JP7123702B2 - X線検査装置 - Google Patents

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本発明は、搬送される被検査物にX線を照射し、被検査物を通過したX線の透過量に基づいて被検査物の検査を行うX線検査装置に係り、特に装置の内部から外部に漏れるX線の量(漏洩X線量)が少ないX線検査装置に関する。
X線検査装置は、例えば、生肉、魚、加工食品、医薬品などを被検査物としており、被検査物にX線を照射したときに被検査物を通過するX線の透過量に基づいて異物混入の有無、シール部不良の有無、欠品の有無などの各種検査を行う装置として従来から知られている。
この種のX線検査装置には、X線照射部から照射されるX線を絞り込むために、スリットが設けられたコリメータと呼ばれる装置が取り付けられている。X線照射部から照射されたX線は、コリメータのスリットに絞り込まれるため、X線ラインセンサに対する照射領域が制限され、X線ラインセンサ以外の領域への拡散を抑止する。
尚、X線管、コリメータ、X線検出器を備えた装置としては、例えば下記特許文献1に開示される装置が知られている。
特開平4-329935号公報
ところで、X線検査装置に用いられるX線照射部は、筐体の内部にX線源としてX線管を有している。このX線管では、その内部にある陽極ターゲットに加速された電子を衝突させてX線を発生させている。陽極ターゲットにおいて、電子が衝突してX線が発生する箇所を焦点と呼ぶが、その焦点の位置はX線照射部の外側から目視することはできない。またX線照射部の筐体に対するX線管の取り付け位置には一定の誤差がある。従って、X線照射部から出たX線がスリットを通過してX線ラインセンサに到達できるようにX線照射部とコリメータの配置を精密に決定することは容易なことではない。このような事情があるため、従来のX線検査装置では、X線の焦点の位置に一定の誤差があることを前提とし、X線がスリットを通過してX線ラインセンサに到達できるような配置関係で組み立てるために、X線を絞り込むコリメータのスリットは幅に余裕を持たせた大きめの寸法設定となっていた。
ところが、このようにコリメータのスリットを広めの寸法とした場合には、相対的に幅の狭いスリットに比べれば、スリットを通過したX線はX線ラインセンサの受光部分以外のより広い領域に拡散するため、漏洩X線量が増大する可能性がある。これを防止するには、X線検査装置の全体の機長をより長くし、被検査物の搬入側と搬出側により多くの遮蔽カーテンを設けて漏洩X線量の低減を図る必要がある。しかし、このような構成ではX線検査装置が大型化してしまい、機長の延長及び遮蔽カーテン数の増加に伴って製造コスト増大の問題が生じるとともに、設置スペースの増大及び被検査物がカーテンに引っ掛かる搬送リスクといった問題も生じる。
上述のような漏洩X線量の増大に起因する問題を回避するためには、コリメータのスリットを狭くすればよいが、その場合には、前述した通り、X線照射部におけるX線の焦点の位置の誤差のため、必ずしもX線がスリットを通過してX線ラインセンサに到達できるような配置関係で装置各部の組み立てができるとは限らない。
本発明は以上説明した従来の技術における上記課題に鑑みてなされたものであり、コリメータのスリットの開口幅をなるべく狭くすることにより、X線検査装置からのX線漏洩量を低減させるとともに、コリメータのスリットの開口幅が狭くてもX線照射部からのX線がスリットを通過して適正な状態でX線ラインセンサに到達できるようなX線検査装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載されたX線検査装置1は、
搬送される被検査物WにX線を照射し、被検査物Wを透過するX線の透過量に基づいて被検査物Wを検査するX線検査装置1であって、
X線を発生するX線照射部7と、
X線を検出する複数の検出素子が所定方向Zに並設されてなるX線ラインセンサ15と、
前記X線ラインセンサ15に対するX線の照射範囲を制限するスリット8aを備えたコリメータ8と、
並設された前記検出素子を含む平面と平行な平面内において、前記所定方向Zと直交する方向Xに沿って前記X線照射部7を移動させる第1の移動手段9と、
前記コリメータ8の前記スリット8aの中心を通過する中心線Cを回転軸として前記コリメータ8を回転方向Bに移動させる第2の移動手段11と、
前記第1の移動手段9を制御して前記X線照射部7を複数の位置に移動させ、各位置に
おいて得られた前記X線ラインセンサ15が検出するX線の検出量を演算して決定した位置に前記X線照射部7を移動させ、次に前記第2の移動手段11を制御して前記コリメータ8を複数の位置に移動させ、各位置において得られた前記X線ラインセンサ15が検出するX線の検出量を演算して決定した位置に前記コリメータ8を移動させる制御部5と、
を有することを特徴としている。
請求項2に記載されたX線検査装置1は、請求項1記載のX線検査装置1において、
前記制御部5が、
前記X線照射部7から照射されるX線の中心線が、前記コリメータ8の前記スリット8aを通過して前記X線ラインセンサ15に到達するように前記第1の移動手段9を制御し、
前記コリメータ8の前記スリット8aの長手方向と、前記X線ラインセンサ15において前記検出素子が並設された前記所定方向Zとが平行となるように前記第2の移動手段11を制御することを特徴としている。
請求項1に記載されたX線検査装置によれば、X線照射部が発生したX線は、コリメータのスリットを通過して照射範囲が絞り込まれるためX線ラインセンサに対するX線の照射範囲が制限され、コリメータのスリットの幅がより大きいためにX線ラインセンサの受光部分以外のより広い領域にX線が拡散する場合に比べて漏洩X線量を抑えることができる。コリメータを通過したX線は、搬送される被検査物を透過してX線ラインセンサに到達する。制御部は、X線ラインセンサによるX線の検出量に基づいて被検査物の検査を行うことができる。
このX線検査装置によれば、漏洩X線量を最小化するとともに、被検査物を適正に検査できるようにX線を適切な状態でX線ラインセンサに到達させるため、X線照射部とコリメータとX線ラインセンサの位置関係を適正に調整することができる。すなわち、X線ラインセンサにおいて検出素子が並設されている所定方向と直交する方向に沿って、第1の移動手段でX線照射部を移動させることができる。また、第2の移動手段でコリメータを回転方向に移動させることができる。制御部は、X線ラインセンサが検出するX線の検出量に基づいて第1の移動手段と第2の移動手段の上述した動作を制御することにより、X線照射部とコリメータとX線ラインセンサの位置関係を適正に調整して、漏洩X線量を最小化するとともに、X線を適切な状態でX線ラインセンサに到達させるように調整することができる。
請求項2に記載されたX線検査装置によれば、まず、制御部が第1の移動手段を制御することにより、X線照射部から照射されるX線の中心線がコリメータのスリットの中央部を通過して、並設された検出素子の中央部に到達するようにX線照射部の位置の調整を行い、複数の検出素子が検出するX線の検出量の平均値が最も高くなるようにすることができる。次に、制御部が第2の移動手段を制御することにより、コリメータのスリットの長手方向と、X線ラインセンサにおいて検出素子が並設された所定方向とが平行となるようにコリメータの位置の調整を行い、コリメータの複数の検出素子が検出するX線の検出量が所定の閾値よりも高くなるようにすることができる。
本発明の実施形態に係るX線検査装置の概略構成を示す図である。 X線照射部、コリメータ及びラインセンサの配置関係と、ラインセンサに対するX線照射部及びコリメータの位置調整動作を示す概略斜視図である。 ラインセンサに対するX線照射部の位置調整において、制御部の演算により得られたラインセンサの各検出素子におけるX線検出量の平均値と、X線照射部の位置との関係を示すデータをグラフで表した図である。 ラインセンサに対するX線照射部の位置調整において、制御部の演算によりコリメータの位置ごとに得られたラインセンサの各検出素子の位置と、X線の検出量との関係を示すデータをグラフで表した図である。
以下、本発明の実施形態について図1~図4を参照して説明する。
本発明の実施形態に係るX線検査装置1は、例えば、被検査物となる物品の製造ライン等の一部に組み込まれる検査装置であって、ラインを構成する搬送装置の上流側から順次搬送されてくる被検査物(物品)を受け入れ、これに対してX線を照射し、当該被検査物を透過したX線の透過量(透過X線量)、すなわちX線のセンサが検出したX線の検出量に基づいて異物混入の有無、シール部不良の有無、欠品の有無などの各種検査を行い、下流側に搬出する基本機能を有する装置である。また、このX線検査装置1は、外部への漏洩X線量を最小化するとともに、後述するようにX線照射部7とコリメータ8の配置を適正に調整して、X線を適切な状態でX線ラインセンサ15に到達させる調整機能も備えている。
まず、図1を参照して、X線検査装置1の基本機能に係る部分の構成及び作用について説明する。図1に示すように、本実施の形態のX線検査装置1は、被検査物Wを搬送する搬送部2と、搬送部2の上方に設けられた第1ユニット3と、搬送部2の内部に設けられた第2ユニット4と、制御部5を備えている。
搬送部2は、被検査物Wを搬送する手段であり、例えば装置本体において水平に配置されたベルトコンベアで構成される。搬送部2としてのベルトコンベアは、X線を透過しやすい材料(原子量の大きい元素以外の元素)からなる搬送ベルト2aを備えており、搬入口から搬入された被検査物Wを、搬出口側に向けて図1に示す方向X(搬送方向)に沿って搬送する。
第1ユニット3は、搬送部2の高さ方向(Y方向)の上部側に所定距離だけ離れて設けられたX線照射側のユニットである。第1ユニット3はX線遮蔽構造の筐体6を備えており、この筐体6内にはX線照射部7と、コリメータ8が設けられている。なお、X線照射部7には、これを移動させるための移動手段である第1アクチュエータ9が設けられ、コリメータ8には、これを移動させるための移動手段である第2アクチュエータ11が設けられているが、これら両アクチュエータ9,11の詳細については、X線検査装置1の調整機能に関する後の説明で詳述する。
第1ユニット3の筐体6の底面には、X線照射部7からのX線を後述するX線ラインセンサ15に向けて照射するための照射開口窓6aが形成されている。この照射開口窓6aは、搬送方向Xを含む水平な平面内において、搬送方向Xと直交する方向(図1に示す方向Z)に形成された例えば矩形状の孔である。また、のれん状の遮蔽カーテン10が、必要に応じて第1ユニット3の筐体6の下面の搬入口側と搬出口側に設けられており、外部へのX線の漏洩を防止している。
X線照射部7は、搬入口から搬出口に向かって搬送方向Xに搬送路上を搬送される被検査物WにX線を照射する手段であり、電圧を印可して加速した電子をターゲットに射突させてX線を発生させる。
X線照射部7は、絶縁油が満たされた略直方体形状の金属製の筐体7aと、筐体7aの内部に設けられて絶縁油に浸漬された円筒状のX線管7bとを有する。X線管7bは、搬送方向Xを含む水平な平面内において、その長手方向が被検査物Wの搬送方向X(又は搬送方向Xと直交する方向Z)と平行となるように設けられている。X線管7bは、陰極7cと、支持体7dと、支持体7dに支持されて陰極7cと所定距離をおいて対向するように配置された陽極ターゲット7eとを有しており、陰極7cからの電子ビームを陽極ターゲット7eに射突させてX線を発生させる。X線発生位置である陽極ターゲット7eで生成したX線は、出射窓7fから出射し、後述するコリメータ8を経て、後述するX線ラインセンサ15に向けてスクリーン状に照射される。尚、この出射窓7fは、搬送方向Xを含む水平な平面内において、搬送方向Xと直交する方向Zに平行に形成された例えば矩形状の孔である。
コリメータ8は、X線照射部7の下方に設けられ、後述するX線ラインセンサ15に対するX線の照射領域、言い換えれば、X線管7bからX線ラインセンサ15に向けて照射されるX線の進路を制限するための手段として、例えば矩形状の照射スリット8aを有している。コリメータ8は、照射スリット8aの長手方向が搬送方向Xと直交する方向Zに平行な方向に一致する状態を基本位置としている。
第2ユニット4は、第1ユニット3と高さ方向(Y方向)に所定距離離れて対向するように、搬送部2の上側の搬送ベルト2aと下側の搬送ベルト2aの間に設けられたX線検出側のユニットである。第2ユニット4は筐体4aを備えており、この筐体4aの中にはX線ラインセンサ15が設けられている。
X線ラインセンサ15は、被検査物Wの搬送方向Xを含む水平な平面内において、搬送方向Xと直交する所定方向(Z方向)に沿って複数の検出素子が一直線上に並設されたセンサである。その構造を詳説すると、X線ラインセンサ15は、所定方向に沿ってライン状に並設された複数のフォトダイオードと、これらフォトダイオード上に設けられたシンチレータとを備えたアレイ状の検出素子を有している。X線ラインセンサ15は、複数の検出素子(フォトダイオードとシンチレータのアレイ)によって被検査物Wおよび搬送ベルト2aを透過するX線を検出し、複数の素子数を1ラインとして素子毎に検出データ(X線の検出量)を順次出力し、被検査物Wの搬送に伴い順次出力を繰り返す。このX線ラインセンサ15の出力は、被検査物Wの異物混入の有無、シール部不良の有無、欠品の有無などの各種検査を行う際に用いられる。
このX線検査装置1によれば、搬送部2で搬送される被検査物Wは、上流側及び下流側の遮蔽カーテン10と、上側の搬送ベルト2aと、第1ユニット3の筐体6の下面と図示しないその他の遮蔽壁等によって区画された検査空間内において上方からX線を照射される。ここで、X線照射部7が発生したX線は、コリメータ8の照射スリット8aを通過することにより、X線ラインセンサ15に対するX線の照射範囲が制限される。コリメータ8を通過したX線は、搬送される被検査物W及び上側の搬送ベルト2aを透過してX線ラインセンサ15に到達する。図1に示す制御部5は、X線照射部7の駆動と、X線ラインセンサ15からの検出信号の受信を行い、X線ラインセンサ15が検出したX線の検出量に基づいて被検査物Wの検査を行う。なお、図1では、制御部5Wの当該検査機能に対応する制御線の図示を省略している。なお図1に示した制御部5の制御線は、X線検査装置1の調整機能に係わるものであり、以下の説明において言及する。
次に、図1及び図2を参照して、X線検査装置1の調整機能に係る部分の構成について説明する。
この調整機能に係る部分は、位置を固定されたX線ラインセンサ15に対するX線照射部7とコリメータ8の位置を適正に調整するための機構であり、X線を適切な状態でX線ラインセンサ15に到達させるための手段である。なお前述したように、X線ラインセンサ15は、複数の検出素子が所定方向(Z方向)に並設されるような位置又は姿勢で第2ユニット4の筐体4aに固定されている。
X線照射部7には、これを移動させるための第1の移動手段である第1アクチュエータ9が設けられている。X線照射部7は、この第1アクチュエータ9を制御部5が駆動することにより、図2に示すように移動することができる。なお、ここで移動とは、位置又は姿勢を変更することを意味する。また、図1において第1アクチュエータ9は模式的に示してある。より具体的には、図2中に矢印Aで示すように、制御部5に制御された第1アクチュエータ9は、X線照射部7を、X線照射部7の並設された検出素子の列を含む平面と平行な平面内において、前記所定方向(Z方向)と直交する方向(X方向)に沿って直線的に往復移動させ、X線照射部7を必要な位置に位置決めできる。
第1アクチュエータ9の構成及び第1アクチュエータ9によってX線照射部7が移動(直動)するための機構については、特に限定はなく公知のあらゆる駆動手段及び機構が適用できる。例えば、X線照射部7をX方向に沿って配置した案内レールによって往復して移動可能とし、ソレノイド、モータ(パルスモータ、ステッピングモータなど)、流体圧シリンダ等の駆動源によってX線照射部7をX方向に沿って移動させ、X方向の任意の位置に位置決めできるようにしてもよい。
コリメータ8には、これを移動させるための第2の移動手段である第2アクチュエータ11が設けられている。コリメータ8は、第2アクチュエータ11を制御部5が駆動することにより、図2に示すように移動することができる。なお、ここで移動とは、位置又は姿勢を変更することを意味する。また、図1において第2アクチュエータ11は模式的に示してある。より具体的には、図2中に矢印Bで示すように、第2アクチュエータ11は、コリメータ8を、照射スリット8aの中心線Cを回転軸として、回転方向に移動させ、コリメータ8を回転方向の必要な位置に位置決めできる。
第2アクチュエータ11の構成及び第2アクチュエータ11によってコリメータ8が移動(回動)するための機構については、特に限定はなく公知のあらゆる駆動手段及び機構が適用できる。例えば、照射スリット8aの長手方向の中央を通過するY方向に平行な軸を回転軸としてコリメータ8をXZ平面内で回動可能とし、ソレノイド、モータ(パルスモータ、ステッピングモータなど)、流体圧シリンダ等の駆動源によってコリメータ8を中心線Cを回転中心としてXZ平面内で回動させ、回転方向の任意の位置に位置決めできるようにしてもよい。このような動作を可能とするより具体的な機構の一例を説明する。図2において、矩形状のコリメータ8の両端であって、照射スリット8aが形成されていない2カ所の部分に溝をそれぞれ形成する。2つの溝は、中心線Cが照射スリット8aを通過する点を中心点とした円弧状の溝である。また、コリメータ8が支持される本装置のフレームに、各溝に係合する2個の突起部材を固設する。そして、第2アクチュエータ11を、その作動力がコリメータ8に回転力を与えるように設置する。このような構成であれば、第2アクチュエータ11を作動させることにより、コリメータ8は2対の溝及び突起部材に案内されて前記中心点の廻りを回転方向に移動することができる。
以上説明したように、位置を固定されたX線ラインセンサ15に対してX線照射部7とコリメータ8の位置を調整する機構を設けた理由は次の通りである。すなわち、X線ラインセンサ15とコリメータ8は、X線検査装置1内において比較的困難なくアクセスできる位置に設けられているため、作業者はこれらの構成部品については、目視により相当程度の精度で装置のフレームに組み付けることができる。しかしながら、X線ラインセンサ15及びコリメータ8に対してX線照射部7が正しい位置に取り付けられているか否かは、目視だけでは判断できず、実際にX線を照射してX線ラインセンサ15の検知状態を見る必要がある。これは、「発明が解決しようとする課題」の項でも説明したように、X線照射部7におけるX線管7bの筐体7aの取り付け位置に誤差があり、またX線管7bの筐体7a内における陽極ターゲット7eの位置にも誤差があり、X線管7b及び陽極ターゲット7eの位置は何れも外側からは目視できないからである。
そこで、本実施形態では、先に説明したようにX線照射部7とコリメータ8の位置を調整自在とし、以下に説明するように実際にX線照射部7からX線を照射し、X線ラインセンサ15によるX線の検知状態に基づいて、X線照射部7とコリメータ8の最適の位置を制御部5が判断するものとした。
次に、図1~図4を参照して、X線検査装置1の調整機能に係る部分の作用について説明する。まず、X線ラインセンサ15に対するX線照射部7の位置調整を行う。
制御部5は第1アクチュエータ9(図1参照)を作動させ、X線照射部7がX方向に移動できる範囲の一方の端部から他方の端部に向けてX線照射部7を移動させる。また、X線照射部7の移動に伴い、X線照射部7を駆動し、X線を照射させる。制御部5は、X線ラインセンサ15が出力する検知信号(X線の検出量に対応した信号)を受信し、得られたデータを次のような手順で演算し、X方向におけるX線照射部7の最適な位置を判断する。
図3は、制御部5の演算により得られたデータをグラフで表したものである。このグラフは、ラインセンサの各検出素子が検出したX線検出量の平均値と、X線照射部7の位置との関係を示している。制御部5は、図3に示すデータが取得された後、このデータに基づき、X線検出量の平均値(縦軸)が最も高い中央の特定位置を調整されたX線照射部7の位置として決定し、第1アクチュエータ9を作動させてX線照射部7を当該位置に位置決めする。これにより、X線照射部7から照射されるX線の中心線がコリメータ8の照射スリット8aの中心を通過して検出素子の中央部に到達する。このとき、X線の照射の中心線と、照射スリット8aの中心線Cとは略一致している。なお、ここで照射スリット8aの中心線Cとは、X線照射部7の焦点と、コリメータ8の照射スリット8aの長手方向の中心とを結ぶ線を意味する。または、コリメータ8の照射スリット8aの長手方向の中心を通過し、照射スリット8aが開口したコリメータ8の上面に垂直な線を意味する。このようにX線照射部7を位置決めすれば、複数の検出素子が検出するX線の検出量の平均値を最も高くすることができる。
次に、X線ラインセンサ15に対するコリメータ8の位置調整を行う。
制御部5は第2アクチュエータ11(図1参照)を作動させ、コリメータ8をB方向(図2参照)に回転させ、照射スリット8aがZ方向と略平行と考えられる位置の前後の複数位置でそれぞれ停止し、各位置でX線照射部7を駆動し、X線を照射させる。制御部5は、X線ラインセンサ15が出力する検知信号をコリメータ8の位置ごとに受信し、得られたデータを次のような手順で演算し、回転方向Bにおけるコリメータ8の最適な位置を判断する。
図4は、制御部5の演算により得られたデータをグラフで表したものである。このグラフは、コリメータ8の位置ごとに得られたX線ラインセンサ15の各検出素子によるX線の検出量を示すデータを、X線ラインセンサ15の各検出素子の位置を縦軸とし、X線ラインセンサ15の各検出素子によるX線検出量を横軸として示したものである。すなわち、図4のグラフ中の複数の曲線(図4では3本が例示されている)は、回転方向Bの位置が異なるコリメータ8によって得られた複数のデータに相当する。また、横軸には、X線ラインセンサ15の各検出素子によるX線の検出量として好ましいと判断できる閾値が設定されている。
制御部5は、図4に示すデータにおいて、各検出素子によるX線の検出量(横軸)が何れも閾値を越えているデータ(図4に示す曲線中では実線で表したもの)を選択する。そして、当該データに係るコリメータ8の回転方向Bの位置を調整後の位置として決定し、さらに第2アクチュエータ11を作動させてコリメータ8を当該位置に位置決めする。これにより、コリメータ8の照射スリット8aの長手方向とX線ラインセンサ15の検出素子が並設された所定方向(Z方向)が平行となるように、コリメータ8の位置の調整を行うことができ、X線ラインセンサ15の複数の検出素子によるX線の検出量が所定の閾値よりも高くなるようにすることができる。
以上説明したように、本実施形態のX線検査装置1によれば、制御部5の制御により、X線ラインセンサ15が検出するX線の検出量に基づいて第1アクチュエータ9と第2アクチュエータ11の動作を制御することにより、X線照射部7とコリメータ8とX線ラインセンサ15の位置関係を適正に調整して、X線を適切な状態でX線ラインセンサ15に到達させるように調整することができる。このような調整機構があるため、コリメータ8の照射スリット8aは可能な範囲で狭く設定することができ、当該調整機構を持たないために照射スリットの幅を大きくせざるを得ない場合に比べて漏洩X線量を最小化することができる。
以上説明した実施形態のX線検査装置1は、相対的に上方の位置に配置したX線照射部7から、相対的に下方の位置に配置したX線ラインセンサ15に対し、下向きにX線を照射し、両者の間にある被検査物Wを検査する構造であったが、これは一例にすぎない。例えば、横照射形のX線検査装置1も本発明の対象となる。横照射形のX線検査装置1においては、被検査物Wの搬送方向(図1ではX方向)と直交する搬送ベルトの幅方向(図1ではZ方向)に関する搬送部の一側方にX線照射部を配置し、このX線照射部が、被検査物Wの搬送方向と直交する鉛直面内で側方の被検査物Wに横向き(図1では概ねZ方向)にX線を照射するように構成されている。また、このX線照射部と対向する搬送部の他側方には、検出素子が縦方向(図1ではY方向)に並ぶようにX線ラインセンサが配置される。そして、搬送部で搬送される被検査物Wに対して一側方からX線を照射し、透過X線を他側方で受光して検査を行う。但し、横照射形のX線検査装置1では、搬送部上に載置された被検査物Wの全体にX線を照射すると、被検査物Wの最下部よりも下方の搬送部に対してもX線が照射される。このため、X線ラインセンサの検出素子が検出したデータのうち、搬送部を透過したX線に係る部分は前述した図4に示す閾値を下回ってしまうと考えられる。このため、X線ラインセンサの検出素子のうち、搬送部を透過したX線を検出すると想定される部分にはX線遮蔽カバーを設け、検出信号が出力されないようにするか、またはその部分のデータを前述の演算に使用しないようにする配慮が必要である。
以上、本発明に係るX線検査装置1の最良の形態について説明したが、この形態による記述及び図面により本発明が限定されることはない。すなわち、この形態に基づいて当業者等によりなされる他の形態、実施例及び運用技術などはすべて本発明の範疇に含まれることは勿論である。
1…X線検査装置
2…搬送部
3…第1ユニット
4…第2ユニット
5…制御部
7…X線照射部
8…コリメータ
8a…コリメータの照射スリット
9…第1の移動手段である第1アクチュエータ
11…第2の移動手段である第2アクチュエータ
15…X線ラインセンサ
W…被検査物

Claims (2)

  1. 搬送される被検査物(W)にX線を照射し、被検査物を透過するX線の透過量に基づいて被検査物を検査するX線検査装置(1)であって、
    X線を発生するX線照射部(7)と、
    X線を検出する複数の検出素子が所定方向(Z)に並設されてなるX線ラインセンサ(15)と、
    前記X線ラインセンサに対するX線の照射範囲を制限するスリット(8a)を備えたコリメータ(8)と、
    並設された前記検出素子を含む平面と平行な平面内において、前記所定方向と直交する方向(X)に沿って前記X線照射部を移動させる第1の移動手段(9)と、
    前記コリメータの前記スリットの中心を通過する中心線(C)を回転軸として前記コリメータを回転方向(B)に移動させる第2の移動手段(11)と、
    前記第1の移動手段を制御して前記X線照射部を複数の位置に移動させ、各位置におい
    て得られた前記X線ラインセンサが検出するX線の検出量を演算して決定した位置に前記X線照射部を移動させ、次に前記第2の移動手段を制御して前記コリメータを複数の位置に移動させ、各位置において得られた前記X線ラインセンサが検出するX線の検出量を演算して決定した位置に前記コリメータを移動させる制御部(5)と、
    を有することを特徴とするX線検査装置(1)。
  2. 前記制御部(5)は、
    前記X線照射部(7)から照射されるX線の中心線が、前記コリメータ(8)の前記スリット(8a)を通過して前記X線ラインセンサ(15)に到達するように前記第1の移動手段(9)を制御し、
    前記コリメータの前記スリットの長手方向と、前記X線ラインセンサにおいて前記検出素子が並設された前記所定方向(Z)とが平行となるように前記第2の移動手段(11)を制御することを特徴とする請求項1記載のX線検査装置(1)。
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