JP7118976B2 - 飛行体 - Google Patents

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Description

本発明は、飛行体用安全装置が取付けられた、例えばドローン等に代表されるような飛行体に関する。
従来、各種の飛行体が知られている。飛行体には、旅客機やヘリコプターのような有人航空機に限られず、無人航空機も含まれる。特に近年、自律制御技術および飛行制御技術の発展に伴って、例えばドローンのような無人航空機の産業上における利用が加速しつつある。
ドローンは、例えば複数の回転翼を備えており、これら複数の回転翼を同時にバランスよく回転させることによって飛行する。その際、上昇および下降は、複数の回転翼の回転数を一律に増減させることによって行なわれ、前進および後退は、複数の回転翼の各々の回転数を個別に増減させることで機体を傾けることによって行なわれる。このような無人航空機の利用は、今後世界的に拡大することが見込まれている。
しかしながら、無人航空機の落下事故のリスクが危険視されており、無人航空機の普及の妨げとなっている。こうした落下事故のリスクを低減するために、安全装置としての無人航空機用パラシュート装置が製品化されつつある。このような無人航空機用パラシュート装置は、無人航空機の落下時において、展開させたパラシュートによって無人航空機の速度を減速させることで着地時の衝撃を低減するものである。
一方で、特開2003-154020号公報(特許文献1)には、地震や火災等の災害時においてビルの上層階から人が脱出する際に使用することができるように、通常のパラシュート装置よりもパラシュートの展開速度が速められた緊急用パラシュート装置が開示されている。当該緊急用パラシュート装置は、パラシュートにガス発生器を具備させたものであり、ガス発生器が作動することで発生するガスをパラシュート内の空間に流入させることにより、パラシュートの展開速度を格段に速めたものである。
特開2003-154020号公報
ここで、仮に上記特許文献1に開示されるようなガス発生器を具備したパラシュートを飛行体用安全装置に適用した場合には、迅速にパラシュートが展開することになり、飛行体が比較的低高度を飛行している場合にも、その利用が可能になる点において有利となる可能性がある。
しかしながら、飛行体用安全装置に用いられるパラシュートは、パラシュートの展開時において、当該パラシュートが飛行体の推進機構や脚部といった部位に干渉されずに確実に展開することが必要であり、この点が何ら考慮されていない上記特許文献1に開示のパラシュートをそのまま飛行体用安全装置に適用することはできない。
このような課題は、パラシュートに代えてパラグライダーを飛行体に設けた場合や、あるいはエアバッグを飛行体に設けた場合等においても、同様に発生する課題である。さらには、当該課題は、上述したパラシュートやパラグライダー、エアバッグ等以外の他の安全機構を飛行体から射出されるように設けた場合においても、当該安全機構を確実に動作させる場合において、同様に発生する課題である。
そこで、本発明は、上述した問題を解決すべくなされたものであり、飛行体から射出されるように設けられる安全機構を確実に動作させることができる飛行体用安全装置を備えた飛行体を提供することを目的とする。
本発明に基づく飛行体用安全装置は、推進機構を備えた飛行体に取付けが可能なものであって、安全機構と、駆動機構と、射出機構と、制御機構とを備えている。上記安全機構は、飛行体および飛行体の外部の対象物の少なくともいずれかの安全を確保することに使用されるものであり、上記駆動機構は、上記安全機構の駆動源となる少なくとも1つ以上の駆動部を有している。上記射出機構は、上記駆動機構を上記安全機構と共に射出可能なものであり、上記制御機構は、上記射出機構による上記安全機構の射出が開始された後に上記安全機構が上記駆動機構によって駆動されるように上記駆動機構の動作を制御するものである。
上記本発明に基づく飛行体用安全装置にあっては、上記射出機構および上記制御機構が、同時に作動信号を受け取るものであってもよい。その場合には、上記駆動部が、内部に点火器を有する火薬式のガス発生器にて構成されているとともに、当該点火器が、着火されることで燃焼する燃焼剤と、上記燃焼剤を着火する熱エネルギーを発生させる着火部と、上記燃焼剤および上記着火部の間に介在するように設けられ、これにより上記着火部で発生した熱エネルギーを上記燃焼剤に時間差をもって伝える延時薬とを含んでいることが好ましい。この場合には、上記制御機構が、上記延時薬にて構成されることになる。
上記本発明に基づく飛行体用安全装置にあっては、上記射出機構および上記制御機構が、同時に作動信号を受け取るものであってもよい。その場合には、上記制御機構が、上記射出機構の作動から所定時間経過後に上記駆動機構を作動させる作動遅延機構にて構成されていてもよい。
上記本発明に基づく飛行体用安全装置にあっては、上記作動遅延機構が、モーターおよび複数の歯車を用いて上記駆動部の作動のタイミングを遅らせる機械式タイマー装置、または、ICタイマーを用いて上記駆動部の作動のタイミングを遅らせる電気式タイマー装置であってもよい。
上記本発明に基づく飛行体用安全装置にあっては、上記安全機構が、非展開状態において巻き取られまたは畳まれており、展開状態において揚力および浮力の少なくともいずれかを発生させることができる被展開体にて構成されていてもよく、また、上記射出機構が、上記被展開体に連結部材を介して連結されているとともに、非展開状態にある上記被展開体を空中に向けて射出するための射出装置にて構成されていてもよい。その場合には、上記駆動機構が、上記被展開体に設けられているとともに、上記被展開体を展開させる展開機構にて構成されていることが好ましい。
ここで言う上記被展開体は、上述のとおり、展開状態において揚力および浮力の少なくともいずれかを発生させることができるものであり、好適にはパラシュートまたはパラグライダーである。
パラシュートは、基布形状が傘の形をしているものが多く、保護対象物である飛行体と上記連結部材(一般に、コードあるいはラインと称される)を介してつながっており、空気抵抗を利用して飛行体を減速させるものである。また、パラシュートには、傘が一つのもの、同形状の傘が複数連結したもの、異形状の傘が複数連結したものがある。さらに、パラシュートには、傘の中心が閉じている(すなわち、穴が開いていない)もの、傘の中心にスピルホールと呼ばれる穴が開いているものがある。これらパラシュートの具体的な形態は、パラシュートの展開時におけるショックの低減や、沈下速度の調整、風等の外乱の影響を受けにくくするため等の種々の目的を考慮して、適宜選択することができる。
パラグライダーは、概ねアスペクト比が1以上の翼形状を有しており、保護対象物である飛行体と上記連結部材(一般に、コードあるいはラインと称される)を介してつながっている。さらに、パラグライダーには、ブレークコードと呼ばれる舵取り用のコードが、翼の左右端に繋がっている。このブレークコードを引っ張ることにより、翼断面に加わる種々の応力を変化させることができ、結果として滑空、旋回および急激な減速を行なうことができる。このため、パラグライダーは、パラシュートではできない、滑空、旋回および急激な減速を行なうことができる。同様の構成を有するものとして、ロガロタイプ、トライアングルタイプのパラグライダーも存在する。また、ラムエアを利用して翼形状を保つために、パラグライダーは、エアインテーク(後述する空気取り込み口)の有るものが主流ではあるが、このエアインテークが無いものも存在する。安定した飛行を行なうためには、エアインテーク付きのパラグライダーを用いることがより好ましい。なお、軽量化を図る観点からは、シングルサーフェスタイプのパラグライダー(すなわち、エアインテークが無いもの)を用いることが好ましい。さらに、プロペラ等の推進装置を別途設けることにより、強制的に推進力を得て飛行できるタイプのパラグライダーを用いてもよい。
上記本発明に基づく飛行体用安全装置にあっては、上記射出装置が、第1射出部および第2射出部を含んでいてもよい。その場合には、上記第1射出部が、上記被展開体および上記第2射出部を空中に向けて射出するものであってもよく、また、上記第2射出部が、上記第1射出部によって射出された後に上記被展開体を空中に向けて射出するものであってもよい。
上記本発明に基づく飛行体用安全装置にあっては、上記射出装置が、第1射出部および第2射出部を含んでいてもよい。その場合には、上記第1射出部が、上記被展開体を引き出すための引き出し用パラシュートを空中に向けて射出するものであってもよく、また、上記第2射出部が、上記第1射出部によって上記引き出し用パラシュートが射出された後に上記被展開体を空中に向けて射出するものであってもよい。
上記本発明に基づく飛行体用安全装置にあっては、上記展開機構が、上記被展開体に設けられた袋状部材と、上記被展開体に設けられた上記駆動部としてのガス発生器とを含んでいてもよい。その場合には、上記袋状部材が、非展開状態にある上記被展開体と共に巻き取られまたは畳まれているかあるいは上記被展開体と別々に巻き取られまたは畳まれており、少なくともその一部がチューブ状に膨張することにより、非展開状態にある上記被展開体を展開させるものにて構成されていることが好ましく、また、上記ガス発生器が、作動時において発生したガスを上記袋状部材の内部に流入させることにより、上記袋状部材を膨張させるものにて構成されていることが好ましい。
上記本発明に基づく飛行体用安全装置にあっては、上記袋状部材が、放射状または格子状に形成された複数の管状部を有するものにて構成されていてもよい。
上記本発明に基づく飛行体用安全装置にあっては、上記被展開体が、展開状態において平面視細長の形状を有していてもよく、その場合には、上記袋状部材が、展開状態における上記被展開体の長手方向に沿って延在するように配設されていることが好ましい。なお、展開状態において平面視細長の形状を有した被展開体は、通常はパラグライダーである。
上記本発明に基づく飛行体用安全装置にあっては、上記被展開体が、複数の空気室を内部に有するとともに、上記複数の空気室の各々に対応するように前方部に設けられた複数の空気取り込み口を有する翼状部材にて構成されていてもよく、その場合には、上記袋状部材が、上記被展開体のうちの上記複数の空気取り込み口が設けられた部分の近傍に沿って延在するように、上記被展開体の内部または外部に配設されていることが好ましい。なお、複数の空気室を内部に有した被展開体は、通常はエアインテーク付きのパラグライダーである。
上記本発明に基づく飛行体用安全装置にあっては、上記ガス発生器が、内部に点火器を有する火薬式のものにて構成されていてもよく、その場合には、上記点火器が、着火されることで燃焼する燃焼剤と、上記燃焼剤を着火する熱エネルギーを発生させる着火部と、上記燃焼剤および上記着火部の間に介在するように設けられ、これにより上記着火部で発生した熱エネルギーを上記燃焼剤に時間差をもって伝える延時薬とを含んでいることが好ましい。この場合においては、上記制御機構が、上記延時薬にて構成されることになる。
上記本発明に基づく飛行体用安全装置にあっては、上記ガス発生器が、内部に点火器を有する火薬式のものにて構成されていてもよく、その場合には、上記制御機構が、上記射出装置の作動から所定時間経過後に上記ガス発生器を作動させる作動遅延機構にて構成されていてもよい。
上記本発明に基づく飛行体用安全装置は、上記ガス発生器を作動させるための電力を供給する電気回路をさらに備えていてもよく、その場合には、上記電気回路が、電源と、上記電源のオンおよびオフを切り替えるスイッチとを含んでいることが好ましい。この場合においては、上記作動遅延機構が、上記電気回路と、上記スイッチの動作を切り替えるスイッチ用制御部とによって構成されることになる。
上記本発明に基づく飛行体用安全装置にあっては、上記スイッチが、正極板と、上記正極板に対向する負極板と、取外し可能に上記正極板および上記負極板に挟持された絶縁体とを有しているとともに、上記スイッチ用制御部が、一端が上記絶縁体に連結されているとともに、他端が上記射出装置に連結されているかあるいは飛行体に連結される紐部材を有していることが好ましい。この場合においては、上記射出装置によって上記被展開体が射出されることにより、上記絶縁体が上記紐部材によって引っ張られることで上記正極板および上記負極板の間から引き抜かれ、これにより上記正極板および上記負極板が接触することで上記電源がオフからオンに切り替わることになる。
上記本発明に基づく飛行体用安全装置にあっては、上記絶縁体に連結される上記紐部材の上記一端と、上記射出装置に連結されるかあるいは飛行体に連結される上記紐部材の上記他端との間の長さが、可変に調節可能であることが好ましい。
上記本発明に基づく飛行体用安全装置にあっては、上記安全機構が、非展開状態において巻き取られまたは畳まれており、展開状態においてクッションとなる被展開体としてのエアバッグにて構成されていてもよく、また、上記射出機構が、上記エアバッグに連結部材を介して連結されているとともに、非展開状態にある上記エアバッグを空中に向けて射出するための射出装置にて構成されていてもよい。その場合には、上記駆動機構が、上記エアバッグに設けられているとともに、上記エアバッグを展開させる展開機構にて構成されていることが好ましい。
上記本発明に基づく飛行体用安全装置にあっては、上記展開機構が、上記エアバッグに設けられた袋状部材と、上記エアバッグに設けられた上記駆動部としてのガス発生器とを含んでいてもよく、その場合には、上記袋状部材が、非展開状態にある上記エアバッグと共に巻き取られまたは畳まれているかあるいは上記エアバッグと別々に巻き取られまたは畳まれており、少なくともその一部がチューブ状に膨張することにより、非展開状態にある上記エアバッグを展開させるものにて構成されていてもよい。この場合においては、上記ガス発生器が、作動時において発生したガスを上記袋状部材の内部に流入させることにより、上記袋状部材を膨張させるものにて構成されていることが好ましい。
本発明に基づく飛行体は、機体と、上記機体に設けられるとともに上記機体を推進させる推進機構と、上述した本発明に基づく飛行体用安全装置とを備えたものであり、上記飛行体用安全装置が、上記機体に取付けられてなるものである。
上記本発明に基づく飛行体にあっては、上記射出装置が、開口部を一端部側に有するとともに上記被展開体を収容する容器と、上記容器の内壁面に沿って移動可能に設けられた移動部材と、上記移動部材を上記開口部側に向けて移動させる射出用駆動部とを含んでいてもよく、その場合には、上記移動部材が、上記被展開体が載置された載置台を上記開口部側に有していることが好ましい。この場合においては、上記開口部が、上記移動部材の移動方向である高さ方向において、上記推進機構よりも高い位置に配設されていることが好ましい。
上記本発明に基づく飛行体にあっては、上記機体に脚部が設けられていてもよく、その場合には、上記飛行体用安全装置が、上記脚部に隣接して位置していてもよい。
本発明によれば、飛行体から射出されるように設けられる安全機構を確実に動作させることができる飛行体用安全装置を備えた飛行体とすることができる。
実施の形態1に係る飛行体用安全装置の模式断面図である。 図1に示す飛行体用安全装置を備えた飛行体の模式正面図である。 図1に示すパラグライダーの展開後の状態を示す模式図である。 図2に示す飛行体の、パラグライダーが展開した後の状態を示す模式正面図である。 図3に示すガス発生器内の点火器の具体的な構成例を示す図である。 第1変形例に係る飛行体用安全装置を備えた飛行体の、パラシュートの展開後の状態を示す模式正面図である。 図6に示すパラシュートの展開後の内側の構成を示した模式図である。 第2変形例に係る飛行体用安全装置を備えた飛行体の、エアバッグが展開した後の状態を示す模式正面図である。 実施の形態2に係る飛行体用安全装置を備えた飛行体の模式正面図である。 図9に示す飛行体用安全装置の模式断面図である。 図9に示す飛行体における飛行体用安全装置の機能ブロック図である。 図9に示す飛行体における飛行体用安全装置の作動状態を説明するための図である。 実施の形態3に係る飛行体用安全装置を備えた飛行体の模式正面図である。 図13に示す飛行体用安全装置の模式断面図である。 図13に示す飛行体における飛行体用安全装置の作動状態を説明するための図である。 第3変形例に係る飛行体用安全装置を備えた飛行体の、エアバッグが展開した後の状態を示す模式正面図である。 第4変形例に係る飛行体用安全装置を備えた飛行体の、エアバッグが展開した後の状態を示す模式正面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。以下に示す実施の形態ならびにその変形例は、飛行体としての無人航空機であるドローンに本発明を適用した場合を例示するものである。
(実施の形態1)
まず、実施の形態1として、被展開体としてパラグライダーを具備した飛行体用安全装置およびこれを備えた飛行体について説明する。
図1は、実施の形態1に係る飛行体用安全装置100の模式断面図である。図1に示すように、本実施の形態に係る飛行体用安全装置100は、射出装置(射出機構)としてのアクチュエータ88と、被展開体(安全機構)としてのパラグライダー10とを備えている。アクチュエータ88は、点火薬(図示略)を収容するカップ状のケース85を有する射出用駆動部としての点火器84と、凹部82および当該凹部82と一体的に形成された載置台としてのピストンヘッド83を有する移動部材としてのピストン81と、ピストン81を収容し当該ピストン81の推進方向を規制する有底筒状の容器としてのハウジング86とを備えている。
パラグライダー10は、非展開状態とされるとともにピストンヘッド83上に配置された状態でハウジング86内に収納されている。このような構成においてピストン81を推進させることにより、パラグライダー10を直接押し出して展開させることができる。なお、ハウジング86の開口部が設けられた開口端部は、初期状態において蓋87によって閉じられており、当該蓋87は、パラグライダー10の押し出しによって上記開口端部から外れるように構成されている。
加速度センサ等の異常検出部(図示略)によって異常が検出された場合には、点火器84の点火動作に基づいて発生したガス圧によってピストン81が推進させられる。これにより、ピストン81の推進力によってパラグライダー10が直接押し出されることになる。なお、図示はしていないが、パラグライダー10は、連結部材(ライン)を介してハウジング86に接続されており、展開後は、当該連結部材(ライン)を介して後述する飛行体30を吊るすことができるように構成されている。
図2には、飛行体用安全装置100を備えた飛行体30が図示されている。この飛行体30は、機体31と、当該機体31に取付けられた飛行体用安全装置100と、機体31に設けられるとともに当該機体31を推進させる1つ以上の推進機構(例えばプロペラ等)32と、機体31の下部に設けられた複数の脚部33とを備えている。
図3には、展開後のパラグライダー10が図示されている。このパラグライダー10はキャノピー(翼状部材)40を備えており、キャノピー40は、上部クロス41と、下部クロス42と、リブ43と、側部クロス70とを備えている。上部クロス41、下部クロス42、リブ43および側部クロス70には、ナイロンあるいはポリエステル等の化学繊維製の強化クロスが用いられる。
図4には、パラグライダー10が展開した後の状態の飛行体30が図示されている。上部クロス41と下部クロス42とは、両側の側部クロス70と共に、これらの間に所定の空間が形成されるように、縫合等によってそれらの外縁部が接合されている。また、図3および図4に示すように、リブ43は、上部クロス41と下部クロス42との間の所定の空間を縦に仕切って複数のセル(空気室)44が形成されるように、上部クロス41と下部クロス42との間において所定間隔で複数設けられている。ここで、セル44の各々は、キャノピー40が展開した際に空気を孕むことにより、キャノピー40の翼型形状を保持するためのものである。
また、リブ43の各々には、内部空気流通孔45,46,47,48が設けられており、これらの内部空気流通孔45,46,47,48により、セル44内の空気はキャノピー40の左右に移動することができる。各セル44の前方部(前縁部)には、エアインテーク(空気取り込み口)49が設けられており、各セル44内に空気を取り入れることが可能に構成されている。なお、図3においては、紙面手前側のセル44の内部のみを透過的に図示している。
内部空気流通孔45には、折り畳みまたは巻き取りが可能な細長い袋状部材50が挿通されている。ここで言う折り畳み可能には、たとえば、蛇腹状に折り畳み可能であること、複数回折り返して重畳的に折り畳み可能であること等が含まれる。袋状部材50の一端部51(図3における紙面手前側)は、図3における紙面手前側の側部クロス70に縫合等によって接合されており、これにより空気が抜けにくく構成されている。また、袋状部材50は、内部空気流通孔45への挿通部分からキャノピー40の他端部(図3における紙面奥側)にかけて、上部クロス41の内側に沿って延設されている(さらに好ましくは、上部クロス41または下部クロス42に縫合等によって接合されている)。
ここで、袋状部材50としては、上部クロス41などと同様の強化クロスを用いることができるが、ガス発生器60で発生するガスの熱からクロスを保護するために、特に熱に強い素材のもの、または、内面に耐熱性の表面コーティングがなされているものを用いることが好ましい。また、袋状部材50は、ガスが流入することに起因して急激な膨張に耐える必要があるため、発生するガス圧力に耐えうる強度を有していることが好ましい。
具体的には、袋状部材50の基布としては、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン56、ナイロン610や、ナイロン6とナイロン66の共重合ポリアミド、ナイロン6にポリアルキレングリコール、ジカルボン酸、アミン等を共重合させた共重合ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂を用いることができる。このうち、耐衝撃性および耐熱性に優れたポリアミド66が、特に袋状部材50の基布として好適に使用できる。
また、耐熱性を付与するために袋状部材50の基布に施されるコーティング層としては、例えばシリコーン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂等の各種の樹脂や、シリコーン系ゴム、クロロプレン系ゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン系ゴム等の各種のゴムなどを用いることができるが、シリコーン系樹脂を用いることが特に好ましい。シリコーン系樹脂を用いることにより、耐熱性のみならず、耐寒性、難燃性、空気遮断性を高めることができる。かかるシリコーン系樹脂としては、ジメチル系シリコーン樹脂、メチルビニル系シリコーン樹脂、メチルフェニル系シリコーン樹脂、フロロ系シリコーン樹脂が利用できる。また、当該コーティング層は、さらに難燃化合物を含有していることが好ましい。かかる難燃化合物としては、臭素、塩素などを含むハロゲン化合物(特にハロゲン化シクロアルカン)、白金化合物、酸化アンチモン、酸化銅、酸化チタン、燐化合物、チオ尿素系化合物、カーボン、セリウム、酸化ケイ素などを用いることができ、これらの中でも特にハロゲン化合物、白金化合物、酸化銅、酸化チタン、カーボンを用いることがより好ましい。当該コーティング層は、基布となる織糸の材質に応じて適切なものを選択することが好ましく、経糸、緯糸に強固に密着する材質のものとすることが好ましい。例えば織糸がポリアミド糸またはポリエステル糸である場合には、コーティング層はポリウレタン系樹脂またはポリアクリル系樹脂等であることが好ましい。
また、袋状部材50の他端部には、袋状部材50の内圧を調整するために、余分な空気をキャノピー40の外部に排出することができる孔部(図示せず)が設けられていてもよい。また、袋状部材50としては、内部に流入したガスによって膨張した際に、内部空間を有したチューブ状(管状または筒状)の形状になるものが用いられることが好ましい。
また、図3における紙面手前側のセル44の内部において、袋状部材50の一端と、袋状部材50の内部空気流通孔45への挿通部分との間には、袋状部材50の内部にガスを放出させ、袋状部材50内を加圧することが可能なガス発生器60が設けられている。
ガス発生器60は、内部に点火器を有しており、必要に応じて伝火剤、ガス発生剤、フィルターなどをさらに有した火薬式のものである。また、ガス発生器60には、電源61およびスイッチ62が直列接続された電気回路が接続されている。この電気回路は、図3における紙面手前側のセル44の内部に設けられている。
スイッチ62は、正極板および負極板を有しており、これら正極板および負極板の間に絶縁体62aが挟み込まれた構成を有している。この絶縁体62aは、機体31、脚部33、飛行体用安全装置100または発射体などにスイッチ用制御部としての紐部材(不図示)を介して連結されている。これにより、当該絶縁体62aは、パラグライダー10が射出された場合に、上記紐部材に張力が生じることでスイッチ62の正極板および負極板の間から抜き取られるように構成されている。
そのため、絶縁体62aが抜き取られることにより、上述した正極板および負極板が接触することになり、スイッチ62がオン状態となり、電源から電流が上記電気回路に流れ、これによって点火器が着火されることでガス発生器60が作動する。なお、上述した紐部材は、その長さが調整可能に構成されており、これにより点火器に通電するタイミングを適宜調節することができるように構成されている。
ここで、一変形例として、ガス発生器60は、外部の制御部と通信可能に接続されていてもよい。その場合には、上記紐部材に代えて、この制御部から送信された電気信号によって電源のオン・オフスイッチが制御されることになる。また、この他にも、電気式タイマー装置であるIC(Integrated Circuit)タイマーを用いて任意の時間経過後に電源がオンになるように構成されていてもよいし、機械式タイマー装置であるモーターおよび複数の歯車を用いて任意の時間経過後に電源がオンになるように構成されていてもよい。
さらには、ガス発生器60内の点火器内の着火薬(燃焼剤)と着火部との間に延時薬(着火薬の着火を所定時間遅らせるもの)を設けたり、電気的にディレイ着火(意図した遅延着火)させたりすることで、ガス発生器60の作動タイミングを調整してもよい。なお、着火部の具体例としては、図示しないが、送電された電気エネルギーを熱エネルギーに変換する抵抗体(たとえばニクロム線などからなるブリッジワイヤ)と、抵抗体に電気を通電させるための通電用端子とを備えたものが挙げられる。
また、ガス発生器60の他の変形例として、火薬式の点火器で小型のガスボンベにおける封板を開裂させ、内部のガスを外部へと排出するハイブリッド型、ストアード型のガス発生器を用いてもよい。この場合、ガスボンベ内の加圧ガスとしては、アルゴン、ヘリウム、窒素、二酸化炭素などの不燃性のガスあるいはこれらの混合物を用いることができる。また、加圧ガスが放出される際に確実に袋状部材を膨張させるために、ガス発生組成物やテルミット組成物等からなる発熱体をガス発生器に具備させてもよい。
ここで、図5(A)および図5(B)は、ガス発生器60内の点火器の内部に延時薬を設けた場合の点火器の具体的な構成例を示す図である。
図5(A)に示す点火器1000は、塞栓1010と、一対の端子ピン1020と、保持部1030と、カップ状部材1040と、延時薬1060と、着火薬1070とを主として有している。塞栓1010およびカップ状部材1040は、保持部1030によって保持されており、これら塞栓1010とカップ状部材1040とによって囲まれた空間に延時薬1060および着火薬1070が充填されている。
また、一対の端子ピン1020は、保持部1030を挿通するように配置されているとともに、保持部1030によって保持されている。一対の端子ピン1020の一方の先端は、塞栓1010に接続されており、一対の端子ピン1020の他方の先端は、塞栓1010に接続されることなく、カップ状部材1040の内部の空間に面するように配置されている。このカップ状部材1040の内部の空間に面するように配置された一対の端子ピン1020の他方の先端と塞栓1010とは、図示しないブリッジワイヤ(抵抗体)を介して接続されている。
ここで、塞栓1010とカップ状部材1040とによって囲まれた空間のうち、塞栓1010側の空間には、上述したブリッジワイヤに接するように延時薬1060が層状に充填されている。一方、塞栓1010とカップ状部材1040とによって囲まれた空間のうち、カップ状部材1040の底部側の空間には、着火薬1070が層状に充填されている。これにより、各々が層状に充填された延時薬1060および着火薬1070は、カップ状部材1040の内部の空間において接している。
このような構成の点火器1000を用いることにより、一対の端子ピン1020を介してブリッジワイヤが通電されることにより、当該ブリッジワイヤにて熱が発生し、当該熱によって延時薬1060が着火され、その後、所定時間経過後に延時薬1060によって着火薬1070が着火されることになる。さらにその後、着火薬1070の燃焼によって生じるガス圧によってカップ状部材1040に破断が生じる。
そのため、上記構成の点火器1000を具備したガス発生器60を用いることにより、着火薬1070の着火を遅延させることが可能になる。
図5(B)に示す点火器2000は、塞栓2010と、一対の端子ピン2020と、保持部2030と、カップ状部材2040と、第1着火薬2050と、延時薬2060と、第2着火薬2070とを主として有している。塞栓2010およびカップ状部材2040は、保持部2030によって保持されており、これら塞栓2010とカップ状部材2040とによって囲まれた空間に第1着火薬2050、延時薬2060および第2着火薬2070が充填されている。
また、一対の端子ピン2020は、保持部2030を挿通するように配置されているとともに、保持部2030によって保持されている。一対の端子ピン2020の一方の先端は、塞栓2010に接続されており、一対の端子ピン2020の他方の先端は、塞栓2010に接続されることなく、カップ状部材2040の内部の空間に面するように配置されている。このカップ状部材2040の内部の空間に面するように配置された一対の端子ピン2020の他方の先端と塞栓2010とは、図示しないブリッジワイヤ(抵抗体)を介して接続されている。
ここで、塞栓2010とカップ状部材2040とによって囲まれた空間のうち、塞栓2010側の空間には、上述したブリッジワイヤに接するように第1着火薬2050が層状に充填されている。一方、塞栓2010とカップ状部材2040とによって囲まれた空間のうち、カップ状部材2040の底部側の空間には、第2着火薬2070が層状に充填されている。さらに、塞栓2010とカップ状部材2040とによって囲まれた空間のうちの残る空間(すなわち、第1着火薬2050が充填された空間と第2着火薬2070が充填された空間との間の空間)には、延時薬2060が層状に充填されている。これにより、層状に充填された延時薬2060は、各々が層状に充填された第1着火薬2050および第2着火薬2070の双方にカップ状部材2040の内部の空間において接している。
このような構成の点火器2000を用いることにより、一対の端子ピン2020を介してブリッジワイヤが通電されることにより、当該ブリッジワイヤにて熱が発生し、当該熱によって第1着火薬2050が着火され、当該第1着火薬2050によってさらに延時薬2060が着火され、その後、所定時間経過後に延時薬2060によって第2着火薬2070が着火されることになる。さらにその後、第2着火薬2070の燃焼によって生じるガス圧によってカップ状部材2040に破断が生じる。
そのため、上記構成の点火器2000を具備したガス発生器60を用いることにより、第2着火薬2070の着火を遅延させることが可能になる。なお、上記構成の点火器2000は、ブリッジワイヤと延時薬2060との間の第1着火薬2050を備えたものであるため、着火性が低い延時薬2060を用いる場合にも、確実に点火器を作動させることができるものである点において、上述した点火器1000と異なっている。
ここで、延時薬は、たとえば、点火器に入力された電気エネルギーが点火器内部で熱エネルギーに変換され、その熱エネルギーを保持しつつ燃焼剤へ時差をもって伝える役割を果たす組成物にて構成される。通常、この延時薬は、各種の酸化物および各種の過酸化物からなる群から少なくとも一つ以上の組成物が選択されて構成された酸化剤と、各種の金属単体、各種の金属窒化物、各種の金属ケイ素化合物、各種の金属フッ素化合物、各種の金属硫化物および各種の金属リン化合物等からなる群から少なくとも一つ以上の組成物が選択されて構成された還元剤とによって構成される場合が多いが、一般的なガス発生剤と同様の組成の薬剤を延時薬として用いることもできる。
延時薬として用いることができるガス発生剤は、有機塩等からなる還元剤と、各種の酸化物または過酸化物からなる酸化剤と、各種の添加剤とを含んでいる。還元剤としては、たとえばトリアゾール誘導体、テトラゾール誘導体、グアニジン誘導体、アゾジカルボンアミド誘導体、ヒドラジン誘導体等又はこれらの組み合わせが利用される。具体的には、たとえばニトログアニジン、硝酸グアニジン、シアノグアニジン、5-アミノテトラゾール等が好適に利用される。また、酸化剤としては、たとえば塩基性硝酸銅等の塩基性硝酸塩、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸カリウム等の過塩素酸塩、又は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、アンモニアから選ばれたカチオンを含む硝酸塩等が利用される。硝酸塩としては、たとえば硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等が好適に利用される。また、添加剤としては、バインダ、スラグ形成剤、燃焼調整剤等が挙げられる。バインダとしては、たとえばカルボキシメチルセルロースの金属塩、ステアリン酸塩等の有機バインダ、又は、合成ヒドロタルサイト、酸性白土等の無機バインダが好適に利用可能である。スラグ形成剤としては窒化珪素、シリカ、酸性白土等が好適に利用可能である。また、燃焼調整剤としては、金属酸化物、フェロシリコン、活性炭、グラファイト等が好適に利用可能である。また、ニトロセルロースを主成分としたシングルベース火薬、ダブルベース火薬、トリプルベース火薬を用いてもよい。
上述した各構成の着火遅延機構(制御機構)を用いれば、点火器の着火を所定時間遅延させるなどして、パラグライダー10の展開タイミングを適切且つ精度よく制御することができる。
すなわち、射出機構としてのアクチュエータ88と、上述した制御機構とは、同時に作動信号を受け取るものであるが、アクチュエータ88が直ちに作動するのに対し、制御機構は、アクチュエータ88によるパラグライダー10の射出が開始された後に当該パラグライダー10がガス発生器60および袋状部材50によって駆動されるように、ガス発生器60の動作を制御する。なお、上述した袋状部材50およびガス発生器60は、被展開体(安全機構)としてのパラグライダー10を駆動する駆動機構(より具体的には、パラグライダー10を展開させる展開機構)に該当し、このうちのガス発生器60が、特にパラグライダー10の駆動源となる駆動部として機能することになる。
ここで、上述した各構成の着火遅延機構のうち、ガス発生器60に対する通電のタイミングをアクチュエータ88によるパラグライダー10の射出が開始された時点から遅らせるものは、作動遅延機構に該当する。一方で、延時薬を用いて着火薬の燃焼開始のタイミングを遅らせるものは、ガス発生器60に対する通電のタイミングがアクチュエータ88によるパラグライダー10の射出が開始された時点と同タイミングとなる。しかしながら、いずれの場合にも、アクチュエータ88によるパラグライダー10の射出が開始された時点から遅れたタイミングでガス発生器60からガスが放出されることになる。
これにより、基本的には、パラグライダー10の射出が完了し、飛行体30に設けられた推進機構32や他の部位と干渉しない程度にまでパラグライダー10が離れた状態となってからパラグライダー10の展開が開始されることになるため、パラグライダー10の射出が妨げられることがなくなり、確実にパラグライダー10を展開させることが可能になる。
なお、図3および図4に示した展開後のパラグライダー10のキャノピー40は、以下の3通りの方法のいずれかで畳むことができるように構成されている。
第1の方法は、キャノピー40の図3の紙面奥側の部分が内側になるように巻き込むようにしてキャノピー40を各セル44内の空気を抜きながら巻き取る方法である。第2の方法は、キャノピー40の図3の紙面奥側から順に各セル44を押し潰すようにして各セル44内の空気を抜いていくことにより、キャノピー40を長手方向に押し潰すように畳む方法である。第3の方法は、キャノピー40の図3の紙面奥側から順に各セル44を押し潰すようにして各セル44内の空気を抜きつつ、順にキャノピー40を重畳的に折り曲げることで折り畳む方法である。
上述のいずれかの方法で巻き取られまたは畳まれたキャノピー40は、パラグライダー10が空中に射出された後にガス発生器60が作動する(より厳密には、パラグライダー10が空中に射出された後にガス発生器60からガスが放出される)ことで展開する。
より具体的には、アクチュエータ88によるパラグライダー10の射出が開始された時点から所定時間経過後にガス発生器60からガスが放出されることにより、当該ガスが袋状部材50に流入することで袋状部材50が膨張し、畳まれていた袋状部材50が膨張し始める。これにより、ガス発生器60が内部に設けられている部分のキャノピー40内のセル44が膨張し始める。このとき、当該セル44内は負圧になるため、エアインテーク49から外部の空気を取り込み、図3における紙面手前側のセル44が所定の形状まで続けて膨張する。
続いて、ガス発生器60で発生したガスが袋状部材50にさらに流入し、袋状部材50がさらに膨張して伸びることにより、ガス発生器60が内部に設けられているセル44から順に、各エアインテーク49から外部空気を取り込みながら、隣のセル44が連続して膨張することになり、最後には図3における紙面奥側のセル44が膨張する。
これにより、ガス発生器60の作動時から早期に、図3に示したキャノピー40のような形状が形成される。展開の効率を考慮した場合には、ガス発生器60の配設位置は、パラグライダー10の長手方向に沿って配置された袋状部材50の中心付近とすることがより好ましい。
なお、上述した第1の方法でキャノピー40を巻き取った場合には、袋状部材50は、玩具の吹き戻しを人が吹いた場合と同様の原理で展開し、これに伴ってキャノピー40も同様の態様で展開することになる。
上述のようにして展開された後のパラグライダー10は、図4に示すように、キャノピー40の両側部およびキャノピー40の下部に連結された複数のライン80を介して、飛行体用安全装置100の本体部に連結された状態となる。なお、各ライン80を飛行体用安全装置100に別途設けたモーター(図示せず)を用いて巻き取ったり送り出したりすることにより、各ライン80に張力を付加したり緩めたりすることができるため、当該モーター(図示せず)を適宜制御する指示を遠隔操作によって行なうこと等により、パラグライダー10の進行方向を操作することもできる。
以上のように、本実施の形態によれば、構造が簡単で且つパラグライダー10の展開時間を短縮することができるとともに、従来よりも極少量のガスでパラグライダー10の展開が可能な飛行体用安全装置およびこれを備えた飛行体とすることができる。
また、本実施の形態においては、ガス発生器60が内部に点火器を有した火薬式のものであるため、瞬時にガスを発生させることができ、パラグライダー10の展開速度を速めることができる。
ここで、本実施の形態においては、袋状部材50を単一の長細い管形状のものとした場合を例示したが、これに限定されるものではない。たとえば、袋状部材は、内部がそれぞれ連通するように放射状または格子状に形成された複数の管状部を有したものであってもよい。この複数の管状部をキャノピーの内部に張り巡らせることにより、該複数の管状部がガス発生器で発生したガスによって膨張することが可能になるため、巻き取られた状態または畳まれた状態のパラグライダーをより展開しやすくすることができる。
また、本実施の形態においては、袋状部材50を1つのガス発生器で膨張させるように構成した場合を例示したが、袋状部材50を複数のガス発生器で膨張させるように構成してもよい。特に、上述のとおり複数の管状部を袋状部材に設けた場合には、その分だけ袋状部材の容量も大きくなるため、複数のガス発生器でこれを膨張させることにより、パラグライダーの展開速度を速めることができる。
(第1変形例)
次に、第1変形例として、被展開体としてパラシュートを具備した飛行体用安全装置およびこれを備えた飛行体について説明する。
図6は、第1変形例に係る飛行体用安全装置200を備えた飛行体130の、パラシュート110の展開後の状態を示す模式正面図であり、図7は、図6に示すパラシュート110の展開後の内側の構成を示した模式図である。なお、図6および図7において、図4において示された構成に付された符号の下二桁と同じ下二桁の符号が付された構成は、当該図4において説明した構成と基本的に同じものであるため、その説明を省略する場合がある。
図6に示すように、本変形例に係る飛行体用安全装置200は、上記実施の形態1に係る飛行体用安全装置100とほぼ同様の構成のものであるが、パラグライダー10に代えてパラシュート110を備えている。
図6および図7に示すように、パラシュート110は、ハウジング186内に収納可能に折り畳むことができる傘体140と、傘体140の内側面140aに設けられた袋状部材150と、袋状部材150の内部にガスを供給することが可能なガス発生器160とを備えている。なお、袋状部材150とガス発生器160とは、傘体140の外側面に設けられていてもよい。
傘体140は、上記実施の形態1におけるキャノピーと同素材で作成することができるものであり、取り付けられた対象物(ここでは飛行体130)の落下速度を抑制することができる、いわゆる落下傘を構成する部品の1つである。また、この傘体140は、ライン180を介してハウジング186に接続されている。
袋状部材150は、傘体140と同様に、展開前に折り畳むことができるように傘体140の内側面140aに膨張可能に貼付または縫合されている。また、袋状部材150は、内部にガス発生器160からのガスが流入した際に、図7に示すように、膨らんで十字型のチューブ状(管状または筒状)の形状となるように構成されている。なお、折り畳まれていた袋状部材150の膨張に伴い、パラシュート110は展開するように構成されている。
ここで、本変形例においては、袋状部材150の膨張後の形状を十字型とした場合を例示したが、これに限らず、膨張後の形状がたとえばさらに中心から複数本のチューブ状の部位が放射状に延びるように構成されたものとしてもよいし、格子状に形成されたものとしてもよい。
ガス発生器160は、上述した実施の形態1におけるガス発生器60と同様のものであり、袋状部材150の中心付近に設けられている。また、ガス発生器160は、図示はしていないが、本変形例においても上述した実施の形態1と同様の電気回路に接続されている。
このような構成の本変形例によれば、上記実施の形態1の場合と同様の作用および効果を得ることができる。
(第2変形例)
次に、第2変形例として、被展開体としてエアバッグを具備した飛行体用安全装置およびこれを備えた飛行体について説明する。
図8は、第2変形例に係る飛行体用安全装置300を備えた飛行体230の、エアバッグ311が展開した後の状態を示す模式正面図である。なお、図8において、図4において示された構成に付された符号の下二桁と同じ下二桁の符号が付された構成は、当該図4において説明した構成と基本的に同じものであるため、その説明を省略する場合がある。
図8に示すように、飛行体230は、ガス発生器(図示せず)の動作に基づき発生されたガス圧によってエアバッグ311を膨張させるエアバッグ装置310を備えている。エアバッグ装置310は、通常姿勢時の機体231の上部に設けられた飛行体用安全装置300の本体部とは機体231を挟んで対向するように、通常姿勢時の機体231の下部に設けられている。
エアバッグ311の下部の内部側には、上記第1変形例における袋状部材150と同様の袋状部材250と、袋状部材250の内部にガスを供給することが可能なガス発生器260とが設けられている。ここで、本変形例においては、袋状部材250の膨張後の形状は、上記第1変形例における袋状部材150の場合と同様であり、放射状にしたり格子状にしたり等、形状を適宜変更することもできる。また、袋状部材250およびガス発生器260は、エアバッグ311の外部側に設けられていてもよい。なお、エアバッグ311の材質および袋状部材250の材質は、実施の形態1におけるパラグライダー10および袋状部材50の材質と同様である。
ガス発生器260は、上述した実施の形態1におけるガス発生器60と同様のものであり、袋状部材250の中心付近に設けられている。また、ガス発生器260は、図示はしていないが、本変形例においても上述した実施の形態1と同様の電気回路に接続されている。
このような構成の本変形例に係る飛行体用安全装置300とすれば、以下の作用および効果を得ることができる。
すなわち、本変形例に係る飛行体用安全装置300においては、通常のエアバッグ装置310の動作が始動した後に、ガス発生器260を動作させて袋状部材250を膨張させることができるため、エアバッグ311における袋状部材250が設けられた部位を他の部位よりもさらに迅速に展開することができる。これにより、本来のエアバッグ装置310におけるエアバッグ311の展開力に、さらに袋状部材250の膨張によるエアバッグ311の展開力を付加することができる。従って、構造が簡単で且つエアバッグ311の展開時間を短縮することができるとともに、従来よりも極少量のガスでエアバッグ311の展開が可能となる。
また、基本的には、エアバッグ311の射出が完了し、飛行体230に設けられた脚部233や他の部位と干渉しない程度にまでエアバッグ311が離れた状態となってからエアバッグ311の展開が開始されることになるため、エアバッグ311の射出が妨げられることがなくなり、確実にエアバッグ311を展開させることが可能になる。
ここで、図1、図2および図4を参照して、本実施の形態においては、パラグライダー10を射出するための部位である、飛行体用安全装置100のハウジング86の開口部が設けられた上述した開口端部が、移動部材としてのピストン81の移動方向である高さ方向において、飛行体30の推進機構32よりも高い位置に配設されている。
このように構成することにより、飛行体用安全装置100の開口部が当該飛行体用安全装置100の高さ方向(図2および図4における紙面上下方向)において推進機構32よりも高い位置に設けられているため、パラグライダー10が飛行体30の推進機構32などの各部位に巻き込まれたり引っ掛かったりすることがなくなり、パラグライダー10をさらに確実に展開させることが可能になる。
また、本実施の形態によれば、飛行体用安全装置100のパラグライダー10の射出機構、および、パラグライダー10の展開機構の各制御を、それぞれ独立した2チャンネル制御とする必要がなく、1チャンネル制御とすることが可能になるため、制御部の構成を簡素化することができる。その結果、軽量化が図られた飛行体用安全装置とすることができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る飛行体用安全装置およびこれを備えた飛行体について説明する。なお、実施の形態2に係る飛行体用安全装置は、被展開体としてパラグライダーを具備するものである。
図9は、実施の形態2に係る飛行体用安全装置400を備えた飛行体330の模式正面図である。図9に示すように、飛行体330は、機体331と、当該機体331に設けられるとともに機体331を推進させる1つ以上の推進機構(例えばプロペラ等)332と、機体331の下部に設けられた複数の脚部333と、飛行体用安全装置400とを備えている。飛行体用安全装置400は、機体331の内部に設けられている。
図10は、図9に示す飛行体用安全装置400の模式断面図である。図10に示すように、飛行体用安全装置400は、第1射出部370と第2射出部390とを備えている。第1射出部370は、パラグライダー386および第2射出部390を射出可能なものであり、第2射出部390は、パラグライダー386を射出可能なものである。
第1射出部370は、機体331の内部に形成されており(図9参照)、アクチュエータ378を有している。アクチュエータ378は、点火薬(図示略)を収容するカップ状のケース375を有するガス発生器374と、凹部372および当該凹部372と一体的に形成されたピストンヘッド373を有するピストン371と、ピストン371を収容し当該ピストン371の推進方向を規制する有底筒状のハウジング376とを備えている。ピストンヘッド373上には、第2射出部390が射出可能に配置されている。
ガス発生器374は、凹部372の内部に設けられている。また、ガス発生器374の先端部には、ガス噴出口が設けられており、電気信号による点火によって凹部372内においてピストン371を図10の矢印方向に射出する推進力となるガスを発生させることができる。また、図示はしないが、凹部372とガス発生器374の外壁部との間には、作動時においてガス漏れが発生しないようにOリングなどのシール部材が設けられていてもよい。
第2射出部390は、アクチュエータ388を備えており、通電可能なリードワイヤー350(図12参照)を介して第1射出部370または飛行体330の機体331に連結されている。なお、リードワイヤー350は、後述する制御部320(図11参照)からの第2射出部390への作動信号の送信、または/および、第2射出部390の射出後における飛行体330の吊るし上げに使用されるものである。リードワイヤー350は、スチールワイヤーなどの強度の高い導電性材料のものか、あるいは、ワイヤロープ構造を有しかつ中心部が導電性材料のものであることが好ましい。
アクチュエータ388は、点火薬(図示略)を収容するカップ状のケース385を有するガス発生器384と、凹部382および当該凹部382と一体的に形成されたピストンヘッド383を有するピストン381と、ピストン381を収容し当該ピストン381の推進方向を規制する有底筒状のハウジング380とを備えている。
ガス発生器384は、凹部382の内部に設けられている。また、ガス発生器384の先端部には、ガス噴出口が設けられており、電気信号による点火によって凹部382内においてピストン381を図10の矢印方向に射出する推進力となるガスを発生させることができる。また、図示はしないが、凹部382とガス発生器384の外壁部との間には、作動時においてガス漏れが発生しないようにOリングなどのシール部材が設けられていてもよい。
パラグライダー386は、ピストンヘッド383上に配置されており、第2射出部390のハウジング380に連結部材351(図12(B)参照)によって連結された状態でハウジング380の内部に収納されている。連結部材351のうち少なくとも1本は、強度の点および後述するガス発生器386b(図11参照)への通電線としての役割からスチールワイヤーが好ましい。
また、パラグライダー386は、当該パラグライダー386の本体(すなわち帆布部材など)の表面に沿って、パラグライダー386の本体の内側または外側に設けられた袋状部材386a(図11および図12(B)参照)と、袋状部材386aの内部にガスを流入させることが可能なガス発生器386b(図11参照)とを備えている。これら袋状部材386aおよびガス発生器386bは、パラグライダー386の展開機構の主要部である。
袋状部材386aは、実施の形態1における袋状部材50と同様のものであり、初期状態(図9および図10の状態)において、パラグライダー386の本体と共にまたは別々に折り畳みまたは巻き取ることができるように構成されている。また、袋状部材386aは、ガス発生器386bで発生したガスが内部に流入した際に膨張し、これによりパラグライダー386の本体を迅速に展開させることができるように構成されている。なお、袋状部材386aとしては、たとえば膨張時に管状になるものが挙げられるが、パラグライダー386の本体を迅速に展開させることができるものであれば、どのような形状のものであってもよい。
ガス発生器386bは、作動信号を受信してから所定時間までガス発生器386bの作動時間を延ばすことが可能な延時装置386c(図11参照)を有している。延時装置386cの例としては、いわゆる段発電気雷管と同様に延時薬を点火器に組み込んで点火タイミングを調整する火薬式タイマー装置、モーターと複数の歯車とを用いてタイミングを調整する機械式タイマー装置、二次電池とともに電気式のICタイマーを組み込んだ電気式タイマー装置などが挙げられる。
また、飛行体用安全装置400は、飛行体330の異常を検出する加速度センサ等を含む異常検出装置340(図11参照)を備えている。
図11は、図9に示す飛行体330における飛行体用安全装置400の機能ブロック図である。ここで、異常検出装置340の機能的構成について説明する。図11に示すように、異常検出装置340は、センサ(検知部)313と、制御部(CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有するコンピュータ)320とを備えており、第1射出部370のガス発生器374内の点火器(図11において不図示)、および、第2射出部390のガス発生器384内の点火器(図11において不図示)と電気的に接続されているとともに、延時装置386cを介してパラグライダー386のガス発生器386b内の点火器(図11において不図示)と電気的に接続されている。
センサ313は、飛行体330の飛行状態(衝突、墜落などを含む)を検知するものである。具体的には、センサ313は、たとえば加速度センサ、ジャイロセンサ、気圧センサ、レーザーセンサ、超音波センサなどから1つ以上が選択されて構成されてなるものであり、飛行体330の速度、加速度、傾き、高度、位置など、飛行体330の飛行状態のデータを取得することができる。
制御部320は、機能的構成として、センサ異常検知部321と、演算部322と、通知部323とを備えている。これらのセンサ異常検知部321、演算部322および通知部323は、制御部320が所定のプログラムを実行することで機能的に実現されるものである。
センサ異常検知部321は、センサ313の異常状態を検知するものである。すなわち、センサ異常検知部321は、センサ313が正常に動作可能であるか否かを検知する。
演算部322は、センサ313が実測して取得した各データを基に、飛行体330の飛行状態が異常か否かを判定するものである。具体的には、演算部322は、飛行体330が衝撃を受けたかどうかの判定(または衝突したかどうかの判定)、あるいは、飛行体330の墜落の予知の判定を行なう。また、演算部322は、飛行体330の飛行状態が異常であると判定した場合に、異常信号(他の機器を起動または作動させる命令信号を含むこともある)を外部に出力するものでもある。なお、演算部322とは別に異常信号出力部を設け、演算部322の命令によってこの異常信号出力部が異常信号を出力するように構成してもよい。
通知部323は、センサ異常検知部321によってセンサ313の異常が検知された場合に、センサ313の異常が検知された旨の通知を管理者などに対して行なうものである。
次に、上述した構成の本実施の形態における異常検出装置340の動作について説明するとともに、図9に示す飛行体における飛行体用安全装置の作動状態についてもあわせて説明する。図12は、図9に示す飛行体330における飛行体用安全装置400の作動状態を説明するための図である。
最初に、センサ異常検知部321によるセンサ313の異常検査が行なわれる。具体的には、センサ異常検知部321により、飛行体330の加速度を計測する加速度センサなどが正常に動作するかどうかの検査が実施される。
上記検査の結果、異常ありと判定された場合には、センサ異常検知部321は、管理者などに対してエラー通知を行なってその動作を終了する。一方、上記検査の結果、異常なしと判定された場合には、演算部322は、センサ313で実測された各データを読み込む。
そして、演算部322は、センサ313で実測されることで取得されたデータに基づいて飛行体330の飛行状態が異常でないと判断すれば、引き続きセンサ313で実測された各データを読み込む。
一方、演算部322は、取得されたデータに基づいて飛行体330の飛行状態が異常であると判断すれば、安全装置起動信号(異常信号)を飛行体用安全装置400の第1射出部370のガス発生器374に出力する。
第1射出部370は、安全装置起動信号を受け取ることで起動する。これにより、図12(A)に示すように、ガス発生器374によって発生したガスによるピストン371の推進により、第2射出部390が直接押し出されることになり、第2射出部390が機体331の外部の推進機構332から離れた位置に瞬時に射出される。なお、ハウジング376の開口部が設けられた開口端部は、初期状態において蓋377(図10参照)によって閉じられており、当該蓋377は、第2射出部390の押し出しによって上記開口端部から外れるように構成されている。
続いて、所定時間経過後または図12(A)に示した位置に第2射出部390が到達した時点で、演算部322は、安全装置起動信号(異常信号)を飛行体用安全装置400の第2射出部390のガス発生器384、および、パラグライダー386のガス発生器386bに同時に出力する。
第2射出部390は、安全装置起動信号を受け取ることで起動する。これにより、ガス発生器384によって発生したガスによるピストン381の推進により、パラグライダー386が直接押し出されて射出される。なお、ハウジング380の開口部が設けられた開口端部は、初期状態において蓋387(図10参照)によって閉じられており、当該蓋387は、パラグライダー386の押し出しによって上記開口端部から外れるように構成されている。
一方、第2射出部390と同時に安全装置起動信号を受け取ったパラグライダー386のガス発生器386bは、延時装置386cの機能によって所定時間経過後に起動され、ガスを発生させることで袋状部材386aに該ガスを流入させる。これにより、袋状部材386aは膨張して管状の形状となり、これに伴ってパラグライダー386が迅速に展開することになる。
このように、本実施の形態によれば、第1射出部370、第2射出部390、および、パラグライダー386の展開機構の各制御を、それぞれ独立した3チャンネル制御とする必要がなく、2チャンネル制御とすることが可能になるため、制御部320の構成を簡素化することができる。その結果、軽量化が図られた飛行体用安全装置とすることができる。なお、パラグライダー386のガス発生器386bのみならず、第2射出部390のガス発生器384にも延時装置を組み込むこととすれば、第1射出部370、第2射出部390、および、パラグライダー386の展開機構の各制御を、1チャンネル制御とすることも可能となり、さらなる軽量化を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、第1射出部370によって第2射出部390を所定の位置まで射出し、その後、当該位置において第2射出部390からパラグライダー386を空中に向けて射出して展開することができる。したがって、飛行体330の推進機構332などの各部位にパラグライダー386が巻き込まれたり引っ掛かったりすることがなくなり、パラグライダー386を確実に展開させることが可能になる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3に係る飛行体用安全装置およびこれを備えた飛行体について説明する。なお、実施の形態3に係る飛行体用安全装置は、被展開体としてパラグライダーを具備するものである。なお、本実施の形態において、前述の図9ないし図12において示された構成に付された符号の下二桁と同じ下二桁が付された構成は、当該図9ないし図12において説明した構成と基本的に同じものであるため、その説明を省略する場合がある。また、本実施の形態において、特に説明がない限り、その他の構成については、上述した実施の形態2と同様である。
図13は、実施の形態3に係る飛行体用安全装置500を備えた飛行体430の模式正面図であり、図14は、図13に示す飛行体用安全装置500の模式断面図である。図13および図14に示すように、飛行体430は、実施の形態2に係る飛行体用安全装置400と構成の異なる飛行体用安全装置500を備えている。
飛行体用安全装置500は、飛行体用安全装置400における第2射出部390とほぼ同じ構成の第2射出部を有しているが、パラグライダー486の上部に引き出しパラシュート用射出部460(当該引き出しパラシュート用射出部460が第1射出部に相当する)が設けられている点において、その構成が相違している。
引き出しパラシュート用射出部460は、引き出しパラシュート461(図15参照)を射出することができるものである。この引き出しパラシュート用射出部460における引き出しパラシュート461の射出機構としては、飛行体用安全装置400における第2射出部390と同様の射出機構を用いることができる。引き出しパラシュート461は、パラグライダー486に紐状部材462(図15参照)を介して連結されている。なお、紐状部材462は、強度の観点から、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維などの強化繊維、または、スチールワイヤーなどの金属繊維からなることが好ましい。
次に、上述した構成の飛行体用安全装置500を備えた飛行体430の動作について説明する。図15は、図13に示す飛行体430における飛行体用安全装置500の作動状態を説明するための図である。
上述した実施の形態における異常検出装置340と同様の構成の異常検出装置において、飛行体430に異常が発生していることが検出された場合には、該異常検出装置から引き出しパラシュート用射出部460に対する起動信号が出力される。
引き出しパラシュート用射出部460は、起動信号を受け取ることで起動する。これにより、図15(A)に示すように、引き出しパラシュート461が外部に射出される。このとき、蓋487(図14参照)は、引き出しパラシュート461の推進力によって容器480から外れる。
引き出しパラシュート用射出部460が起動してから所定時間経過後、上記異常検出装置は、安全装置起動信号を飛行体用安全装置500の第2射出部のガス発生器484(図14参照)、および、パラグライダー486のガス発生器(上述した実施の形態2におけるガス発生器386bと同様のもの)に同時に出力する。
飛行体用安全装置500の第2射出部は、安全装置起動信号を受け取ることで起動し、パラグライダー486を射出する。このとき、先行して引き出しパラシュート461が射出されているため、パラグライダー486は、紐状部材462を介して引き出しパラシュート461によって迅速に引き出される。
一方、飛行体用安全装置500の第2射出部と同時に安全装置起動信号を受け取ったパラグライダー486のガス発生器は、延時装置(上述した実施の形態2における延時装置386cと同様のもの)の機能によって所定時間経過後、たとえば、図15(B)に示す状態となって起動し、ガスを袋状部材486aに流入させる。これにより、袋状部材486aが膨張し、図15(C)に示すように、パラグライダー486が迅速に展開することになる。
このように、本実施の形態によれば、飛行体用安全装置500のパラグライダー486の射出機構、および、パラグライダー486の展開機構(主要部は袋状部材486aおよびガス発生器)の各制御を、それぞれ独立した2チャンネル制御とする必要がなく、1チャンネル制御とすることが可能になるため、制御部の構成を簡素化することができる。その結果、軽量化が図られた飛行体用安全装置とすることができる。
また、本実施の形態によれば、引き出しパラシュート461を先行して射出することにより、パラグライダー486を射出しつつ所定の位置まで迅速にこれを引き出し、その後、当該位置においてパラグライダー486を展開することができる。したがって、飛行体430の推進機構432などの各部位にパラグライダー486が巻き込まれたり引っ掛かったりすることがなくなり、パラグライダー486を確実に展開させることが可能になる。
(第3変形例)
次に、第3変形例として、被展開体としてパラグライダーおよびエアバッグを具備した飛行体用安全装置およびこれを備えた飛行体について説明する。
図16は、第3変形例に係る飛行体用安全装置690を備えた飛行体630の、エアバッグ611が展開した後の状態を示す模式正面図である。なお、図16において、図4において示された構成に付された符号の下二桁と同じ下二桁の符号が付された構成は、当該図4において説明した構成と基本的に同じものであるため、その説明を省略する場合がある。
図16に示すように、本変形例に係る飛行体用安全装置690は、上記実施の形態1に係る飛行体用安全装置100とは異なり、飛行体用安全装置690の本体部が、通常姿勢時の飛行体630の機体631の下部に設けられているとともに、飛行体用安全装置690の一部であるエアバッグ装置610が、通常姿勢時の機体631の下部に設けられた飛行体用安全装置690の本体部とは機体631を挟んで対向するように、通常姿勢時の機体631の上部にさらに設けられてなるものである。
エアバッグ装置610は、エアバッグ611とガス発生器とを備えており、ガス発生器の点火動作に基づいて発生したガス圧によってエアバッグ611を膨張させるものである。なお、ガス発生器は、ガスをエアバッグ内に供給できるものであればどのようなものでもよく、点火器を備えた火薬式のものであってもよいし、これに代えてボンベ式のものなどであってもよい。
一方、飛行体用安全装置690の本体部は、上記実施の形態に係る飛行体用安全装置100と同様のものであり、パラグライダーを射出することが可能に構成されたものである。
このような構成において、エアバッグ装置610に搭載されている異常検出装置により、センサ(図示略)で実測されて取得されたデータに基づいて飛行体630の飛行状態が異常であると判定された場合には、上述の異常検出装置340と同様の構成の異常検出装置から安全装置起動信号がエアバッグ装置610のガス発生器に出力され、これによって当該ガス発生器が作動する。
上記ガス発生器が作動することにより、ガス発生器にて生じたガス圧によってエアバッグ611が射出されて膨張する。これにより、飛行体630の落下時において、障害物および搭載物、特に歩行者を保護することができる。
なお、エアバッグ装置610に搭載されている異常検出装置により、センサ(図示略)で実測されて取得されたデータに基づいて飛行体630の飛行状態が異常でないと判定された場合には、異常検出装置から安全装置起動信号がガス発生器に出力されることはない。
このように、エアバッグ装置610に異常検出装置を設けた場合には、エアバッグ装置610が誤動作することをより確実に防止することができる。したがって、エアバッグ装置610の安全面での信頼性を向上することができる。その他の作用効果は、上述した飛行体用安全装置100の場合と同様である。
(第4変形例)
次に、第4変形例として、被展開体としてパラグライダーおよびエアバッグを具備した飛行体用安全装置およびこれを備えた飛行体について説明する。
図17は、第4変形例に係る飛行体用安全装置790を備えた飛行体730の、エアバッグ711が展開した後の状態を示す模式正面図である。なお、図17において、図4において示された構成に付された符号の下二桁と同じ下二桁の符号が付された構成は、当該図4において説明した構成と基本的に同じものであるため、その説明を省略する場合がある。
図17に示すように、本変形例に係る飛行体用安全装置790は、上記実施の形態1に係る飛行体用安全装置100とは異なり、飛行体用安全装置790の一部であるエアバッグ装置710が、通常姿勢時の飛行体730の機体731の上部に設けられた飛行体用安全装置790の本体部とは機体731を挟んで対向するように、通常姿勢時の機体731の下部に設けられてなるものである。
エアバッグ装置710は、エアバッグ711とガス発生器とを備えており、ガス発生器の点火動作に基づいて発生したガス圧によってエアバッグ711を膨張させるものである。なお、ガス発生器は、ガスをエアバッグ内に供給できるものであればどのようなものでもよく、点火器を備えた火薬式のものであってもよいし、これに代えてボンベ式のものなどであってもよい。
一方、飛行体用安全装置790の本体部は、上記実施の形態に係る飛行体用安全装置100と同様のものであり、パラグライダーを射出することが可能に構成されたものである。
このような構成において、エアバッグ装置710に搭載されている異常検出装置により、センサ(図示略)で実測されて取得されたデータに基づいて飛行体730の飛行状態が異常であると判定された場合には、上述の異常検出装置340と同様の構成の異常検出装置から安全装置起動信号がエアバッグ装置710のガス発生器に出力され、これによって当該ガス発生器が作動する。
上記ガス発生器が作動することにより、ガス発生器にて生じたガス圧によってエアバッグ711が射出されて膨張する。これにより、飛行体730の落下時において、障害物および搭載物、特に歩行者を保護することができる。また、本変形例においては、機体731の下部に設けられることが多い各種のデバイスをエアバッグ711によって保護することもできる。
なお、エアバッグ装置710に搭載されている異常検出装置により、センサ(図示略)で実測されて取得されたデータに基づいて飛行体730の飛行状態が異常でないと判定された場合には、異常検出装置から安全装置起動信号がガス発生器に出力されることはない。
このように、エアバッグ装置710に異常検出装置を設けた場合には、エアバッグ装置710が誤動作することをより確実に防止することができる。したがって、エアバッグ装置710の安全面での信頼性を向上することができる。その他の作用効果は、上述した飛行体用安全装置100の場合と同様である。
(飛行体用安全装置を利用した飛行体の落下時の減速について)
近年、各国において無人航空機の落下時の安全性を確保する観点から、各種の法規制が整備されつつある。その一つとして、無人航空機の落下時において、無人航空機が何らかの対象物に衝突する際の衝撃値を所定値以下に制限することが行なわれている。許容される衝撃値の上限は、各国において異なるものの、たとえば69[J]未満に制限される場合がある。
衝撃値が69[J]未満となるように、飛行体の減速を行なうためには、飛行体用安全装置を含む飛行体の総重量をm[kg]とし、落下時の飛行体の速度をv[m/s]とした場合に、69[J]>(1/2)×m×V2を満たすように飛行体を減速させる必要がある。そのため、総重量mが1[kg]以上1000[kg]以下である場合には、当該総重量に応じて飛行体の速度が0.3[m/s]から11.7[m/s]以下となるように、飛行体を早期に減速させることが必要になる。
したがって、上述した実施の形態1ないし3および第1ないし第4変形例に係る飛行体用安全装置およびこれを備えた飛行体においては、パラシュート、パラグライダー等の被展開体を早期に展開させることによって上記減速が実現できるように、その設計を行なうことが重要である。
ここで、上述のとおり、飛行体を早期に減速させる観点からは、射出装置によって射出された時点から被展開体の展開が開始されるまでの時間をより短くすることが好ましく、その時間は、好ましくは10秒以内、より好ましくは8秒以内、さらに好ましくは5秒以内、場合によっては3秒以内あるいは1秒以内とされる。なお、被展開体が射出され始めてから展開が完了するまでの時間は、被展開体と飛行体とを接続する連結部材(すなわちラインまたはコード)の長さや飛行体の総重量等によって異なるため、これらに応じて被展開体の展開開始のタイミングを適宜調整することが必要になる。
また、上述した実施の形態1ないし3および第1ないし第4変形例に係る飛行体用安全装置およびこれを備えた飛行体においては、パラシュート、パラグライダー等の被展開体が、巻き取られまたは畳まれた非展開状態から一度に展開するように構成した場合を例示して説明を行なったが、そのように構成した場合には、被展開体の展開時において飛行体に印加される衝撃が大きくなり過ぎてしまうことも懸念される。
そのため、被展開体を複数具備させてその展開のタイミングを異ならしめたり、単一の被展開体において一度に展開できるエリアを分けて各々のエリアを異なるタイミングで展開させたりすること等により、多段階的に被展開体を展開できるように構成すれば、飛行体に印加される衝撃の緩和を図ることもできる。なお、飛行体に印加される衝撃の緩和と、装置構成の簡素化との両立を図る観点からは、被展開体が二段階または三段階に展開するように構成することが好ましい。
(その他の変形例)
上述した実施の形態ならびにそれらの変形例においては、センサ異常検知部、演算部および通知部をソフトウェアによって機能的に実現することとした場合を例示したが、これに限定されるものではなく、ハードウェアによってこれを実現する構成としてもよい。
また、上述した実施の形態ならびにそれらの変形例においては、ガス発生器として主に火薬式のものを用いた場合を例示したが、ボンベ式など他の様式のガス発生器を用いてもよい。また、上述した火薬式のガス発生器とは異なる他の火薬式のものとして、作動時に発生したガスによる内圧の上昇によりガス噴出口が形成されるような構造となっているマイクロガスジェネレータ(MGG)またはスクイブを、上述したガス発生器に代えて使用することとしてもよい。
また、上述した実施の形態ならびにそれらの変形例において示した特徴的な構成は、相互にこれを組み合わせることができる。
また、上述した実施の形態ならびにそれらの変形例においては、安全機構としてのパラシュート、パラグライダーおよびエアバッグの少なくともいずれかを備えた飛行体用安全装置を例示したが、安全機構は、これらに限定されるものではなく、この他にも次のような安全機構を備えた飛行体用安全装置に本発明を適用することができる。
たとえば、駆動機構によって信号弾を発射することが可能な安全機構を備えた飛行体用安全装置としてもよい。これにより、飛行体の異常を外部に報知できるとともに、飛行体が墜落した際の回収場所の目印とすることができる。
また、駆動機構によってネット(網)を射出することが可能な安全機構を備えた飛行体用安全装置としてもよい。これにより、タイミングを合わせて、フックまたは突起物などに向けてネットを射出すれば、当該フックまたは突起物に飛行体を引っ掛けることができる。その結果、飛行体が地面へ落下して衝突することを未然に防止することができる。
また、射出機構によって収縮させたまたは折り畳んだ浮き輪(フロート)を駆動機構と共に射出し、駆動機構によって当該浮き輪を膨張展開させることが可能な安全機構を備えた飛行体用安全装置としてもよい。これにより、飛行体が水没することを防止できるとともに、飛行体が墜落した際の回収場所の目印とすることができる。
また、射出機構によって、収縮させたまたは折り畳んだ浮き輪(フロート)およびパラシュートを駆動機構と共に射出し、駆動機構によって当該浮き輪およびパラシュートを展開させることが可能な安全機構を備えた飛行体用安全装置としてもよい。これにより、飛行体の墜落時の落下速度を低減させるとともに、飛行体が水没することを防止でき、さらに飛行体が墜落した際の回収場所の目印とすることができる。
また、射出機構によってパラシュートを駆動機構とともに射出し、当該パラシュートが展開した後に、駆動機構によって当該パラシュートと飛行体とを連結している複数の連結部材のうち一部を切断し、飛行体の機体の重心をずらして横向きにして落下させ、その後、飛行体の落下側の側面に設けられているエアバッグ装置を用いて地面などへの衝突の衝撃を緩和することが可能な安全機構を備えた飛行体用安全装置としてもよい。
また、射出機構によって、いわゆるパラモーターを駆動機構と共に射出し、パラシュートまたはパラグライダーが完全に展開した後に、駆動機構によってモーターを駆動させてプロペラを回転させることが可能な安全機構を備えた飛行体用安全装置としてもよい。これにより、パラシュートまたはパラグライダーがプロペラに絡まることがなくなる。なお、パラモーターとは、パラシュートまたはパラグライダーのハーネス部分に動力(モーターによるプロペラ回転機など)を設けることで推力を得て飛行可能なものである。
また、射出機構によって音声発生装置を駆動機構と共に射出し、駆動機構によって飛行体の墜落時に当該音声発生装置を作動させ、周囲に危険を報知することが可能な安全機構を備えた飛行体用安全装置としてもよい。
また、射出機構によって照明装置(フラッシュライトなど)を駆動機構と共に射出し、駆動機構によって飛行体の墜落時に当該照明装置を作動させ、周囲に危険を報知することが可能な安全機構を備えた飛行体用安全装置としてもよい。
また、射出機構によって消火器を駆動機構と共に射出し、駆動機構によって飛行体の墜落時に当該消火器を作動させて、飛行体の機体および周囲に消火剤を噴霧可能な安全機構を備えた飛行体用安全装置としてもよい。
また、射出機構によって、予め射出可能に搭載しておいたパラシュート付き搭載物(たとえば高価な装置類)を駆動機構と共に射出し、駆動機構によって当該パラシュート付き搭載物のパラシュートを展開させる安全機構を備えた飛行体用安全装置としてもよい。これにより、当該パラシュート付き搭載物を重点的に保護することができる。
また、射出機構によって、予め射出可能に搭載しておいたエアバッグ装置付き搭載物(たとえば高価な装置類)を駆動機構と共に射出し、駆動機構によって当該エアバッグ装置付き搭載物のエアバッグを膨張展開させる安全機構を備えた飛行体用安全装置としてもよい。これにより、当該エアバッグ装置付き搭載物を重点的に保護することができる。
また、射出機構によって救難信号送信装置を駆動機構と共に射出し、駆動機構によって飛行体の墜落時に当該救難信号送信装置を作動させて、救難信号を外部に送信することが可能な安全機構を備えた飛行体用安全装置としてもよい。これにより、飛行体が墜落した場合、墜落地点を特定することができる。
また、射出機構によってパラシュート付きブラックボックス(フライトレコーダーなど)を駆動機構と共に射出し、駆動機構によって飛行体の墜落時に当該パラシュート付きブラックボックスのパラシュートを展開させる安全機構を備えた飛行体用安全装置としてもよい。これにより、当該パラシュート付きブラックボックスを重点的に保護することができる。その結果として、飛行データを保護することができる。
また、射出機構によって浮き輪付きブラックボックス(フライトレコーダーなど)を駆動機構と共に射出し、駆動機構によって飛行体の墜落時に当該浮き輪付きブラックボックスの浮き輪を展開させる安全機構を備えた飛行体用安全装置としてもよい。これにより、当該浮き輪付きブラックボックスを重点的に保護することができる。その結果、飛行データを保護することができる。なお、ここでの浮き輪は、駆動機構の作動前においては、収縮または折り畳まれた状態でブラックボックス外部に取り付けられており、駆動機構の作動時に膨張展開することができるものである。
また、射出機構における射出物(安全機構など)の射出にガス発生器が使用されている場合、センサからの測定データに基づいて、落下中の飛行体の回転モーメントを相殺し、飛行体の姿勢を安定させるタイミングを制御部が演算し、このタイミング通りに駆動機構によってガス発生器を作動させて射出物を射出することが可能な安全機構を備えた飛行体用安全装置としてもよい。これにより、当該ガス発生器のガス圧の反動を用いて落下中の飛行体の回転モーメントを相殺させることにより、飛行体の姿勢を安定させることができる。
なお、上述した各種の安全機構は、適宜組み合わせて飛行体用安全装置に組み込んでもよい。また、上述の駆動機構は、上述した構成を用いて安全機構の各部位を膨張させたり駆動させたりすることができるが、上述した構成に限られず、従来公知の駆動技術であれば、どのようなものでも本発明に適用できる。
(実施の形態1ないし3および第1ないし第4変形例ならびに上述したその他の変形例のまとめ)
以上において説明した実施の形態1ないし3および第1ないし第4変形例ならびに上述したその他の変形例の開示内容の特徴的な構成を項立てて要約すれば、以下のとおりとなる。
(1)本発明に係る安全装置は、推進機構を備えた飛行体に取付け可能な安全装置であって、前記飛行体および前記飛行体外部の対象物の安全を確保することに使用される安全機構と、前記安全機構の駆動源となる少なくとも1つの駆動部を有した駆動機構と、前記駆動機構を前記安全機構とともに射出可能な射出機構と、を備え、前記駆動機構は、前記射出機構の作動から所定時間経過した後に前記駆動部を作動させる延時機構を有していることを特徴とする。
上記(1)の構成によれば、射出機構と延時機構との制御について、それぞれ独立した複数のチャンネル制御をする必要がなく、1チャンネル制御とすることができるため、装置の制御ユニット構成を簡素化できる。その結果として、従来よりも、軽量化された安全装置を提供できる。
(2)上記(1)の安全装置においては、前記射出機構と前記延時機構とを制御する制御部をさらに備え、前記射出機構と前記延時機構とは、前記制御部から同時に作動信号を受信するものであり、前記延時機構は、前記作動信号を受信してから所定時間経過した後に前記駆動部を作動させるものであることが好ましい。
上記(2)の構成によれば、射出機構が作動してから所定時間経過後に駆動部を作動する制御を容易にかつ精度よく行うことできる。
(3)上記(1)または(2)の安全装置においては、前記安全機構が、前記飛行体または前記飛行体に設けられた部材に連結部材を介して展開可能に取り付けられたパラシュートまたはパラグライダーを有しており、前記射出機構が、前記パラシュートまたは前記パラグライダーを射出可能なものであり、前記駆動機構が、前記パラシュートまたは前記パラグライダーに取り付けられ、前記パラシュートまたは前記パラグライダーを自動展開させる展開機構であることが好ましい。
上記(3)の構成によれば、パラシュートまたはパラグライダーの射出機構と、パラシュートまたはパラグライダーの展開機構との制御について、それぞれ独立した複数のチャンネル制御をする必要がなく、1チャンネル制御とすることができるため、装置の制御ユニット構成を簡素化できる。その結果として、従来よりも、軽量化できる安全装置を提供できる。
(4)上記(3)の安全装置においては、前記射出機構が、第1射出部と第2射出部とを有しており、前記第1射出部は、所定の位置に向けて前記第2射出部を射出する機構を有したものであり、前記第2射出部は、前記第1射出部によって前記第2射出部が射出された後に、前記パラシュートまたは前記パラグライダーを射出するものであることが好ましい。
上記(4)の構成によれば、飛行体の各部位などに阻害されないように、たとえば、第1射出部によってよりよい位置へ第2射出部を射出し、その位置で第2射出部からパラシュートまたはパラグライダーを射出して展開することができる。したがって、飛行体に取り付けた場合、飛行体の推進機構などの各部位に巻き込まれたり、引っ掛かったりしないように、パラシュートまたはパラグライダーを展開することができる。
(5)別の観点として、上記(3)の安全装置においては、前記射出機構が、第1射出部と第2射出部とを有し、前記第1射出部が、前記パラシュートまたは前記パラグライダーを引き出す引き出しパラシュートを射出する機構を有しており、前記第2射出部が、前記第1射出部によって前記引き出しパラシュートが射出された後に、前記パラシュートまたは前記パラグライダーを射出するものであってもよい。
上記(5)の構成によれば、引き出しパラシュートを先行して射出することによって、パラシュートまたはパラグライダーを射出しつつ所定の位置まで迅速に引き出し、その後、その位置でパラシュートまたはパラグライダーを展開することができる。したがって、飛行体に取り付けた場合、飛行体の推進機構などの各部位に巻き込まれたり、引っ掛かったりしないように、パラシュートまたはパラグライダーを展開することができる。
(6)上記(3)~(5)の安全装置においては、前記射出機構が、開口部を一端部側に有した容器と、前記容器内に設けられ、前記パラシュートまたは前記パラグライダーが載置される発射台を前記開口部側に有し、前記容器の内壁に沿って移動可能な移動部材と、前記移動部材を前記開口部の方向に射出可能な射出用駆動部と、を備え、前記連結部材は、一端が前記パラシュートまたは前記パラグライダーと連結され、他端が前記飛行体または前記飛行体に設けられた部材に連結されており、前記開口部は、前記安全装置の高さ方向において前記推進機構よりも高い位置に設けられていることが好ましい。
上記(6)の構成によれば、飛行体に取り付けた場合、飛行体の推進機構などの各部位に巻き込まれたり、引っ掛かったりしないように、パラシュートまたはパラグライダーを展開することができる。
(7)上記(1)~(6)の安全装置においては、前記延時機構が、延時薬を点火器に組み込んで点火タイミングを調整する火薬式タイマー装置、モーターと複数の歯車とを用いてタイミングを調整する機械式タイマー装置、またはICタイマーを用いた電気式タイマー装置であることが好ましい。
上記(7)の構成によれば、精度よく、パラシュートまたはパラグライダーを射出してから所定時間経過後にパラシュートまたはパラグライダーを展開することできる。
(8)上記(3)の安全装置においては、前記パラシュートまたは前記パラグライダーの内部または外部に設けられ、前記パラシュートまたは前記パラグライダーとともに巻き取られまたは畳まれており、巻き取られた状態または畳まれた状態からチューブ状に膨張可能であって、前記チューブ状に膨張した際、巻き取られた状態または畳まれた状態の前記パラシュートまたは前記パラグライダーを展開可能な袋状部材と、作動時に、前記袋状部材の内部に発生したガスを流入させ、前記袋状部材を膨張させることが可能なガス発生器と、を備えていることを特徴とするものである。
(9)別の観点として、上記(3)の安全装置においては、前記パラシュートまたは前記パラグライダーの内部または外部に設けられ、前記パラシュートまたは前記パラグライダーと別々に、巻き取られまたは畳まれており、巻き取られた状態または畳まれた状態からチューブ状に膨張可能であって、前記チューブ状に膨張した際、巻き取られた状態または畳まれた状態の前記パラシュートまたは前記パラグライダーを展開可能な袋状部材と、作動時に、前記袋状部材の内部に発生したガスを流入させ、前記袋状部材を膨張させることが可能なガス発生器と、を備えているものであってもよい。
上記(8)または(9)の構成によれば、構造が簡単で且つパラシュートまたはパラグライダーの展開時間を短縮することができるとともに、従来よりも極少量のガスでパラシュートまたはパラグライダーの展開が可能な安全装置を提供できる。
なお、パラシュートは、基布形状が傘の形をしているものが多く、保護対象物とコードでつながっており、空気抵抗を利用して減速するものである。また、パラシュートには、傘が一つの物、同形状で複数連結したもの、または、異形状で複数連結した物がある。さらに、パラシュートには、傘の中心が閉じているもの、または、傘の中心にスピルホールと呼ばれる穴が開いているものがある。これらは、パラシュート展開時のショック低減、沈下速度、および風等の外乱の影響を受けにくくするために、適宜選択される。
また、パラグライダーは、概ねアスペクト比1以上の翼形状を有しており、さらにブレークコードと呼ばれる舵取り用のコードが、翼の左右端から繋がっている。このブレークコードを引っ張ることで、翼断面に掛かる種々の応力を変化させることができ、結果、滑空、旋回、および急激な減速を行うことが出来る。このため、パラグライダーは、パラシュートでは出来ない、滑空、旋回、減速を行うことができる。同様の構成をしたもので、ロガロタイプのパラグライダーも存在する。また、ラムエアを利用して翼形状を保つために、パラグライダーは、エアインテークのあるものが主流であるが、無いものも存在する。安定した飛行を行うためには、エアインテーク付のパラグライダーがより好ましい。さらに、プロペラ等の推進装置をつけて、強制的に推進力を得て飛行できるパラグライダーでも良い。
(10)上記(8)または(9)の安全装置においては、前記ガス発生器に、前記駆動部が組み込まれていることが好ましい。
上記(10)の構成によれば、ガス発生器の作動を適切にコントロールできるので、パラシュートまたはパラグライダーの展開タイミングを適切に制御することができる。
(11)上記(10)の安全装置は、前記ガス発生器が、内部に点火器を有した火薬式のものであることが好ましい。
上記(11)の構成によれば、瞬時にガスを発生させることができる。なお、仮に、非火薬のガスボンベ式のガス発生器を用いる場合、針等の鋭利部材と圧縮したバネを連結して、バネ力を利用して鋭利部材を飛ばし、ボンベを封止している封板に衝突させてガスを放出させることになる。このとき、バネの圧縮力を解放するために、サーボモーターが通常使用されるが、火薬の応答速度に比べて著しく遅いため、ガスボンベ式のガス発生器のガス発生速度は、火薬式のガス発生器に比べて大きく劣る。また、バネの圧縮力を常時保つために、高強度の係止め部材が必要となり、高コストで重量も増加する。したがって、火薬式の点火器を有したガス発生器を用いれば、非火薬のガスボンベ式に比べて、安全装置を小型軽量化できる。
また、上記(10)の安全装置においては、前記延時機構は、前記点火器の着火を所定時間遅延させる着火遅延機構であることが好ましい。ここでいう着火遅延とは、パラシュートまたはパラグライダーを射出したタイミングよりも、遅れたタイミングで、前記ガス発生器からガスが放出され、パラシュートまたはパラグライダーが展開することを意味する。
上記着火遅延機構によれば、パラシュートまたはパラグライダーを射出したのちに、パラシュートまたはパラグライダーを展開させることができる。なお、パラシュートまたはパラグライダーの射出および展開を同時に行うと、パラシュートまたはパラグライダーは射出装置内で、展開が始まり、射出の妨げとなる場合がある。また、パラシュートまたはパラグライダーの射出および展開を同時に行うと、本展開装置が取り付けられる飛行体などの推進装置または他の部位に、パラシュートまたはパラグライダーが絡まることも考えられる。よって、射出装置内からパラシュートまたはパラグライダーの射出が完了し、飛行体などに設けられた推進装置または他の部位と干渉しない程度まで、パラシュートまたはパラグライダーが離れた状態になった場合にガス発生器からガスが放出されるように、上記着火遅延機構による遅延時間(パラシュートまたはパラグライダーの射出後から展開するまでの時間)を適宜設定することが好ましい。
(12)上記(11)の安全装置においては、前記点火器が、着火薬と、前記着火薬を着火する火炎エネルギーを発生可能な着火手段と、を内部に備えており、前記着火遅延機構が、前記着火薬と前記着火手段との間に設けられ、前記着火手段の火炎エネルギーを前記着火薬に時差を設けて伝える延時薬を備えていることが好ましい。ここで、延時薬は、たとえば、点火器に入力された電気エネルギーが点火器内部で火炎エネルギーに変換され、その火炎エネルギーを保持し、次の着火薬へ時差を設けて伝える役割を果たす組成物で構成される。通常、この延時薬は、酸化物および過酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一つ以上の酸化剤と、金属単体もしくは、金属窒化物、金属ケイ素化合物、金属フッ素化合物、金属硫化物、金属リン化合物等の中から少なくとも一つ以上選ばれた還元剤から構成される。
(13)別の観点として、上記(11)の安全装置においては、前記着火遅延機構が、電源と前記電源のスイッチとを有した電気回路と、前記スイッチの制御を行うスイッチ用制御部と、を備えていてもよい。
(14)他の観点として、上記(11)の安全装置においては、前記着火遅延機構が、電源と、正極板と、前記正極板と対向する負極板と、取り外し可能に前記正極板と前記負極板とに挟持されている絶縁体と、を有し、前記電源をオフからオンに変更可能なスイッチと、一端が前記絶縁体に連結されているとともに、他端が前記射出機構の本体または前記安全機構の固定先の所定部位に連結されているスイッチ用連結部材と、を備えているものであり、前記安全機構は、前記パラシュートまたは前記パラグライダーが射出された場合、前記絶縁体が前記スイッチ用連結部材に引っ張られて前記正極板と前記負極板との間から取り外され、前記正極板と前記負極板とが接触し、前記電源をオフからオンに変更するものであってもよい。
上記(12)~(14)の構成によれば、パラシュートまたはパラグライダーの展開タイミングを適切且つ精度よく制御することができる。これらの構成が無い場合、安全機構に射出機構に対して遅れたタイミングで作動させるためには、射出途中でも作動信号を送信するために必要なリードワイヤーを、パラシュートまたはパラグライダー側に保持する必要があり、構成部品重量増加、および、リードワイヤーの断線が懸念される。さらに、射出機構と安全機構とを制御するユニットがそれぞれ必要となり、煩雑且つ重量増加となる。
(15)上記(14)の安全装置においては、前記着火遅延機構において前記スイッチ用連結部材の長さが調整可能に構成されていることが好ましい。
上記(14)の構成によれば、ガス発生器内の点火器に通電するタイミングを適宜調整することができる。
(16)上記(8)~(15)の安全装置においては、前記袋状部材が、放射状または格子状に形成された複数の管状部を有したものであることが好ましい。
上記(16)の構成によれば、パラシュートまたはパラグライダーの広い範囲に設けられた複数の管状部が、1つまたは複数個のガス発生器で発生したガスによって膨張することが可能になるので、巻き取られた状態または畳まれた状態のパラシュートまたはパラグライダーをより展開しやすくすることができる。ガス発生器が複数ある場合は、構造が煩雑になり、重量およびコストが増大するため、一つがより好ましい。
(17)上記(8)~(15)の安全装置においては、前記袋状部材が、展開時の前記パラグライダーの長手方向に沿って設けられていてもよい。
上記(17)の構成によれば、コンパクトに巻き取られた状態または畳まれた状態のパラグライダーをより効率よく展開することができる。
(18)上記(8)~(17)の安全装置においては、前記パラグライダーが、複数の空気室を内部に包含し、前記空気室それぞれに対応するように前方部に設けられた複数の空気取り込み口を有した翼状部材を備えたものであり、前記袋状部材が、前記翼状部材の内部または外部において、且つ、展開時の前記パラグライダーの前記複数の空気取り込み口の近傍において、前記複数の空気取り込み口に沿って延設されていることが好ましい。
上記(18)の構成によれば、翼状部材内部に設けられた袋状部材が膨張した場合、巻き取られた状態または畳まれた状態のパラグライダーの翼状部材を強制的に且つ瞬時に展開することができるので、翼状部材内部は負圧となる。これにより、複数の空気取り込み口から翼状部材内部へ空気を強制的に流入させることができるので、パラグライダーの翼状部材を迅速に展開することができる。
(19)別の観点として、上記(1)または(2)の安全装置においては、前記安全機構が、前記飛行体または前記飛行体に設けられた部材に、展開可能に取り付けられたエアバッグを有したものであり、前記駆動機構が、前記エアバッグに取り付けられ、前記エアバッグを自動展開させる展開機構であってもよい。
上記(19)の構成によれば、エアバッグの射出機構と、エアバッグの展開機構との制御について、それぞれ独立した複数のチャンネル制御をする必要がなく、1チャンネル制御とすることができるため、装置の制御ユニット構成を簡素化できる。その結果として、従来よりも、軽量化できる安全装置を提供できる。
(20)上記(19)の安全装置は、前記エアバッグの内部または外部に設けられ、前記エアバッグとともに巻き取られまたは畳まれており、巻き取られた状態または畳まれた状態からチューブ状に膨張可能であって、前記チューブ状に膨張した際、巻き取られた状態または畳まれた状態の前記エアバッグを展開可能な袋状部材と、作動時に、前記袋状部材の内部に発生したガスを流入させ、前記袋状部材を膨張させることが可能なガス発生器と、を備えていることが好ましい。
(21)別の観点として、上記(19)の安全装置は、前記エアバッグの内部または外部に設けられ、前記エアバッグと別々に巻き取られまたは畳まれており、巻き取られた状態または畳まれた状態からチューブ状に膨張可能であって、前記チューブ状に膨張した際、巻き取られた状態または畳まれた状態の前記エアバッグを展開可能な袋状部材と、作動時に、前記袋状部材の内部に発生したガスを流入させ、前記袋状部材を膨張させることが可能なガス発生器と、を備えている。
上述の巻き取られた状態または畳まれた状態の袋状部材の内部にガスを流入させると、この袋状部材は、容易に、内部空間を有したチューブ状(管状または筒状)に膨張形成される。これにより、上記(20)または(21)の構成によれば、構造が簡単で且つエアバッグの展開時間を短縮することができるとともに、従来よりも極少量のガスでエアバッグの展開が可能となる。
(22)本発明に係る飛行体は、機体と、前記機体に結合される、上記(1)~(18)の安全装置、または/および、上記(19)~(21)の安全装置と、前記機体に結合され、前記機体を推進させる1個又は複数個の推進機構と、を備えるものである。
上記(22)の構成によれば、少なくとも上記(1)または(2)の安全装置を備えているので、比較的構造が簡単で、従来の安全装置を備えたものよりも軽量化でき、飛行体および衝突物の保護可能な飛行体を提供できる。特に、(3)~(18)の安全装置を備えている場合には、構造が簡単で且つパラシュートまたはパラグライダーの展開時間を短縮することができるとともに、従来よりも極少量のガスでパラシュートまたはパラグライダーの展開が可能となり、より安全な飛行体を提供できる。また、上記(19)~(21)の安全装置を備えている場合には、上述と同様に、構造が簡単で且つエアバッグの展開時間を短縮することができるとともに、従来よりも極少量のガスでエアバッグの展開が可能となり、より安全な飛行体を提供できる。
今回開示した上記実施の形態およびその変形例はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は請求の範囲によって画定され、また請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
10 パラグライダー、30 飛行体、31 機体、32 推進機構、33 脚部、40 キャノピー、41 上部クロス、42 下部クロス、43 リブ、44 セル、45~48 内部空気流通孔、49 エアインテーク、50 袋状部材、51 一端部、60 ガス発生器、61 電源、62 スイッチ、62a 絶縁体、70 側部クロス、80 ライン、81 ピストン、82 凹部、83 ピストンヘッド、84 点火器、85 ケース、86 ハウジング、87 蓋、88 アクチュエータ、100 飛行体用安全装置、110 パラシュート、130 飛行体、131 機体、132 推進機構、133 脚部、140 傘体、140a 内側面、150 袋状部材、160 ガス発生器、180 ライン、186 ハウジング、200 飛行体用安全装置、230 飛行体、231 機体、232 推進機構、233 脚部、250 袋状部材、260 ガス発生器、300 飛行体用安全装置、310 エアバッグ装置、311 エアバッグ、313 センサ、320 制御部、321 センサ異常検知部、322 演算部、323 通知部、330 飛行体、331 機体、332 推進機構、333 脚部、340 異常検出装置、350 リードワイヤー、351 連結部材、370 第1射出部、371 ピストン、372 凹部、373 ピストンヘッド、374 ガス発生器、375 ケース、376 ハウジング、377 蓋、378 アクチュエータ、380 ハウジング、381 ピストン、382 凹部、383 ピストンヘッド、384 ガス発生器、385 ケース、386 パラグライダー、386a 袋状部材、386b ガス発生器、386c 延時装置、387 蓋、388 アクチュエータ、390 第2射出部、400 飛行体用安全装置、430 飛行体、431 機体、432 推進機構、433 脚部、451 連結部材、460 引き出しパラシュート用射出部、461 引き出しパラシュート、462 紐状部材、480 容器、481 ピストン、482 凹部、483 ピストンヘッド、484 ガス発生器、485 ケース、486 パラグライダー、486a 袋状部材、487 蓋、488 アクチュエータ、500 飛行体用安全装置、610 エアバッグ装置、611 エアバッグ、630 飛行体、631 機体、632 推進機構、633 脚部、690 飛行体用安全装置、710 エアバッグ装置、711 エアバッグ、730 飛行体、731 機体、732 推進機構、733 脚部、790 飛行体用安全装置、1000 点火器、1010 塞栓、1020 端子ピン、1030 保持部、1040 カップ状部材、1060 延時薬、1070 着火薬、2000 点火器、2010 塞栓、2020 端子ピン、2030 保持部、2040 カップ状部材、2050 第1着火薬、2060 延時薬、2070 第2着火薬。

Claims (17)

  1. 機体と、
    前記機体に設けられるとともに前記機体を推進させる推進機構と、
    前記機体に取付けられた飛行体用安全装置とを備えた飛行体であって、
    前記推進機構は、同時に回転される複数の回転翼を含み、
    前記飛行体用安全装置は、
    当該飛行体および当該飛行体の外部の対象物の少なくともいずれかの安全を確保することに使用される安全機構と、
    前記安全機構の駆動源となる少なくとも1つ以上の駆動部を有した駆動機構と、
    前記駆動機構を前記安全機構と共に射出可能な射出機構と、
    前記射出機構による前記安全機構の射出が開始された後に前記安全機構が前記駆動機構によって駆動されるように前記駆動機構の動作を制御する制御機構とを備え
    前記射出機構による前記駆動機構および前記安全機構の射出方向に沿って見た場合に、前記駆動機構および前記安全機構が、前記複数の回転翼に重ならない位置に配置されている、飛行体。
  2. 前記射出機構および前記制御機構が、同時に作動信号を受け取るものであり、
    前記駆動部が、内部に点火器を有する火薬式のガス発生器からなり、
    前記点火器が、着火されることで燃焼する燃焼剤と、前記燃焼剤を着火する熱エネルギーを発生させる着火部と、前記燃焼剤および前記着火部の間に介在するように設けられ、これにより前記着火部で発生した熱エネルギーを前記燃焼剤に時間差をもって伝える延時薬とを含み、
    前記制御機構が、前記延時薬からなる、請求項1に記載の飛行体
  3. 前記射出機構および前記制御機構が、同時に作動信号を受け取るものであり、
    前記制御機構が、前記射出機構の作動から所定時間経過後に前記駆動機構を作動させる作動遅延機構からなる、請求項1に記載の飛行体
  4. 前記作動遅延機構が、モーターおよび複数の歯車を用いて前記駆動部の作動のタイミングを遅らせる機械式タイマー装置、または、ICタイマーを用いて前記駆動部の作動のタイミングを遅らせる電気式タイマー装置である、請求項3に記載の飛行体
  5. 前記安全機構が、非展開状態において巻き取られまたは畳まれており、展開状態において揚力および浮力の少なくともいずれかを発生させることができる被展開体からなり、
    前記射出機構が、前記被展開体に連結部材を介して連結されているとともに、非展開状態にある前記被展開体を空中に向けて射出するための射出装置からなり、
    前記駆動機構が、前記被展開体に設けられているとともに、前記被展開体を展開させる展開機構である、請求項1に記載の飛行体
  6. 前記射出装置が、第1射出部および第2射出部を含み、
    前記第1射出部が、前記被展開体および前記第2射出部を空中に向けて射出するものであり、
    前記第2射出部が、前記第1射出部によって射出された後に前記被展開体を空中に向けて射出するものである、請求項に記載の飛行体
  7. 前記射出装置が、第1射出部および第2射出部を含み、
    前記第1射出部が、前記被展開体を引き出すための引き出し用パラシュートを空中に向けて射出するものであり、
    前記第2射出部が、前記第1射出部によって前記引き出し用パラシュートが射出された後に前記被展開体を空中に向けて射出するものである、請求項に記載の飛行体
  8. 前記展開機構が、前記被展開体に設けられた袋状部材と、前記被展開体に設けられた前記駆動部としてのガス発生器とを含み、
    前記袋状部材が、非展開状態にある前記被展開体と共に巻き取られまたは畳まれているかあるいは前記被展開体と別々に巻き取られまたは畳まれており、少なくともその一部がチューブ状に膨張することにより、非展開状態にある前記被展開体を展開させるものからなり、
    前記ガス発生器が、作動時において発生したガスを前記袋状部材の内部に流入させることにより、前記袋状部材を膨張させるものからなる、請求項からのいずれかに記載の飛行体
  9. 前記袋状部材が、放射状または格子状に形成された複数の管状部を有するものからなる、請求項に記載の飛行体
  10. 前記被展開体が、展開状態において平面視細長の形状を有しており、
    前記袋状部材が、展開状態における前記被展開体の長手方向に沿って延在するように配設されている、請求項またはに記載の飛行体
  11. 前記被展開体が、複数の空気室を内部に有するとともに、前記複数の空気室の各々に対応するように前方部に設けられた複数の空気取り込み口を有する翼状部材からなり、
    前記袋状部材が、前記被展開体のうちの前記複数の空気取り込み口が設けられた部分の近傍に沿って延在するように、前記被展開体の内部または外部に配設されている、請求項から10のいずれかに記載の飛行体
  12. 前記ガス発生器が、内部に点火器を有する火薬式のものからなり、
    前記点火器が、着火されることで燃焼する燃焼剤と、前記燃焼剤を着火する熱エネルギーを発生させる着火部と、前記燃焼剤および前記着火部の間に介在するように設けられ、これにより前記着火部で発生した熱エネルギーを前記燃焼剤に時間差をもって伝える延時薬とを含み、
    前記制御機構が、前記延時薬からなる、請求項から11のいずれかに記載の飛行体
  13. 前記ガス発生器が、内部に点火器を有する火薬式のものからなり、
    前記制御機構が、前記射出装置の作動から所定時間経過後に前記ガス発生器を作動させる作動遅延機構からなる、請求項から11のいずれかに記載の飛行体
  14. 前記ガス発生器を作動させるための電力を供給する電気回路をさらに備え、
    前記電気回路が、電源と、前記電源のオンおよびオフを切り替えるスイッチとを含み、
    前記作動遅延機構が、前記電気回路と、前記スイッチの動作を切り替えるスイッチ用制御部とによって構成されている、請求項13に記載の飛行体
  15. 前記スイッチが、正極板と、前記正極板に対向する負極板と、取外し可能に前記正極板および前記負極板に挟持された絶縁体とを有し、
    前記スイッチ用制御部が、一端が前記絶縁体に連結されているとともに、他端が前記射出装置に連結されているかあるいは前記飛行体に連結される紐部材を有し、
    前記射出装置によって前記被展開体が射出されることにより、前記絶縁体が前記紐部材によって引っ張られることで前記正極板および前記負極板の間から引き抜かれ、これにより前記正極板および前記負極板が接触することで前記電源がオフからオンに切り替わる、請求項14に記載の飛行体
  16. 前記絶縁体に連結される前記紐部材の前記一端と、前記射出装置に連結されるかあるいは前記飛行体に連結される前記紐部材の前記他端との間の長さが、可変に調節可能である、請求項15に記載の飛行体
  17. 前記射出装置が、開口部を一端部側に有するとともに前記被展開体を収容する容器と、前記容器の内壁面に沿って移動可能に設けられた移動部材と、前記移動部材を前記開口部側に向けて移動させる射出用駆動部とを含み、
    前記移動部材が、前記被展開体が載置された載置台を前記開口部側に有し、
    前記開口部が、前記移動部材の移動方向である高さ方向において、前記推進機構よりも高い位置に配設されている、請求項5から16のいずれかに記載の飛行体。
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