JP7109145B2 - 燃料噴射制御方法及び燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の気筒内に燃料噴射を行うための燃料噴射制御方法及び燃料噴射制御装置に関する。特に、燃料噴射弁のソレノイドバルブの閉弁タイミングに基づき、燃料噴射タイミング、および燃料噴射量を補正する、燃料噴射制御方法及び燃料噴射制御装置に関する。
従来、内燃機関に燃料を供給する装置として、蓄圧式燃料噴射制御装置が知られている。蓄圧式燃料噴射制御装置は、低圧ポンプ、高圧ポンプ、コモンレール、燃料噴射弁、制御装置(ECU)等を主たる要素として備えており、燃料タンク内の燃料が低圧ポンプによって高圧ポンプに送られるとともに高圧ポンプによって加圧されてコモンレールに圧送され、コモンレールから燃料噴射弁に高圧燃料が供給される。そして、この状態で燃料噴射弁への通電制御によって燃料噴射弁の開弁時期および閉弁時期が制御されることで、エンジンへの様々な燃料噴射パターンが実現可能となっている。
蓄圧式燃料噴射制御装置に用いられる燃料噴射弁においては、噴射孔を開閉するノズルニードルの後端側が臨む背圧制御室にも高圧燃料が供給されてノズルニードルに背圧が負荷されることで噴射孔が閉じられる。一方、背圧制御室から高圧燃料を逃す制御が行われることで背圧が低下させられ、ノズルニードルが上昇して噴射孔が開かれることで、燃料の噴射が行われる。代表的なものとして、ソレノイドバルブへの通電制御によって、背圧制御室を閉鎖しているアーマチュアを上昇させて背圧を逃すことにより、ノズルニードルを上昇させるマグネット式の燃料噴射弁が挙げられる。
マグネット式の燃料噴射弁においては、長期間の使用により、ソレノイドバルブのシート部が摩耗し、ソレノイドバルブへの通電時におけるアーマチュアのリフト量が、若干ではあるが新品時に比べ増加することがある。アーマチュアのリフト量が増加すると、ソレノイドバルブへの通電が停止された後、背圧制御室が閉鎖されるまでの時間が増加する。その結果、ソレノイドバルブへの通電時間が同じであっても、新品時に比べ燃料噴射量が増加してしまう。
一方、蓄圧式燃料噴射制御装置においては、運転中に燃料噴射弁の内部が高温になりやすい。これは、燃料の噴射圧力が180MPa程度と高いことと、燃料噴射弁がエンジンから近い場所に搭載されることが主な要因である。内部が高温となった状態で燃料噴射弁を長期間使用すると、燃料中の不純物等がアーマチュア表面に付着し、ソレノイドバルブへの通電時におけるアーマチュアのリフト量が、若干ではあるが新品時に比べ減少することがある。アーマチュアのリフト量が減少すると、ソレノイドバルブへの通電が停止された後、背圧制御室が閉鎖されるまでの時間が減少する。その結果、ソレノイドバルブへの通電時間が同じであっても、新品時に比べ燃料噴射量が減少してしまう。
さらに、燃料噴射弁の製造時に、アーマチュアのリフト量がある程度ばらつくことは避けられない。よって、新品の燃料噴射弁であっても、アーマチュアのリフト量がばらつきの中央値よりも大きい燃料噴射弁は、ソレノイドバルブへの通電が停止された後、背圧制御室が閉鎖されるまでの時間が長いため、ソレノイドバルブへの通電時間が同じであっても、アーマチュアのリフト量がばらつきの中央値である燃料噴射弁よりも燃料噴射量が多くなる。また、アーマチュアのリフト量がばらつきの中央値よりも小さい燃料噴射弁は、ソレノイドバルブへの通電が停止された後、背圧制御室が閉鎖されるまでの時間が短いため、ソレノイドバルブへの通電時間が同じであっても、アーマチュアのリフト量がばらつきの中央値である燃料噴射弁よりも燃料噴射量が少なくなる。
この様に、燃料噴射弁のアーマチュアのリフト量は、新品時の製造ばらつき、あるいは長期間の使用による劣化に起因して、本来の狙い値からずれることが起こり得る。その結果、上述の様に、燃料噴射量が狙い値からずれることがある。また、パイロット噴射等の多段噴射を行う場合にあっては、先行する噴射と、後に続く噴射との間隔が変化してしまうことがある。
この様な問題に対して、以下の様な技術が提案されている。すなわち、ソレノイドバルブへの通電が停止された後、アーマチュア下降時に、ソレノイドバルブのインダクタンス成分により生ずる逆起電力に起因する逆起電流が生じる。そして、その逆起電流のピークは、ソレノイドバルブの閉弁のタイミングに対応することが知られている。この特性を利用し、パイロット噴射を行うディーゼルエンジンの燃料噴射制御において、ソレノイドバルブに対する通電タイミングを調整することによりパイロット噴射量のずれを補正し、かつ、パイロット噴射とパイロット噴射後に行われる主噴射との間隔を一定に保つ技術が提案されている。(特許文献1参照)。
特開2015-059427号公報
ところで、燃料噴射弁におけるソレノイドバルブに使用されるアーマチュアには、1パートアーマチュアと呼ばれるタイプと、2パートアーマチュアと呼ばれるタイプがある。
1パートアーマチュアと呼ばれるタイプのアーマチュアは、背圧制御室を閉鎖する部分と、ソレノイドバルブのマグネットに吸引される部分とが一体となっているため、上述した様に、逆起電流のピークを利用してソレノイドバルブの閉弁タイミングを把握することができる。
一方、2パートアーマチュアと呼ばれるタイプのアーマチュアは、背圧制御室を閉鎖する部材と、ソレノイドバルブに通電した際に、ソレノイドバルブのマグネットに吸引される部材とが別体として構成されている。
2パートアーマチュアの場合、ソレノイドバルブの閉弁時にアーマチュアが下降する際、背圧制御室が閉鎖された後も、マグネットに吸引されていた部材が単独で下降を続ける。この様な構成とすることにより、背圧制御室を閉鎖する部材の質量が小さくなるため、ソレノイドバルブのシート部が摩耗しにくいという利点がある。
しかしながら、2パートアーマチュアの場合、背圧制御室が閉鎖された後も、マグネットに吸引されていた部材が単独で下降を続けるため、背圧制御室が閉鎖されるタイミングが、逆起電流のピークと一致しない。よって、2パートアーマチュアの場合、背圧制御室が閉鎖されるタイミングを、逆起電流のピークにより把握することができない
上述した様に、2パートアーマチュアはバルブシート部の摩耗に対しては1パートアーマチュアよりも有利であるが、摩耗が全く生じないとは言い切れない。よって、2パートアーマチュアを備える燃料噴射弁においても、バルブシート部の摩耗による燃料噴射量や噴射タイミングの変化は起こり得る。
また、2パートアーマチュアにおいても、1パートアーマチュア同様に、新品時であっても製造ばらつきにより、アーマチュアのリフト量の狙い値からのずれが起こり得る。その結果、標準的な特性を有する燃料噴射弁に対し、燃料噴射量や噴射タイミングのずれが起こり得る。
しかしながら、2パートアーマチュアの燃料噴射弁においては、逆起電流のピークを利用した通電タイミングの調整ができないという課題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、2パートアーマチュアタイプの燃料噴射弁においても、ソレノイドの逆起電流を利用して、燃料噴射弁の噴射タイミングの補正を可能とするものである。また、噴射タイミングを補正することにより、燃料噴射量の補正も可能である。尚、本説明における噴射タイミングとは、燃料噴射開始のタイミング及び燃料噴射終了のタイミングの双方を含むものとする。
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る燃料噴射制御方法は、
複数の部材からなるアーマチュアを有するソレノイドバルブを備える燃料噴射弁の噴射タイミングを補正する方法であって、
前記ソレノイドバルブへの通電終了後に生ずる逆起電流が最大となった時点と、前記逆起電流が最大となった後、前記逆起電流の微分値が不連続に変化する時点とに基づき、前記燃料噴射弁の噴射タイミングを補正可能としてなるものである。
また、上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る燃料噴射制御装置は、
内燃機関に燃料を供給する燃料噴射弁を制御する燃料噴射制御装置であって、前記燃料噴射弁は、複数の部材からなるアーマチュアを有するソレノイドバルブを備え、
前記ソレノイドバルブへの通電終了後に生ずる逆起電流が最大となった時点と、前記逆起電流が最大となった後、前記逆起電流の微分値が不連続に変化する時点とに基づき、前記燃料噴射弁の噴射タイミングを補正するよう構成されてなるものである。
本発明によれば、2パートアーマチュアタイプの燃料噴射弁であっても、ソレノイドバルブの閉弁タイミングを把握することができ、これを利用して噴射タイミングを補正することが可能となる。また、噴射タイミングを補正することにより、燃料噴射量の補正も可能となる。
蓄圧式燃料噴射制御装置の構成例を示す全体図である。 本発明の第1の実施の形態における燃料噴射弁の全体構造を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における燃料噴射弁のアーマチュア部の構造を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における燃料噴射弁の通電波形、およびアーマチュアの挙動を示す図である。 本発明の第2の実施の形態における燃料噴射弁のアーマチュア部の構造を示す断面図である。 1パートアーマチュアタイプの燃料噴射弁の全体構造を示す断面図である 1パートアーマチュアタイプの燃料噴射弁の通電波形を示す図である。
以下、適宜図面を参照して、本発明の第1の実施の形態について具体的に説明する。ただし、この実施形態は本発明の一態様を示すものであって本発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。なお、それぞれの図中、同じ符号を付してあるものは同一の部材を示しており、適宜説明が省略されている。
図1は、本発明の実施の形態に係る蓄圧式燃料噴射制御装置10の全体構成を示している。この蓄圧式燃料噴射制御装置10は、車両に搭載された図示されない内燃機関の気筒内に燃料を噴射するための装置であって、燃料タンク1と、低圧ポンプ11と、燃料フィルタ12と、高圧ポンプ13と、流量制御弁19と、コモンレール15と、圧力制御弁23と、燃料噴射弁17(17A、17B)と、制御装置50(ECU)等を主たる要素として備えている。
低圧ポンプ11と高圧ポンプ13とは低圧燃料通路31で接続され、高圧ポンプ13とコモンレール15、およびコモンレール15と燃料噴射弁17はそれぞれ高圧燃料通路33、35で接続されている。また、高圧ポンプ13、コモンレール15、燃料噴射弁17には、燃料噴射弁17から噴射されない余剰燃料を燃料タンク1に戻すためのリターン通路37、38、39がそれぞれ接続されている。
高圧ポンプ13における、低圧燃料の入り口部分には、高圧ポンプの吐出量を調節するための流量制御弁19が備えられている。流量制御弁19には、例えば供給電流値によって弁部材のストローク量が可変とされ、燃料通過路の面積が調節可能な電磁比例式の流量制御弁が用いられる。
低圧ポンプ11は、燃料タンク1内の燃料を吸い上げて圧送し、低圧燃料通路31を介して高圧ポンプ13に燃料を供給する。この低圧ポンプ11は燃料タンク1内に備えられたインタンク式の電動ポンプであって、バッテリから供給される電流によって駆動させられる。ただし、低圧ポンプ11は、燃料タンク1の外部に設けられるものであってもよく、また、高圧ポンプ13と一体に設けられるものであってもよい。
高圧ポンプ13は、低圧ポンプ11によって、流量制御弁19を介して導入される燃料を加圧し、高圧燃料通路33を介してコモンレール15に圧送する。
コモンレール15は、高圧ポンプ13によって加圧された高圧状態の燃料を蓄積し、高圧燃料通路35を介して接続された各燃料噴射弁17に燃料を供給する。このコモンレール15にはレール圧センサ25及び圧力制御弁23が取り付けられている。レール圧センサ25のセンサ信号は制御装置50に送られる。
圧力制御弁23は、コモンレール15から燃料タンク1へと戻す高圧の燃料の流量を調節することにより、コモンレール15内の圧力(レール圧)を調節するために用いられる。圧力制御弁23は、燃料の通路を開閉するための弁部材のストローク量が供給電流値によって可変とされ、燃料通過路の面積が調節可能な電磁比例式の制御弁が用いられる。また、圧力制御弁23の代わりに、所定の圧力に達すると開弁する、機械式の安全弁を用いてもよい。
燃料噴射弁17は、本発明の第1の実施の形態においては2パートアーマチュアタイプの燃料噴射弁17Aであり、構造、作動等の詳細は後述する。
制御装置50は、公知の構成のマイクロコンピュータを中心に、RAMやROM等の記憶素子を有し、燃料噴射弁17を駆動するための駆動回路や、流量制御弁19や圧力制御弁23への通電を行うための通電回路を備える。また制御装置50には、レール圧センサ25の検出信号が入力される他、内燃機関の回転数やアクセル開度、燃料温度などの各種の検出信号が、内燃機関の動作制御や燃料噴射制御に供するために入力されるようになっている。
次に、本発明の第1の実施の形態における、燃料噴射弁17Aの構造、作動について、図2および図3を参照しつつ説明する。
図2は、燃料噴射弁17A全体の断面図である。燃料噴射弁17Aは、2パートアーマチュアを備える。燃料噴射弁17Aは、インジェクタハウジング102と、ノズルボディ103と、ノズルニードル104と、バルブピストン105と、バルブボディ106と、背圧制御部107と、インレットコネクタ108とを主たる構成要素として備えている。
尚、本説明における燃料噴射弁においては、ノズルボディ103側を下側とし、その反対側、すなわち背圧制御部107側を上側とする。
インジェクタハウジング102には、インレットコネクタ108から導入される高圧燃料をノズルボディ103側へ送る第1の燃料通路113が形成されている。
ノズルボディ103には、ノズルニードル104の受圧部104Aに対向する部位に燃料溜まり室114が形成されている。また、ノズルボディ103には、インジェクタハウジング102の第1の燃料通路113に連通し、燃料溜まり室114に高圧燃料を導くための第2の燃料通路111が形成されている。このノズルボディ103の先端部には噴射孔116が穿設されており、この噴射孔116につながるシート部117にノズルニードル104の先端部が着座(シート)することにより噴射孔116が閉鎖される。一方、ノズルニードル104がシート部117から上昇(リフト)することにより噴射孔116が開放される。このような構成により、燃料の噴射開始、停止が可能となっている。
ノズルボディ103に接続されるインジェクタハウジング102内には、その中心軸を中心としたスプリング室122が形成されており、ノズルニードル104をシート部117の方向へ付勢するためのノズルスプリング118が配設されている。インジェクタハウジング102に形成された孔102A内にはバルブピストン105が挿入されている。バルブピストン105は、その上側端面105Aがバルブボディ106に形成された摺動孔106A内に摺動可能に挿入され、ノズルニードル104の上方部に位置するように配設されている。バルブボディ106は、バルブナット134により、インジェクタハウジング102に固定されている。
バルブボディ106における、バルブピストン105の上側端面105Aが位置する部位に背圧制御室119が形成されており、バルブピストン105の上側端面105Aが下側から臨むようになっている。背圧制御室119は、バルブボディ106に形成された導入側オリフィス120に連通している。この導入側オリフィス120は、バルブボディ106とインジェクタハウジング102との間にバルブボディ106の周方向で環状に形成された圧力導入室121を介してインレットコネクタ108内の高圧油路に連通されている。これによって、コモンレールからの導入圧力が背圧制御室119へ供給されるようになっている。
背圧制御室119は開閉用オリフィス123にも連通しており、開閉用オリフィス123は後述する背圧制御部107のバルブボール124によって開閉可能となっている。なお、背圧制御室119におけるバルブピストン105の上側端面105Aの受圧面積は、ノズルニードル104の受圧部104Aの受圧面積よりも大きく設定されている。
背圧制御部107は、ソレノイドバルブ109と、背圧制御室119と、バルブボール124とを主たる要素として備え、ソレノイドバルブ109は、マグネット125と、バルブスリーブ127と、バルブスプリング126と、アーマチュアプレート130と、アーマチュアボルト131と、アーマチュアガイド132と、アーマチュアスプリング133とを主たる要素として備えている。
次に、燃料噴射弁17Aにおける2パートアーマチュアの詳細について、図3を参照しつつ説明する。
2パートアーマチュアにおいては、アーマチュアプレート130およびアーマチュアガイド132が、それぞれ中央部に貫通穴130aおよび132aを有し、アーマチュアボルト131を保持する。特にアーマチュアガイド132は、その外周付近がインジェクタハウジング102とソレノイドバルブ109とに挟まれることで固定されているため、アーマチュアガイド132の貫通穴132aはアーマチュアボルト131をガイドする機能を持つ。
アーマチュアボルト131は、バルブボール124の上部に位置する円柱状の部材であり、その上端部に拡径部131aを有する。拡径部131aは、その上側端面でバルブスプリング126から下向きの付勢力を受ける。この付勢力により、バルブボール124は開閉用オリフィス123を閉鎖している。
アーマチュアプレート130は、貫通穴130aの上部付近に、貫通穴130aよりも大きな直径を有する凹部130bを有し、凹部130bにおいて、アーマチュアボルト131の拡径部131aを収容する。
アーマチュアスプリング133は、バルブスプリング126に比べ、低いバネ定数を有するバネであり、アーマチュアプレート130とアーマチュアガイド132との間に配置され、アーマチュアプレート130を上側に付勢する。この付勢力により、アーマチュアプレート130の凹部130bの底部が、アーマチュアボルト131の拡径部131aの下側端面に当接する。その結果、アーマチュアプレート130の下側端面と、アーマチュアガイド132の上側端面との間には隙間が生じるようになっている。
ソレノイドバルブ109への通電がなされると、アーマチュアプレート130が、マグネット125に吸引され上昇する。その際、アーマチュアプレート130の凹部130bの底面がアーマチュアボルト131の拡径部131aの下側端面を引き上げることにより、アーマチュアボルト131も、アーマチュアプレート130と共に上昇する。その結果、バルブボール124が開閉用オリフィス123を開放し、背圧制御室119の燃料が流出することで背圧制御室119の圧力が低下し、バルブピストン105およびノズルニードル104が上昇し、燃料噴射が開始される。尚、背圧制御室119から流出した燃料は、ソレノイドバルブ109内部を通過し、燃料還流路115を経由し、リターン通路39を介して燃料タンクに戻される。
尚、本実施形態の2パートアーマチュアにおいては、アーマチュアボルト131の拡径部131aの上側端面がバルブスリーブ127の下側端面に当接することにより、アーマチュアボルト131及びアーマチュアプレート130の上昇が終了する。その際、アーマチュアプレート130のフルリフト時においても、アーマチュアプレート130の上側端面がマグネット125に衝突することがない様に、各部の寸法が設定されている。
ソレノイドバルブ109への通電が停止されると、アーマチュアプレート130に対するマグネット125の吸引力がなくなるため、アーマチュアボルト131が、バルブスプリング126の付勢力により下降する。その結果、アーマチュアボルト131の下のバルブボール124が、開閉用オリフィス123上部のバルブシート部128に押圧されることとなり、開閉用オリフィス123が閉鎖される。すると、背圧制御室119内の燃料圧力が上昇し、バルブピストン105およびノズルニードル104が下降し、燃料噴射が終了する。また、アーマチュアボルト131の下降時に、アーマチュアボルト131の拡径部131aの下側端面が、アーマチュアプレート130の凹部130bの底面を下側に押圧するため、アーマチュアプレート130もアーマチュアボルト131と共に下降する。
ここで、本実施形態の2パートアーマチュアにおいては、上述の様に、バルブボール124がバルブシート部128に着座した状態において、アーマチュアプレート130の下側端面とアーマチュアガイド132の上側端面との間に隙間がある。よって、燃料噴射の終了時に、ソレノイドバルブ109が閉弁、すなわち開閉用オリフィス123が閉鎖された時点で、アーマチュアボルト131の下降は終了するが、その後もアーマチュアプレート130が単独で下降し続ける。その後、アーマチュアプレート130は、アーマチュアスプリング133の付勢力により上昇に転じる(詳細は後述)。尚、アーマチュアプレート130が最下点となった時でも、アーマチュアプレート130の下側端面とアーマチュアガイド132の上側端面との間には隙間が残る様に各部の寸法及びアーマチュアスプリング133のバネ定数が設定されている。
この様な構成とすることにより、ソレノイドバルブ109が閉弁する際に、アーマチュアボルト131とバルブボール124の質量のみがバルブシート部128作用することとなり、アーマチュアプレート130の質量はバルブシート部128に作用しない。
ここで比較例として、1パートアーマチュアタイプの燃料噴射弁17の構造、作動、および、ソレノイドバルブの逆起電流について、図6および図7を参照しつつ説明する。図6に示す燃料噴射弁17は、アーマチュア構造が1パートアーマチュアであること以外は、前述の2パートアーマチュアタイプの燃料噴射弁17Aと同様であるので、アーマチュア周辺部以外については説明を省略する。
1パートアーマチュアタイプの燃料噴射弁17は、アーマチュア630を備える。アーマチュア630は、前述の2パートアーマチュアにおける、アーマチュアプレート130およびアーマチュアボルト131が一体に形成されたものである。
ソレノイドバルブ109への通電がなされると、アーマチュアプレート630が、マグネット125に吸引され上昇する。その結果、バルブボール124が開閉用オリフィス123を開放し、背圧制御室119の燃料が流出することで背圧制御室119の圧力が低下し、バルブピストン105およびノズルニードル104が上昇し、燃料噴射が開始される。尚、背圧制御室119から流出した燃料は、ソレノイドバルブ109内部を通過し、燃料還流路115を経由し、リターン通路39を介して燃料タンクに戻される。
尚、1パートアーマチュアタイプの燃料噴射弁17においては、アーマチュア630の上側端面がバルブスリーブ127の下側端面に当接することにより、アーマチュア630の上昇が終了する。その際、アーマチュア630のフルリフト時においても、アーマチュア630の上側端面がマグネット125に衝突することがない様に、各部の寸法が設定されている。
ソレノイドバルブ109への通電が停止されると、アーマチュア630に対するマグネット125の吸引力がなくなるため、アーマチュア630がバルブスプリング126の付勢力により下降する。その結果、アーマチュア630の下のバルブボール124が、開閉用オリフィス123上部のバルブシート部128に押圧されることとなり、開閉用オリフィス123が閉鎖される。すると、背圧制御室119内の燃料圧力が上昇し、バルブピストン105およびノズルニードル104が下降し、燃料噴射が終了する。
図7は、1パートアーマチュアタイプの燃料噴射弁17における、燃料噴射時の、ソレノイドバルブ109の通電波形を示す。図7において、縦軸が電流値、横軸が時間を示す。電流値は、時刻Ta1の通電開始から時間の経過と共に急速に上昇し、一旦あるピーク値に達した後若干減少し、その後、通電終了までほぼ一定電流となり、時刻Ta2の通電終了時から時間の経過と共に零に向かって減少する。そして、時刻Ta3で電流値が一旦零に達した後、若干の時間経過後に、比較的短時間でピークとなり、その後、比較的短時間で零となる電流波形が出現するが、この電流波形が逆起電流であり、図7においては、そのピークは時刻Ta4となっている。
1パートアーマチュアにおいては、時刻Ta4が、ソレノイドバルブ109の閉弁タイミングとなる。ソレノイドバルブ109が閉弁した後、ノズルニードル104がシート部117に着座するまでの時間は、試験やシミュレーションにより把握することができる。よって、ソレノイドバルブ109の閉弁タイミングを把握することにより、燃料噴射弁の噴射終了のタイミングを把握することができる。
この特性を利用し、例えば劣化によりアーマチュアリフトが増加した場合であっても、時刻Ta4のずれを補正するべく、時刻Ta2を調節することにより、燃料噴射終了のタイミング、換言すれば、燃料噴射量のずれを補正することができる。
2パートアーマチュアタイプの燃料噴射弁17Aの説明に戻る。2パートアーマチュアにおいては、前述の様に、ソレノイドバルブ109への通電停止後、ソレノイドバルブ109が閉弁したところで、アーマチュアボルト131の下降は終了するが、その後もアーマチュアプレート130は単独で下降し続ける。よって、逆起電流のピークによりソレノイドバルブ109の閉弁タイミングを把握することができない。
これを、図4を参照しつつ説明する。図4(a)は本実施形態のソレノイドバルブ109の通電波形であり、縦軸に電流値、横軸に時間を示す。また、図4(b)は、図4(a)に対応するアーマチュアプレート130の挙動を示し、縦軸にリフト量、横軸に時間を示す。尚、理解を容易とするため、図4において、逆起電流および逆起電流が生じている時のアーマチュアリフトの挙動を誇張して表現している。
図4(a)によれば、電流値は、時刻Tb1の通電開始から時間の経過と共に急速に上昇し、一旦ピーク値に達した後若干減少し、その後、通電終了までほぼ一定となる。そして時刻Tb4において通電終了となり、その後電流値は時間の経過と共に零に向かって減少し、時刻Tb5で一旦零となる。
一方、アーマチュアプレート130は、時刻Tb1の通電開始からやや遅れたタイミングである時刻Tb2から上昇を開始し、その後時刻Tb3にてフルリフトとなる。その後時刻Tb4で通電終了となるが、アーマチュアプレート130は、時刻Tb4からやや遅れたタイミングの時刻Tb6から下降を開始する。
アーマチュアプレート130が下降を開始すると、ソレノイドバルブ109には逆起電力が発生し、逆起電流が計測される(時刻Tb7)。その後、アーマチュアボルト131の下側に位置するバルブボール124が開閉用オリフィス123を閉鎖し、ソレノイドバルブ109は閉弁する(時刻Tb8)。
ここまでアーマチュアプレート130はアーマチュアボルト131と共に下降するが、ソレノイドバルブ109の閉弁後(時刻Tb8の後)、アーマチュアプレート130が単独で、アーマチュアスプリング133を圧縮しながら下降を続ける。そして時刻Tb9で最下点となり、アーマチュアスプリング133の付勢力により上昇に転じる。尚、上述した様に、アーマチュアプレート130が最下点となった時でも、アーマチュアプレート130の下側端面とアーマチュアガイド132上側端面との間には隙間が残る様に各部の寸法及びアーマチュアスプリング133のバネ定数が設定されている。
1パートアーマチュアの場合、ソレノイドバルブ109の閉弁タイミングがアーマチュア630最下点に一致するため、ソレノイドバルブ109の閉弁タイミングが逆起電流のピークとなったが、2パートアーマチュアの場合、アーマチュアプレート130の最下点、すなわち時刻Tb9が逆起電流のピークとなる。
時刻Tb9の後、アーマチュアプレート130は上昇に転じ、また、逆起電流は減少に転じる。そして時刻Tb10において、アーマチュアプレート130が初期位置となる。すなわち、アーマチュアプレート130の凹部130bの底面が、ソレノイドバルブ109の閉弁状態における、アーマチュアボルト131の拡径部131aの下側端面に当接する。
ここで、図4(b)に示される様、時刻Tb10の後、アーマチュアプレート130が僅かに上昇している。これは、時刻Tb9の後、アーマチュアプレート130がアーマチュアスプリング133の付勢力により上昇するため、アーマチュアプレート130の凹部130bの底面が、アーマチュアボルト131の拡径部131aの下側端面に当接した後、アーマチュアプレート130がアーマチュアボルト131を押し上げることを示している。
しかしながら、前述の様に、アーマチュアスプリング133は、バルブスプリング126に比べ、低いバネ定数であるため、アーマチュアボルト131は、再び上昇した後、バルブスプリング126の付勢力により、すぐに下降する。よって、この間に、バルブボール124がアーマチュアボルト131と共に上昇し、背圧制御室119の圧力が若干低下するが、バルブピストン105及びノズルニードル104が上昇するには至らず、よって燃料は噴射されない。
また、図4(b)に示される様、時刻Tb10の前後でのアーマチュアプレート130の挙動は、一貫して上昇を続けてはいるものの、時刻Tb10を境に、上昇速度が遅くなっている。これは、時刻Tb10の前は、アーマチュアプレート130が単独で上昇しているのに対し、時刻Tb10の後は、アーマチュアプレート130のみならず、アーマチュアボルト131も共に上昇するため、上昇する部材の質量が大きく、またその上昇は、バルブスプリング126の付勢力に逆らっていることに起因している。
ここで、本発明の発明者らは鋭意努力し、時刻Tb10を境にアーマチュアプレート130の上昇速度が遅くなることに伴い、時刻Tb10において、ソレノイドバルブ109の逆起電流の傾きが変化すること(図4(a)参照)、および、この傾きが変化する点を用いて、ソレノイドバルブ109の通電停止後の最初にバルブボール124が開閉用オリフィス123を閉鎖するタイミング(時刻Tb8)を把握できることを見出した。
詳述すると、時刻Tb10においてアーマチュアプレート130の上昇スピードが遅くなることにより、図4(a)に示される様、逆起電流の右下がりの傾きが小さくなる。逆起電流の変化は、制御装置50(ECU)でモニタリングすることが可能である。よって制御装置50は、逆起電流の微分値が不連続に変化する点として、時刻Tb10を認識することができる。
また、制御装置50は、アーマチュアプレート130が最下点となるタイミング(時刻Tb9)も、逆起電流のピークをモニタリングすることにより、認識可能である。
そして、時刻Tb9から時刻Tb10までの時間を、時刻Tb9から減算することにより、ソレノイドバルブ109の通電停止後の最初にバルブボール124が開閉用オリフィス123を閉鎖するタイミング(時刻Tb8)を計算することができる。また、制御装置50は、ソレノイドバルブ109の通電停止のタイミング(時刻Tb4)を認識できるので、これらを利用して、ソレノイドバルブ109への通電停止時刻(時刻Tb4)から、バルブボール124が開閉用オリフィス123を閉鎖するタイミングである時刻Tb8までの時間を計算することが可能となる。
これにより、仮に燃料噴射弁17Aの長期間の使用によりバルブシート部が摩耗し、アーマチュアのリフト量が増大しても、ソレノイドバルブ109への通電停止のタイミング(時刻Tb4)を調節することにより、バルブボール124が開閉用オリフィス123を閉鎖するタイミング(時刻Tb8)のずれを抑圧することが可能となる。
これをパイロット噴射に適用した場合、パイロット噴射の終了とメイン噴射の開始との間隔を適正に維持し続けることが可能となる。また、パイロット噴射において、ソレノイドバルブ109への通電停止のタイミングを調節した場合、その調節分を通電開始タイミングに反映させることにより、パイロット噴射量の変化も抑圧することができる。
また、パイロット噴射以外の噴射に対しても同様に、ソレノイドバルブ109への通電開始及び通電停止のタイミングを調節することにより、噴射タイミングおよび燃料噴射量の変化を抑圧することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施形態における燃料噴射弁17Bも、2パートアーマチュアタイプであるが、アーマチュア周辺部の構造が第1の実施の形態とは異なっている。以下、図5を参照しつつ、本発明の第2の実施の形態について説明する。アーマチュア周辺部以外の部分については第1の実施の形態と同一であるため、ここでの説明は省略する。
本実施形態における燃料噴射弁17Bのアーマチュア周辺部には、アーマチュアプレート230、アーマチュアボルト231、アーマチュアガイド232、アーマチュアスプリング233が備えられている。
本実施形態の2パートアーマチュアでは、アーマチュアプレート230およびアーマチュアガイド232が、それぞれ中央部に貫通穴230a及び232aを有し、アーマチュアボルト231を保持する。特にアーマチュアガイド232は、下端部に拡径部232cを有し、その拡径部232cがバルブナット234によりインジェクタハウジング102に固定されているため、アーマチュアガイド232の貫通穴232aはアーマチュアボルト231をガイドする機能を持つ。
アーマチュアボルト231は、バルブボール124の上部に位置する円柱状の部材であり、その下側端面に拡径部231aを有する。当該拡径部231aは、アーマチュアガイド232の下端部の拡径部232cの下側に位置する。また、アーマチュアボルト231は、その上部でバルブスプリング126から下向きの付勢力を受ける。この付勢力により、バルブボール124は開閉用オリフィス123を閉鎖している。この時、アーマチュアボルト231の拡径部231aの上側端面と、アーマチュアガイド232の下端部の拡径部232cの下側端面との間には隙間が生じるようになっている。
アーマチュアスプリング233は、バルブスプリング126に比べ、低いバネ定数を有するバネであり、アーマチュアガイド232の下端部の拡径部232cとアーマチュアプレート230との間に配置され、アーマチュアプレート230を上側に付勢する。この付勢力により、アーマチュアプレート230の上側端面が、アーマチュアボルト231の上部に装着された、アーマチュアボルト231よりも大きな直径を持つリング235の下側端面に当接する。その結果、アーマチュアプレート230の下側端面とアーマチュアガイド232の上側端面との間には隙間が生じるようになっている。
ソレノイドバルブ109への通電がなされると、アーマチュアプレート230が、マグネット125に吸引され上昇する。その際、アーマチュアプレート230の上側端面がリング235の下側端面を引き上げることにより、アーマチュアボルト231も、アーマチュアプレート230と共に上昇する。その結果、バルブボール124が開閉用オリフィス123を開放し、背圧制御室119の燃料が流出することで背圧制御室119の圧力が低下し、バルブピストン105およびノズルニードル104が上昇し、燃料噴射が開始される。尚、背圧制御室119から流出した燃料は、ソレノイドバルブ109内部を通過し、燃料還流路115を経由し、リターン通路39を介して燃料タンクに戻される。
尚、本実施形態の2パートアーマチュアにおいては、アーマチュアボルト231の拡径部231aの上側端面がアーマチュアガイド232の下側端面に当接することにより、アーマチュアボルト231及びアーマチュアプレート230の上昇が終了する。その際、アーマチュアプレート230のフルリフト時においても、アーマチュアプレート230の上側端面がマグネット125に衝突することがない様に、各部の寸法が設定されている。
ソレノイドバルブ109への通電が停止されると、アーマチュアプレート230に対するマグネット125の吸引力がなくなるため、アーマチュアボルト231が、バルブスプリング126の付勢力により下降する。その結果、アーマチュアボルト231の下のバルブボール124が、開閉用オリフィス123上部のバルブシート部128に押圧されることとなり、開閉用オリフィス123が閉鎖される。すると、背圧制御室119内の燃料圧力が上昇し、バルブピストン105およびノズルニードル104が下降し、燃料噴射が終了する。また、アーマチュアボルト231の下降時に、リング235の下側端面がアーマチュアプレート230上側端面を下側に押圧するため、アーマチュアプレート230もアーマチュアボルト231と共に下降する。
ここで、本実施形態の2パートアーマチュアにおいては、上述の様に、バルブボール124がバルブシート部128に着座した状態において、アーマチュアプレート230の下側端面とアーマチュアガイド232の上側端面との間に隙間がある。よって、燃料噴射の終了時に、ソレノイドバルブ109が閉弁、すなわち開閉用オリフィス123が閉鎖された時点で、アーマチュアボルト231の下降は終了するが、その後もアーマチュアプレート230が単独で下降し続ける。その後、アーマチュアプレート230は、アーマチュアスプリング233の付勢力により上昇に転じる。尚、アーマチュアプレート230が最下点となった時でも、アーマチュアプレート230の下側端面とアーマチュアガイド232の上側端面との間には隙間が残る様に各部の寸法及びアーマチュアスプリング233のバネ定数が設定されている。
この様な構成とすることにより、本実施形態においても、ソレノイドバルブ109が閉弁する際に、アーマチュアボルト231とバルブボール124の質量のみがバルブシート部128作用することとなり、アーマチュアプレート230の質量はバルブシート部128に作用しない。
本実施形態においても、第1の実施の形態と同様の手法により、バルブボール124が開閉用オリフィス123を閉鎖するタイミング(図4の時刻Tb8)を計算することができる。よって、本実施形態においても、第1の実施の形態同様、ソレノイドバルブ109への通電開始及び通電停止のタイミングを調節することにより、噴射タイミングを調節することができる。また、噴射タイミングを調節することにより、燃料噴射量の変化も抑圧することができる。
また、上記第1および第2の実施形態においては、開閉用オリフィス123を開閉する部材として、バルブボール124を使用したが、バルブボール124を使用せず、アーマチュアボルトで直接開閉用オリフィス123を開閉する構造とすることもできる。
また、本発明によれば、ソレノイドバルブ109への通電停止から開閉用オリフィス123の閉鎖までのタイミングが算出可能であることから、バルブシート部128の摩耗に起因する場合のみならず、燃料噴射弁17の製造ばらつきに起因する燃料噴射量や噴射タイミングのずれも抑圧することができる。
また、本発明による燃料噴射量や噴射タイミングの補正は、パイロット噴射以外の噴射に対しても実行可能である。
また、本発明による燃料噴射量や噴射タイミングの補正は、例えばエンジン始動時に毎回行ってもよいし、所定運転時間毎に行ってもよい。また、所定走行距離毎など、様々な頻度で実行可能である。
17(17A、17B):燃料噴射弁、50:制御装置(ECU)、104:ノズルニードル、109:ソレノイドバルブ、119:背圧制御室、123:開閉用オリフィス、130:アーマチュアプレート、131:アーマチュアボルト、133:アーマチュアスプリング、230:アーマチュアプレート、231:アーマチュアボルト、233:アーマチュアスプリング

Claims (6)

  1. 複数の部材からなるアーマチュアを有するソレノイドバルブを備える燃料噴射弁の噴射タイミングを補正する方法であって、
    前記ソレノイドバルブへの通電終了後に生ずる逆起電流が最大となった時点と、前記逆起電流が最大となった後、前記逆起電流の微分値が不連続に変化する時点とに基づき、前記燃料噴射弁の噴射タイミングを補正することを特徴とする燃料噴射制御方法。
  2. 前記ソレノイドバルブへの通電終了後に生ずる逆起電流が最大となった時点よりも、前記逆起電流が最大値となった時点と前記逆起電流の微分値が不連続に変化する時点との間隔だけ前の時点を、前記ソレノイドバルブの閉弁タイミングとして算出し、当該閉弁タイミングに基づき噴射タイミングを補正することを特徴とする、請求項1に記載の燃料噴射制御方法。
  3. 前記逆起電流の微分値が不連続に変化する時点において、当該微分値は、第1微分値から第2微分値に変化するものであり、前記第1微分値及び第2微分値は共に負の数であることを特徴とする、請求項1または2に記載の燃料噴射制御方法
  4. 前記第1微分値は前記第2微分値よりも小さいことを特徴とする、請求項3に記載の燃料噴射制御方法。
  5. 前記ソレノイドバルブは、ノズルニードルの後端側の背圧制御室の開閉用オリフィスを開閉するアーマチュアボルトと、通電時にソレノイドに吸引され、前記アーマチュアボルトを上昇させるアーマチュアプレートと、前記アーマチュアプレートを上方に付勢するアーマチュアスプリングとを備え、
    前記アーマチュアプレートは、通電終了後に、前記アーマチュアボルトが前記開閉用オリフィスを閉鎖した後も下降を続け、その後前記アーマチュアスプリングの付勢力により初期位置に復帰するものであり、
    前記逆起電流が最大値となる時点を、前記アーマチュアプレートが最下点となる時点として計測し、前記逆起電流の微分値が不連続に変化する時点を、前記アーマチュアプレートが最下点から上昇に転じた後最初に初期位置に復帰した時点として計測することを特徴とする、請求項1に記載の燃料噴射制御方法
  6. 内燃機関に燃料を供給する燃料噴射弁を制御する燃料噴射制御装置であって、前記燃料噴射弁は、複数の部材からなるアーマチュアを有するソレノイドバルブを備え、
    前記ソレノイドバルブへの通電終了後に生ずる逆起電流が最大となった時点と、前記逆起電流が最大となった後、前記逆起電流の微分値が不連続に変化する時点とに基づき、前記燃料噴射弁の噴射タイミングを補正することを特徴とする燃料噴射制御装置。
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