JP2022035090A - ヒンジ及びヒンジを備えた電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ヒンジ100において、第一回動軸71を介して第一ウイング部材に回動可能に設けられるカム部材75と、第二ウイング部材に収容されつつカム部材75に接近する方向およびカム部材75から離間する方向に移動可能な第一スライダ40と、第一スライダ40をカム部材75に接近する方向に付勢することにより第一スライダ40をカム部材75に当接させるバネ60と、カム部材75を所定の角度に回動させてカム部材75による第一スライダ40への押圧力を調整してバネ60の弾性力を調整する調整部90と、を具備するものとする。
【選択図】図4
Description
例えば、前記ヒンジでは、第二ウイング部材の第一ウイング部材に対する回動角度が所定領域にあるとき、付勢部材に生じる弾性力により、第二ウイング部材を第一ウイング部材に対して開状態となる方向に回動させる構成としている。
このように、前記弾力調整手段を備えるヒンジでは、付勢部材の弾性力を調整する構成を実現するにあたって部品点数が多いことから、構成が複雑なものとなりまたコストアップの要因となっていた。
即ち、本発明によれば、比較的安価にまた簡易な構成で付勢部材の弾性力を調整することができる。
複合機1は本体2および原稿圧着板3を具備する。本実施形態において、複合機1は、本発明の第一実施形態に係るヒンジ100または本体2に対して原稿圧着板3を開閉可能とする開閉装置(以下「開閉装置」と称する)を具備する構成とするが、複合機1または開閉装置が後述する他の実施形態に係るヒンジまたは開閉装置を具備する構成とすることも可能である。
本体2は原稿読み取り装置、制御装置、印刷装置、表示装置および入力装置を具備する。
原稿読み取り装置は本体2の上面に配置される。原稿読み取り装置は本体2の上面に載置された原稿を読み取る(原稿の画像情報を生成する)。
制御装置は複合機1の各部の動作、より詳細には原稿読み取り装置、後述する印刷装置および後述するADFの動作を制御する。
また、制御装置は原稿読み取り装置が生成した画像情報および本体2に接続された回線(インターネット回線等)を通じて取得した画像情報を記憶することが可能である。
印刷装置は原稿読み取り装置の下方に配置される。印刷装置は制御装置が記憶した画像情報に基づいて所定の用紙に画像を印刷する。
表示装置は例えば液晶パネルからなり、複合機1の動作状況等に係る情報を表示する。
入力装置は例えばボタン、スイッチ等からなり、作業者が複合機1に対する指示等を入力する際に操作する。表示装置および入力装置は本体2の上面前部に配置される。
原稿圧着板3は原稿読み取り装置の上に載置された原稿を原稿読み取り装置に向かって押さえつける(圧着する)ことにより、原稿読み取り装置が原稿を読み取る際に原稿が動く(原稿読み取り装置との相対的な位置が変化する)ことを防止する。
原稿圧着板3は読取前原稿収容トレイ、ADF(Auto Document Feeder)および読取後原稿収容トレイを具備する。
ADFは読取前原稿収容トレイに積層状態で収容された複数枚の原稿を一枚ずつ順に取り出して原稿読み取り装置の上の所定の読取位置に載置する。原稿読み取り装置による原稿の読み取りが終了した後、ADFは読取位置に載置された原稿を読取後原稿収容トレイに搬送する。
事務機器の具体例としては、(a)原稿を読み取る機能および読み取った原稿に係る画像情報を他の機器(例えば、パーソナルコンピュータ)に送信する機能を具備するスキャナー、(b)原稿を読み取る機能、読み取った原稿に係る画像情報を通信回線を介して他の機器に送信する機能および他の機器から取得した画像情報をプリントアウトする機能を具備するファクス、(c)原稿を読み取る機能および読み取った原稿に係る画像情報をプリントアウトする機能を具備するコピー機、(d)上記スキャナー、ファクス、およびコピー機としての機能を兼ねる複合機、等が挙げられる。
すなわち、本発明に係るヒンジは、「二つの部材のうちの一方の部材(第一連結対象物)に他方の部材(第二連結対象物)を開閉可能に連結する用途」に広く適用可能であり、例えば、スキャナー、ファクス、およびコピー機、若しくは複合機等のOA機器、自動車、便座、または、炊飯器等の各種電子機器等に用いられる。ヒンジが二つの部材のうちの一方の部材に他方の部材を開閉可能に連結するものとして、例えば、プリンタの本体に回動可能に連結される扉部分、複合機の本体に回動可能に連結される原稿圧着装置、スタンドに回動可能に連結されるディスプレイ、便座に回動可能に連結される便座、自動車の車体に回動可能に連結されるボンネット等がある。
図1に示す如く、ヒンジ100は複合機1の本体2に原稿圧着板3を回動可能に連結する。
図2から図4に示す如く、ヒンジ100は下部固定部材10、中間部材20、第一回動軸71、上部固定部材30、第二回動軸72、受圧部73、第一スライダ40、第二スライダ50、バネ60、ダンパー62、カム部材75、フェンス部材80、及び調整部90を具備する。
以下では便宜上、原稿圧着板3が本体2に対して閉じているとき(回動角度θ=0度のとき)の複合機1の上下方向、前後方向および左右方向を基準として(原稿圧着板3が本体2に対して閉じているときの複合機1の上下方向、前後方向および左右方向をそれぞれヒンジ100の上下方向、前後方向および左右方向に対応させて)ヒンジ100を構成する各部材の形状を説明する。
下部固定部材10は、一枚の金属板を適宜折り曲げることにより成形される。下部固定部材10は底板11、左右の側板12・12、および背板13を具備する。
下部固定部材10の側板12は下部固定部材10における左右それぞれの側部を成す板状の部材である。側板12は側面視で概ね前下がりの階段の如き形状を有する。側板12の下端部は底板11の端部に繋がっている(一枚の金属板を直角に折り曲げることにより、底板11および側板12・12が形成される)。側板12の後上端部には、第一回動軸71を挿通するための貫通孔が開口される。
下部固定部材10の背板13は下部固定部材10の後部を成す板状の部材である。背板13は前後一対の板面を有する。背板13の形状は正面視で左右方向にやや長い概ね長方形である。
背板13の下端部は底板11の後端部に繋がっている(一枚の金属板を直角に折り曲げることにより、底板11および背板13が形成される)。
背板13の上部における左右中央部には、貫通孔である孔部14が形成される。
第一回動軸71は、概ね円柱形状(ピン状)の部材である。
第一回動軸71は、中間部材20の側板22・22の貫通孔及び下部固定部材10の側板12・12の貫通孔に挿通される。中間部材20は第一回動軸71を介して下部固定部材10に回動可能に連結される。
また、側板32・32には受圧部73を取付けるための貫通孔が形成される。
なお、受圧部73は、ピン状のものに限定されるものではなく、板状の部材を折り曲げて構成すること等、他の構成とすることもできる。
第一スライダ40は、有底に構成される本体41と、本体41の底部後面から後方(本体41の外側)に突出するカム当接部42とを備える。また、第一スライダ40は、カム当接部42において、カム部材75のカム面76に当接するように構成される。第一スライダ40(本体41)にはバネ60の後端部を収容するバネ受け穴が形成されている。第一スライダ40は中間部材20の内部における後部で前後方向に摺動可能に収容される。
第二スライダ50は後方が開口し前面に底部を備える。第二スライダ50は、底部前面にカム当接部52を備える。第二スライダ50にはバネ60の前端部を収容するバネ受け穴が形成されている。
カム部材75は、下部固定部材10内に配置される。カム部材75は、下部固定部材10の底板11の後部、側板12の後部、および背板13に当接するように配置される。
カム部材75の後上端部には、第一回動軸71を挿通するための貫通孔が開口される。カム部材75は、前記貫通孔に第一回動軸71が挿通されることによって下部固定部材10に取付けられる。カム部材75は、第一回動軸71を介して下部固定部材10に回動可能に設けられる。カム部材75は、第一回動軸71を回動軸心として、下部固定部材10、中間部材20、第一スライダ40、または第二スライダ50等に対して回動可能に構成される。
第一スライダ40のカム当接部42がカム部材75のカム面76に当接するとともに、第二スライダ50のカム当接部52が受圧部73に当接する結果として、バネ60に生じる弾性力により、中間部材20(第二ウイング部材)は下部固定部材10に対して開く方向に回動するように付勢され、上部固定部材30は中間部材20に対して閉じる方向に回動するように付勢される。この際、ダンパー62の先端部は第二スライダ50の底部によって押圧され、ダンパー62の本体部側に押し込まれる。
操作孔77は、カム部材75の後面に開口し、前後方向に延びる略円柱状の孔である。操作孔77は、その前端部(孔底)がカム部材75の前後略中央部に至るように構成される。操作孔77の開口部は、カム部材75における後面の上部左右中央であって前記第一回動軸71を挿通するための貫通孔の下方に配置される。カム部材75は、操作孔77の開口部が下部固定部材10の背板13の孔部14と一致するように配置される。
下部固定部材10の側板12・12の挿通孔及びカム部材75の案内孔79・79に、左右一対のビス17・17の軸部が挿通される。ビス17は、下部固定部材10の側板12の挿通孔に挿通された状態で、下部固定部材10の側板12に固定される。
カム部材75の案内孔79は、カム部材75の案内孔79にビス17挿通された状態においてカム部材75が下部固定部材10に対して回動可能なように、長孔状に構成される。なお、カム部材75の案内孔79は、カム部材75が第一回動軸71を介して下部固定部材10に回動可能に支持される構成であれば、長孔状に構成されることに限定されず、円状、楕円状、または凹状等であってもよいものとする。
このように構成することにより、複合機1の本体2に対する原稿圧着板3の回動角度θが0度からφ1までの範囲において作業者が原稿圧着板3から手を離した場合には、回動角度θが保持される。
上部フェンス体81または下部フェンス体82は、互いに回動可能なように、上部フェンス体81の下部と下部フェンス体82の上部とが連結される。
上部フェンス体81は、上方に突出する左右一対のアームを備え、当該アームは、その上方の突出側の端部において左右方向内側に突出する凸部を有する。第一スライダ40の前部両側面に上下方向に形成された案内溝に上部フェンス体81の凸部が配置されて、上部フェンス体81は、第一スライダ40の案内溝に沿って上下方向に移動可能に構成される。
下部フェンス体82は、上方に突出する左右一対のアームを備え、当該アームは、その上方の突出側の端部において左右方向外側に突出する凸部を有する。
カム部材75の前部両側面から前方に突出する支持アームに形成される貫通孔に下部フェンス体82の凸部が挿通されて、下部フェンス体82は、カム部材75に回動可能に支持される。
このように構成されるフェンス部材80は、第一ウイング部材に対して第二ウイング部材が閉じる方向に回動したときには、上部フェンス体81と下部フェンス体82とが近接するように(折りたたまれるように)変遷し、また、第一ウイング部材に対して第二ウイング部材が閉じる方向に回動したときには、上部フェンス体81と下部フェンス体82とが離間するように変遷する。
支持部材15は、一枚の金属板を適宜折り曲げることにより成形される。支持部材15は、中板と左右一対の側板とを備える。支持部材15の側板は、中板の左右端部から後方にそれぞれ突出し、さらにその後端部が左右外側にそれぞれ突出するように形成される。
支持部材15の中板の左右中央には、調整部90(調整部90の当接体91)が挿通される貫通孔が形成される。支持部材15は、支持体16を有し、前記貫通案に支持体16が固定されて構成される。支持体16は、略円柱状に構成されてその内周面にネジ溝が形成される部材(ナット)である。
支持部材15は、支持部材15の側板の左右外側に突出する部分を下部固定部材10の側板12に係合させ、また、ビスや接着剤等によって下部固定部材10の背板13に支持部材15の中板が固定されること等によって、下部固定部材10の背板13の外側(後方)に設けられる。支持部材15が下部固定部材10に取付けられた状態では、支持部材15の貫通孔(支持体16)は、下部固定部材10の背板13の孔部14と一致するように配置される。
調整部90は、ビス状の部材であって、当接体91と、操作体92と、を備える。
調整部90は、当接体91におけるカム部材75の操作孔77内への挿入深さを深くして、当接体91の前端部を前方(カム部材75に近接する方向)に移動させていき、当接体91の先端部をカム部材75の操作孔77の前端部(孔底)に当接させた状態とする。さらに、当接体91の前端部を前方に移動させるようにしてカム部材75を押圧することによって、カム部材75の下部が上方に回動するように、カム部材75を所定の角度に回動させる(図5参照)。このように、カム部材75を所定の角度に回動させることによって、カム部材75のカム面76による第一スライダ40のカム当接部42への押圧力が高くなるようにして、バネ60の長さが比較的短くなるようにする。このようにして、バネ60の弾性力が強くなるように調整する。
また、当接体91の前端部を後方に移動させるようにして、カム部材75の下部が後方に回動する方向にカム部材75を所定の角度に回動させることによって、カム部材75のカム面76による第一スライダ40のカム当接部42への押圧力が低くなるようにして、バネ60の長さが比較的長くなるようにする。このようにして、バネ60の弾性力が弱くなるように調整する。
調整部90の操作体92は、マイナスドライバによって操作可能なようにマイナス溝を備える構成であってもよく、また、角状(六角状)等に構成されてもよい。
また、調整部90はビス状の部材であって、当接体91はビスの軸部を成すように構成され、操作体92はビスの頭部を成すように構成されることから、カム部材75のカム面76による第一スライダ40のカム当接部42への押圧力を調整してバネ60の弾性力を調整することができるものを比較的簡易な構成で実現することができる。
ガタ防止部95は、ヒンジ100を介して連結される本体2と原稿圧着板3との間に隙間が生じることによる所謂ガタが生まれることを抑制する。ガタ防止部95は、下部固定部材10に固定されるとともに、原稿圧着板3に固定される。ガタ防止部95は、一枚の金属板を適宜折り曲げることにより成形される。ガタ防止部95は、側面視略L字状に構成され、上方に延出する部分と前方に延出する部分を備える。ガタ防止部95の上方に延出する部分は、カム部材75内に配置され、ビス等によって下部固定部材10の背板12に固定される。
ガタ防止部95は、その前方に延出する部分において、底部96と、取付孔97と、左右一対の張り出し部98・98を備える。
ガタ防止部95の取付孔97は、原稿圧着板3に固定されるためのボルト等が挿通される上下方向に貫通する貫通孔であり、底部96の左右中央に形成される。
ガタ防止部95の張り出し部98・98は、底部96の左右両側部からそれぞれ左右に延出するように構成される。ガタ防止部95の張り出し部98は、底部96の左右両側部から下部固定部材10の底板11の厚み分左上方または右上方に傾斜する部分と、当該傾斜する部分の外側端部(上端部)から左方または右方外側に延出する部分とを有して構成される。ガタ防止部95の張り出し部98は、底部96の前端部よりも後方に位置する。
下部固定部材10の配置孔18は、ガタ防止部95の底部96が配置される部分であり、下部固定部材10の底板11が貫通するように構成される。下部固定部材10の底板11における配置孔18の前方部分は、ガタ防止部95の底部96の前端部を配置可能なように、上方に窪む凹状に構成される。
下部固定部材10の凸部19・19は、側板12・12の前部において内側に突出するように構成される。下部固定部材10の凸部19は、ガタ防止部95の張り出し部98が配置可能なように、ガタ防止部95の張り出し部98の厚み分底板11から上方に距離を空けて配置される。
このような状態で、ガタ防止部95の底部が原稿圧着板3に固定される。
このように構成されることから、簡易な構成で、ヒンジ100を介して連結される本体2と原稿圧着板3との間に隙間が生じることによる所謂ガタが生まれることを抑制することができる。
2 本体
3 原稿圧着板
10 下部固定部材
14 孔部
15 支持部材
16 支持体
17 ビス
20 中間部材
30 上部固定部材
40 第一スライダ
41 本体
42 カム当接部
50 第二スライダ
71 第一回動軸
72 第二回動軸
73 受圧部
75 カム部材
76 カム面
77 操作孔
78 支持孔
79 案内孔
90 調整部
91 当接体
92 操作体
95 調整部
100 ヒンジ
Claims (4)
- 第一連結対象物に固定される第一ウイング部材と、
第二連結対象物に固定されるとともに前記第一ウイング部材に回動軸を介して回動可能に連結され、前記第一ウイング部材に対して開状態と閉状態との間で遷移する第二ウイング部材と、
前記回動軸を介して前記第一ウイング部材に回動可能に設けられるカム部材と、
前記第二ウイング部材に収容されつつ前記カム部材に接近する方向および前記カム部材から離間する方向に移動可能なスライド部材と、
前記スライド部材を前記カム部材に接近する方向に付勢することにより前記スライド部材を前記カム部材に当接させる付勢部材と、
前記カム部材を所定の角度に回動させて前記カム部材による前記スライド部材への押圧力を調整して前記付勢部材の弾性力を調整する調整部と、を具備するヒンジ。 - 前記調整部は、前記カム部材に当接して押圧することによって前記カム部材を所定の角度に回動させる当接体と、前記カム部材を所定の角度に回動させるときに作業者によって操作される操作体と、を備え、前記操作体を操作して前記当接体を前記カム部材に近接または離間する方向に移動させることによって、前記カム部材を所定の角度に回動させて前記付勢部材の弾性力を調整する、請求項1に記載のヒンジ。
- 前記調整部の前記操作体は、前記ヒンジの外側に露出した状態とされる、
請求項2に記載のヒンジ。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のヒンジを備えた電子機器。
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