JP7113324B2 - 識別装置、反射装置、および識別システム - Google Patents

識別装置、反射装置、および識別システム Download PDF

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Description

本開示は、識別装置、反射装置、および識別システムに関する。
近年、幼稚園や保育園において、個々の園児の活動履歴を観測し、強い興味を示した事象等を把握することで、より健全な発育を支えることに寄与できるのではないかといった期待が高まっている。また、建設現場などにおいて、個々の作業員の行動履歴を観測することで、作業員の行動が安全に行われているか否かを客観的に把握することや、作業員の作業効率を向上させることへの期待も高まっている。
活動履歴や行動履歴を把握するために、録画装置を接続した光学カメラが用いられることがある。例えば、識別対象領域を俯瞰する位置に光学カメラを設置し、光学カメラの撮像データを解析することで、識別対象が留まっていた位置および時間を確認することができる。
また、位置検出の対象となる個人に、無線タグや無線送受信機といった端末を保持させるとともに、識別対象領域を電波の到達範囲に包含するようにアクセスポイントを設置し、電波強度や電波の到来方向を推定することで、位置を推定する方法なども提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
特表2013-537830号公報
戸田建設ニュースリリース、"IoTの新方式!サブGHz帯を利用した位置管理システム"、http://www.toda.co.jp/news/2018/20180227.html
本開示の非限定的な実施例は、識別対象が制約無く活動する状況において、識別対象を識別し、位置を検出し、移動状況を追跡する、改善されたシステムの提供に資する。
本開示の一態様に係る識別装置は、電磁波または音波を発射する第1の送信アンテナと、前記電磁波または前記音波の反射装置による反射パターンを受信する第1の受信アンテナと、識別子に対応する信号パターンに基づいて生成された第1の信号と前記第1の受信アンテナが受信した前記反射パターンに基づいて生成された第2の信号との相関値に基づいて、前記識別子が前記反射装置に対応する識別子であるか否かを判定する第1の判定回路と、を備える構成を採る。
本開示の一態様に係る反射装置は、反射装置に付与された識別子に対応する信号パターンを発生する信号パターン発生回路と、前記信号パターンに応じて識別装置が発射した電磁波または前記音波の反射パターンを変化させる反射制御装置と、を備える構成を採る。
本開示の一態様に係る識別システムは、本開示の一態様に係る識別装置と、本開示の一態様に係る反射装置と、を備え、異なる反射装置に付与された識別子は、互いに異なる構成を採る。
これらの概括的かつ特定の態様は、システム、装置及び方法の任意の組み合わせにより実現してもよい。
本開示の一態様によれば、識別対象が制約無く活動する状況において、識別対象を識別し、位置を検出し、移動状況を追跡することができる。
本開示の一態様における更なる利点及び効果は、明細書及び図面から明らかにされる。かかる利点及び/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書及び図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
実施の形態1に係る識別レーダシステムの構成例を示す図 実施の形態1に係る識別レーダ装置の構成例を示す図 実施の形態1に係る反射装置の構成例を示す図 実施の形態1に係る回転羽の回転速度と反射波のドップラ周波数広がりとの関係を模式的に示す図 実施の形態1に係る回転羽の回転速度と反射波のドップラ周波数広がりとの関係を模式的に示す図 実施の形態1に係る第2のフーリエ変換部の出力の一例を示す図 実施の形態1に係る第2のフーリエ変換部の出力の他の一例を示す図 実施の形態1に係る第2のフーリエ変換部の出力の他の一例を示す図 実施の形態1に係る識別子信号パターンの時間変化とドップラ周波数広がりの時間変化の関係を示す図 実施の形態1に係る理想信号生成部、相関演算部、および識別子判定部の処理の一例を説明するフローチャート 実施の形態1に係る理想信号生成部、相関演算部、および識別子判定部の処理の他の一例を説明するフローチャート 変形例1に係る反射装置の構成例を示す図 変形例1に係るタップ付き遅延線部の構成例を示す図 変形例1に係る識別子に応じた固有の信号パターンの一例を示す図 実施の形態2に係る識別レーダ装置の構成例を示す図
光学カメラの場合、自己情報(プライバシー)の権利保護などの観点から、視覚的情報が取得されることへの潜在的な抵抗感が比較的大きい。さらに、設置環境によっては、天候や照明等の影響を受け、映像解析の性能が劣化し、充分な精度をもって識別対象を識別することが困難である。
また、無線タグや無線送受信機といった無線通信技術においては、使用される搬送波周波数が比較的低く、占有帯域幅が限定されることが一般的であり、充分な精度をもって識別対象の位置を推定するのが困難である。
使用される搬送波周波数が比較的高いレーダを用いて識別対象を識別する技法として、識別対象の呼吸に伴い発生する胸部の動きをレーダで測定し、得られたドップラ周波数シフト量のパターンを事前に記憶しておいたものと比較照合することにより、識別対象を識別する技法も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に開示された技法は、識別対象が椅子等に着座しているといった、静的な環境であることを前提し、識別対象が制約無く活動する状況は、想定されていない。また、特許文献1に開示された技法は、身体的情報に基づいて識別対象を識別するため、身体的特徴の差異が小さくなる程、識別対象の間の識別が困難になる。
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1に係る識別レーダシステム(識別システム)10の構成例を示す。識別レーダシステム10は、識別レーダ(Radar)装置(識別装置)100と、反射装置115,118と、を備える。なお、以下において、レーダを一例にとって本開示を説明するが、ライダ(Lidar)装置、音波を用いた音波探知機についても、本開示を適用できることは明らかである。
識別レーダ装置100は、反射装置115,118に対して、レーダ信号を発射し、反射装置115,118による反射波(反射パターン)を測定する。次いで、識別レーダ装置100は、測定された反射波に基づいて、反射装置115,118を個々に識別し、その位置も検出する。
反射装置115,118は、識別レーダ装置100から発射されたレーダ信号を反射する。反射装置115,118は、例えば、首掛け小型扇風機、もしくは、炎天下で作業者を空冷する機能が備わった作業着等に装着されているファンである。識別対象A,B(例えば、人物)が装着する反射装置115,118を予め決めておくことによって、識別レーダ装置100は、反射装置115,118を装着する識別対象A,Bを識別することができる。
図2は、実施の形態1に係る識別レーダ装置100の構成例を示す。
識別レーダ装置100は、送信装置として、送信アンテナ101と、送信信号発生部(Tx部)102と、受信装置として、受信アンテナ103と、ダウンコンバート部104と、第1のフーリエ変換部(距離用)105と、記憶部106と、第2のフーリエ変換部(速度用)107と、を備える。
送信信号発生部102は、送信アンテナ101から放射されるレーダ信号を発生する。レーダ信号は、例えば、ミリ波であり、FCM(Fast-Chirp Modulation)方式に対応するチャープ信号である。送信信号発生部102は、発生したチャープ信号を分岐して、送信アンテナ101と、受信装置のダウンコンバート部104と、に入力する。送信アンテナ101は、レーダ信号を空中に放射する。
受信アンテナ103は、放射されたレーダ信号が識別対象A,Bに到達し、後方散乱された反射波を受信する。本開示の構成においては、図3を参照して後述されるように、識別対象A,Bが装着する反射装置115,118は、それぞれの識別子に対応した反射制御部117,120を備える。なお、以下において、反射装置115,118に付与された識別子は、反射装置115,118を装着する識別対象A,Bの識別子A,Bと同一である。したがって、受信アンテナ103は、単なる後方散乱による反射波でなく、識別子A,Bに対応する変化が生じた反射波の信号を受信する。
ダウンコンバート部104は、送信信号発生部102が発生したチャープ信号と、受信アンテナ103が受信した受信信号とを入力する。次いで、ダウンコンバート部104は、このチャープ信号と受信信号とをミキシングし、低域通過フィルタを通過させ、IF(Intermidiate Frequency)成分を抽出する。抽出されたIF成分がビート信号であり、識別レーダ装置100から識別対象A,Bまでの距離に比例した周波数成分を有する信号となる。
第1のフーリエ変換部105は、ビート信号を入力し、周波数領域にフーリエ変換する。第1のフーリエ変換部105は、識別対象A,Bまでの距離を解析するための周波数成分を抽出する。例えば、レーダ信号にチャープ信号が用いられる場合、送信信号発生部102が発信する周波数と、第1のフーリエ変換部105が抽出した周波数成分との差分に基づいて、距離を抽出することができる。
記憶部106は、第1のフーリエ変換部105の出力信号を記憶する。記憶した出力信号は、第2のフーリエ変換部107にて、ドップラ周波数シフト成分を抽出するのに用いられる。
第2のフーリエ変換部107は、記憶部106から読み出した同一距離binの信号を、送信された順番に並び替える。次いで、第2のフーリエ変換部107は、並び替えた信号をフーリエ変換し、ドップラ周波数シフト成分を抽出する。同一距離binにおけるチャープ間の位相変化に着目することで,反射物の移動等によって生じるドップラ周波数シフト成分を抽出することができる。このように、第2のフーリエ変換部107は、識別対象A,Bの速度を検出するために用いられる。第2のフーリエ変換部107は、記憶部106から読み出した第1のフーリエ変換部105の出力信号と合わせて、識別対象A,Bの距離-ドップラ周波数シフト成分の2次元座標に対応する受信レベルを示す信号を出力する。
識別レーダ装置100は、さらに、識別子記憶部108と、理想信号生成部109と、相関演算部110と、識別子判定部(第1の判定回路)111と、距離検出部(距離検出回路)112と、位置情報管理部(管理回路)113と、追尾部114と、を備える。
識別子記憶部108は、識別対象A,Bに対応する識別子(識別子A,B)を記憶する。識別子記憶部108は、識別対象Aに対応する反射装置115と、識別子Aを共有する。また、識別子記憶部108は、識別対象Bに対応する反射装置118と、識別子Bを共有する。
理想信号生成部109は、識別子記憶部108から読み出した識別子に対応する理想信号(第1の信号)を生成する。理想信号については、図4A~図8を参照して後述する。
相関演算部110は、理想信号生成部109が生成した理想信号と第2のフーリエ変換部107の出力信号との相関演算を行う。
識別子判定部111は、相関演算部110による相関演算の結果に基づいて、第2のフーリエ変換部107の出力信号に対応する識別子を判定する。識別子判定部111は、記憶部111aを備える。記憶部111aは、相関演算の結果を保存する。一例において、識別子判定部111は、記憶部111aに相関演算の結果を一時的に保存させ、記憶部111aから保存された相関演算の結果を読み出す。
例えば、理想信号生成部109は、識別子Aに対応する理想信号を生成し、相関演算部110は、第2のフーリエ変換部107の出力信号(第2の信号)との相関演算を行う。出力信号の識別対象Aまでの距離におけるドップラ周波数シフトの変動と理想信号生成部109からの理想信号との相関値は、所定の閾値を超える。識別子判定部111は、相関値が所定の閾値を超えた場合、ドップラ周波数シフトの変動に対応する識別子が、識別子Aであると判定する。
しかしながら、理想信号生成部109が生成した識別子Aに対応する理想信号と、出力信号の識別対象Bまでの距離におけるドップラ周波数シフトの変動との相関値は、所定の閾値を超えない。識別子判定部111は、相関値が所定の閾値を超えない場合、ドップラ周波数シフトの変動に対応する識別子は、識別子Aではないと判定する。一方、理想信号生成部109が生成した識別子Bに対応する理想信号と、出力信号の識別対象Bまでの距離におけるドップラ周波数シフトの変動との相関値は、所定の閾値を超える。したがって、識別子判定部111は、ドップラ周波数シフトの変動に対応する識別子は、識別子Bであると判定する。
距離検出部112は、速度検出用の第2のフーリエ変換部107から出力された、識別対象A,Bの距離-ドップラ周波数シフト成分の2次元座標に対応する受信レベルを示す信号に基づいて、受信レベルが極大値となる位置に対応する距離を検出する。
本開示においては、識別対象A,Bが静止していた場合、回転羽204(図3参照)の回転速度が制御されるため、回転速度に応じたドップラ周波数広がりが検出される。識別子記憶部108に記憶された識別子のうち、どの識別子に応じて回転羽が制御された可能性が高いかを、相関演算部110と、識別子判定部111と、距離検出部112とが求める。
位置情報管理部113は、識別子Aに対応するとして判定された距離と、識別子Bに対応するとして判定された距離とを、選別して抽出し、識別子と距離とを対応付けて管理する。例えば、識別レーダ装置100の距離分解能が、識別対象の大きさよりも十分に小さい場合、複数の位置に亘って同一の識別子に対応する識別対象が群的に検出されることも想定される。この場合、位置情報管理部113は、所定の距離範囲やドップラ速度範囲にあるものは同一の識別対象であるとして、グループ化するクラスタリング処理を実施して対応付けしてもよい。
追尾部114は、位置情報管理部113によって、識別子と対応付けて管理される距離が、時間的にどの様に変化しているかを解析する。例えば、追尾部114は、識別子毎に、カルマンフィルタを用いて、過去の観測値の履歴と、現在の観測値との関係とから、予測位置を推定してもよく、これにより、雑音やクラッタ等の解析結果に対する影響が緩和される。なお、追尾部114は、受信レベルが極大値となる位置に対応したドップラ周波数も考慮して距離の経時変化を解析することによって、移動方向や速度を加味して解析できるため好ましい。追尾部114にて検出された予測位置は、解析部等に入力され、時系列的に解析されてもよい。
図3は、実施の形態1に係る反射装置115,118の構成例を示す。
反射装置115は、識別子設定部116と、反射制御部117とを備える。反射装置118は、識別子設定部119と、反射制御部120とを備える。
識別子設定部116(119)は、反射装置115(118)を識別するための識別子を設定する。上述したように、識別子設定部116(119)は、識別子設定部116(119)の識別子を、識別子記憶部108と共有する。
反射制御部117(120)は、回転羽204の回転速度を制御することにより、識別レーダ装置100からのレーダ信号の反射を制御する。反射制御部117(120)は、識別子設定部116(119)から入力する識別子に応じて、回転羽204の回転速度を変化させる。
反射制御部117,120は、信号パターン発生部(信号パターン発生回路)201と、駆動制御部202と、回転羽駆動部203と、回転羽204と、を備える。
信号パターン発生部201は、識別子設定部116(または識別子設定部119)から入力された識別子に対応する信号パターンを発生する。例えば、識別対象Aが装着する反射装置115の信号パターン発生部201は、識別対象Aに対応する識別子Aに対応する信号パターン(例えば、「1010101010…」)を発生する。また、識別対象Bが装着する反射装置118の信号パターン発生部201は、識別対象Bに対応する識別子Bに対応する信号パターン(例えば、「110011001100…」)を発生する。
駆動制御部202は、信号パターン発生部201が発生した信号パターンに応じて、回転羽駆動部203を駆動する。回転羽駆動部203は、回転羽204を回転させる。
例えば、回転羽駆動部203がモータである場合、駆動制御部202は、信号パターンに応じたモータ制御を行う。駆動制御部202は、例えば、モータに印加する電圧を変化させて、回転羽駆動部203の回転速度を、所定の周期にてデジタル的に変化させる。その結果、回転羽204の回転速度も、所定の周期にてデジタル的に変化する。所定の周期は、例えば、10ms以上100ms以下の任意の周期である。識別子に応じて、回転羽204の回転速度の変化パターンも異なるので、識別子と回転羽204の回転速度の変化パターンとが1対1に関連付けられる。
回転羽204は、レーダ信号を反射する。回転羽204は、例えば、ファンである。ここで、ファンの羽の形状は、完全に平たい形状では無く、少し反りが存在する。ファンが回転する場合、この反りによって、識別レーダ装置100との距離がわずかに変化するため、ドップラ効果が生ずる。そして、ファンの回転速度によって、このドップラ効果の大小が変化するため、ファンの回転変化に応じて、ドップラ周波数広がりの幅などが変化する。識別レーダ装置100の受信側では、このドップラ周波数シフトが変化した反射波が受信される。
図4Aは、実施の形態1に係る回転羽の回転速度と反射波のドップラ周波数広がりとの関係を模式的に示す。図4Bは、実施の形態1に係る回転羽の回転速度と反射波のドップラ周波数広がりとの関係を模式的に示す。
図4Aおよび図4Bのいずれも、横軸に周波数、縦軸に反射波の信号レベルをとっている。図4Aに示されるように、回転羽204の回転速度が速い(a)の場合には、信号レベルのグラフは、周波数軸での広がりが大きい形状であり、信号レベルは、比較的小さい。一方、図4Bに示されるように、回転羽204の回転速度が遅い(b)の場合には、信号レベルのグラフは、(a)の場合よりも周波数軸での広がりが小さい形状であり、信号レベルは、比較的大きく集中している。識別子に対応する信号パターンの変化する周期のタイミング毎に、ドップラ周波数の解析結果も、デジタル的に変化する。
図5は、実施の形態1に係る第2のフーリエ変換部107の出力の一例を示す。
識別対象Aが距離rAの位置に、識別対象Bが距離rBの位置に、それぞれ静止しており、回転羽204が完全に停止している場合の、第2のフーリエ変換部107の出力のうち、ドップラ周波数がゼロに対応する信号レベルを、図5に示している。図5に示されるように、識別対象Aまでの距離rAに対応する距離binと識別対象Bまでの距離rBに対応する距離binに信号成分が現れる。
図6は、実施の形態1に係る第2のフーリエ変換部107の出力の他の一例を示す。
識別対象Aが距離rAの位置に、識別対象Bが距離rBの位置に、それぞれ静止しており、回転羽204の回転速度が遅い場合の、第2のフーリエ変換部107の出力のうち、距離rAおよび距離rBの位置に対応する信号レベルを、図6に示している。図6に示されるように、距離rA及び距離rBに対応する距離binのそれぞれに、回転羽204の回転によって生じるドップラシフトの影響が、ドップラ周波数の広がりに現れる。
図7は、実施の形態1に係る第2のフーリエ変換部107の出力の他の一例を示す。
識別対象Aが距離rAの位置に、識別対象Bが距離rBの位置に、それぞれ静止しており、回転羽204の回転速度が速い場合の、第2のフーリエ変換部107の出力のうち、距離rAおよび距離rBの位置に対応する信号レベルを、図7に示している。図7に示されるように、距離rA及び距離rBに対応する距離binのそれぞれの、ドップラ周波数の広がりが、図6に示される場合よりも広くなる。
図8は、実施の形態1に係る識別子信号パターンの時間変化とドップラ周波数広がりの時間変化の関係を示す。
図6および図7に示されるように、識別子に対応する信号パターンに応じた回転羽204の回転速度に応じて、ドップラ周波数の広がりが変化する。これに対応して、識別子記憶部108で指定された識別子に対応する信号パターンに応じた、理想信号生成部109が生成する理想信号においても、周波数成分の広がりが変化する。例えば、信号パターン「1010…」の場合には、図8に示されるように、周波数成分の広がりが“大きい”→“小さい”→“大きい”→“小さい”→…を繰り返すこととなる。事前に測定された周波数成分の広がり具合を、理想信号生成部109に記憶させてもよい。
図9は、実施の形態1に係る理想信号生成部109、相関演算部110、および識別子判定部111の処理の一例を説明するフローチャートである。
ステップS801において、相関演算部110は、距離-ドップラ周波数の2次元座標に対する受信レベルの極大値と対応する座標を抽出する。
ステップS802において、相関演算部110は、i番目の極大値を選択する。抽出された極大値の数がnである場合,ステップS802からステップS811までは、n回実行される。
ステップS803において、相関演算部110は、j番目の識別子を選択する。例えば、識別子の数が、識別子Aおよび識別子Bの2個である場合、ステップS803からステップS809までは、2回実行される。
ステップS804において、理想信号生成部109は、j番目の識別子に対応する理想信号s(j)を生成する。例えば、識別子の数が、識別子Aおよび識別子Bの2個である場合、理想信号s(1)に、識別子Aに対応する理想信号sAを割り当て、理想信号s(2)に、識別子Bに対応する理想信号sAを割り当てる。
ステップS805において、相関演算部110は、受信レベルのドップラ周波数シフト成分と理想信号との相関演算を行う。
レーダ信号を反射する識別対象A,Bが静止している場合、第2のフーリエ変換部107が出力する距離-ドップラ周波数の2次元座標に対する受信レベルの値が極大値をとる距離において、相関演算部110は、ドップラ周波数シフト成分がゼロの点を中心として、理想信号との相関演算を行う。一方、反射物体が移動している場合には、反射物体の移動速度の識別レーダ装置100方向の成分に応じたドップラ周波数シフト成分を補償するために、受信レベルを周波数方向にシフトしてから理想信号との相関演算を行う。図9に示されるフローチャートを参照して、処理の概要を示す。
距離-ドップラ周波数の2次元座標に対して受信レベルが極大値となる成分の数をn個とする。受信レベルのi番目の極大値は、距離ri,ドップラ周波数fiの位置にあるとする。
第2のフーリエ変換部107の出力における受信レベルの極大値をとる位置(ri,fi)の、時刻tにおける受信レベルをp(ri,fi,t)とする。j番目の識別子(信号パターン長がLの繰り返しパターン)に対応する、理想信号生成部109が生成する理想信号の、周波数fおよび時刻tにおける値を、s(j)(f,t)とする。
信号パターンおよび回転羽204の速度変化周期をTとすると、演算結果が最大となる相関値C(i)は、次の式(1)で表される。
Figure 0007113324000001
ここで、fminおよびfmaxは、回転速度が速い場合に生じるドップラ周波数広がりの最小値と最大値に相当し、Lは、信号パターン長を表す。なお、式(1)において,f-fiが、反射物体の移動速度の識別レーダ装置100方向の成分に応じたドップラ周波数を補償するためのシフト処理に相当する。
ステップS806において、識別子判定部111は、相関演算部110によって計算された相関値C(i)が閾値を超えるかどうかを判定する。
相関値C(i)が閾値を超えないと判定された場合(ステップS806:No)、ステップS807において、識別子判定部111は、i番目の極大値はj番目の識別子に対応しないと判定する。一方、相関値C(i)が閾値を超えると判定された場合(ステップS806:Yes)、ステップS808において、識別子判定部111は、j番目の識別子の相関値を候補値として記憶部111aに保存する。
ステップS809において、識別子判定部111は、i番目の極大値に対して、全てのj、即ち、全ての識別子を処理したか否かを判定する。全てのjについて処理していないと判定された場合(ステップS809:No)、ステップS803において、識別子判定部111は、次の識別子を選択する。
一方、全てのjについて処理したと判定された場合(ステップS809:Yes)、ステップS810において、識別子判定部111は、ステップS808において保存された相関値C(i)の中で最大値をとるC(i)に対応する相関値jが、i番目の極大値に対応すると判定する。次いで、ステップS811において、識別子判定部111は、全てのi、即ち、全ての極大値を処理したか否かを判定する。全てのiについて処理していないと判定された場合(ステップS811:No)、ステップS802において、識別子判定部111は、次の極大値を選択する。
一方、全てのiについて処理したと判定された場合(ステップS811:Yes)、フローが終了する。
識別対象がp個であって、それぞれ、別々の距離に位置している条件の場合、フーリエ変換出力の極大値もp個存在する。したがって、図9に示されるフローチャートによる処理を実施した場合、相関演算は、全部でp2回行われる。
例えば、識別レーダ装置100が識別する識別対象が、識別対象A,Bの2つに限定されている場合、即ち、p=2の場合、識別子記憶部108は、2つの識別対象A,Bに対応する2種類の識別子を記憶すれば足りる。例えば、相関処理部110は、識別対象Aに対応する識別子に応じた理想信号との相関演算を行った後に、識別子Bに対応した処理を行うこととなる。
一方、識別対象の数がp(>2)個の場合には、識別子記憶部108は、p個の識別子を記憶する。そして、相関処理部110も、相関演算をp回行う。例えば、それぞれの識別子に対応する信号パターンが互いに直交してもよい。信号パターンが互いに直交することにより、信号パターン長の拡散ゲインが得られ、誤検知の確率を低減できる。また、信号パターン長が大きい程、他の識別子の場合の演算結果との差分が大きくなり、閾値をより高く設定できるので、必要に応じて十分に大きい信号パターン長を設定してもよい。例えば、識別子に対応する信号パターンに、Walsh符合などの直交符号を設定することが好ましい。
図9に示されるフローチャートによれば、ステップS806において、極大値に対応すると判定された識別子が見つかった後も、他の識別子に対してステップS803~S809のループを実行する。ステップS806において、他の識別子に対しても相関値を判定し、極大値に対応すると判定された全ての相関値を用いて極大値に対応する最良の識別子を選択することにより、雑音等の影響による誤判定の影響を低減できる。
図10は、実施の形態1に係る理想信号生成部109、相関演算部110、および識別子判定部111の処理の他の一例を説明するフローチャートである。
図10に示されるフローチャートのステップS801~S807,S809,S811の処理内容は、それぞれ、図9に示されるステップS801~S807,S809,S811の処理内容と同じであり、説明を省略する。図10に示されるフローチャートにおいては、ステップS808aにおいて、i番目の極大値がj番目の識別子に対応すると判定された場合に、処理がステップS811に進み、残りの識別子に関する処理が省略される。これにより、図10に示されるフローチャートを採用した場合、図9に示されるフローチャートを採用した場合と比較して、計算処理量を低減できる。
実施の形態1によれば、識別レーダ装置100は、識別対象A,Bが装着する反射装置115,118に付与された識別子を識別する。したがって、識別対象A,Bの身体的特徴の差異に関わらず、識別対象A,Bを識別することができる。また、実施の形態1によれば、識別レーダ装置100は、識別対象A,Bが反射装置115,118を装着する限り、例えば、識別対象A,Bが静止しても、移動しても、起立しても、着座しても、識別対象A,Bを識別することができる。したがって、識別対象A,Bが制約無く活動する状況においても、識別対象A,Bを識別することができる。さらに、実施の形態1によれば、識別レーダ装置100は、例えば、レーダ信号にミリ波を用いた場合、無線タグや無線送受信機といった無線通信技術を用いた場合と比較して、高い位置分解能を確保でき、また、光学カメラを用いた場合と比較して、プライバシーの保護が容易であり、天候や照明などの影響を受けにくい。
例えば、幼稚園や保育園においては、園児一人ひとりの移動履歴や、特定の位置に留まった時間の長さや場所の情報を、他のどの園児と近接した位置にいた時間が長いかといった行動観察に用いてもよい。これにより、園児一人ひとりの行動により適した保育計画を立てることができる。また、建設現場などにおいては、作業員一人ひとりの移動履歴や、特定の位置に留まった時間の長さや場所の情報を用いて、個別の作業時間の長さや、資材や道具等を運搬するために要した時間、移動経路が適切であったか否かといった解析に用いてもよい。これにより、効率的な作業計画の作成に役立てることができる。
<変形例1>
実施の形態1においては、上述したように、識別レーダ装置100が発射したレーダ信号を反射する手段に、識別子に対応するドップラ周波数シフトを利用した。これに代えて、変形例1においては、レーダ信号を反射する手段に、識別子に対応する遅延(タップ)を利用する。タップを利用する結果、変形例1においては、異なる識別子を、距離軸方向に異なるシフト量を有する反射レベルの極大値に対応付けることができる。
図11は、変形例1に係る反射装置115a(118a)の構成例を示す。
反射装置115a(または118a)は、識別子設定部116(または119)と、反射制御部(反射制御装置)117a(または120a)とを備える。識別子設定部116(または119)は、図3に示される識別子設定部116(または119)と同様の構成要素であり、説明を省略する。
反射制御部117a,120aは、信号パターン発生部1001と、タップ制御部1002と、受信アンテナ1003と、増幅部1004と、タップ付き遅延線部(遅延回路)1005と、送信アンテナ1006と、を備える。
信号パターン発生部1001は、識別子に応じた固有の信号パターンを発生する。タップ制御部1002は、信号パターン発生部1001が発生した信号パターンに応じて、遅延量毎のタップのONまたはOFFを制御する。
増幅部1004は、受信アンテナ1003で受信した識別レーダ装置100からのレーダ信号を増幅する。タップ付き遅延線部1005は、タップ制御部1002による遅延量毎の制御に基づき、遅延信号を出力する。
図12は、変形例1に係るタップ付き遅延線部1005の構成例を示す。
タップ付き遅延線部1005は、複数の遅延線1101-1~1101-nと、複数の切替部1102-1~1102-nと、合成部1103と、を備える。
複数の遅延線1101-1~1101-nは、それぞれ、異なる遅延量1T~nTに対応する。遅延量の最小単位Tが、識別レーダ装置100の距離方向における最小の分離分解能に対応する光速の移動時間よりも長いと、信号レベルに基づく識別子の識別が容易となるので好ましい。
遅延線は、例えば、減衰の少ない誘電体導波路を用いたもの、または、液晶に印加する電圧を制御することで遅延時間を可変できる電子式連続可変ディレイラインである。タップ付き遅延線部1005を複数のタップに対応させるために、異なる遅延量1T~nTに対応する複数の遅延線1101-1~1101-nは、並列に構成される。
複数の切替部1102-1~1102-nは、それぞれ、タップ制御部1002による異なる遅延量1T~nT毎の制御に基づき、対応するタップのON/OFFを切り替える。複数の切替部1102-1~1102-nも、複数の遅延線1101-1~1101-nと同様に並列に構成される。
合成部1103は、切替部1102-1~1102-nからの出力信号を合成して遅延信号を出力する。
再度、図11を参照する。送信アンテナ1006は、タップ付き遅延線部1005が出力した遅延信号を送信する。
図13は、変形例1に係る識別子に応じた固有の信号パターンの一例を示す。図13に示されるように、変形例1においては、識別子に応じた固有の信号パターンが距離軸方向に発生する。
変形例1に係る反射装置115a,118aを用いた場合、図13に示されるように、識別子に応じた固有の信号パターンが距離軸方向に発生する。相関演算部110は、距離-ドップラ周波数シフトの2次元座標に対する信号レベルの極大値を検出し、同一速度における信号成分を抽出し、識別子に対応する理想信号との相関演算を行う。相関演算は、例えば、信号レベルと理想信号との距離軸に沿った積分値である。変形例1によれば、識別子のドップラ周波数シフト方向への対応付けを用いずに識別対象を識別するので、識別対象をより高速に識別できる。
なお、識別対象Aと識別対象Bとが近接し、距離軸方向での信号パターンの識別が困難である場合も想定される。この場合、追尾部114にて、識別対象Aと識別対象Bとがほぼ同位置に存在しているものとして識別対象Aと識別対象Bの追尾を継続し、信号パターンの識別が可能となる距離を識別対象Aと識別対象Bが離れた際に、再度、識別を実施してもよい。
<実施の形態2>
実施の形態1においては、識別レーダ装置100は、識別対象の位置を特定するための情報として距離情報を用いた。実施の形態2においては、識別レーダ装置100は、距離情報に加え、識別対象の位置を特定するための情報として角度情報も用いる。
図14は、実施の形態2に係る識別レーダ装置1300の構成例を示す。
識別レーダ装置1300は、複数の送信アンテナ1301と、複数の送信信号発生部(Tx部)1302と、複数の受信アンテナ1303と、複数のブランチ処理部1313と、識別子記憶部1308と、理想信号生成部1309と、到来方向推定部(推定回路)1314と、一致確認部(確認回路)1315と、位置情報管理部(管理回路)1316と、追尾部1317と、を備える。
識別レーダ装置1300は、図2に示される識別レーダ装置100と異なり、複数の送受信アンテナに対応する構成を採り、さらに、到来方向推定部1314を備える。
複数の送信アンテナ1301は、それぞれ、複数の送信信号発生部1302が発生したレーダ信号を送信する。複数の送信アンテナ1301および複数の送信信号発生部1302のそれぞれは、図2に示される送信アンテナ101および送信信号発生部102と同様の構成要素であり、説明を省略する。
複数の受信アンテナ1303は、受信した信号を、それぞれ、複数のブランチ処理部1313のダウンコンバート部1304に入力する。複数の受信アンテナ1303は、それぞれ、図2に示される受信アンテナ103と同様の構成要素であり、説明を省略する。
複数のブランチ処理部1313は、それぞれ、ダウンコンバート部1304と、第1のフーリエ変換部(距離用)1305と、記憶部1306と、第2のフーリエ変換部(速度用)1307と、相関演算部1310と、識別子判定部(第1の判定回路,第2の判定回路)1311と、距離検出部(検出回路)1312と、を備える。ダウンコンバート部1304と、第1のフーリエ変換部1305と、記憶部1306と、第2のフーリエ変換部1307と、相関演算部1310と、識別子判定部1311と、距離検出部1312とは、それぞれ、図2に示される、ダウンコンバート部104と、第1のフーリエ変換部105と、記憶部106と、第2のフーリエ変換部107と、相関演算部110と、識別子判定部111と、距離検出部112とは、と同様の構成要素であり、説明を省略する。
第2のフーリエ変換部1307は、第2のフーリエ変換部107の機能と同様の機能を備える。第2のフーリエ変換部1307の出力は、相関演算部1310および距離検出部1312に加えて、到来方向推定部1314にも出力される。
識別子記憶部1308および理想信号生成部1309は、それぞれ、図2に示される識別子記憶部108および理想信号生成部109と同様の構成要素であり、説明を省略する。
到来方向推定部1314は、複数のブランチ処理部1313の各ブランチにおいて、第2のフーリエ変換部1307が検出した信号レベルの極大値に対応する距離および周波数から、受信信号の位相を示す複素信号を生成する。次いで、到来方向推定部1314は、他の隣接するブランチの受信信号との位相差に基づいて、反射波の到来方向を推定する。
一致確認部1315は、複数のブランチ処理部1313の各ブランチの識別子判定部1311が判定した識別子が一致していることを確認する。一致確認部1315は、さらに、複数のブランチ処理部1313の各ブランチの距離検出部1312が検出した距離が一致することを確認する。一致確認部1315は、一致が確認された識別子および距離を、後段の位置情報管理部1316に出力する。
位置情報管理部1316は、距離および方向から特定される位置と、判定された識別子とを対応付けて管理する。
追尾部1317は、位置情報管理部1316によって識別子と対応付けて管理される位置が、時間的にどの様に変化しているかを解析する。例えば、追尾部1317は、識別子毎に、カルマンフィルタを用いて、過去の観測値の履歴と、現在の観測値との関係とから、予測位置を推定してもよい。追尾部1317にて推定された予測位置は、解析部等に入力され、時系列的に解析されてもよい。
第2の実施の形態に係る識別レーダ装置1300は、第1の実施の形態に係る識別レーダ装置100に加えて、反射波の到来方向を推定する到来方向推定部1314を備える。したがって、第2の実施の形態に係る識別レーダ装置1300によれば、識別対象までの距離に加えて、識別対象が位置する方向も追跡できる。
以上の説明において、各構成要素に用いる「・・・部」という表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」といった他の表記に置換されてもよい。
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
上記各実施形態では、本開示はハードウェアを用いて構成する例にとって説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアでも実現することも可能である。
また、上記各実施形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には、入力端子および出力端子を有する集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサを用いて実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、LSI内部の回路セルの接続又は設定を再構成可能なリコンフィギュラブル プロセッサ(Reconfigurable Processor)を利用してもよい。
<実施の形態のまとめ>
本開示に係る識別レーダ装置は、電磁波または音波を発射する第1の送信アンテナと、前記電磁波または前記音波の反射装置による反射パターンを受信する第1の受信アンテナと、識別子に対応する信号パターンに基づいて生成された第1の信号と前記第1の受信アンテナが受信した前記反射パターンに基づいて生成された第2の信号との相関値に基づいて、前記識別子が前記反射装置に対応する識別子であるか否かを判定する第1の判定回路と、を備える。
本開示に係る識別レーダ装置において、前記反射パターンに基づいて前記反射装置までの距離を検出する検出回路と、前記反射装置に対応する前記識別子と前記距離とを対応付ける管理回路と、を備える。
本開示に係る識別レーダ装置において、前記電磁波または前記音波は、FCM(Fast-Chirp Modulation)方式に対応するチャープ信号である。
本開示に係る識別レーダ装置において、前記第1の信号は、周波数の関数であり、前記第2の信号は、前記識別子に応じたドップラ周波数シフト成分を含み、前記相関値は、前記第1の信号と前記第2の信号との積の周波数軸に沿った積分値である。
本開示に係る識別レーダ装置において、前記第1の信号は、距離の関数であり、前記第2の信号は、前記識別子に応じた距離軸方向のシフト成分を含み、前記相関値は、前記第1の信号と前記第2の信号との積の距離軸に沿った積分値である。
本開示に係る識別レーダ装置において、前記電磁波または前記音波を発射する複数の第2の送信アンテナと、前記電磁波または前記音波の前記反射装置による反射パターンを受信する複数の第2の受信アンテナと、前記複数の第2の受信アンテナのそれぞれに対応する複数の第2の判定回路であって、識別子に対応する信号パターンに基づいて生成された第1の信号と、前記複数の第2の受信アンテナの対応する1つが受信した前記反射パターンに基づいて生成された第2の信号との相関値に基づいて、前記識別子が前記反射装置に付与された識別子であるか否かをそれぞれが判定する複数の第2の判定回路と、前記第1の判定回路が判定した前記識別子および前記複数の第2の判定回路が判定した前記識別子が一致するか否かを確認する確認回路と、前記第1の受信アンテナおよび前記複数の第2の受信アンテナがそれぞれ受信した反射パターンに基づいて、前記反射パターンの到来方向を推定する推定回路と、を備える。
本開示に係る反射装置は、反射装置に付与された識別子に対応する信号パターンを発生する信号パターン発生回路と、前記信号パターンに応じて識別装置が発射した電磁波または前記音波の反射パターンを変化させる反射制御装置と、を備える。
本開示に係る反射装置において、前記反射制御装置は、前記信号パターンに応じて回転速度が変化する回転羽を備える。
本開示に係る反射装置において、前記反射制御装置は、前記電磁波または前記音波を受信する受信アンテナと、前記信号パターンに応じて前記電磁波または前記音波を遅延させた遅延信号を生成する遅延回路と、前記遅延信号を発射する送信アンテナと、を備える。
本開示に係る識別システムは、上記の識別装置と、上記の反射装置と、を備え、異なる反射装置に付与された識別子は、互いに異なる。
本開示に係る識別システムにおいて、異なる前記識別子に対応する前記信号パターンは、直交する。
本開示は、ミリ波帯などの無線信号を用いた識別レーダ装置、光信号を用いたライダ装置、音波を用いた音波探知機等に好適である。
100 識別レーダ装置
101 送信アンテナ
102 送信信号発生部
103 受信アンテナ
104 ダウンコンバート部
105 第1のフーリエ変換部
106 記憶部
107 第2のフーリエ変換部
108 識別子記憶部
109 理想信号生成部
110 相関演算部
111 識別子判定部
111a 記憶部
112 距離検出部
113 位置情報管理部
114 追尾部
115 識別対象Aの反射装置
116 識別子設定部
117 反射制御部
118 識別対象Bの反射装置
119 識別子設定部
120 反射制御部
201 信号パターン発生部
202 駆動制御部
203 回転羽駆動部
204 回転羽
1001 信号パターン発生部
1002 タップ制御部
1003 受信アンテナ
1004 増幅部
1005 タップ付き遅延線部
1006 送信アンテナ
1101-1 1T遅延線
1101-2 2T遅延線
1101-3 3T遅延線
1101-n nT遅延線
1102-1 切替部
1102-2 切替部
1102-3 切替部
1102-n 切替部
1103 合成部
1300 識別レーダ装置
1301 複数の送信アンテナ
1302 複数の送信信号発生部
1303 複数の受信アンテナ
1304 ダウンコンバート部
1305 第1のフーリエ変換部
1306 記憶部
1307 第2のフーリエ変換部
1308 識別子記憶部
1309 理想信号生成部
1310 相関演算部
1311 識別子判定部
1312 距離検出部
1313 複数のブランチ処理部
1314 到来方向推定部
1315 一致確認部
1316 位置情報管理部
1317 追尾部

Claims (9)

  1. 電磁波または音波を発射する第1の送信アンテナと、
    前記電磁波または前記音波の反射装置による反射パターンを受信する第1の受信アンテナと、
    識別子に対応する信号パターンに基づいて生成された第1の信号と前記第1の受信アンテナが受信した前記反射パターンに基づいて生成された第2の信号との相関値に基づいて、前記識別子が前記反射装置に対応する識別子であるか否かを判定する第1の判定回路と、
    を備え、
    前記第1の信号は、周波数の関数であり、
    前記第2の信号は、前記識別子に応じたドップラ周波数シフト成分を含み、
    前記相関値は、前記第1の信号と前記第2の信号との積の周波数軸に沿った積分値である、
    識別装置。
  2. 前記反射パターンに基づいて前記反射装置までの距離を検出する検出回路と、
    前記反射装置に対応する前記識別子と前記距離とを対応付ける管理回路と、
    を備える、請求項1に記載の識別装置。
  3. 前記電磁波または前記音波は、FCM(Fast-ChirpModulation)方式に対応するチャープ信号である、請求項1または2に記載の識別装置。
  4. 電磁波または音波を発射する第1の送信アンテナと、
    前記電磁波または前記音波の反射装置による反射パターンを受信する第1の受信アンテナと、
    識別子に対応する信号パターンに基づいて生成された第1の信号と前記第1の受信アンテナが受信した前記反射パターンに基づいて生成された第2の信号との相関値に基づいて、前記識別子が前記反射装置に対応する識別子であるか否かを判定する第1の判定回路と、
    を備え、
    前記第1の信号は、距離の関数であり、
    前記第2の信号は、前記識別子に応じた距離軸方向のシフト成分を含み、
    前記相関値は、前記第1の信号と前記第2の信号との積の距離軸に沿った積分値である、
    別装置。
  5. 電磁波または音波を発射する第1の送信アンテナと、
    前記電磁波または前記音波の反射装置による反射パターンを受信する第1の受信アンテナと、
    識別子に対応する信号パターンに基づいて生成された第1の信号と前記第1の受信アンテナが受信した前記反射パターンに基づいて生成された第2の信号との相関値に基づいて、前記識別子が前記反射装置に対応する識別子であるか否かを判定する第1の判定回路と、
    を備え、
    前記電磁波または前記音波を発射する複数の第2の送信アンテナと、
    前記電磁波または前記音波の前記反射装置による反射パターンを受信する複数の第2の受信アンテナと、
    前記複数の第2の受信アンテナのそれぞれに対応する複数の第2の判定回路であって、識別子に対応する信号パターンに基づいて生成された第1の信号と、前記複数の第2の受信アンテナの対応する1つが受信した前記反射パターンに基づいて生成された第2の信号との相関値に基づいて、前記識別子が前記反射装置に付与された識別子であるか否かをそれぞれが判定する複数の第2の判定回路と、
    前記第1の判定回路が判定した前記識別子および前記複数の第2の判定回路が判定した前記識別子が一致するか否かを確認する確認回路と、
    前記第1の受信アンテナおよび前記複数の第2の受信アンテナがそれぞれ受信した反射パターンに基づいて、前記反射パターンの到来方向を推定する推定回路と、
    を備える、
    別装置。
  6. 反射装置に付与された識別子に対応する信号パターンを発生する信号パターン発生回路と、
    前記信号パターンに応じて識別装置が発射した電磁波または音波の反射パターンを変化させる反射制御装置と、
    を備え、
    前記反射制御装置は、前記信号パターンに応じて回転速度が変化する回転羽を備える、
    反射装置。
  7. 前記反射制御装置は、
    前記電磁波または前記音波を受信する受信アンテナと、
    前記信号パターンに応じて前記電磁波または前記音波を遅延させた遅延信号を生成する遅延回路と、
    前記遅延信号を発射する送信アンテナと、
    を備える、
    請求項に記載の反射装置。
  8. 請求項1からのいずれか一項に記載の識別装置と、
    請求項からのいずれか一項に記載の反射装置と、
    を備え、
    異なる反射装置に付与された識別子は、互いに異なる、
    識別システム。
  9. 異なる前記識別子に対応する前記信号パターンは、直交する、
    請求項に記載の識別システム。
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