JP7121424B2 - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリエステル樹脂組成物に関する。
多価カルボン酸とポリオールの重合物であるポリエステル樹脂は、優れた透明性、機械的強度、耐候性、柔軟性を有するためポリエステル樹脂を様々な材料と組み合わせて複合材料とすることによって、種々の機能の付与や高性能化が実現されている。
また、近年、環境負荷低減のため、グリーンな補強用の繊維材料として、天然に存在する成分であるセルロース繊維が注目されている。
例えば、特許文献1には、ポリエステル系の合成樹脂エマルジョンと、平均繊維径200nm以下のセルロース繊維とを配合することにより、樹脂組成物を複合化させること、及びその複合化させた樹脂組成物から、高い強度を有する乾燥皮膜が形成できることが、開示されている。
特開2009-197122号公報
しかしながら、このような樹脂エマルジョンとセルロースナノファイバーとを複合化しようとしても、これらを均一に混合させることが困難であり、樹脂組成物が不均一な状態になりやすいため、成形品の透明性が損なわれやすい。また、その成形品は、期待されるほどの高い機械的強度を確保することができないという問題があった。
本発明の目的は、ポリエステル樹脂とセルロースナノファイバーとを含有するにもかかわらず、セルロースナノファイバーの分散性に優れ、その成形品が高い透明性、及び耐熱性を確保できるとともに、高い機械的強度を有することができるポリエステル樹脂組成物を提供することである。
本発明に係るポリエステル樹脂組成物は、水溶性ポリエステル樹脂と、セルロースナノファイバーとを含有することを特徴とする。
本発明に係るポリエステル樹脂組成物は、水溶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度が、-60~110℃の範囲内であることが好ましい。
本発明に係るポリエステル樹脂組成物は、水溶性ポリエステル樹脂が、多価カルボン酸の残基を有し、多価カルボン酸の残基が、金属スルホネート基含有多価カルボン酸の残基を有することが好ましい。
本発明に係るポリエステル樹脂組成物は、多価カルボン酸の残基全体に対する前記金属スルホネート基含有多価カルボン酸の残基の量が、1~30mol%の範囲内であることが好ましい。
本発明に係るポリエステル樹脂組成物は、セルロースナノファイバーは、カルボキシル基を0.5~2.0mmol/gの範囲内の割合で有することが好ましい。
本発明に係るポリエステル樹脂組成物は、水溶性ポリエステル樹脂に対するセルロースナノファイバーの量が、0.1~50質量%の範囲内であることが好ましい。
本発明によれば、ポリエステル樹脂とセルロースナノファイバーとを含有するにもかかわらず、セルロースナノファイバーの分散性に優れ、その成形品が高い透明性、及び耐熱性を確保できるとともに、高い機械的強度を有することができるポリエステル樹脂組成物が得られる。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態に係るポリエステル樹脂組成物は、水溶性ポリエステル樹脂(A)と、セルロースナノファイバー(B)とを含有する。このため、ポリエステル樹脂組成物中のセルロースナノファイバー(B)の分散性に優れ、そのためポリエステル樹脂組成物から作製される成形品は優れた透明性及び耐熱性と、高い機械的強度とを有することができる。
まず、水溶性ポリエステル樹脂(A)について具体的に説明する。
[水溶性ポリエステル樹脂(A)]
水溶性ポリエステル樹脂(A)は、多価カルボン酸の残基とポリオールの残基とを有する。水溶性ポリエステル樹脂(A)は、例えば多価カルボン酸成分(a)とポリオール成分(b)とを含むモノマー成分の重合生成物である。
なお、水溶性ポリエステル樹脂(A)が水溶性を有することは、技術常識に基づいて判断される。水溶性ポリエステル樹脂(A)は、特に次の(1)から(5)のうち少なくとも一つを満たすことが好ましい。(1)水溶性ポリエステル樹脂(A)のみから形成される厚み20μmの薄膜の表面全体に常温の水を0.005MPaの噴霧圧で20分間噴霧すると、この薄膜が全て水に溶解する。(2)水溶性ポリエステル樹脂(A)から形成される厚み20μmの薄膜の表面全体に50℃の水を0.005MPaの噴霧圧で10分間噴霧すると、この薄膜が全て水に溶解する。(3)水溶性ポリエステル樹脂(A)と常温の水を1:5の質量比で混合し、得られた液に超音波を20分間照射すると、水溶性ポリエステル樹脂(A)が水に全て溶解する。(4)水溶性ポリエステル樹脂(A)と50℃の水を1:5の質量比で混合し、得られた液に超音波を10分間照射すると、水溶性ポリエステル樹脂(A)が水に全て溶解する。(5)水溶性ポリエステル樹脂(A)と水系溶媒を1:5の質量比で混合し、得られた液を90℃で1時間撹拌すると、水溶性ポリエステル樹脂(A)が溶媒に全て溶解する。なお、水系溶媒とは水、又は水と親水性溶媒との混合溶媒である。親水性溶媒は、水と混ざり合う公知の溶媒であればよい。
水溶性ポリエステル樹脂(A)が水溶性を有するためには、水溶性ポリエステル樹脂(A)は水溶性付与基を有することが好ましい。水溶性付与基はイオン性の極性基を有する基である。極性基は、中和されていてもよい。水溶性付与基は、例えば多価カルボン酸の残基とポリオールの残基とのうち、少なくとも一方に含まれている。
水溶性ポリエステル樹脂(A)を構成する成分について、具体的に説明する。
(多価カルボン酸の残基)
多価カルボン酸の残基は、多価カルボン酸成分(a)に由来する。多価カルボン酸成分(a)は、多価カルボン酸と多価カルボン酸のエステル形成性誘導体とのうち少なくとも一方を含む。多価カルボン酸のエステル形成性誘導体とは、多価カルボン酸から誘導された化合物であり、カルボキシル基由来のエステル形成性誘導基を有する。カルボキシル基由来のエステル形成性誘導基は、ヒドロキシル基と反応してエステルを形成できる基であり、例えばカルボキシル基を無水化した基、カルボキシル基をエステル化した基、及びカルボキシル基をハロゲン化した基からなる群から選択される少なくとも一種の基を含む。
多価カルボン酸成分(a)は、カルボキシル基以外に、反応性の官能基を備えないことが好ましい。特に、多価カルボン酸は、エチレン性不飽和結合、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基、ニトロ基、カルボニル基、エポキシ基、及びシアノ基のうちいずれも備えないことが好ましい。なお、水溶性付与基が有するイオン性の極性基は、ここでいう反応性の官能基からは除かれる。
多価カルボン酸は、例えば芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジカルボン酸とのうち少なくとも一方を含む。芳香族ジカルボン酸は、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジフェン酸、ナフタル酸、1,2-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸及び2,6-ナフタレンジカルボン酸からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含む。脂肪族ジカルボン酸は、直鎖状、分岐鎖状及び脂環式のうちいずれでもよい。脂肪族ジカルボン酸は、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、グルタール酸、アジピン酸、ピメリン酸、2,2-ジメチルグルタール酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、ジグリコール酸、及びチオジプロピオン酸からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含む。
多価カルボン酸は、金属スルホネート基含有多価カルボン酸を含むことが好ましい。すなわち、多価カルボン酸の残基は、金属スルホネート基含有多価カルボン酸の残基を含むことが好ましい。金属スルホネート基含有多価カルボン酸の残基は、水溶性付与基であり、極性基として金属スルホネート基を有する。この場合、水溶性ポリエステル樹脂(A)に、優れた水溶性を付与することができる。
金属スルホネート基含有多価カルボン酸は、5-スルホイソフタル酸のアルカリ金属塩、2-スルホイソフタル酸のアルカリ金属塩、4-スルホイソフタル酸のアルカリ金属塩、スルホテレフタル酸のアルカリ金属塩、及び4-スルホナフタレン-2,6-ジカルボン酸のアルカリ金属塩からなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含むことが好ましい。この場合、水溶性ポリエステル樹脂(A)に特に優れた水溶性を付与することができ、この水溶性ポリエステル樹脂(A)を含有するポリエステル樹脂組成物から作製される製品が更に高い透明性を達成できる。金属スルホネート基含有多価カルボン酸における金属は、ナトリウム、カリウム、又はリチウムであることがより好ましい。
多価カルボン酸の残基全体に対する金属スルホネート基含有多価カルボン酸の残基の量は、1~30mol%の範囲内であることが好ましい。金属スルホネート基含有多価カルボン酸の残基の量がこの範囲内であると、ポリエステル樹脂組成物から作製される製品に、高い耐熱性、及び更に高い機械的強度を付与することができる。多価カルボン酸の残基に対する金属スルホネート基含有多価カルボン酸の残基の量は、5~20mol%の範囲内であればより好ましい。
多価カルボン酸は、三価以上の多価カルボン酸を含有してもよい。すなわち、多価カルボン酸の残基は、三価以上の多価カルボン酸の残基を有していてもよい。三価以上の多価カルボン酸の残基は、水溶性付与基であり、極性基として未反応のカルボキシル基を有す
る。この場合、水溶性ポリエステル樹脂(A)は高い水溶性を有することができる。三価以上の多価カルボン酸は、例えばヘミメリット酸、トリメリット酸、トリメジン酸、メロファン酸、ピロメリット酸、ベンゼンペンタカルボン酸、メリット酸、シクロプロパン-1,2,3-トリカルボン酸、シクロペンタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸、及びエタンテトラカルボン酸からなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含む。
(ポリオールの残基)
ポリオールの残基は、ポリオール成分(b)に由来する。ポリオール成分(b)は、ポリオールとポリオールのエステル形成性誘導体とのうち少なくとも一方を含む。ポリオールのエステル形成性誘導体とは、ポリオールから誘導された化合物であり、ヒドロキシル基由来のエステル形成性誘導基を有する。ヒドロキシル基由来のエステル形成性誘導基は、カルボキシル基と反応してエステルを形成できる基であり、例えばヒドロキシル基をアセテート化した基を含む。
ポリオール成分(b)は、ヒドロキシル基以外には、反応性の官能基を備えないことが好ましい。特に上述の多価カルボン酸とポリオールとが、共に反応性の官能基を備えないことが好ましい。これらの場合、水溶性ポリエステル樹脂(A)の反応性の官能基の量が低減し、又は水溶性ポリエステル樹脂(A)が反応性を備えなくなる。そうすると、水溶性ポリエステル樹脂(A)の反応性が低減し、このため、水溶性ポリエステル樹脂(A)が加熱されても水溶性ポリエステル樹脂(A)の水溶性が低下しにくくなる。なお、水溶性付与基が有するイオン性の極性基は、反応性の官能基には含まれない。特に、ポリオールは、エチレン性不飽和結合、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基、ニトロ基、カルボニル基、エポキシ基、及びシアノ基のうちいずれも備えないことが好ましい。
ポリオールは、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-イソブチル-1,3-プロパンジオール、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、4,4’-ジヒドロキシビフェノール、4,4’-メチレンジフェノール、1,5-ジヒドロキシナフタリン、2,5-ジヒドロキシナフタリン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、及びビスフェノールSからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含む。ポリエチレングリコールは、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、ヘプタエチレングリコール、及びオクタエチレングリコールからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含む。ポリプロピレングリコールは、例えばジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、及びテトラプロピレングリコールからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含む。
ポリオール成分(b)は、特にエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、プロピレングリコール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、及び1,4-シクロヘキサンジメタノールからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含むことが好ましい。
多価カルボン酸成分(a)とポリオール成分(b)との割合は、多価カルボン酸成分(a)に含まれるカルボキシル基及びそのエステル形成性誘導基の総数と、ポリオール成分(b)に含まれるヒドロキシル基及びそのエステル形成性誘導基の総数とが、モル比で1
:1~1:2.5の範囲となるように調整されることが好ましい。なお、この場合、水溶性付与成分である三価以上の多価カルボン酸類は、ジカルボン酸とみなして割合が算出される。
水溶性ポリエステル樹脂(A)を合成するにあたり、モノマー成分は反応性リン含有化合物(c)を含んでいてもよい。すなわち、水溶性ポリエステル樹脂(A)は、反応性リン含有化合物(c)の残基を有していてもよい。この場合、水溶性ポリエステル樹脂(A)は、優れた難燃性を有することができる。
反応性リン含有化合物(c)は、上記多価カルボン酸成分(a)及びポリオール成分(b)のうち少なくとも一方と反応して縮合、又は重縮合することができる。具体的には、反応性リン含有化合物(c)は、分子中にエステル形成性官能基を有することが好ましい。なお、エステル形成性官能基は、カルボキシル基、カルボキシル基のエステル形成性誘導基、ヒドロキシル基、及びヒドロキシル基のエステル形成性誘導基からなる群から選択される少なくとも一種の基である。反応性リン化合物(c)は、例えば下記式(e)で示される化合物を含有する。
Figure 0007121424000001
水溶性ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、-60~110℃の範囲内であることが好ましい。この場合、ポリエステル樹脂組成物から形成される成形品が、高い柔軟性を有しうる。水溶性ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度は、-40~80℃の範囲内であればより好ましく、-20~40℃の範囲内であれば更に好ましい。
水溶性ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量は、3000~50000の範囲内であることが好ましい。この範囲内であれば、水溶性ポリエステル樹脂(A)は、高い機械的強度を有し、水溶性が十分に高くなり、優れた溶液安定性を維持することができる。なお、溶液安定性とは、経時的な溶液の変化が少ないことであり、水溶性ポリエステル樹脂(A)が析出したりせず、長期間安定的に保存できることである。この水溶性ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量は、5000~30000の範囲内であることが更に好ましい。なお、水溶性ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(ポリスチレン換算)による測定結果から導出される。
水溶性ポリエステル樹脂(A)の水溶性の程度は、水溶性ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量と、水溶性ポリエステル樹脂(A)を製造するために用いられる水溶性成分の割合とが、バランスよく設定されることで、調整される。すなわち、水溶性ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量と、水溶性ポリエステル樹脂(A)を製造するために用いられる水溶性付与成分の割合とが、適宜設定されることが好ましい。
[水溶性ポリエステル樹脂の製造方法]
水溶性ポリエステル樹脂(A)は、公知のポリエステル製造方法により、多価カルボン酸成分(a)及びポリオール成分(b)を含有するモノマー成分を重合させることによって生成される。
例えば、多価カルボン酸成分(a)が多価カルボン酸であり、かつポリオール成分(b)がポリオールである場合には、この多価カルボン酸とポリオールとを一段階の反応で反応させる直接エステル化反応が採用される。
また、例えば多価カルボン酸成分(a)が多価カルボン酸のエステル形成性誘導体であり、かつポリオール成分(b)がポリオールである場合には、多価カルボン酸のエステル形成性誘導体とポリオールとのエステル交換反応である第一段反応と、第一段反応による反応生成物が重縮合する第二段反応とを経て、水溶性ポリエステル樹脂(A)が製造されてもよい。
第一段反応と第二段反応とを経る水溶性ポリエステル樹脂(A)の製造方法について、更に具体的に説明する。第一段反応であるエステル交換反応においては、反応系中に水溶性ポリエステル樹脂(A)の製造に供される全ての原料が最初から含有されていてよい。例えば、ジカルボン酸ジエステルとポリオールとが反応容器に保持された状態で、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下、常圧条件下で、150~260℃まで徐々に昇温加熱されることでエステル交換反応が進行する。
第二段反応である重縮合反応は、例えば、6.7hPa(5mmHg)以下の減圧下、160~280℃の温度範囲内で進行する。
この第一段反応、及び第二段反応において、任意の時期に反応系中に触媒として、従来公知のチタン、アンチモン、鉛、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、マンガン、アルカリ金属化合物等が添加されてもよい。
さらに、水溶性付与成分として三価以上の多価カルボン酸が用いられる場合には、上記のようにして得られた水溶性ポリエステル樹脂を、アルカリ金属化合物等の塩基性化合物で中和することが好ましい。
[セルロースナノファイバー(B)]
次に、セルロースナノファイバー(B)について、具体的に説明する。
なお、以下においてナノファイバーとは、直径が1nm~1000nm(1μm)の範囲内である繊維状物質のことを意味する。特に、本実施形態に係るセルロースナノファイバー(B)の数平均繊維径は、2~150nmの範囲内であることが好ましく、2~100nmの範囲内であることがより好ましい。また、セルロースナノファイバー(B)の最大繊維径は、1000nm以下であることが好ましく、500nm以下であることがより好ましい。セルロースナノファイバー(B)の数平均繊維径、及び最大繊維径は、例えば次のようにして測定することができる。固形分率で0.05~0.10質量%のセルロースナノファイバー(B)の分散体を調製し、その分散体を、親水化処理済みのカーボン膜皮膜グリッド上にキャストして、透過型電子顕微鏡(TEM)の観察用試料とする。なお、大きな繊維径の繊維を含む場合には、ガラスキャストした表面の走査型電子顕微鏡(SEM)像を観察してもよい。そして、構成する繊維の大きさに応じて5000倍、10000倍、あるいは50000倍のいずれかの倍率で電子顕微鏡画像による観察を行う。その際に、得られた画像内に縦横任意の画像幅の軸を想定し、その軸に対して、20本以上の繊維が交差するように、試料及び観察条件(倍率等)を調節する。そしてこの条件を満たす観察画像を得た後、この画像に対し、1枚の画像あたり縦横2本ずつの無作為な軸を
引き、軸に交錯する繊維の繊維径を目視で読み取る。このようにして最低3枚の重複しない表面部分の画像を、電子顕微鏡で撮影し、各々2つの軸に交錯する繊維の繊維径の値を読み取る(したがって、最低20本×2×3=120本の繊維径の情報が得られる)。このようにして得られた繊維径の結果から、数平均繊維径、及び最大繊維径を算出できる。
セルロースナノファイバー(B)は、天然セルロースを機械的に解繊させることによって得ることができる。また、天然セルロースに化学的処理を施して化学的に解繊させることによっても得ることができる。なお、天然セルロースは、植物、動物、バクテリア産生ゲル等のセルロースの生合成系から単離したセルロースを含む。天然セルロースの例としては、針葉樹系パルプ、広葉樹系パルプ、綿系パルプ、バクテリアセルロース、ホヤから単離されるセルロース、海藻から単離されるセルロース等が挙げられる。
機械的な解繊によって、天然セルロースからセルロースナノファイバー(B)を製造するためには、公知の方法を採用できる。具体的には、例えば天然セルロースに、高速回転下でホモミキサー処理、高圧ホモジナイザー処理、超高圧ホモジナイザー処理等をすることによって、セルロースナノファイバー(B)を得ることができる。
本実施形態に係るセルロースナノファイバー(B)は、化学的処理を施して解繊させたセルロースナノファイバーであることが好ましい。
化学的な解繊によって、天然セルロースからセルロースナノファイバー(B)を製造するためには、公知の方法を採用できる。化学的な解繊の方法は、例えば酸化反応工程(I)、及び分散工程(III)を含む。化学的な解繊の方法は、更に精製工程(II)を含んでもよい。酸化反応工程(I)では、水に添加した原料の天然セルロースに、N-オキシル化合物と共酸化剤とを作用させることにより、その天然セルロース分子中の各グルコースユニットのC6位の水酸基が酸化変性され、カルボキシル基等を有する反応物セルロース(酸化セルロースともいう)を得る。精製工程(II)では、酸化反応工程(I)で生成した不純物等を酸化セルロースから除去して、水を含浸させた酸化セルロースを得る。分散工程(III)では、水を含浸させた酸化セルロースを水系の溶媒等に更に分散させる。これにより、セルロースナノファイバー(B)が、水系の溶媒に分散したセルロースナノファイバー(B)の分散体を得ることができる。以下、各工程について説明する。
(I)酸化反応工程
まず、溶媒中に天然セルロースを分散させるとともに天然セルロースを溶媒で十分に膨潤させることで、分散液を調製する。溶媒は、水であることが好ましい。分散液中の天然セルロース濃度は、天然セルロースの十分な拡散が可能な濃度であれば任意である。なお、分散液中で天然セルロースを溶媒で十分に膨潤させた後、分散液中に含まれる金属イオン、並びに天然セルロースの繊維内部、及び表面に付着する金属イオンを除去するために例えば、塩酸等による酸洗浄を行うことも好ましい。
次に、分散液に、酸化触媒としてN-オキシル化合物を添加する。N-オキシル化合物としては、例えば一般に酸化触媒として用いられるニトロキシラジカルを有する化合物が挙げられる。N-オキシル化合物は、水溶性の化合物であることが好ましく、なかでもピペリジンニトロキシオキシラジカルが好ましい。N-オキシル化合物は、2,2,6,6-テトラメチルピペリジノオキシラジカル(TEMPO)、又は4-アセトアミド-2,2,6,6-テトラメチルピペリジノオキシラジカル(4-アセトアミド-TEMPO)であることが好ましい。N-オキシル化合物の添加量は、触媒量で十分であるが、好ましくは0.1~4mmol/l、更に好ましくは0.2~2mmol/lの範囲内である。
続いて、分散液に、共酸化剤を添加することで、反応を開始させることができる。共酸
化剤は、例えば次亜ハロゲン酸、その塩、亜ハロゲン酸、その塩、過ハロゲン酸、その塩、過酸化水素、並びに過有機酸からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。共酸化剤は、アルカリ金属次亜ハロゲン酸塩を含むことが好ましい。アルカリ金属次亜ハロゲン酸塩の例は、次亜塩素酸ナトリウム、及び次亜臭素酸ナトリウムを含む。なお、共酸化剤とは、直接的にセルロースのヒドロキシル基を酸化する物質ではなく、酸化触媒として用いられるN-オキシル化合物を酸化する物質のことである。
また、共酸化剤として、次亜塩素酸ナトリウムを用いる場合には、臭化ナトリウム等の臭化アルカリ金属の存在下で用いることが好ましい。この場合、天然セルロースの酸化反応における反応速度が向上するため、反応効率を向上させることができる。臭化アルカリ金属の添加量は、N-オキシル化合物に対して約1~40倍モル量であることが好ましく、より好ましくは約10~20倍モル量である。
共酸化剤の添加後、すなわち反応開始後、分散液のpHは約8~11の範囲内に維持することが好ましい。なお、反応開始後、酸化反応が進行するにしたがって、分散液のpHが低下する。そのため、例えば水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等のアルカリ金属水溶液を滴下して分散液を中和することにより、分散液のpHを約10~11に維持することが好ましい。分散液の温度は、約4~40℃において任意であるが、特にこれらの範囲に限られない。
分散液のpHの変化が見られなくなった時点で、酸化反応の終点とする。これにより、天然セルロース分子中の各グルコースユニットのC6位のヒドロキシル基が選択的に酸化変性され、カルボキシル基等を有する反応物セルロースが生成する。すなわち、これにより酸化セルロースを含む混合液が得られる。なお、得られる酸化セルロースは、既に述べたアルカリ金属水溶液による中和処理によって、セルロース上のカルボキシル基が、対応するアルカリ金属水溶液中のアルカリ金属に変換されたアルカリ金属塩の構造を有する。すなわち、上述の中和処理によって得られる酸化セルロースは、アルカリ金属中和型の酸化セルロースである。例えば、カルボキシル基が水酸化ナトリウム水溶液で中和された場合、その酸化セルロースは、ナトリウム中和型の酸化セルロースである。
なお、本実施形態に係るセルロースナノファイバー(B)を得るために必要なカルボキシル基の量は、天然セルロースの種類により異なる。また、カルボキシル基量が多い程、セルロースナノファイバーの最大繊維径、及び数平均繊維径は小さくなる。このため、天然セルロースの種類に応じて、共酸化剤の添加量と反応時間とによって酸化の程度を制御し、酸化条件を最適化することで目的とするカルボキシル基量を有するセルロースナノファイバー(B)を得ることができる。一般に、共酸化剤の添加量は、天然セルロース1gに対して約5~10mmolの範囲内であることが好ましく、反応は約5~120分の範囲内、長くとも240分以内に完了することが好ましい。
(I’)追還元工程
(I)酸化反応工程では、天然セルロース分子中のグルコースユニットのC6位の一部のヒドロキシル基がカルボキシル基に酸化される以外にも、セルロース分子中の一部のヒドロキシル基がアルデヒド基及びケトン基に酸化変性されることがあるため、酸化セルロース上に少量のアルデヒド基及びケトン基が生成する。そのため、本実施形態の方法は、上記(I)酸化反応工程の後、後述の(II)精製工程の前に、更に酸化セルロースを還元剤で処理することでアルデヒド基及びケトン基を還元する追還元工程を含むことが好ましい。これにより、アルデヒド基及びケトン基を還元してヒドロキシル基に変換できる。
具体的には、例えば酸化セルロースを水中に分散させて混合液を調製し、この混合液のpHを約10に調整した後、室温下、混合液に還元剤を添加して10分~10時間程度反
応させる。これにより、アルデヒド基及びケトン基を還元してヒドロキシル基に変換できる。
還元剤の例は、水素化ホウ素リチウム(LiBH4)、水素化ホウ素ナトリウム(Na
BH4)、水素化シアノホウ素ナトリウム(NaBH3CN)等のヒドリド還元剤を含む。
酸化セルロースに対する還元剤の量は、0.1~4質量%の範囲内であることが好ましく、1~3質量%の範囲内であることが更に好ましい。これにより、追還元された酸化セルロースを含む混合液が得られる。この混合液を、例えば蒸留水等で洗浄することで、不純物を除去し、得られる固形分を、更に蒸留水中に分散させることで酸化セルロースを含む混合液としてもよい。
なお、得られた追還元後の酸化セルロースに蒸留水を加え、酸化セルロースを含む混合液とし、更に1N塩酸を添加して、溶液のpHを約2に調整してから、例えば10~30℃で、1~3時間攪拌することにより、COOH(カルボン酸)型の酸化セルロースに変換することもできる。また、このCOOH型に変換された酸化セルロースを含む混合液に、公知の中和塩基(中和剤)を添加し、中和することにより、COOH型の酸化セルロースを例えばアルカリ金属中和型の酸化セルロース、あるいはアミン中和型の酸化セルロースへと変換してもよい。中和塩基(中和剤)は、例えば水酸化リチウム、トリエチルアミン、アンモニア水などを用いることができる。これにより、アルカリ金属中和型の酸化セルロースから他のアルカリ金属又はアミンへと、対カチオンが変換された酸化セルロースを含む混合液が得られる。対カチオンは、例えばリチウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、アンモニウムカチオンからなる群から選択される少なくとも一種である。
(II)精製工程
(I)酸化反応工程、又は(I’)追還元工程の後、酸化セルロースを含む混合液、又は酸化セルロースを含むケーキ状の生成物を精製してもよい。精製工程では、酸化セルロースから未反応の原料、副生成物等を除去して、酸化セルロースを精製することができる。このとき、例えば酸化セルロースを含む混合液に対して、水洗と濾過とを繰り返しおこなう。これにより、高純度(99質量%以上)の酸化セルロースが水中に分散した水分散液が、得られる。精製にあたり、連続式デカンター等の適宜の装置を使用してよい。このようにして得られる酸化セルロースを含む水分散液は、酸化セルロースの固形分濃度が約10~50質量%の範囲内であることが好ましい。この範囲内であれば、後述の分散工程(III)において、分散のために要するエネルギーが過剰になることを抑えることができる。
(III)分散工程
上記のような各工程で得られた酸化セルロースを含む混合液、酸化セルロースを含むケーキ状の生成物、又は酸化セルロースを含む水分散液を、水系の分散媒体中に、更に分散させるための分散処理を行うことで、セルロースナノファイバー(B)の分散体を得ることができる。
分散工程で使用する分散機としては、例えばホモミキサー、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー、超音波分散処理、ビーター、ディスク型レファイナー、コニカル型レファイナー、ダブルディスク型レファイナー、グラインダー等の、強力で叩解能力のある装置が挙げられる。分散機としては、例えばスクリュー型ミキサー、パドルミキサー、ディスパーミキサー、タービン型ミキサー等を用いてもよい。
なお、セルロースナノファイバー(B)の分散体を、乾燥させることによってセルロースナノファイバー(B)の乾燥体を得ることもできる。セルロースナノファイバー(B)
の分散体の乾燥法としては、公知の方法が採用でき、例えば分散媒体が水である場合には、スプレードライ、凍結乾燥法等が挙げられ、分散媒体が水と有機溶剤との混合溶媒である場合には、ドラムドライヤーによる乾燥法、スプレードライヤーによる噴霧乾燥法が挙げられる。
セルロースナノファイバー(B)は、カルボキシル基を、0.5~2.0mmol/gの範囲内の割合で含有することが好ましい。この場合、セルロースナノファイバーを水系溶剤に対して微細に分散することができ、ポリエステル樹脂と複合化した際に透明性の高い乾燥皮膜が得られやすい。セルロースナノファイバー(B)は、カルボキシル基を、1.0~2.0mmol/gの範囲内の割合で含有すれば、更に好ましい。なお、セルロースナノファイバー(B)のカルボキシル基の量は、次のようにして算出することができる。例えば、乾燥重量を精秤したセルロースナノファイバーを0.5~1質量%含むスラリーの試料溶液を60mL調製し、0.1Mの塩酸水溶液を添加することで、試料溶液のpHを約2.5とする。続いて、試料溶液に0.05Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴下しながら、電気伝導度測定する。試料溶液のpHが約11になるまで、測定を行い、電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(V)の値を得る。この水酸化ナトリウム量(V)の値から、下記の式(1)に基づいて、カルボキシル基量を算出することができる。
カルボキシル基量(mmol/g)=V(ml)×[0.05/セルロースの重量]・・・(1)
[ポリエステル樹脂組成物]
ポリエステル樹脂組成物は、上述の水溶性ポリエステル樹脂(A)と、セルロースナノファイバー(B)とを含有する。水溶性ポリエステル樹脂(A)が水溶性を有することで、セルロースナノファイバー(B)の優れた分散性を確保できる。このため、ポリエステル樹脂とセルロースナノファイバーとを含有するにもかかわらず、このポリエステル樹脂組成物から形成される成形品は、高い透明性、及び耐熱性を確保できるとともに、高い機械的強度を有することができる。
水溶性ポリエステル樹脂(A)に対するセルロースナノファイバー(B)の量は、0.1~50質量%の範囲内であることが好ましい。この場合、ポリエステル樹脂組成物から形成される成形品が、高い透明性、及び耐熱性を確保できるとともに、より高い機械的強度を有することができる。水溶性ポリエステル樹脂(A)に対するセルロースナノファイバー(B)の量は、1~10質量%の範囲内であればより好ましい。
ポリエステル樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、必要に応じて種々の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、架橋剤、帯電防止剤、防カビ剤、抗菌剤などがあげられる。
ポリエステル樹脂組成物は、例えば次のように製造できる。
まず、上述の水溶性ポリエステル樹脂(A)に、水系溶媒を添加することにより水溶性ポリエステル樹脂(A)の水系溶液を調製する。なお、水系溶媒とは水、又は水と親水性溶媒との混合溶媒である。親水性溶媒は、水と混ざり合う公知の溶媒であればよい。親水性溶媒の例は、メタノール、エタノール、2-プロパノール、プロピレングリコール等のアルコール;プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のグリコールエーテル;及びシクロヘキサノンを含む。
また、上述のセルロースナノファイバー(B)の水系分散体を調製する。セルロースナノファイバー(B)の分散体は、上述のセルロースナノファイバー(B)の製造方法にお
ける(III)分散工程で得られたセルロースナノファイバー(B)の分散体であってもよい。また、(III)分散工程後に乾燥させて得たセルロースナノファイバー(B)の乾燥体を、容器に入れ、そこに水系の溶媒を添加した後、例えばホモミキサーやホモジナイザーを用いて分散処理することによって、水系の溶媒中に分散させ、セルロースナノファイバー(B)の分散体を調製してもよい。
水溶性ポリエステル樹脂(A)の水系溶液、セルロースナノファイバー(B)の分散体、及び必要に応じて添加剤を混合して混合液を調製し、この混合液を混練することにより、ポリエステル樹脂組成物が得られる。混合液の混練には、公知の方法を採用することができ、例えばミキサー、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、三本ロールミル、ニーダー等の装置を用いて混練することができる。
ポリエステル樹脂組成物を、例えば基材上に塗布し、シート状に成形することで、透明性に優れるとともに高い機械的強度を有する成形品が得られる。このため、ポリエステル樹脂組成物は、例えばディスプレイ用の光学フィルムに好適に用いることができる。また、ポリエステル樹脂組成物は、紡績糸用のバインダー、カーペットや絨毯等の繊維用バッキング材、及び繊維強化プラスチック(FRP:Fiber-Reinforced Plastics)用集束剤にも好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例によって更に詳しく説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)ポリエステル樹脂(PES-1~PES-12)の合成
(1-1)水溶性ポリエステル樹脂(PES-1~PES-11)の合成
攪拌機、窒素ガス導入口、温度計、精留塔、及び冷却器を備えた容量1000mlの反応容器中に、触媒であるチタンテトラブトキシド、並びに表1中の「多価カルボン酸成分」、「ポリオール成分」の欄に示す成分を入れることで混合液を調製した。多価カルボン酸成分:ポリオール成分のモル比は、1:2である。この混合液を、常圧下、窒素雰囲気中で攪拌混合しながら、200℃まで加熱し、続いて4時間かけて250℃まで徐々に昇温することで、エステル交換反応を進行させた。
次に、この混合液を反応容器内で攪拌しながら、250℃の温度下で、常圧から0.67hPa(0.5mmHg)へ徐々に減圧してから、この状態で2時間攪拌することで、重縮合反応を進行させた。これにより、水溶性ポリエステル樹脂を得た。
得られた水溶性ポリエステル樹脂100質量部と、ブチルセロソルブ40質量部と、水260質量部とを混合し、これらを攪拌しながら80~90℃の温度で2時間加熱攪拌することで、濃度25質量%の水溶性ポリエステル樹脂の水系溶液を得た。
(1-2)非水溶性ポリエステル樹脂(PES-12)の合成
攪拌機、窒素ガス導入口、温度計、精留塔、及び冷却器を備えた容量1000mlの反応容器中に、触媒であるチタンテトラブトキシド、並びに表1中の「多価カルボン酸成分」、「ポリオール成分」の欄に示す成分を入れることで混合液を調製し、(1-1)と同様の条件でエステル交換反応、続いて重合反応を進行させることで、非水溶性ポリエステル樹脂を得た。
得られた非水溶性ポリエステル樹脂100質量部と、トルエン300質量部とを混合し、これらを攪拌しながら80~90℃の温度で2時間加熱攪拌することで、濃度25質量%の非水溶性ポリエステル樹脂の溶液を得た。
なお、表1中に記載の成分は下記の通りである。
・PEG1000:ポリエチレングリコール三洋化成工業株式会社製(数平均分子量約1000)。
Figure 0007121424000002
(2)セルロースナノファイバーの分散体の準備
(2-1)セルロースナノファイバー(TOC-1~TOC-8)の水系分散体の調製
針葉樹漂白クラフトパルプを水で十分に膨潤させた後、酸による洗浄を行うことで金属
イオンを除去した。
洗浄後の針葉樹漂白クラフトパルプ1g(固形分)、臭化ナトリウム0.1g、2,2,6,6-テトラメチルピペリジノオキシラジカル(TEMPO)0.0156g、及びイオン交換水100gをビーカーに入れた後、室温で30分間攪拌することでTEMPOを溶解させ、溶液を調製した。
続いて、溶液に次亜塩素酸ナトリウムを投入した。次亜塩素酸ナトリウムを投入した直後から、自動滴定装置(三菱化学株式会社製 「GT-100」)を用いて、0.5N水酸化ナトリウム水溶液を滴下することで、溶液のpHを約10に保持した。溶液のpHの低下が見られなくなった時点で酸化反応の終点とした。
続いて、溶液にエタノール0.1gを投入した後、水素化ホウ素ナトリウム0.1gを添加し、室温下で、3時間、溶液を攪拌することで、酸化セルロースの追還元を行った。
続いて、得られた混合液をグラスフィルターを用いて、十分に洗浄することで、不純物を除去することで、追還元された酸化セルロースを得た。
TOC-2~4及び7の合成においては、得られた追還元後の酸化セルロースに蒸留水を加え、酸化セルロースの混合液とし、更に1N塩酸を添加することで、溶液のpHを2に調整した。続いて、この混合液を2時間攪拌することでCOOH型の酸化セルロースに変換した後、表2~5中の「中和剤」に対応する中和塩基(中和剤)を用いて中和することにより、アルカリ金属中和型、及びアミン中和型の酸化セルロースを含む混合液を得た。表2~5中、「中和剤」の欄にLiと表記されている場合は、水酸化リチウム、Kと表記されている場合は、水酸化カリウム、NH3と記載されている場合は、アンモニア水を
それぞれ中和塩基として使用した。
続いて、酸化セルロースを含む混合液に蒸留水を添加することで、酸化セルロースを0.1質量%の割合で含有する水分散液を調製した。調製した水分散液をホモミキサー(PRIMIX社製 ホモミクサーMARKII)を用いて、更に分散させることにより、透明なセルロースナノファイバーの水系分散体を調製した。
水系分散体の分散状態の確認のために、分光光度計(株式会社島津製作所製 UV-1800)を用いて、0.1質量%の水系分散体の波長600nmにおける透過率を測定し、その結果、透過率が80%以上の場合に、セルロースナノファイバーが十分に分散していると判断した。また、セルロースナノファイバーが十分に分散していることは、2枚の直交する偏光板の間で水系分散体を振盪すると光の散乱が生じることによっても確認した。
各セルロースナノファイバーの一部を完全に乾燥させることによりセルロースナノファイバーの乾燥体を用意し、このセルロースナノファイバーの乾燥体0.5質量%のスラリーの試料溶液60mLに0.1Mの塩酸水溶液を添加することで、試料溶液のpHを約2.5とした。続いて、この試料溶液に0.05Mの水酸化ナトリウムを滴下することにより、電気伝導度測定を行い、滴下した水酸化ナトリウム溶液の量から算出したカルボキシル基量を、表2~5に記載した。
また、各セルロースナノファイバーのTEM像、及びSEM像から算出した数平均繊維径、及び最大繊維径について、表2~5に同様に記載した。
(2-2)レオクリスタC-2SPの水系分散体の準備
セルロースシングルナノファイバー(第一工業製薬株式会社製、品名レオクリスタC-2SP)に蒸留水を添加することで、酸化セルロース(カルボキシル基量1.64mmol/g、数平均繊維径3nm、最大繊維径50nm未満)を0.1質量%の割合で含有する水分散液を調製した。調製した水分散液をホモミキサー(PRIMIX社製 ホモミクサーMARKII)を用いて、更に分散させた。これにより、レオクリスタC-2SPの水系分散体を調整した。
(3)ポリエステル樹脂組成物の調製
[実施例1~36]
(1-1)で得た濃度25質量%の水溶性ポリエステル樹脂溶液と、(2)で得たセルロースナノファイバーの水系分散体を、ポリエステル樹脂に対するセルロースナノファイバーの量(質量%)が表2~5に記載の割合となるように混合し、ホモミキサー(PRIMIX社製 ホモミクサーMARKII)及び高剪断型ホモミキサー(エム・テクニック株式会社製クレアミックスCLM-1.5S)を用いて均一に混合した。これにより、実施例1~36のポリエステル樹脂組成物をそれぞれ調製した。各実施例におけるポリエステル樹脂の種類、及びセルロースナノファイバーの種類は、表2~5に示す通りである。
[比較例1~11]
(1-1)で得た樹脂濃度(樹脂固形分)25質量%の水溶性ポリエステル樹脂溶液を、そのままポリエステル樹脂組成物とした。各比較例におけるポリエステル樹脂の種類は、表5~6に示す通りである。
[比較例12]
(1-1)で得た濃度25質量%の水溶性ポリエステル樹脂(PES-1)溶液と、メチルセルロース(信越化学工業株式会社製、品名メトローズSM15、メトキシ基置換度1.8)とを、ポリエステル樹脂に対するメチルセルロースの量が10質量%となるように配合し、これらをホモミキサー(PRIMIX社製 ホモミクサーMARKII)及び高剪断型ホモミキサー(エム・テクニック株式会社製クレアミックスCLM-1.5S)を用いて混合した。これにより、ポリエステル樹脂組成物を調製した。
[比較例13]
(1-2)で得た濃度25質量%の非水溶性ポリエステル樹脂(PES-12)溶液と、(2)で得たセルロースナノファイバーの水系分散体を、ポリエステル樹脂に対するセルロースナノファイバーの量10%で添加し、ホモミキサー(PRIMIX社製 ホモミクサーMARKII)及び高剪断型ホモミキサー(エム・テクニック株式会社製クレアミックスCLM-1.5S)を用いて混合させるための処理を施したが、分散せず、均一に混合させることが困難であった。したがって、比較例13については、以下の(4)の評価試験を行っていない。
(4)評価試験
ポリエステル樹脂組成物に対し、以下の評価試験をおこなった。なお、評価結果は、後掲の表2~6に示した。
(4-1)引張強度
ポリプロピレン製のシャーレにポリエステル樹脂組成物を入れ、これを温度40℃で一晩乾燥した後、更に温度90℃で加熱することで、完全に乾燥した状態(絶乾状態)の膜厚200μmのフィルムを作製した。このフィルムを裁断して、寸法50mm×5mmの短冊状の試験片を作製し、この試験片を温度25℃、湿度60%の恒温恒湿機内に半日以上静置した。続いて、試験片の引張試験を、引張試験機(株式会社エー・アンド・ディ製
テンシロン万能材料試験機)を用いて、引張速度100mm/minの条件で行った。
引張試験中の最大荷重を、試験片の試験前の断面積で割ることで、引張強度(MPa)を算出した。
(4-2)伸度
(4-1)と同様に、試験片の引張試験を実施した。破断する直前での試験片の伸び量を、試験片の試験前の長さで割ることで、伸度(%)を算出した。
(4-3)耐熱性
ポリプロピレン製のシャーレにポリエステル樹脂組成物を入れ、これを温度40℃で一晩乾燥した後、更に温度90℃で加熱することで、完全に乾燥した状態(絶乾状態)の膜厚50μmのフィルムを作製した。このフィルムを裁断して、寸法20mm×5mmの短冊状の試験片を作製した。この試験片を、株式会社リガク製のTMAを用いて、試験片に9.8mNの荷重をかけながら、試験片を昇温速度5℃/minで室温から200℃まで昇温し、試験片の伸び量を測定した結果、下記のように評価した。
A:200℃での形状変化率1%未満
B:Aを満たさず、150℃での形状変化率5%未満
C:A及びBを満たさず、100℃での形状変化率5%未満
D:A及びBを満たさず、100℃での形状変化率5%以上
(4-4)柔軟性
PETフィルム(東レ株式会社製、品名ルミラーT-60、膜厚100μm)上にポリエステル樹脂組成物を塗布・乾燥し、膜厚15μm又は3μmの皮膜を作製した。この皮膜を、直径2mmの円筒形マンドレル屈曲試験器を用い、マンドレル外形に沿って完全に折り曲げてから、皮膜の外観を観察し、下記のように評価した。
A:膜厚が15μmの皮膜に割れが見られなかった
B:膜厚が15μmの皮膜に割れが見られたが、膜厚が3μmの皮膜に割れが見られなかった
(4-5)透明性(全光線透過率)
PETフィルム(東レ株式会社製、品名ルミラーT-60、膜厚100μm)上にポリエステル樹脂組成物を塗布・乾燥し、膜厚3μmの皮膜を作製した。この皮膜の全光線透過率(%)を、ヘーズメーター(日本電色工業製、型番NDH2000)を用いて測定した。
(4-6)密着性
PETフィルム(東レ株式会社製、品名ルミラーT-60、膜厚100μm)上にポリエステル樹脂組成物を塗布・乾燥し、膜厚3μmの皮膜を作製した。この皮膜に、ニチバン製セロテープ(登録商標)を貼りつけてから勢いよく剥がした際の皮膜の剥がれの有無を確認し、下記のように評価した。
A:皮膜の剥がれ無し
B:皮膜の剥がれ有り
Figure 0007121424000003
Figure 0007121424000004
Figure 0007121424000005
Figure 0007121424000006
Figure 0007121424000007

Claims (5)

  1. 水溶性ポリエステル樹脂と、セルロースナノファイバーとを含有し、
    前記水溶性ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸の残基を有し、
    前記多価カルボン酸の残基は、トリメリット酸残基を含み、
    前記多価カルボン酸残基全体に対する前記トリメリット酸残基の量は、7~30mol%の範囲内であり、
    前記多価カルボン酸の残基は、金属スルホネート基含有多価カルボン酸の残基を更に含む、
    ポリエステル樹脂組成物。
  2. 水溶性ポリエステル樹脂と、セルロースナノファイバーとを含有し、
    前記水溶性ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸の残基を有し、
    前記多価カルボン酸の残基は、トリメリット酸残基を含み、
    前記多価カルボン酸残基全体に対する前記トリメリット酸残基の量は、7~30mol%の範囲内であり、
    前記セルロースナノファイバーは、カルボキシル基を、0.5~2.0mmol/gの範囲内の割合で有する、
    ポリエステル樹脂組成物。
  3. 前記多価カルボン酸の残基全体に対する前記金属スルホネート基含有多価カルボン酸の
    残基の量は、1~30mol%の範囲内である、
    請求項に記載のポリエステル樹脂組成物。
  4. 前記水溶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、-60~110℃の範囲内である、
    請求項1からのいずれか一項に記載のポリエステル樹脂組成物。
  5. 前記水溶性ポリエステル樹脂に対する前記セルロースナノファイバーの量は、0.1~50質量%の範囲内である、
    請求項1からのいずれか一項に記載のポリエステル樹脂組成物。
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