筒体32内に冷却水24を供給すると、冷却水24は、開口が大きい上方に向かって流れようとする。したがって、仕切筒体32の下方から筒芯に向けて冷却水を供給すると、仕切筒体32内の筒芯で合流して上昇する。一方、仕切筒体32の上方から下方に向けて傾斜面34に沿うように冷却水を供給すると、仕切筒体32内の筒芯で合流して上昇した冷却水24は、仕切筒体32の投入口33から冷却水槽20内に流出せず、投入口33付近で周方向に広がり、仕切筒体32の傾斜面34を下降する冷却水流を伴う第1の循環流が生じる。この第1の循環流を生じさせることで、粒鉄66を向流で冷却できるとともに、仕切筒体32内のよどみ領域を少なくすることができる。冷却水管群40は、仕切筒体に接続する上段冷却水管群44及び中段冷却水管群46と、ダクト筒体35に接続する下段冷却水管群48とを有する。
中段冷却水管群46は、仕切筒体32の上下方向の中央から下方650mmまでの範囲の傾斜面34の中段に、仕切筒体32の筒芯に向けて水平に接続される。中段冷却水管群46から仕切筒体32内に冷却水24を供給すると、冷却水24は、仕切筒体32の筒芯に向かい、当該筒芯で合流して上昇する。当該筒芯で合流して上昇した冷却水24は、仕切筒体32の上端で周方向に広がり、傾斜面34に沿って下降するように流れ、第1の循環流が形成される。中段冷却水管群46から供給される冷却水24は第1の循環流の一部を形成する。
中段冷却水管群46から供給される冷却水量は、1500m/h以上3900m/h以下であることが好ましい。冷却水量が1500m/hよりも少ないと、仕切筒体32の筒芯での強く安定した上昇流が生じにくくなるので好ましくない。また、冷却水量が3900m/hよりも多いと、第1の循環流から外れて、仕切筒体32の投入口33から冷却水槽20に流出する冷却水24が発生するので好ましくない。
中段冷却水管群46から供給される冷却水24の流速は、1.8m/s以上2.2m/s以下であることが好ましい。中段冷却水管群46から供給される冷却水24の流速が1.8m/sよりも遅いと、冷却水24が仕切筒体32の筒芯に到達するまでに減速してしまい、強く安定した上昇流が生じにくくなるので好ましくない。また、中段冷却水管群46から供給される冷却水24の流速が2.2m/sよりも速いと、冷却水管41での圧力損失が高くなり、ポンプ等の大規模な送水設備が必要となるので好ましくない。
上段冷却水管群44は、仕切筒体32の上端を含む傾斜面34の上段に接続される。上段冷却水管群44は、仕切筒体32の上端の周縁に所定の間隙を有するスリット42と、仕切筒体32の上段の傾斜面34に給水口43とを含む仕切筒体32の上段部分を覆い、スリット42および給水口43に冷却水を供給する給水ジャケット45に接続される。上段冷却水管群44は、仕切筒体32の上端から下方1000mまでの範囲の仕切筒体32の上端を含む傾斜面34に接続される。
スリット42と給水口43から供給される冷却水24の流速は0.1m/s以上0.7m/s以下であることが好ましい。この範囲内の流速で、スリット42と給水口43から仕切筒体32内に冷却水24を供給すると、冷却水24は、仕切筒体32の筒芯に向けて流れずに、傾斜面34の上端から下方に向かって傾斜面34に沿って流れる。これにより、上段冷却水管群44から供給される冷却水24は、第1の循環流の1部を形成するようになり、第1の循環流が安定化される。上段冷却水管群44から供給される冷却水量は、700m/h以上3000m/h以下であることが好ましい。上段冷却水管群44から供給される冷却水量が700m/hよりも少ないと、第1の循環流を安定化できなくなるおそれが生じるので好ましくない。また、上段冷却水管群44から供給される冷却水量が3000m/hより多いと、第1の循環流を安定化する効果は飽和し、粒鉄66の冷却にも寄与せずに、傾斜面34に沿って下降し、仕切筒体32の下端の排水口22から排水されるだけなので好ましくない。また、スリット42と給水口43から供給される冷却水量の配分は、6:4であることが好ましい。
下段冷却水管群48は、ダクト筒体35の側面に少なくとも1組の水管がダクト筒体35の筒芯にむけて対向して水平に接続される。下段冷却水管群48からダクト筒体35内に冷却水24を供給すると、冷却水24は、ダクト筒体35の筒芯に向かい、当該筒芯で合流して上昇し、ダクト筒体35内を循環する第2の循環流を生じさせる。
下段冷却水管群48から供給される冷却水量は、250m/h以上750m/h以下であることが好ましい。下段冷却水管群48から供給される冷却水量が250m/hよりも少ないと、ダクト筒体35内の第2の循環流が生じにくく、水温の高いよどみ領域を生じさせるおそれが生じるので好ましくない。また、下段冷却水管群48から供給される冷却水量が750m/hより多いと、仕切筒体32の下端からの排水を阻害してしまうので好ましくない。
下段冷却水管群48から供給される冷却水24の流速は0.5m/s以上1.0m/s以下であることが好ましい。ダクト筒体35内に供給される冷却水24の流速が0.5m/sよりも遅いと、ダクト筒体35内を攪拌する効果が低くなるので好ましくない。また、ダクト筒体35内に供給される冷却水24の流速が1.0m/sよりも速いと、ダクト筒体35の下端と搬送装置50との隙間からの漏水が増加するので好ましくない。
図2は、冷却水管群が接続している部分の水流制御容器30の断面模式図である。図2(a)は、上段冷却水管群44が接続している部分の水流制御容器30の断面模式図であり、図2(b)は中段冷却水管群46が接続している部分の水流制御容器30の断面模式図である。図2(c)は、下段冷却水管群48が接続している部分の水流制御容器30の断面模式図である。
上段冷却水管群44は、図2(a)に示すように、2本の冷却水管41で構成される。冷却水24は、2本の冷却水管41から給水ジャケット45に供給され、給水ジャケット45で環状のスリット42及び仕切筒体32の傾斜面34に放射状に配置された16個の給水口43に分配される。冷却水24は、環状のスリット42及び16個の給水口43から仕切筒体32内に供給される。中段冷却水管群46は、仕切筒体32の筒芯に向けて水平に配置される4本の冷却水管41によって構成される。冷却水24は、4本の冷却水管41から仕切筒体32内に供給される。下段冷却水管群48は、4本の冷却水管41によって構成される。4本のうち、2本の冷却水管41がダクト筒体35の筒芯に向けて対向して水平に配置され、他の2本の冷却水管41はダクト筒体の側面に配置される。冷却水24は、4本の冷却水管41からダクト筒体35内に供給される。このように、本実施形態に係る粒鉄製造装置70では、計10本の冷却水管41によって、仕切筒体32内及びダクト筒体35内に冷却水が供給される。なお、図2に示した例ではダクト筒体35の断面形状が4角形である例を示したが、これに限らず、ダクト筒体35の断面形状は円形であってもよい。
図3は、仕切筒体32及びダクト筒体35内に生じる循環流を説明する断面模式図である。第1の循環流B1は、仕切筒体32内を循環する循環流である。中段冷却水管群46から供給された冷却水24が筒芯で合流し、強い上昇流が形成される。この強い上昇流は、投入口33付近で周縁部へと広がる。周縁部に広がった水流は、傾斜面34に沿って下降する下降流となる。当該下降流は、スリット42及び給水口43からの冷却水流と合流し、これら冷却水流による整流作用により、傾斜面34に沿って下方に流れ、ダクト筒体35と接続する下端より排出される。仕切筒体32内の第1の循環流B1により、冷却領域Aにおける中段から上段に渡る領域の水温を50℃前後の適切な水温に維持できる。また、仕切筒体32の筒芯部に生じる強い上昇流は、投入口33から投入されて下降する粒鉄66に対して向流になるので、高い冷却効率で粒鉄66を冷却できる。
第2の循環流B2は、ダクト筒体35内に生じる循環流である。仕切筒体32の下端からの排水は下段冷却水管群48からの水温の低い吐出流と合流して撹拌され、これによりダクト筒体35内に循環流が生じる。これにより、仕切筒体32により集められた粒鉄を効率的に冷却できる。
このように、仕切筒体32内の第1の循環流B1とダクト筒体35内の第2の循環流B2を生じさせることで、仕切筒体32及びダクト筒体35内の冷却水が撹拌され、仕切筒体32内及びダクト筒体35内におけるよどみ領域の生成が抑制される。これにより、仕切筒体32及びダクト筒体35内の冷却水24の局所的な温度上昇が抑制されて粒鉄66を効率的に冷却できるようになる。この結果、粒鉄66が十分に冷却されずに粒鉄同士が融着し、合体することが抑制される。
仕切筒体32の筒芯に生じる上昇流は、投入口33から投入されて落下する粒鉄66に対向する冷却水流となるので高い冷却効率が得られる。この上昇流を好適に形成させるため、中段冷却水管群46から供給される全冷却水量は、上段冷却水管群44から供給される全冷却水量よりも多くすることが好ましい。
また、仕切筒体32の傾斜面34の上段に接続される上段冷却水管群44から供給される冷却水流は、傾斜面34に沿って下降するので、仕切筒体32の傾斜面34の中段に接続される中段冷却水管群46からの吐出流と衝突する。このため、中段冷却水管群46から供給される冷却水量よりも上段冷却水管群44から供給される冷却水量の方が多いと、当該冷却水の水流によって中段冷却水管群46からの吐出される水流が弱まり、第1の循環流B1が形成されにくくなる懸念が生じる。よって、中段冷却水管群46から供給される全冷却水量は、上段冷却水管群44から供給される全冷却水量よりも多くすることが好ましい。さらに、中段冷却水管群46から供給される全冷却水量は、上段冷却水管群44から供給される全冷却水量の約4倍であることがより好ましい。
ダクト筒体35に接続する下段冷却水管群48から供給される全冷却水量は、上段冷却水管群44から供給される全冷却水量よりも少量であることが好ましい。下段冷却水管群48から供給される全冷却水量が上段冷却水管群44から供給される全冷却水量よりも多くなると、仕切筒体32の下端からのダクト筒体35への排水が阻害され、仕切筒体32内の温度を逆に上昇させてしまう懸念が生じる。したがって、下段冷却水管群48から供給される全冷却水量は、上段冷却水管群44から供給される全冷却水量よりも少量であることが好ましい。さらに、下段冷却水管群48から供給される全冷却水量は、上段冷却水管群44から供給される全冷却水量の約1/2であることがより好ましい。
第1の循環流B1を好適に生成させ、且つ、仕切筒体32内の温度を逆に上昇させてしまうことを抑制するために、各冷却水管群から供給される全冷却水量を、中段冷却水管群46、上段冷却水管群44、下段冷却水管群48の順に少なくすることが好ましい。各冷却水管群から供給される全冷却水量を上記の通り制御することが好ましいことから、本実施形態に係る粒鉄製造装置70は、上段冷却水管群44、中段冷却水管群46及び下段冷却水管群48から供給される全冷却水量を制御する制御装置をさらに有することが好ましい。当該制御装置は、汎用コンピュータによって構成され、不図示の熱交換機やクーリングタワー等の冷却設備を制御して各冷却水管群に送りこむ冷却水24の供給水量を制御する。
また、水流制御容器30内で冷却された粒鉄66は、水流制御容器30の下部に設けられた排出口36から排出される。排出された粒鉄66は、ベルトコンベア等の搬送装置50によって冷却水槽20の外に搬送される。搬送装置50は、粒鉄66を冷却水槽20の外に搬送できる装置であればベルトコンベアに限らず、他の搬送装置であってもよい。但し、冷却水24が冷却水槽20の外に搬出されないように、搬送装置50としてメッシュコンベアを用いることが好ましい。
図4は、本実施形態に係る粒鉄製造装置に用いられる別の水流制御容器80を示す断面模式図である。図4に示した水流制御容器80おいて、図1に示した水流制御容器30と同じ構成には同じ参照番号を付し、その説明を省略する。図4に示した水流制御容器80は、突出部90を有する点において図1に示した水流制御容器30と異なる。
仕切筒体32の傾斜面34に冷却水24を供給する給水口43を設けると、傾斜面34に沿って落下する粒鉄66が給水口43に侵入し、給水口43を閉塞させてしまう懸念が生じる。このため、給水口43及び/又は中段冷却水管群46の傾斜面との接続部の上側を覆う突出部90を設けることが好ましい。ここで、給水口43及び中段冷却水管群46の接続部の上側を覆うとは、上面視において給水口43や中段冷却水管群46の接続部が隠れる位置まで突出部90を設けることを意味する。また、突出部90は、供給される冷却水24の流れを阻害しないように、仕切筒体32内に向けて傾斜面34から水平方向に突出するように設けることが好ましい。
図5は、突出部が設けられた給水口43を水平方向から見た模式図である。図5(a)は、逆V字形の突出部90を示し、図5(b)は、逆U字形の突出部91を示す。図5(a)に示すように突出部90の断面形状は上方に突き出し、下方に向けて広がるように傾斜した逆V字形状であることが好ましい。突出部90の断面形状を逆V字形状にすることで、突出部90の上面に粒鉄66が堆積することを抑制しながら、給水口43への粒鉄66の侵入を抑制できる。
突出部90に変えて、断面形状が逆U字形状の突出部91を設けてもよい。このように断面形状が逆U字形状の突出部91を設けることで、突出部91の上面に粒鉄66が堆積することを抑制しながら、給水口43への粒鉄66の侵入を抑制できる。
図6は、本実施形態に係る粒鉄製造装置に用いられる別の水流制御容器82を示す断面模式図である。図6に示した水流制御容器82おいて、図4に示した水流制御容器80と同じ構成には同じ参照番号を付し、その説明を省略する。図6に示した水流制御容器82は、保護カバー92を有する点において図4に示した水流制御容器80と異なる。
上述したように、給水口43を設けると、傾斜面34に沿って落下する粒鉄66が給水口43に侵入し、給水口43を閉塞させてしまう懸念が生じる。特に、仕切筒体32の上段の粒鉄66は、まだ溶融状態であるため、給水口43の内側に凝着すると、排除が困難となる。このため、給水口43の上側を覆う保護カバー92を設けることがより好ましい。ここで、給水口43の上側を覆うとは、上面視において給水口43が隠れる位置まで保護カバー92を設けることを意味する。また、保護カバー92は、給水口43から供給される冷却水24の流れを阻害しないように、給水口43を水平方向から見たときに、給水口43が隠れない位置に保護カバー92を設けることが好ましい。さらに、保護カバー92は、給水口43上方の傾斜面34も、傾斜面34の傾斜方向に沿って覆っている。保護カバー92の上側端部は飛散した液滴64が保護カバー92内に入らないように閉じた構造にすることが好ましく、保護カバー92の傾斜角度は、傾斜面34と同じ角度にすることが好ましい。
図7は、保護カバー92が設けられた給水口43を水平方向から見た模式図である。図7に示すように、保護カバー92の断面形状は下方に向けて広がる半円又は半楕円形状であることが好ましい。保護カバー92の断面形状を半円又は半楕円形状にすることで、保護カバー92の上面に粒鉄66が堆積することを抑制しながら、給水口43への粒鉄66の侵入を抑制できる。
なお、水流制御容器80、82では、給水口43に対し突出部90又は保護カバー92を設けた例を示したがこれに限らず、給水口43に対し、突出部90及び保護カバー92を設けてもよい。このような構成であっても、給水口43への粒鉄66の侵入を抑制できる。
以上説明したように、本実施形態に係る粒鉄製造装置70では、仕切筒体32内を下方から上方に向かう冷却水24の第1の循環流B1を生じさせ、さらに、ダクト筒体35内を下方から上方に向かう冷却水24の第2の循環流B2を生じさせ、これらの2つの循環流で粒鉄66を冷却して、溶鉄60から粒鉄66を製造する。第1の循環流B1は、粒鉄66の降下方向に対して向流となるので、第1の循環流B1によって粒鉄66を効率的に冷却できる。さらに、循環流B1、B2によって仕切筒体32内及びダクト筒体35内が撹拌されるので、仕切筒体32及びダクト筒体35内におけるよどみ領域の生成が抑制される。これらの結果、粒鉄の冷却効果が高まり、粒鉄冷却時に粒鉄同士が融着し、合体することが抑制される。
次に、本実施形態に係る粒鉄製造装置による粒鉄冷却効果を確認したシミュレーションの結果を説明する。図1に示した冷却水槽20内に配置される水流制御容器30と同じ構成の冷却水供給モデルを作製し、当該モデルを用いて水流制御容器内及びその周囲の冷却水の水温分布をシミュレートした。なお、仕切筒体内の水中及び傾斜面上における粒鉄の落下速度及び熱量は、事前に実施した実験により実測して、仕切筒体内及びダクト筒体内における粒鉄の位置分布及び発熱量をモデル化した。
シミュレーション結果において、仕切筒体内、ダクト筒体内及び周囲の冷却水温が70℃以下であり、さらに粒鉄が搬送装置上に堆積したとき温度が650℃以下まで冷却されていれば、粒鉄を効果的に冷却できていると判断した。
図8は、発明例1及び発明例2のシミュレーション条件を示す図である。また、図9は、比較例1及び比較例2のシミュレーション条件を示す図である。発明例1、発明例2、比較例1及び比較例2の冷却水供給モデルを、図8及び図9に示す配管レイアウト、配管本数、冷却水の流量配分及び配管径(呼び径(A))に設定してシミュレーションを実施した。なお、発明例1の冷却水管レイアウトは、図2に示した水流制御容器30の冷却水管レイアウトと同じである。
発明例2の冷却水管レイアウトは、上段冷却水管群の給水ジャケットに接続される冷却水管が1本となり、下段冷却水管群のダクト筒体の側面に接続される水管が、発明例1よりも1本少ないこと以外は、発明例1の冷却水管レイアウトと同じである。発明例2では、中段冷却水管群から供給する全冷却水量を、発明例1の約40%とし、上段冷却水管群から供給する冷却水の水量を発明例1の3倍として、冷却水の流量配分を変更したモデルとした。
比較例1では、上段冷却水管群、下段冷却水管群をなくし、中段冷却水管群のみで冷却水を供給するモデルとした。比較例1の配管本数、配置、冷却水の流量及び配管径は発明例1と同様とした。比較例2は、中段冷却水管群、下段冷却水管群の配管本数を発明例1の半分以下として、供給する冷却水の水量を半減させ、上段冷却水管群から供給する冷却水の水量を発明例1の2倍とし、冷却水の流量配分を変更したモデルとした。中段冷却水管群の2本の配管は、仕切筒体の水平断面の中心に対して点対称となる位置の傾斜面に、それぞれの冷却水管の中心軸が平行になるように接続した。
発明例1、発明例2、比較例1、比較例2に共通する他のシミュレーションの条件は以下の通りである。
(1)溶銑の温度:1500℃
(2)タンディッシュからの溶鉄の流出速度:450ton/h
(3)冷却水の水温:35℃
(4)仕切筒体の傾斜面の傾斜角度:56°
(5)仕切筒体の排出口径:φ1560mm
(6)仕切筒体の高さ:3300mm
(7)仕切筒体の傾斜面の高さ:3291mm(斜面の長さ:3970mm)
図10は、発明例1及び発明例2のシミュレーション結果を示す図である。図10の発明例1に示すように、水流制御容器内の冷却水温は52~69℃になり、目標とする70℃以下を達成した。さらに粒鉄が搬送装置上に堆積したときの温度は最大で550℃であり、粒鉄温度の目標の650℃以下も達成した。
図11は、発明例1における各冷却水管群から供給された冷却水の水流を示す斜視模式図である。図11(a)は、上段冷却水管群から供給された冷却水の水流を示す斜視模式図である。図11(b)は、中段冷却水管群から供給された冷却水の水流を示す斜視模式図である。図11(c)は、下段冷却水管群から供給された冷却水の水流を示す斜視模式図である。図11(a)、(b)に示すように、発明例では、仕切り筒体内に第1の循環流が生じていることが確認された。また、図11(c)から、発明例では、ダクト筒体内に第2の循環流が生じていることが確認された。
再び、図10を参照すると、発明例2では、中段冷却水管群からの冷却水量を40%に低減したものの筒芯での上昇流が生じた。そして、上段冷却水管群から仕切筒体の傾斜面に沿って下降する強い水流が、特に給水ジャケットに冷却水管が接続された側(紙面の右側)に生じ、第1の循環流が安定化されて冷却水が撹拌され、水流制御容器内の冷却水温は70℃以下に維持され、目標とする70℃以下を達成した。さらに粒鉄が搬送装置上に堆積したときの温度は最大で646℃であり、粒鉄温度の目標の650℃以下も達成した。なお、発明例1と発明例2の粒鉄が搬送装置上に堆積したときの温度を比較すると、中段冷却水管群から供給される全冷却水量を上段冷却水管群から供給される全冷却水量よりも多くした発明例1の方が約100℃低くかった。この結果から、中段冷却水管群から供給される全冷却水量を上段冷却水管群から供給される全冷却水量よりも多くすることで、高い冷却効率で粒鉄を冷却できることが確認された。
図12は、比較例1及び比較例2のシミュレーション結果を示す図である。図12に示すように、比較例1では、中段冷却水管群から大量の冷却水を供給したので強い上昇流が生じた。当該上昇流によって冷却水が撹拌され、仕切筒体の中央部の冷却水温は70℃以下に維持された。しかしながら、仕切筒体の上部及び下部では冷却水が撹拌されず、当該領域の冷却水に淀みが生じた。これにより、粒鉄が搬送装置上に堆積したときの温度が652℃となり目標の650℃以下を僅かに超過した。
比較例2では、中段冷却水管群の2本の配管を仕切筒体の水平断面の中心に対して点対称となる位置の傾斜面に、それぞれの冷却水管の中心軸が平行になるように仕切筒体に冷却水管を接続した。このため、発明例1や比較例1とは異なり、筒芯付近の強い上昇流は発生せず、当該上昇流に代えて、仕切筒体内を旋回しながら上昇する旋回流が生じた。比較例2の仕切筒体内の水温は、発明例1及び比較例1と比較すると低くなったが、これは、粒鉄の熱量を奪えていないことを示しており、粒鉄が搬送装置上に堆積したときの温度は最大で700℃となり目標の650℃以下を大幅に超過し、且つ、粒鉄温度のばらつきも460℃~700℃と大きくなった。以上のシミュレーション結果により、本実施形態に係る粒鉄製造装置によって粒鉄を効率的に冷却できることが確認された。
次に、図4及び図6に示した水流制御容器80、82について、給水口43への粒鉄の侵入の有無を確認した結果を説明する。図13は、給水口43への粒鉄の侵入の有無を確認した結果を示す図である。発明例3は、図4に示した水流制御容器80であり、発明例4は、図6に示した水流制御容器82である。
発明例3では、給水口43の上側を覆う突出部90を設けたので、当該突出部90によって給水口43への粒鉄の侵入が抑制された。これにより、粒鉄に閉塞されることなく、給水口43から冷却水24を供給することができ、水流制御容器80を用いて高い冷却効率で粒鉄を冷却し、粒鉄を製造できることが確認された。
発明例4では、給水口43の上側を覆う保護カバー92を設けたので、当該保護カバー92によって給水口43への粒鉄の侵入が抑制された。これにより、粒鉄に閉塞されることなく、給水口43から冷却水24を供給することができ、水流制御容器82を用いて高い冷却効率で粒鉄を冷却し、粒鉄を製造できることが確認された。
10 粒化装置
12 タンディッシュ
14 溶鉄受け盤
16 ノズル
18 支持体
20 冷却水槽
22 排水口
24 冷却水
30 水流制御容器
32 仕切筒体
33 投入口
34 傾斜面
35 ダクト筒体
36 排出口
40 冷却水管群
41 冷却水管
42 スリット
43 給水口
44 上段冷却水管群
45 給水ジャケット
46 中段冷却水管群
48 下段冷却水管群
50 搬送装置
60 溶鉄
62 液柱
64 液滴
66 粒鉄
70 粒鉄製造装置
80 水流制御容器
82 水流制御容器
90 突出部
91 突出部
92 保護カバー

Claims (8)

  1. 溶鉄を液滴とする粒化装置と、前記液滴を冷却水に落下させて冷却する冷却水槽とを有する粒鉄製造装置であって、
    前記冷却水槽内に設けられ、上下端が開口する水流制御容器と、前記水流制御容器内に冷却水を供給する冷却水管群とを有し、
    前記水流制御容器は、水平断面積が下方に向けて狭くなるように傾斜した傾斜面を有する仕切筒体と、前記仕切筒体の下方に接続されるダクト筒体とを有し、
    前記冷却水管群は、前記仕切筒体に接続する上段冷却水管群及び中段冷却水管群と、前記ダクト筒体に接続する下段冷却水管群とを有し、
    前記上段冷却水管群は、前記仕切筒体の上端を含む傾斜面の上段に接続され、前記上段冷却水管群から供給される冷却水によって、上方から下方に傾斜面に沿った冷却水流を生じさせ、
    前記中段冷却水管群は、前記仕切筒体の傾斜面の中段に、前記仕切筒体の筒芯に向けて水平に接続され、前記中段冷却水管群から供給される冷却水によって、前記仕切筒体の筒芯に向かい、前記筒芯で合流して上昇し、前記上方から下方に傾斜面に沿った冷却水流を伴い、前記仕切筒体内を循環する第1の循環流を生じさせ、
    前記下段冷却水管群は、前記ダクト筒体の側面に接続され、前記下段冷却水管群から供給される冷却水と前記仕切筒体からの排水によって、前記ダクト筒体内を循環する第2の循環流を生じさせる、粒鉄製造装置。
  2. 前記水流制御容器の下方に設けられ、
    前記水流制御容器内で冷却された粒鉄を前記冷却水槽の外に搬送する搬送装置をさらに有する、請求項1に記載の粒鉄製造装置。
  3. 前記冷却水管群から前記水流制御容器に供給される冷却水量を制御する制御装置をさらに有し、前記制御装置は、前記冷却水管群から供給される冷却水量が、前記中段冷却水管群、前記上段冷却水管群、前記下段冷却水管群の順に少なくなるように制御する、請求項1又は請求項2に記載の粒鉄製造装置。
  4. 前記上段冷却水管群及び/又は前記中段冷却水管群が前記傾斜面に接続する接続部の上側を覆う突出部を有する、請求項1に記載の粒鉄製造装置。
  5. 前記突出部の断面形状は、上方から下方に向けて広がる逆V字形状又は逆U字形状である、請求項4に記載の粒鉄製造装置。
  6. 前記上段冷却水管群が前記傾斜面に接続する接続部の上側を覆う保護カバーを有し、前記保護カバーの上端部は閉じられている、請求項1、請求項4及び請求項5のいずれか一項に記載の粒鉄製造装置。
  7. 前記保護カバーの断面形状は、上方から下方に向けて広がる半円又は半楕円形状である、請求項6に記載の粒鉄製造装置。
  8. 請求項1又は請求項2に記載の粒鉄製造装置を用いた粒鉄の製造方法であって、前記冷却水管群から供給される冷却水量が、中段冷却水管群、上段冷却水管群、下段冷却水管群の順に少なくする、粒鉄の製造方法。
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