JP7110598B2 - インプリントモールド及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、インプリントモールド及びインプリントモールドを製造する方法に関する。
近年、半導体デバイス(例えば、半導体メモリ等)等の製造工程において、基板の表面に凹凸パターンを形成した型部材(インプリントモールド)を用い、凹凸パターンを基板等の被加工物に等倍転写するパターン形成技術であるナノインプリント技術が利用されている。特に、半導体デバイス等の微細化の進展等により、ナノインプリント技術が有力視されている。
ナノインプリント技術において用いられるインプリントモールドモールドは、第1面及びそれに対向する第2面を有する基部と、基部の第1面から突出する凸構造部とを有し、凸構造部の上面に凹凸パターンが形成されてなるもの等が知られている(特許文献1,2参照)。このようなインプリントモールドを用い、被転写基板上に供給された被加工物としてのインプリント樹脂にインプリントモールドの凹凸パターンを接触させることで、当該凹凸パターンにインプリント樹脂を充填させる。そして、その状態で当該インプリント樹脂を硬化させることにより、インプリントモールドの凹凸パターンが転写されてなるパターン構造体が形成される。
被転写基板上へのインプリント樹脂の供給量が不十分であると、凹凸パターンにインプリント樹脂が十分に充填されず、パターン構造体に欠陥(未充填欠陥)を生じさせてしまう。一方で、インプリント樹脂の供給量を高精度に制御するのは極めて困難である。未充填欠陥を生じさせないために十分すぎる量のインプリント樹脂を被転写基板上に供給すると、インプリント樹脂にインプリントモールドを接触させたときに、インプリントモールドの凸構造部の外側に余剰のインプリント樹脂がはみ出し、凸構造部の側面に沿って盛り上がってしまう。凸構造部の外側にはみ出したインプリント樹脂は、凹凸パターンに充填されたインプリント樹脂とともに硬化する。その結果、いわゆるステップアンドリピート方式によりインプリント処理を行う場合、凸構造部の外側にはみ出し、硬化したインプリント樹脂と重ならないように、インプリント領域を離間させる必要があるため、1枚の被転写基板にインプリント処理を行うことのできる回数が制限されてしまう。
また、凸構造部の外側にはみ出し、側面に沿って盛り上がって硬化したインプリント樹脂とインプリントモールドとが接触してしまうと、インプリントモールドの破損等が生じたり、硬化したインプリント樹脂の欠損によって異物が生じたりするおそれもある。
このような課題を解決するために、従来、凸構造部の上面におけるパターン領域の外側や、凸構造部の側面にシランカップリング剤を塗布することで撥液層を形成する技術が提案されている(特許文献3参照)。
特表2004-504718号公報 特開2002-93748号公報 特開2008-100378号公報
上記特許文献3に記載の技術によれば、凸構造部の上面におけるパターン領域の外側や凸構造部の側面に撥液層が形成されているため、撥液層に到達したインプリント樹脂がそれ以上外側に向かって濡れ広がるのが阻害され、凸構造部の外側へのインプリント樹脂のはみ出しを抑制することができる。しかしながら、当該インプリントモールドを用いたインプリント処理、当該インプリントモールドの洗浄処理等を繰り返し行うことで、撥液層の剥離や磨耗が生じてしまい、経時的にインプリント樹脂のはみ出しを抑制することが困難となるおそれがある。
上記課題に鑑みて、本開示は、パターン領域の外側へのインプリント樹脂のはみ出しを長期的に防止可能なインプリントモールド及びその製造方法を提供することを一目的とする。
上記課題を解決するために、本開示の一実施形態として、第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する基部と、前記基部の第1面側に設定されるパターン領域内に形成されてなる凹凸パターンとを備えるインプリントモールドであって前記インプリントモールドは、ガラス材料により構成され、前記基部の前記第1面側には、前記パターン領域の外側を取り囲む非パターン領域が設定され、前記非パターン領域の表面には、撥液性構造としての多孔質構造が露出するようにして設けられているインプリントモールドが提供される。
記基部の第1面側から突出する凸構造部をさらに備え、前記パターン領域は、前記凸構造部の上面に設定され、前記非パターン領域は、前記パターン領域の外側を取り囲む、前記凸構造部の上面における領域として設定されていてもよいし、前記凸構造部の側面に設定されていてもよいし、前記パターン領域の外側を取り囲む前記凸構造部の上面と前記凸構造部の側面とに設定されていてもよい。
前記非パターン領域に、前記撥液性構造としての多孔質構造が設けられていてもよく、前記多孔質構造は、前記非パターン領域の表面に対する鉛直方向に0.3μm以上の厚さを有していればよい。
前記多孔質構造の平均空隙径及び平均グレインサイズは0.1μm~10μmであり、前記平均グレインサイズに対する前記平均空隙径の比が2以下であればよい。
本開示の一実施形態として、第1面及び当該第1面に対向する第2面を有し、ガラス材料により構成されるモールド基材を準備する基材準備工程と、前記モールド基材にスピノーダル分解処理を施すことで前記ガラス材料を分相させる分相処理工程と、前記モールド基材の前記第1面側に設定されたパターン領域に凹凸パターンを形成する凹凸パターン形成工程と、前記パターン領域の周囲を取り囲むように前記モールド基材の前記第1面側に設定された非パターン領域に撥液性構造を形成する撥液性構造形成工程とを含み、前記凹凸パターン形成工程において、前記ガラス材料が分相された前記モールド基材の前記第1面側に設定された前記パターン領域に前記凹凸パターンを形成し、前記撥液性構造形成工程において、前記凹凸パターンが形成された前記パターン領域を被覆する保護膜を形成した後に、酸処理を施し、アルカリ及び/又は熱水で処理することで、前記非パターン領域の表面に露出させるように前記多孔質構造を形成するインプリントモールドの製造方法が提供される。
前記モールド基材は、前記第1面から突出する凸構造部を有し、前記凹凸パターン形成工程において、前記凸構造部の上面に設定された前記パターン領域に前記凹凸パターンを形成すればよい。
前記撥液性構造形成工程において、前記パターン領域の外側を取り囲む、前記凸構造部の上面における領域として設定された前記非パターン領域に前記撥液性構造を形成してもよいし、前記凸構造部の側面に設定された前記非パターン領域に前記撥液性構造を形成してもよい。
記非パターン領域の表面に対する鉛直方向に0.3μm以上の厚さを有する前記多孔質構造を形成すればよい
本開示によれば、パターン領域の外側へのインプリント樹脂のはみ出しを長期的に防止可能なインプリントモールド及びその製造方法を提供することができる。
図1は、本開示の一実施形態に係るインプリントモールドの概略構成を示す断面図である。 図2は、本開示の一実施形態に係るインプリントモールドの凸構造部近傍の第1態様を示す部分拡大切断端面図である。 図3は、本開示の一実施形態に係るインプリントモールドの凸構造部近傍の第2態様を示す部分拡大切断端面図である。 図4は、本開示の一実施形態に係るインプリントモールドの凸構造部の第1の態様を示す平面図である。 図5は、本開示の一実施形態に係るインプリントモールドの製造方法の各工程を切断端面にて示す工程フロー図である。 図6は、本開示の一実施形態におけるインプリント方法の各工程を切断端面にて示す工程フロー図である。 図7は、本開示の一実施形態に係るインプリントモールドを用いたインプリント処理時における当該インプリントモールドの作用を説明するための部分拡大切断端面図である。 図8は、本開示の他の実施形態に係るインプリントモールドの概略構成を示す切断端面図である。 図9は、本開示の他の実施形態に係るインプリントモールドの概略構成を示す平面図である。 図10は、本開示の他の実施形態に係るインプリントモールドを用いたインプリント処理時における当該インプリントモールドの作用を説明するための部分拡大切断端面図である。
本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本明細書に添付した図面においては、理解を容易にするために、各部の形状、縮尺、縦横の寸法比等を、実物から変更したり、誇張したりしている場合がある。本明細書等において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値のそれぞれを下限値及び上限値として含む範囲であることを意味する。本明細書等において、「フィルム」、「シート」、「板」等の用語は、呼称の相違に基づいて相互に区別されない。例えば、「板」は、「シート」、「フィルム」と一般に呼ばれ得るような部材をも含む概念である。
図1は、本実施形態に係るインプリントモールドの概略構成を示す切断端面図であり、図2は、本実施形態に係るインプリントモールドの凸構造部近傍の第1態様を示す部分拡大切断端面図であり、図3は、本実施形態に係るインプリントモールドの凸構造部近傍の第2態様を示す部分拡大切断端面図である。
本実施形態に係るインプリントモールド1は、第1面2A及び当該第1面2Aに対向する第2面2Bを有する基部2と、基部2の第1面2Aから突出する凸構造部3と、凸構造部3の上面31のパターン領域33に形成されている凹凸パターン4とを備える。
基部2を構成する材料としては、インプリントモールド用基板を構成する材料として一般的なもの、例えば、ガラス材料;ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂材料等の透明材料が挙げられる。基部2は、上記材料のうちから任意に選択された一の材料からなる基板又は二以上の材料のそれぞれからなる基板が積層されてなる積層基板等であればよい。なお、本実施形態において「透明」とは、インプリント樹脂を硬化させ得る波長の光を透過可能であることを意味し、波長150nm~400nmの光線の透過率が60%以上であることを意味し、好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。
基部2を構成するガラス材料としては、例えば、石英ガラス、ソーダガラス、蛍石、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、バリウムホウケイ酸ガラス、アミノホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス等の無アルカリガラス等が挙げられる。後述するように、ガラス材料のスピノーダル分解により撥液性構造5としての多孔質構造を形成する場合、基部2を構成するガラス材料としては、例えば、酸化ケイ素-酸化ホウ素-アルカリ金属酸化物;酸化ケイ素-酸化ホウ素-アルカリ金属酸化物にアルカリ土類金属酸化物、酸化亜鉛、酸化アルミニウム及び酸化ジルコニウムのうちの少なくとも1種を含有させてなるもの;酸化ケイ素-リン酸塩-アルカリ金属酸化物;酸化ケイ素-酸化ホウ素-酸化カルシウム-酸化マグネシウム-酸化アルミニウム-酸化チタン等の組成を有するガラス材料を用いることができる。
基部2の平面視形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、略矩形状、略円形状等が挙げられる。基部2が光インプリント用として一般的に用いられている石英ガラス基板により構成される場合、通常、基部2の平面視形状は略矩形状である。
基部2の大きさ(平面視における大きさ)も特に限定されるものではないが、基部2が上記石英ガラス基板により構成される場合、例えば、基部2の大きさは152mm×152mm程度である。また、基部2の厚さは、強度、取り扱い適性等を考慮し、例えば、300μm~10mm程度の範囲で適宜設定され得る。
基部2の第1面2Aから突出する凸構造部3は、平面視において基部2の略中央に設けられている。凸構造部3の平面視における形状は、例えば、略矩形状であればよいが、それに限定されるものではなく、略八角形等の略多角形状、略円形状、略楕円形状等の任意の形状であってもよい。凸構造部3の大きさは、インプリントモールド1を用いたインプリント処理を経て製造される製品等に応じて適宜設定されるものであり、例えば、33mm±1μm×26mm±1μmの略矩形状の凸構造部3を挙げることができる。なお、本実施形態において、凸構造部3が基部2の第1面2Aから一体的に突出している態様を例に挙げるが、この態様に限定されるものではなく、基部2とは別体の凸構造部3が基部2の第1面2Aに直接的に、又は接着剤等を介して接合されている態様であってもよい。
凸構造部3の突出高さ(基部2の第1面2Aと凸構造部3の上面31との間の基部2厚み方向に沿った長さ)は、本実施形態に係るインプリントモールド1が凸構造部3を備える目的を果たし得る限り、特に制限されるものではなく、例えば、10μm~100μm程度に設定され得る。
凸構造部3の上面31には、凹凸パターン4が形成されているパターン領域33と、パターン領域33の外側を取り囲む非パターン領域34とが設定されている(図2参照)。なお、本実施形態に係るインプリントモールド1において、凸構造部3の上面31にパターン領域33及び非パターン領域34が設定されていてもよいが、凸構造部3の上面31にパターン領域33が設定され、凸構造部3の側面32に非パターン領域34が設定されていてもよい(図3参照)。また、凸構造部3の上面31にパターン領域33及び非パターン領域34が設定され、当該非パターン領域34が凸構造部3の側面32にまで連続して設定されていてもよい(図示省略)。
パターン領域33には、凹凸パターン4が形成されている。凹凸パターン4の形状、寸法等は、本実施形態に係るインプリントモールド1を用いて製造される製品等にて要求される形状、寸法等に応じて適宜設定され得る。例えば、凹凸パターン4の形状としては、ラインアンドスペース状、ピラー状、ホール状、格子状等が挙げられる。また、凹凸パターン4の寸法は、例えば、10nm~200nm程度に設定され得る。
非パターン領域34には、当該非パターン領域34の表面に露出する撥液性構造5が形成されている。撥液性構造5は、本実施形態に係るインプリントモールド1を用いたインプリント処理時に当該インプリントモールド1の表面(凸構造部3の上面31及び側面32)に接するインプリント樹脂等に対して大きな接触角を有する構造であればよい。具体的には、撥液性構造5のインプリント樹脂に対する接触角は90°以上であればよく、好ましくは100°~160°、特に好ましくは120°~150°であればよい。撥液性構造5がインプリント樹脂に対する撥液性を奏することで、本実施形態に係るインプリントモールド1を用いたインプリント処理時に、インプリント樹脂がパターン領域33からはみ出すのを防止することができる。なお、接触角は、例えば、温度25℃、湿度(RH)30%の条件下で撥液性構造5の表面にマイクロシリンジを用いてインプリント樹脂61を滴下し、それから10秒後に接触角測定装置(協和界面化学社製,自動接触角計DM-501)を用いて測定され得る。
本実施形態において、凸構造部3の上面31に設けられている撥液性構造5の幅W5(図4参照)は、5μm以上であるのが好ましく、10μm以上であるのがより好ましい。当該撥液性構造5の幅W5が1μm未満であると、インプリント工程においてインプリントモールド1に押しつぶされ/押し出されたインプリント樹脂が撥液性構造5を超えて撥液性構造5より外側に付着して残存し、露光工程にて硬化してしまうおそれがある。同様に、凸構造部3の側面32に設けられている撥液性構造5の高さT5は、0.1μm以上であるのが好ましく、1μm以上であるのがより好ましい。当該撥液性構造5の高さT5が0.1μm未満であると、インプリント工程においてインプリントモールド1に押しつぶされ/押し出されたインプリント樹脂が凸構造部3の縁を超えて撥液性構造5より下側に付着して残存し、露光工程にて硬化してしまうおそれがある。
本実施形態における撥液性構造5は、インプリント樹脂に対する撥液性を示す構造であればよく、例えば、多孔質構造であってもよいし、ランダムな凹凸形状を有する凹凸構造であってもよい。本実施形態における撥液性構造5を構成する多孔質構造や凹凸構造は、いわゆるロータス効果によりインプリント樹脂に対する撥液性を示すことができる。
撥液性構造5が多孔質構造により構成される場合、撥液性構造5の平均空隙径(a)及び平均グレインサイズ(b)は0.1μm~10μm、平均グレインサイズ(b)に対する平均空隙径(a)の比(a/b比)は2以下、空隙率は20%~60%であればよく、好ましくは、平均空隙径(a)及び平均グレインサイズ(b)は0.3μm~2μm、a/b比は1以下、空隙率は30%~50%である。撥液性構造5の平均空隙径(a)及び平均グレインサイズ(b)が0.1μm未満、a/b比が2を超え、又は空隙率が20%未満であると、撥液性構造5は親液性を示すおそれがある。一方、平均空隙径(a)、平均粒子径(b)が10μmを超え、又は平均空隙率60%を超えると、撥液特性を示さなくなるおそれがある。特に、撥液性構造5の平均グレインサイズ(b)及びa/b比が撥液性構造5の撥液性に大きな影響を与え得ると考えられる。なお、撥液性構造5の平均空隙径(a)、平均グレインサイズ(b)及び空隙率は、レーザ顕微鏡、表面粗さ計、走査型電子顕微鏡(SEM)等を用いて計測され得る。
撥液性構造5としての多孔質構造の細孔径は、インプリント樹脂が多孔質構造の細孔内に浸入しない程度であり、かつインプリント樹脂に対する撥液性を示す程度であれば特に限定されるものではない。多孔質構造は、例えば、細孔径2nm未満のマイクロ孔、細孔径2nm~50nmのメソ孔、細孔径50nm超のマクロ孔等を有していればよい。なお、撥液性構造5としての多孔質構造の細孔径は、例えば、レーザ顕微鏡、表面粗さ計、走査型電子顕微鏡(SEM)等を用いて測定され得る。
撥液性構造5としての多孔質構造は、非パターン領域34の表面に対する鉛直方向(図2に示す態様においては凸構造部3の上面31に対する鉛直方向、図3に示す態様においては凸構造部3の側面32に対する鉛直方向)に0.3μm以上の厚さを有するのが好ましく、0.5μm~10μmの厚さを有するのがより好ましい。当該多孔質構造の厚さが0.3μm未満であると、撥液性構造5が親液性を発現してしまうおそれがある。なお、撥液性構造5としての多孔質構造の厚さは、例えば、インプリントモールド1の基部2の厚さ方向に沿った断面の光学顕微鏡等を用いた観察により測定され得る。
撥液性構造5が、ランダム(不規則)な凹凸パターンを有する凹凸構造である場合、当該撥液性構造5(凹凸構造)の表面の算術平均表面粗さRaは、0.2μm~10μm程度であればよく、0.5μm~5μm程度であるのが好ましい。当該表面粗さRaが0.2μm未満であると、撥液性構造5が親液性を発現してしまうおそれがあり。また、10μmを超えると、凸構造部3の強度が不足するとともに、撥液性構造5からその多孔質構造を形成するグレインが剥離・離脱し、発塵するおそれがある。さらに、撥液性構造5の形成に要する時間が長くなり、インプリントモールド1の生産性を低下させるおそれがある。なお、撥液性構造5の表面の算術平均表面粗さRaは、例えば、接触型表面粗さ計、非接触型表面粗さ計を用いて測定され得る。
上述した構成を有するインプリントモールド1によれば、パターン領域33の外側を取り囲む非パターン領域34に設けられている撥液性構造5が、多孔質構造又はランダムな凹凸パターンを有する凹凸構造という物理的構造であるため、インプリントモールド1の洗浄等により剥離や磨耗等が生じ難く、インプリント樹脂61のはみ出し防止効果を長期的に維持することができる。特に、多孔質構造による撥液性は、当該多孔質構造の磨耗等に影響されないため、多孔質構造により構成される撥液性構造5が設けられてなるインプリントモールド1によれば、インプリント樹脂61のはみ出し防止効果をより長期的に維持することが可能となる。
〔インプリントモールドの製造方法〕
上述した構成を有するインプリントモールドの製造方法について説明する。図5は、本実施形態におけるインプリントモールドの製造方法の各工程を切断端面にて示す工程フロー図である。なお、本実施形態においては、撥液性構造5として多孔質構造が設けられてなるインプリントモールド1を製造する方法を例に挙げて説明する。
まず、第1面10A及びそれに対向する第2面10Bを有する平板状のインプリントモールド用基板10を準備し、当該インプリントモールド用基板10に所定の加熱処理を施す。本実施形態においては、後述する工程にて、インプリントモールド用基板10を構成する材料のスピノーダル分解により、多孔質構造からなる撥液性構造5を形成する。したがって、インプリントモールド用基板10を構成する材料としては、スピノーダル分解により相分離可能なガラス材料であればよく、例えば、酸化ケイ素-酸化ホウ素-アルカリ金属酸化物(例えばSiO2-B23-Na2O系ガラス等);酸化ケイ素-酸化ホウ素-アルカリ金属酸化物にアルカリ土類金属酸化物、酸化亜鉛、酸化アルミニウム及び酸化ジルコニウムのうちの少なくとも1種を含有させてなるもの;酸化ケイ素-リン酸塩-アルカリ金属酸化物;酸化ケイ素-酸化ホウ素-酸化カルシウム-酸化マグネシウム-酸化アルミニウム-酸化チタン等の組成を有するガラス材料等が挙げられる。
スピノーダル分解により相分離するガラス材料は、分相性を有する。分相性とは、酸化ケイ素-酸化ホウ素-アルカリ金属酸化物の組成を有するホウケイ酸ガラス(例えばSiO2-B23-Na2O系ガラス等)を例に挙げれば、加熱処理によって、ガラス材料内部で酸化ケイ素リッチ相(SiO2リッチ相)とアルカリ金属酸化物-酸化ホウ素リッチ相(Na2O-B23リッチ相)とに相分離することを意味する。
上記ガラス材料からなるインプリントモールド用基板10に加熱処理を施すことで、当該インプリントモールド用基板10を構成するガラス材料をスピノーダル分解し、相分離させることができる。当該加熱処理における加熱温度及び加熱時間の処理条件に応じて、インプリントモールド用基板10に形成される分相状態が変化するため、当該加熱処理の処理条件は、所望とする空隙率、細孔径、厚さ等を有する撥液性構造5(多孔質構造)を形成可能な程度に適宜設定されればよい。例えば、加熱温度は550℃~800℃の範囲内で適宜設定されればよく、加熱時間は1時間~100時間の範囲内で適宜設定されればよい。
上記のようにしてスピノーダル分解により相分離させたインプリントモールド用基板10の第1面10A上に、スパッタリング、PVD(Physical Vapor Deposition)、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の公知の成膜方法によりハードマスク層11を形成する(図5(A)参照)。ハードマスク層11を構成する材料としては、例えば、クロム、チタン、タンタル、珪素、アルミニウム等の金属;窒化クロム、酸化クロム、酸窒化クロム等のクロム系化合物、酸化タンタル、酸窒化タンタル、酸化硼化タンタル、酸窒化硼化タンタル等のタンタル化合物、窒化チタン、窒化珪素、酸窒化珪素等を単独で、又は任意に選択した2種以上を組み合わせて用いることができる。
ハードマスク層11は、後述する工程(図5(B)参照)にてパターニングされ、凸構造部3をエッチングにより形成する際のマスクとして用いられる。そのため、インプリントモールド用基板10の種類に応じ、エッチング選択比等を考慮して、ハードマスク層11の構成材料を選択するのが好ましい。例えば、酸化ケイ素-酸化ホウ素-アルカリ金属酸化物の組成を有するホウケイ酸ガラス(例えばSiO2-B23-Na2O系ガラス等)により構成されるインプリントモールド用基板10の場合、ハードマスク層11を構成する材料として、例えば、クロム、チタン、タンタル、珪素、アルミニウム等の金属;窒化クロム、酸化クロム、酸窒化クロム等のクロム系化合物、酸化タンタル、酸窒化タンタル、酸化硼化タンタル、酸窒化硼化タンタル等のタンタル化合物、窒化チタン、窒化珪素、酸窒化珪素等を単独で、又は任意に選択した2種以上等が好適に選択され得る。
ハードマスク層11の厚さは、インプリントモールド用基板10の構成材料の種類に応じたエッチング選択比等を考慮して適宜設定される。例えば、インプリントモールド用基板10が酸化ケイ素-酸化ホウ素-アルカリ金属酸化物の組成を有するホウケイ酸ガラス(例えばSiO2-B23-Na2O系ガラス等)により構成され、ハードマスク層11が、例えば、クロム、チタン、タンタル、珪素、アルミニウム等の金属;窒化クロム、酸化クロム、酸窒化クロム等のクロム系化合物、酸化タンタル、酸窒化タンタル、酸化硼化タンタル、酸窒化硼化タンタル等のタンタル化合物、窒化チタン、窒化珪素、酸窒化珪素等を単独で、又は任意に選択した2種以上により構成される場合、ハードマスク層11の厚さは、1nm~20nm程度の範囲内で適宜設定され得る。
ハードマスク層11上に、凸構造部3に対応するレジストパターン12を形成し、当該レジストパターン12をマスクとしてハードマスク層11をエッチングすることで、第1ハードマスクパターン13を形成する(図5(B)参照)。そして、第1ハードマスクパターン13をマスクとしてインプリントモールド用基板10をエッチングすることで、凸構造部3を形成する(図5(C)参照)。
上記のようにして凸構造部3が形成された後、当該インプリントモールド用基板10の凸構造部3の上面31にパターン領域33を設定し、当該パターン領域33に、凹凸パターン4に対応する第2ハードマスクパターン14を形成する(図5(D)参照)。そして、第2ハードマスクパターン14をマスクとしてインプリントモールド用基板10にドライエッチング処理を施し、凸構造部3の上面31のパターン領域33に凹凸パターン4を形成する(図5(E)参照)。インプリントモールド用基板10のドライエッチングは、当該インプリントモールド用基板10の構成材料の種類に応じて適宜エッチングガスを選択して行なわれ得る。エッチングガスとしては、例えば、フッ素系ガス等を用いることができる。
凸構造部3の上面31の非パターン領域34(パターン領域33の外側を取り囲む領域)を露出させるようにして、インプリントモールド用基板10の第1面10A上にレジスト保護膜15を形成し(図5(F)参照)、当該インプリントモールド用基板10に酸処理を施す。これにより、分相されている2つのリッチ相のうち、酸可溶成分である一方のリッチ相が酸水溶液に溶解して除去される。例えば、インプリントモールド用基板10が、酸化ケイ素-酸化ホウ素-アルカリ金属酸化物の組成を有するホウケイ酸ガラス(例えばSiO2-B23-Na2O系ガラス等)により構成されている場合、分相されている酸化ケイ素リッチ相と、アルカリ金属酸化物-酸化ホウ素リッチ相とのうち、アルカリ金属酸化物-酸化ホウ素リッチ相が酸水溶液に溶解して除去される。
酸処理に用いられる酸水溶液としては、上記酸可溶成分である一方のリッチ相を溶解可能であれば特に限定されるものではなく、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、フッ酸等の無機酸や、酢酸等の有機酸等の水溶液を用いることができ、これらのうちから選択された1種又は2種以上の酸の水溶液を用いることができる。酸処理に用いられる酸水溶液の濃度は、例えば0.1mol/L~2.0mol/L程度であればよく、酸水溶液の温度は20℃~100℃程度であればよい。酸処理の処理時間は10分~60分程度であればよい。
酸処理が施されたインプリントモールド用基板10に対し、洗浄液(アルカリ溶液及び/又は熱水)による洗浄処理を行う。この洗浄処理により、酸処理により生じた残渣が洗浄液に溶解し、除去される。この洗浄処理の際に、酸化ケイ素が加水分解等により除去され、多孔質化が促進されるため、撥液性構造5としての多孔質構造の空隙率等を適宜調整することができる。
洗浄液に用いられるアルカリ溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、アンモニア等のアルカリ水溶液が挙げられる。かかるアルカリ溶液のアルカリ濃度は0.1mol/L~2.0mol/L程度であればよく、アルカリ溶液の温度は50℃~90℃程度であればよい。アルカリ溶液を用いた洗浄処理の処理時間は5分~60分程度であればよい。
洗浄液に用いられる熱水としては、不純物の含有量の少ない純水、超純水等を50℃~90℃に加熱したものであればよく、熱水を用いた洗浄処理の処理時間は5分~60分程度であればよい。
最後に、レジスト保護膜15を除去することで、インプリントモールド1を製造することができる(図5(G)参照)。このようにして製造されたインプリントモールド1によれば、多孔質構造により構成される撥液性構造が、パターン領域33の外側を取り囲む非パターン領域34に設けられているため、後述するインプリント方法に用いられたときに、インプリント樹脂61がパターン領域33からはみ出すのを防止することができる。
〔インプリント方法〕
上述した構成を有するインプリントモールド1を用いたインプリント方法について説明する。図6は、本実施形態におけるインプリント方法の各工程を切断端面にて示す工程フロー図である。
まず、インプリントモールド1と、第1面60A及び第1面60Aに対向する第2面60Bを有する被転写基板60とを準備する(図6(A)参照)。被転写基板60としては、例えば、石英ガラス基板、ソーダガラス基板、フッ化カルシウム基板、フッ化マグネシウム基板、アクリルガラス等や、これらのうちから任意に選択される2以上の基板を積層してなる積層基板等の透明基板;ニッケル基板、チタン基板、アルニウム基板等の金属基板等;シリコン基板、窒化ガリウム基板等の半導体基板等が挙げられる。
次に、被転写基板60の第1面60A側にインプリント樹脂61を供給する(図6(B)参照)。インプリント樹脂61としては、従来公知の紫外線硬化性樹脂等を用いることができる。インプリント樹脂61の供給量は、本実施形態におけるインプリント方法により作製されるパターン構造体62(図6(E)参照)の残膜厚及びインプリントモールド1の凹凸パターン4の容積等に応じて適宜算出され、決定され得る。このとき、インプリント樹脂61の供給量不足によってパターン構造体62に欠陥(未充填欠陥)が生じるのを防止するために、インプリント樹脂61の供給量は、パターン構造体62の残膜厚及びインプリントモールド1の凹凸パターン4の容積等に応じて算出される量よりも僅かに多い量に決定されればよい。
被転写基板60の第1面60A側にインプリント樹脂61を供給するとき、インプリントモールド1の凹凸パターン4がインプリント樹脂61に直接接触するが、撥液性構造5がインプリント樹脂61に直接接触しないような位置にインプリント樹脂61を供給する。撥液性構造5がインプリント樹脂61に直接接触してしまうと、当該インプリント樹脂61が凸構造部3の上面31の外側に飛び出してしまうおそれがある。
続いて、インプリント樹脂61にインプリントモールド1の凸構造部3の上面31の凹凸パターン4(パターン領域33)を接触させ、被転写基板60の第1面60Aとインプリントモールド1の凹凸パターン4(パターン領域33)との間にインプリント樹脂61を展開させる(図6(C)参照)。このとき、インプリント樹脂61は、パターン領域33から非パターン領域34に向かって濡れ広がるように展開し、インプリントモールド1の非パターン領域34に達する。しかし、非パターン領域34に撥液性構造5が設けられていることで、インプリント樹脂61が撥液性構造5を越えて濡れ広がることがない(図7参照)。そのため、凸構造部3の外側にインプリント樹脂61がはみ出すのを防止することができる。
そして、その状態でインプリント樹脂61にインプリントモールド1を介してエネルギー線(UV等)ELを照射し、当該インプリント樹脂61を硬化させる(図6(D)参照)。最後に、硬化したインプリント樹脂61からインプリントモールド1を剥離する(図6(E)参照)。これにより、被転写基板60の第1面60A上に、インプリントモールド1の凹凸パターン4が転写されてなるパターン構造体62を作製することができる。
上述したように、本実施形態に係るインプリントモールド1を用いてインプリント処理を行うことで、インプリントモールド1の凸構造部3の外側にインプリント樹脂61がはみ出すのを防止することができる。したがって、ステップアンドリピート方式により被転写基板60の第1面60A上に複数のインプリント処理を繰り返す場合、被転写基板60の第1面60A上における隣接する被インプリント領域(インプリントされる領域)の間隔を狭めることができ、1枚の被転写基板60におけるインプリント処理回数を増大させることができる。また、インプリント樹脂61がはみ出して凸構造部3の外側に盛り上がるようにして硬化してしまうと、当該盛り上がって硬化した部分によりインプリントモールド1が破損したり、パーティクルが発生したりするおそれがあるが、本実施形態に係るインプリントモールド1を用いたインプリント処理においては、凸構造部3の外側にインプリント樹脂61がはみ出すのを防止することができるため、上記インプリントモールド1の破損やパーティクルの発生を防止することもできる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
上記実施形態において、撥液性構造5としての多孔質構造を、ガラス材料のスピノーダル分解(加熱処理、酸処理及び洗浄処理)により形成する態様を例に挙げて説明したが、このような態様に限定されるものではない。例えば、非パターン領域34に対するプラズマ溶射により、当該非パターン領域34を多孔質化して撥液性構造5を形成してもよい。また、撥液性構造5としてのランダムな凹凸パターンを有する凹凸構造は、非パターン領域34に対してサンドブラスト法等の研磨処理を施すことで形成されればよい。
上記実施形態において、図8に示すように、基部2の第2面2Bには、所定の大きさの窪み部6が形成されていてもよい。窪み部6が形成されていることで、インプリントモールド1を用いたインプリント処理時、特にインプリント樹脂61との接触時やインプリントモールド1の剥離時に、基部2、特に凸構造部3の上面31を湾曲させることができる。その結果、凸構造部3の上面31とインプリント樹脂61とを接触させるときに、凸構造部3の上面31に形成されている凹凸パターン4とインプリント樹脂61との間に気体が挟みこまれてしまうのを抑制することができ、また、インプリント樹脂61に凹凸パターン4が転写されてなる転写パターンからインプリントモールド1を容易に剥離することができる。
窪み部6の平面視形状は、略円形状であるのが好ましい。略円形状であることで、インプリント処理時、特に凸構造部3の上面31とインプリント樹脂61とを接触させるときやインプリント樹脂61からインプリントモールド1を剥離するときに、インプリントモールド1の凸構造部3の上面31を、その面内において実質的に均一に湾曲させることができる。
図9に示すように、窪み部6の平面視における大きさは、窪み部6を基部2の第1面2A側に投影した投影領域内に、凸構造部3が包摂される程度の大きさである限り、特に制限されるものではない。当該投影領域が凸構造部3を包摂不可能な大きさであると、インプリントモールド1の凸構造部3の上面の全面を効果的に湾曲させることができないおそれがある。
上記実施形態において、基部2の第1面2Aに凸構造部3を有するインプリントモールド1を例に挙げて説明したが、この態様に限定されるものではなく、例えば、凸構造部3を有さず、平板状の基部2の第1面2Aに設定されたパターン領域33に凹凸パターン4が形成され、パターン領域33の外側を取り囲む非パターン領域34に撥液性構造5が設けられてなるインプリントモールド1であってもよい。
上記実施形態において、凸構造部3の上面31に設定された非パターン領域34に設けられた撥液性構造5によってインプリント樹脂61のはみ出しを防止する態様を例に挙げて説明したが、この態様に限定されるものではない。例えば、凸構造部3の側面32に撥液性構造5が設けられているインプリントモールド1(図3参照)を用いたインプリント時において、被転写基板60の第1面60Aとインプリントモールド1の凹凸パターン4(パターン領域33)との間にインプリント樹脂61を展開させると、インプリント樹脂61は、凸構造部3の外縁に向かって濡れ広がるように展開し、凸構造部3の外縁に達する。しかし、凸構造部3の側面32の非パターン領域34に撥液性構造5が設けられていることで、インプリント樹脂61が凸構造部3の外縁を越えて外側に濡れ広がることがなく、また凸構造部3の側面32に沿って盛り上がることもない(図10参照)。そのため、インプリント樹脂61の凸構造部3からのはみ出しを防止することができるとともに、凸構造部3の側面32に沿って盛り上がって硬化したインプリント樹脂61によって、インプリントモールド1の損傷や異物の発生を抑制することができる。
本開示は、半導体デバイスの製造過程等のインプリントモールドを用いた微細加工の技術分野において有用である。
1…インプリントモールド
2…基部
2A…第1面
2B…第2面
3…凸構造部
31…上面
32…側面
33…パターン領域
34…非パターン領域
4…凹凸パターン
5…撥液性構造
10…インプリントモールド用基板(モールド基材)
10A…第1面
10B…第2面

Claims (10)

  1. 第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する基部と、
    前記基部の第1面側に設定されるパターン領域内に形成されてなる凹凸パターンと
    を備えるインプリントモールドであって、
    前記インプリントモールドは、ガラス材料により構成され、
    前記基部の前記第1面側には、前記パターン領域の外側を取り囲む非パターン領域が設定され、
    前記非パターン領域の表面には、撥液性構造としての多孔質構造が露出するようにして設けられている
    インプリントモールド。
  2. 前記基部の第1面側から突出する凸構造部をさらに備え、
    前記パターン領域は、前記凸構造部の上面に設定され、
    前記非パターン領域は、前記パターン領域の外側を取り囲む、前記凸構造部の上面における領域として設定されている
    請求項1に記載のインプリントモールド。
  3. 前記基部の前記第1面側から突出する凸構造部をさらに備え、
    前記パターン領域は、前記凸構造部の上面に設定され、
    前記非パターン領域は、前記凸構造部の側面に設定されている
    請求項1に記載のインプリントモールド。
  4. 前記多孔質構造は、前記非パターン領域の表面に対する鉛直方向に0.3μm以上の厚さを有する
    請求項1~のいずれかに記載のインプリントモールド。
  5. 前記多孔質構造の平均空隙径及び平均グレインサイズは0.1μm~10μmであり、前記平均グレインサイズに対する前記平均空隙径の比が2以下である
    請求項1~のいずれかに記載のインプリントモールド。
  6. 第1面及び当該第1面に対向する第2面を有し、ガラス材料により構成されるモールド基材を準備する基材準備工程と、
    前記モールド基材にスピノーダル分解処理を施すことで前記ガラス材料を分相させる分相処理工程と、
    前記モールド基材の前記第1面側に設定されたパターン領域に凹凸パターンを形成する凹凸パターン形成工程と、
    前記パターン領域の周囲を取り囲むように前記モールド基材の前記第1面側に設定された非パターン領域に撥液性構造を形成する撥液性構造形成工程と
    を含み、
    前記凹凸パターン形成工程において、前記ガラス材料が分相された前記モールド基材の前記第1面側に設定された前記パターン領域に前記凹凸パターンを形成し、
    前記撥液性構造形成工程において、前記凹凸パターンが形成された前記パターン領域を被覆する保護膜を形成した後に、酸処理を施し、アルカリ及び/又は熱水で処理することで、前記非パターン領域の表面に露出させるように前記多孔質構造を形成する
    インプリントモールドの製造方法。
  7. 前記モールド基材は、前記第1面から突出する凸構造部を有し、
    前記凹凸パターン形成工程において、前記凸構造部の上面に設定された前記パターン領域に前記凹凸パターンを形成する
    請求項に記載のインプリントモールドの製造方法。
  8. 前記撥液性構造形成工程において、前記パターン領域の外側を取り囲む、前記凸構造部の上面における領域として設定された前記非パターン領域に前記撥液性構造を形成する
    請求項に記載のインプリントモールドの製造方法。
  9. 前記撥液性構造形成工程において、前記凸構造部の側面に設定された前記非パターン領域に前記撥液性構造を形成する
    請求項に記載のインプリントモールドの製造方法。
  10. 前記撥液性構造形成工程において、前記非パターン領域の表面に対する鉛直方向に0.3μm以上の厚さを有する前記多孔質構造を形成する
    請求項のいずれかに記載のインプリントモールドの製造方法。
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