JP7123429B2 - 二環式縮合環系ヌクレオカプシド阻害剤および薬物としてb型肝炎を治療するためのその使用 - Google Patents
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Description
本発明は、医薬の分野に属し、具体的に、B型肝炎を治療するためのアリール縮合環アミド系化合物およびその使用に関する。
B型肝炎ウイルス(HBV)はエンベロープを持つ、部分的二本鎖DNA(dsDNA)である、肝向性ウイルスDNAファミリー(ヘパドナウイルス科(Hepadnaviridae))のウイルスである。そのゲノムは、プレコア/コア遺伝子、ポリメラーゼ遺伝子、UMとS遺伝子(3つのエンベロープタンパク質をコードする)、およびX遺伝子といった4つのオーバーラップする読み枠を含む。感染前では、当該部分的二本鎖DNAゲノムは宿主細胞の細胞核において(弛緩型環状DNA、rcDNA)共有結合閉環状DNA(cccDNA)に転換し、そして当該ウイルスのmRNAが転写される。一旦パッケージングされると、当該プレゲノームRNA(pgRNA)(またコアタンパク質およびPolもコードする)が鋳型として逆転写され、このような逆転写によってヌクレオカプシドにおいて当該部分的dsDNAゲノム(rcDNA)が複製される。
B型肝炎ウイルスの伝染は伝染性の血液または体液への露出によるもので、同時に血清に高力価DNAを有する慢性キャリアの唾液、涙液および尿液からウイルスDNAが検出される。
また、ヘテロアリールジヒドロピリミジン(HAP)は組織培養および動物モデルにおいてHBV阻害剤と同定された。WO 2013/006394(2013年1月10日に公開)およびWO 2013/096744 (2013年6月27日に公開)では、さらに、抗HBV活性のアミノスルホニル-アリールアミドが公開された。しかし、このような直接のHBV抗ウイルス薬はまだ毒性、突然変異原性、低選択性、低治療効果、低生物利用能や合成困難などの問題が存在する。
そのため、本分野では、高力価、低毒性などの利点を有するHBV阻害剤の開発が必要である。
本発明の目的は、高力価で、より低毒性のHBV阻害剤を提供することである。
R1、R2はそれぞれ独立に水素、置換または無置換のC1-C8アルキル基、置換または無置換のC3-C10シクロアルキル基(単環、縮合環または橋架け環の構造を含む)、N、SおよびOからなる群から選ばれるヘテロ原子を1-3個有する置換または無置換の3-10員複素環基(単環、縮合環または橋架け環の構造を含む)、置換または無置換のC6-C10アリール基、N、SおよびOからなる群から選ばれるヘテロ原子を1-3個有する置換また無置換の5-10員ヘテロアリール基からなる群から選ばれるか、
あるいは、R1、R2はこれらに連結した窒素原子と共にNを1個と、N、SおよびOからなる群から選ばれるヘテロ原子を0-3個有する置換または無置換の3-10員複素環基(単環、縮合環または橋架け環の構造を含む)を構成している。
Xは無し、O、NR9、C1-C4ハロアルキレン基(たとえばCF2)またはヒドロキシオキシム(=N-OH)である。ここで、R9は水素、置換または無置換のC1-C8アルキル基、置換または無置換のC3-C8シクロアルキル基である。ここで、用語、前記「置換」とは、ハロゲン、C1-C6アルキル基、C1-C6ハロアルキル基、-CN、水酸基、アミノ基、カルボキシ基からなる群から選ばれる1個または複数(たとえば2個、3個、4個など)の置換基で置換されることである。
Yはカルボニル基(-(CO)-)またはスルホニル基(-SO2-)、またはスルホンイミド基-SONH-である。
もう一つの好適な例において、前記のXは無しである。
もう一つの好適な例において、前記のC環は置換または無置換のベンゼン環、あるいは置換または無置換の5-7員ヘテロ芳香環である。
もう一つの好適な例において、前記のB環は5員環と5員環の縮合環である。
もう一つの好適な例において、前記のB環は5員環と6員環の縮合環である。
もう一つの好適な例において、前記のB環は6員環と6員環の縮合環である。
もう一つの好適な例において、前記のB環は5員環と7員環の縮合環である。
もう一つの好適な例において、前記のB環は飽和環、部分的不飽和環または芳香環である。
もう一つの好適な例において、前記のR4、R5およびR6はそれぞれ独立にC環における任意の位置にある水素、ハロゲン、-CN、水酸基、アミノ基、カルボキシ基、置換または無置換のC1-C8アルキル基からなる群から選ばれる置換基である。
もう一つの好適な例において、式I化合物における各キラル中心はそれぞれ独立にR型またはS型である。
もう一つの好適な例において、前記の化合物は、下記式A1で表される構造を有する。
W2は、CR10またはNからなる群から選ばれる。
W3は、CR10R11、CR10、NまたはNR12である。
nは0、1または2である。
鎖線は化学結合または無しである。
R12はそれぞれ独立に水素、-CN、水酸基、アミノ基、カルボキシ基、-(C=O)-置換または無置換のC1-C8アルキル基、置換または無置換のC1-C8アルキル基、置換または無置換のC2-C6アルケニル基、置換または無置換のC2-C6アルキニル基、置換または無置換のC1-C8アルキルアミノ基、置換または無置換のC1-C8アルコキシ基、置換または無置換のC3-C10シクロアルキル基、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子を1-3個有する置換または無置換の3-10員ヘテロシクロアルキル基、置換または無置換のC6-C10アリール基、およびN、SおよびOから選ばれるヘテロ原子を1-3個有する置換また無置換の5-10員ヘテロアリール基からなる群から選ばれる置換基である。
もう一つの好適な例において、前記の化合物は以下の式A-1、A-2、A-3またはA-4からなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記の化合物は、以下のI、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、Xで表される構造からなる群から選ばれる構造を有する。
もう一つの好適な例において、前記のC環は5-7員環である。
もう一つの好適な例において、前記のC環は飽和環、部分的不飽和環または芳香環である。
もう一つの好適な例において、前記のC環はベンゼン環またはピリジン環である。
もう一つの好適な例において、前記のR1はハロゲン置換または水酸基置換のC1-C4アルキル基で、かつ前記R2はHである。
もう一つの好適な例において、前記の化合物は表1に記載のような化合物である。
本発明の第二の側面では、(1)本発明の第一の側面に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物と、(2)薬学的に許容される担体とを含む、薬物組成物を提供する。
もう一つの好適な例において、前記薬物組成物はさらにほかのB型肝炎ウイルス感染を予防および/または治療するための薬物を含む。
もう一つの好適な例において、前記ほかのB型肝炎ウイルス感染を予防および/または治療するための薬物は、テノホビル、ラミブジン、アデホビル、エンテカビル、テルビブジン、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
本発明の第三の側面では、本発明の第一の側面に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物あるいは本発明の第二の側面に記載の薬物組成物の使用であって、B型肝炎ウイルス感染を予防および/または治療する薬物を製造するための使用を提供する。
本発明の第五の側面では、下記式で表される中間体化合物を提供する。
X’は、-NO2、-SO2-NR1R2、-SO2-Cl、-NH2からなる群から選ばれる。
Zは、-OH、-O-C1-C4アルキル基、
ほかの各基の定義は、本発明の第一の側面に記載の通りである。)
本発明の第七の側面では、本発明の第一の側面に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物を製造する方法であって、前記式Aで表される化合物は式XIII-1で表される化合物で、以下の工程を含む方法を提供する:
もう一つの好適な例において、前記の方法は、さらに、下記工程を含む:
もちろん、本発明の範囲内において、本発明の上記の各技術特徴および下記(たとえば実施例)の具体的に記述された各技術特徴は互いに組み合わせ、新しい、または好適な技術方案を構成できることが理解される。紙数に限りがあるため、ここで逐一説明しない。
本発明者は幅広く深く研究したところ、B型肝炎に優れた治療効果を有する新規な化合物を見出した。これに基づき、発明者らが本発明を完成した。
本明細書で用いられるように、用語「アルキル基」は、直鎖または分枝鎖のアルキル基を含む。たとえば、C1-C8アルキル基とは、炭素原子を1-8個有する直鎖または分岐鎖のアルキル基で、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基などが挙げられる。
本明細書で用いられるように、用語「アルケニル基」は、直鎖または分枝鎖のアルケニル基を含む。たとえば、C2-C6アルケニル基とは、炭素原子を2-6個有する直鎖又は分岐鎖のアルケニル基で、例えばビニル基、アリル基、1-プロペニル基、イソプロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基や類似の基が挙げられる。
本明細書で用いられるように、用語「C3-C10シクロアルキル基」とは、炭素原子を3-10個有するシクロアルキル基である。単環式のものでもよく、たとえばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基や類似の基が挙げられる。二環式のものでもよく、たとえば橋架け環やスピロ環の形態が挙げられる。
本明細書で用いられるように、用語「C1-C8アルキルアミノ基」とは、C1-C8アルキル基で置換されたアミノ基で、単置換または二置換のものでもよく、たとえばメチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、t-ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ-t-ブチルアミノ基などが挙げられる。
本明細書で用いられるように、用語「N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子を1-3個有する3-10員ヘテロシクロアルキル基」とは3-10個の原子を有し、かつそのうちの1-3個の原子がN、SおよびOから選ばれるヘテロ原子である飽和または部分飽和の環状基である。単環式のものでもよく、二環式のものでもよく、たとえば橋架け環やスピロ環の形態が挙げられる。具体的な実例はオキセタン、アゼチジン、テトラヒドロ-2H-ピラニル基、ピペリジル基、テトラヒドロフリル基、モルホリル基やピロリジル基などでもよい。
本明細書で用いられるように、用語「C6-C10アリール基」とは、炭素原子を6-10個有するアリール基で、たとえばフェニル基やナフチル基などの類似の基が挙げられる。
本発明に記載の基は、特別に「置換または無置換の」と説明しない限り、本発明の基はいずれもハロゲン、シアノ基、ニトロ基、水酸基、アミノ基、C1-C6アルキル基-アミノ基、C1-C6アルキル基、C2-C6アルケニル基、C2-C6アルキニル基、C1-C6アルコキシ基、C1-C6ハロアルキル基、C2-C6ハロアルケニル基、C2-C6ハロアルキニル基、C1-C6ハロアルコキシ基、アリル基、ベンジル基、C6-C12アリール基、C1-C6アルコキシ基-C1-C6アルキル基、C1-C6アルコキシ基-カルボニル基、フェノキシカルボニル基、C2-C6アルキニル基-カルボニル基、C2-C6アルケニル基-カルボニル基、C3-C6シクロアルキル基-カルボニル基、C1-C6アルキル基-スルホニル基などからなる群から選ばれる置換基で置換されてもよい。
特別に説明しない限り、本発明に記載される構造式はすべての異性体の様態の形態(たとえばエナンチオマー、ジアステレオマーや幾何異性体(または配座異性体))、たとえば不斉中心を有するR、S配置、二重結合の(Z)、(E)異性体などを含むことを意味する。そのため、本発明の化合物の単独の立体異性体またはそのエナンチオマー、ジアステレオマーまたは幾何異性体(または配座異性体)の混合物はいずれも本発明の範囲に含まれる。
本明細書で用いられるように、用語「互変異性体」は異なるエネルギーを有する構造異性体が低いエネルギー障壁を超え、互いに転換することができることを意味する。たとえば、プロトン互変異性体(すなわちプロトトロピー)はプロトン移動によって互変するもの、たとえば1H-インダゾールと2H-インダゾールを含む。原子価互変異性体は一部の結合電子が再構成して互変するものを含む。
本明細書で用いられるように、用語「溶媒和物」とは本発明の化合物と溶媒分子が配位して形成される特定の比率の錯体をいう。
本明細書で用いられるように、用語「水和物」とは本発明の化合物と水が配位して形成される錯体をいう。
もう一つの好適な例において、前記のB環、C環、X、Y、R1、R2、R4、R5およびR6はそれぞれ独立に表1における各化合物の相応する基である。
本発明の化合物は、優れたB型肝炎ウイルス(HBV)の抑制活性を有するため、本発明の化合物およびその各種の結晶型、薬学的に許容される無機・有機塩、水和物もしくは溶媒和物、並びに本発明の化合物を主要活性成分として含有する薬物組成物はB型肝炎ウイルス感染の予防および/または治療(緩和、軽減または治癒)あるいはB型肝炎ウイルスに関連する疾患(たとえば、B型肝炎、進展性肝線維化、肝硬変につながる炎症と壊死、末期肝臓疾患、および肝臓癌)の予防および/または治療(緩和、軽減または治癒)に有用である。
経口投与に用いられる固体剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤を含む。これらの固体剤形において、活性化合物は通常、少なくとも一種の不活性賦形剤(または担体)、たとえばクエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムと混合されるが、あるいは、(a)フィラーまたは相溶剤、たとえば、でん粉、乳糖、ショ糖、グルコース、マンニトールやケイ酸、(b)バインダー、たとえば、ヒドロメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖やアラビアゴム、(c)保湿剤、たとえば、グリセリン、(d)崩壊剤、たとえば、寒天、炭酸カルシウム、馬鈴薯澱粉やタピオカ澱粉、アルギン酸、ある複合ケイ酸塩や炭酸ナトリウム、(e)溶液遅延剤、たとえばパラフィン、(f)吸収促進剤、たとえば、アンモニウム化合物、(g)湿潤剤、たとえばセタノール、グリセリンモノステアレート、(h)吸着剤、たとえば、カオリン、また(i)潤滑剤、たとえば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ドデシル硫酸ナトリウム、またはこれらの混合物、のような成分と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤において、剤形に緩衝剤を含んでもよい。
経口投与に用いられる液体剤形は、薬学的に許容される乳液、溶液、懸濁液、シロップまたはチンキ剤を含む。活性化合物の他、液体剤形は、本分野で通常使用される不活性希釈剤、たとえば、水または他の溶媒、相溶剤および乳化剤、たとえば、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ジメチルホルムアミドおよび油、特に、綿実油、落花生油、コーン油、オリーブ油、ヒマシ油やゴマ油またはこれらの物質の混合物などを含んでもよい。
活性化合物の他、懸濁液は、懸濁剤、たとえば、エトキシ化イソオクタデカノール、ポリオキシエチレンソルビトールやソルビタンエステル、微晶質セルロース、メトキシアルミニウムや寒天またはこれらの物質の混合物などを含んでもよい。
胃腸外注射用組成物は、生理的に許容される無菌の水含有または無水溶液、分散液、懸濁液や乳液、および再溶解して無菌の注射可能な溶液または分散液にするための無菌粉末を含む。適切な水含有または非水性担体、希釈剤、溶媒または賦形剤は、水、エタノール、多価アルコールおよびその適切な混合物を含む。
併用して投与する場合、前記薬物組成物は、さらに、1種または複数種(2種、3種、4種、またはそれ以上)のほかの薬学的に許容される化合物(たとえば抗HBV剤)を含む。当該ほかの薬学的に許容される化合物(たとえば抗HBV剤)のうちの1種または複数種(2種、3種、4種、またはそれ以上)は本発明の化合物と同時に、別々にまたは順番にHBV感染またはHBV関連疾患の予防および/または治療に使用することができる。
薬物組成物を使用する場合、安全な有効量の本発明の化合物を治療の必要のある哺乳動物(たとえばヒト)に使用し、使用の際の用量は薬学上で効果があるとされる投与量で、体重60kgのヒトの場合、毎日の投与量は、通常1-2000mg、好ましくは20-500mgである。勿論、具体的な投与量は、さらに投与の様態、患者の健康状況などの要素を考えるべきで、すべて熟練の医者の技能範囲以内である。
1.本発明の化合物は、新規な構造で、かつ優れた抗B型肝炎ウイルス感染の作用を有する。
3.本発明の化合物は、正常細胞に対する毒性が非常に低い。
3.本発明の化合物および本発明の化合物を主要活性成分として含有する薬物組成物はB型肝炎ウイルス感染の予防および/または治療に有用である。
4.本発明の化合物および本発明の化合物を主要活性成分として含有する薬物組成物はB型肝炎ウイルス関連疾患(たとえば、B型肝炎、進展性肝線維化、肝硬変につながる炎症と壊死、末期肝臓疾患、および肝臓癌)の予防および/または治療に有用である。
別途に定義しない限り、本明細書で用いられるすべての技術と科学の用語はいずれも本発明が属する分野の当業者が通常理解する意味と同様である。
本明細書で用いられるように、具体的に例示される数値で使用される場合、用語「約」とは当該値が例示される数値から1%以内で変わってもよい。たとえば、本明細書で用いられるように、「約100」という記述は99と101およびその間の全部の値(たとえば、99.1、99.2、99.3、99.4など)を含む。
本明細書で用いられるように、用語「含有」または「含む」は開放式、半閉鎖式および閉鎖式のものでもよい。言い換えれば、前記用語は「基本的に・・・で構成される」、または「・・・で構成される」も含む。
以下、実施例で使用された実験材料および試薬は、特に説明しない限り、いずれも市販品として得られる。特に説明しない限り、すべての温度はいずれもセルシウス度で表示される。
以下、各実施例は10系列の化合物の合成である。
工程2:
工程3:
工程4:
工程5:
工程6:
実施例1の合成方法を参照してさらに以下のような10系列の化合物を合成した。
工程2:
実施例53の合成方法を参照してさらに以下のような20系列の化合物を合成した。
ESI-MS (M+H = 309)
実施例107の合成方法を参照してさらに以下のような30系列の化合物を合成した。
実施例155の合成方法を参照してさらに以下のような50系列の化合物を合成した。
実施例175の合成方法を参照してさらに以下のような60系列の化合物を合成した。
実施例195の合成方法を参照してさらに以下のような70系列の化合物を合成した。
実施例221の合成方法を参照してさらに以下のような100系列の化合物を合成した。
実験1:体外の抗B型肝炎ウイルスヌクレオカプシド組み立て活性の試験方法
主な試薬と原料:
C150タンパク質は薬明康徳社によって発現および精製されたものである。
BoDIPY(登録商標)FLはサーモフィッシャーサイエンティフィック社から購入された。
96ウェルプレートの各ウェルに150 μLの2% w/v 脱脂牛乳を入れ、室温で2時間インキュベートした。脱脂牛乳を吸い取り、脱イオン水で洗浄した後、加熱乾燥し、室温で保存した。C150タンパク質(3mg/管)を5 ml Hitrap脱塩カラムによって脱塩した。各管の脱塩されたC150タンパク質に50 mMのBoDIPY(登録商標)FL蛍光染料を20μl入れて均一に混合し、4℃で光を避けて一晩インキュベートした。Sephadex G-25ゲルでろ過してC150と結合しなかった蛍光染料を除去した。以下の公式でC150の蛍光標識効率を計算した。
[BoDIPY(登録商標)FL] = A504 / 78,000 M-1
[C150Bo] = (A280 - [BoDIPY(登録商標)FL] × 1300 M-1)/60,900 M-1
蛍光標識効率= [BoDIPY(登録商標)FL]/[C150Bo]
ここで、
[BoDIPY(登録商標)FL]は蛍光標識の濃度を、
[C150Bo]は蛍光標識タンパク質の濃度を、
A504は波長504nMの吸光値を、
A280は波長280nMの吸光値を、
M-1はモル濃度の逆数を表す。
化合物の母液をDMSOで6 mMに希釈し、さらに50 mM HEPESで600 μMに希釈した後、10% DMSO / 50 mM HEPESでさらに3倍段階希釈して8つの濃度にした。
C150Boを50mM HEPESで2 μMに希釈した。37.5 μLのC150Boおよび2.5 μLの各濃度の化合物を96ウェル反応プレートに入れて均一に混合し、室温で15分間インキュベートした。10 μlの750 mM NaCl/50 mM HEPESを反応ウェルに入れ、NaClの最終濃度が150 mMであった。
0%タンパク質組み立て対照ウェルに、10 μLの50 mM HEPESを入れ、NaClの最終濃度が0 mMであった。
100%タンパク質組み立て対照ウェルに、10 μLの5 M NaCl/50 mM HEPESを入れ、NaClの最終濃度が1 Mであった。
DMSOの最終濃度が0.5%で、化合物の最高の最終濃度が30 μMで、C150Boの最終濃度が1.5μMであった。室温で1時間インキュベートした。蛍光信号を測定した(励起光485 nm、放出光535 nm)。
% タンパク質組み立て = [1 - (サンプル蛍光値 - 1 M NaCl 蛍光値) / (0 M NaCl 蛍光値 - 1 M NaCl 蛍光値)]×100
IC50値はGraphPad Prismソフトで算出したが、方程式は下記の通りである。
Y = Bottom + (Top-Bottom)/(1+10((LogIC50-X)*HillSlope))
ここで、
Xは濃度の対数値を、Yは効果量を表し、YはボトムからトップまでS字カーブフィッティングした。
Bottomは曲線のボトムを、
Topは曲線のトップを、
HillSlopeは曲線の最大傾きの絶対値を表す。
主な試薬:
QIAamp 96 DNA血液キット(12) (Qiagen、カタログ番号51162)、
FastStart Universal Probe Master (Roche、カタログ番号04914058001)、
Cell-titer Glo検出試薬(Promega、カタログ番号G7573)。
化合物の希釈:体外抗HBV活性実験および細胞毒性実験におけるすべての化合物はいずれも3倍段階希釈で8つの濃度にした。被験化合物の最終初期濃度が30 μMで、参照化合物GLS4の最終初期濃度が1 μMで、DMSOの最終濃度が0.5%であった。
HepG2.2.15細胞(4×104細胞/ウェル)を96ウェルプレートに接種し、37℃、5% CO2で一晩培養した。2日目に、異なる濃度の化合物を含む新鮮な培養液を培養ウェルに入れた。5日目に、培養ウェルにおける元の培養液を吸い捨て、異なる濃度の化合物を含む新鮮な培養液を入れた。
8日目に、培養ウェルにおける上清を収集し、上清におけるHBV DNAの抽出に使用し、qPCRによってHepG2.2.15上清におけるHBV DNA含有量を検出した。上清を収集した後、さらに培養ウェルに培地およびCell-titer Glo試薬を追加し、マイクロプレートリーダーによって各ウェルの化学発光値を検出した。
Y = Bottom + (Top-Bottom)/(1+10((LogIC50-X)*HillSlope))
ここで、
Xは濃度の対数値を、Yは効果量を表し、YはボトムからトップまでS字カーブフィッティングした。
Bottomは曲線のボトムを、
Topは曲線のトップを、
HillSlopeは曲線の最大傾きの絶対値を表す。
被験化合物の細胞毒性はHepG2細胞を使用して測定し、これらの細胞は被験化合物の存在下で4日インキュベートした。レサズリンで測定して細胞の活力を評価した。
結果から、本発明の化合物の体外の抗B型肝炎ウイルスヌクレオカプシド組み立て活性および抗B型肝炎ウイルス活性が良く、かつ細胞毒性が低いことが示された。
+++はIC50<1μMであることを、
++はIC50が1~100μMであることを、
+はIC50>100μMであることを表す。
表の第3欄において、
++++はEC50<0.1nMであることを、
+++はEC50が0.1~100nMであることを、
++はEC50が100~1000nMであることを、
+はEC50>1000nMであることを表す。
各文献がそれぞれ単独に引用されるように、本発明に係るすべての文献は本出願で参考として引用する。また、本発明の上記の内容を読み終わった後、当業者が本発明を各種の変動や修正をすることができるが、それらの等価の形態のものは本発明の請求の範囲に含まれることが理解されるはずである。
Claims (8)
- 化学式A1で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物。
R1、R2はそれぞれ独立に水素、置換または無置換のC1-C8アルキル基、置換または無置換のC3-C10シクロアルキル基、N、SおよびOからなる群から選ばれるヘテロ原子を1-3個有する置換または無置換の3-10員複素環基、置換または無置換のC6-C10アリール基、N、SおよびOからなる群から選ばれるヘテロ原子を1-3個有する置換または無置換の5-10員ヘテロアリール基からなる群から選ばれるか、
あるいは、R1、R2はこれらに連結した窒素原子と共に、Nを1個と、N、SおよびOからなる群から選ばれるヘテロ原子を0-3個有する置換または無置換の3-10員複素環基を構成している。
R4、R5およびR6はそれぞれ独立にC環における任意の位置にある、水素、ハロゲン、-CN、水酸基、アミノ基、カルボキシ基、-(C=O)-置換または無置換のC1-C8アルキル基、置換または無置換のC1-C8アルキル基、置換または無置換のC2-C6アルケニル基、置換または無置換のC2-C6アルキニル基、置換または無置換のC1-C8アルキルアミノ基、置換または無置換のC1-C8アルコキシ基、置換または無置換のC3-C10シクロアルキル基、置換または無置換のN、SおよびOから選ばれるヘテロ原子を1-3個有する3-10員ヘテロシクロアルキル基、置換または無置換のC6-C10アリール基、およびN、SおよびOからなる群から選ばれるヘテロ原子を1-3個有する置換または無置換の5-10員ヘテロアリール基からなる群から選ばれる置換基である。
Xは無し、O、NR9、C1-C4ハロアルキレン基(たとえばCF2)またはヒドロキシオキシム(=N-OH)である。ここで、R9は水素、置換または無置換のC1-C8アルキル基、置換または無置換のC3-C8シクロアルキル基である。ここで、用語、前記「置換」とは、ハロゲン、C1-C6アルキル基、ハロゲン置換のC1-C6アルキル基、-CN、水酸基、アミノ基、カルボキシ基からなる群から選ばれる1個または複数(たとえば2個、3個、4個など)の置換基で置換されることである。
Yはスルホニル基(-SO2-)、またはスルホンイミド基(-SONH-)である。
W1は、CR10R11、CR10、O、S、およびNR12からなる群から選ばれる。
W2は、CまたはNからなる群から選ばれる。
W3は、CR10R11、CR10、NまたはNR12である。
nは0、1または2である。
鎖線は化学結合または無しである。
R10およびR11はそれぞれ独立に水素、ハロゲン、-CN、水酸基、アミノ基、カルボキシ基、-(C=O)-置換または無置換のC1-C8アルキル基、置換または無置換のC1-C8アルキル基、置換または無置換のC2-C6アルケニル基、置換または無置換のC2-C6アルキニル基、置換または無置換のC1-C8アルキルアミノ基、置換または無置換のC1-C8アルコキシ基、置換または無置換のC3-C10シクロアルキル基、N、SおよびOからなる群から選ばれるヘテロ原子を1-3個有する置換または無置換の3-10員ヘテロシクロアルキル基、置換または無置換のC6-C10アリール基、およびN、SおよびOからなる群から選ばれるヘテロ原子を1-3個有する置換また無置換の5-10員ヘテロアリール基からなる群から選ばれる置換基である。
R12はそれぞれ独立に水素、-CN、水酸基、アミノ基、カルボキシ基、-(C=O)-置換または無置換のC1-C8アルキル基、置換または無置換のC1-C8アルキル基、置換または無置換のC2-C6アルケニル基、置換または無置換のC2-C6アルキニル基、置換または無置換のC1-C8アルキルアミノ基、置換または無置換のC1-C8アルコキシ基、置換または無置換のC3-C10シクロアルキル基、N、SおよびOからなる群から選ばれるヘテロ原子を1-3個有する置換または無置換の3-10員ヘテロシクロアルキル基、置換または無置換のC6-C10アリール基、およびN、SおよびOからなる群から選ばれるヘテロ原子を1-3個有する置換または無置換の5-10員ヘテロアリール基からなる群から選ばれる置換基である。
R3は縮合環構造における1個または複数の、H、ハロゲン、-CN、水酸基、アミノ基、カルボキシ基、-(C=O)-置換または無置換のC1-C8アルキル基、置換または無置換のC1-C8アルキル基、置換または無置換のC2-C6アルケニル基、置換または無置換のC2-C6アルキニル基、置換または無置換のC1-C8アルキルアミノ基、置換または無置換のC1-C8アルコキシ基、置換または無置換のC3-C10シクロアルキル基、N、SおよびOからなる群から選ばれるヘテロ原子を1-3個有する置換または無置換の3-10員ヘテロシクロアルキル基、置換または無置換のC6-C10アリール基、およびN、SおよびOから選ばれるヘテロ原子を1-3個有する置換または無置換の5-10員ヘテロアリール基からなる群から選ばれる置換基である。
特別に説明しない限り、用語「置換」とは、ハロゲン、C1-C6アルキル基、ハロゲン置換のC1-C6アルキル基、C1-C6アルコキシ基、ハロゲン置換のC1-C6アルコキシ基、C3-C8シクロアルキル基、ハロゲン置換のC3-C8シクロアルキル基、オキソ、-CN、水酸基、ヒドロキシ-C1-C6アルキル基、アミノ基、カルボキシ基、C6-C10アリール基、ハロゲン置換のC6-C10アリール基、N、SおよびOから選ばれるヘテロ原子を1-3個有する、無置換のまたはハロゲンおよびフェニル基からなる群から選ばれる置換基で置換された5-10員ヘテロアリール基からなる群から選ばれる1個または複数(たとえば2個、3個、4個など)の置換基で置換されることである。)
) - 前記のR1はハロゲン置換または水酸基置換のC1-C4アルキル基で、かつ前記R2はHであることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
- (1)請求項1に記載の、化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物と、(2)薬学的に許容される担体とを含む、薬物組成物。
- B型肝炎ウイルス感染を予防および/または治療に使用するための、請求項1に記載の、化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物。
- B型肝炎ウイルス感染を予防および/または治療に使用するための、請求項5に記載の薬物組成物。
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