JP7111950B2 - 発光装置及びその製造方法 - Google Patents
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また、特許文献2には、絶縁層以外を金属膜で覆うことで発光素子からの光を反射させて、光の取り出し効率を上昇させることが記載されている。
図1は、実施形態に係る発光装置100を模式的に示す断面図である。
基板1は基体2と、基体2上に配置された絶縁層3と、絶縁層3上に配置された配線層4と、を有する。
基体2は、少なくとも1つ以上の発光素子6を実装し、発光装置100を電気的に外部と接続する。基体2の材料としては、ポリフタルアミド樹脂(PPA)、フェノール樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BTレジン)、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂のような樹脂や、Al2O3、AlN等のセラミックス、銅や銀、金、アルミニウム等の金属等によって形成することができる。熱伝導性、反射率が高い材料が好ましく、金属の表面を銀膜等でコートした材料が特に好ましい。
基体2は、下面に、発光素子6とは電気的に独立する放熱用端子を備える構成としてもよい。放熱用端子は、発光装置100が備える全ての発光素子6の上面面積の和よりも大きい面積となるように形成され、発光素子6の直下の領域とオーバーラップするように配置されることが好ましい。このような放熱用端子の構成により、より放熱性に優れた発光装置100とすることができる。
絶縁層3は、基体2の上に配置される。絶縁層3の材料としては、ガラスエポキシ、白色レジスト等の樹脂からなる材料で形成される。
配線層4は、絶縁層3を介して基体2の上に配置される。配線層4は、例えば、電解めっきを用いて形成され、その厚みは均一であってもよく、部分的に厚く又は薄くなっていてもよい。配線層4の材料としては、熱伝導率の大きな材料、機械的強度の高い材料、エッチング加工等が容易な材料によって形成されることが好ましい。例えば、銅、アルミニウム、金、銀、タングステン、鉄、ニッケル等の金属、又は鉄-ニッケル合金、燐青銅等の合金等が挙げられる。また配線層4は、無電解めっき、蒸着、スパッタ、印刷等によって形成することもできる。
発光素子6は、金線や銀線、アルミ線等を利用したワイヤボンディングを利用したフェイスアップ実装や、半田や銀ペーストを利用したフリップチップボンディング等によって基体2に実装される。基体2に実装される発光素子6の個数は、1つであってもよいし複数であってもよい。発光素子6は、公知のものを利用でき、例えば、発光ダイオードやレーザダイオードを用いるのが好ましい。また、発光素子6は、導電層5上に接続されて、紫外光から赤色光までの波長範囲の光を発光する。例えば、青色、緑色の発光素子6としては、窒化物系半導体InXAlYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1、GaP等を用いることができる。また、例えば赤色の発光素子6としては、窒化物系半導体素子の他、GaAlAs、AlInGaP等を用いることができる。なお発光素子6は、平面視において、正方形、長方形、三角形、六角形等の多角形であってもよいし、円形、楕円形等であってもよい。
導電層5は基体2の上に配置された、複数層の導電性ペースト7の焼成体である。導電層5の材料には、熱伝導性が高く、高い反射率をも示す金属を用いることが好ましい。例えば、銅や、銀、アルミニウム等である。それらを単体で使用してもよく、混合して使用してもよい。特に銅、銀、銀コート銅のいずれか1つを含むことが好ましい。高い熱伝導性を有して、熱を放出しやすくすることができるためである。
また導電層5は、中央部がくびれた形状を有していてもよい。この形状により、発光素子6の底面から発する光が導電層5で反射し、さらに、絶縁層3で反射することで光の取り出し効率を上昇させることができる。
また導電層5は、基体2と接する面積が、発光素子6の底面積と同等であるか、発光素子6の底面積より大きくてもよい。この形状により、発光素子6の底面からの光の量が増加し、光の取り出し効率を上昇させることができる。
導電性ペースト7は、紫外光(UV)により硬化が可能であり、金属粒子として、銅、銀、アルミニウムの単体または、それらの混合体で構成されている。導電性ペースト7は、その上面の高さが配線層4の上面よりも高くなるまで重ね塗りされる。
枠体8は、絶縁性材料を用いることが好ましく、且つ、発光素子6から出射される光や外光等を透過しにくい材料を用いることが好ましい。また枠体8は、所定の強度を有する材料を用いることが好ましい。具体的には、アルミナ、窒化アルミニウム、ムライト等のセラミックス、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BTレジン)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリアミド(PA)、不飽和ポリエステル等の樹脂が挙げられる。
また、枠体8を白色として光の取り出し効率を高めてもよいし、暗色として表示コントラストを高めてもよい。
ワイヤ9は、発光素子6と配線層4とを電気的に接続している。ワイヤ9の材料としては、金、銀、銅、白金、アルミニウム等の金属及びそれらの合金が挙げられる。特に、熱伝導性に優れた金を用いることが好ましい。
封止部材10は、枠体8の内側に設けられ、発光素子6、導電層5、ワイヤ9を封止する。これにより、部材が直接空気に触れることによる劣化を抑制することができる。
封止部材10は、良好な透光性を有する材料、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等によって形成されることが好ましい。熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、シリコーンハイブリッド樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ変性樹脂、ユリア樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂又はこれらの樹脂を1種類以上含むハイブリッド樹脂等が挙げられる。特に、シリコーン樹脂又はその変性樹脂若しくはハイブリッド樹脂は、耐熱性及び耐光性に優れるため好ましい。封止部材10は、透過率が50%以上であればよく、好ましくは70%以上、より好ましくは85%以上である。
また封止部材10は、光拡散材又は蛍光体又はその両方を含有していてもよく、凸型のレンズ形状となるように形成してもよい。
次に、図2及び図3A~図3Eを参照して、実施形態に係る発光装置の製造方法について説明する。
基体2と、基体2上に配置された絶縁層3と、絶縁層3上に配置された配線層4と、を有する基板1を準備する。
図3Aに示すように、基板準備工程S11は、基体2と、基体2上に配置された絶縁層3と、絶縁層3上に配置された配線層4と、を有する基板1を準備する工程である。基板準備工程S11において、絶縁層3の発光素子6側の側面は、斜面を成すように形成されている。
基体2上に、導電性ペースト7を塗布する。
図3Bに示すように、導電性ペースト塗布工程S12は、基体2上に、導電性ペースト7を塗布する工程である。また図3C、図3Dに示すように、導電性ペースト塗布工程S12は、後述する導電性ペースト仮硬化工程S13後に、仮硬化させた導電性ペースト7上にさらに導電性ペースト7を塗布し、導電性ペースト7を重ね塗りする。
導電性ペースト7はインクジェットプリンターによって塗布されることが好ましい。導電性ペースト7を微小範囲に塗布して、基体2への濡れ広がりを抑制することができ、くびれ形状を形成することで、光の取り出し効率を上昇させることができるためである。
導電性ペースト7を仮硬化する。
図3C、図3Dに示すように、導電性ペースト仮硬化工程S13は、基体2上に塗布された導電性ペースト7を仮硬化させる工程である。また導電性ペースト仮硬化工程S13は、上述した、仮硬化させた導電性ペースト7上にさらに塗布された導電性ペースト7を仮硬化させる。
導電性ペースト7はUV照射によって仮硬化されることが好ましい。UV照射で連続的に仮硬化して、作業時間を短縮することができるためである。
導電性ペースト7を、仮硬化させながら重ね塗りする。
導電性ペースト重ね塗り工程S20は、導電性ペースト塗布工程S12と導電性ペースト仮硬化工程S13とを繰り返し、導電性ペースト7を重ね塗りし、導電層5を形成する工程である。導電層5の上面の高さが、配線層4の上面よりも高くなるように導電性ペースト7を重ね塗りする。なお、導電性ペースト重ね塗り工程S20において、最上層の導電性ペースト7は、発光素子6を載置するため、仮硬化させない。
導電性ペースト7は仮硬化させながら重ね塗りすることで、導電性ペースト7が横に濡れ広がらずに、高さを上げることができる。
重ね塗りされた導電性ペースト7上に、発光素子6を載置し、焼成する。
図3Eに示すように、発光素子載置工程S14は、配線層4の上面よりも高くなるように重ね塗りされた導電性ペースト7上に発光素子6を載置し、焼成する工程である。発光素子6を載置した後に、重ね塗りされた導電性ペースト7を焼成することで、導電層5を形成する。導電層5を形成した後に、配線層4と発光素子6とをワイヤ9で電気的に接続する。ワイヤ接続後に、枠体8の内部に封止部材10を充填し、発光装置100とする。
(実施例)
本実施形態に係る発光装置の製造方法によって、発光装置を作製した。
実施例における詳細を、以下に示す。
基体2は、熱伝導性が高く、高い反射率を示す金属であり、アルミニウムの表層に銀膜等でコートした材料である。絶縁層3は、白色レジストからなる材料であり、0.2mmの厚みを有する。配線層4は、銅をエッチングしたものであり、厚みは0.018mmである。発光素子6は、発光ダイオードである。導電層5は、導電性ペースト7を焼成したものであり、導電性ペースト7は、UV照射により硬化が可能な銀コート銅ペーストである。ワイヤ9は、熱伝導性に優れた金である。枠体8は、シリコーン樹脂である。封止部材10は、蛍光体を含有するシリコーン樹脂からなる。
基体2上に、白色レジストからなる絶縁層3が発光素子側の側面が45度の斜面となるように形成する。絶縁層3上に配線層4を形成し、配線層4の外側を覆うように枠体8を形成する。基体2の上に、インクジェットプリンターを用いて、銀コート銅ペーストを発光素子6の底面積より小さい範囲に塗布し、直ちに、UVランプによって仮硬化を行う。さらに、仮硬化した銀コート銅ペーストの上に、銀コート銅ペーストの塗布、仮硬化を重ねていき、銀コート銅ペーストの上面が配線層4の上面よりも高くなるまで積み重ねる。最上層の銀コート銅ペーストは、UVランプでの仮硬化は行わずに、発光素子6を載置する。これにより、導電層5の中央部がくびれた形状になる。オーブンによって銀コート銅ペースト硬化させた後に、ワイヤボンディングを行い、配線層4と発光素子6とをワイヤ9で電気的に接続する。枠体8の内部に、封止部材10を充填することで、図1のような発光装置100を作製する。
2 基体
3 絶縁層
4 配線層
5 導電層
6 発光素子
7 導電性ペースト
8 枠体
9 ワイヤ
10 封止部材
100 発光装置
Claims (11)
- 基体と、前記基体上に配置された絶縁層と、前記絶縁層上に配置された配線層と、を有する基板と、
前記基体上に接して配置された導電層と、
前記導電層上に接して配置された発光素子と、を備え、
前記導電層は、中央部がくびれた形状を有する導電性ペーストの焼成体であって、
前記導電層の上面の高さは、前記配線層の上面よりも高く、
前記絶縁層の前記発光素子側の側面は、斜面をなす発光装置。 - 前記導電層は、複数層の前記導電性ペーストの焼成体からなる請求項1に記載の発光装置。
- 前記導電層の前記基体と接する面積が、前記発光素子の底面積と同等であるか、前記発光素子の底面積より大きい請求項1又は2に記載の発光装置。
- 前記導電層は、銅、銀、銀コート銅のいずれか1つを含む請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の発光装置。
- 前記基体は、金属又は合金で構成され、
前記配線層は、前記絶縁層を介して前記基体上に配置されている請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の発光装置。 - 前記発光素子が前記配線層にワイヤで接続される請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の発光装置。
- 前記基板上に、前記発光素子を囲う枠体と、
前記枠体の内側に設けられ、前記発光素子、前記導電層、及び前記ワイヤを封止する封止部材と、を備える請求項6に記載の発光装置。 - 基体と、前記基体上に配置された配線層と、を有する基板を準備する工程と、
前記基体上に、導電性ペーストを、その上面の高さが前記配線層の上面よりも高くなるまで重ね塗りする工程と、
前記重ね塗りされた導電性ペースト上に、発光素子を載置し、焼成する工程と、を備える発光装置の製造方法。 - 前記導電性ペーストを、仮硬化させながら重ね塗りする請求項8に記載の発光装置の製造方法。
- 前記導電性ペーストをUV照射によって仮硬化させる請求項9に記載の発光装置の製造方法。
- 前記導電性ペーストをインクジェットプリンターによって重ね塗りする請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載の発光装置の製造方法。
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