JP2013092498A - 放射線検査装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】放射状の照射角を持つ放射線源と測定用センサを有する放射線検査装置において、前記放射線源と前記測定用センサの間で且つ、前記測定用センサに向かう放射線を妨げない位置に反射・散乱部材を配置すると共に、該反射・散乱部材で反射された放射線を入射するモニタ用センサを配置した。
【選択図】図1
Description
図において、X線源30に対し測定用センサ(X線ラインセンサ)31が正対して設置してあり、試料32はX線源から離れた位置で且つ、測定用センサ31の上部近傍に置かれる。この試料をX線に対してほぼ直角方向(図では水平)に移動して測定用センサ31で検出すれば試料の測定(検査)が可能である。図7では線源30の直後にコリメータ34を設けている。このコリメータには一つの透過窓若しくは測定用放射線出射窓とモニタ用放射線出射窓の2つの透過部が形成されている。
1.X線源の放射分布に対して、放射分布変化の検出が可能で、素子毎に測定用センサとモニタ用センサの差異を試料のX線吸収量として計算することがリアルタイムに可能である。
2.測定感度が向上する。
3.温度、湿度、気圧変化に対してもその影響を排除することができ、安定した検出結
果が期待できる。
放射状の照射角を持つ放射線源と測定用センサを有する放射線検査装置において、前記放射線源と前記測定用センサの間で且つ、前記測定用センサに向かう放射線を妨げない位置に反射・散乱部材を配置すると共に、該反射・散乱部材で反射された放射線を入射するモニタ用センサを配置したことを特徴とする。
前記反射・散乱部材およびモニタ用センサは放射線源とコリメータの間に配置したことを特徴とする。
前記反射・散乱部材は、金属板、樹脂又は金属と樹脂の積層板を含むことを特徴とする。
前記反射・散乱部材は試料透過後の信号強度と同程度の反射信号強度となる様な原子番号から選択した材質であることを特徴とする。
前記測定用センサ及びモニタ用センサは、半導体式検出器、若しくはシンチレータを具備した検出器であることを特徴とする。
前記モニタ用センサの時系列的な出力変動を計算し、その計算結果を用いて測定用センサ出力を補正したことを特徴とする。
前記モニタ用センサの出力を用いて前記放射線源の出力を制御することを特徴とする。
前記モニタ用センサの出力を用いて、前記放射線源から試料を透過した後の減衰量を検出して試料の厚さの測定を行なう際の測定精度を高めたことを特徴とする。
請求項1によれば、モニタ用センサに入射する放射線源からの放射線強度を抑えて長寿命化をはかることができる。
試料と線源の距離が離れている測定系に於いて、線源近くにモニタ用センサを置くことは、線源強度が大きいためにモニタ用センサへのダメージの心配があるが、反射・散乱部材を用いることで、モニタ用センサの寿命向上に効果がある。特に蛍光体にダメージを受けやすいシンチレータ式の検出器と組み合わせる場合においては、効果的である。
また、用いるエネルギー帯においては、反射面の反射方向から見て積層板の境界面手前側に原子番号の小さな材料を積層することで反射強度が大きくなる現象があるが、金属と樹脂の積層板を用いればこのような効果を得やすくなる。
その結果、コストダウンのみならず、検出器の素子特性や電気回路特性を含めた補正を行なう際に有利である。
放射線源の安定化を図ることができる。
反射・散乱部材が充分な厚さを持つとき、実際の反射強度は反射・散乱部材の原子番号に比例する。また、放射線源の管電圧によっては大きな原子番号と小さな原子番号の反射・散乱部材を重ねると小さな原子番号側の境界面での反射が大きくなる場合がある。こうした現象を用いれば、例えば、線源直近に反射・散乱部材を置く場合には、コリメータを原子番号の大きな材料として、手前側にコリメータに比べて原子番号の小さな反射・散乱部材を用いることにより反射・散乱部材の厚さと原子番号の二つの要素を用いて、反射信号強度の調整を行ないやすくできる。
この実施例では反射・散乱部材40がコリメータ34上に載置され、この反射・散乱部材で反射した放射線がモニタ用センサ33に入射するように配置されている。30aは放射線源30とコリメータ34を収納して構成された放射線源筐体である。
コリメータ34には、通常遮蔽能力の高い材料(SUS、真鍮、鉄、タングステン、鉛等)が用いられ、多くは高原子番号の材料であり、放射線が漏洩しない様、充分な材料厚みを持たせる設計となっている。
厚さ測定に用いる場合に典型的なエネルギーバンド(5〜50keV程度)で、逆に信号強度が高すぎる場合には、原子番号の小さな金属を反射・散乱部材として用いる。材料加工やコストの点からはアルミ材料が用い易く、その他マグネシウム合金、シリカを含む硝子系材料等も候補となる。
図4(a)は視射角と反射率の関係を示すグラフである。グラフに示すように、非常に小さな視射角(図では4mrad以下)においてX線は急激に反射成分が大きくなる。通常、この臨界角以下の状態を反射と呼んでいる。
出展:
X線反射率ってなに?
物質・材料研究機構 材料研究所
高輝度光解析グループ ディレクター
(筑波大学大学院 数理物質科学研究科 物質・材料工学専攻 教授)
桜井健次
http://www.nims.go.jp/xray/xr/whats0.htm
厚い物質からの光子の後方散乱は、およそ50−80keV付近のエネルギー領域で最大値を持ち、これより低エネルギーの光子では前方散乱と後方散乱がほぼ同程度起きる。
これに対して、危険物確認等に用いる非破壊検査用途では、100−300keV(大日方さんここの単位はokですか?原本ではkeとなっています)程度といった高い管電圧を用いた硬X線が用いられる。このエネルギー領域では、表面から深い部分での散乱が多くなり、後方散乱を起す確立が非常に小さくなる。
本発明では、比較的薄い材料の厚さ測定について説明する。先に述べた通り、ここでの使用エネルギー帯は、5−30kVの管電圧に対応する低エネルギー成分が主であり、レイリー散乱(入射エネルギーと電子の振動周波数が同じになり、見かけ上は入射エネルギーと同じエネルギーの散乱を生じる。)が多い領域である。
図4(b)は原子番号と散乱線による信号強度の検出の関係を示すもので、エネルギー帯と対象試料や配置等により、図に示すような曲線や直線となる。
出展:分かり易い放射線物理学 多田順一郎著 P126参照
図に示すように、十分な厚さの試料では散乱成分はある一定の値に近付く。図3(b)に示すような原子番号による信号強度はこの飽和域における変化に基づいている。
放射線として軟X線を含むX線やベータ線を用いる場合、空気による吸収が大きく遠距
離からのX線、ベータ線照射は十分な線量が得られず放射線による検査が困難である。そ
こで、放射線の遮蔽構造を兼ねたヘリウム充填チャンバを線源と試料の間に介在させるこ
とで、放射線の空気吸収を抑え遠方からの照射が可能である。
このように設置することで、空気吸収量の影響を除去することが出来、温度、湿度、気圧、空気清浄度の影響をキャンセルすることが可能になる。
図6(a)において、
Step1:試料測定用センサで試料を透過した際の線源からの信号を測定する。この信号は後述する試料測定用センサで空気層を測定する際に使用するために記憶される。
Step2:試料用検量線を用い、
Step3:厚さ(坪量)を求める。
Step1’:反射・散乱部材を用いて線源モニタ用センサで測定した信号を測定する。
Step2’:線源モニタ用の検量線を用い、
Step3’:線源変動による坪量変動相当値を校正用データとして算出する。
Step4’:図4(a)のStep3で得られた校正用データから校正用厚さ(坪量)補正値を求める。
ステップ4:Step3で得た坪量から図4(b)のステップ4により求めた校正用データを減算する。
ステップ5:線源変動による坪量変動を補正する。
ステップ6:補正された坪量を測定値として出力する。
以上のステップにより厚さ測定の補償を行なうことができる。
ステップ1’’:試料用センサを用いて、空気層における測定信号を得る。同じく線源モニタ用センサからの測定信号を得る。
ステップ2’’:夫々のセンサから得た信号を検量線に当てる。
ステップ3’’:空気層を坪量化する計算を行う。
ステップ4’’:図6(b)のステップ4’の校正用坪量補正値から校正用坪量を減算する。
ステップ5’’:過去の履歴と比較して、センサ窓面や線源の窓面等に付着したダストに代表される汚れ成分の坪量値を得る。
通常は遮蔽され、校正時のみに測定できる構造の線源モニタを用いれば線源モニタの劣化が防げるため、過去の履歴と比較して線源の劣化診断が可能となる。例えばダストを綺麗に拭い去った後に夫々から得た信号強度若しくは坪量変換値を過去の履歴と比較すれば、測定用センサの劣化診断に用いることができる。また、必ずしも過去の履歴との照らし合わせを行なわない場合でも、適切な閾値を設けて、これと信号値を比較すれば、センサの劣化算出が可能となり、これをもとに故障あるいはプロセス上の不都合等に対して警報出力を行うようにしても良い。
従って本発明は、上記実施例に限定されることなく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、変形を含むものである。
30a 放射線源筐体
31 測定用センサ(X線ラインセンサ)
32 試料
33 モニタ用センサ(X線ラインセンサ)
34 コリメータ
35 Heチャンバ
35a チャンバ窓材
40 反射・散乱部材
Claims (8)
- 放射状の照射角を持つ放射線源と測定用センサを有する放射線検査装置において、前記放射線源と前記測定用センサの間で且つ、前記測定用センサに向かう放射線を妨げない位置に反射・散乱部材を配置すると共に、該反射・散乱部材で反射された放射線を入射するモニタ用センサを配置したことを特徴とする放射線検査装置。
- 前記反射・散乱部材およびモニタ用センサは放射線源とコリメータの間に配置したことを特徴とする請求項1記載の放射線検査装置。
- 前記反射・散乱部材は、金属板、樹脂又は金属と樹脂の積層板を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の放射線検査装置。
- 前記反射・散乱部材は試料透過後の信号強度と同程度の反射信号強度となる様な原子番号から選択した材質であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の放射線検査装置。
- 前記測定用センサ及びモニタ用センサは、半導体式センサ、若しくはシンチレータを具備したセンサであることを特徴とする請求項1又は2記載の放射線検査装置。
- 前記モニタ用センサの時系列的な出力変動を計算し、その計算結果を用いて測定用センサ出力を補正したことを特徴とする請求項1又は請求項3乃至5に記載の放射線検査装置。
- 前記モニタ用センサの出力を用いて前記放射線源の出力を制御することを特徴とする請求項1又は2又は5又は6記載の放射線検査装置。
- 前記モニタ用センサの出力を用いて、前記放射線源から試料を透過した後の減衰量を検出して試料の厚さの測定を行なう際の測定精度を高めたことを特徴とする請求項1又は2又は5又は6又は7記載の放射線検査装置。
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