JP2009127496A - NOx浄化装置における診断方法および診断装置 - Google Patents

NOx浄化装置における診断方法および診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】内燃機関の排気通路に設けられた選択還元型NOx触媒に、還元剤として尿素水またはアンモニアを選択的に添加して、NOxを浄化するNOx浄化装置に関して、車載状態などで、選択還元型NOx触媒そのものの劣化を診断する。
【解決手段】本発明は、NOx触媒44の温度がNOx浄化温度域よりも低くかつアンモニア吸着温度域に含まれる所定温度域の温度か否かを判定するステップと、該ステップにより肯定判定されたとき、前記NOx触媒44下流側の排気通路にアンモニアが漏れるまで還元剤を添加するステップと、該ステップにより前記NOx触媒44に添加された還元剤の総量としての実添加量あるいは実添加量相当値がNOx触媒44の劣化判定用閾値γ1以下のとき前記NOx触媒44が劣化したと判定するステップとを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の排気通路に設けられた選択還元型NOx触媒に、還元剤を添加してNOxを浄化するNOx浄化装置における診断方法および診断装置に関する。
一般に、ディーゼル機関等の内燃機関の排気系に配置される排気浄化装置として、排気ガスに含まれるNOx(窒素酸化物)を浄化するためのNOx触媒を含むものが知られている。このNOx触媒としては様々なタイプのものが知られているが、その中で、還元剤の添加によりNOxを連続的に還元除去する選択還元型NOx触媒が公知である。還元剤としては尿素が知られており、通常は尿素水(尿素水溶液)が触媒上流側の排気ガス中に噴射供給される。排気ガスや触媒からの受熱により尿素水からアンモニアが発生され、このアンモニアによりNOx触媒上でNOxが還元される。この選択還元型NOx触媒の使用に当たっては、触媒に添加する還元剤の量を適切な量に制御する必要がある。このため、触媒の下流側にNOxセンサを設け、このNOxセンサを用いて検出された排気ガス中のNOx濃度に応じて還元剤の量を制御する手法が採用される。
ところで、例えば自動車に搭載された内燃機関の場合、排気ガスが悪化した状態での走行を未然に防止するため、車載状態(オンボード)で触媒やセンサの異常を検出することが各国法規等からも要請されている。例えば、特許文献1に、アンモニアスリップの発生やシステム異常を検出することを目的として考案された内燃機関のNOx浄化装置が開示されている。該装置では、触媒温度から制御上目標とされる目標NOx浄化率が導出される一方でNOx触媒前後のNOx濃度に基づいて実際のNOx浄化率(実NOx浄化率)が導出され、これらを比較した際に目標NOx浄化率が実NOx浄化率を超えているときにNOx触媒に対するアンモニア供給量を増やすが、これによっても実NOx浄化率の上昇が生じないときに、アンモニアスリップが発生したと判定される。加えて、このようにしてアンモニアスリップの発生が判定されたとき、アンモニア添加量を所定時間抑制して、その後、実NOx浄化率と、触媒温度とデータとに基づいて導出されるNOx浄化率とを比較することで、浄化システムが正常に機能しているか否かが判断される。ただし、浄化システムに異常がある場合には、NOxセンサに異常がある場合や、アンモニアスリップが改善されていない場合が含まれる。
また、引用文献2には、排気ガス後処理システムを監視するための方法が開示されている。この方法では、選択還元型NOx触媒に供給される還元剤としての尿素水溶液の量を変更し、排気ガス系統に配置されたNOxセンサあるいはアンモニアセンサの信号が所期のように変化しない場合、システムに欠陥が存在すると判定される。
特開2003−293743号公報 特開2004−176719号公報
上記特許文献1に記載の装置では、上記の如くシステム異常を検出することはできるが、NOx浄化装置の内のNOx触媒の劣化、具体的にはNOx触媒のNOx浄化能低下を適切に診断することはできない。また、上記特許文献2に記載の方法では、排気ガス後処理システムに何らかの欠陥が存在することを見出すことはできるが、その内のNOx触媒の劣化を診断することはできない。
そこで、本発明はかかる点に鑑みて創案されたものであり、その目的は、車載状態などで、NOx浄化装置の内の選択還元型NOx触媒そのものの劣化を診断することにある。
上記目的を達成するため、本発明の第1の形態によれば、内燃機関の排気通路に設けられた選択還元型NOx触媒に、還元剤として尿素水またはアンモニアを選択的に添加して、NOxを浄化するNOx浄化装置における診断方法において、前記NOx触媒の温度が、NOx浄化温度域よりも低くかつアンモニア吸着温度域に含まれる所定温度域の温度か否かを判定するNOx触媒温度判定ステップと、該NOx触媒温度判定ステップにより肯定判定されたとき、前記NOx触媒下流側の排気通路にアンモニアが漏れるまで、還元剤を添加する還元剤添加ステップと、該還元剤添加ステップにより前記NOx触媒に添加された還元剤の総量としての実添加量に基づいて、前記NOx触媒が劣化したか否かを判定する劣化判定ステップとを備えることを特徴とするNOx浄化装置における診断方法が提供される。
本発明の第2の形態は、本発明の第1の形態において、前記劣化判定ステップでは、前記実添加量あるいは該実添加量相当値が、前記NOx触媒の劣化判定用閾値以下のとき、前記NOx触媒が劣化したと判定され、前記劣化判定用閾値は、前記NOx触媒が所定レベルまで劣化したときの前記所定温度域の上限温度での、前記NOx触媒のアンモニア吸着限界量であることを特徴とする。
本発明の第3の形態は、本発明の第1または第2の形態において、前記還元剤添加ステップは、前記NOx触媒下流側の排気通路へのアンモニアの漏れを、前記NOx触媒下流側の排気通路に設けられたNOxセンサのセンサ出力に基づいて検知するステップを含むことを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の第4の形態によれば、内燃機関の排気通路に設けられた選択還元型NOx触媒に、還元剤として尿素水またはアンモニアを選択的に添加して、NOxを浄化するNOx浄化装置における診断方法において、前記NOx触媒の温度が、NOx浄化温度域の温度か否かを判定するNOx触媒温度判定ステップと、前記NOx触媒にアンモニア吸着限界量のアンモニアが吸着されているか否かを判定するアンモニア吸着量判定ステップと、前記NOx触媒温度判定ステップおよび前記アンモニア吸着量判定ステップにより肯定判定されたとき、前記NOx触媒上流側の排気通路のNOx量を検出または推定するNOx量取得ステップと、該NOx量取得ステップにより取得された量のNOxを還元するのに必要なアンモニアの最小量に相当する還元剤量を導出して前記NOx触媒に添加する還元剤添加ステップと、該還元剤添加ステップにより還元剤が添加されたとき、前記NOx触媒下流側の排気通路に設けられたNOxセンサを用いて検出値を得る検出値獲得ステップと、前記NOx量取得ステップで取得されたNOx量、前記還元剤添加ステップで添加された還元剤量および前記検出値獲得ステップで得られた検出値に基づいて、前記NOx触媒が劣化したか否かを判定する劣化判定ステップとを備えることを特徴とするNOx浄化装置における診断方法が提供される。
上記目的を達成するため、本発明の第5の形態によれば、内燃機関の排気通路に設けられた選択還元型NOx触媒に、還元剤として尿素水またはアンモニアを選択的に添加して、NOxを浄化するNOx浄化装置における診断方法において、前記NOx触媒の温度が、アンモニア吸着温度域の温度よりも高いか否かを判定するNOx触媒温度第1判定ステップと、該NOx触媒温度第1判定ステップによって肯定判定された後、前記NOx触媒の温度が、前記アンモニア吸着温度域の高温側の所定温度域の温度か否かを判定するNOx触媒温度第2判定ステップと、燃料カット中か否かを判定する燃料カット判定ステップと、前記NOx触媒温度第2判定ステップにより肯定判定されると共に前記燃料カット判定ステップにより肯定判定されたとき、前記NOx触媒下流側の排気通路にアンモニアが漏れるまで、還元剤を添加する還元剤添加ステップと、該還元剤添加ステップにより前記NOx触媒に添加された還元剤の総量としての実添加量に基づいて、前記NOx触媒が劣化したか否かを判定する劣化判定ステップとを備えることを特徴とするNOx浄化装置における診断方法が提供される。
本発明の第6の形態は、本発明の第5の形態において、前記劣化判定ステップでは、前記実添加量あるいは該実添加量相当値が、前記NOx触媒の劣化判定用閾値以下のとき、前記NOx触媒が劣化したと判定され、前記劣化判定用閾値は、前記NOx触媒が所定レベルまで劣化したときの前記所定温度域の下限温度での、前記NOx触媒のアンモニア吸着限界量であることを特徴とする。
本発明の第7の形態は、本発明の第5または第6の形態において、前記還元剤添加ステップは、前記NOx触媒下流側の排気通路へのアンモニアの漏れを、前記NOx触媒下流側の排気通路に設けられたNOxセンサのセンサ出力に基づいて検知するステップを含むことを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の第8の形態によれば、内燃機関の排気通路に設けられた選択還元型NOx触媒と、該NOx触媒に還元剤として尿素水またはアンモニアを選択的に添加するための還元剤添加手段と、該還元剤添加手段を制御する制御手段とを備えたNOx浄化装置における診断装置において、前記NOx触媒の温度を検出または推定する温度取得手段と、該温度取得手段により取得された前記NOx触媒の温度が、NOx浄化温度域よりも低くかつアンモニア吸着温度域に含まれる所定温度域の温度か否かを判定するNOx触媒温度判定手段と、前記NOx触媒下流側の排気通路のアンモニアを検出するアンモニア検出手段と、前記NOx触媒温度判定手段により肯定判定されたとき、前記アンモニア検出手段によりアンモニアが検出されるまでに前記還元剤添加手段から前記NOx触媒に添加された還元剤の総量としての実添加量に基づいて、前記NOx触媒が劣化したか否かを判定する劣化判定手段とを備え、前記制御手段は、前記NOx触媒温度判定手段により肯定判定されたとき、前記アンモニア検出手段によりアンモニアが検出されるまで、前記NOx触媒に還元剤を添加するように、前記還元剤添加手段を制御することを特徴とするNOx浄化装置における診断装置が提供される。
本発明の第9の形態は、本発明の第8の形態において、前記劣化判定手段は、前記実添加量あるいは該実添加量相当値が、前記NOx触媒の劣化判定用閾値以下のとき、前記NOx触媒が劣化したと判定し、前記劣化判定用閾値は、前記NOx触媒が所定レベルまで劣化したときの前記所定温度域の上限温度での、前記NOx触媒のアンモニア吸着限界量であることを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の第10の形態によれば、内燃機関の排気通路に設けられた選択還元型NOx触媒と、該NOx触媒に還元剤として尿素水またはアンモニアを選択的に添加するための還元剤添加手段と、該還元剤添加手段を制御する制御手段とを備えたNOx浄化装置における診断装置において、前記NOx触媒の温度を検出または推定する温度取得手段と、該温度取得手段により取得された前記NOx触媒の温度が、NOx浄化温度域の温度か否かを判定するNOx触媒温度判定手段と、前記NOx触媒下流側の排気通路のアンモニアを検出するアンモニア検出手段と、前記NOx触媒温度判定手段により肯定判定されたとき、前記NOx触媒上流側の排気通路のNOx量を検出または推定するNOx量取得手段と、該NOx量取得手段により取得された量のNOxを還元するのに必要なアンモニアの最小量に相当する還元剤量を導出する還元剤量導出手段と、前記NOx触媒温度判定手段により肯定判定されたとき、NOx触媒下流側のアンモニアおよびNOxの総量を検出する総量検出手段と、前記NOx量取得手段で取得されたNOx量、前記還元剤量導出手段で導出された還元剤量および前記総量検出手段で検出されたアンモニアおよびNOxの総量に基づいて、前記NOx触媒が劣化したか否かを判定する劣化判定手段とを備え、前記制御手段は、前記NOx触媒温度判定手段により肯定判定されると共に前記アンモニア検出手段によりNOx触媒下流側の排気通路のアンモニアが検出されたとき、前記還元剤量導出手段により導出された量の還元剤を前記NOx触媒に添加するように、前記還元剤添加手段を制御することを特徴とするNOx浄化装置における診断装置が提供される。
上記目的を達成するため、本発明の第11の形態によれば、内燃機関の排気通路に設けられた選択還元型NOx触媒と、該NOx触媒に還元剤として尿素水またはアンモニアを選択的に添加するための還元剤添加手段と、該還元剤添加手段を制御する制御手段とを備えたNOx浄化装置における診断装置において、前記NOx触媒の温度を検出または推定する温度取得手段と、該温度取得手段により取得された前記NOx触媒の温度が、アンモニア吸着温度域の温度よりも高いか否かを判定するNOx触媒温度第1判定手段と、該NOx触媒温度第1判定手段により肯定判定された後、前記温度取得手段により取得された前記NOx触媒の温度が、前記アンモニア吸着温度域の高温側の所定温度域の温度か否かを判定するNOx触媒温度第2判定手段と、前記NOx触媒下流側の排気通路のアンモニアを検出するアンモニア検出手段と、前記NOx触媒温度第2判定手段により肯定判定されたとき、前記アンモニア検出手段によりアンモニアが検出されるまでに前記還元剤添加手段から前記NOx触媒に添加された還元剤の総量としての実添加量に基づいて、前記NOx触媒が劣化したか否かを判定する劣化判定手段とを備え、前記制御手段は、前記NOx触媒温度第2判定手段により肯定判定されたとき、前記アンモニア検出手段によりアンモニアが検出されるまで、前記NOx触媒に還元剤を添加するように、前記還元剤添加手段を制御することを特徴とするNOx浄化装置における診断装置が提供される。
本発明の第12の形態は、本発明の第11の形態において、前記劣化判定手段は、前記実添加量あるいは該実添加量相当値が、前記NOx触媒の劣化判定用閾値以下のとき、前記NOx触媒が劣化したと判定し、前記劣化判定用閾値は、前記NOx触媒が所定レベルまで劣化したときの前記所定温度域の下限温度での、前記NOx触媒のアンモニア吸着限界量であることを特徴とする。
本発明によれば、車載状態などで、選択還元型NOx触媒そのものの劣化を診断することができるという、優れた効果が発揮される。
本発明の実施形態について説明する前に、選択還元型NOx触媒(NOx触媒)におけるアンモニア吸着量とNOx浄化率との、NOx触媒温度(床温)に対する変化、に関しての一実験結果について、図1のグラフを用いて説明する。本実験では、NOx触媒として、Si、O、Alを主成分とすると共にFeイオンを含むゼオライトを用いた。なお、図1では、NOx触媒が正常に機能する新品同様の状態でのNOx浄化率を実線αで表すと共にその状態でのアンモニア吸着量を実線βで表すのに対して、NOx触媒がある程度例えば交換が必要とされるレベルまで劣化した状態でのアンモニア吸着量を点線γで表している。この実験では、NOx触媒を種々の温度に保ち、そのときに上流側からアンモニアをNOx触媒に添加し続けて、NOx触媒を通過した(NOx触媒から漏れた)アンモニアがNOx触媒の出口に設けられた検出器で検出されるようになったときまでのアンモニアの総添加量を、そのNOx触媒温度でのアンモニア吸着量とした。また、この実験では、排気ガス(NOxを含む)をNOx触媒に流しつつ、この排気ガス中のNOxの全量を還元するのに必要な量のアンモニアがNOx触媒上に至るようにアンモニアを添加したときの、NOx触媒入り前および通過後のNOx濃度を検知して、それらに基づいて導出したNOxの減少割合を、NOx浄化率とした。
図1のグラフから、上記構成のNOx触媒の3つの特徴を見出すことができる。第1特徴は、NOx触媒温度の低温側に、アンモニア吸着能があるがNOx浄化能のほとんどない温度域があるということである。第2特徴は、NOx触媒が劣化していくと、NOx触媒のアンモニア吸着能が低下していくということである。第3特徴は、NOx触媒温度の高温側に、アンモニア吸着能が低下した温度域があるということである。そこで、以下に実施形態を具体的に説明するように、本発明では、これら選択還元型NOx触媒の特徴に着目し、NOx触媒の劣化を診断する。なお、NOx触媒のNOx浄化能は、周知の如く、その劣化が進むにつれて低下する。
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳述する。まず、第1実施形態について説明する。
図2は、本発明の第1実施形態に係る内燃機関の概略的なシステム図である。図中、10は、自動車用の圧縮着火式内燃機関すなわちディーゼル機関であり、12は吸気ポートに連通されている吸気マニフォルド、14は排気ポートに連通されている排気マニフォルド、16は燃焼室である。ここでは、不図示の燃料タンクから高圧ポンプ18に供給された燃料が、高圧ポンプ18によりコモンレール20に圧送されて高圧状態で蓄圧され、このコモンレール20内の高圧燃料がインジェクタ22から燃焼室16内に直接噴射供給される。内燃機関10からの排気ガスは、排気行程で排気弁が開弁されることで燃焼室16から排出され、排気マニフォルド14からターボチャージャ24を経た後にその下流の排気通路26に流され、後述のように浄化処理された後、大気に排出される。なお、ディーゼル機関の形態としてはこのようなコモンレール式燃料噴射装置を備えたものに限らない。またEGR装置などの他の排気浄化デバイスを含むことも任意である。
他方、エアクリーナ28から吸気通路30内に導入された吸入空気は、エアフローメータ32、ターボチャージャ24、インタークーラ34、スロットルバルブ36、吸気マニフォルド12、吸気弁を順に通過して燃焼室16に至る。エアフローメータ32は吸入空気量を検出するためのセンサであり、具体的には吸入空気の流量に応じた信号を出力する。スロットルバルブ36には電子制御式のものが採用されている。
排気通路26には、上流側から順に、排気ガス中の未燃成分(特にHC)を酸化して浄化する酸化触媒40と、排気ガス中の粒子状物質(PM)を捕集して燃焼除去するDPR(Diesel Particulate Reduction)触媒42と、排気ガス中のNOxを還元して浄化するNOx触媒能を有する触媒としての選択還元型NOx触媒(SCR: Selective Catalytic Reduction)44とが直列に設けられている。
そして、NOx触媒44とDPR触媒42との間、すなわちDPR触媒42下流側かつNOx触媒44上流側の排気通路26mに、NOx触媒44にアンモニアを添加可能にすべく、還元剤としての尿素を選択的に添加するための添加弁46が設けられている。尿素は尿素水の形で使用され、添加弁46から下流側のNOx触媒44に向かって排気通路26内に噴射供給される。添加弁46には、これに尿素水を供給するための供給装置48が接続され、供給装置48には尿素水を貯留するタンク50が接続される。なお、ここでは、添加弁46、供給装置48、タンク50を含んで還元剤添加手段としての還元剤添加装置52が構成されている。また、供給装置48は、ここではポンプである。なお、ここでは添加弁46から添加された尿素は直接的にNOx触媒44に添加されるが、添加尿素を適切に満遍なくNOx触媒44に供給するべく添加尿素を分散させて広範囲に方向付ける分散板などがNOx触媒44の入口部あるいはその近傍に設けられてもよい。
選択還元型NOx触媒44は、Si、O、Alを主成分とすると共にFeイオンを含むゼオライトから構成されている。NOx触媒44は、その触媒温度が活性温度域(NOx浄化温度域)にあり、かつ、上記還元剤添加装置52から尿素が添加されているときにNOxを還元浄化する。上記の如く尿素は尿素水として供給され、排気通路26の熱で加水分解および熱分解される。この結果、アンモニアが生成される。すなわち、尿素(尿素水)がNOx触媒44に向けて添加されると、NOx触媒44上でアンモニアが生成される。このアンモニアがNOx触媒44上でNOxと反応して、NOxが還元される。なお、NOx触媒44としては、アルミナからなる基材の表面にバナジウム触媒(V)を担持させたもの等が他に使用され得、このような構成のNOx触媒も上記図1に基づいて説明した3つの特徴を有する。
なお、ディーゼルパティキュレートフィルタ(Diesel Particulate Filter;DPF)の一種であるDPR触媒42は、フィルタ構造であると共に表面に貴金属を有する。つまり、DPR触媒42は、フィルタで捕集した粒子状物質(PM)を、貴金属の触媒作用を利用して連続的に酸化(燃焼)させる連続再生式の触媒である。
本第1実施形態の内燃機関10の排気通路26には、上流側から順に、酸化触媒40、DPR触媒42およびNOx触媒44が配列されているが、配列順序はこれに限られない。また、DPFとしてDPR触媒42が設けられることに限られず、他のタイプのDPFが使用可能である。具体的には、DPFは、フィルタ構造体としてのみ構成され、内燃機関の連続作動時間が所定時間を越えた時期あるいはDPF前後の差圧が所定値以上になった時期に、例えば燃料噴射時期を遅らせて後燃えを生じさせることで、捕集した粒子状物質が酸化燃焼されて再生が図られるものであっても良い。ただし、このようなDPFの所定時期での再生は、DPR触媒42に対しても適用され得る。なお、酸化触媒40およびDPR触媒42の少なくとも一方を省略することも可能である。さらに、NOx触媒44から下流側に流出した(漏れた)アンモニアを酸化して浄化するべく、酸化触媒40の有無に関わらず、酸化触媒がNOx触媒44の下流側に設けられるとよい。
また、還元剤添加装置52を備えた内燃機関10全体の制御を司る制御手段としての電子制御ユニット(ECU)60が設けられる。ECU60は、CPU、ROM、RAM、入出力ポート、および記憶装置等を含むものである。ECU60は、各種センサ類を用いて得られた検出値等に基づいて、所望の内燃機関制御が実行されるように、インジェクタ22、高圧ポンプ18、スロットルバルブ36等を制御する。またECU60は、還元剤添加量や還元剤添加時期を制御すべく、還元剤添加装置52の添加弁46および供給装置48を制御する。
ECU60に接続されるセンサ類としては、前述のエアフローメータ32の他、NOx触媒44下流側に設けられたNOxセンサすなわち触媒後NOxセンサ62、NOx触媒44上流側とその下流側とにそれぞれ設けられた触媒前排気温センサ64および触媒後排気温センサ66が含まれる。触媒後NOxセンサ62は、その設置位置における排気ガスのNOx濃度すなわち触媒後NOx濃度に応じた信号をECU60に出力する。触媒前排気温センサ64および触媒後排気温センサ66は、それら設置位置における排気ガスの温度に応じた信号をECU60に出力する。なお、触媒前排気温センサ64は、排気通路26の内、DPR触媒42の下流側かつNOx触媒44の上流側の排気通路26mに設置される。
また他のセンサ類として、クランク角センサ70、アクセル開度センサ72および内燃機関スイッチ74がECU60に接続されている。クランク角センサ70はクランク角の回転時にクランクパルス信号をECU60に出力し、ECU60はそのクランクパルス信号に基づき内燃機関10のクランク角を検出すると共に、内燃機関10の回転速度を計算する。アクセル開度センサ72は、ユーザによって操作されるアクセルペダルの開度(アクセル開度)に応じた信号をECU60に出力する。内燃機関スイッチ74はユーザによって機関始動時にオン、機関停止時にオフされる。
なお、還元剤添加手段である還元剤添加装置52を制御する制御手段は、ECU60の一部を含んで構成される。また、NOx触媒44の温度を取得する温度取得手段は、触媒前排気温センサ64と、触媒後排気温センサ66と、ECU60の一部とを含んで構成される。NOx触媒温度判定手段は、ECU60の一部を含んで構成される。アンモニア検出手段は、NOxセンサ62と、ECU60の一部とを含んで構成される。劣化判定手段は、ECU60の一部を含んで構成される。
NOx触媒44の温度は、ここでは推定することで求められる。具体的には、ECU60が、触媒前排気温センサ64および触媒後排気温センサ66からの出力信号に基づいてそれぞれ検出された触媒前排気温および触媒後排気温に基づき、NOx触媒温度を推定する。なお推定方法はこのような例に限られない。NOx触媒44の温度は、NOx触媒44に埋設した温度センサを用いて直接的に検出することとしてもよい。
NOx触媒44に対する尿素添加量などは、触媒後NOxセンサ62により検出される触媒後NOx濃度(あるいはこのNOx濃度と関係のあるNOx量)に基づき制御される。具体的には、触媒後NOx濃度が常にゼロになるように添加弁46からの尿素噴射量が制御される。この場合、触媒後NOx濃度のみに基づいて尿素噴射量を設定してもよく、あるいは、機関運転状態(例えば機関回転速度とアクセル開度)に基づく基本尿素噴射量を、触媒後NOxセンサ62からの出力信号に基づいて導出された触媒後NOx濃度に基づきフィードバック補正してもよい。NOx触媒44はアンモニアがあるときのみNOxを還元可能なので、通常、尿素は常時添加される。また、内燃機関から排出されるNOxを還元するのに必要な最小限の量しか尿素が添加されないよう、制御が行われる。過剰に尿素を添加するとアンモニアがNOx触媒44の下流に流出されてしまい(いわゆるアンモニアスリップ)、異臭等の原因となるからである。
ここで、内燃機関10から排出されるNOxの全量を還元するのに必要なアンモニアの最小量に相当する還元剤量ここでは尿素量をA、実際に添加された尿素量をBとすると、これらの比B/Aは当量比と称される。これは還元剤としてアンモニアを用いた場合にも同様に適用できる概念である。当量比ができるだけ1に近づくように尿素添加制御が実行されてはいるものの、実際には内燃機関の運転状態が時々刻々と変化することから、実際の当量比は必ずしも1とならない。当量比が1より小さい場合、尿素供給量が不足しており、触媒下流側にNOxが排出されるので、これを触媒後NOxセンサ62を用いて検知して尿素供給量を増量するようにしている。なお当量比が1より大きいときには尿素供給量が過剰となる。添加された尿素がNOx触媒44に付着あるいは吸着することもあり、この場合、尿素の添加を停止しても、付着した尿素により暫くの間はNOxを還元できる。
また、NOx触媒44の温度(ここでは推定値)に応じて還元剤としての尿素添加の実行・停止が制御される。具体的には、触媒温度が所定の最小活性温度(例えば200℃)以上のときに尿素添加が実行され、触媒温度がその最小活性温度未満のときには尿素添加が停止される。触媒温度が最小活性温度に達する前は尿素添加を行ってもNOxを効率良く還元できないからである。ただし、最小活性温度は、図1における温度T2に対応する。
機関暖機時、NOx触媒44が内燃機関からの排気熱で昇温されるのに対し、触媒後NOxセンサ62は内蔵ヒータの加熱により比較的早く昇温する。したがって、通常は、NOx触媒44よりも早く触媒後NOxセンサ62が活性化する。ECU60は、触媒後NOxセンサ62のインピーダンスを検知すると共に、このインピーダンスが、触媒後NOxセンサ62の活性温度に対応する所定値になるように、ヒータを制御する。
また、上記の如く、ECU60は、インジェクタ22、高圧ポンプ18、スロットルバルブ36等を制御するが、機関運転状態が所定の運転領域にあるとき、インジェクタ22からの燃料噴射は停止(燃料カット)される。具体的には、内燃機関10では、クランク角センサ70からの出力信号に基づいて導出される機関回転速度が所定回転速度(燃料カット回転速度)以上であり、かつ、アクセル開度センサ72からの出力信号に基づいて導出されるアクセル開度が0%、すなわちアクセルペダルが踏まれていないときに、インジェクタ22からの燃料噴射が停止(燃料カット)されるように設定されている。ただし、このような燃料カット状態が続いて、機関回転速度が低下して別の所定回転速度(燃料カット復帰回転速度)に達すると、燃料噴射は再開される。また、燃料カットが実行されているときに、アクセルペダルが踏まれてアクセル開度が0%を超えるようになった場合にも、燃料噴射は再開される。なお、燃料カットが行われているときは、概ね減速時に対応する。
以下、本第1実施形態のNOx触媒44の劣化診断について説明する。先に説明したように、NOx触媒44は、そのNOx触媒温度の低温側に、NOx触媒44でアンモニア吸着能が発揮されるがNOx浄化能のほとんどない温度域、すなわちNOx浄化温度域よりも低くかつアンモニア吸着温度域に含まれる温度域を有するという特徴(上記第1特徴)を有する。この温度域は、図1において、温度T1から温度T2までの温度域Iとして表されている。また、NOx触媒44は、NOx触媒44が劣化していくと、NOx触媒のアンモニア吸着能が低下していくという特徴(上記第2特徴)を有する。これは、図1において実線βで表された正常に機能するNOx触媒でのアンモニア吸着能曲線が、点線γで表された劣化したNOx触媒でのアンモニア吸着能曲線よりも上位に位置することから明らかである。本第1実施形態では、これら2つの特徴に着目して、NOx触媒44の温度が、NOx浄化温度域(図1において温度T2以上の温度域)よりも低くかつアンモニア吸着温度域(図1において温度T1と温度T4との間の温度域)である所定温度域Iに含まれているとき、前記NOx触媒44下流側の排気通路に還元剤が漏れるまで還元剤を添加し、添加された還元剤の総量としての実添加量と、NOx触媒44の劣化判定用閾値とを比較して、NOx触媒44が劣化したか否かを判断する。具体的に、図3のフローチャートに基づいて説明する。ただし、図3のフローチャートは、およそ20ms毎に繰り返されるものである。
最初のステップS301では、NOx触媒44の温度(図3中の「NOx触媒温度」)が所定温度域I内の温度か否かが判定される。より具体的には、触媒前排気温センサ64および触媒後排気温センサ66からの出力信号に基づいてそれぞれ検出された触媒前排気温および触媒後排気温に基づき、NOx触媒温度が推定されて導出される。そしてこのNOx触媒温度が、所定温度域Iの下限温度T1以上かつ上限温度T2未満(図1参照)か否かが判定される。ここで否定判定されると該ルーチンは終了されるが、これに対して肯定判定されるとステップS303に進む。
ステップS303では、還元剤添加が実行される。還元剤添加は、還元剤添加装置52の供給装置48や添加弁46への作動信号の出力によって開始され、これによりNOx触媒44に向かって排気通路26に還元剤が噴射供給される。ただし、このときの還元剤添加量つまりその流量は、少量に抑制され、NOx触媒44で確実に吸着できるアンモニア量に相当する添加量に制限される。なお、通常時であって、NOx触媒温度が上記所定温度域Iの温度であるとき、還元剤は添加されない。
次ぐ、ステップS305では、還元剤添加総量が計算される。還元剤添加総量は、一旦ステップS303で還元剤添加が開始され始めてから、排気通路26へ添加された還元剤の総量である。
次ぐステップS307では、ステップS305で導出された還元剤添加総量が所定上限量以下か否かが判定される。ここでは、所定上限量は、図1に実線βで表されたアンモニア吸着量の温度T2でのアンモニア吸着量(図1でのβ1)に相当する還元剤添加総量以上の値では少なくともあり得、ここでは、それをさらに超えた値として設定されている。ここでは、図1でのβ1に相当する還元剤添加総量を、NOx触媒温度が所定温度域Iに属するときにおける還元剤限界添加量と称し得る。還元剤添加装置52やNOxセンサ62が正常に機能しているときには、このステップS307では肯定判定される。
ステップS307で肯定判定されると、次ぐステップS309で、NOxセンサ62のセンサ出力が上昇傾向を示したか否かが判定される。センサ出力が上昇傾向を示すとは、NOxセンサ62を用いて検知可能な成分ここではアンモニアの増加に対応してそのセンサ出力に変化が生じたことを意味している。具体的には、センサ出力が上昇傾向を示したか否かの判定として、NOxセンサ62からのセンサ出力(出力信号)に基づいて検出されるNOx濃度が上昇傾向を示したか否かの判定が行われる。
図4に概念的に示すように、ステップS303で還元剤の添加が開始されると(t1の時点)、ここでは還元剤が継続して概ね同じ量ずつ添加され続ける(図4の添加量)。その結果、NOx触媒44に吸着されたアンモニア量すなわちアンモニア吸着量(図4の吸着量)は徐々に増加する。これは、ステップS301で肯定判定されているので、NOx触媒44に吸着されたアンモニアがNOx浄化にほとんど消費されずに、NOx触媒44上に残留するからである。そして、アンモニア吸着量が、その時々のNOx触媒温度に応じて変動するNOx触媒44のアンモニア吸着限界量を超えるようになると(図4のt2の時点)、アンモニアがNOx触媒44に吸着等されずにそれを通過してNOx触媒44下流側に漏れるようになる。その結果、このようにNOx触媒44を通過したアンモニアがNOxセンサ62に至ると、このアンモニアの存在によりNOxセンサ62のセンサ出力に上昇傾向が認められるようになる。このようにして生じるNOxセンサ62のセンサ出力の上昇傾向を検知するべく、ステップS309での判定が行われる。このステップS309で否定判定されると、該ルーチンは終了されて、還元剤添加の実行が継続される。
NOx触媒44の温度が所定温度域Iに含まれるとき(ステップS301で肯定判定されるとき)、内燃機関10は作動状態にあり、NOx触媒でのNOx浄化能はほとんどないので、NOxセンサ62のセンサ出力は内燃機関10からの排気ガス中のNOxに起因して変動する。これにより、NOxセンサ62のセンサ出力が上昇傾向を示す場合もあり得る。そこで、ステップS309では、このような排気ガス中のNOxに起因するセンサ出力の変動と、NOx触媒44で吸着等されずにNOx触媒を通過してそれを下流側に漏れ出たアンモニアに起因するセンサ出力の変動とを切り分けるべく、NOxセンサ62からのセンサ出力に基づいて検出された検出値が、直近の検出値を、NOx濃度が大きくなる方向に越えることが連続して数回続いたときに、センサ出力に上昇傾向があったと判断される。すなわち、ステップS309での判定は、NOxセンサ62からのセンサ出力に基づいて導出された値が直近の前回値を越えることが連続して数回、例えば10回続いたか否かの判定に相当する。
ステップS309で肯定判定されるようになると、ステップS311で還元剤添加が停止される(図4のt2の時点)。そして、このとき、ステップS305での演算の如き演算が行われ、それまでの還元剤添加総量が導出される。このように導出された還元剤添加総量が、本発明における実添加量に対応する。次ぐステップS313では、アンモニア吸着量が導出される。アンモニア吸着量は、還元剤添加総量に相当する値(実添加量相当値)であり、還元剤添加が停止されるまでの還元剤添加総量を用いて、予めROMに記憶しておいたデータを検索あるいは演算式での演算をすることで導出される。このようにステップS313で本発明の実添加量に対応する還元剤添加総量をアンモニア吸着量に変換するのは、後で説明するステップS315での判定において各値の比較を適切に行うためである。したがって、還元剤としてアンモニアそのものがNOx触媒44に添加される場合には、ステップS313は実質的に省かれて、ステップS311およびステップS313は1つのステップになる。
ステップS313で導出されると共に本発明における実添加量に対応関係のあるアンモニア吸着量は、ステップS315で、NOx触媒44の劣化判定用閾値以下か否かが判定される。この閾値は、ここでは、図1の点線γ上の温度T2でのアンモニア吸着量(アンモニア吸着限界量)(図1でのγ1)そのものである。例えば、アンモニア吸着量γ1は、NOx触媒44が80%劣化した状態での温度T2(所定温度域Iの上限温度に実質的に相当)での、NOx触媒44のアンモニア吸着限界量である。ステップS315で否定判定されると、NOx触媒44が未ださほど劣化しておらず、まだ使用に耐え得るとして、該ルーチンは終了される。他方、ステップS315で肯定判定されると、NOx触媒44がもはや使用に耐えられないあるいは相当量劣化しているので当初想定されていたNOx浄化能をもはや有さないとして、ステップS317へ進む。すなわち、ステップS315での判定は、NOx触媒44が劣化したか否かの判定に相当する。
ステップS317では、NOx触媒が劣化したとして、運転席のフロントパネルなどに設けられた警告ランプ(不図示)を点灯させる信号が出力される。NOx触媒44の点検、交換等を促すためである。ステップS317を経ることで、該ルーチンは終了される。
他方、上記所定上限量を超える量の還元剤が添加されているにもかかわらず、ステップS309で肯定判定されない場合には、ECU60から還元剤添加装置52への作動信号の出力によっても、所望量の還元剤がNOx触媒に向けて添加されていない、あるいは、NOx触媒44下流側に至ったアンモニアに起因したNOxセンサ62のセンサ出力の変動が生じていないものと推察される。したがって、この場合には、ステップS307で否定判定され、次ぐステップS319で還元剤添加装置52あるいはNOxセンサ62が故障したとして、運転席のフロントパネルなどに設けられた故障ランプ(不図示)を点灯させる信号が出力される。
なお、ここでは、一旦、ステップS317で警告ランプが点灯されたり、ステップS319で故障ランプが点灯されたりすると、それらはその点灯状態に維持される。そして、これは内燃機関10を再始動させた場合にも継続され、車両整備者等によりリセットされるまで点灯状態が継続される。しかしながら、それらは、他の時期にECU60からの作動信号等により消灯されてもよい。例えば、内燃機関が停止されるとき、消灯され得る。
なお、ステップS309での上記判定は、NOxセンサ62からのセンサ出力に基づいて導出された検出値が直近の前回値を越えることが連続して数回続いたか否かの判定であったが、NOx触媒44を下流側に漏れ出たアンモニアをNOxセンサ62で検出するための他の判定であってもよい。例えば、機関運転状態およびNOx触媒44の温度の少なくともいずれかから推定されるNOx触媒44へ入る前の排気ガスのNOx濃度を、NOxセンサ62からのセンサ出力に基づいて導出された値が超えているか否かの判定が、ステップS309の判定として行われてもよい。このような判定がステップS309で行われ得るのは、NOx触媒44をアンモニアが超えて漏れ出るようになった場合、漏れ出たアンモニア相当量分、NOxセンサ62のセンサ出力が変動するからである。
また、上記図3のフローチャートに基づく制御では、NOx触媒44の温度が所定温度域I内にある限り、繰り返しNOx触媒44の劣化判定が行われ得るが、その回数は制限され得る。例えば、NOx触媒44の温度が所定温度域I内にあるときに行われる上記NOx触媒44の劣化診断は、内燃機関10の始動後、停止されるまでの間に一回のみ行われるようにしてもよい。このようなNOx触媒44の劣化診断の回数は、所定のフラグがONにされているときのみ行われることで制限され得、具体的には、内燃機関スイッチ74からの機関始動時のオン信号でONにされるフラグが、ステップS315での判定後や、ステップS307での否定判定後にOFFにされることで、1回に制限され得る。
ただし、上記図3のフローチャートに基づく制御では、NOx触媒44の温度が所定温度域I内の温度であるとき、NOx触媒44の劣化診断を行ったが、さらに、NOx触媒44の劣化診断用の上記制御の始期が次のように定められるとよい。NOx触媒44の劣化診断時の還元剤添加量あるいはアンモニア添加量をより適切に見積もることで、より適切にNOx触媒44の劣化診断を行うことが可能である。それ故、NOx触媒44の温度が、NOx触媒44にほとんどアンモニアを吸着できない温度である所定温度域Iの下限温度(例えば、図1の温度T1)であるときに、ステップS303以降のステップが行われるのが好ましい。
以上、上記したように、本第1実施形態によれば、NOx触媒44の温度が、NOx浄化温度域よりも低くかつアンモニア吸着温度域に含まれる所定温度域Iの温度であるとき、NOx触媒44下流側の排気通路に還元剤が漏れるまで還元剤を添加し、その過程でNOx触媒44に添加された還元剤の総量としての実添加量あるいは実添加量相当値と、NOx触媒44の劣化判定用閾値とを比較することでNOx触媒が劣化したか否かを判断することができる。また、このようなNOx触媒の劣化診断とは別に、還元剤添加装置52およびNOxセンサ62の少なくともいずれかに故障があるか否かの診断が、NOx触媒44の温度がNOx浄化温度域よりも低くかつアンモニア吸着温度域に含まれる所定温度域Iの温度であるとき、NOx触媒44下流側の排気通路に還元剤が漏れるまで還元剤を添加し、その過程でNOx触媒44に添加された還元剤の総量としての実添加量と上記還元剤限界添加量とを比較することで、可能になる。
次に、本発明の第2実施形態に関して説明する。ただし、本第2実施形態に係る内燃機関のシステムは、上記第1実施形態に係るシステムと概ね同じであるので、以下では上記した構成要素と同様の構成要素に同じ符号を付してその説明を省略する。本第2実施形態では、NOx触媒44の上記第2特徴(NOx触媒44が劣化していくと、NOx触媒44のアンモニア吸着能が低下していくという特徴)に着目して、NOx触媒44の劣化診断が行われる。
ただし、本第2実施形態では、還元剤添加手段である還元剤添加装置52を制御する制御手段はECU60の一部を含んで構成される。NOx触媒44の温度を推定する温度取得手段は、触媒前排気温センサ64と、触媒後排気温センサ66と、ECU60の一部とを含んで構成される。NOx触媒温度判定手段は、ECU60の一部を含んで構成される。還元剤量導出手段は、ECU60の一部を含んで構成される。NOx触媒下流側の排気通路のアンモニアを検出するアンモニア検出手段は、NOxセンサ62と、ECU60の一部とを含んで構成される。NOx触媒下流側のアンモニアおよびNOxの総量を検出する総量検出手段は、NOxセンサ62と、ECU60の一部とを含んで構成される。劣化判定手段は、ECU60の一部を含んで構成される。NOx触媒44上流側の排気通路のNOx量を取得するNOx量取得手段は、エアフローメータ32と、クランク角センサ70と、アクセル開度センサ72と、そしてECU60の一部とを含んで構成され、これにより、NOx触媒44に入る排気ガス中のNOx量は機関運転状態に基づいて推定されて導出される。NOx量取得手段が他の構成を有してもよく、また異なるやり方でNOx触媒44に入るNOx量を推定してもよい。NOx量取得手段は、NOx触媒44上流側にさらに設けられるNOxセンサと、ECU60の一部とを含んで構成され、これによりNOx触媒44上流側の排気通路のNOx量が直接的に検出されてもよい。
本第2実施形態では、NOx触媒44の温度が図1での温度T2以上になったときに(図1の温度域IIにあるとき)、上記当量比が1になるような量の還元剤を添加して、NOx触媒の劣化の程度が判定される。以下で詳細に説明される。
NOx触媒44が劣化していくと、正常に機能するNOx触媒量が低下するなどして、NOx触媒44によるNOx浄化能が低下する。それ故、NOx触媒44に入るNOx量が同じ場合、NOx触媒44が劣化していくと、NOx浄化に消費されるアンモニアの総量が低下する。したがって、例えば、NOx触媒44に入るNOx量が同じ場合であってかつそれに対して当量比1の還元剤を添加し続ける場合、NOx触媒44が劣化するにしたがい、NOx触媒44を通過するアンモニア量(の割合)は増加し得る。つまり、NOx触媒が劣化すると、その劣化の度合いに対応した分、浄化されずにNOx触媒を通過するNOxの量が増加し、かつ、その分、NOx浄化に消費されずにNOx触媒44を通過するアンモニア量が多くなり得る。そして、NOx触媒44を通過したNOx量やアンモニア量に起因してNOxセンサ62のセンサ出力が変動する。この点に着目して、NOx触媒の劣化診断が行われる。
図5に概念的に表された、NOx触媒44(図中のSCR)前後の、NOx量およびアンモニア量との関係に基づいて、NOxセンサ62のセンサ出力の変動を説明する。なお、図5では、NOx量、アンモニア量、センサ出力がそれぞれ同一次元の対比可能な値として概念的な数字で表されている。
図5(a)は、劣化して80%NOx浄化能が低下したNOx触媒44に関し、図5(a−1)は、当量比0.5に対応する量のアンモニアを添加した場合に関し、図5(a−2)は当量比1に対応する量のアンモニアを添加した場合に関する。図5(b)は劣化して20%NOx浄化能が低下したNOx触媒44に関し、図5(b−1)は当量比0.5に対応する量のアンモニアを添加した場合に関し、図5(b−2)は当量比1に対応する量のアンモニアを添加した場合に関する。そして、図5(c)は、図5(a)、(b)でのセンサ出力値(図中のセンサ出力)をまとめたものである。ただし、図5では、当量比1に対応するアンモニア量のとき、NOx触媒44に導入されるNOx量(図中の入りNOx)と、NOx触媒44に添加されるアンモニア量(図中の添加NH3)とは同じ値で表されている。また、NOx触媒44に導入されるNOx量を「10」で統一し、「1」のNOxを浄化するのに「1」のアンモニアが消費され、かつ、NOx浄化に消費されなかったアンモニアが全てNOx触媒44を通過したとして図5は作成されている。すなわち、NOx浄化に消費されなかったアンモニアは、NOx触媒44に吸着保持されないとして図5は作成されている。
図5から、アンモニア添加量が多い方が、NOx触媒44の劣化程度に対するセンサ出力値のバラツキが大きくなり、NOx触媒44の劣化程度が大きくなるほどセンサ出力値が大きくなることを理解できる。これは、上記の如く、NOx触媒44の劣化に伴い、NOx触媒44上で浄化されるNOx量が低下し、かつ、NOx触媒44を通過するアンモニア量が増加するためである。したがって、NOx触媒44の劣化度合いを適切に判断するのには、アンモニア添加量すなわち還元剤量を、当量比1未満に対応した量とするよりも、当量比1に対応した量とした方がよいことが理解できる。
また、図5では表していないが、概略的に、NOx触媒44が全く劣化しておらず新品同様のとき、当量比1相当のアンモニアを添加すると、センサ出力値は「0」になることが分かる。したがって、NOx触媒44への添加アンモニア量を当量比1に対応した量にしたとき、NOx触媒44の劣化度合いが増すほど、センサ出力値は増加傾向を示し、NOx触媒44の劣化度合いはただ1つのセンサ出力値に対応付けられる。
他方、NOx触媒44が全く劣化しておらず新品同様のとき、アンモニア量を当量比1相当量よりも多くすると、センサ出力値は当量比1相当量を超えたアンモニアの分、増加する。それ故、アンモニア量を当量比1相当量よりも多くした場合、NOx触媒44の劣化程度に対応するただ1つのセンサ出力値を得ることは困難になり得る。例えば、NOx触媒44の温度が、NOx触媒44の潜在的NOx浄化能を100%発揮できる温度であるときには問題がないが、NOx触媒44の潜在的NOx浄化能を100%発揮できないような温度であるとき、困難になり得る。
以上より、NOx触媒でNOx浄化能が発揮されるときに、当量比1相当の量のアンモニアをNOx触媒44に添加するように、還元剤の添加量を制御し、そのときのNOxセンサ62のセンサ出力あるいはこのセンサ出力に基づいて検出された検出値を用いて、これら値とNOx浄化触媒の劣化度合いとの関係を表したデータ(例えば、予め実験により求められてECU60のROMに記憶されているデータ)を検索することで、NOx触媒44の劣化度合いを適切に判断することができる、ということが分かる。なお、NOx触媒44の温度がそのNOx浄化能を100%発揮出来る可能性のある温度であるとき、当量比1以上に相当する量のアンモニアをNOx触媒44に添加するように、還元剤の添加量を制御することでも、NOx触媒44の劣化度合いを判断することができるが、ここでは、当量比1相当のアンモニアがNOx触媒44に添加される。
ここで、具体的に、図6のフローチャートに基づいて説明する。ただし、図6のフローチャートは、およそ20ms毎に繰り返されるものである。
最初のステップS601では、終了フラグがOFFか否かが判定される。終了フラグは、初期状態ではOFFにされている。ステップS601で否定判定されると該ルーチンは終了する。他方、ステップS601で肯定判定されると、ステップS603へ進む。
ステップS603では、時間フラグがOFFか否かが判定される。時間フラグは、初期状態ではOFFにされている。ステップS603で肯定判定されると、ステップS605へ進む。
ステップS605では、NOx触媒44の温度が劣化判定温度域内の温度であるか否かが判定される。ここで、劣化判定温度域とは、上で説明したようにして本第2実施形態での劣化判定を行う所定温度域のことである。劣化判定温度域は、図1における温度T2以上の温度域II内の任意の温度域であり得る。ここでは、図1の温度T3以上、温度T4以下の温度域IIIが劣化判定温度域として設定されている。ステップS605で否定判定されると該ルーチンは終了する。他方、ステップS605で肯定判定されると、ステップS607に進む。
ステップS607では、上記の如く通常導出設定されて添加されている還元剤量から所定量分増量される。これにより、その量の還元剤が添加されることで、排気ガス中のNOx浄化必要量を超える量のアンモニアがNOx触媒44上で生じることになる。
次ぐ、ステップS609では、NOxセンサ62のセンサ出力が上昇傾向を示したか否かが判定される。この判定は、NOx触媒44にアンモニア吸着限界量のアンモニアが吸着されているか否かの判定に対応するが、実質的には、上記ステップS309での判定あるいはその変形例そのものであり得るので、ここでの重複する説明を省略する。ステップS609で否定判定されると該ルーチンは終了するが、他方、肯定判定されるとステップS611へ進む。なお、ステップS609で肯定判定されるときとは、NOx触媒44には、限界までアンモニアが吸着されていて、NOx浄化に用いられなかったアンモニアがNOx触媒44を通過したときである。
ステップS609で肯定判定されるようになると、ステップS611で、NOx触媒44に入る排気ガス中のNOx量(入りNOx量)が導出される。この入りNOx量は、機関運転状態に基づいて予め実験により求められてROMに記憶されているデータを検索することで導出される。なお、この入りNOx量は、他の方法あるいは他の手段を用いて導出され得る。
ステップS611の次のステップS613では、添加還元剤量が導出される。添加還元剤量は、ステップS611で導出された入りNOx量で、予めROMに記憶しておいたデータを検索することで導出される。なお、ここで導出される還元剤量は、入りNOx全てを還元するのに必要な最小の量であり、当量比1相当量である。
ステップS615で、ステップS613で導出された量の還元剤の添加が行われる。そして、次ぐステップS617で時間フラグがONにされる。
次ぐステップS619では、所定時間経過したか否かが判定される。この所定時間は、ステップS615で添加された還元剤がNOx浄化に使用されたことに対応する時間であり、予め実験により求められてROMに記憶されている。判定対象になる時間は、ステップS615で還元剤が添加され始めてからの時間であるが、ここではステップS617で時間フラグがONにされたときからの時間がECU60が内蔵するタイマ手段で計測されて、この時間が判定対象の時間として処理される。ステップS619で否定判定されると該ルーチンは終了され、次回以降のルーチンではステップS601で肯定判定されてステップS603で否定判定されて再度ステップS619での判定が行われる。
ステップS619で肯定判定されるようになると、ステップS621でNOx触媒44の劣化割合が導出される。まず、NOxセンサ62からのセンサ出力が獲得され、そのセンサ出力に基づいてROMに記憶しておいたデータを検索することでNOx触媒44の劣化割合が導出される。なお、NOx触媒の劣化割合の導出に際しては、ステップS611で導出された入りNOx量やステップS613で導出された添加還元剤量も用いられ得る。NOx触媒44に入るそれらの量により、NOx触媒44の劣化度合いとセンサ出力との関係が異なるからである。
次ぐステップS623では、ステップS621で導出された劣化割合が、所定値以上か否かが判定される。所定値は、例えば、50%や80%である。そして、ここで肯定判定されると、ステップS625で、上記ステップS317と同様に、NOx触媒44が劣化したとして、運転席のフロントパネルなどに設けられた警告ランプ(不図示)を点灯させる信号が出力される。
そして、ステップS625を経ると、あるいは、上記ステップS623で否定判定されると、ステップS627で終了フラグがONにされて、該ルーチンは終了される。なお、終了フラグは、内燃機関が停止されるまで、ON状態に維持される。したがって、本第2実施形態では、内燃機関が始動されてから停止されるまでの間に、たった一度のNOx触媒44の劣化診断が行われる。
このようなNOx触媒44の劣化度合いの判断は、上記の如き場合にのみ行われることに制限されるものではなく、NOx触媒44の温度が上記温度域IIの温度であるときに、ECU60により常に行われてもよいが、任意の時期に行われ得る。例えば、その判断は、内燃機関10を搭載した車両の走行距離が100kmを超える毎に行われ得る。そして、判断されたNOx触媒44の劣化度合いを運転者等に知らせるように、それが運転席のフロントパネルに例えば数字で表示されてもよい。あるいは、NOx触媒44の劣化度合いがある程度に至ったとき、例えば80%に至ったとき、NOx触媒44の劣化を警告するように、上記警告ランプを点灯するようにしてもよい。
次に、本発明の第3実施形態に関して説明する。ただし、本第3実施形態に係る内燃機関のシステムは、上記第1実施形態に係るシステムと概ね同じであるので、以下では上記した構成要素と同様の構成要素に同じ符号を付してその説明を省略する。本第3実施形態では、NOx触媒44の上記第2特徴および上記第3特徴に着目して、NOx触媒44の劣化判定が行われる。
ただし、本第3実施形態では、還元剤添加手段である還元剤添加装置52を制御する制御手段は、ECU60の一部を含んで構成される。また、NOx触媒44の温度を取得する温度取得手段は、触媒前排気温センサ64と、触媒後排気温センサ66と、ECU60の一部とを含んで構成される。NOx触媒温度第1判定手段およびNOx触媒温度第2判定手段の各々は、ECU60の一部を含んで構成される。アンモニア検出手段は、NOxセンサ62と、ECU60の一部とを含んで構成される。劣化判定手段は、ECU60の一部を含んで構成される。
先に説明したように、NOx触媒44は、そのNOx触媒44の温度の高温側に、NOx触媒のアンモニア吸着能が低下した温度域があるという特徴(上記第3特徴)を有する。この温度域は、図1において、温度T3から温度T4までの温度域IIIとして表されている。また、NOx触媒44は、NOx触媒44が劣化していくと、NOx触媒のアンモニア吸着能が低下していくという特徴(上記第2特徴)を有する。本第3実施形態では、これら2つの特徴に着目して、NOx触媒44の温度が、アンモニア吸着温度域を一旦超えてから低下して、高温側アンモニア低吸着域と称し得る、所定温度域III(図1における温度T3と温度T4との間の温度域)に含まれているとき、前記NOx触媒44下流側の排気通路に還元剤が漏れるまで還元剤を添加し、添加された還元剤の総量としての実添加量と、NOx触媒44の劣化判定用閾値とを比較して、NOx触媒44が劣化したか否かを判断する。具体的に、図7のフローチャートに基づいて説明する。ただし、図7のフローチャートは、およそ20ms毎に繰り返されるものである。
最初のステップS701では、NOx触媒44の温度が所定上限温度T4以下か否かが判定される。内燃機関10の始動直後や低負荷での定常走行時などには概してステップS701で肯定判定される。なお、所定上限温度T4は、上記温度域IIIの上限値である。
ステップS701で肯定されると、次ぐステップS703では、NOx触媒44の温度が所定下限温度T3以上か否かが判定される。なお、所定下限温度T3は上記温度域IIIの下限値である。
ステップS703で否定判定されると、ステップS705で、上昇フラグがOFFにされる。上昇フラグは、初期状態ではOFFにされている。そして、次ぐステップS707で、添加フラグがOFFにされる。添加フラグは、初期状態ではOFFにされている。ステップS707を経ることで、該ルーチンは終了する。
高負荷運転などが行われた結果、排気ガスの温度が上昇し、NOx触媒44の温度が上記所定上限温度を超えると、ステップS701で否定判定されるようになる。否定判定されると、次ぐステップS711で上昇フラグがONにされ、該ルーチンは終了する。このように、上昇フラグが、NOx触媒44の温度が上記所定上限温度すなわち上記温度域IIIを超えた温度になることで、ONにされる。
ステップS711で上昇フラグがONにされた状態で、NOx触媒44の温度が上記温度域IIIの温度であるとき、ステップS701およびステップS703で肯定判定されて、ステップS709での判定が行われる。ステップS709では、上昇フラグあるいは添加フラグの少なくとも一方がONにされているか否かが判定される。ここでは、上昇フラグがONにされているので、肯定判定される。
ステップS709で肯定判定されると、次ぐステップS713では、燃料カット中(図7のF/C中)か否かが判定される。燃料カット中か否かは、ここでは、ECU60での燃料噴射制御で燃料噴射量が「0」にされているか否かで判定される。燃料カット中でない場合にはステップS713で否定判定されて、ステップS707で上記の如く添加フラグがOFFにされて該ルーチンは終了する。
他方、ステップS713で燃料カット中であるとして肯定判定されると、次ぐステップS715で上昇フラグがOFFにされ、次ぐステップS717で添加フラグがONにされる。そして、次ぐステップS719で、還元剤添加が実行される。この還元剤の添加は、上記ステップS303と同様に行われる。
次ぐ、ステップS721では、上記ステップS305と同様に、還元剤添加総量が計算される。還元剤添加総量は、一旦ステップS719で還元剤供給が開始され始めてから、排気通路26へ供給された還元剤の総量である。
次ぐステップS723では、上記ステップS307と同様の判定が行われ、具体的にはステップS721で導出された還元剤添加総量が所定第2上限量以下か否かが判定される。所定第2上限量は、図1に実線βで表されたアンモニア吸着量の温度T3でのアンモニア吸着量(図1でのβ2)に相当する還元剤添加総量以上の値では少なくともあり得、ここでは、それをさらに超えた値として設定されている。ここでは、図1でのβ2に相当する還元剤添加総量を、NOx触媒温度が所定温度域IIIに属するときの還元剤限界添加量と称し得る。還元剤添加装置52やNOxセンサ62が正常に機能しているときには、このステップS723では肯定判定される。
ステップS723で肯定判定されると、次ぐステップS725で、上記ステップS309と同様に、NOxセンサ62のセンサ出力が上昇傾向を示したか否かが判定される。この判定は、上記ステップS309での判定あるいはその変形例そのものであり得るので、ここでの重複する説明を省略する。
ステップS725で肯定判定されるようになると、ステップS727で添加フラグがOFFにされる。そして次ぐステップS729で、上記ステップS311と同様に、還元剤添加が停止される。そして、このとき、ステップS721の如き計算が行われ、それまでの還元剤添加総量が導出される。このように導出された還元剤添加総量が、本発明における実添加量に対応する。次ぐステップS731で、上記ステップS313と同様に、アンモニア吸着量が導出される。
そして、ステップS315の如きステップS733で、ステップS731で導出されたアンモニア吸着量が、NOx触媒44の劣化判定用第2閾値以下か否かが判定される。この第2閾値は、ここでは、図1に点線γで表されたアンモニア吸着量曲線上の所定温度域IIIの下限温度すなわち温度T3でのアンモニア吸着量(アンモニア吸着限界量)(図1でのγ2)そのものである。ステップS733で否定判定されると、NOx触媒44が未ださほど劣化しておらず、まだ使用に耐え得るとして、該ルーチンは終了される。他方、ステップS733で肯定判定されると、NOx触媒44がもはや使用に耐えられないあるいは相当量劣化しているので当初想定されていたNOx浄化能をもはや有さないとして、ステップS735へ進む。すなわち、ステップS733での判定は、NOx触媒44が劣化したか否かの判定に相当する。
ステップS735では、上記ステップS317と同様に、NOx触媒が劣化したとして、運転席のフロントパネルなどに設けられた警告ランプ(不図示)を点灯させる信号が出力される。ステップS735を経ることで、該ルーチンは終了される。
他方、上記所定第2上限量を超える量の還元剤が添加されているにもかかわらず、ステップS725で肯定判定されない場合には、ECU60から還元剤添加装置52への作動信号の出力によっても、所望量の還元剤がNOx触媒に向けて添加されていない、あるいは、NOx触媒44下流側に至ったアンモニアに起因したNOxセンサ62のセンサ出力の変動が生じていないものと推察される。したがって、この場合には、ステップS723で否定判定されることになり、次ぐステップS737で故障ランプ(不図示)を点灯させる信号が出力される。そして、ステップS739で添加フラグがOFFにされて、該ルーチンは終了する。
なお、ステップS735での警告ランプの点灯やステップS737での故障ランプの点灯に関しては、上記したステップS317やステップS319でのそれらのランプの点灯に関する変形例が同様に許容される。
以上、上記したように、本第3実施系形態によれば、NOx触媒44の温度が、アンモニア吸着温度域の上限温度T4を越える温度にまで上がった後、低下して、上記温度域IIIの温度になったとき、燃料カットがされるようになると、NOx触媒44下流側の排気通路に還元剤が漏れるまで還元剤を添加し、その過程でNOx触媒44に添加された還元剤の総量としての実添加量あるいは実添加量相当値と、NOx触媒44の劣化判定用閾値とを比較することで、NOx触媒が劣化したか否かを判断することが可能になる。これは、NOx触媒44の温度が温度T4以上の温度にまで上がったことで、それまでにNOx触媒44に吸着されていたアンモニアが放出(離脱)され、かつ、その後、その温度が低下して温度域IIIの温度であるとき燃料カット中に添加剤がNOx触媒から漏れるまで添加され続けることで、NOx触媒44に吸着されたアンモニア量を適切に認識することが可能となるからである。また、このようなNOx触媒の劣化診断とは別に、還元剤添加装置52およびNOxセンサ62の少なくともいずれかに故障があるか否かの診断が、NOx触媒44の温度が温度域IIIの温度であるとき、NOx触媒44下流側の排気通路に還元剤が漏れるまで還元剤を供給し、その過程でNOx触媒44に供給された還元剤の総量としての実添加量と上記還元剤限界添加量とを比較することで、可能になる。
以上、本発明を上記3つの実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されない。このような前記第1〜第3実施形態の各態様は、矛盾が生じない限りにおいて、部分的に又は全体的に組み合わせることが可能である。具体的には、上記3つの実施形態の任意の2つを組み合わせた実施形態や、上記3つの実施形態を全て組み合わせた実施形態が許容される。これらの組合せにより、NOx触媒44の温度が種々の温度域の温度であるとき、NOx触媒そのものの劣化をより適切に診断することが可能になる。
また、本発明は圧縮着火式内燃機関以外の内燃機関にも適用可能であり、例えば火花点火式内燃機関、特に直噴リーンバーンガソリン内燃機関にも適用可能である。
本発明の実施形態は前述の3つの実施形態やそれらの変形例のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。したがって本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
選択還元型NOx触媒におけるアンモニア吸着量とNOx浄化率との、NOx触媒温度に対する変化に関しての一実験結果を表したグラフである。 第1実施形態に係る内燃機関の概略的なシステム図である。 第1実施形態のNOx触媒の劣化診断用のフローチャートである。 第1実施形態のNOx触媒の劣化診断時の還元剤添加量、アンモニア吸着量およびNOxセンサのセンサ出力との関係を同一時間軸上に概念的に表したグラフである。 第2実施形態でのNOx触媒の劣化診断時の、NOx触媒前後のNOx量、アンモニア量、NOxセンサのセンサ出力との関係を概念的に表した図である。 第2実施形態のNOx触媒の劣化診断用のフローチャートである。 第3実施形態のNOx触媒の劣化診断用のフローチャートである。
符号の説明
10 ディーゼル機関
12 吸気マニフォルド
14 排気マニフォルド
16 燃焼室
18 高圧ポンプ
20 コモンレール
22 インジェクタ
24 ターボチャージャ
26 排気通路
28 エアクリーナ
30 吸気通路
32 エアフローメータ
34 インタークーラ
36 スロットルバルブ
40 酸化触媒
42 DPR触媒
44 選択還元型NOx触媒(NOx触媒)
46 添加弁
48 供給装置
50 タンク
52 還元剤添加装置
62 (触媒後)NOxセンサ
64 触媒前排気温センサ
66 触媒後排気温センサ

Claims (12)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられた選択還元型NOx触媒に、還元剤として尿素水またはアンモニアを選択的に添加して、NOxを浄化するNOx浄化装置における診断方法において、
    前記NOx触媒の温度が、NOx浄化温度域よりも低くかつアンモニア吸着温度域に含まれる所定温度域の温度か否かを判定するNOx触媒温度判定ステップと、
    該NOx触媒温度判定ステップにより肯定判定されたとき、前記NOx触媒下流側の排気通路にアンモニアが漏れるまで、還元剤を添加する還元剤添加ステップと、
    該還元剤添加ステップにより前記NOx触媒に添加された還元剤の総量としての実添加量に基づいて、前記NOx触媒が劣化したか否かを判定する劣化判定ステップと
    を備えることを特徴とするNOx浄化装置における診断方法。
  2. 前記劣化判定ステップでは、前記実添加量あるいは該実添加量相当値が、前記NOx触媒の劣化判定用閾値以下のとき、前記NOx触媒が劣化したと判定され、
    前記劣化判定用閾値は、前記NOx触媒が所定レベルまで劣化したときの前記所定温度域の上限温度での、前記NOx触媒のアンモニア吸着限界量であることを特徴とする請求項1に記載のNOx浄化装置における診断方法。
  3. 前記還元剤添加ステップは、前記NOx触媒下流側の排気通路へのアンモニアの漏れを、前記NOx触媒下流側の排気通路に設けられたNOxセンサのセンサ出力に基づいて検知するステップを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のNOx浄化装置における診断方法。
  4. 内燃機関の排気通路に設けられた選択還元型NOx触媒に、還元剤として尿素水またはアンモニアを選択的に添加して、NOxを浄化するNOx浄化装置における診断方法において、
    前記NOx触媒の温度が、NOx浄化温度域の温度か否かを判定するNOx触媒温度判定ステップと、
    前記NOx触媒にアンモニア吸着限界量のアンモニアが吸着されているか否かを判定するアンモニア吸着量判定ステップと、
    前記NOx触媒温度判定ステップおよび前記アンモニア吸着量判定ステップにより肯定判定されたとき、前記NOx触媒上流側の排気通路のNOx量を検出または推定するNOx量取得ステップと、
    該NOx量取得ステップにより取得された量のNOxを還元するのに必要なアンモニアの最小量に相当する還元剤量を導出して前記NOx触媒に添加する還元剤添加ステップと、
    該還元剤添加ステップにより還元剤が添加されたとき、前記NOx触媒下流側の排気通路に設けられたNOxセンサを用いて検出値を得る検出値獲得ステップと、
    前記NOx量取得ステップで取得されたNOx量、前記還元剤添加ステップで添加された還元剤量および前記検出値獲得ステップで得られた検出値に基づいて、前記NOx触媒が劣化したか否かを判定する劣化判定ステップと
    を備えることを特徴とするNOx浄化装置における診断方法。
  5. 内燃機関の排気通路に設けられた選択還元型NOx触媒に、還元剤として尿素水またはアンモニアを選択的に添加して、NOxを浄化するNOx浄化装置における診断方法において、
    前記NOx触媒の温度が、アンモニア吸着温度域の温度よりも高いか否かを判定するNOx触媒温度第1判定ステップと、
    該NOx触媒温度第1判定ステップによって肯定判定された後、前記NOx触媒の温度が、前記アンモニア吸着温度域の高温側の所定温度域の温度か否かを判定するNOx触媒温度第2判定ステップと、
    燃料カット中か否かを判定する燃料カット判定ステップと、
    前記NOx触媒温度第2判定ステップにより肯定判定されると共に前記燃料カット判定ステップにより肯定判定されたとき、前記NOx触媒下流側の排気通路にアンモニアが漏れるまで、還元剤を添加する還元剤添加ステップと、
    該還元剤添加ステップにより前記NOx触媒に添加された還元剤の総量としての実添加量に基づいて、前記NOx触媒が劣化したか否かを判定する劣化判定ステップと
    を備えることを特徴とするNOx浄化装置における診断方法。
  6. 前記劣化判定ステップでは、前記実添加量あるいは該実添加量相当値が、前記NOx触媒の劣化判定用閾値以下のとき、前記NOx触媒が劣化したと判定され、
    前記劣化判定用閾値は、前記NOx触媒が所定レベルまで劣化したときの前記所定温度域の下限温度での、前記NOx触媒のアンモニア吸着限界量であることを特徴とする請求項5に記載のNOx浄化装置における診断方法。
  7. 前記還元剤添加ステップは、前記NOx触媒下流側の排気通路へのアンモニアの漏れを、前記NOx触媒下流側の排気通路に設けられたNOxセンサのセンサ出力に基づいて検知するステップを含むことを特徴とする請求項5または6に記載のNOx浄化装置における診断方法。
  8. 内燃機関の排気通路に設けられた選択還元型NOx触媒と、該NOx触媒に還元剤として尿素水またはアンモニアを選択的に添加するための還元剤添加手段と、該還元剤添加手段を制御する制御手段とを備えたNOx浄化装置における診断装置において、
    前記NOx触媒の温度を検出または推定する温度取得手段と、
    該温度取得手段により取得された前記NOx触媒の温度が、NOx浄化温度域よりも低くかつアンモニア吸着温度域に含まれる所定温度域の温度か否かを判定するNOx触媒温度判定手段と、
    前記NOx触媒下流側の排気通路のアンモニアを検出するアンモニア検出手段と、
    前記NOx触媒温度判定手段により肯定判定されたとき、前記アンモニア検出手段によりアンモニアが検出されるまでに前記還元剤添加手段から前記NOx触媒に添加された還元剤の総量としての実添加量に基づいて、前記NOx触媒が劣化したか否かを判定する劣化判定手段と
    を備え、
    前記制御手段は、前記NOx触媒温度判定手段により肯定判定されたとき、前記アンモニア検出手段によりアンモニアが検出されるまで、前記NOx触媒に還元剤を添加するように、前記還元剤添加手段を制御することを特徴とするNOx浄化装置における診断装置。
  9. 前記劣化判定手段は、前記実添加量あるいは該実添加量相当値が、前記NOx触媒の劣化判定用閾値以下のとき、前記NOx触媒が劣化したと判定し、
    前記劣化判定用閾値は、前記NOx触媒が所定レベルまで劣化したときの前記所定温度域の上限温度での、前記NOx触媒のアンモニア吸着限界量であることを特徴とする請求項8に記載のNOx浄化装置における診断装置。
  10. 内燃機関の排気通路に設けられた選択還元型NOx触媒と、該NOx触媒に還元剤として尿素水またはアンモニアを選択的に添加するための還元剤添加手段と、該還元剤添加手段を制御する制御手段とを備えたNOx浄化装置における診断装置において、
    前記NOx触媒の温度を検出または推定する温度取得手段と、
    該温度取得手段により取得された前記NOx触媒の温度が、NOx浄化温度域の温度か否かを判定するNOx触媒温度判定手段と、
    前記NOx触媒下流側の排気通路のアンモニアを検出するアンモニア検出手段と、
    前記NOx触媒温度判定手段により肯定判定されたとき、前記NOx触媒上流側の排気通路のNOx量を検出または推定するNOx量取得手段と、
    該NOx量取得手段により取得された量のNOxを還元するのに必要なアンモニアの最小量に相当する還元剤量を導出する還元剤量導出手段と、
    前記NOx触媒温度判定手段により肯定判定されたとき、NOx触媒下流側のアンモニアおよびNOxの総量を検出する総量検出手段と、
    前記NOx量取得手段で取得されたNOx量、前記還元剤量導出手段で導出された還元剤量および前記総量検出手段で検出されたアンモニアおよびNOxの総量に基づいて、前記NOx触媒が劣化したか否かを判定する劣化判定手段と
    を備え、
    前記制御手段は、前記NOx触媒温度判定手段により肯定判定されると共に前記アンモニア検出手段によりNOx触媒下流側の排気通路のアンモニアが検出されたとき、前記還元剤量導出手段により導出された量の還元剤を前記NOx触媒に添加するように、前記還元剤添加手段を制御することを特徴とするNOx浄化装置における診断装置。
  11. 内燃機関の排気通路に設けられた選択還元型NOx触媒と、該NOx触媒に還元剤として尿素水またはアンモニアを選択的に添加するための還元剤添加手段と、該還元剤添加手段を制御する制御手段とを備えたNOx浄化装置における診断装置において、
    前記NOx触媒の温度を検出または推定する温度取得手段と、
    該温度取得手段により取得された前記NOx触媒の温度が、アンモニア吸着温度域の温度よりも高いか否かを判定するNOx触媒温度第1判定手段と、
    該NOx触媒温度第1判定手段により肯定判定された後、前記温度取得手段により取得された前記NOx触媒の温度が、前記アンモニア吸着温度域の高温側の所定温度域の温度か否かを判定するNOx触媒温度第2判定手段と、
    前記NOx触媒下流側の排気通路のアンモニアを検出するアンモニア検出手段と、
    前記NOx触媒温度第2判定手段により肯定判定されたとき、前記アンモニア検出手段によりアンモニアが検出されるまでに前記還元剤添加手段から前記NOx触媒に添加された還元剤の総量としての実添加量に基づいて、前記NOx触媒が劣化したか否かを判定する劣化判定手段と
    を備え、
    前記制御手段は、前記NOx触媒温度第2判定手段により肯定判定されたとき、前記アンモニア検出手段によりアンモニアが検出されるまで、前記NOx触媒に還元剤を添加するように、前記還元剤添加手段を制御することを特徴とするNOx浄化装置における診断装置。
  12. 前記劣化判定手段は、前記実添加量あるいは該実添加量相当値が、前記NOx触媒の劣化判定用閾値以下のとき、前記NOx触媒が劣化したと判定し、
    前記劣化判定用閾値は、前記NOx触媒が所定レベルまで劣化したときの前記所定温度域の下限温度での、前記NOx触媒のアンモニア吸着限界量であることを特徴とする請求項11に記載のNOx浄化装置における診断装置。
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