以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による内燃機関100、及び内燃機関100を制御するための電子制御ユニット200の概略構成図である。
本実施形態による内燃機関100は、火花点火式のガソリンエンジンであって、複数の気筒11を備える機関本体10と、排気装置20と、を備える。なお、内燃機関100の種類は、特に限られるものではなく、予混合圧縮着火式のガソリンエンジンであってもよいし、ディーゼルエンジンであってもよい。
機関本体10は、燃料噴射弁12から噴射された燃料を各気筒11の内部で燃焼させることによって、例えば車両などを駆動するための動力を発生させる。なお図1においては、図面の煩雑を防止するために、吸気装置や点火プラグ等の記載は省略している。また燃料の噴射方式も筒内直噴式に限られるものではなく、ポート噴射式であってもよい。
排気装置20は、各気筒11の内部で生じた排気(燃焼ガス)を浄化して外気に排出するための装置であって、排気マニホールド21と、排気管22と、排気後処理装置30と、を備える。
機関本体10の各気筒11で生じた排気は、排気マニホールド21によって纏められて排気管22に排出される。排気中には、未燃ガス(一酸化炭素(CO)及び炭化水素(HC))や窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PM;Particular Matter)などの有害物質が含まれている。そのために本実施形態では、排気管22に、これらの排気中の有害物質を取り除くための排気後処理装置30として、触媒装置40と、PM捕集装置50と、が設けられている。そして本実施形態では、PM捕集装置50の前後の排気管22に、第1排気温度センサ53と、第2排気温度センサ54と、差圧センサ55と、が設けられている。
触媒装置40は、ケーシング41と、ケーシング41内に保持されたコーディライト(セラミック)から成るハニカム型の担体に担持された排気浄化触媒42と、を備える。排気浄化触媒42は、例えば酸化触媒(二元触媒)や三元触媒であり、これらに限らず内燃機関100の種類や用途に応じて適当な触媒を用いることができる。本実施形態では、排気浄化触媒42として三元触媒を用いている。排気浄化触媒42として三元触媒を用いた場合は、触媒装置40に流入した排気中の未燃ガス(CO及びHC)及びNOxが排気浄化触媒42によって浄化される。
PM捕集装置50は、触媒装置40よりも排気流れ方向下流側の排気管22に設けられる。PM捕集装置50は、ケーシング51と、ケーシング51内に保持されたウォールフロー型のフィルタ52と、を備える。フィルタ52によって、PM捕集装置50に流入した排気中のPMが捕集される。そして本実施形態では、このフィルタ52にも排気浄化触媒としての三元触媒を担持させており、これにより、PM捕集装置50においても、PM捕集装置50に流入した排気中の未燃ガス及びNOxを浄化することができるようにしている。なお、フィルタ52に担持させる排気浄化触媒も三元触媒に限られるものではなく、内燃機関100の種類や用途に応じて適当な触媒を用いることができる。
PM捕集装置50は、内燃機関100がガソリンエンジンの場合には、GPF(Gasoline Particulate Filter)と称され、内燃機関100がディーゼルエンジンの場合には、DPF(Diesel Particulate Filter)と称されることがある。
第1排気温度センサ53は、PM捕集装置50に流入する排気の温度(以下「第1排気温度」という。)を検出するためのセンサである。本実施形態では、第1排気温度センサ53は、PM捕集装置50の入口側近傍の排気管22に取り付けられている。
第2排気温度センサ54は、PM捕集装置50から流出した排気の温度(以下「第2排気温度」という。)を検出するためのセンサである。本実施形態では、第2排気温度センサ54は、PM捕集装置50の出口側近傍の排気管22に取り付けられている。
差圧センサ55は、PM捕集装置50の入口側近傍の排気圧力と出口側近傍の排気圧力との差圧(以下「前後差圧」という。)Pioを検出するためのセンサである。
電子制御ユニット200は、双方向性バスによって相互に接続された中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、入力ポート、及び出力ポートを備えたマイクロコンピュータである。
電子制御ユニット200には、前述した第1排気温度センサ53や第2排気温度センサ54、差圧センサ55の他にも、機関本体10に吸入される吸入空気流量Ga[g/s]を検出するためのエアフローメータ211や、外気温度を検出するための外気温度センサ212、機関本体10の負荷(機関負荷)に相当するアクセルペダル(図示せず)の踏み込み量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ213、機関回転速度などを算出するための信号として機関本体10のクランクシャフト(図示せず)が例えば15°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ214などの各種センサからの出力信号が入力される。
そして電子制御ユニット200は、入力された各種センサの出力信号等に基づいて、燃料噴射弁12などを制御して、内燃機関100を制御する。
また電子制御ユニット200は、排気装置20を介して外気に排出される有害物質の排出量が、国などが定めた規制値を上回った状態で内燃機関100が運転されることのないように、排気装置20の異常を検知するための自己診断を実施している。
例えばPM捕集装置50が取り外された取り外し状態(PM捕集装置50が取り付けられていた位置に、盗難や車両改造等によりPM捕集装置50に替えて排気管22と同径の配管が接続されているような状態)で内燃機関100が運転されると、排気装置20を介して外気に排出されるPMの排出量が規制値を上回るおそれがある。そこで本実施形態では、PM捕集装置50が取り外された取り外し状態で内燃機関100が運転されているか否かの自己診断、すなわちPM捕集装置50が取り外されているか否かの取り外し診断を実施している。
具体的には本実施形態では、PM捕集装置50の取り外し診断として、第1排気温度センサ53及び第2排気温度センサ54を用いた取り外し診断(以下「第1取り外し診断」という。)、及び差圧センサ55を用いた取り外し診断(以下「第2取り外し診断」という。)の2種類の取り外し診断を実施することができるようにし、機関運転状態に応じてどちらの取り外し診断を実施するかを使い分けることができるようした。
以下、第1取り外し診断、及び第2取り外し診断の詳細について説明しつつ、これらを機関運転状態に応じて使い分けるようにした理由について説明する。
まず図2及び図3を参照して、第1排気温度センサ53及び第2排気温度センサ54を用いた第1取り外し診断の詳細について説明する。
図2は、PM捕集装置50が取り外された取り外し状態で内燃機関100が運転されたときの第1排気温度及び第2排気温度の温度変化等を示したタイムチャートである。一方で図3は、PM捕集装置50が取り外されていない正常状態で内燃機関100が運転されたときの第1排気温度及び第2排気温度の温度変化等を示したタイムチャートである。
図2(A)に示すように、PM捕集装置50が取り外された取り外し状態では、第1排気温度センサ53から第2排気温度センサ54までの間を流れる排気の熱は、PM捕集装置50が取り付けられていた位置に接続された配管を介して外気に放熱されるだけなので、第2排気温度は第1排気温度よりも低くなるものの、第2排気温度の温度変化曲線の形状は、第1排気温度の温度変化曲線の形状とほぼ同形状となる。
そのため、図2(B)に示すように、第1排気温度の時間変化率Ain[℃/s](すなわち第1排気温度の温度変化曲線の傾き)、及び第2排気温度の時間変化率Aout[℃/s](すなわち第2排気温度の温度変化曲線の傾き)は、ほぼ同一の値となり、図2(C)に示すように、第1排気温度の時間変化率Ainの絶対値と第2排気温度の時間変化率Aoutの絶対値との差分値Dioは、基本的にゼロとなる。
その結果、PM捕集装置50が取り外された取り外し状態では、図2(D)に示すように、差分値Dioの積算値IDioも、基本的にゼロ(若しくはゼロ近傍の値)となる。
これに対し、図3(A)に示すように、PM捕集装置50が取り外されていない正常状態では、PM捕集装置50の熱容量の分だけ、第2排気温度の温度変化が、第1排気温度の温度変化よりも緩慢になる。
例えば図3(A)に示すように、第1排気温度が上昇している場合において、PM捕集装置50の温度が第1排気温度よりも低いときには、PM捕集装置50に流入した排気の熱がPM捕集装置50に奪われるため、第2排気温度の上昇幅は、第1排気温度の上昇幅よりも小さくなる。したがって、第1排気温度の時間変化率Ainの絶対値と第2排気温度の時間変化率Aoutの絶対値とを比較すると、第2排気温度の時間変化率Aoutの絶対値は、第1排気温度の時間変化率Ainの絶対値よりも小さくなる。
また、第1排気温度が低下している場合において、PM捕集装置50の温度が第1排気温度よりも高いときには、PM捕集装置50に流入した排気は、PM捕集装置50から熱を受けるため、第2排気温度の低下幅は、第1排気温度の低下幅よりも小さくなる。したがって、第1排気温度の時間変化率Ainの絶対値と第2排気温度の時間変化率Aoutの絶対値とを比較すると、第2排気温度の時間変化率Aoutの絶対値は、第1排気温度の時間変化率Ainの絶対値よりも小さくなる。
そのため、図3(B)に示すように、第1排気温度の時間変化率Ain、及び第2排気温度の時間変化率Aoutは、同一の値とならず、図3(C)に示すように、差分値Dioが生じる。その結果、PM捕集装置50が取り外されていない正常状態では、図3(D)に示すように、差分値Dioの積算値IDioが徐々に大きくなる。
したがって、内燃機関100の運転中において、或る一定期間の第1排気温度の時間変化率Ainの絶対値と第2排気温度の時間変化率Aoutの絶対値との差分値Dioの積算値IDioが、所定閾値Ith未満であれば、PM捕集装置50が取り外された取り外し状態であると判定することができる。
このように本実施形態では、第1排気温度の時間変化率Ainと第2排気温度の時間変化率Aoutとの相違に基づいて、取り外し状態であるか否かを判定しているが、例えば、単に第1排気温度と第2排気温度との温度差に基づいて取り外し状態であるか否かを判定することも考えられる。しかしながら、発明者らの鋭意研究の結果、この後者の方法では、以下のような問題が生じることが分かっている。
すなわち、第1排気温度センサ53や第2排気温度センサ54は、例えば搭載スペースや耐熱上の問題から、PM捕集装置50の近傍に取り付けることができない場合がある。そうすると、例えば第1排気温度センサ53がPM捕集装置50の入口から離れた位置に取り付けられていた場合には、排気の温度は、第1排気温度センサ53からPM捕集装置50までの間の排気管22を流れる過程で排気管22からの放熱によって低下する。また第2排気温度センサ54がPM捕集装置50から離れた位置に取り付けられていた場合には、排気の温度は、PM捕集装置50から第2排気温度センサ54までの間の排気管22を流れる過程で排気管22からの放熱によって低下する。
したがって、各排気温度センサ53、54の取り付け位置がPM捕集装置50から離れるほど、各排気温度センサ53、54によって検出された第1排気温度及び第2排気温度の温度差と、PM捕集装置50の前後で生じた実際の温度差と、の間の誤差が大きくなる。その結果、各排気温度センサ53、54の取り付け位置がPM捕集装置50から離れるほど、正常状態であるにもかかわらず取り外し状態であると誤判定したり、取り外し状態であるにもかかわらず正常状態であると誤判定したりする可能性が高くなる。
このように、単に第1排気温度と第2排気温度との温度差に基づいて取り外し状態であるか否かを判定しようとすると、第1排気温度センサ53や第2排気温度センサ54の取り付け位置がPM捕集装置50から離れるほど、排気管22からの放熱の影響によって判定精度が悪化するという問題が生じる。
これに対して、第1排気温度の時間変化率Ain、すなわち第1排気温度の温度変化曲線の傾きを考えると、単位長さ当たりの排気管22からの放熱量は基本的に一定なので、第1排気温度センサ53がPM捕集装置50の入口から離れた位置に取り付けられていたとしても、第1排気温度センサ53からPM捕集装置50の入口までの間の排気管22を排気が流れる過程における第1排気温度の温度変化曲線の傾きは基本的に一定となる。そのため、PM捕集装置50の入口から離れた位置における第1排気温度の温度変化曲線の傾きと、PM捕集装置50の入口近傍における第1排気温度の温度変化曲線の傾きと、の相違は少ない。
また第2排気温度の時間変化率Aout、すなわち第2排気温度の温度変化曲線の傾きを考えると、PM捕集装置50の出口から第2排気温度センサ54までの間の排気管22を排気が流れる過程において、第2排気温度の温度変化曲線の傾きが排気管22からの放熱の影響を受けた傾きに変化するまでには、或る程度の距離(時間)を要する。そのため、PM捕集装置50の出口近傍における第2排気温度の温度変化曲線の傾きと、PM捕集装置50の出口から或る程度の距離が離れるまでの間の位置における第2排気温度の温度変化曲線の傾きと、の相違も少ない。
したがって、本実施形態のように、第1排気温度の時間変化率Ainと第2排気温度の時間変化率Aoutとの相違に基づいて、取り外し状態であるか否かを判定することで、単に第1排気温度と第2排気温度との温度差に基づいて取り外し状態であるか否かを判定する場合よりも、取り外し状態であるか否かを精度良く判定することができるのである。
続いて、差圧センサ55を用いた第2取り外し診断の詳細について説明する。
PM捕集装置50が取り外されていない正常状態では、PM捕集装置50の圧力損失によって前後差圧Pioが発生する。一方でPM捕集装置50が取り外された取り外し状態では、本来であればPM捕集装置50が取り付けられていた位置に配管などが接続されているだけなので、正常状態と異なり圧力損失がほとんど発生せず、したがって前後差圧Pioは基本的にゼロ近傍の値となる。
そのため、例えば或る一定期間の前後差圧Pioの積算値IPio(又は平均値APio)が所定閾値IPth未満であれば、PM捕集装置50が取り外された取り外し状態であると判定することができる。
ここで、PM捕集装置50の圧力損失、ひいては前後差圧Pioは、PM捕集装置50に流入する排気の流量Ge[g/s](以下「排気流量」という。)が多くなるほど大きくなる。そのため、第2取り外し診断による取り外し状態であるか否かの判定精度は、排気流量Geが多いときの方が、少ないときよりも高くなる傾向にある。したがって、第2取り外し診断は、機関運転領域のうち、排気流量Geが相対的に多い機関運転領域において実施することが望ましい。
一方で、第1取り外し診断は、前述したように、PM捕集装置50が取り外されていない正常状態では、PM捕集装置50の熱容量の分だけ、第2排気温度の温度変化が、第1排気温度の温度変化よりも緩慢になることを利用して取り外し状態であるか否かの判定を行うものである。そのため、排気流量Geが多くなるほど、仮にPM捕集装置50に熱を奪われたり、逆にPM捕集装置50から熱を受けたりしたとしても、PM捕集装置50を通過する排気の温度変化が少なくなるため、第1取り外し診断による取り外し状態であるか否かの判定精度は低くなる傾向にある。すなわち、第1取り外し診断による取り外し状態であるか否かの判定精度は、第2取り外し診断とは逆に、排気流量Geが少ないときの方が、多いときよりも高くなる傾向にある。したがって、第1取り外し診断は、機関運転領域のうち、排気流量Geが相対的に少ない機関運転領域において実施することが望ましい。
そこで本実施形態では、機関運転領域のうち、排気流量Geが相対的に少なくなる機関運転領域において第1取り外し診断を実施し、排気流量Geが相対的に多くなる機関運転領域において第2取り外し診断を実施することにした。これにより、幅広い機関運転領域で取り外し状態であるか否かの判定を精度良く実施することができる。
図4は、この本実施形態によるPM捕集装置50の取り外し診断について説明するフローチャートである。
ステップS1において、電子制御ユニット200は、負荷センサ213の検出値に基づいて算出された機関負荷と、クランク角センサ214の検出値に基づいて算出された機関回転速度と、を読み込み、機関運転状態を検出する。
ステップS2において、電子制御ユニット200は、図5のマップを参照し、機関運転状態に基づいて、現在の運転領域が第1取り外し診断を実施する第1領域内にあるか否かを判定する。電子制御ユニット200は、現在の運転領域が第1領域内にあれば、ステップS4の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、現在の運転領域が第1領域内になければ、ステップS3の処理に進む。
ステップS3において、電子制御ユニット200は、図5のマップを参照し、機関運転状態に基づいて、現在の運転領域が第2取り外し診断を実施する第2領域内にあるか否かを判定する。電子制御ユニット200は、現在の運転領域が第2領域内にあれば、ステップS5の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、現在の運転領域が第2領域内になければ、今回の処理を終了する。
なお本実施形態では、第1領域を、排気流量Geが所定の第1流量Ge_th1(例えば2[g/s])以上であり、かつ所定の第2流量Ge_th2(例えば20[g/s])以下となる運転領域としている。このような排気流量Geの下限側の閾値となる第1流量Ge_th1を設定しているのは、第1排気温度及び第2排気温度の温度変化を検出するためには、少なくともPM捕集装置50に排気が流入している必要があるためである。そして第2領域を、排気流量Geが第2流量Ge_th2よりも大きい所定の第3流量Ge_th3(例えば40[g/s])以上となる運転領域としている。
また排気流量Geは、簡易的にはエアフローメータ211の検出値に基づいて算出した吸入空気流量Ga[g/s]としてもよいが、本実施形態では、吸入空気流量Gaと、燃料噴射弁12から噴射された燃料の質量流量Gf[g/s]と、の和を排気流量Ge(=Ga+Gf)として算出している。
ステップS4において、電子制御ユニット200は、第1取り外し診断を実施する。第1取り外し診断の詳細については、図6から図9を参照して後述する。
ステップS5において、電子制御ユニット200は、第2取り外し診断を実施する。第2取り外し診断の詳細については、図10から図13を参照して後述する。
図6は、第1取り外し診断の詳細について説明するフローチャートである。
ステップS41において、電子制御ユニット200は、第1取り外し診断によってPM捕集装置50の取り外しを検出するための第1前提条件が成立しているか否かを判定するための第1前提条件判定処理を実施する。第1前提条件判定処理の詳細については、図7を参照して後述する。
ステップS42において、電子制御ユニット200は、第1前提条件成立フラグFp1が1に設定されているか否かを判定する。第1前提条件成立フラグFp1は、第1前提条件判定処理において1又は0に設定されるフラグである。第1前提条件成立フラグFp1の初期値は0に設定されており、第1前提条件判定処理においてPM捕集装置50の取り外しを検出するための第1前提条件が成立していると判定されたときに1に設定される。電子制御ユニット200は、第1前提条件成立フラグFp1が1に設定されていれば、ステップS43の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、第1前提条件成立フラグFp1が0に設定されていれば、今回の処理を終了する。
ステップS43において、電子制御ユニット200は、第1取り外し診断によってPM捕集装置50の取り外しを精度良く検出するための第1実施条件が成立しているか否かを判定するための第1実施条件判定処理を実施する。第1実施条件判定処理の詳細については、図8を参照して後述する。
ステップS44において、電子制御ユニット200は、第1実施条件成立フラグFe1が1に設定されているか否かを判定する。第1実施条件成立フラグFe1は、第1実施条件判定処理において1又は0に設定されるフラグである。第1実施条件成立フラグFe1の初期値は0に設定されており、第1実施条件判定処理においてPM捕集装置50の取り外しを精度良く検出するための第1実施条件が成立していると判定されたときに1に設定される。電子制御ユニット200は、第1実施条件成立フラグFe1が1に設定されていれば、ステップS45の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、第1実施条件成立フラグFe1が0に設定されていれば、今回の処理を終了する。
ステップS45において、電子制御ユニット200は、PM捕集装置50が取り外されているか否かを判定するための第1取り外し判定処理を実施する。第1取り外し判定処理の詳細については、図7を参照して後述する。
図7は、第1前提条件判定処理の詳細について説明するフローチャートである。
ステップS411において、電子制御ユニット200は、今回のトリップ中(車両の1トリップ中)にPM捕集装置50が取り外されているか否かの判定がまだ行われていないかを判定する。本実施形態では電子制御ユニット200は、後述する第1取り外し判定処理の実施済フラグFf1(図9参照)及び第2取り外し判定処理の実施済フラグFf2(図13参照)が0であれば、今回のトリップ中にPM捕集装置50が取り外されているか否かの判定がまだ行われていないと判定してステップS412の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、第1取り外し判定処理の実施済フラグFf1又は第2取り外し判定処理の実施済フラグFf2が1であれば、今回のトリップ中にPM捕集装置50が取り外されているか否かの判定が既に1度行われたと判定してステップS415の処理に進む。
ステップS412において、電子制御ユニット200は、第1取り外し判定処理を実施するために使用するパラメータを算出するために必要なセンサ類が故障していないか否かを判定する。本実施形態では電子制御ユニット200は、第1排気温度センサ53及び第2排気温度センサ54が故障していないかを判定する。電子制御ユニット200は、第1排気温度センサ53及び第2排気温度センサ54が故障していなければ、ステップS413の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、第1排気温度センサ53又は第2排気温度センサ54のいずれか一方が故障してれば、ステップS415の処理に進む。
ステップS413において、電子制御ユニット200は、第1実施条件判定処理において第1実施条件が成立しているか否かを判定するために使用するセンサ類が故障していないか否かを判定する。本実施形態では電子制御ユニット200は、第1排気温度センサ53、エアフローメータ211及び外気温度センサ212が故障していないかを判定する。電子制御ユニット200は、第1排気温度センサ53、エアフローメータ211及び外気温度センサ212が故障していなければ、ステップS414の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、第1排気温度センサ53、エアフローメータ211又は外気温度センサ212のいずれか1つが故障していれば、ステップS415の処理に進む。
ステップS414において、電子制御ユニット200は、第1前提条件成立フラグFp1を1に設定する。
ステップS415において、電子制御ユニット200は、第1前提条件成立フラグFp1を0に設定する。
図8は、第1実施条件判定処理の詳細について説明するフローチャートである。
ステップS431において、電子制御ユニット200は、外気温度センサ212の検出値に基づいて算出した外気温度が、所定温度(例えば-15[℃])以上であるか否かを判定する。電子制御ユニット200は、外気温度が所定温度以上であれば、ステップS432の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、外気温度が所定温度未満であれば、ステップS434の処理に進む。なお、このような判定を行うのは以下の理由によるものである。
前述した通り、PM捕集装置50が取り外された取り外し状態では、第1排気温度センサ53から第2排気温度センサ54までの間を流れる排気の熱は、PM捕集装置50が取り付けられていた位置に接続された配管を介して外気に放熱されることになる。このとき、外気温度が低いときは、高いときと比較して外気への放熱量が多くなる。そのため、外気温度が低いときには、この外気への放熱量が多くなる影響で、取り外し状態であるときの第2排気温度の温度変化曲線の形状が、第1排気温度の温度変化曲線の形状と同形状とならないおそれがあり、取り外し状態であるか否かの判定精度が低下するおそれがあるためである。
ステップS432において、電子制御ユニット200は、内燃機関100を始動してからの吸入空気流量Gaの積算値IGaが所定の第1積算値IGa_th1以上であるか否かを判定する。内燃機関100の始動とは、例えばアイドルストップ機能を備える車両やハイブリッド車両において、1トリップ中に内燃機関100の始動及び停止が複数回繰り返される場合の再始動も含まれる。電子制御ユニット200は、内燃機関100を始動してからの積算値IGaが第1積算値IGa_th1以上であれば、ステップS433の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、内燃機関100を始動してからの積算値IGaが第1積算値IGa_th1未満であれば、ステップS434の処理に進む。
なお、このような判定を行うのは以下の理由によるものである。すなわち、内燃機関100の始動直後は、PM捕集装置50が取り外された取り外し状態において、PM捕集装置50が取り付けられていた位置に接続された配管の温度が相対的に低く、この配管からの放熱量が多くなる傾向になる。そのため、外気温度が低いときと同様に、取り外し状態であるときの第2排気温度の温度変化曲線の形状が、第1排気温度の温度変化曲線の形状と同形状とならないおそれがあり、取り外し状態であるか否かの判定精度が低下するおそれがあるためである。なお第1積算値IGa_th1は、本実施形態では予め設定された一定値としているが、例えば内燃機関100の停止時間が長くなるほど大きくなる可変値としてもよい。
ステップS433において、電子制御ユニット200は、第1実施条件成立フラグFe1を1に設定する。
ステップS434において、電子制御ユニット200は、第1実施条件成立フラグFe1を0に設定する。
図9は、第1取り外し判定処理の詳細について説明するフローチャートである。
ステップS451において、電子制御ユニット200は、第1排気温度センサ53の検出値に基づいて第1排気温度の時間変化率Ainを算出すると共に、第2排気温度センサ54の検出値に基づいて第2排気温度の時間変化率Aoutを算出する。
ステップS452において、電子制御ユニット200は、第1排気温度の時間変化率Ainの絶対値と第2排気温度の時間変化率Aoutの絶対値との差分値Dio(=|Ain|-|Aout|)を算出する。
ステップS453において、電子制御ユニット200は、差分値Dioの積算値IDio(=IDio(前回値)+Dio)を算出する。
ステップS454において、電子制御ユニット200は、積算値IDioを算出するにあたって使用した差分値Dioのサンプル数Ni(=Ni(前回値)+1)、すなわち積算した差分値Dioの個数を算出する。
ステップS455において、電子制御ユニット200は、サンプル数Niが所定数Nith以上か否かを判定する。電子制御ユニット200は、サンプル数Niが所定数Nith以上であれば、ステップS456の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、サンプル数Niが所定数Nith未満であれば、今回の処理を終了する。
ステップS456において、電子制御ユニット200は、積算値IDioが所定閾値Ith以上か否かを判定する。電子制御ユニット200は、積算値IDioが所定閾値Ith以上であれば、ステップS457の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、積算値IDioが所定閾値Ith未満であれば、ステップS458の処理に進む。
ステップS457において、電子制御ユニット200は、PM捕集装置50が取り外されていない正常状態であると判定する。
ステップS458において、電子制御ユニット200は、PM捕集装置50が取り外された取り外し状態であると判定する。
ステップS459において、電子制御ユニット200は、積算値IDioを初期値のゼロに戻し、第1取り外し判定処理の実施済フラグFf1を1に設定する。第1取り外し判定処理の実施済フラグFf1は、トリップの終了時、又は開始時に、初期値である0に戻される。
図10は、第2取り外し診断の詳細について説明するフローチャートである。
ステップS51において、電子制御ユニット200は、第2取り外し診断によってPM捕集装置50の取り外しを検出するための第2前提条件が成立しているか否かを判定するための第2前提条件判定処理を実施する。第2前提条件判定処理の詳細については、図11を参照して後述する。
ステップS52において、電子制御ユニット200は、第2前提条件成立フラグFp2が1に設定されているか否かを判定する。第2前提条件成立フラグFp2は、第2前提条件判定処理において1又は0に設定されるフラグである。第2前提条件成立フラグFp2の初期値は0に設定されており、第2前提条件判定処理においてPM捕集装置50の取り外しを検出するための第2前提条件が成立していると判定されたときに1に設定される。電子制御ユニット200は、第2前提条件成立フラグFp2が1に設定されていれば、ステップS53の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、第2前提条件成立フラグFp2が0に設定されていれば、今回の処理を終了する。
ステップS53において、電子制御ユニット200は、第2取り外し診断によってPM捕集装置50の取り外しを精度良く検出するための第2実施条件が成立しているか否かを判定するための第2実施条件判定処理を実施する。第2実施条件判定処理の詳細については、図12を参照して後述する。
ステップS54において、電子制御ユニット200は、第2実施条件成立フラグFe2が1に設定されているか否かを判定する。第2実施条件成立フラグFe2は、第2実施条件判定処理において1又は0に設定されるフラグである。第2実施条件成立フラグFe2の初期値は0に設定されており、第2実施条件判定処理においてPM捕集装置50の取り外しを精度良く検出するための第2実施条件が成立していると判定されたときに1に設定される。電子制御ユニット200は、第2実施条件成立フラグFe2が1に設定されていれば、ステップS55の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、第2実施条件成立フラグFe2が0に設定されていれば、今回の処理を終了する。
ステップS55において、電子制御ユニット200は、PM捕集装置50が取り外されているか否かを判定するための第2取り外し判定処理を実施する。第2取り外し判定処理の詳細については、図13を参照して後述する。
図11は、第2前提条件判定処理の詳細について説明するフローチャートである。
ステップS511において、電子制御ユニット200は、今回のトリップ中(車両の1トリップ中)にPM捕集装置50が取り外されているか否かの判定がまだ行われていないかを判定する。本実施形態では電子制御ユニット200は、前述した第1取り外し判定処理の実施済フラグFf1、及び後述する第1取り外し判定処理の実施済フラグFf2(図12参照)が0であれば、今回のトリップ中にPM捕集装置50が取り外されているか否かの判定がまだ行われていないと判定してステップS512の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、第1取り外し判定処理の実施済フラグFf1又は第2取り外し判定処理の実施済フラグFf2が1であれば、今回のトリップ中にPM捕集装置50が取り外されているか否かの判定が既に1度行われたと判定してステップS515の処理に進む。
ステップS512において、電子制御ユニット200は、第2取り外し判定処理を実施するために使用するパラメータを算出するために必要なセンサ類が故障していないか否かを判定する。本実施形態では電子制御ユニット200は、差圧センサ55が故障していないかを判定する。電子制御ユニット200は、差圧センサ55が故障していなければ、ステップS513の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、差圧センサ55が故障してれば、ステップS515の処理に進む。
ステップS513において、電子制御ユニット200は、第2実施条件判定処理において第2実施条件が成立しているか否かを判定するために使用するセンサ類が故障していないか否かを判定する。本実施形態では電子制御ユニット200は、エアフローメータ211が故障していないかを判定する。電子制御ユニット200は、エアフローメータ211が故障していなければ、ステップS514の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、エアフローメータ211が故障していれば、ステップS515の処理に進む。
ステップS514において、電子制御ユニット200は、第2前提条件成立フラグFp2を1に設定する。
ステップS515において、電子制御ユニット200は、第2前提条件成立フラグFp2を0に設定する。
図12は、第2実施条件判定処理の詳細について説明するフローチャートである。
ステップS531において、電子制御ユニット200は、機関運転状態が定常状態であるか否かを判定する。本実施形態では電子制御ユニット200は、吸入空気流量Gaの時間変化率[g/s]が所定変化率(例えば0.5[g/s])以下である状態が所定時間(例えば2秒)以上継続していれば、機関運転状態が定常状態であると判定してステップS532の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、機関運転状態が定常状態でなければ、ステップS533の処理に進む。
ステップS532において、電子制御ユニット200は、第2実施条件成立フラグFe2を1に設定する。
ステップS533において、電子制御ユニット200は、第2実施条件成立フラグFe2を0に設定する。
図13は、第2取り外し判定処理の詳細について説明するフローチャートである。
ステップS551において、電子制御ユニット200は、差圧センサ55の検出値に基づいて、PM捕集装置50の前後差圧Pioを算出する。
ステップS552において、電子制御ユニット200は、前後差圧Pioの積算値IPio(=IPio(前回値)+Pio)を算出する。
ステップS553において、電子制御ユニット200は、積算値IPioを算出するにあたって使用した前後差圧Pioのサンプル数Np(=Np(前回値)+1)、すなわち積算した前後差圧Pioの個数を算出する。
ステップS554において、電子制御ユニット200は、サンプル数Npが所定数Np_th以上か否かを判定する。電子制御ユニット200は、サンプル数Npが所定数Np_th以上であれば、ステップS455の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、サンプル数Npが所定数Np_th未満であれば、今回の処理を終了する。
ステップS555において、電子制御ユニット200は、積算値IPioが所定閾値Ipth以上か否かを判定する。電子制御ユニット200は、積算値IPioが所定閾値Ipth以上であれば、ステップS556の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、積算値IPioが所定閾値Ipth未満であれば、ステップS557の処理に進む。
ステップS556において、電子制御ユニット200は、PM捕集装置50が取り外されていない正常状態であると判定する。
ステップS557において、電子制御ユニット200は、PM捕集装置50が取り外されたタンパリング状態であると判定する。
ステップS558において、電子制御ユニット200は、積算値IPioを初期値のゼロに戻し、第2取り外し判定処理の実施済フラグFf2を1に設定する。第2取り外し判定処理の実施済フラグFf2は、トリップの終了時、又は開始時に、初期値である0に戻される。
以上説明した本実施形態による内燃機関100は、機関本体10と、機関本体10の排気管22(排気通路)に設けられた排気後処理装置30としてのPM捕集装置50と、を備える。この内燃機関100を制御する電子制御ユニット200(制御装置)は、PM捕集装置50に流入する排気の温度である第1排気温度を算出する第1排気温度算出部と、PM捕集装置50から流出した排気の温度である第2排気温度を算出する第2排気温度算出部と、PM捕集装置50の前後差圧Pioを算出する前後差圧算出部と、第1排気温度の時間変化率Ain及び第2排気温度の時間変化率Aoutを算出する時間変化率算出部と、第1排気温度の時間変化率Ainと第2排気温度の時間変化率Aoutとの相違に基づいて、PM捕集装置50が排気管22から取り外された取り外し状態であるか否かを判定する第1判定部と、前後差圧Pioに基づいて取り外し状態であるか否かを判定する第2判定部と、を備える。
そして電子制御ユニット200は、機関本体10から排気管22に排出される排気流量Geが所定の第2流量Ge_th2(第1の所定流量)未満であれば、第1判定部による取り外し状態であるか否かの判定を実施し、排気流量Geが第2流量Ge_th2よりも大きい所定の第3流量Ge_th3(第2の所定流量)以上であれば、第2判定部による取り外し状態であるか否かの判定を実施するように構成されている。なお排気流量Geは、簡易的には吸入空気流量Gaとしてもよい。
このように、排気流量Geが相対的に少なくなる機関運転領域においては、第1排気温度センサ53及び第2排気温度センサ54を用いた第1取り外し診断を実施し、排気流量Geが相対的に多くなる機関運転領域においては、差圧センサ55を用いた第2取り外し診断を実施することで、幅広い機関運転領域で取り外し状態であるか否かの判定を精度良く実施することができる。
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、排気流量Geが所定流量未満であれば第1取り外し診断を実施し、排気流量Geが所定流量以上であれば第2取り外し診断を実施するようにした点で、第1実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。
図14は、本実施形態によるPM捕集装置50の取り外し診断について説明するフローチャートである。なお図14において、ステップS201以外の処理内容は、前述した第1実施形態の処理内容と同様なので、ここでは説明を省略する。
ステップS201において、電子制御ユニット200は、排気流量Geが所定の第4流量Ge_th4(例えば35[g/s])未満であるか否かを判定する。電子制御ユニット200は、排気流量Geが第4流量Ge_th4未満であれば、ステップS4の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、排気流量Geが第4流量Ge_th4以上であれば、ステップS5の処理に進む。
以上説明した本実施形態による電子制御ユニット200(制御装置)は、機関本体10から排気管22に排出される排気流量Geが所定の第4流量Ge_th4(第1の所定流量)未満であれば、前述した第1判定部による取り外し状態であるか否かの判定を実施し、排気流量Geが第4流量Ge_th4以上であれば、前述第した2判定部による取り外し状態であるか否かの判定を実施するように構成されている。
このように、簡易的に排気流量Geが第4流量Ge_th4未満であるか否かで、第1取り外し診断を実施するか、又は第2取り外し診断を実施するかを判断するようしても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
次に本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1取り外し判定処理及び第2取り外し判定処理の内容が、第1実施形態と相違する。具体的には、第1取り外し判定処理においては、差分値Dioの平均値ADioを所定閾値ADthと比較することによって取り外し状態であるか否かの判定を行い、第2取り外し判定処理においては前後差圧Pioの平均値APioを所定閾値APthと比較することによって取り外し状態であるか否かの判定を行う点で、第1実施形態と相違する。以下、この相違点を中心に説明する。
図15は、本実施形態による第1取り外し判定処理の詳細について説明するフローチャートである。なお図15において、ステップS451からステップS455、及びステップS457からステップS459までの処理の内容は、第1実施形態で説明した処理の内容と同様なので、ここでは説明を省略する。
ステップS301において、電子制御ユニット200は、積算値IDioを、積算値IDioを算出するにあたって使用した差分値Dioのサンプル数Niで除算することによって、差分値Dioの平均値ADioを算出し、この平均値ADioが所定閾値ADth以上か否かを判定する。電子制御ユニット200は、平均値ADioが所定閾値ADth以上であれば、ステップS457の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、平均値ADioが所定閾値ADth未満であれば、ステップS458の処理に進む。
図16は、本実施形態による第2取り外し判定処理の詳細について説明するフローチャートである。なお図16において、ステップS551からステップS554、及びステップS556からステップS558までの処理の内容は、第1実施形態で説明した処理の内容と同様なので、ここでは説明を省略する。
ステップS302において、電子制御ユニット200は、積算値IPioを、積算値IPioを算出するにあたって使用した前後差圧Pioのサンプル数Npで除算することによって、前後差圧Pioの平均値APioを算出し、この平均値APioが所定閾値APth以上か否かを判定する。電子制御ユニット200は、平均値APioが所定閾値APth以上であれば、ステップS556の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、平均値APioが所定閾値APth未満であれば、ステップS557の処理に進む。
以上説明した本実施形態のように、第1取り外し判定処理において、第1排気温度の時間変化率Ainの絶対値と、第2排気温度の時間変化率Aoutの絶対値と、の差分値Dioの一定数以上の平均値ADioを算出し、平均値ADioが所定閾値ADth未満であれば取り外し状態であると判定するようにしても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また第2取り外し判定処理において、前後差圧Pioの一定数以上の平均値APioを算出し、平均値APioが所定閾値APth未満であれば取り外し状態であると判定するようにしても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第4実施形態)
次に本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態は、第1排気温度センサ53の取り付け位置が、第1実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。
図17は、本発明の第4実施形態による内燃機関100、及び内燃機関100を制御するための電子制御ユニット200の概略構成図である。
図17に示すように、本実施形態においては、第1排気温度センサ53が、前述したような搭載スペースや耐熱上の問題から、PM捕集装置50よりも排気流れ方向上流側、かつPM捕集装置50の入口から離れた位置の排気管22に取り付けられている。このような場合において、第1排気温度センサ53からPM捕集装置50の入口までの距離が長いと、第1排気温度センサ53によって検出した第1排気温度の温度変化率Ainを用いて取り外し状態であるか否かの判定を行ったときの判定精度が低下するおそれがある。
したがって、このよう場合には、第1排気温度センサ53の検出値に基づいて、PM捕集装置50の入口近傍の推定排気温度(以下「推定第1排気温度」という。)を算出し、推定第1排気温度の温度変化率Ainを用いて第1実施形態のように取り外し状態であるか否かの判定を行ったほうが好ましい場合がある。そこで本実施形態では、第1排気温度センサ53の検出値に基づいて推定第1排気温度を算出することとした。
図18は、PM捕集装置50の入口から離れた位置の排気管22に取り付けられた第1排気温度センサ53に基づいて、推定第1排気温度を算出する推定制御について説明するフローチャートである。
ステップS401において、電子制御ユニット200は、第1排気温度センサ53の検出値を読み込む。
ステップS402において、電子制御ユニット200は、予め実験等によって作成された図19のマップを参照し、吸入空気流量Gaと、外気温度と、に基づいて、第1排気温度センサ53からPM捕集装置50までの間の排気管22を流れる過程で低下する排気の温度低下量を算出する。図19のマップに示すように、排気の温度低下量は、吸入空気流量Gaが少ないときほど、また排気温度が低いときほど、大きくなる傾向にある。
ステップS403において、電子制御ユニット200は、排気の温度低下量に対して、例えば一次遅れ処理等の遅れ処理を施す。このような遅れ処理を施すのは、第1排気温度センサ53の検出値が、実際に第1排気温度センサ53近傍を通過する排気の排気温度相当の値に変化するまでには、或る程度の時間を要するため、このような第1排気温度センサ53の応答速度を考慮したものである。
ステップS404において、電子制御ユニット200は、第1排気温度センサ53の検出値に相当する排気温度から、遅れ処理を施した排気の温度低下量を減算したものを、推定第1排気温度として算出する。
以上説明した本実施形態によれば、第1排気温度センサ53からPM捕集装置50の入口までの距離が長い場合に、取り外し状態であるか否かの判定精度が低下するのを抑制することができる。
(第5実施形態)
次に本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施条件判定処理の内容が、第1実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。
図20は、本実施形態による第1実施条件判定処理の詳細について説明するフローチャートである。なお図20において、ステップS431からステップS434までの処理の内容は、第1実施形態で説明した処理の内容と同様なので、ここでは説明を省略する。
ステップS501において、電子制御ユニット200は、例えば車両の定常走行時や減速時など、第1排気温度が低下している状態であるか否かを判定する。このような判定を行うのは、第1排気温度の温度上昇時と比較して、温度低下時のほうが、第1排気温度の温度変化よりも第2排気温度の温度変化が緩慢になる傾向があり、差分値Dioが大きくなる傾向があるためである。すなわち、第1排気温度の温度上昇時と比較して、温度低下時のほうが、PM捕集装置50が取り外された取り外し状態であるか否かを精度良く検出することができるためである。
本実施形態では電子制御ユニット200は、ステップS501において、第1排気温度の時間変化率Ainが所定変化率Ain_th(負の値であり、例えば-5[℃/s])以下であるか否かを判定する。そして電子制御ユニット200は、第1排気温度の時間変化率Ainが所定変化率Ain_th以下であれば、第1排気温度が低下している状態であると判定してステップS433の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、第1排気温度の時間変化率Ainが所定変化率Ain_th未満であれば、ステップS434の処理に進む。
以上説明した本実施形態によれば、第1排気温度センサ53及び第2排気温度センサ54を用いた第1取り外し診断が第1排気温度の温度低下時に実施されるので、取り外し状態であるか否かの判定精度を一層向上させることができる。
(第6実施形態)
次に本発明の第6実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施条件判定処理の内容が、上記の各実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。
前述した第5実施形態のように、取り外し状態であるか否かの判定を実施する第1実施条件として、排気流量Geが第1流量Ge_th1以上であることの他に、第1排気温度が低下している状態であること(第1排気温度の時間変化率Ainが所定変化率Ain_th以下であること)を加えると、1トリップ中に内燃機関100の始動及び停止が複数回実施されることのある車両(以下「機関間欠運転実施車両」という。)の場合、以下のような問題が生じるおそれがある。
なお、機関間欠運転実施車両の例としては、アイドルストップ機能を備える車両(すなわち、内燃機関100の制御として電子制御ユニット200によってアイドルストップ制御を実施している車両)や、図21に示すような車両駆動源として内燃機関100の他に走行モータ300を備えてEVモード(走行モータ300の動力で走行するモード)とHVモード(車両要求トルクに応じて走行モータ300の動力に加えて内燃機関の動力を使用して走行するモード)との切り替え制御が行われるハイブリッド車両などが挙げられる。
アイドルストップ制御とは、予め設定された機関停止条件の成立時に内燃機関100を自動的に停止させ、予め設定された機関再始動条件の成立時に内燃機関100を自動的に再始動させる制御である。機関停止条件としては、例えば自車両の速度(車速)が0[km/h]であること、ブレーキペダルが踏み込まれていること(すなわちブレーキ踏込量が一定量以上)であること、アクセルペダルが踏み込まれていないこと(すなわちアクセル踏込量がゼロ)、バッテリの充電量が所定量以上であることなどが挙げられる。また機関再始動条件としては、例えばブレーキペダルが踏み込まれていないこと(すなわちブレーキ踏込量がゼロ)、シフトレバーがドライブレンジ(例えばDレンジやRレンジ)であることなどが挙げられる。
また、以下の説明では、1トリップ中に内燃機関100を停止することなく運転させる車両のことを、機関間欠運転実施車両と区別するために「通常車両」ということとする。
図22Aは、通常車両において、PM捕集装置50が取り外されていない正常状態で内燃機関100が運転されたときの第1排気温度及び第2排気温度の温度変化等を示したタイムチャートである。図22Bは、機関間欠運転実施車両としてのハイブリッド車両において、PM捕集装置50が取り外されていない正常状態で内燃機関100が運転されたときの第1排気温度及び第2排気温度の温度変化等を示したタイムチャートである。
図22Aに示すように、通常車両の場合は、加速後の定常走行時や減速時において車両要求トルクが低下しても、内燃機関100が停止されることがないので、車両要求トルクの低下に伴って吸入空気流量Ga、ひいては排気流量Geが低下すると共に第1排気温度が低下する。そのため、通常車両の場合は、定常走行時や減速時などに、第1排気温度が低下している状態で排気流量Geが所定範囲内(第1流量Ge_th1から第2流量Ge_th2の間)に収まって第1実施条件が成立する。
これに対して、図22Bに示すように、ハイブリッド車両の場合は、内燃機関100及び走行モータ300の動力によって加速した後、定常走行時や減速時において車両要求トルクが低下して車両要求トルクが所定トルク未満になると、内燃機関100が一時的に停止されることなる。そのため、ハイブリッド車両の場合は、第1排気温度が低下しやすい定常走行時や減速時などに、内燃機関100が一時的に停止されて排気流量Geがゼロとなって第1流量Ge_th1未満となるので、通常車両の場合と比較して第1実施条件が成立する頻度が少なくなる。したがって、ハイブリッド車両の場合、第1実施条件として第1排気温度が低下している状態であることを加えることは好適ではない。
ここで、図22Aに示すように、通常車両の場合は、車両停止時においても内燃機関100がアイドル運転状態となるため、機関本体10から排気が排出される。そのため、通常車両の場合は、車両停止時においても、第1排気温度及び第2排気温度の低下は緩やかとなる。
これに対して、図22Bに示すように、ハイブリッド車両の場合は、車両停止時においても内燃機関100は停止されたままであり、機関本体10から排気が排出されないので、排気管22からの放熱によって、第1排気温度及び第2排気温度は通常車両よりも大きく低下する。そのため、ハイブリッド車両の場合は、再始動後の加速時において、第1排気温度が低下した状態から大きく上昇する。すなわち、ハイブリッド車両の場合は、通常車両と比較して、再始動後の加速時に第1排気温度の時間変化率Ainが大きくなる。またアイドルストップ機能を備える車両でも同様に、車両停止時には内燃機関100が停止されることになるので、再始動後の加速時に第1排気温度の時間変化率Ainが大きくなる。
このように、機関間欠運転実施車両の場合は、再始動後の加速時に第1排気温度の時間変化率Ainが大きくなる傾向があり、再始動後の加速時に第1排気温度の時間変化率Ainと第2排気温度の時間変化率Aoutとの間に差が生じやすい。したがって機関間欠運転実施車両の場合は、再始動後の加速時が、取り外し状態であるか否かの判定を実施する第1実施条件として適している。
そこで機関間欠運転実施車両の場合には、再始動後の加速時に、取り外し状態であるか否かの判定が行われるように、第1実施条件判定処理の内容を変更することとした。
図23は、本実施形態による第1実施条件判定処理の詳細について説明するフローチャートである。なお図23において、ステップS433及びステップS434の処理の内容は、第1実施形態で説明した処理の内容と同様なので、ここでは説明を省略する。
ステップS601において、電子制御ユニット200は、内燃機関100が始動(再始動を含む)される前において、内燃機関100が停止されていた時間(以下「機関停止時間」という。)Tsが、第1所定時間Ts_th(例えば10秒)以上か否かを判定する。電子制御ユニット200は、機関停止時間Tsが第1所定時間Ts_th以上であれば、ステップS602の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、機関停止時間Tsが第1所定時間Ts_th未満であれば、ステップS35の処理に進む。
このような判定を行うのは、機関停止時間が短いと、第1排気温度の低下幅が少なく、その結果、機関始動後の加速時における第1排気温度の上昇幅も少なくなるため、機関始動後の加速時に第1排気温度の時間変化率Ainと第2排気温度の時間変化率Aoutとの間に差が生じにくくなって、取り外し状態であるか否かの判定精度が低下するおそれがあるためである。
ステップS602において、電子制御ユニット200は、内燃機関100が始動(再始動も含む)されてからの経過時間(以下「始動後経過時間」という。)Toが、第2所定時間To_th(例えば3秒)以上か否かを判定する。このような判定を行うのは、内燃機関100を始動してから第1排気温度が上昇するまでには、一定の時間遅れがあるためである。電子制御ユニット200は、始動後経過時間Toが第2所定時間To_th以上であれば、ステップS602の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、始動後経過時間Toが第2所定時間To_th未満であれば、ステップS434の処理に進む。
ステップS603において、電子制御ユニット200は、排気流量Geが、所定の第5流量Ge_th5(例えば18[g/s])以上であるか否かを判定する。電子制御ユニット200は、排気流量Geが第5流量Ge_th5以上であれば、ステップS604の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、排気流量Geが第5流量Ge_th5未満であれば、ステップS434の処理に進む。
なお、このような判定を行うのは、以下の理由によるものである。すなわち、機関本体10から排出される排気の温度は、基本的に機関負荷が高くなるほど、換言すれば吸入空気流量Ga、ひいては排気流量Geが多くなるほど高くなる傾向がある。したがって、排気流量Geが多くなるほど、機関始動後の加速時における第1排気温度の上昇幅も大きくなって、第1排気温度の時間変化率Ainも大きくなる。逆を言えば、機関負荷が低く、排気流量Geが少ないときは、第1排気温度の上昇幅が少なく、第1排気温度の時間変化率Ainが小さくなるため、第1排気温度の時間変化率Ainと第2排気温度の時間変化率Aoutとの間に差が生じにくくなる。そのため、取り外し状態であるか否かの判定精度が低下するおそれがある。そこで本実施形態では、排気流量Geが第5流量Ge_th5以上であるか否か、すなわち機関負荷が一定負荷以上であるか否か(平坦路であれば加速度が一定加速度以上であるか否か)を判定しているのである。
ステップS604において、電子制御ユニット200は、PM捕集装置50の温度が所定温度(例えば380[℃])以下か否かを判定する。本実施形態では電子制御ユニット200は、第2排気温度をPM捕集装置50の温度とみなして第2排気温度が所定温度以下か否かを判定している。電子制御ユニット200は、第2排気温度が所定温度以下であれば、ステップS605の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、第2排気温度が所定温度よりも高ければ、ステップS434の処理に進む。
なお、このような判定を行うのは、以下の理由によるものである。すなわちPM捕集装置50の温度が低いほど、PM捕集装置50を通過する過程で排気温度が低下するため、第1排気温度の温度変化率(温度上昇率)Ainと比較して、第2排気温度の温度変化率(温度上昇率)Aoutが小さくなる傾向がある。したがってPM捕集装置50の温度が低いほど、機関始動後の加速時に第1排気温度の時間変化率Ainと第2排気温度の時間変化率Aoutとの間に差が生じやすく、取り外し状態であるか否かの判定を精度良く行うことができるためである。
ステップS605において、電子制御ユニット200は、第1実施条件成立フラグFe1が0に設定されているか否かを判定する。電子制御ユニット200は、第1実施条件成立フラグFe1が0に設定されていれば、ステップS433の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、第1実施条件成立フラグFe1が1に設定されていれば、ステップS606の処理に進む。
ステップS606において、電子制御ユニット200は、内燃機関100を始動してからの吸入空気流量Gaの積算値IGaが所定の第2積算値IGa_th2(例えば150[g])以下であるか否かを判定する。電子制御ユニット200は、積算値IGaが第2積算値IGa_th2以下であれば、ステップS433の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、積算値IGaが第2積算値IGa_th2よりも大きければ、ステップS434の処理に進む。
なお、このような判定を行うのは、以下の理由によるものである。
ステップS601からステップS605までの各条件が成立してステップS34で第1実施条件成立フラグFe1が1になると、第1取り外し判定処理が実施されることになるが、機関始動後の加速時における第1排気温度の時間変化率(温度上昇率)Ainは、加速時に第1排気温度が高くなるにつれて徐々に小さくなっていく。すなわち、加速開始からの排気の総熱量が或る一定量を超えると、第1排気温度の時間変化率(温度上昇率)Ainが徐々に小さくなっていく。
ここで排気の総熱量は、加速開始からの排気量、すなわち吸入空気流量Gaの積算値IGaと比例関係にある。したがって、内燃機関100を始動してからの吸入空気流量Gaの積算値IGaが第2積算値IGa_th2よりも多くなると、第1排気温度の時間変化率Ainが小さくなるため、第1排気温度の時間変化率Ainと第2排気温度の時間変化率Aoutとの間に差が生じにくくなって、取り外し状態であるか否かの判定精度が低下するおそれがある。そこで本実施形態では、第1実施条件成立フラグFe1が1になって、第1取り外し判定処理が実施されているときに、吸入空気流量Gaの積算値IGaが第2積算値IGa_th2以下であるか否かを判定するようにしているのである。
以上説明した本実施形態によれば、機関停止中に第1排気温度が低下した後に内燃機関100が始動されて機関負荷が一定以上になっているとき(加速しているとき)、すなわち第1排気温度の時間変化率Ainが大きくなるときに取り外し状態か否かの判定を行うことができる。そのため、第1排気温度の時間変化率Ainと第2排気温度の時間変化率Aoutとの間に差が生じやすく、取り外し状態であるか否かの判定精度を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば上記の各実施形態では、排気後処理装置30としてのPM捕集装置50が取り外されたことを検出していたが、例えば同様の手法によって、触媒装置40が取り外されたことを検出するようにしてもよい。すなわち、排気管22に取り付けられた或る程度の熱容量を持つ装置の取り外しを、上記の各実施形態で説明した方法によって検出するようにしてもよい。