JP7114051B2 - ヒンジ - Google Patents
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Description
前記ヒンジでは、バネ部材の付勢力によって、スライド部材が前記第二ウイング部材に接近する方向に付勢され、第二ウイング部材が第一ウイング部材に対して開く方向に力が付与される。
例えば、第一ウイング部材の取付け部分にガタが生じている場合には、第二ウイング部材を所望の角度まで閉じようとしても若干開いた状態で第二ウイング部材が停止してしまう場合がある。このような状態となることを解消するために、第二ウイング部材の回動角度が所定角度以下のときに、第二ウイング部材を閉じる方向に力を付与して第二ウイング部材を閉じる方向に回動させることが考えられる。
もっとも、このように第二ウイング部材の回動角度が所定角度以下のときに第二ウイング部材を閉じる方向に回動させるものでは、第二ウイング部材が閉じる方向に力が付与されることから、所望の角度を超えて第二ウイング部材が回動してしまう場合がある。
即ち、本発明によれば、第二ウイング部材を閉状態とする動作において、第二ウイング
部材を所望の回動位置に規制することができる。
複合機1は本体2および原稿圧着板3を具備する。本実施形態において、複合機1は本発明の第一実施形態に係るヒンジ100を具備する構成とするが、複合機1が後述する他の実施形態に係るヒンジを具備する構成とすることも可能である。
本体2は原稿読み取り装置、制御装置、印刷装置、表示装置および入力装置を具備する。
原稿読み取り装置は本体2の上面に配置される。原稿読み取り装置は本体2の上面に載置された原稿を読み取る(原稿の画像情報を生成する)。
制御装置は複合機1の各部の動作、より詳細には原稿読み取り装置、後述する印刷装置および後述するADFの動作を制御する。
また、制御装置は原稿読み取り装置が生成した画像情報および本体2に接続された回線(インターネット回線等)を通じて取得した画像情報を記憶することが可能である。
印刷装置は原稿読み取り装置の下方に配置される。印刷装置は制御装置が記憶した画像情報に基づいて所定の用紙に画像を印刷する。
表示装置は例えば液晶パネルからなり、複合機1の動作状況等に係る情報を表示する。
入力装置は例えばボタン、スイッチ等からなり、作業者が複合機1に対する指示等を入力する際に操作する。表示装置および入力装置は本体2の上面前部に配置される。
原稿圧着板3は原稿読み取り装置の上に載置された原稿を原稿読み取り装置に向かって押さえつける(圧着する)ことにより、原稿読み取り装置が原稿を読み取る際に原稿が動く(原稿読み取り装置との相対的な位置が変化する)ことを防止する。
原稿圧着板3は読取前原稿収容トレイ、ADF(Auto Document Feeder)および読取後原稿収容トレイを具備する。
ADFは読取前原稿収容トレイに積層状態で収容された複数枚の原稿を一枚ずつ順に取り出して原稿読み取り装置の上の所定の読取位置に載置する。原稿読み取り装置による原稿の読み取りが終了した後、ADFは読取位置に載置された原稿を読取後原稿収容トレイに搬送する。
事務機器の具体例としては、(a)原稿を読み取る機能および読み取った原稿に係る画像情報を他の機器(例えば、パーソナルコンピュータ)に送信する機能を具備するスキャナー、(b)原稿を読み取る機能、読み取った原稿に係る画像情報を通信回線を介して他の機器に送信する機能および他の機器から取得した画像情報をプリントアウトする機能を具備するファクス、(c)原稿を読み取る機能および読み取った原稿に係る画像情報をプリントアウトする機能を具備するコピー機、(d)上記スキャナー、ファクス、およびコピー機としての機能を兼ねる複合機、等が挙げられる。
すなわち、本発明に係るヒンジは、「二つの部材のうちの一方の部材(第一連結対象物)に他方の部材(第二連結対象物)を開閉可能に連結する用途」に広く適用可能である。
本発明に係るヒンジが適用される他の用途の具体例としては、事務機器の本体にトナーカートリッジを交換するためのハッチ(蓋)を開閉可能に連結する用途、自動車の車体にボンネットを開閉可能に連結する用途、便器に便座を開閉可能に連結する用途、等が挙げられる。
に当接しているとき)の原稿圧着板3の回動角度θ(より厳密には、本体2に対する原稿圧着板3の回動角度θ)を「0°」とし、原稿圧着板3が開く方向に回動した場合に回動角度θが増加する(回動角度θが正になる)ように原稿圧着板3の回動角度θを定義する(図1参照)。本実施形態において、本体2に対する原稿圧着板3の回動角度θは、後述する第二ウイング部材の第一ウイング部材に対する閉状態からの回動角度とも一致する。このため、本実施形態では双方とも「回動角度θ」と記載する。
図1に示す如く、ヒンジ100は複合機1の本体2に原稿圧着板3を回動可能に連結する。
図2から図4に示す如く、ヒンジ100は、下部固定部材10、上部固定部材30、スライド部材40、バネ部材50、ダンパ60、回動ピン70を具備する。
以下では便宜上、原稿圧着板3が本体2に対して閉じているとき(回動角度θ=0°のとき)の複合機1の上下方向、前後方向および左右方向を基準として(原稿圧着板3が本体2に対して閉じているときの複合機1の上下方向、前後方向および左右方向をそれぞれヒンジ100の上下方向、前後方向および左右方向に対応させて)ヒンジ100を構成する各部材の形状を説明する。また以下では、図中において示す白色矢印は上部固定部材30の回動方向を示すものとして説明する。
上部固定部材30は、下部固定部材10に対して相対的に回動することにより、下部固定部材10に最も近接する閉状態(回動角度θが0°の状態)と、下部固定部材10から最も離間する全開状態(回動角度θが90°の状態)と、を遷移可能に構成されている。
カム部31は、スライド部材40のカム当接部41に当接するとともに、上部固定部材30が回動することによってスライド部材40に近接離間する。カム部31は、凸面と凹面とが連続する曲面を備える。カム部31の前記曲面は、第一凸部32と凹部33と第二凸部34とで構成される。カム部31では、第一凸部32が後方に形成され、第一凸部32に連続して第一凸部32の前方に凹部33が形成され、凹部33に連続して凹部33の前方に第二凸部34が形成される。
突出部35は、ダンパ60のピストン62の上端部(先端部)に当接するとともに、上部固定部材30の回動によってダンパ60に近接離間する。突出部35は、カム部31の左右中央部に配置され、突出部35の下端部が曲面で構成される。
図2から図4、図6に示す如く、スライド部材40は、下部固定部材10の収容室13内で上下方向に摺動可能に構成される樹脂製部材である。スライド部材40は下方が開口された有底筒状部材である。スライド部材40の上面には上方に突出するカム当接部41が形成される。カム当接部41を切り欠いて左右に分割するように開口部42が形成される。開口部42内(カム当接部41間)に位置するように上部固定部材10の突出部35が配置される。スライド部材40の内部の空間は収容孔部43として構成される。
図4に示す如く、バネ部材50は、下部固定部材10の底部11とスライド部材40との間に介挿される。バネ部材50の下端部が下部固定部材10の底部11の上面に当接され、上端部がスライド部材40の収容孔部43に収容されて収容孔部43の底面に当接される。
バネ部材50の付勢力に反して上部固定部材30が下部固定部材10に近接する回動方向(上部固定部材30が閉じる方向)に回動すると、スライド部材40は上部固定部材30のカム部31によって下方に押し込まれて下方に移動する。
ダンパ60は、シリンダ61と、シリンダ61から突出するピストン62とを備える流体ダンパ装置である。ピストン62は上下方向に移動可能に構成され、ピストン62の上方側の一部はシリンダ61から上方に突出し、ピストン62の下方側の一部はシリンダ61内に配置される。ピストン62の上端部は、略半球状の曲面で構成される。
このようにダンパ60によって緩衝効果が発生することから、上部固定部材30が下部固定部材10に近接する回動方向(上部固定部材30が閉じる方向)に移動すると、上部固定部材30の突出部35によってピストン62が下方に押し込まれてピストン62に減衰力が付与される。
前記ピストン62に加えられる外力を解除して、バネ部材50の付勢力によって上部固定部材30が下部固定部材10に離間する回動方向に移動すると、シリンダ61内の戻しバネ(不図示)の付勢力によってピストン62が上方に移動する。
以下では、上部固定部材30を開状態から閉状態とする動作について説明する。
このような状態において、上部固定部材30を閉じる方向に回動させると、上部固定部材30のカム部31の第一凸部32によって押し込まれるようにしてスライド部材40が下方に移動する。このとき、上部固定部材30のカム部31におけるスライド部材40のカム当接部41と当接する部分が、前方(第一凸部32側から第二凸部34側)に移っていく(図8または図9参照)。
上部固定部材30をさらに閉じる方向に回動させていき、回動角度θが第一所定角度φ1以下になると、上部固定部材30のカム部31におけるスライド部材40のカム当接部41と当接する部分が凹部33に至り、上部固定部材30が開く方向への力から、逆方向に力が付与される(トルクが反転する)。即ち、上部固定部材30の回動角度θが第一所定角度φ1以下になると、スライド部材40を下方に移動させる力が付与されることによって、上部固定部材30を閉じる方向への力(上部固定部材30を引き込む方向への力)が付与される。そして、上部固定部材30の回動角度θが第一所定角度φ1以下になると、上部固定部材30に開く方向への外力または回動角度θを保持する外力等を与えない場合には、バネ部材50の付勢力に反してスライド部材40が下方に移動して、上部固定部材30が閉じる方向に回動する(図10または図11参照)。
以上のようにして、上部固定部材30を開状態から閉状態とする動作を行う。
そして、図8から図10に示す如く、第一所定角度φ1を超えて上部固定部材30をさらに開く方向に回動させると、バネ部材50の付勢力によってスライド部材40が上方に移動して、上部固定部材30のカム部31におけるスライド部材40のカム当接部41と当接する部分が第一凸部32となり、スライド部材40が上方に移動させる力が付与され、上部固定部材30を開く方向への力が付与される。
以上のように、上部固定部材30を閉状態から開状態とする動作を行う。
このため、ヒンジ1では、上部固定部材30を閉状態とする動作において、上部固定部材30を所望の回動位置(第二所定角度φ2)に規制することができる。
上部固定部材30の全開状態の回動角度θ、閉状態の回動角度θ、第一所定角度φ1、または第二所定角度φ2については、カム部31の形状またはカム当接部41の形状等を変更することにより、上記と異なる角度に適宜設定することができる。
2 本体
3 原稿圧着板
10 下部固定部材
30 上部固定部材
31 カム部
40 スライド部材
41 カム当接部
50 バネ部材
60 ダンパ
70 回動ピン
100 ヒンジ
Claims (2)
- 第一連結対象物に固定される第一ウイング部材と、
第二連結対象物に固定されるとともに前記第一ウイング部材に回動軸を介して回動可能に連結され、前記第一ウイング部材に対して開状態と閉状態との間で遷移する第二ウイング部材と、
前記第二ウイング部材に接近する方向および前記第二ウイング部材から離間する方向に移動可能なスライド部材と、
前記第一ウイング部材と前記スライド部材との間に介挿されるバネ部材と、を具備し、
前記バネ部材の付勢力によって、前記スライド部材が前記第二ウイング部材に接近する方向に付勢され、前記第二ウイング部材が前記第一ウイング部材に対して開く方向に力が付与されるヒンジであって、
前記スライド部材は、カム当接部を備え、
前記第二ウイング部材は、前記スライド部材のカム当接部に当接するとともに、前記第二ウイング部材が回動することによってスライド部材に近接離間するカム部を備え、
前記第二ウイング部材を開状態から閉状態とするときに、前記第二ウイング部材の回動角度が第一所定角より大きい状態から前記第二ウイング部材が閉じる方向に回動して前記第二ウイング部材の回動角度が第一所定角度を超えると、前記カム当接部に当接する前記カム部により前記バネ部材の付勢力に反して前記スライド部材を下方に移動させる力が付与されることによって、前記第二ウイング部材を閉じる方向への力が付与され、
前記カム部は、凸面と凹面とが連続する曲面を備え、
前記カム部の曲面は、第一凸部に連続して凹部が形成され、前記凹部に連続して第二凸部が形成されて構成され、
少なくとも前記第二ウイング部材の回動角度が前記第一所定角度よりも大きいときには、前記カム部の第一凸部が前記スライド部材のカム当接部に当接しており、
前記カム部の凹部は、前記第二ウイング部材の回動角度が前記第二所定角度の状態において、前記スライド部材のカム当接部の外面と一致する形状に構成され、
前記第二ウイング部材を閉じる方向への力が付与されることによって、前記第一所定角度からさらに閉じる方向に前記第二ウイング部材が回動して前記第二ウイング部材の回動角度が前記第二所定角度に至ると、前記カム部の凹部及び第二凸部が前記スライド部材のカム当接部に当接することによって前記第二ウイング部材の閉じる方向への回動動作が停止する、ヒンジ。 - 前記第二所定角度は、前記第二ウイング部材が前記第一ウイング部材に対して閉状態となる角度に設定される、
請求項1に記載のヒンジ。
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