JP7119962B2 - 焼結鉱冷却装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、焼結鉱製造プロセスにおいて焼結機から排出される高温焼結鉱を冷却する焼結鉱冷却装置及び方法に関する。
焼結鉱は、焼結機の焼結パレット上に積載された焼結原料に着火し、焼結パレットの下側から吸気して、焼結原料を焼き固めることにより製造される。焼結機は、焼結原料を積載して移動する複数の焼結パレットが無端状に連結されており、これらの焼結パレットを周回させる間に焼結原料層の上面から下方に向かって焼結原料が焼き固まる燃焼帯を進行させて、焼結鉱を連続的に製造する。
このようにして製造された焼結鉱は焼結パレットから排出された直後に1次クラッシャーで粗破砕され、クーラーへ搬送される。焼結機から排出される焼結鉱は400~700℃の高温であるため、クーラーで通風冷却を行ってベルトコンベアで搬送可能な温度(約100℃)まで冷却する。クーラーから排出された焼結鉱は、2次クラッシャーや複数の篩設備による整粒処理を経た後、高炉の主原料として供給される。
クーラーの冷却能力は通常、焼結機の能力に合わせて設計されるが、焼結機能力増強の際にクーラー能力を増強しなかった場合等には、クーラーの冷却能力が不足となる状況が起こり得る。このような冷却不足が発生する焼結機及びクーラーでは、冷却能力を補うための補助的な手段として、高温焼結鉱への直接散水が従来より実施されてきた。
例えば、特許文献1では、排ガス循環方式の焼結機において、ストランド上の焼結鉱表面の所定位置(焼結パレット側板から200mm以上離れた幅方向中央部位置)に、冷却水を散水する技術が開示されている。この技術では、焼結ベッド表層の温度が150℃前後の焼結鉱に散水することにより、焼結鉱の表層温度を100℃以下に冷却する。
また、特許文献2では、焼結機後段のクーラー設備において、クーラーの冷却ゾーン毎の冷却ブロアー風量をベーン開度で制御し最適化すると共に、ベーン開度を全開にしても冷却不足となる場合には、クーラーの最終冷却ゾーン内の焼結鉱へ散水を行う技術が開示されている。この技術では、温度150~250℃の焼結鉱に対して散水を行うことにより、クーラー排出時の焼結鉱温度を150℃未満に制御する。
特許第2927217号公報 特開平10-36924号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2記載の技術は、焼結機のストランド上もしくはクーラー内で、空気冷却が進行した後の相対的に温度が低い焼結鉱に対して散水を行うものである。通常の散水冷却では、冷却対象物と冷却水の温度差が大きいほど、冷却速度が速くなるが、焼結鉱の場合、200℃以上の温度差があると、熱衝撃により焼結鉱組織内部に微細なクラックが発生し、焼結鉱の強度が低下すること(焼結鉱の脆化)が知られている。焼結鉱の脆化は粉率(高炉に供給される焼結鉱のうち粒径10mm以下の割合)の上昇を引き起こし、高炉の通気性悪化の原因となる。従って、焼結直後の高温焼結鉱を直接、散水冷却することができず、効率的な冷却ができない。
また、特許文献1及び特許文献2記載の技術は、比較的低温の焼結鉱に対して通常ノズルによる散水を行う構成であるため、散水時の液滴径が大きく、蒸発しにくい散水条件となっている。このため、液滴が蒸発せず焼結機やクーラーの内壁部材に残存して局所的な水溜まりを形成したり、排ガス中のダスト類が焼結機やクーラーの内壁部材に付着して堆積する起点となりやすい。さらにまた、焼結機やクーラーの内壁部材が急冷されると、熱衝撃による亀裂が焼結機やクーラーの内壁部材に発生しやすくなり、設備寿命が短命化する原因となる。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、散水冷却による焼結鉱の品質悪化及び焼結機やクーラーの内壁部材の劣化を回避しつつ、焼結鉱を効果的に冷却することが可能な焼結鉱冷却装置及び方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明に係る焼結鉱冷却装置は、焼結機の排鉱部から排出される焼結鉱をクーラーへ搬送するパンコンベアの上部に、該パンコンベア上の焼結鉱に向けて冷却用ミストを噴霧するミスト噴霧ノズルが複数設置されていることを特徴としている。
焼結機から排出される直前の焼結鉱は、シンターケーキと呼ばれる大きさ1m以上の塊状体であるが、1次クラッシャーで200mm未満の焼結鉱に粗破砕され、シュートを経由してパンコンベアへ投入され、クーラーへと搬送される。この粗破砕されパンコンベアに投入された焼結鉱は、シンターケーキ内部の高温部分が新たに表面に露出した状態であるため、ミスト噴霧を行えば、この高温部分を効果的に冷却することができる。また、パンコンベア上でミスト噴霧することによってパンコンベアも冷却されるので、パンコンベアと接している焼結鉱部分も冷却され、高温焼結鉱を効率的に冷却することができる。
また、第1の発明に係る焼結鉱冷却装置では、前記ミスト噴霧ノズルの噴霧角度が前記パンコンベア内の焼結鉱搬送面に対向する平行な仮想面に対して下方に0度超45度以下とされていることを好適とする。
ミスト噴霧ノズルの噴霧角度をパンコンベア内の焼結鉱搬送面に対向する平行な仮想面に対して下方に0度超45度以下とすることにより、焼結鉱搬送面の広範囲にミストを薄く均一に噴霧することができる。
噴霧角度が0度以下の場合、焼結鉱と接触しないまま排ガス中で蒸発するミストの比率が高まり、焼結鉱冷却への寄与率が低下する。一方、噴霧角度が45度超の場合、市販されている一般的なミスト噴霧ノズルでは、噴霧方向におけるミストの拡散幅が大きく取れないため、冷却領域が狭くなりすぎて焼結鉱冷却に必要な水量を噴霧することが困難となる。
また、第1の発明に係る焼結鉱冷却装置では、前記ミスト噴霧ノズルは、粒径200μm未満の微細ミストを噴霧可能な、水と空気の2流体用噴霧ノズルであることを好適とする。
200μm未満の微細ミストは蒸発速度が非常に速いため、高温物と接触する前に殆どのミストが水蒸気化する。その際の蒸発熱によって周辺空気が冷却され、冷却された空気が焼結鉱を間接的に冷却する。故に、焼結鉱を全く脆化させることなく、より効果的な冷却を行うことができる。
ミスト粒径の下限値は特に定めないが、パンコンベア内の焼結鉱搬送面に対して均一なミスト噴霧が行えるようにミスト粒径を小径化することが望ましい。
また、第2の発明に係る焼結鉱冷却方法は、第1の発明における前記ミスト噴霧ノズル全体の噴霧量を、前記パンコンベア上の焼結鉱の表面積1m当たり0.4ton/h以下、且つ前記パンコンベアによる焼結鉱の搬送質量の1.2%以下に調整することを特徴としている。
ミスト噴霧ノズル全体の噴霧量を、パンコンベア上の焼結鉱の表面積1m当たり0.4ton/h以下、且つパンコンベアによる焼結鉱の搬送質量の1.2%以下に制限することにより、局所的な水量過多を回避することができる。また、この範囲内でのミスト噴霧であれば、焼結鉱の脆化による大幅な粉率悪化を抑制することができる。
なお、焼結鉱の冷却が不十分とならないよう、ミスト噴霧ノズル全体の噴霧量の下限値は、パンコンベア上の焼結鉱の表面積1m当たり0.017ton/h、且つパンコンベアによる焼結鉱の搬送質量の0.05%とする。
本発明では、焼結機の排鉱部から排出される焼結鉱を搬出するパンコンベアの上部にミスト噴霧ノズルを設置して、粗破砕直後の高温焼結鉱にミスト噴霧するので、高温焼結鉱を効果的に冷却することができる。さらに、焼結鉱の部分湿潤化や脆化、さらには焼結機やクーラーの内壁部材の劣化など散水に伴う二次的被害を回避することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る焼結鉱冷却装置の模式図である。 同焼結鉱冷却装置におけるミスト噴霧ノズルの平面配置とミスト噴霧範囲を示した模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係る焼結鉱冷却装置の模式図である。 同焼結鉱冷却装置におけるミスト噴霧ノズルの平面配置とミスト噴霧範囲を示した模式図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、本明細書及び図面において実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[第1の実施の形態に係る焼結鉱冷却装置及び方法]
本発明の第1の実施形態に係る焼結鉱冷却装置の構成を図1に示す。
図1に示す一般的な焼結機120では、排鉱部100において焼結パレット101から排出された焼結鉱102は、1次クラッシャー103にて粗破砕され排鉱シュート104aを経由する流れと、1次クラッシャー103を通らずにサブシュート105aを経由する流れに分かれて降下する。それらの焼結鉱102はいずれも400℃以上の高温物であるため、高温物の搬送が可能なパンコンベア106を経由してクーラー(図示省略)へ搬送される。
パンコンベア106内の焼結鉱搬送面の上方には、複数のミスト噴霧ノズル107aが設置されている。各ミスト噴霧ノズル107aは、パンコンベア106内の焼結鉱搬送面に対向する平行な仮想面に対して下方に0度超45度以下の噴霧角度で、パンコンベア106のテールプーリ115の方向に向けて冷却用ミスト111を噴霧する。
ミスト噴霧ノズル107aの噴霧角度は、設置するパンコンベア106の機長やミスト蒸発に使える冷却領域の距離に合わせて調整を行う。噴霧角度が小さいほど、冷却領域が長く熱衝撃を緩和しやすい条件となるので、噴霧角度はパンコンベア106の機長が許す範囲で極力小さくすることが望ましい。逆に、噴霧角度を大きくすれば、蒸発距離が短くできるため、短尺のパンコンベアには有効であるが、熱衝撃の影響は大きくなる。
ミスト噴霧ノズル107aとしては、1000μm未満の小径のミストを噴霧できる分散型のノズル形状が好ましい。1000μm以上の大径のミストは、接触した、焼結機120やパンコンベア106の内壁部材表面を局所的に急冷するため、焼結鉱の脆化や内壁部材の亀裂の発生などの弊害を引き起こすおそれがある。ミスト粒径が1000μm未満であれば、冷却用ミスト111との接触による焼結鉱の脆化は大幅に低減される。
本実施の形態におけるミスト噴霧ノズル107aは、広い領域に冷却用ミスト111を噴霧するため、粒径200μm未満の微細ミストを噴霧できる、水と空気の2流体用噴霧ノズルとされている。
噴霧用の水は、水用バルブスタンド108aから水配管109を介してミスト噴霧ノズル107aへ供給され、噴霧用の空気は、空気用バルブスタンド108bから空気配管110を介してミスト噴霧ノズル107aへ供給される。
噴霧するミストの粒径は、空気と水の供給比(気水比)を調整することにより容易に調整することができる。一般に、ミスト噴霧ノズルの吹出口の開口幅を小さくするほど、また空気量を増やして気水比を高めるほど、ミスト粒径は小さくなる。10μm程度の霧状ミストを噴霧することができるミスト噴霧ノズルも市販されている。
2流体用噴霧ノズルに関しては多種のモデルが市販されているが、いずれも水と空気の供給比(気水比)の調整によって、ミストの噴霧距離を可変とすることができる。例えば、水量1ton当たりの空気量を30~300Nmの範囲で変えることにより、ミスト到達距離を5m~20mの範囲で調整できるミスト噴霧ノズルなどが市販されている。
図2にパンコンベア106上方のミスト噴霧ノズル107aの平面配置とミスト噴霧範囲を示す。本配置例では、焼結鉱102の搬送方向と直交する方向にミスト噴霧ノズル設置架台116を2列並設し、各ミスト噴霧ノズル設置架台116上にミスト噴霧ノズル107aを4本ずつ設置している。本実施の形態におけるパンコンベア106の機長は25mであり、1列目のミスト噴霧ノズル107aはパンコンベア106のヘッドプーリ114側に、2列目のミスト噴霧ノズル107aはパンコンベア106の中央部にそれぞれ配置されている。
ミスト噴霧ノズル107aの間隔は、選定したノズルのミスト拡散特性に応じて、隣接するミスト噴霧ノズル107a同士の冷却用ミスト111が重ならない距離とすることが好ましい。隣接する冷却用ミスト111が重なると、重なり部分で液滴の合体が起こりミスト径が粗大化してしまい、ミスト微細化効果が得られないおそれがある。
ミスト噴霧ノズル107aの高さは、パンコンベア側壁113より500mm高い位置としている。本実施の形態では、パンコンベア側壁113より500mm高い位置から噴霧角度25度でパンコンベア106上の焼結鉱102に向けてミスト噴霧を行うことにより、パンコンベア106機長の中間部の約16m範囲に冷却用ミスト111と焼結鉱102の接触領域(冷却領域112)を形成させている。
ミスト噴霧ノズル107a全体の噴霧量は、パンコンベア106上の焼結鉱102の表面積1m当たり0.4ton/h以下0.017ton/h以上、且つパンコンベア106による焼結鉱102の搬送質量の1.2%以下0.05%以上となるように調整する。
[第2の実施の形態に係る焼結鉱冷却装置及び方法]
本発明の第2の実施形態に係る焼結鉱冷却装置の構成を図3に示す。
本実施の形態における焼結機130は、排鉱シュート104bとサブシュート105bが別体とされている。排鉱部100において焼結パレット101から排出された焼結鉱102は、1次クラッシャー103にて粗破砕され排鉱シュート104bを経由する流れと、1次クラッシャー103を通らずにサブシュート105bを経由する流れに分かれて降下する。排鉱シュート104aを降下する焼結鉱は、そのまま下方のクーラーへ搬送され、サブシュート105bを降下する焼結鉱は、サブシュート105bの下方に設置されているパンコンベア106を経由してクーラーへ搬送される。
パンコンベア106内の焼結鉱搬送面の上方には、複数のミスト噴霧ノズル107bが設置されている。各ミスト噴霧ノズル107bは、パンコンベア106内の焼結鉱搬送面に対向する平行な仮想面に対して下方に0度超45度以下の噴霧角度で、パンコンベア106のヘッドプーリ114の方向に向けて冷却用ミスト111を噴霧する。
使用するミスト噴霧ノズル107bの形状は特殊なものではなく、市販の1流体拡散型ノズルを用いることができる。これらのノズルの一般的ミスト径は200μm~2000μmであり、1000μm未満のノズルを選択すればよい。冷却用ミスト111の拡散幅は、噴霧するパンコンベア106の機長や幅に応じて選定すればよい。
噴霧用の水は水用バルブスタンド108aより水配管109を介してミスト噴霧ノズル107bに供給される。
図4にパンコンベア106上方のミスト噴霧ノズル107bの平面配置とミスト噴霧範囲を示す。本配置例では、焼結鉱102の搬送方向と直交する方向にミスト噴霧ノズル設置架台116を1列設置し、その上に3本のミスト噴霧ノズル107bを設置している。本実施の形態におけるパンコンベア106の機長は8.5mであり、ミスト噴霧ノズル107bはサブシュート105bの排出口の近傍に配置されている。
パンコンベア側壁113間の幅は1mであり、その間にミスト噴霧ノズルを350mmピッチの等間隔で配置している。ミスト噴霧ノズル107bは1流体用噴霧ノズルであるが、拡散型でノズル口径を絞ったミスト噴霧ノズルを選定することにより、ミスト粒径を500μm以下に細粒化している。
ミスト噴霧ノズル107bの高さは、パンコンベア側壁113より500mm高い位置とされている。本実施の形態では、パンコンベア側壁113より500mm高い位置から噴霧角度40度でパンコンベア106上の焼結鉱102に向けてミスト噴霧を行うことにより、パンコンベア106の機長中間部の約5.5m範囲に冷却用ミスト111と焼結鉱102の接触領域(冷却領域112)を形成させている。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更や上記実施の形態の組み合わせを施してもよい。
例えば、第1の実施の形態では、ミスト噴霧ノズルとして2流体用噴霧ノズルを使用しているが、1流体用噴霧ノズルを使用してもよい。同様に、第2の実施の形態では、ミスト噴霧ノズルとして1流体用噴霧ノズルを使用しているが、2流体用噴霧ノズルを使用してもよい。
また、ミスト噴霧ノズルの配置は、選定したミスト噴霧ノズルのミスト拡散性に大きく依存するため、ノズル仕様や水量、気水比などの使用条件に合わせて、適宜変更してよい。例えば、ミスト噴霧ノズルの設置数は、必ずしも2列以内とする必要はなく、パンコンベアの機長が十分長い場合には、3列以上のミスト噴霧ノズルを設置してもよい。1列に設置するノズルの本数についても、冷却領域におけるミスト量が均一化できるのであれば、より密なノズル配置としてよい。
さらにまた、ミスト噴霧ノズルの噴霧方向は、テールプーリ側からヘッドプーリ側、ヘッドプーリ側からテールプーリ側のいずれでもよい。
本発明の効果について検証するために実施した検証試験について説明する。
[実施例1]
焼結面積660m、生産量880ton/hの焼結機において、機長25m、幅3mの高温焼結鉱搬送用のパンコンベアに8本(4本×2列)の2流体用噴霧ノズルを設置し、焼結鉱のミスト噴霧冷却試験を実施した。
1本のノズル当たりの水量を1.4ton/h、空気量を240Nm/hに調整し、ミスト噴霧ノズル全体の水量を11.2ton/h(パンコンベア上の焼結鉱の表面積1m当たり0.23ton/h、パンコンベアによる焼結鉱の搬送質量の0.93%)としてミスト噴霧を行った。
本試験における冷却領域は16m×3m、ミスト粒径は50μmであった。
同一の操業条件において、ミスト噴霧のON/OFFテストを繰り返し行い、クーラー入側に設置した放射温度計を使って焼結鉱の表面温度の変化を計測した。さらに、温度低減効果を正確に評価するため、クーラー入側の焼結鉱をサンプリングし、水中浸漬による水温上昇代から焼結鉱全体の平均温度を算出した。
その結果、ミスト噴霧を行うことにより、放射温度計による焼結鉱表面温度はミスト噴霧開始直後より観察視野内で約80~120℃低下していることが確認された。また、焼結鉱の水中浸漬による計算では、ミスト噴霧を行うことにより約26℃の平均温度の低下が確認された。
一方、焼結鉱の脆化の評価では、ミスト噴霧を行っても、高炉供給される焼結鉱の10mm以下の粉率は全く変化が見られなかった。
[実施例2]
焼結面積555m、生産量740ton/hの焼結機において、機長8.5m、幅1mのサブシュート焼結鉱搬送用のパンコンベアに3本の1流体用噴霧ノズルを設置し、焼結鉱のミスト噴霧冷却試験を実施した。
1本のノズル当たりの水量を0.7ton/hに調整し、ミスト噴霧装置全体の水量を2.1ton/h(パンコンベア上の焼結鉱の表面積1m当たり0.38ton/h、パンコンベアによる焼結鉱の搬送質量の0.21%)としてミスト噴霧を行った。
本試験における冷却領域は5.5m×1m、ミスト粒径は500μmであった。
実施例1と同様、同一の操業条件においてミスト噴霧のON/OFFテストを繰り返し行い、クーラー入側に設置した放射温度計を使って焼結鉱の表面温度の変化を計測した。さらに、温度低減効果を正確に評価するため、クーラー入側の焼結鉱をサンプリングし、水中浸漬による水温上昇代から焼結鉱全体の平均温度を算出した。
その結果、ミスト噴霧を行うことにより、放射温度計による焼結鉱の表面温度は観察視野内で均等かつ安定的に約20~55℃低下する現象が確認された。また、焼結鉱の水中浸漬による熱量計算では、約14℃の平均温度低下が確認された。この温度低下代は、熱量的には水の蒸発潜熱による抜熱量の理論値とほぼ一致するものであり、ミスト蒸発による冷却が効果的に行われたと考えられる。
一方、焼結鉱の脆化の評価では、ミスト噴霧を行うことで、高炉供給される焼結鉱の10mm以下の粉率は約0.2%上昇する傾向が確認された。
[比較例1]
実施例1と同じ焼結機を用いて、焼結ベッド上の焼結鉱に10ton/hのスプレー散水を行うON/OFFテストを実施し、実施例1と同様に焼結鉱の表面温度と水中浸漬による焼結鉱全体の平均温度の変化を観察した。
その結果、焼結ベッド上での散水による焼結鉱の表面温度の低下は5~35℃と小さく、水中浸漬により算出した焼結鉱全体の平均温度も7℃の低減効果に留まった。このときの焼結ベッドの表層部は明らかに濡れており、クーラー入口においても湿った焼結鉱が部分的に確認される状況であった。このことから、焼結ベッド上での散水では、表層の焼結鉱のみが冷却されて湿潤化し、焼結ベッド中層及び下層の焼結鉱がほとんど冷却されないと考えられる。
一方、焼結鉱の脆化の評価では、スプレー散水を行うことにより、高炉供給される焼結鉱の10mm以下の粉率は約1.0%上昇した。
[比較例2]
実施例1と同じ焼結機を使用し、焼結ベッド上のスプレー散水量を40ton/hにまで増加させた高散水量操業を2週間継続した。
その結果、40ton/hの散水を行うことにより、焼結鉱全体の平均温度を22℃低減させることができたが、高炉供給の焼結鉱粉率は約3.5%上昇し、高炉での通気悪化などの悪影響が明確に認められた。さらに、この期間中に焼結ベッド下部の鋳物製グレートバーが折損する設備トラブルが5回発生した。焼結ベッドには焼結過程で生じる複数のクラックが内在しており、多量の散水を行った場合には、これらクラックを流路として水が最下層まで流下し、焼結ベッド下の高温の鋳物部材が散水の熱衝撃により破損するリスクが避けられない。
100:排鉱部、101:焼結パレット、102:焼結鉱、103:1次クラッシャー、104a、104b:排鉱シュート、105a、105b:サブシュート、106:パンコンベア、107a、107b:ミスト噴霧ノズル、108a:水用バルブスタンド、108b:空気用バルブスタンド、109:水配管、110:空気配管、111:冷却用ミスト、112:冷却領域、113:パンコンベア側壁、114:ヘッドプーリ、115:テールプーリ、116:ミスト噴霧ノズル設置架台、120、130:焼結機

Claims (4)

  1. 焼結機の排鉱部から排出される焼結鉱をクーラーへ搬送するパンコンベアの上部に、該パンコンベア上の焼結鉱に向けて冷却用ミストを噴霧するミスト噴霧ノズルが複数設置されていることを特徴とする焼結鉱冷却装置。
  2. 請求項1記載の焼結鉱冷却装置において、前記ミスト噴霧ノズルの噴霧角度が前記パンコンベア内の焼結鉱搬送面に対向する平行な仮想面に対して下方に0度超45度以下とされていることを特徴とする焼結鉱冷却装置。
  3. 請求項1又は2記載の焼結鉱冷却装置において、前記ミスト噴霧ノズルは、粒径200μm未満の微細ミストを噴霧可能な、水と空気の2流体用噴霧ノズルであることを特徴とする焼結鉱冷却装置。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の前記ミスト噴霧ノズル全体の噴霧量を、前記パンコンベア上の焼結鉱の表面積1m当たり0.4ton/h以下、且つ前記パンコンベアによる焼結鉱の搬送質量の1.2%以下に調整することを特徴とする焼結鉱冷却方法。
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