JP7124664B2 - 信号追尾装置および信号追尾方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の受波器で構成されるセンサアレイに到来する信号を分析して信号成分を検出する信号追尾装置および信号追尾方法に関する。
従来の信号追尾方法として、センサアレイに到来する信号であるアレイ入力データに対して整相処理および広帯域分析処理を行うことにより得られる方位空間上の信号強度分布データを用いて、到来する信号の方位を検出する方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
近年、信号成分に対する検出能力の向上を目的として、従来の広帯域分析処理の代わりに適応型広帯域分析処理が採用されるようになった。適応型広帯域分析処理による信号強度分布データを使用することで、従来の広帯域分析処理に比べて、より低いS/N比(信号対雑音比)の信号の検出が可能になったり、異なる音源から発生する信号同士の方位の分離能力が向上する。
Robert E. Zarnich, "A Fresh Look At ‘Broadband’ Passive Sonar Processing", in Proceedings of 1999 Adaptive Sensor Array Processing Workshop(ASAP `99), MIT Lincoln Laboratory, Lexington, MA, pp. 99-104.
しかし、適応型広帯域分析処理による信号強度分布データは、信号成分だけでなく、雑音を含むピークが全周に渡り散在しやすくなる。そのため、雑音によるピークが信号成分と誤検出され、誤警報が多発してしまうおそれがある。
本発明に係る信号追尾装置は、センサアレイに到来する信号に対して一定の周期で整相処理および広帯域分析処理を行うことで得られる、方位空間上の信号強度を示す信号強度分布データを用いた信号追尾装置であって、前記信号強度分布データに対して、方位毎に前記センサアレイの基準方位からの相対方位の半減半角ビーム幅に基づくフィルタ長のフィルタ係数を用いて、前記信号強度分布データから不要ピークを除去する不要ピーク除去手段と、前記不要ピーク除去後の信号強度分布データを用いて、隣接する方位の信号強度を相対的に比較してピークを検出するピーク検出手段と、前回の周期までに検出された前記ピークの時間的なつながりであるラインと前記ピーク検出手段によって検出されたピークとが方位方向の予測範囲に収まる場合に前記検出されたピークを前記ラインに統合し、前記検出されたピークのうち、いずれのラインにも統合されないピークを新規のラインに設定する方位追尾手段と、前記ラインが時間的に連ねたピークのレベルを時間方向に平滑化した値が決められた検出閾値以上である場合に前記ラインを信号成分と判定する検出判定手段と、を有するものである。
本発明に係る信号追尾方法は、センサアレイに到来する信号に対して一定の周期で整相処理および広帯域分析処理を行うことで得られる、方位空間上の信号強度を示す信号強度分布データを用いた信号追尾方法であって、前記信号強度分布データに対して、方位毎に前記センサアレイの基準方位からの相対方位の半減半角ビーム幅に基づくフィルタ長のフィルタ係数を用いて、前記信号強度分布データから不要ピークを除去し、前記不要ピーク除去後の信号強度分布データを用いて、隣接する方位の信号強度を相対的に比較してピークを検出し、前回の周期までに検出された前記ピークの時間的なつながりであるラインと検出されたピークとが方位方向の予測範囲に収まる場合に前記検出されたピークを前記ラインに統合し、前記検出されたピークのうち、いずれのラインにも統合されないピークを新規のラインに設定し、前記ラインが時間的に連ねたピークのレベルを時間方向に平滑化した値が決められた検出閾値以上である場合に前記ラインを信号成分と判定するものである。
本発明によれば、信号強度分布データに対して、方位毎の半減半角ビーム幅に基づくフィルタ長のフィルタ係数を用いることで不要ピークが除去されるため、雑音によるピークの誤検出が抑制され、誤警報の回数を抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係る信号追尾装置の一構成例を示すブロック図である。 図1に示した信号追尾装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 アレイ入力データに対して整相処理および広帯域分析処理を行って信号強度分布データを得る方法を説明するための図である。 比較例1の広帯域分析処理による信号強度分布データの一例を示す図である。 比較例1の信号追尾装置の一構成例を示すブロック図である。 比較例1の信号追尾装置が実行する信号追尾方法の手順を示すフローチャートである。 比較例2の適応型広帯域分析処理による信号強度分布データの一例を示す図である。 図1に示した信号追尾装置が実行する信号追尾方法の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る信号追尾方法において、不要ピーク除去前の信号強度分布データX(m)の一例を示す図である。 図9に示した信号強度分布データから不要ピークを除去した後の信号強度分布データの一例を示す図である。
実施の形態1.
本実施の形態1の信号追尾装置および信号追尾方法は、アレイ入力データに対して整相処理および広帯域分析処理を行うことで得られる方位空間上の信号強度分布データを用いて、時間的に連続性のある広帯域信号成分を自動的に検出および追尾するものである。本実施の形態1の信号追尾装置および信号追尾方法は、例えば、潜水艦または水上艦等のソーナー装置に用いられる。
本実施の形態1の信号追尾装置の構成を説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る信号追尾装置の一構成例を示すブロック図である。図1に示すように、信号追尾装置1は、制御部11および表示部12を有する。表示部12は、例えば、液晶ディスプレイ装置である。制御部11は、データ入力手段21と、不要ピーク除去手段22と、ピーク検出手段23と、方位追尾手段24と、検出判定手段25と、表示制御手段26とを有する。
図2は、図1に示した信号追尾装置のハードウェア構成の一例を示す図である。信号追尾装置1は、例えば、コンピュータを含む情報処理装置である。制御部11は、プログラムを記憶するメモリ52と、プログラムにしたがって処理を実行するCPU(Central Processing Unit)51とを有する。CPU51がプログラムを実行することで、図1に示した、データ入力手段21、不要ピーク除去手段22、ピーク検出手段23、方位追尾手段24、検出判定手段25および表示制御手段26が構成される。
なお、データ入力手段21、不要ピーク除去手段22、ピーク検出手段23、方位追尾手段24、検出判定手段25および表示制御手段26が備える機能のうち、一部または全部が専用回路で構成されてもよい。専用回路は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。信号処理の一部または全部を専用回路で構成することで、信号処理の高速化を図ることができる。
本実施の形態1の信号追尾装置1の構成を詳細に説明する前に、比較例1の信号追尾装置を説明する。比較例1の信号追尾装置は、アレイ入力データに対して広帯域分析処理を用いるものである。はじめに、信号追尾装置の処理対象となる信号強度分布データについて説明する。図3は、アレイ入力データに対して整相処理および広帯域分析処理を行って信号強度分布データを得る方法を説明するための図である。
整相方位数を全周でB個とすると、センサアレイを基準とした所定の相対方位に対して行われた整相処理の結果に対し、方位方向の補間処理が行われる。補間処理により、整相処理後のデータは等θ間隔のデータに変換される。ここで、補間後の全周の方位分割数をMとすると、B<Mの関係である。センサアレイが直線状の場合、整相処理結果による半減半角ビーム幅は、センサアレイからの相対方位に応じてその大きさは異なる。
その後、周波数ビン数をNとすると、等θ間隔の各方位m(m=1,2,・・・,M)のグリッドで周波数分析を行うことで2次元データW(m,n)(m=1,2,・・・,M、n=1,2,・・・,N)が生成される。さらに、1≦N1<N2≦Nとすると、2次元データW(m,n)に対して各方位mに所望の周波数ビンN1~N2の強度を全て加算することで、信号強度分布データX(m)が生成される。そのため、信号成分が含まれる周波数ビンが限定的であるほど検出能力は劣化する。また、全周の方位分割数Mを大きくしても、図4に示すように、方位空間上に形成されるピークの分解能は整相方位の分解能程度に留まる。図4は、比較例1の広帯域分析処理による信号強度分布データの一例を示す図である。図4の横軸は方位mであり、縦軸は信号強度を示すレベルである。
比較例1の信号追尾装置の構成を説明する。図5は、比較例1の信号追尾装置の一構成例を示すブロック図である。図1に示した構成と同様な構成について同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。比較例1の信号追尾装置100は、制御部13および表示部12を有する。制御部13は、データ入力手段21、ピーク検出手段23、方位追尾手段24、検出判定手段25および表示制御手段26を有する。また、制御部13は、図に示さない、メモリおよびCPUを有する。メモリが記憶するプログラムをCPUが実行することで、データ入力手段21、ピーク検出手段23、方位追尾手段24、検出判定手段25および表示制御手段26が構成される。
データ入力手段21は、一定の周期のサンプリング時間tに信号強度分布データX(m)が入力されると、信号強度分布データX(m)をピーク検出手段23に出力する。ただし、m=1,2,・・・,Mである。
ピーク検出手段23は、信号強度分布データX(m)に対して、隣接する方位の信号強度を相対的に比較してピークを検出する。具体的には、ピーク検出手段23は、信号強度分布データX(m)の各方位mに対し、次の式(1)を用いて、ピークか否かを判定する。ピーク検出手段23は、式(1)が満たされる場合、X(m)をピークと判定し、式(1)が満たされない場合、X(m)をピークではないと判定する。
(m-1)<X(m)、かつX(m)>X(m+1) ・・・(1)
なお、X(m)が観測点を中心にして全周(360度)のデータである場合、X(1)とX(M)とが隣接する。そのため、ピーク検出手段23は、X(1)についてピーク判定する場合、式(1)におけるX(0)をX(M)に置き換える。また、ピーク検出手段23は、X(M)についてピーク判定する場合、式(1)におけるX(M+1)をX(1)に置き換える。
方位追尾手段24は、前回の周期(t-1)までに検出されたピークの時間的なつながりであるラインがある場合、ラインと現在の周期のサンプリング時間tで検出されたピークとが同一であるか否かを、統合基準にしたがって判定する。統合基準は、ラインに関して予め算出した予測方位dpredを基準とし、所定の方位差dsearchの予測範囲内に新たに検出されたピークの方位dpeakが収まることである。統合基準を式(2)に示す。
(dpred-dsearch) ≦ dpeak ≦ (dpred+dsearch) ・・・(2)
予測方位dpredの算出方法は、例えば、カルマンフィルタおよびαβトラッキング法などを用いることが考えられる。
方位追尾手段24は、式(2)に示す統合基準を満たす場合、前回の周期(t-1)から更新されるラインと現在の周期tで検出されたピークとが同一と判定し、検出されたピークをラインに統合させる。一方、方位追尾手段24は、現在の周期tで検出されたピークのうち、どのラインにも統合されないピークを新規ラインに設定する。各ラインは、情報として、「未検出」、「検出」および「失探」のうち、いずれかのステータスと、信号レベル平滑値を持つ。新規ラインは、ステータスが「未検出」であり、信号レベル平滑値は0である。
検出判定手段25は、方位追尾手段24によって更新されたラインおよび方位追尾手段24によって設定された新規ラインの各ラインについて、時間方向に信号レベルを平滑化する。具体的には、検出判定手段25は、各ラインの現在の周期tにおける信号レベル平滑値Psmooth(t)を、統合されたピークのレベルX(m)、信号レベル平滑値の前回の値Psmooth(t-1)および信号レベルの平滑化の所望の時定数αを用いて算出する。検出判定手段25が用いる算出式を、式(3)に示す。
smooth(t)=α×X(m)+(1-α)×Psmooth(t-1)・・・(3)
続いて、検出判定手段25は、信号レベル平滑値Psmooth(t)と判定基準となる検出閾値Vthとを比較する。比較の結果、
smooth(t) ≧ Vth ・・・(4)
である場合、検出判定手段25は、ラインのステータスを、次のように更新する。
・前回のステータスが「未検出」である場合、ステータスを「検出」に更新する。
・前回のステータスが「検出」である場合、ステータスを「検出」に維持する。
一方、比較の結果、
smooth(t) < Vth ・・・(5)
である場合、検出判定手段25は、ラインのステータスを、次のように更新する。
・前回のステータスが「未検出」である場合、ステータスを「未検出」に維持する。
・前回のステータスが「検出」である場合、ステータスを「失探」に更新する。
検出判定手段25は、ステータスが「検出」を示すラインの情報のみを表示制御手段26に出力する。ここで、検出判定手段25は、ステータスが「失探」となったラインを、信号成分ではない、または信号成分ではなくなったと判断し、そのラインの情報を削除する。
表示制御手段26は、検出判定手段25によって「検出」と判定されたラインの方位とその検出時刻に基づいて、例えば、縦軸を時間とし、横軸を方位とした2次元の表示領域中の該当する座標にプロットする画像を表示部12に表示させる。その画像が表示部12によって表示させることで、オペレータが目標の存在およびその運動状況を把握することができる。
次に、比較例1の信号追尾装置100の動作を説明する。図6は、比較例1の信号追尾装置が実行する信号追尾方法の手順を示すフローチャートである。
データ入力手段21は、入力される信号強度分布データX(m)をピーク検出手段23に出力する(ステップS201)。m=1,2,・・・,Mである。ピーク検出手段23は、信号強度分布データX(m)を用いて、隣接する方位の信号強度を相対的に比較してピークを検出する(ステップS202)。ステップS203において、方位追尾手段24は、前回の周期から維持されるラインとピーク検出手段23によって検出されたピークとが方位方向の予測範囲に収まる場合に新規に検出されたピークをラインに統合する。一方、方位追尾手段24は、ピーク検出手段23によって検出されたピークのうち、いずれのラインにも統合されないピークを新規ラインに設定する。
ステップS204において、検出判定手段25は、各ラインについて、ピークのレベルを時間方向に平滑化した信号レベル平滑値Psmooth(t)が検出閾値Vth以上であるか否かを判定する。検出判定手段25は、信号レベル平滑値Psmooth(t)が検出閾値Vth以上である場合、判定対象のラインを信号成分と判定する。表示制御手段26は、縦軸を時間とし、横軸を方位とした2次元の表示領域に、検出判定手段25によって「検出」と判定されたラインの方位とその検出時刻とを座標としてプロットした画像を表示部12に表示させる。信号追尾装置100はステップS201~S205の処理を一定の周期で繰り返す。
次に、比較例2として、適応型広帯域分析処理の場合を説明する。適応型広帯域分析処理は、従来の広帯域分析処理と同様に、2次元データW(m,n)(m=1,2,・・・,M、n=1,2,・・・,N)を入力とする。一方、適応型広帯域分析処理では、方位方向にピークを成す強度、すなわち任意のm、nに対し、式(6)を満たす2次元データW(m,n)が示す強度のみが方位mの加算対象となり、信号強度分布データX(m)が生成される。
W(m-1,n)<W(m,n)、かつW(m,n)>W(m+1,n)・・・(6)
そのため、従来の広帯域分析処理に比べて、異なる音源から発生する信号同士の方位の分離能力が向上する一方、信号強度分布データ上のピーク点が全周に渡り散在しやすくなる。全周の方位分割数Mが大きくなるにしたがって、この現象が顕著になる。図7は、比較例2の適応型広帯域分析処理による信号強度分布データの一例を示す図である。図7の横軸は方位mであり、縦軸は信号強度を示すレベルである。図7に示すグラフでは、図4に示したグラフに比べて、多くのピーク点が散在していることがわかる。
よって、適応型広帯域分析処理により生成された信号強度分布データX(m)を入力データとして、比較例1の信号追尾装置100で広帯域信号の検出および追尾を試みると、あらゆる方位においてピーク点が検出されることになる。検出されるピークには、信号成分だけでなく、雑音も多く含まれる可能性がある。その結果、雑音によるピークが信号成分と誤検出され、誤警報が多発する問題が生じる。そのため、適応型広帯域分析処理により生成されたデータに対し、目標信号の方位のみのピーク点を残し、それ以外の方位に散在する不要なピーク点を除去することが求められている。
本実施の形態1の信号追尾装置1は、広帯域分析処理により生成された信号強度分布データに対して、方位方向のローパスフィルタを実行することにより、方位全体における散在する雑音となるピーク点を除去するものである。これにより、誤警報ラインの発生を抑制し、信号成分の広帯域信号を自動的に検出および追尾できる。以下に、本実施の形態1の信号追尾装置1について詳しく説明する。
本実施の形態1の信号追尾装置1の構成を、図1を参照して説明する。ここでは、図5を参照して説明した構成と同様な構成についての詳細な説明を省略する。図1に示した信号追尾装置1は、図5に示した比較例1の信号追尾装置100と比較すると、不要ピーク除去手段22が追加された構成である。
不要ピーク除去手段22は、信号強度分布データX(m)に対して、方位m毎にセンサアレイの基準方位からの相対方位であるアレイ相対方位の半減半角ビーム幅に基づくフィルタ長のフィルタ係数を用いて、入力されたデータから不要ピークを除去する。具体的には、不要ピーク除去手段22は、信号強度分布データX(m)の各方位mに対して、式(7)により、方位mにおけるアレイ相対方位の半減半角ビーム幅を考慮したフィルタ長によるローパスフィルタを実行することで、Xfilter(m)を得る。ここで、m=1,2,・・・,Mである。Xfilter(m)は、入力された信号強度分布データX(m)から不要ピークを除去した後のデータである。式(7)に、Xfilter(m)の算出式を示す。なお、X(m)が観測点を中心にして全周(360度)のデータである場合、X(1)とX(M)とが隣接する。そのため、不要ピーク除去手段22は、式(7)において、X(0)をX(M)に置き換え、X(M+1)をX(1)に置き換える。
Figure 0007124664000001
式(7)において、C_filterはフィルタ係数である。フィルタ係数C_filterは、フィルタ長が(2×s(m)+1)である。フィルタ係数C_filterの形状は、例えば、ハニング窓およびSinc関数などであるが、用途に応じて選定することができる。s(m)は、次の式(8)で表される。
s(m)=四捨五入(Drelative(m)×C÷360×M) ・・・(8)
式(8)において、Drelative(m)は、方位mにおけるアレイ基準方位からの相対方位の半減半角ビーム幅である。Cは調整係数である。調整係数Cは、正の値であり、全ての方位mに共通の値である。Mは、全周の方位分割数であり、信号強度分布データX(m)の長さに相当する。
次に、本実施の形態1の信号追尾装置1の動作を説明する。図8は、図1に示した信号追尾装置が実行する信号追尾方法の手順を示すフローチャートである。図8に示すステップS101およびS103~S106の処理は図6を参照して説明したステップS201~S205の処理と同様なため、ここでは、その詳細な説明を省略する。
ステップS101において、データ入力手段21は、入力される信号強度分布データX(m)を不要ピーク除去手段22に出力する。m=1,2,・・・,Mである。ステップS102において、不要ピーク除去手段22は、方位毎の信号強度分布データX(m)に対して、式(7)にしたがって、フィルタ係数C_filterによるローパスフィルタを実行し、受け取ったデータから不要ピークを除去する。不要ピーク除去手段22は、不要ピーク除去後の信号強度分布データXfilter(m)をピーク検出手段23に出力する。
ここで、信号処理の一例として、図7に示した、適応型広帯域分析処理により生成された信号強度分布データX(m)を、図8に示した信号追尾方法に適用した場合を説明する。図9は、本発明の実施の形態1に係る信号追尾方法において、不要ピーク除去前の信号強度分布データX(m)の一例を示す図である。図9の横軸は方位mであり、縦軸は信号強度を示すレベルである。
図9に示すように、各方位mにおける相対方位に応じてフィルタ長が異なっている。不要ピーク除去手段22は、式(7)にしたがって、方位m毎に、近傍の方位の信号強度とフィルタ係数との乗算結果の和を算出することで、不要ピークを除去した信号強度分布データXfilter(m)を得る。
図10は、図9に示した信号強度分布データから不要ピークを除去した後の信号強度分布データの一例を示す図である。図10の横軸は方位mであり、縦軸は信号強度を示すレベルである。図10を図9と比較すると、不要なピークが除去されていることがわかる。
本実施の形態1の信号追尾装置1は、広帯域分析処理により生成される信号強度分布データに対して、方位毎にアレイ相対方位の半減半角ビーム幅に基づくフィルタ長のフィルタ係数を用いて、不要ピークを除去する不要ピーク除去手段22を有する。
本実施の形態1によれば、広帯域分析処理により生成された信号強度分布データに対して、不要ピーク除去手段22が方位方向のローパスフィルタを実行することにより、方位全体における散在する雑音となるピーク点が除去される。入力された信号強度分布データ中に散在している不要なピーク点が除去され、本来の信号成分のピーク点のみを残すことができる。その結果、雑音によるピークの誤検出が抑制され、誤警報の回数を抑制することができる。
また、本実施の形態1によれば、適応型広帯域分析処理により生成された信号強度分布データが入力される場合でも、方位全体における散在する雑音となるピーク点を除去することができる。そのため、誤警報の発生が抑制されるだけでなく、従来の広帯域分析処理によるデータが入力される場合と比べて、異なる音源から発せられる信号同士の分離能力が向上した状態で広帯域信号成分をラインとして検出および追尾することができる。
1 信号追尾装置
11 制御部
12 表示部
13 制御部
21 データ入力手段
22 不要ピーク除去手段
23 ピーク検出手段
24 方位追尾手段
25 検出判定手段
26 表示制御手段
51 CPU
52 メモリ
100 信号追尾装置

Claims (4)

  1. センサアレイに到来する信号に対して一定の周期で整相処理および広帯域分析処理を行うことで得られる、方位空間上の信号強度を示す信号強度分布データを用いた信号追尾装置であって、
    前記信号強度分布データに対して、方位毎に前記センサアレイの基準方位からの相対方位の半減半角ビーム幅に基づくフィルタ長のフィルタ係数を用いて、前記信号強度分布データから不要ピークを除去する不要ピーク除去手段と、
    前記不要ピーク除去後の信号強度分布データを用いて、隣接する方位の信号強度を相対的に比較してピークを検出するピーク検出手段と、
    前回の周期までに検出された前記ピークの時間的なつながりであるラインと前記ピーク検出手段によって検出されたピークとが方位方向の予測範囲に収まる場合に前記検出されたピークを前記ラインに統合し、前記検出されたピークのうち、いずれのラインにも統合されないピークを新規のラインに設定する方位追尾手段と、
    前記ラインが時間的に連ねたピークのレベルを時間方向に平滑化した値が決められた検出閾値以上である場合に前記ラインを信号成分と判定する検出判定手段と、
    を有する信号追尾装置。
  2. 前記不要ピーク除去手段は、
    前記方位をmとし、時間tにおける前記信号強度分布データをX(m)とし、前記信号強度分布データの長さをMとし、前記方位mにおける前記半減半角ビーム幅をDrelative(m)とし、調整係数をCとし、前記フィルタ長を(2×s(m)+1)とし、s(m)=四捨五入(Drelative(m)×C÷360×M)とし、前記フィルタ係数をC_filterとするとき、次式
    Figure 0007124664000002
    に基づいて、前記不要ピーク除去後の信号強度分布データであるXfilter(m)を生成する、請求項1に記載の信号追尾装置。
  3. センサアレイに到来する信号に対して一定の周期で整相処理および広帯域分析処理を行うことで得られる、方位空間上の信号強度を示す信号強度分布データを用いた信号追尾方法であって、
    前記信号強度分布データに対して、方位毎に前記センサアレイの基準方位からの相対方位の半減半角ビーム幅に基づくフィルタ長のフィルタ係数を用いて、前記信号強度分布データから不要ピークを除去し、
    前記不要ピーク除去後の信号強度分布データを用いて、隣接する方位の信号強度を相対的に比較してピークを検出し、
    前回の周期までに検出された前記ピークの時間的なつながりであるラインと検出されたピークとが方位方向の予測範囲に収まる場合に前記検出されたピークを前記ラインに統合し、前記検出されたピークのうち、いずれのラインにも統合されないピークを新規のラインに設定し、
    前記ラインが時間的に連ねたピークのレベルを時間方向に平滑化した値が決められた検出閾値以上である場合に前記ラインを信号成分と判定する、
    信号追尾方法。
  4. 前記信号強度分布データから前記不要ピークを除去する際、
    前記方位をmとし、時間tにおける前記信号強度分布データをX(m)とし、前記信号強度分布データの長さをMとし、前記方位mにおける前記半減半角ビーム幅をDrelative(m)とし、調整係数をCとし、前記フィルタ長を(2×s(m)+1)とし、s(m)=四捨五入(Drelative(m)×C÷360×M)とし、前記フィルタ係数をC_filterとするとき、次式
    Figure 0007124664000003
    に基づいて、前記不要ピーク除去後の信号強度分布データであるXfilter(m)を生成する、請求項3に記載の信号追尾方法。
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