JP7122740B2 - 接続状態判定装置及び接続状態判定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ボンディング対象物にワイヤをボンディングするワイヤボンディング装置に接続されて、ワイヤとボンディング対象物との接続状態の判定を行う接続状態判定装置の構造及び接続状態の判定方法に関する。
電子デバイスの組立工程に用いられるワイヤボンディング装置では、例えば、半導体ダイのボンディングパッドに細い金線等のワイヤがボンディングされる。ボンディングされたワイヤは延ばされて、回路基板等のボンディングリードにおいて、再度ボンディングが行われ、これによって半導体ダイの電極と回路基板の電極との間の接続が行われる。この際、電極とワイヤとの間のボンディングが正常に行われないと接続不良となる。この接続不良を検出するために、ワイヤから半導体ダイに対して直流電流を入力し、流れる電流値を測定して電気的に接続不良を判定するボンディング装置がある。しかし、直流電流を用いる場合、半導体ダイの電気的な特性によっては、接続不良を判定することが困難な場合がある。
そこで、接続不良を検出するために、交流電流を用いて電気的に接続不良を判定するボンディング装置がある。このボンディング装置として、例えば、特許文献1には、高周波信号を所定の変調信号で変調して変調高周波信号を生成し、この変調高周波信号をワイヤ供給部から入力信号として入力し、この入力信号に応答してボンディング対象物から出力される出力信号を受け取り、この出力信号から抽出された変調信号成分の信号強度を検出し、検出された信号強度を基準値と比較してワイヤとボンディング対象物との間の接続不良を判定するボンディング装置が記載されている。
また、特許文献2には、ワイヤと基準電位点であるボンディングステージとの間で閉ループを形成する交流ブリッジ回路と、交流ブリッジ回路へ交流電圧を印加する交流発生器と、交流ブリッジ回路の平衡又は不平衡を検出する差動増幅器と、差動増幅器からの出力の絶対値を検出する絶対値変換器と、差動増幅器からの出力周波数の高周波成分を除去してボンディングの接続不良を判定する不着検出回路とを備えるボンディング装置が記載されている。
また、特許文献3にも、ワイヤと半導体部品とを含む電気経路を交流ブリッジ回路に接続して、交流ブリッジ回路の平衡又は不平衡状態を検出することで、ワイヤと半導体部品との間の不着状態を検出するボンディング装置が記載されている。
特許第3981347号公報 特許第3537083号公報 特開平09-213752号公報
近年、電子デバイスの小型化、高集積化に対応するために、例えば、半導体ダイ等のボンディング対象物も小型化されている。ボンディング対象物は小型化されるとインピーダンスが低下し、上述の特許文献に記載されたボンディング装置では、ボンディング対象物の接続不良の検出が困難になってきている。
また、近年、電子デバイスの高集積化のために半導体ダイを積層したデバイス(スタックデバイス)が用いられること多い。この場合、積層した半導体ダイの電極をワイヤで順次接続し、最後に基板の電極、或いは、リードフレームのリードにワイヤを接続するボンディング方法が用いられる。この際、各層間のインピーダンスの差が非常に小さく、各層におけるワイヤと電極の接続状態を判定することが困難であった。
そこで、本発明は、低インピーダンスデバイス或いはスタックデバイスとワイヤとの接続状態を判定可能な高精度、高感度の接続状態判定装置を提供することを目的とする。
本発明の接続状態判定装置は、ボンディング対象物にワイヤをボンディングするワイヤボンディング装置に接続されてワイヤとボンディング対象物との接続状態の判定を行う接続状態判定装置であって、所定周波数の正弦波の交流電流が入力され、ワイヤとボンディング対象物との間のインピーダンスの変化に応じて交流応答信号を出力するブリッジ回路と、交流応答信号を直流電圧値に変換する交直変換回路と、交直変換回路から出力される直流電圧値を増幅する可変倍率回路と、可変倍率回路に接続される制御部と、を備え、制御部は、ボンディング前後に可変倍率回路から出力される直流電圧値の第1差分を算出し、第1差分が所定の第1閾値以上の場合には接続良好信号を出力し、第1差分が所定の第1閾値未満の場合に、可変倍率回路の増幅倍率を所定値だけ上げる動作を繰り返し実行し、増幅倍率が最大増幅倍率に達した場合に接続不良信号を出力すること、を特徴とする。
このように、交流応答信号を直流電圧値に変換して直流電圧値によって接続状態の判定を行うので、従来技術に比較して高精度に接続状態の判定を行うことができる。また、第1差分が所定の第1閾値未満の場合に、可変倍率回路の増幅倍率を所定値だけ上げる動作を繰り返し実行することにより、第1差分を制御部が判定可能な大きさに調整して高精度に接続状態の判定を行うことができると共に、接続不良の誤検出を抑制することができる。
本発明の接続状態判定装置において、前記ワイヤボンディング装置は、前記ボンディング対象物に前記ワイヤを複数回ボンディングし、前記可変倍率回路は、前記ボンディング対象物に対する前記ワイヤの接続箇所数の増減による前記ボンディング対象物と前記ワイヤとの間のインピーダンスの変化に応じて前記直流電圧値を出力すること、としてもよい。また、本発明の接続状態判定装置において、前記ボンディング対象物に対する前記ワイヤの接続箇所数が増加する毎に前記可変倍率回路が出力する前記直流電圧値が段階的に大きくなり、前記ボンディング対象物に対する前記ワイヤの接続箇所数が減少する毎に前記可変倍率回路が出力する前記直流電圧値が段階的に小さくなること、としてもよい。
これにより、スタックデバイスとワイヤの接続状態を高精度で判定することができる。また、スタックデバイスの各層におけるワイヤと電極の接続状態を判定することができる。
本発明の接続状態判定装置において、可変倍率回路と制御部との間に接続され、可変倍率回路が出力する直流電圧値を負側にシフトし、シフト後の直流電圧値を制御部に出力するレベルシフト回路を含み、制御部は、第1差分が所定の第1閾値以上の場合に、1又は複数回のボンディング毎に、レベルシフト回路によって可変倍率回路が出力する直流電圧値を負側にシフトすること、としてもよい。
これにより、スタックデバイスの各層におけるワイヤと電極の接続状態を判定する際に、制御部に入力される直流電圧値を制御部のCPUで判定可能な電圧範囲とすることができるので、接続状態の検出を高感度、高精度で行うことができる。
本発明の接続状態判定装置において、交直変換回路は、ブリッジ回路に入力される交流電流の正弦波の所定の周波数と同一周波数を中心周波数とし、ブリッジ回路から出力される交流応答信号が入力されるバンドパスフィルタと、バンドパスフィルタを通過した交流応答信号を全波整流する全波整流器と、全波整流後の交流応答信号の直流成分を抽出するローパスフィルタと、によって構成されること、としてもよい。
これにより、簡便な構成で高精度、高感度の接続状態判定装置を提供することができる。
本発明の接続状態判定方法は、ボンディング対象物にワイヤをボンディングするワイヤボンディング装置において、ワイヤとボンディング対象物との接続状態の判定を行う接続状態判定方法であって、所定周波数の正弦波の交流電流が入力され、ワイヤとボンディング対象物との間のインピーダンスの変化に応じて交流応答信号を出力するブリッジ回路と、交流応答信号を直流電圧値に変換する交直変換回路と、交直変換回路から出力される直流電圧値を増幅して出力する可変倍率回路と、を備える接続状態判定装置を準備し、ボンディング前後に可変倍率回路から出力される直流電圧値の第1差分を算出し、第1差分が所定の第1閾値以上の場合に接続良好と判定し、第1差分が所定の第1閾値未満の場合に可変倍率回路の増幅倍率を所定値だけ上げる動作を繰り返し実行し、増幅倍率が最大増幅倍率に達した場合に接続不良と判定することを特徴とする。
このように、交流応答信号を直流電圧値に変換して直流電圧値によって接続状態の判定を行うので、従来技術に比較して高精度に接続状態の判定を行うことができる。また、第1差分が所定の第1閾値未満の場合に、可変倍率回路の増幅倍率を所定値だけ上げる動作を繰り返し実行することにより、第1差分を制御部のCPUが判定可能な大きさに調整して高精度に接続状態の判定を行うことができると共に、接続不良の誤検出を抑制することができる。
本発明の接続状態判定方法は、ボンディング対象物にワイヤを複数回ボンディングするワイヤボンディング装置において、前記ワイヤと前記ボンディング対象物との接続状態の判定を行う接続状態判定方法であって、所定周波数の正弦波の交流電流が入力され、前記ボンディング対象物に対する前記ワイヤの接続箇所数の増減による前記ボンディング対象物と前記ワイヤとの間のインピーダンスの変化に応じて交流応答信号を出力するブリッジ回路と、前記交流応答信号を直流電圧値に変換する交直変換回路と、交直変換回路から出力される前記直流電圧値を増幅して出力する可変倍率回路と、を備える接続状態判定装置を準備し、(1)ボンディング前後に前記可変倍率回路から出力される前記直流電圧値の第1差分を算出し、(2)前記第1差分が所定の第1閾値以上の場合に接続良好と判定し、(3)前記第1差分が所定の第1閾値未満の場合に前記可変倍率回路の増幅倍率を所定値だけ上げる動作を繰り返し実行し、前記増幅倍率が最大増幅倍率に達した場合に接続不良と判定し、前記(1)から前記(3)の動作をボンディング毎に繰り返して行うこと、を特徴とする。また、本発明の接続状態判定方法において、1又は複数回のボンディング毎に、前記(2)で接続良好と判定した場合に前記可変倍率回路が出力する前記直流電圧値を負側にシフトすること、としてもよい。
これにより、スタックデバイスとワイヤの接続状態を高精度で判定することができる。また、スタックデバイスの各層におけるワイヤと電極の接続状態を判定する際に、直流電圧値を制御部のCPUで判定可能な電圧範囲とすることができるので、スタックデバイスの各層におけるワイヤと電極の接続状態を高感度、高精度で判定することができる。
本発明は、低インピーダンスデバイス或いはスタックデバイスとワイヤとの接続状態を判定可能な高精度、高感度の接続状態判定装置を提供することができる。
実施形態の接続状態判定装置の構成を示す系統図である。 交流電源、バンドパスフィルタ前、バンドパスフィルタ後、全波整流器後、ローパスフィルタ後の交流応答信号の波形と周波数分布を示すグラフである。 実施形態の接続状態判定装置の初期設定工程を示すフローチャートである。 半導体デバイスにワイヤボンディングを行う際の実施形態の接続状態判定装置の動作を示すフローチャートである。 半導体デバイスにワイヤボンディングを行う際の実施形態の接続状態判定装置の動作を示すフローチャートである。 半導体デバイスにワイヤボンディングを行う際のボンド点に対する可変倍率回路の出力電圧の変化を示す説明図である。 可変倍率回路の出力電圧の変化を示すグラフである。 半導体デバイスへのワイヤボンディング中にワイヤが破断した場合のボンド点に対する可変倍率回路の出力電圧の変化を示す説明図である。 半導体デバイスへのワイヤボンディング中に先にボンディングしたボンド点が後のボンディングの際に剥がれた場合のボンド点に対する可変倍率回路の出力電圧の変化を示す説明図である。 半導体デバイスへのワイヤボンディングの最後にテールワイヤが延出されなかった場合のボンド点に対する可変倍率回路の出力電圧の変化を示す説明図である。 半導体デバイスへのワイヤボンディングの最後にワイヤが基板の電極に接続されなかった場合のボンド点に対する可変倍率回路の出力電圧の変化を示す説明図である。 他の実施形態の接続状態判定装置の構成を示す系統図である。 半導体デバイスにワイヤボンディングを行う際の他の実施形態の接続状態判定装置の動作を示すフローチャートである。 半導体デバイスにワイヤボンディングを行う際の他の実施形態の接続状態判定装置の動作を示すフローチャートである。 可変倍率回路とレベルシフト回路の出力電圧の変化を示すグラフである。 参考例の接続状態判定装置の構成を示す系統図である。
<接続状態判定装置の構成>
以下、図面を参照しながら実施形態の接続状態判定装置100について説明する。図1に示すように、接続状態判定装置100はワイヤボンディング装置10に接続されて、ワイヤ16とボンディング対象物である半導体デバイス18或いは基板17との接続状態の判定を行うものである。半導体デバイス18は、例えば、半導体ダイでもよいし複数の半導体ダイを積層したスタックデバイスでもよい。
図1に示すようにワイヤボンディング装置10は、半導体デバイス18が取付けられた基板17を吸着固定するボンディングステージ11と、ワイヤ16を繰り出すスプール15と、ワイヤ16に張力を与えるテンショナ14と、ワイヤ16を把持するクランパ13と、ワイヤ16を半導体デバイス18の電極或いは基板17の電極に押圧すると共に超音波振動を印加するキャピラリ12とを含んでいる。
接続状態判定装置100は、ブリッジ回路20と、交流電源30と、バッファ31と、プリアンプ32と、交直変換回路40と、可変倍率回路51と、制御部60とを含んでいる。
ブリッジ回路20は、3つの抵抗器21a,21b,21cと、可変インピーダンス器24が四角に接続されたものである。可変インピーダンス器24は、並列に接続された可変抵抗器22と可変容量コンデンサ23とで構成されている。電源端子25、26には、所定周波数の正弦波の交流電流を出力する交流電源30が接続されている。一方の電源端子25はグランド29に接続されている。また、出力端子27,28には、バッファ31、プリアンプ32、交直変換回路40、可変倍率回路51、制御部60が接続されている。
またワイヤボンディング装置10のボンディングステージ11は、一方の電源端子25に接続され、ワイヤ16は、スプール15、テンショナ14、クランパ13を介してブリッジ回路20の一方の出力端子27に接続されている。このため、ボンディングステージ11は、電源端子25を介して接地されている。
バッファ31は、プリアンプ32以下の各回路との干渉を防止する回路である。プリアンプ32は、バッファ31を通過したブリッジ回路20の出力電圧を増幅する回路である。交直変換回路40は、入力された交流電流を直流電流に変換して出力する回路であり、バンドパスフィルタ41、全波整流器42、ローパスフィルタ43で構成されている。バンドパスフィルタ41は、交流電源30の出力する正弦波の周波数f0と同一周波数を中心周波数とするフィルタ回路である。ローパスフィルタ43は直流成分のみを通過させるフィルタ回路である。可変倍率回路51は、信号の増幅倍率を上下させるアンプである。
制御部60は、内部にCPUとメモリとを備えるコンピュータである。制御部60には、可変倍率回路51、可変インピーダンス器24の可変抵抗器22、可変容量コンデンサ23が接続されている。制御部60は、可変倍率回路51から入力された電圧値に基づいてワイヤ16と半導体デバイス18或いは基板17との接続状態を判定すると共に、可変倍率回路51、可変インピーダンス器24の可変抵抗器22、可変容量コンデンサ23の動作を制御する。
<接続状態判定装置の基本動作>
次に、図2を参照しながら接続状態判定装置100の基本動作について説明する。交流電源30は、図2(a)、図2(b)に示すような所定の周波数f0の正弦波をブリッジ回路20に印加する。ブリッジ回路20からは図2(c)、図2(d)に示すような高調波のノイズを含む交流応答信号が出力される。この交流応答信号はプリアンプ32で増幅されて交直変換回路40のバンドパスフィルタ41に入力される。バンドパスフィルタ41は、中心周波数が交流電源30の周波数f0でバンド幅がΔfのフィルタであるから、バンドパスフィルタ41により交流応答信号から図2(e)、図2(f)に示すような周波数f0近傍の信号成分を抽出することができる。この抽出した信号成分を全波整流器42で全波整流すると図2(g)のような波形となる。全波整流後の信号は、図2(h)に示すように直流成分と交流電源30から出力される正弦波の周波数f0の2倍の周波数成分とを含んでいる。直流成分のみを通過させるローパスフィルタ43にこの信号を入力すると、図2(i)、図2(j)に示すような直流信号が出力される。この直流信号は、可変倍率回路51で増幅されて制御部60に入力される。
ワイヤ16が半導体デバイス18に接していない状態で、可変倍率回路51から出力される直流電圧値がゼロとなるように、可変インピーダンス器24の可変抵抗器22、可変容量コンデンサ23を調整しておく。ワイヤ16が半導体デバイス18に接続されると電源端子25と出力端子27との間のインピーダンスの変化によりブリッジ回路20の平衡状態が崩れ、出力端子27,28から図2(c)、図2(d)に示すような交流応答信号が出力される。ブリッジ回路20から出力された交流応答信号は、交直変換回路40から図2(j)に示すようなある直流電圧値を持つ直流信号として出力され、可変倍率回路51で増幅されて制御部60に入力される。一方、ワイヤ16が半導体デバイス18にうまく接続されなかった場合には、電源端子25と出力端子27との間のインピーダンスは変化せず、可変倍率回路51からのからの出力電圧は変化せず、ゼロのままとなる。
そこで、制御部60は、ボンディング前に可変倍率回路51から出力される直流電圧値とボンディング後に可変倍率回路51から出力される直流電圧値との第1差分が所定の第1閾値以上の場合にワイヤ16と半導体デバイス18との接続は良好であると判定し、第1差分が第1閾値未満の場合にワイヤ16と半導体デバイス18との接続が不良であると判定する。以上が接続状態判定装置100の基本動作である。
<接続状態判定装置の初期設定>
次に、図3を参照しながら接続状態判定装置100の初期設定工程について説明する。最初に、図3のステップS101に示すように、ブリッジ回路20の初期調整を行う。まず、ワイヤ16を半導体デバイス18から離間させ、プリアンプ32の増幅率、可変倍率回路51の増幅倍率を最大として、接続状態判定装置100の感度を最大に設定した状態とする。次に、可変倍率回路51から出力される直流電圧値がゼロとなるように、制御部60によってブリッジ回路20の可変インピーダンス器24の可変抵抗器22、可変容量コンデンサ23の抵抗値と静電容量を変化させる。可変倍率回路51から出力される直流電圧値がゼロとなったらブリッジ回路20の初期設定を終了し、プリアンプ32の増幅率、可変倍率回路51の増幅倍率を1に戻す。
次に、図3のステップS102に示すように、交流電源30の周波数f0、出力電圧を設定する。周波数f0、出力電圧は、例えば、100kHz、5Vのように設定してもよい。
次に、図3のステップS103に示すように、プリアンプ32の増幅率を設定する。まず、ワイヤ16を半導体デバイス18に接触させ、可変倍率回路51の増幅倍率を1として可変倍率回路51から出力される直流電圧値が制御部60のCPUの検出可能電圧範囲に入るような値に調整する。例えば、制御部60のCPUの検出可能電圧範囲が0V~5Vの範囲の場合、可変倍率回路51から出力される直流電圧値を2.5V程度になるように調整してもよい。
最後に、可変倍率回路51の増幅倍率を1に戻して初期設定工程を終了する。初期設定工程が終了したら、ボンディング動作に合わせてワイヤ16と半導体デバイス18との接続状態を判定する。
<半導体デバイスにワイヤボンディングを行う際の接続状態判定装置の動作>
次に、図4~図7を参照しながら、半導体デバイス18にワイヤ16をボンディングする際の接続状態判定装置100の動作について説明する。半導体デバイス18は、図7に示すように、4枚の半導体ダイ18a~18dを積層したスタックデバイスである。ワイヤボンディング装置10は、一番上の半導体ダイ18aの電極(第1ボンド点)に図1に示すフリーエアボール16aを押し付けて圧着ボール16bを形成するボールボンディングを行った後、二層目から四層目の半導体ダイ18b~18dの各電極(第2~第4ボンド点)にワイヤ16を順次押圧して接続し、最後にワイヤ16を基板17の電極(第5ボンド点)にボンディングするものである。このように、ワイヤボンディング装置10は、半導体デバイス18にワイヤ16を複数回ボンディングする。図7において、Zp1、Zp2、Zp3、Zp4、ZLは、それぞれ半導体デバイス18の各層の半導体ダイ18a~18d、基板17のインピーダンスを示す。また、ΔV1、V2、ΔV3、ΔV4は、それぞれ半導体ダイ18a~18dと導通又は非導通になることで変動する電圧差を示し、ΔV5は、基板17と導通又は非導通になることで変動する電圧差を示す。
図4のステップS201に示すように、制御部60は、半導体デバイス18の各半導体ダイ18a~18dと基板17とを接続するワイヤ16の番号Mを初期値の1に設定する。また、制御部60は、図4のステップS202でボンド点の番号Nを初期値の1に設定する。
図4のステップS203に示すように、制御部60は、ボンディング前で、ワイヤ16が半導体デバイス18に接地していない場合の可変倍率回路51から出力される直流電圧値を基準電位としてメモリに記録しておく。基準電位は0Vである。
図1に示すワイヤボンディング装置10がボンディング動作を開始し、キャピラリ12でフリーエアボール16aを半導体デバイス18の最上層の半導体ダイ18aの電極にボンディングすると、図4のステップS204に示すように、ワイヤ16は、第1ボンド点である半導体ダイ18aの電極に接地する。すると、ワイヤ16と半導体デバイス18との間のインピーダンスが変化し、図6(a)の実線に示すように、第1ボンド点へのボンディング後に交直変換回路40から出力される直流電圧値V1は先に記録した基準電位よりも高くなる。可変倍率回路51の倍率設定は1なので図6(b)の実線に示すようにボンディング後に交直変換回路40から出力された直流電圧値V1はそのまま制御部60に入力される。
制御部60は、先にメモリに記録した基準電位と、ボンディング後に可変倍率回路51から出力された直流電圧値V1とからの第1差分である電圧差ΔV1を算出し、図4のステップS205において電圧差ΔV1が所定の第1閾値Vs以上となっているかどうか判断する。ここで、第1閾値Vsは、制御部60のCPUの検出可能電圧範囲が0V~5Vの範囲の場合、例えば、0.5V~1V程度に設定してもよい。
制御部60は、図4のステップS205でYESと判断した場合には、図4のステップS210で接続良好信号を外部に出力し、図5のステップS213で、第1ボンド点へのボンディング後に可変倍率回路51から出力された直流電圧値V1を第1ボンド点の電位として記録しておく。
一方、制御部60は、電圧差ΔV1が所定の第1閾値Vs未満で図4のステップS205でNOと判断した場合、実際にワイヤ16と半導体デバイス18との接続が不良の場合の他、図6(a)、図6(b)の一点鎖線に示すように、ワイヤ16の半導体デバイス18への接続によるインピーダンスの変化が小さく交直変換回路40から出力された直流電圧値V10が第1閾値Vs未満の場合がある。この場合、可変倍率回路51の増幅倍率が1のままでは、基準電位と可変倍率回路51から出力される直流電圧との電圧差ΔV10が第1閾値Vs未満となる。
そこで、制御部60は、電圧差ΔV10が所定の第1閾値Vs未満の場合、図4のステップS206において、当初1に設定されていた可変倍率回路51の増幅倍率を、所定値ずつ、例えば、2倍に上げる。ワイヤ16と半導体デバイス18とが接続されている場合、可変倍率回路51の増幅倍率が上がると、図6(b)の一点鎖線に示すように、可変倍率回路51から出力される直流電圧値は電圧値V10から電圧値V11に大きくなり、基準電位と可変倍率回路51から出力される直流電圧値V11との差は電圧差ΔV11のように所定の第1閾値Vs以上となる。この場合、制御部60は図4のステップS205でYESと判断して、図4のステップS210で接続良好信号出力する。
一方、実際にワイヤ16と半導体デバイス18とが接続されていない場合、可変倍率回路51の増幅倍率を上げても、可変倍率回路51から出力される直流電圧値は大きくならず、電圧差は所定の第1閾値Vs未満のままとなる。この場合、制御部60は、図4のステップS206で可変倍率回路51の増幅倍率を最大増幅倍率に達するまで、所定値ずつ上げていく。そして、可変倍率回路51の増幅倍率が最大増幅倍率に達すると、図4のステップS207でYESと判断して、図4のステップS208に進んで接続不良発生信号を出力し、図4のステップS209に進んで、ワイヤボンディング装置10をエラー停止させる。
制御部60は、図4のステップS205でYESと判断した場合、図5のステップS213で、第1ボンド点へのボンディング後に可変倍率回路51から出力された直流電圧値V11を第1ボンド点の電位として記録しておく。
ワイヤボンディング装置10は、図7に示す最上層の半導体ダイ18aの電極へのボンディングが終了したら、キャピラリ12をルーピングさせて、二層目の半導体ダイ18bの電極へのボンディングを開始する。キャピラリ12がワイヤ16を二層目の半導体ダイ18bの電極にボンディングすると、図5のステップS214に示すように、ワイヤ16が、第2ボンド点である半導体ダイ18bの電極に接地する。
ワイヤ16が第2ボンド点に接地すると、ワイヤ16とグランド29との間には、ワイヤ16から第1ボンド点を通ってグランド29に電流が流れる第1電路に加え、ワイヤ16から第2ボンド点を通ってグランド29に電流が流れる第2電路が形成される。このため、ワイヤ16が第2ボンド点に接地すると、ワイヤ16と半導体デバイス18との間のインピーダンスが変化し、ボンディング後に交直変換回路40から出力される直流電圧値V2は先に記録した第1ボンド点の電位V1よりも高くなる。また、第1ボンド点の接続状態の判定を行う際に可変倍率回路51の増幅倍率を上げた場合も同様に、ボンディング後に可変倍率回路51から出力される直流電圧値V21は先に記録した第1ボンド点の電位V11よりも高くなる。
制御部60は、先に説明したと同様、図5のステップS215で、先に記録した第1ボンド点の電位V1またはV11と、第2ボンド点へのボンディング後に可変倍率回路51から出力された直流電圧値V2またはV21との電圧差ΔV2または電圧差ΔV21を算出し、図5のステップS215において電圧差ΔV2またはΔV21が第1閾値Vs以上となっている場合には接続良好と判断して接続良好信号を出力する。また、電圧差ΔV2またはΔV21が第1閾値Vs未満の場合には、制御部60は、図5のステップS216で可変倍率回路51の増幅倍率を上げ、増幅倍率が最大増幅倍率に達した場合、図5のステップS218で接続不良信号を出力し、図5のステップS219に進んで、ワイヤボンディング装置10をエラー停止させる。
制御部60は、図5のステップS215でYESと判断した場合、図5のステップS223に進み、第2ボンド点へのボンディング後に可変倍率回路51から出力された直流電圧値V2またはV21を第2ボンド点の電位として記録しておく。
制御部60は、図5のステップS224でボンド点の番号Nが最終ボンド点番号Nendになるまで、図5のステップS225でNを1ずつインクレメントして図5のステップS214からステップS223を繰り返し実行する。
図7に示すように第1ボンド点から第5ボンド点まで、連続してワイヤ16を半導体デバイス18、基板17にボンディングしていくと、ボンディング後に可変倍率回路51から出力される直流電圧値は、図6、図7に示すようにボンディングの都度段階的に大きくなっていく。そして、基板17の第5ボンド点へのボンディングが終了し、ワイヤ16が切断されると、可変倍率回路51から出力される直流電圧値は、ワイヤ16が半導体デバイス18に接地していない場合の基準電位に戻る。
制御部60は、最終ボンド点へのボンディングが終了したら、図5のステップS224でYESと判断して図5のステップS226、S227に進み、ワイヤ16の番号Mを1だけインクリメントし、半導体デバイス18の各半導体ダイ18a~18dと基板17とを接続する次のワイヤ16のボンディングの際の接続状態の判定を行う。そして、全てのボンディングが終了したら、接続状態判定動作を終了する。
<ワイヤを半導体デバイスにボンディングする際の各種のエラー検出>
先に説明したように、本実施形態の接続状態判定装置100は、半導体デバイス18に対するワイヤ16の接続箇所数が増加する毎に可変倍率回路51が出力する直流電圧値が段階的に大きくなる。逆に、半導体デバイス18に対するワイヤ16の接続箇所数が減少する場合には、その都度可変倍率回路51が出力する直流電圧値は段階的に小さくなる。つまり、接続状態判定装置100は、半導体デバイス18に対するワイヤ16の接続箇所数の増減により、可変倍率回路51が出力する直流電圧値が段階的に増減する。接続状態判定装置100のこのような特性を利用することによって、以下に説明するように各種のエラーの検出を行うことができる。
以下、図8から図11を参照しながら、本実施形態の接続状態判定装置100を用いた各種のボンディングエラーの検出について説明する。なお、図8(a)、図9(a)、図10(a)、図11(a)はいずれも正常にボンディングが行われた場合の可変倍率回路51から出力される直流電圧値の変化を示す。また、図7と同様、図8~図11のZp1、Zp2、Zp3、Zp4、ZLは、それぞれ半導体デバイス18の各層の半導体ダイ18a~18d、基板17のインピーダンスを示し、ΔV1、V2、ΔV3、ΔV4は、それぞれ半導体ダイ18a~18dと導通又は非導通になることで変動する電圧差を示し、ΔV5は、基板17と導通又は非導通になることで変動する電圧差を示す。
図8(b)は、半導体デバイス18の各層の半導体ダイ18a~18dの各電極にワイヤ16を連続してボンディングしていく際に、途中でワイヤが破断した場合の可変倍率回路51から出力される直流電圧値の変化を示す。
図8(b)に示すように、あるボンド点のボンディングの際にワイヤ16が破断すると、そのボンド点でのボンディングの後に可変倍率回路51から出力される直流電圧値は、基準値のゼロとなる。従って、制御部60は、ボンド点に対する可変倍率回路51から出力される直流電圧値に基づいて、何番目のボンド点でワイヤ16の切断が発生したかを検出することができる。
図9(b)は、半導体デバイス18の各層にワイヤ16をボンディングする際に、先にボンディングしたボンド点が後のボンディングの際に剥がれた場合の可変倍率回路51から出力される直流電圧値の変化を示す。図9(b)に示すように、先のボンド点のボンディングが剥がれた場合には、ボンディング後の可変倍率回路51から出力される直流電圧値が段階的に上昇した後で、ボンディング剥離によるインピーダンスの変化分だけ段階的に小さくなる。すなわち、図9(b)では、ボンディング剥離によってワイヤ16と半導体ダイ18cとの導通がなくなり、この間のインピーダンスZp3が無くなるため、電圧差ΔV3だけ電圧が低下する。従って、制御部60は、ボンド点に対する可変倍率回路51から出力される直流電圧値に基づいて、ボンディングの剥離が発生したことを検出することができる。
図10(b)は、テールワイヤの延出不良が発生した場合の可変倍率回路51から出力される直流電圧値の変化を示す。図10(a)に示すように、正常にテールワイヤが延出されている場合には、第5ボンド点をボンディング後でキャピラリ12がテールワイヤ延出位置にある場合の直流電圧値は高い状態になっている。しかし、図10(b)に示すようにテールワイヤの延出不良が発生した場合、キャピラリ12がテールワイヤ延出位置にある場合に、直流電圧値がゼロとなっている。従って、制御部60は、キャピラリ12がテールワイヤ延出位置に来た際に直流電圧値がゼロになった場合には、テールワイヤ延出不良が発生したと判定することができる。
図11(b)は、ワイヤ16と基板17の電極との接続不良が発生した場合に可変倍率回路51から出力される直流電圧値の変化を示す。図11(a)に示すように、正常にボンディングが行われた場合には、基板17の第5ボンド点へのボンディング後のテールワイヤの切断の後に直流電圧値はゼロになる。一方、図11(b)に示すように、基板17の第5ボンド点にボンディング後、第5ボンド点のボンディングが剥がれ、その後にワイヤ16が切断された場合には、直流電圧値は、第5ボンド点へのボンディングの後、インピーダンスの変化分だけ段階的に小さくなり、その後、ワイヤ16が切断された際にゼロとなる。このように、制御部60は、ボンド点に対する可変倍率回路51から出力される直流電圧値に基づいて、基板17への接続不良を検出することができる。
<他の実施形態の接続状態判定装置>
次に図12を参照しながら他の実施形態の接続状態判定装置200について説明する。図1から図11を参照して説明した接続状態判定装置100と同様の部位には同様の符号を付して説明は省略する。
図12に示す接続状態判定装置200は、可変倍率回路51と制御部60との間にレベルシフト回路52を接続したものである。レベルシフト回路52は、可変倍率回路51が出力する直流電圧値を負側にシフトし、シフト後の直流電圧値を制御部60に出力する回路である。
図13、図14は、接続状態判定装置200の動作を示すフローチャートである。先に説明した接続状態判定装置100と同一の動作には、同一のステップ番号を付して説明は省略する。接続状態判定装置200は、図13のステップS205、図14のステップS215でYESと判断した場合には、図13のステップS211、図14のステップS221でレベルシフトの要否を判定し、YESの場合、図13のステップS212、図14のステップS222でレベルシフトを実行する。
図15を参照しながら、レベルシフト回路52の動作について説明する。図13(a)の実線aに示すように、ワイヤ16の半導体デバイス18への接続によるインピーダンスの変化が小さく交直変換回路40から出力された直流電圧値V10が第1閾値Vs未満の場合、可変倍率回路51の増幅倍率が1のままでは、基準電位と可変倍率回路51から出力される直流電圧との電圧差ΔV10が第1閾値Vs未満となる。
このため、制御部60は、電圧差ΔV10が所定の第1閾値Vs未満で図13のステップS205でNOと判断した場合、図13のステップS206において、当初1に設定されていた可変倍率回路51の増幅倍率を、所定値ずつ上げる。これにより、図13(b)の破線bに示すように、可変倍率回路51から出力される直流電圧値は電圧値V10から電圧値V11に大きくなり、基準電位と可変倍率回路51から出力される直流電圧値V11との差は第1閾値Vs以上となる。この場合、制御部60は図13のステップS205でYESと判断して、図13のステップS210で接続良好信号出力する。
しかし、先に説明したように、半導体デバイス18に連続してボンディングしていくと、交直変換回路40、可変倍率回路51の出力電圧は図15(a)の実線a、図15(b)の破線bのように、ボンディング毎に段階的に大きくなっていく。そして、可変倍率回路51の増幅倍率が大きい場合、図15(b)の破線bに示すように、可変倍率回路51の出力電圧が制御部60のCPUの電圧検出範囲の上限Vmを超える場合がある。この場合、制御部60は、可変倍率回路51からの直流電圧値を検出できなくなってしまう。
そこで、制御部60は、レベルシフト回路52を動作させて、図15(b)の実線cに示すように、可変倍率回路51から出力される直流電圧値を負側にシフトする。例えば、図15(b)に示すように、第1ボンド点へのボンディング後に可変倍率回路51から出力された直流電圧値V11だけ電圧をシフトしてゼロの電圧値を制御部60に出力する。制御部60は、図14のステップS213でシフト後の電圧、すなわち電圧ゼロを第1ボンド点の電位として記録する。
図14のステップS214でワイヤ16が第2ボンド点に接地すると、可変倍率回路51は、図15(b)の破線bに示すように、制御部60の検出範囲の上限Vmを超える直流電圧値V21が出力されるが、この電圧はレベルシフト回路52によって負側にV11だけシフトされ、図15(b)に示すように、V22の電圧値が制御部60に出力される。この電圧が第2ボンド点の電位になる。制御部60は、第2ボンド点の電位V22と先にメモリに記録したレベルシフト後の第1ボンド点の電位(ゼロ)とから第1差分を算出し、図14のステップS215で接続の良否の判定を行う。
このように、レベルシフト回路52は、検出感度を上げても制御部60に入力される直流電圧値が制御部60のCPUの電圧検出範囲内となるようにするので、接続状態判定装置200によって高精度、高感度でワイヤ16と半導体デバイス18との接続状態の判定を行うことができる。
なお、以上の説明では、ボンディング毎にレベルシフトを行うこととして説明したが、これに限らず、可変倍率回路51の増幅倍率の設定によっては、1回のボンディングでは可変倍率回路51から制御部60に入力される直流電圧値が制御部60のCPUの電圧検出範囲を超えず、例えば、数回のボンディングを連続して行うと直流電圧値がCPUの電圧検出範囲を超える場合がある。この場合には、数回のボンディング毎のその際の直流電圧値をゼロにシフトするようにしてもよい。
参考例の接続状態判定装置>
次に、図16を参照しながら本発明の参考例の接続状態判定装置300について説明する。先に図1から図11を参照して説明した接続状態判定装置100と同様の部分については、同様の符号を付して説明は省略する。
図16に示す接続状態判定装置300は、図1に示す接続状態判定装置100から可変倍率回路51を外し、制御部60がボンディング前後に交直変換回路40から出力される直流電圧値の第2差分を算出し、第2差分が所定の第2閾値以上の場合には接続良好信号を出力し、第2差分が所定の第2閾値未満の場合には接続不良信号を出力するようにしたものである。また、動作は図4、図5を参照して説明した接続状態判定装置100の動作の内、ステップS206からステップS207、ステップS216からステップS217を実行せず、ステップS205、ステップS215でNOと判断したら接続不良発生としてワイヤボンディング装置10を停止させるものである。
参考例は、簡便な構成で、低インピーダンスデバイス或いはスタックデバイスとワイヤとの接続状態を判定できる。
10 ワイヤボンディング装置、11 ボンディングステージ、12 キャピラリ、13 クランパ、14 テンショナ、15 スプール、16 ワイヤ、16a フリーエアボール、16b 圧着ボール、17 基板、18 半導体デバイス、18a~18d 半導体ダイ、20 ブリッジ回路、21a~21c 抵抗器、22 可変抵抗器、23 可変容量コンデンサ、24 可変インピーダンス器、25,26 電源端子、27,28 出力端子、29 グランド、30 交流電源、31 バッファ、32 プリアンプ、40 交直変換回路、41 バンドパスフィルタ、42 全波整流器、43 ローパスフィルタ、51 可変倍率回路、52 レベルシフト回路、60 制御部、100,200,300 接続状態判定装置。

Claims (8)

  1. ボンディング対象物にワイヤをボンディングするワイヤボンディング装置に接続されて前記ワイヤと前記ボンディング対象物との接続状態の判定を行う接続状態判定装置であって、
    所定周波数の正弦波の交流電流が入力され、前記ワイヤと前記ボンディング対象物との間のインピーダンスの変化に応じて交流応答信号を出力するブリッジ回路と、
    前記交流応答信号を直流電圧値に変換する交直変換回路と、
    前記交直変換回路から出力される前記直流電圧値を増幅する可変倍率回路と、
    前記可変倍率回路に接続される制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    ボンディング前後に前記可変倍率回路から出力される前記直流電圧値の第1差分を算出し、前記第1差分が所定の第1閾値以上の場合には接続良好信号を出力し、
    前記第1差分が所定の第1閾値未満の場合に、前記可変倍率回路の増幅倍率を所定値だけ上げる動作を繰り返し実行し、前記増幅倍率が最大増幅倍率に達した場合に接続不良信号を出力すること、
    を特徴とする接続状態判定装置。
  2. 請求項1に記載の接続状態判定装置であって、
    前記ワイヤボンディング装置は、前記ボンディング対象物に前記ワイヤを複数回ボンディングし、
    前記可変倍率回路は、前記ボンディング対象物に対する前記ワイヤの接続箇所数の増減による前記ボンディング対象物と前記ワイヤとの間のインピーダンスの変化に応じて前記直流電圧値を出力すること、
    を特徴とする接続状態判定装置。
  3. 請求項2に記載の接続状態判定装置であって、
    前記ボンディング対象物に対する前記ワイヤの接続箇所数が増加する毎に前記可変倍率回路が出力する前記直流電圧値が段階的に大きくなり、
    前記ボンディング対象物に対する前記ワイヤの接続箇所数が減少する毎に前記可変倍率回路が出力する前記直流電圧値が段階的に小さくなること、
    を特徴とする接続状態判定装置。
  4. 請求項2または3に記載の接続状態判定装置であって、
    前記可変倍率回路と前記制御部との間に接続され、前記可変倍率回路が出力する前記直流電圧値を負側にシフトし、シフト後の前記直流電圧値を前記制御部に出力するレベルシフト回路を含み、
    前記制御部は、
    前記第1差分が所定の第1閾値以上の場合に、1又は複数回のボンディング毎に、前記レベルシフト回路によって前記可変倍率回路が出力する前記直流電圧値を負側にシフトすること、
    を特徴とする接続状態判定装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の接続状態判定装置であって、
    前記交直変換回路は、
    前記ブリッジ回路に入力される前記交流電流の前記正弦波の所定の周波数と同一周波数を中心周波数とし、前記ブリッジ回路から出力される前記交流応答信号が入力されるバンドパスフィルタと、
    前記バンドパスフィルタを通過した前記交流応答信号を全波整流する全波整流器と、
    全波整流後の前記交流応答信号の直流成分を抽出するローパスフィルタと、
    によって構成されること、
    を特徴とする接続状態判定装置。
  6. ボンディング対象物にワイヤをボンディングするワイヤボンディング装置において、前記ワイヤと前記ボンディング対象物との接続状態の判定を行う接続状態判定方法であって、
    所定周波数の正弦波の交流電流が入力され、前記ワイヤと前記ボンディング対象物との間のインピーダンスの変化に応じて交流応答信号を出力するブリッジ回路と、前記交流応答信号を直流電圧値に変換する交直変換回路と、前記交直変換回路から出力される前記直流電圧値を増幅して出力する可変倍率回路と、を備える接続状態判定装置を準備し、
    ボンディング前後に前記可変倍率回路から出力される前記直流電圧値の第1差分を算出し、
    前記第1差分が所定の第1閾値以上の場合に接続良好と判定し、
    前記第1差分が所定の第1閾値未満の場合に前記可変倍率回路の増幅倍率を所定値だけ上げる動作を繰り返し実行し、前記増幅倍率が最大増幅倍率に達した場合に接続不良と判定すること、
    を特徴とする接続状態判定方法。
  7. ボンディング対象物にワイヤを複数回ボンディングするワイヤボンディング装置において、前記ワイヤと前記ボンディング対象物との接続状態の判定を行う接続状態判定方法であって、
    所定周波数の正弦波の交流電流が入力され、前記ボンディング対象物に対する前記ワイヤの接続箇所数の増減による前記ボンディング対象物と前記ワイヤとの間のインピーダンスの変化に応じて交流応答信号を出力するブリッジ回路と、前記交流応答信号を直流電圧値に変換する交直変換回路と、前記交直変換回路から出力される前記直流電圧値を増幅して出力する可変倍率回路と、を備える接続状態判定装置を準備し、
    (1)ボンディング前後に前記可変倍率回路から出力される前記直流電圧値の第1差分を算出し、
    (2)前記第1差分が所定の第1閾値以上の場合に接続良好と判定し、
    (3)前記第1差分が所定の第1閾値未満の場合に前記可変倍率回路の増幅倍率を所定値だけ上げる動作を繰り返し実行し、前記増幅倍率が最大増幅倍率に達した場合に接続不良と判定し、
    前記(1)から前記(3)の動作をボンディング毎に繰り返して行うこと、
    を特徴とする接続状態判定方法。
  8. 請求項7に記載の接続状態判定方法であって、
    1又は複数回のボンディング毎に、前記(2)で接続良好と判定した場合に前記可変倍率回路が出力する前記直流電圧値を負側にシフトすること、
    を特徴とする接続状態判定方法
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