JP7120698B1 - 足場用ユニット - Google Patents
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Abstract
Description
これらの足場は、主に天板部、4本の脚部、および折り畳み機構を備えており、折り畳み状態で保管・運搬され、使用時に展開作業を行って使用することを想定している。
(1)作業員の高齢化等の影響から、一台毎の重量をできる限り軽量化して運搬性や取扱性を向上すること。
(2)折り畳み構造をできる限りシンプルにすることで、製造コストや保守コストを抑制すること。
(3)複数台をまとめて運搬したい作業員のニーズにも対応可能とすること。
(4)これらの課題を解決しつつも、安全性に悪影響を及ぼさないこと。
また、本願発明は、前記発明において、前記自立枠部に、当該自立枠部に連結した他方の足場用ユニットの天板部の妻方向の移動を規制する、規制部と、を設けてもよい。
また、本願発明は、前記発明において、前記自立枠部を、縦方向に伸縮可能に構成してもよい。
また、本願発明は、前記自立枠部の縦方向の伸縮機構として、内支柱と外支柱とを少なくとも有し、前記内支柱の最上部には、上方に向かって開口幅を狭めたテーパ面を有するクサビ孔を設け、前記外支柱には、当該外支柱に設けた貫通孔を介して、前記外支柱の内部方向へと突出するように付勢した可動ピンを設け、前記可動ピンの先端と、前記クサビ孔とが摩擦嵌合することにより、前記内支柱に対し、前記外支柱を位置決めするよう構成してもよい。
また、本願発明は、前記発明において、前記自立枠部に設け、当該自立枠部と他方の足場用ユニットの自立枠部との間を連絡する、補助部を更に具備してもよい。
また、本願発明は、前記発明において、前記補助部を、上下方向に摺動自在な態様で前記自立枠部に取り付けてもよい。
また、本願発明は、前記発明において、前記自立枠部に、キャスターを設けてもよい。
(1)本発明に係る足場用ユニットを二台以上用いて作業足場とすることを前提とした構造とすることにより、従来の折りたたみ式の作業足場よりも一台当たりの重量を軽量化することができる。その結果、高齢の作業員であっても運搬作業や組立作業時の取扱いに支障が生じにくい。
(2)従来の折り畳み式の作業足場では、一台で足場の構築を完結させる前提で設計されるため、折り畳み機構が複雑となりやすく、各部材の溶接箇所の位置や向きにも高い精度が求められる傾向があり、溶接工にも熟練が求められる傾向にあった。しかし、本発明に係る足場用ユニットは、各部材同士を直交する態様で設計できるため、製造コストや保守コストが高価にならない。
(3)一方の自立枠部に連結する他方の天板部の妻方向の移動を規制部で規制することで、隣り合う作業用足場ユニット同士の妻方向の位置ズレを防止することができる。
(4)自立枠部を縦方向に伸縮可能とすることで、作業足場の高さを調整できる。
(5)内支柱の最上部に設けたクサビ孔と、外支柱に設けた可動ピンとの摩擦嵌合によって両者を位置決めすることで、内支柱から外支柱が完全に抜け出てしまう恐れが無くなる。
(6)補助部を設けることで、複数の足場用ユニットを連結して構築した移動式足場の安定性をより高めることができる。
(7)補助部を、自立枠部に対し上下方向に摺動自在に取り付けることで、天板部の下方を作業員が通行したい場合に、補助部の高さを変えることができ、補助部が通行の邪魔とならない。
(8)自立枠部にキャスターを設けることで、移動式作業足場としても使用できる。
図1に、本発明に係る足場用ユニットAの全体構成を示す。
本発明に係る足場用ユニットA(以下、単に「ユニット」とも言う。)は、当該ユニットを複数台連結することで作業員が高所作業を行うための移動式作業足場を構築可能な部材である。
使用時には、本発明に係るユニットを複数台用意し、各ユニットを並べて設置する。そして、一方のユニットの天板部Cを、他方のユニットの自立枠部Bに連結しつつ、さらに補助部Dでもって、両ユニットの自立枠部B間を位置決めすることで、作業足場を構築することができる。
以下、各部の詳細について説明する。
自立枠部Bは、作業足場における建枠として機能しつつ、天板部Cを回動自在に連結するための部材である。
本実施例では、自立枠部Bを、一対の脚部10および横架部20、を少なくとも具備し、その他縦材60を具備して構成する。
以下、各部の詳細について説明する。
脚部10は、天板部Cを所定高さで支持するための部材である。
脚部10は、足場の布方向(足場ユニットの連結方向)に伸びるフレーム11と、当該フレーム11の底部に設けるキャスター12と、前記フレーム11から上方に延伸する支柱13とを少なくとも含んで構成する。
フレーム11の下部に設けたキャスター12は単数でも複数であってもよく、数が多いほど、運搬時の安定性や取扱性を考慮して適宜決めればよい。
この脚部10を足場の妻方向(幅方向)に間隔をあけて一対を設け、これらを、後述する横架部20でもって一体化することで、自立枠部B単独で自立可能に構成する。
横架部20は、一対の脚部10同士を、足場の妻方向(幅方向)に間隔をあけて接続するための部材である。
本実施例では、横架部20を、支柱13の下側に一箇所(第1の横架部20a)、支柱13の上側に二箇所(第2の横架部20bおよび第3の横架部20c)、支柱13の略中央付近に一箇所(第4の横架部20d)、の計四箇所に設けている。
これらの横架部20(20a,20b,20c,20d)は、構築後の作業足場の強度や安定性を高めるための部材としても機能する。
以下、各横架部の詳細について説明する。
第1の横架部20aは、各脚部10の支柱13の根元付近を繋ぐように配置する部材である。
当該配置形態とすることで、第1の横架部20aと、脚部10を構成するフレーム11とがそれぞれ異なる高さに設定されることになり、図2に示すように、天板部Cを収納状態としてある足場用ユニットAを、複数台重ねる際に、一方の足場用ユニットAの第1の横架部20aに他方の足場用ユニットAのフレーム11が干渉することがない。
第2の横架部20は、各支柱13の上端同士を繋ぐように配置する部材である。
当該配置形態とすることで、第2の横架部20bは、後述する天板部Cの一端側に設けた回動機構の軸部としても機能する。
第3の横架部20cは、各支柱13の上端において、足場の布方向(足場ユニットの連結方向)に張り出すように設けたプレート21に固定するよう構成する部材である。
当該配置形態とすることで、第3の横架部20cは、他方の足場用ユニットAの天板部Cの他端側を着脱自在に連結する際の、被連結部としても機能する。
また、第3の横架部20cは、各支柱13の上端に設けたプレート21よりも、足場の妻方向外側に延伸する構成としている。
その理由は、以下の<3.2>の欄で説明する。
第4の横架部20dは、各支柱13の中間部分同士を繋ぐように配置する部材である。
当該配置形態とすることで、第4の横架部20は、さらに第1の横架部20との間に縦材を設けるための接続部としても機能する。
縦材60は、第1の横架部20および第4の横架部20dの間を繋ぐ、上下方向を長手方向とする部材である。
縦材60は、自立枠部の剛性を補強するだけでなく、後述する補助部を取り付け箇所としても機能する。
天板部Cは、作業足場における天板部分となる部材である。
天板部Cは、矩形状または格子状の枠材に、金網やパンチングメタルなどの部材を取り付けた平面部材である。
天板部Cの一端側には、自立枠部Bに対し、回動自在に連結するための機構(回動部30)を設ける。
本実施例では、回動部30の連結対象を第2の横架部20bとしている。
また、本実施例では、回動部30を、天板部Cの枠材の下方に配置し、前記第2の横架部20bを挟み込むことが可能な略コ字状の挟持部材31と、当該挟持部材31の解放端に設けたナット32に螺合して解放端間を塞ぐボルト33と、によって構成している。
天板部Cの他端側には、他方の足場用ユニットAの自立枠部Bとの間で着脱自在な連結機構(着脱部40)を設ける。
本実施例では、着脱部40として、天板部Cの他端側に、前記第3の横架部20cを挟み込んで係止することが可能な略コ字状の係止部材41を設けている。
係止部材41は、前記した狭持部材を流用することもできる
なお、図5では図示しないが、第3の横架部20cに係止した係止部材41が外れないよう、着脱部40に別途追加のロック機構を設けても良い。
着脱部40は、第3の横架部20cのうち、各支柱13の上端に設けた前記プレート21に対し、足場の妻方向外側に延伸した箇所に係止する位置に設けておくことが好ましい。
当該位置関係とすることで、着脱部40が、第3の横架部20の長手方向に移動しようとしても、前記<2.2.3>で説明した、第3の横架部20を固定するプレート21によって着脱部40の移動が遮られることになる。
すなわち、プレート21が、天板部Cと、当該天板部Cを係止する他方の自立枠部Bとの間での足場の妻方向への移動を規制する規制部としても作用することになる。
補助部Dは、天板部Cとは別に、連結する足場用ユニットA同士を繋ぐことで、構築した作業足場の安定性を高めるための部材である。
本実施例では、補助部Dを、長尺部材で構成しており、この長手方向途上には、補助部Dを折り畳み可能とする折曲部50を設け、一端側に第1の取付部51を設け、他端側に第2の取付部52を設けている。
折曲部50は、補助部Dを折り畳み可能とするための機構である。
折曲部50には、展開時において、折曲動作を規制するためのロック機構を設けておく(図示せず)
本発明に係る足場ユニットAの収納状態では、補助部Dは、折曲部50を介して折り畳まれて、自立枠部Bと天板部Cの間に収まることになる。
補助部Dの一端側には、一方の足場ユニットの自立枠部Bとの取付部(第1の取付部51)を設けている。
本実施例では、補助部Dの一端側を、前記自立枠部Bを構成する縦材60に取り付けている。
本発明において、縦材60と補助部Dとの取付位置は固定としてもよいが、図7に示すように、第1の取付部51を、縦材を挿通可能な中空部材で構成し、当該縦材60の長手方向に対して摺動可能な構成としておくこともできる。
なお、縦材60には、第1の取付部51の摺動幅を制限するための突起などを形成しておいてもよい。
当該構成とすることにより、作業足場の設置後にも、必要に応じて補助部Dの高さ位置を変更することができ、天板部Cの下方を作業員が通行したい場合にも、補助部Dが邪魔になることがない。
補助部Dの他端側には、他方の足場ユニットの自立枠部Bとの取付部(第2の取付部52)を設けている。
本実施例では、補助部Dの他端側を、前記自立枠部Bを構成する縦材60に取り付けている。
本実施例では、第2の取付部52は、縦材60に対し脱着自在に係止可能な二箇所の爪部521を設けている。
この二箇所の爪部521を、第1の取付部51を構成する中空部材の長さよりもわずかに長くするように離隔させて設けることにより、一方の足場用ユニットAに設けた補助部Dの第2の取付部52が、他方の足場用ユニットA’に設けた補助部Dの第1の取付部51を、上下から挟みこむことができ、他方の足場用ユニットA’に設けた補助部Dの第1の取付部51の位置決め部としても機能する。
次に、本発明に係る足場用ユニットAの使用イメージについて説明する。
天板部Cを自立枠部B側に垂れ降ろした状態(収納状態)では、天板部Cは、自立枠部Bと略並行状態を維持する。
この足場用ユニットAをトラック等で運搬する際には、フレーム11の位置を千鳥状となるように互い違いに重ね合わせる。
このとき、図2でも説明したように、第1の横架部20と、脚部10を構成するフレーム11とがそれぞれ異なる高さに設定されているため、一方の足場用ユニットAの第1の横架部20に、他方の足場用ユニットAのフレーム11が干渉することがなく、各足場用ユニットAを密に重ね合わせることができ、より多くの足場用ユニットAを搭載・運搬することができる。
天板部Cを持ち上げた状態(展開状態)では、天板部Cは、自立枠部Bに対し略直交方向に張り出した状態となる。
そして、天板部Cに設けた着脱部40でもって、他方の足場用ユニットA’の自立枠部Bに設けた第3の横架部20cに連結し、さらに、補助部Dでもって、両ユニットの自立枠部B間を位置決めすることで、作業足場を構築することができる。
図11,図12を参照しながら、補助部Dの別実施例について説明する。
本実施例では、自立枠部Bに、二つの補助部(第1の補助部D1、第2の補助部D2)を設けている(図11)。
何れの補助部も、実施例1と同様、長手方向途上に設けた折曲部50を介して折り畳み可能に構成した長尺部材で構成する。
第2の補助部D2は、一端を自立枠部Bに取り付けた状態から、他端を、他方の足場用ユニットA’の天板部Cの任意箇所に係止可能に構成している。
各補助部Dは、展開時に干渉しないよう、足場の妻方向(幅方向)にずらした位置に取り付けておくことが好ましい。
この2つの補助部Dにより、作業足場の天板部Cの下方において、各補助部D1,D2が斜めにクロスするように配置されることになる(図12)。
<1>全体構成(図13)
本発明に係る足場ユニットでは、自立枠部Bに伸縮機構を設けて、天板部Cの高さを調整可能に構成してもよい。
この伸縮機構の一例を、図13~図15に示す。
本実施例では、図13に示すように、自立枠部Bの脚部を構成する支柱13を、内支柱14および外支柱15とで構成している。
以下、各部の詳細について説明する。
内支柱14は、内支柱14の下端にフレーム11を接続しつつ、外支柱15を上下に摺動させるための筒状部材である。
内支柱14には、内支柱14の長手方向下部から上方に向けて、後述する外支柱15に設けた可動ピン152の先端を差込み可能な取付孔141を、所定間隔で配置している。
また、内支柱14の最上部側には、上方に向かって開口幅を狭くするようにテーパ面1421を設けたクサビ孔142を設けている。
外支柱15は、内支柱14に対して上下に摺動可能な筒状部材である。
外支柱15の上端には、第2の横架部20b(図示せず)を接続しており、外支柱15の摺動によって、天板部Cの高さを調整することができる。
外支柱15には、外支柱151に設けた貫通孔151を経由して、内支柱14の取付孔141またはクサビ孔142へと差込み自在に構成する可動ピン152を設けている。
可動ピン152は、外支柱15から張り出した一対の板材に回動自在に取り付けられる基部と、当該基部から延伸したピンを備えており、図示しない弾性体によって、可動ピン152の先端を、外支柱15に設けた貫通孔151を介して、外支柱151の内部方向へと突出する方向に付勢した状態としている。
次に、外支柱15の摺動に伴う、可動ピン152と取付孔141との結合イメージについて説明する。
この状態では、可動ピン152の先端が、内支柱14の取付孔141に差し込まれて係合状態となっているため、外支柱15と内支柱14とが固定された状態となり、天板部Cに荷重が生じても外支柱15が下方に移動することはない。
この状態では、可動ピン152の先端が、内支柱14の取付孔141の内壁に押される格好で、可動ピン152に設けた弾性体(図示せず)の付勢に逆らいながら取付孔141から抜け出る方向に自然に移動するように作用し、外支柱15と内支柱14との固定が自然に解放されることになる。
さらに、外支柱15を引き上げていくと、内支柱14に設けてある次の取付孔141に、可動ピン152の付勢に伴い、可動ピン152の先端が自動的に差し込まれることになる。
また、内支柱14に設けた取付孔141の位置で、段階的に外支柱15を位置決めすることもできる。
次に、外支柱15の摺動に伴う、可動ピン152とクサビ孔142との結合イメージについて説明する。
外支柱15の上方への摺動に伴い、可動ピン152の先端がクサビ孔142に自動的に差し込まれる動作については、前述した使用イメージ(1)の作用と同様である。
なお、本実施例で説明した、可動ピン152およびクサビ孔142による抜け止め機構は、本発明に係る足場用ユニットにのみを適用対象とするものではなく、伸縮機構を有する足場や支保工などの仮設構造物の構成部材の全てに適用が可能である。
B :自立枠部
10 :脚部
11 :フレーム
12 :キャスター
13 :支柱
14 :内支柱
141 :取付孔
142 :クサビ孔
1421:テーパ面
15 :外支柱
151 :貫通孔
152 :可動ピン
20 :横架部
20a :第1の横架部
20b :第2の横架部
20c :第3の横架部
20d :第4の横架部
21 :プレート
C :天板部
30 :回動部
31 :挟持部材
32 :ナット
33 :ボルト
40 :着脱部
41 :係止部材
D :補助部
50 :折曲部
51 :第1の取付部
52 :第2の取付部
521 :爪部
D1 :第1の補助部
D2 :第2の補助部
Claims (7)
- 複数台を連結することで作業員が高所作業を行うための作業足場として使用可能な、足場用ユニットであって、
前記作業足場の一側面を構成する、自立枠部と、
前記作業足場の天板を構成する、天板部と、を少なくとも具備し、
前記天板部の一端側には、前記自立枠部に対し回動自在に連結する、回動部を設け、
前記天板部の他端側には、他方の足場用ユニットの自立枠部に対し着脱自在に連結する、着脱部を設け、
前記天板部を前記自立枠部側に垂れ降ろしている、収納状態と、
前記天板部を前記自立枠部に対し略直交方向に張り出している、展開状態と、を切替可能としたことを特徴とする、
足場用ユニット。 - 前記自立枠部に、当該自立枠部に連結した他方の足場用ユニットの天板部の妻方向の移動を規制する、規制部と、
を設けたことを特徴とする、
請求項1に記載の足場用ユニット。 - 前記自立枠部を、縦方向に伸縮可能に構成してあることを特徴とする、
請求項1に記載の足場用ユニット。 - 前記自立枠部の縦方向の伸縮機構として、内支柱と外支柱とを少なくとも有し、
前記内支柱の最上部には、上方に向かって開口幅を狭めたテーパ面を有するクサビ孔を設け、
前記外支柱には、当該外支柱に設けた貫通孔を介して、前記外支柱の内部方向へと突出するように付勢した可動ピンを設け、
前記可動ピンの先端と、前記クサビ孔とが摩擦嵌合することにより、
前記内支柱に対し、前記外支柱を位置決めすることを特徴とする、
請求項3に記載の足場用ユニット。 - 前記自立枠部に設け、当該自立枠部と他方の足場用ユニットの自立枠部との間を連絡する、補助部を更に具備することを特徴とする、
請求項1に記載の足場用ユニット。 - 前記補助部を、上下方向に摺動自在な態様で前記自立枠部に取り付けてあることを特徴とする、
請求項5に記載の足場用ユニット。 - 前記自立枠部に、キャスターを設けてあることを特徴とする、
請求項1に記載の足場用ユニット。
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