JP4784592B2 - 燃料噴射制御装置、および燃料噴射弁の噴射特性調整方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料噴射制御装置、および燃料噴射弁の噴射特性調整方法に関する。
従来、個々の燃料噴射弁の噴射特性のばらつきを調整する燃料噴射制御装置が知られている(特許文献1参照)。この燃料噴射制御装置では、予め個々の燃料噴射弁の噴射特性、例えば、燃料噴射弁の電磁駆動部に駆動電流の通電を開始したタイミングから弁部材が噴孔を開弁するまでの噴射遅れ時間に関する情報に基づき、電磁駆動部に駆動電流を通電する開始タイミングをずらす補正を行っている。これにより、個々の燃料噴射弁の噴射遅れのばらつきを抑制することができ、所定のタイミングで燃料噴射弁から燃料を噴射することができる。
特開2006−200378号公報
しかしながら、上述した特許文献1の技術による噴射遅れ時間のばらつきを抑制する方法では、エンジン運転状態に応じた基本の通電開始タイミングを算出した後、噴射遅れ時間に関する情報に基づいて上記基本通電開始タイミングを補正することにより最終的な通電開始タイミングを算出している。このため、燃料噴射制御装置の演算負担が大きくなる。
ここで、燃料噴射制御装置の制御項目は、エンジンマネージメントだけに留まらず、排ガス処理、車体制御など多岐にわたっており、またそれらを統合制御する傾向にあるため、燃料噴射制御装置の演算負担は増加している。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料噴射制御装置の演算負担の増加を抑制しつつ、燃料噴射弁個々の噴射遅れ時間のばらつきを抑制することができる燃料噴射制御装置、および燃料噴射弁の噴射特性調整方法を提供することである。
請求項1に記載の発明は、噴孔を開閉する弁部材、および弁部材の開閉動作を制御する電磁駆動部を有する燃料噴射弁と、電磁駆動部に駆動電流を通電させ、弁部材を開弁動作さて、エンジンに燃料を噴射する電子制御装置とを有する燃料噴射制御装置であって、電子制御装置は、エンジンの運転状態に応じて、駆動電流の通電開始タイミングを算出する演算手段と、燃料噴射弁個々の駆動電流の通電開始タイミングから弁部材が噴孔を開弁するまでの噴射遅れ時間のばらつきに関する情報を記憶する記憶手段と、情報に基づき駆動電流の電流値、または駆動電流の通電初期における電流勾配を変更する変更手段と、を備え、変更手段により変更された駆動電流の電流値、または駆動電流の通電初期における電流勾配による電磁駆動部への通電を、演算手段によって算出された駆動電流の通電開始タイミングから開始することにより、噴射開始時期を規格内の噴射開始時期に補正することを特徴としている。
この構成によれば、燃料噴射弁個々の噴射遅れ時間に関する情報に基づき、変更手段が駆動電流の電流値、または駆動電流の通電初期における電流勾配を変更することで、電磁駆動部の駆動力を個々の燃料噴射弁で変化させることができる。これにより、個々の燃料噴射弁の噴射遅れ時間のばらつきを抑制することができる。
ここで、従来技術では、所望のタイミングで燃料を噴射するために、燃料噴射弁の個々の噴射遅れ時間を加味して通電開始タイミングを変更する方法を採用している。この方法では、まず、エンジン運転状態などにより基本の通電開始タイミングを算出し、その後、基本通電開始タイミングを上記噴射遅れ時間のばらつきに基づいて補正し、最終的な通電開始タイミングを算出している。
しかしながら、この方法では、基本の通電開始タイミングを補正する工程が必要となるため、燃料噴射制御装置における通電開始タイミングを決定するための演算負担が増加することとなる。
これに対し、請求項1における発明では、上記従来技術が採用している方法とは異なり、記憶手段に記憶されている上記噴射遅れ時間のばらつきに関する情報に基づき、変更手段が駆動電流の電流値、または通電初期における電流勾配を変更しているので、一旦算出した通電開始タイミングを補正する必要がなくなる。このため、燃料噴射制御装置の演算負担を増加させることなく、燃料噴射弁個々の噴射遅れ時間のばらつきを抑制することができる。
また、最終的な通電開始タイミングが算出されるまでの時間を大幅に短縮することができるため、エンジン運転状態が加速時や減速時にあるような状態のとき、最適なタイミングで燃料噴射が行える。
請求項2に記載の発明は、変更手段は、少なくとも通電開始タイミングから弁部材が噴孔を開弁するまでの駆動電流の電流値を変更することを特徴としている。
噴射遅れ時間は、電磁駆動部に駆動電流を通電してから弁部材が噴孔を開弁するまでの電流値が影響する。請求項2に記載の構成によれば、変更手段は、少なくとも通電開始タイミングから弁部材が噴孔を開弁するまでの駆動電流の電流値を変更しているので、個々の燃料噴射弁の噴射遅れ時間を調整することができる。
請求項3に記載の発明は、電磁駆動部に通電される駆動電流の電流波形は、駆動電流通電初期に最大電流値となるピーク電流波形部と、ピーク電流波形部の後に形成され、最大電流値よりも低い定電流値にて弁部材の開弁状態を維持する定電流波形部とを有しており、変更手段は、ピーク電流波形部における最大電流値、または定電流波形部における定電流値のいずれか一方、または両方を変更することを特徴としている。
この構成によれば、燃料噴射制御装置から電磁駆動部に通電される駆動電流は、通電初期に最大電流値となるピーク電流波形部を有しているので、通電開始タイミングから開弁状態に移行するまでの時間を極力短縮することができる。また、駆動電流は、ピーク電流波形部の後に形成され、最大電流値よりも低い定電流値にて弁部材の開弁状態を維持する定電流波形部と、を有しているので、弁部材の開弁状態を維持できるとともに燃料噴射弁の電力消費量の増大を抑制することができる。
請求項4に記載の発明は、変更手段は、一端が電源に接続され、他端が電磁駆動部に接続され、電源の電源電圧を昇圧し、コンデンサに充電し、駆動電流を通電開始するタイミングでコンデンサに蓄積した電荷を放電することにより、ピーク電流波形部を形成する充電回路部と、一端が電源に接続され、他端が電磁駆動部に接続され、コンデンサから電荷が放電された後、電源の電流を定電流値に調整し、電磁駆動部に通電することにより、定電流波形部を形成する定電流回路部と、を備えることを特徴としている。
この構成によれば、一端が電源に接続され、他端が電磁駆動部に接続され、電源の電源電圧を昇圧してコンデンサに充電し、駆動電流を通電開始するタイミングでコンデンサに蓄積した電荷を放電することにより、ピーク電流波形部を形成する充電回路部を備えているので、短時間の間に電磁駆動部に大電流を通電させることができる。
また、一端が電源に接続され、他端が電磁駆動部に接続され、コンデンサから電荷が放電された後、電源の電流を定電流値に調整し、電磁駆動部に通電することにより、定電流波形部を形成する定電流回路部を備えているので、弁部材の開弁状態を維持させることができる。
請求項5に記載の発明は、充電回路部は、電源の電源電圧を昇圧し、コンデンサに充電する際の充電電圧値を調整することを特徴としている。
この構成によれば、充電回路部にて電源の電源電圧を昇圧し、コンデンサに充電する際の充電電圧値を調整することにより、通電開始から最大電流値に至るまでの電流勾配を調整することができ、個々の燃料噴射弁の噴射遅れ時間のばらつきを抑制することができる。
請求項6に記載の発明は、一端が電源に接続され、他端が電磁駆動部に接続され、昇圧した前記電源の電源電圧をコンデンサに充電する際の前記コンデンサの充電電圧を調整するとともに、前記駆動電流の通電初期において前記コンデンサに蓄積した電荷を放電することにより、駆動電流の通電初期における前記電流勾配を変更る電圧調整部を備えることを特徴としている。
この構成によれば、通電電圧調整部にて電磁駆動部に通電する通電初期の電圧値を調整することにより、通電初期の電流勾配を調整することができ、個々の燃料噴射弁の噴射遅れ時間のばらつきを抑制することができる。
請求項7に記載の発明は、記憶手段は、燃料噴射弁に設けられていることを特徴としている。
この構成によれば、噴射遅れ時間に関する情報を記憶した記憶手段を燃料噴射弁に設けているので、燃料噴射弁と変更手段との対応付けが容易となる。このため、これらを予め対応付けつつ製造する必要がなく、製造時の煩雑さを解消することができる。
請求項8に記載の発明は、燃料噴射弁は、噴孔、噴孔に連通し、噴孔に高圧燃料を供給するとともに弁部材に燃料圧力を作用させ弁部材を開弁方向に付勢する高圧通路、弁部材の一部に高圧燃料を作用させ、弁部材を噴孔が閉弁する方向に付勢する高圧燃料を蓄積する圧力制御室、および圧力制御室と外部とを連通する低圧通路を有するハウジングと、駆動電流が通電されることで電磁駆動部に発生する駆動力によって動作し、低圧通路の連通、および遮断を切り換えることにより圧力制御室内の燃料圧力を調整し、弁部材の開閉動作を制御する制御弁部材と、を備えることを特徴としている。
この構成によれば、電磁駆動部は、通電されることで発生する駆動力によって直接開弁動作するのではなく、弁部材に閉弁方向に付勢する高圧燃料を蓄積する圧力制御室内の燃料圧力を調整する制御弁部材を動作する。これにより、弁部材の閉弁方向の付勢力を調整することができ、弁部材の噴孔側に作用する燃料圧力によって弁部材を開弁方向に移動させることができる。このように構成された燃料噴射弁により、高圧通路に供給する燃料を噴射することができる。
また、こういった構成を有する燃料噴射弁では、弁部材を開閉動作させる部品点数は、直接電磁駆動部にて弁部材を開閉動作させるものに比べ多くなる。このため、電磁駆動部に駆動電流の通電を開始してから弁部材が噴孔を開弁するまでの噴射遅れ時間が発生するとともに、燃料噴射弁個々の噴射遅れ時間のばらつきも発生しやすくなる。
請求項1から7に記載の燃料噴射制御装置は、請求項8に記載の構成を有する燃料噴射弁にとって特に効果を発揮する。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による燃料噴射制御装置を適用した燃料噴射システムの概略を説明する。図1は、燃料噴射システムの全体構成を示し、図2は、燃料噴射システムに使用する燃料噴射弁の断面図を示す。
図1に示すように、4気筒ディーゼルエンジン(以下、エンジンという)9には、気筒毎に電磁駆動式の燃料噴射弁1が配置されている。これらの燃料噴射弁1は、燃料配管6aを介して各気筒共通のコモンレール2に接続されている。コモンレール2には、高圧ポンプ3が接続されている。高圧ポンプ3にはその吸入部に吸入調量弁3aが設けられている。吸入調量弁3aはフィードポンプ4を介して燃料タンク5に接続されている。
燃料タンク5内の燃料は、フィードポンプ4により汲み上げられるとともに、吸入調量弁3aにより調量されて高圧ポンプ3に吸入される。高圧ポンプ3に吸入された燃料は、コモンレール2に加圧供給され、高圧状態で蓄積される。
コモンレール2には、電磁駆動式の減圧弁7が設けられており、減圧弁7を開弁させることによってコモンレール2内の燃料が燃料タンク5に排出される。コモンレール2には、コモンレール2内の燃料圧力を検出する燃料圧センサ2aが設けられている。
電子制御装置(以下、ECUという)8は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータ8aや駆動回路8bなどから構成されるものである。ECU8には、燃料圧センサ2aの検出信号やエンジン回転速度およびアクセル操作量などの運転情報が逐次入力される。マイクロコンピュータ8aは、ROMに記憶された種々の制御プログラムを実行することにより、入力された都度の運転情報に基づいて燃圧制御や燃料噴射制御のエンジン9の運転に係る各種制御を行う。
また、ECU8は、上述の運転情報からだけではなく、排気系に設置されている図示しない各種センサや車両の走行状態を検出する図示しない各種センサから収集した情報に基づいて燃圧制御や燃料噴射制御を行う。
また、本実施形態では、マイクロコンピュータ8aと駆動回路8bとを一体化させたECU8にて各種制御を行っているが、マイクロコンピュータ8aと駆動回路8bとは別々に設けても良い。
燃圧制御では、マイクロコンピュータ8aはエンジン回転速度やアクセル操作量などの運転情報を取得するとともに、それらの運転情報に基づきコモンレール2内の目標燃料圧力を算出する。そして、燃料圧センサ2aからコモンレール2内の実燃料圧力を取得するとともに、目標燃料圧力と実燃料圧力との差から吸入調量弁3aの開度量を算出する。その後、駆動回路8bから算出した開度量に応じた駆動電流を吸入調量弁3aに通電し、吸入調量弁3aを開弁させる。
燃料噴射制御では、マイクロコンピュータ8aはエンジン回転速度やアクセル操作量などの運転情報を取得するとともに、それらの運転情報に基づいて最適な燃料噴射時期および噴射量を算出し、噴射時期および噴射量を算出する。その後、駆動回路8bから算出した噴射時期および噴射量に応じた駆動電流を燃料噴射弁1に通電し、燃料噴射弁1から算出した噴射時期で、かつ算出した噴射量の燃料を噴射させる。
その他、ECU8は、コモンレール2内の実燃料圧力が目標燃料圧力よりも高くなった場合に、減圧弁7を開弁させてコモンレール2内の燃料を排出する減圧制御を行う。
減圧制御では、マイクロコンピュータ8aは燃圧制御にて算出した目標燃料圧力を取得するとともに、燃料圧センサ2aよりコモンレール2内の実燃料圧力を取得する。そして、実燃料圧力が目標燃料圧力よりも所定以上高い場合に、減圧弁7を開弁してコモンレール2から排出する燃料の排出量を算出し、その排出量に応じた減圧弁7を開弁させる期間を算出する。その後、駆動回路8bから算出した当該期間に応じた駆動電流を減圧弁7に通電し、減圧弁7を開弁させる。
次に、燃料噴射弁1の具体的な一例を、図2を参照して説明する。燃料噴射弁1は、コモンレール2から分岐する燃料配管6aの下流端に接続されている(図1参照)。燃料噴射弁1は、コモンレール2から供給される高圧燃料を各気筒に噴射する。
図2に示すように、燃料噴射弁1は、ハウジング10の先端に形成されている噴孔22の開閉を制御する弁部材50と、弁部材50の開閉動作を制御する制御弁60を有する。
ハウジング10は、略棒状に形成されており、ノズルボデー20、およびボデー30から構成され、弁部材50を収容している。
ノズルボデー20は、軸方向に延びるニードル収容孔21を有する。収容孔21には、弁部材50の一部であるニードル51が収容される。収容孔21の底部には、収容孔21の内壁とノズルボデー20の外壁とを連通する噴孔22が形成され、噴孔22の上部には、ニードル51が離着座する弁座23が形成されている。
収容孔21は、ニードル51の弁座23に着座する側とは反対側の端部を軸方向に摺動可能に支持し、かつ、ニードル51を収容させたときに、ニードル51の側壁と収容孔21の内壁とによってコモンレール2内の高圧燃料を蓄積する燃料溜り室24が形成されるような形状となっている。燃料溜り室24は、ニードル51が弁座23から離座したときに、噴孔22と連通する。また、ノズルボデー20には、燃料溜り室24にコモンレール2内の高圧燃料を供給する高圧通路25が形成されている。
ボデー30は、一方の端部にノズルボデー20を支持するとともに、他方の端部に制御弁60を支持する。ボデー30とノズルボデー20とは、リテーニングナット11により接続され、ボデー30と制御弁60とは、固定部材12によって接続される。
ボデー30は、軸方向に延び、かつニードル収容孔21と連通するピストン収容孔31を有する。収容孔31には、弁部材50の一部であり、ニードル51と軸方向に一体となって移動するコマンドピストン52が収容される。コマンドピストン52は、収容孔31に摺動可能に支持されるピストン部53と、ピストン部53とニードル51との間に配置されるロッド部54とを有する。収容孔31には、コマンドピストン52の他に、コイルスプリング38が収容されている。コイルスプリング38は、ニードル51を閉弁方向(着座方向)に付勢する。
また、ボデー30には、燃料配管6aが接続される高圧ポート32から流入する高圧燃料を燃料溜り室24に供給する高圧通路33が形成されている。そして、ボデー30には、収容孔31に連通し、燃料噴射に使用されなかった余剰燃料を燃料噴射弁1の外部に排出するための低圧通路36が形成されている。低圧通路36は、低圧ポート35に連通している。低圧ポート35には、燃料タンク5に通じる燃料配管6bが接続されている(図1参照)。
ボデー30の上記他方の端部には、ピストン収容孔31と高圧通路33から分岐した分岐通路34が開口している。そして、この他方の端部には、内部に通路が形成された略円盤状のオリフィスプレート40が配置されている。
オリフィスプレート40には、板厚方向に貫通し、一方の端部がピストン収容孔31に連通するアウトオリフィス41と、一方の端部が分岐通路34に連通し、他方の端部がアウトオリフィス41に連通するインオリフィス42が形成されている。
これにより、ピストン収容孔31、コマンドピストン52のピストン部53、およびオリフィスプレート40によって圧力制御室37が形成される。この圧力制御室37には、常に、分岐通路34、インオリフィス42を介してコモンレール2内の高圧燃料が流入するようになっている。流入した高圧燃料は、ピストン部53に作用し、コマンドピストン52を閉弁方向に付勢する。
オリフィスプレート40のボデー30とは反対側の端部には、制御弁60が配置されている。制御弁60は、駆動回路8bから通電されることにより駆動する弁であって、圧力制御室37内の燃料圧力を制御し、コマンドピストン52の付勢力を制御する。
制御弁60は、バルブボデー61、制御弁部材70、およびソレノイド80から構成されている。バルブボデー61は、オリフィスプレート40のボデー30とは反対側の端部を支持するように配置され、中央部に軸方向に延びるガイド孔62が形成されている。バルブボデー61のオリフィスプレート40側の端部には、ガイド孔62と低圧通路36とを連通する通路63が形成されている。
制御弁部材70は、ソレノイド80に発生する磁気吸引力により駆動され、アウトオリフィス41を開閉する。制御弁部材70は、アーマチャ71と、ガイド孔62に軸方向に摺動可能に支持され、アウトオリフィス41を開閉する弁体部72を有する。
ソレノイド80は、ステータ81、コイル82、およびコイルスプリング83から構成されている。ステータ81は、アーマチャ71のボデー30側とは反対側に設けられ、コイル82を保持する。さらに、ステータ81の中央部には、コイルスプリング83が収容されている。コイルスプリング83は、一方の端部がアーマチャ71に支持され、他方の端部がステータ81の収容孔の底部に支持されている。コイルスプリング83は、制御弁部材70を、アウトオリフィス41を閉弁する方向に付勢する。
ステータ81には、コイル82に駆動回路8bから駆動電流が通電されることにより磁気吸引力が発生する。この磁気吸引力がコイルスプリング83の付勢力と、弁体部72に作用する圧力制御室37内の燃料圧力に応じた開弁方向の力との合力よりも上回るとアーマチャ71がステータ81に吸引され、アウトオリフィス41が開弁する。
これにより、圧力制御室37内の高圧燃料は、アウトオリフィス41を介して低圧通路36に排出され、圧力制御室37内の燃料圧力は低下する。その結果、コマンドピストン52の閉弁方向への付勢力が弱くなる。
コイル82への通電が停止されると、制御弁部材70は、コイルスプリング83によって閉弁方向に付勢され、アウトオリフィス41を閉弁する。これにより、圧力制御室37内の燃料圧力は再び上昇し、コモンレール2内の高圧燃料とほぼ同じ燃料圧力となる。その結果、コマンドピストン52の閉弁方向への付勢力は再び強くなる。
また、制御弁60をボデー30に固定する固定部材12には、燃料噴射弁1の噴射特性の個体差に関する情報を記憶するQRコード(登録商標)14を備えるプレート13が設けられている。これについては、後で説明する。本実施形態では、プレート13に個体差に関する情報を記憶するQRコード14を設けているが、固定部材12の表面に直接、QRコード14を設けるようにしても良い。
次に、ECU8に設けられている駆動回路8bについて説明するとともに、燃料噴射弁1の動作について説明する。図3は、燃料噴射弁1に通電する駆動電流を発生するECU8の駆動回路8bであり、図4は、駆動電流が燃料噴射弁1に通電されたときの駆動電流の電流波形と、制御弁部材70および弁部材50の動作と、圧力制御室37の圧力の状態と、噴射率の変化とを示すタイムチャートである。
図3に示すように、駆動回路8bは、マイクロコンピュータ8aとともにECU8内に設けられている。駆動回路8bは、充電回路部100、定電流回路部110、および気筒スイッチ素子120から構成されている。これら回路部100、110および気筒スイッチ素子120はマイクロコンピュータ8aにて制御される。
充電回路部100は、回路部100内に蓄えた高い電気エネルギーをコイル82に通電することにより、図4(a)に示すようにコイル82に通電する駆動電流の電流波形にピーク電流波形部150を形成する回路である。ピーク電流波形部150は、駆動電流の電流値の中で最も高い電流値を示すピーク電流Ipを有する(図4(a)参照)。
充電回路部100は、バッテリ140の電圧を昇圧する昇圧回路部101、および昇圧回路部101にて昇圧した電圧を充電するコンデンサ105などから構成されている。昇圧回路部101は、コイル102、およびスイッチ素子103を備えている。コイル102は、一端がバッテリ140に接続され、他端がスイッチ素子103に接続されている。スイッチ素子103は、抵抗104を介してグランドに接続されている。コンデンサ105は、ダイオードを介してスイッチ素子103と並列に接続されている。コンデンサ105のダイオード側の端子は、放電スイッチ素子130を介して燃料噴射弁1のコイル82に接続されている。
マイクロコンピュータ8aがスイッチ素子103を繰り返しオン/オフすると、コンデンサ105には、スイッチ素子103がオフされるたびに、コイル102に生じる逆起電力で充電され、コンデンサ105のダイオード側の端子にバッテリ140の電圧よりも高い電圧が発生する。
定電流回路部110は、コイル82に一定の電流を通電することにより、図4(a)に示すように駆動電流の電流波形に定電流波形部160を形成する回路である。定電流波形部160は、ピーク電流Ipよりも値が小さい定電流Itを有する(図4(a)参照)。
定電流回路部110は、スイッチ素子111を備える。スイッチ素子111は、一端がバッテリ140に接続され、他端がダイオードを介してコイル82に接続されている。マイクロコンピュータ8aがスイッチ素子111をデューティ制御することによりコイル82に一定の電流を通電することができる。
各燃料噴射弁1のグランド側には、各コイル82に駆動電流を通電するか否かを決定する気筒スイッチ素子120が設けられている。そして、各気筒スイッチ素子120のグランド側には、コイル82に通電される電流の値を計測する抵抗121が設けられている。
マイクロコンピュータ8aは、抵抗121に流れる電流を監視して、コイル82に流れる電流を予め定められた定電流Itとなるようにスイッチ素子111を制御する。
本実施形態における駆動回路8bは、コンデンサ105および定電流回路部110のスイッチ素子111を2組備えており、一方の組のコンデンサ105およびスイッチ素子111にて生成される駆動電流が、4つある燃料噴射弁1のうち、2つの燃料噴射弁1のコイル82に通電され、他方の組のコンデンサ105およびスイッチ素子111にて生成される駆動電流が、残りの燃料噴射弁1のコイル82に通電されるようになっている。
このように構成された駆動回路8bにおいて、マイクロコンピュータ8aは、コイル82に通電しない期間中、つまり、気筒スイッチ素子120をオフにしている期間中、スイッチ素子103を繰り返しオン/オフさせて、バッテリ140の電圧を昇圧し、コンデンサ105に充電する。
また、マイクロコンピュータ8aは、エンジン運転状態に基づき気筒スイッチ素子120をオンするタイミング、つまりコイル82に駆動電流を通電する通電開始タイミングを算出するとともに、気筒スイッチ素子120のオン期間、つまり通電期間を算出する。
そして、マイクロコンピュータ8aは、図4(a)に示すように、コイル82に通電すべき通電期間の間、気筒スイッチ素子120をオンするとともに、放電スイッチ素子130をオンする。これにより、駆動電流にピーク電流Ipを有するピーク電流波形部150を形成することができる。
本実施形態では、マイクロコンピュータ8aは、抵抗121に流れる電流を監視して、コイル82に通電される電流が予め定められたピーク電流Ipに達したら、放電スイッチ素子130をオフする。
ピーク電流Ipの調整は、上述した例に限らず、コンデンサ105に充電する電圧を放電したときに予め定められたピーク電流Ipとなるように目標電圧を定めてコンデンサ105の充電電圧を調整するようにしても良い。この場合、抵抗104に流れる電流を監視しながらコンデンサ105の充電電圧が目標電圧となるようにスイッチ素子103を制御する。
コンデンサ105に充電する際の充電電圧を調整することにより、放電したときコイル82に流れる電流の勾配を調整することができる。コンデンサ105の充電電圧を高くすれば、電流勾配は大きくなり、低くすれば、電流勾配は小さくなる。
また、抵抗104に流れる電流を監視して、コンデンサ105の充電電圧を調整し、かつ、放電するときのコイル82に流れる電流を抵抗121にて監視して、所定のピーク電流Ipに達したときに放電スイッチ素子130をオフするようにすれば、ピーク電流波形部150のピーク電流Ipとその電流勾配の両方を調整することも可能である。
そして、マイクロコンピュータ8aは、放電スイッチ素子130をオフした後、予め定められた定電流Itをコイル82に通電するように抵抗121に流れる電流を監視しながら、スイッチ素子111をデューティ制御する。これにより、駆動電流にピーク電流Ipよりも低い電流の定電流Itを有する定電流波形部160を形成することができる。
マイクロコンピュータ8aは、上記通電期間が経過すると、該当する気筒スイッチ素子120およびスイッチ素子111をともにオフする。
次に、図2および図4を参照しながら燃料噴射弁1の動作について説明する。コモンレール2内に蓄積されている高圧燃料は、高圧ポート32から高圧通路33および分岐通路34に流入する。高圧通路33に流入した高圧燃料は、高圧通路25を介して燃料溜り室24に流入し、分岐通路34に流入した高圧燃料は、インオリフィス42を介して圧力制御室37に流入する。燃料溜り室24に流入した高圧燃料は、ニードル51を開弁方向に付勢する。一方、圧力制御室37に流入した高圧燃料は、コマンドピストン52を閉弁方向に付勢する。また、ニードル51は、コイルスプリング38の付勢力により閉弁方向に付勢されている。
コイル82に駆動電流が通電されていない状態では、ステータ81にアーマチャ71を開弁方向に吸引する磁気吸引力が発生していないため、弁体部72は、コイルスプリング83の付勢力により、閉弁方向に移動しアウトオリフィス41を閉弁する。このため、圧力制御室37内の燃料圧力は、燃料溜り室24内の燃料圧力とほぼ同じとなる。コマンドピストン52は、この燃料圧力に応じた付勢力で閉弁方向に付勢される。
ニードル51には、燃料溜り室24内の燃料圧力に応じた開弁方向の力、コマンドピストン52を介して伝達される圧力制御室37内の燃料圧力に応じた閉弁方向の力、およびコイルスプリング38の付勢力による閉弁方向の力が作用している。
弁体部72がアウトオリフィス41を閉弁している状態では、閉弁方向の力が開弁方向の力より勝っているため、ニードル51は弁座23に着座し、燃料溜り室24と噴孔22とを遮断する。このため、燃料噴射弁1からは燃料が噴射されない。
図4(a)および(b)に示すように、制御弁部材70は、ピーク電流波形部150がコイル82に通電されてから期間a遅れて開弁方向にリフトし始める。詳細に説明すると、制御弁部材70には、コイルスプリング83による閉弁方向の力と、圧力制御室37内の燃料圧力に応じた開弁方向の力とが働いている。ピーク電流波形部150の通電初期では、ステータ81に発生する磁気吸引力は、制御弁部材70に働く上記合力よりも小さく、制御弁部材70を開弁方向にリフトさせることができない。コイル82に通電を開始してから磁気吸引力が上記合力を上回るまでには所定の時間を要するため、制御弁部材70は、期間a遅れて開弁方向にリフトし始める。
この期間aが経過した後、制御弁部材70は所定の速度で開弁方向にリフトする(これをリフト速度という)。このリフト速度は、ピーク電流波形部150のピーク電流Ipや電流勾配に依存する。ピーク電流Ipや電流勾配が大きければ大きいほど、リフト速度は速くなり、ピーク電流Ipや電流勾配が小さいほど、リフト速度は遅くなる。
一方、図4(a)に示すように、駆動回路8bからピーク電流波形部150が通電され、所定のピーク電流Ipとなった後は、駆動回路8bの放電スイッチ素子130がマイクロコンピュータ8aによってオフされ、定電流回路部110のスイッチ素子111がデューティ制御される。これにより、駆動電流は、ピーク電流波形部150から定電流波形部160に切り替わる。図4(a)に示すように、定電流波形部160の定電流Itは、ピーク電流Ipよりも小さくなっているが、制御弁部材70のリフトの状態を維持できる程度の値となっている。
制御弁部材70が1/3ほど開弁方向にリフトすると、圧力制御室37内の高圧燃料がアウトオリフィス41を介して低圧側に排出され始める。その結果、図4(c)に示すように、圧力制御室37内の燃料圧力は、アウトオリフィス41からの燃料流出量とインオリフィス42からの燃料流入量との差分に応じて徐々に低下する。
圧力制御室37内の燃料圧力が徐々に低下して、所定の燃料圧力となると、コマンドピストン52に働くニードル51を閉弁方向に付勢する力が弱まるため、ニードル51に働く開弁方向の力が閉弁方向の力を上回る。これにより、ニードル51は開弁方向に移動し始める(図4(d)参照)。
ところが、図4(d)に示すように、ニードル51が開弁方向にリフトし始める初期の状態では、ニードル51は弁座23から離座しない。これは、ニードル51が弁座23に着座している状態のとき、ニードル51に働く閉弁方向の力によりノズルボデー20がニードル51ともに閉弁方向に弾性変形したり、ニードル51の先端が弁座23に食い込んだりしているためである。このような状態から、ニードル51が開弁方向に移動すると、ニードル51は移動直後に弁座23から離座するのではなく、ノズルボデー20の弾性変形分、およびニードル51の先端が食い込んだ分、弁座23はニードル51とともに開弁方向に移動する。
図4(c)および(d)に示すように、圧力制御室37内の燃料圧力が、さらに低下して所定の燃料圧力まで達すると、ニードル51が弁座23から離座する。これにより、図4(e)に示すように、燃料溜り室24と噴孔22とが連通し、噴孔22から燃料溜り室24に供給されていた高圧燃料が噴射される。この燃料噴射は、少なくとも制御弁部材70が開弁状態を維持している間、行われる。
図4(c)に示すように、ニードル51がリフトすると圧力制御室37の燃料圧力は、アウトオリフィス41が開弁しているにもかかわらず上昇する。この現象は、ニードル51がリフトすることによりニードル51を上昇させる力を発生する、燃料圧力を受ける受圧面積が増加し、ニードル51を上昇させる力が増加するため、ニードル51、コマンドピストン54の動きを制御するための、荷重バランスが変化し、圧力制御室37の燃料圧力が高い順にシフトするためである。
本実施形態では、駆動電流の通電初期にピーク電流Ipを発生させ制御弁部材70を開弁向にリフトさせているので、通電開始タイミングから制御弁部材70がリフトし始めるまでの時間を極力短くすることができる。ひいては、ニードル51がリフトして噴孔22から燃料が噴射されるまでの時間を極力短くすることができる。
また、制御弁部材70のリフトし始めた後、ピーク電流Ipよりも低く、制御弁部材70のリフトの状態を維持できる程度の定電流Itを通電させるようにしているので、制御弁部材70のリフトの状態を維持できるとともに、ニードル51のリフトの状態を維持することができる。ひいては、燃料噴射弁1の電力消費量の増大を抑制することができる。
本実施形態の燃料噴射弁1では、このような過程を経て燃料が噴射されるため、図4(e)に示すようにコイル82に駆動電流が通電されてからニードル51がリフトし、噴孔22から燃料が噴射されるまでに所定の時間Δtを要する。以下、駆動電流の通電開始タイミングから噴孔22から燃料が噴射されるまでに要する時間Δtを噴射遅れ時間Δtという。
所定時間が経過し、駆動回路8bからの定電流波形部160の通電が終了すると、ステータ81には磁気吸引力がなくなるため、少し遅れて制御弁部材70がアウトオリフィス41を閉弁する。このため、圧力制御室37内の燃料圧力は、再び上昇し始める。
圧力制御室37内の燃料圧力が所定の圧力まで上昇すると、ニードル51に働く閉弁方向の力が開弁方向の力よりも上回るため、ニードル51は閉弁方向に移動し始める。その後、ニードル51は弁座23に着座するため、燃料溜り室24と噴孔22との連通が遮断され、噴孔22から高圧燃料の噴射が停止する。
次に、上述の噴射遅れ時間Δtについて説明する。エンジン9は、複数の燃料噴射弁1を搭載するため、各燃料噴射弁1の噴射遅れ時間Δtは極力同じであることが望ましい。ところが、同じように部品を製造し、組み付けた燃料噴射弁1であっても、各部品には、加工精度に起因する寸法誤差が発生する。
例えば、ステータ81に発生する磁気吸引力がばらついたり、コイルスプリング38、83のセット荷重がばらついたり、オリフィスプレート40の加工精度に起因する圧力制御室37の燃料圧力の降下速度がばらついたりする。これらのばらつきが積み重なることにより、燃料噴射弁1個々の噴射遅れ時間Δtにばらつきが発生する。
この燃料噴射弁1では、制御弁部材70の動作は、コイル82に駆動電流を通電させた際、ステータ81に発生する磁気吸引力や、コイルスプリング83の付勢力などに依存する。また、ニードル51の動作は、制御弁部材70が動作し圧力制御室37の燃料圧力の降下のタイミングや降下速度、またはコイルスプリング38の付勢力などに依存する。このことから、ニードル51の動作は、ステータ81に発生する磁気吸引力に依存しているといえる。
そこで、本実施形態では、噴射遅れ時間Δtを計測し、これに基づいてコイル82に通電する駆動電流の電流値を変化させることにより、ステータ81に発生する磁気吸引力を変化させ、個々の燃料噴射弁1の噴射遅れ時間Δtをある一定の範囲内に調整する。以下、この調整方法について詳細に説明する。
図5に、燃料噴射弁1個々の噴射遅れ時間Δtのばらつきを調整する手順を示す。まず、ステップS10において、燃料噴射弁1の噴射遅れ時間Δtを計測する。具体的には、図6に示す計測装置を使用して計測する。図6は、噴射遅れ時間Δtの計測装置を示し、図7は、その計測結果を示している。
図6に示すように、計測装置200は、圧力容器210、計測用ECU220、および解析用コンピュータ230などから構成されている。圧力容器210は、計測空間211が所定の圧力となるように構成されている。圧力容器210の外壁には歪みゲージ212が設けられている。歪みゲージ212は、解析用コンピュータ230に接続されている。
計測される燃料噴射弁1は、図6に示すように噴孔22が計測空間211内に収容されるように圧力容器210に配置される。また、その燃料噴射弁1には、計測用ECU220が接続されている。計測用ECU220の構成は図3に示すECU8とほぼ同じ構成となっており、ピーク電流波形部150および定電流波形部160を生成し、燃料噴射弁1のコイル82に所定のタイミングで通電する(図7(a)参照)。
解析用コンピュータ230は、歪みゲージ212から送られてくる燃料噴射弁1から燃料が噴射されたときの圧力容器210の歪みに応じた電気信号を受信し、計測空間211の圧力変化を図7(b)に示すようにグラフ化する。そして、解析用コンピュータ230は、図7(b)で示した圧力変化を微分し、図7(c)に示すように噴射率としてグラフ化する。また、燃料噴射量は、グラフ化した噴射率を積分することにより求めることができる。
解析用コンピュータ230は、計測用ECU220に対して燃料噴射弁1のコイル82に通電する駆動電流の電流値(ピーク電流Ipや定電流It)を変更するよう指示を出すことが可能となっている。計測用ECU220は、解析用コンピュータ230の指示により変更された駆動電流を生成し、燃料噴射弁1のコイル82に通電する。
ステップS10では、まず、初回に基準の駆動電流を燃料噴射弁1のコイル82に通電し、解析用コンピュータ230にて噴射率を計測し、噴射遅れ時間Δtを求める。図8は、このときの様子を示している。
図8(a)は、コイル82に通電する駆動電流の変化を示している。図中の実線が初回に通電する基準の駆動電流である。図8(b)は、制御弁部材70のリフトの変化を示している。図中の実線が基準の駆動電流をコイル82に通電したときの制御弁部材70のリフトの変化である。図8(c)は、噴射率の変化を示している。図中の実線は、基準の駆動電流を通電したときの噴射率であり、図中の破線は、規格に適合する燃料噴射弁の噴射率である。
ステップS10にて基準の駆動電流を通電したときの計測が完了したら、処理はステップS20に移行する。ここでは、ステップS10にて求めた噴射遅れ時間Δtが規格に適合する燃料噴射弁の噴射遅れ時間Δtと比較し、規格に適合するか否かを判定する。
噴射遅れ時間Δtが規格に適合していると判定されれば、処理はステップS40に移り、不適合と判定されれば、処理はステップS30に移る。以下、必要に応じて、規格に適合する噴射遅れ時間をΔtと表記し、計測される燃料噴射弁1の噴射遅れ時間をΔtaで表記する。
本実施形態では、図8(c)に示すように、計測される燃料噴射弁1の噴射遅れ時間Δtaは、規格に適合する燃料噴射弁の噴射遅れ時間Δtよりも長くなっている。このため、ステップS20では不適合と判定され、処理はステップS30に移る。
ステップS30では、噴射遅れ時間Δtaを噴射遅れ時間Δtに近づけるために、解析用コンピュータ230が計測用ECU220に対してピーク電流Ipを基準の駆動電流のピーク電流よりも高く設定するように指示を出す(図8(a)の一点鎖線を参照)。そして、処理をステップS10に戻す。
ステップS10では、ステップS30にて変更したピーク電流Ipを有する駆動電流を通電し、噴射遅れ時間Δtaを計測する。なお、ピーク電流Ipの変更についての具体的な方法は、図3および図4を用いて説明したように、駆動電流をコイル82に通電する際の抵抗121に流れる電流を監視し、変更後のピーク電流Ipに達したら放電スイッチ素子130をオフすればよい。
図8(a)、および(b)によれば、ステップS30にて駆動電流のピーク電流Ipを高くするように変更したので、ステータ81に発生する磁気吸引力が強まり、制御弁部材70のリフト速度が速くなる。このため、圧力制御室37内の燃料圧力が降下し始めるタイミングが早まり、ニードル51が弁座23から離座するタイミングもそれに伴って早まる。その結果、図8(c)の実線で示す噴射率は、破線で示す規格に適合する噴射率に近づく。
再びステップS20にて、ピーク電流Ip変更後の噴射遅れ時間Δtaを計測し、規格に適合するか否かを判定する。ステップS10からステップS30までの処理は、ステップS20にて噴射遅れ時間Δtaが規格に適合するまで繰り返し行われる。
ステップS40では、噴射量の調整が行われる。噴射量の調整は、駆動電流の通電期間によって調整することができる。つまり、気筒スイッチ素子120のオン時間を調整することにより調整する。調整終了後、処理はステップS50に移行する。
ステップS50では、ステップS10からステップS40にて得られた駆動電流のピーク電流Ipと通電期間に関する情報を燃料噴射弁1に設けるQRコード14に記憶させる。ここで、QRコードとは、図9に示す外観を有し、縦方向および横方向に情報を有する2次元コードの一種である。また、情報を記憶する媒体は、QRコード14に限らない。例えば、QRコード14とは別のデータシート(バーコードなど)であっても良いし、電気回路に使用する抵抗や、マイクロチップのようなものであっても良い。
ステップS60では、燃料噴射弁1をエンジン9に搭載する際、QRコード14から上記情報を読み取り、ECU8のマイクロコンピュータ8aに記憶させる。図9は、上記情報を読み取り、その情報をマイクロコンピュータ8aに記憶させる装置を示している。
図9に示すように、燃料噴射弁1に設けられたプレート13上のQRコード14をQRコードスキャナ300により読み込む。読み込んだ情報は、一旦、パーソナルコンピュータ310に取り込まれる。そして、パーソナルコンピュータ310は、取り込んだ情報をECU8のマイクロコンピュータ8aにて処理可能なデータに変化し、ECU8に出力する。このようにして、マイクロコンピュータ8aに噴射遅れ時間Δtのばらつきに関する情報が記憶される。
マイクロコンピュータ8aは、この情報に基づき、駆動電流のピーク電流Ipの目標値を基本のものから変更し、それに基づいて駆動回路8bを制御する。駆動回路8bの動作および燃料噴射弁1の動作については、図3および図4にて既に説明しているのでここでは説明を省略する。これにより、エンジン運転状態などにより算出された基本の通電開始タイミングを補正することなく、個々の燃料噴射弁1の噴射遅れ時間Δtのばらつきを抑制することができる。
本実施形態によれば、従来技術が行っていたエンジン運転状態などにより算出された基本の通電開始タイミングを個々の燃料噴射弁1の噴射遅れ時間Δtのばらつきに基づいて補正する方法を採用していない。その結果、マイクロコンピュータ8aの演算負担を増加させることなく、燃料噴射弁1個々の噴射遅れ時間Δtのばらつきを抑制することができる。
また、本実施形態では、通電開始タイミングが算出されるまでの時間を大幅に短縮することができるため、エンジン運転状態が加速時や減速時にあるような状態のとき、最適なタイミングで燃料噴射が行える。
また、本実施形態は、通電開始タイミングを変化させなくともよいため、1サイクル中に複数回燃料を噴射するような燃料噴射弁に適用すると効果的である。
1サイクル中に複数回燃料を噴射する場合、隣接する噴射の間隔は非常に短くなる。従来技術が採用した方法と同じようにマイクロコンピュータ8aが適切な噴射間隔とすべく、コイル82に通電する通電開始タイミングを補正すると、隣接する噴射の通電期間が重なってしまう可能性がある。本実施形態では、通電開始タイミングを固定することが可能となるため、上述したような問題を起こすことなく噴射間隔を適正なものとすることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第1実施形態と実質的に同一構成部分に同一符号を付し、説明を省略する。ここでは、第2実施形態の特徴的な部分についてのみ説明する。
第2実施形態では、図5に示す手順にて、図6に示す計測装置200を使用して駆動電流の調整を行う際、定電流波形部160の定電流Itを変更して噴射遅れ時間Δtを調整している。図10は、図6に示す計測装置200にて計測した結果と、駆動電流を調整するときの様子を示したものである。
図10(a)の実線は、初回に通電する基準の駆動電流を示し、一点鎖線は、調整時の駆動電流を示している。図10(b)の実線は、基準の駆動電流をコイル82に通電したときの制御弁部材70のリフトの変化を示し、一点鎖線は、図10(a)に示した調整時の駆動電流をコイル82に通電したときの制御弁部材70のリフトの変化を示している。図10(c)の実線は、基準の駆動電流をコイル82に通電したときの噴射率を示し、破線は、規格に適合する噴射率を示している。
ところで、圧力制御室37内の燃料圧力が低い場合には、制御弁部材70の弁体部72に作用する燃料圧力は低いため、制御弁部材70を開弁方向に補助する力が弱くなる。このため、制御弁部材70を開弁方向にリフトさせるべく、コイル82に駆動電流を通電し、ピーク電流波形部150から定電流波形部160に移ってもなお、制御弁部材70が最大リフトまで達していないことがある。
このようなとき、定電流波形部160の定電流Itを調整することにより、制御弁部材70のリフト速度を変更することができ、ひいては噴射率を図10(c)の破線に合わせることが可能となる。
図10に示す例では、図10(c)に示すように、コイル82に基準の駆動電流を通電したときに計測された噴射率(実線)が規格に適合する噴射率(破線)よりも遅れているので、図10(a)の一点鎖線に示すように、定電流波形部160のItを基準のもの(実線)に比べ高くしている(一点鎖線)。具体的には、抵抗121に流れる電流を監視しながら、所定の定電流Itとなるようにスイッチ素子111を制御する(図3を参照)。
定電流Itを高くすると、ステータ81に発生する磁気吸引力が、基準の駆動電流を通電した場合に比べ大きくなる。このため、制御弁部材70のリフト速度が速まり、ニードル51が弁座23からリフトするタイミングが速くなる。その結果、図10(c)に示すように、噴射遅れ時間Δtaが噴射遅れ時間Δtに近づく。
本実施形態では、定電流Itのみを変更して噴射遅れ時間Δtを調整しているが、定電流Itとともにピーク電流Ipを変更するようにしても良い。
制御弁部材70は、最大リフトに達した後は、そのリフト位置を維持すれば良い。つまり、噴射遅れ時間Δtの調整は、少なくともニードル51が弁座23から離座するまでの駆動電流を調整すれば良い。したがって、必ずしも第2実施形態のように変更した定電流Itを駆動電流の通電期間中、維持する必要がない場合もある。
具体的には、図11に示すように、定電流波形部160を定電流It、定電流It2の2段にしても良い。定電流It2は少なくとも制御弁部材70が開弁を維持できるだけの値となっている。これによれば、燃料噴射弁1の電力消費量を極力少なくすることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第1実施形態と実質的に同一構成部分に同一符号を付し、説明を省略する。ここでは、第3実施形態の特徴的な部分についてのみ説明する。
第3実施形態では、図5に示す手順にて、図6に示す計測装置200を使用して駆動電流の調整を行う際、ピーク電流波形部160の通電初期の電流勾配を変更して噴射遅れ時間Δtを調整している。図12は、図6に示す計測装置200にて計測した結果と、駆動電流を調整するときの様子を示したものである。
図12(a)の実線は、初回に通電する基準の駆動電流を示し、一点鎖線は、調整時の駆動電流を示している。図12(b)の実線は、基準の駆動電流をコイル82に通電したときの制御弁部材70のリフトの変化を示し、一点鎖線は、図12(a)に示した調整時の駆動電流をコイル82に通電したときの制御弁部材70のリフトの変化を示している。図12(c)の実線は、基準の駆動電流をコイル82に通電したときの噴射率を示し、破線は、規格に適合する噴射率を示している。
図12に示す例では、図12(c)に示すように、コイル82に基準の駆動電流を通電したときに計測された噴射率(実線)が規格に適合する噴射率(破線)よりも遅れているので、図12(a)の一点鎖線に示すように、駆動電流の通電初期の電流勾配を基準のもの(実線)に比べ大きくしている(一点鎖線)。具体的には、充電回路部100のコンデンサ105の充電電圧を基準のものよりも高めに設定することにより通電初期の電気勾配を大きくしている(図3を参照)。
通電初期の電流勾配を大きくすると、ステータ81に発生する磁気吸引力の変化速度が、基準の駆動電流を通電した場合に比べ大きくなる。このため、制御弁部材70のリフト速度が速まり、ニードル51が弁座23からリフトするときのタイミングが速くなる。その結果、図12(c)に示すように、噴射遅れ時間Δtaが噴射遅れ時間Δtに近づく。
本発明の第1実施形態による燃料噴射制御装置を使用した燃料噴射システムの全体構成を示す模式図である。 図1中の燃料噴射弁の断面図である。 燃料噴射制御装置の回路を示す模式図である。 燃料噴射弁の作動を説明するタイムチャートである。 噴射遅れ時間のばらつきを調整する手順を示すフローチャートである。 噴射遅れ時間のばらつきを調整する際に使用する計測装置の全体構成を示す模式図である。 上記計測装置が計測したデータを示す図である。 噴射遅れ時間の調整前後の駆動電流、制御弁部材、噴射率の変化を示すタイムチャートである。 噴射遅れ時間のばらつきに関する情報をECUに記憶させる装置の全体構成を示す模式図である。 本発明の第2実施形態による燃料噴射制御装置の噴射遅れ時間の調整前後の駆動電流、制御弁部材、噴射率の変化を示すタイムチャートである。 本発明の第2実施形態の変形例による燃料噴射制御装置の噴射遅れ時間の調整前後の駆動電流、制御弁部材、噴射率の変化を示すタイムチャートである。 本発明の第3実施形態による燃料噴射制御装置の噴射遅れ時間の調整前後の駆動電流、制御弁部材、噴射率の変化を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 燃料噴射弁、2 コモンレール、3 高圧ポンプ、4 フィードポンプ、5 燃料タンク、6a 燃料配管、6b 燃料配管、8 電子制御装置(ECU)、8a マイクロコンピュータ、8b 駆動回路、9 4気筒ディーゼルエンジン、10 ハウジング、11 リテーニングナット、12 固定部材、13 プレート、14 QRコード、20 ノズルボデー、22 噴孔、23 弁座、24 燃料溜り室、25 高圧通路、30 ボデー、32 高圧ポート、33 高圧通路、34 分岐通路、37 圧力制御室、38 コイルスプリング、40 オリフィスプレート、41 アウトオリフィス、42 インオリフィス、50 弁部材、51 ニードル、52 コマンドピストン、60 制御弁、61 バルブボデー、63 通路、70 制御弁部材、71 アーマチャ、72 弁体部、80 ソレノイド、81 ステータ、82 コイル、100 充電回路部、101 昇圧回路部、102 コイル、103 スイッチ素子、104 抵抗、105 コンデンサ、110 定電流回路部、111 スイッチ素子、120 気筒スイッチ素子、121 抵抗、130 放電スイッチ素子、140 バッテリ、150 ピーク電流波形部、160 定電流波形部、200 計測装置、210 圧力容器、211 計測空間、212 歪みゲージ、220 計測用ECU、230 解析用コンピュータ、300 QRコードスキャナ、310 パーソナルコンピュータ

Claims (11)

  1. 噴孔を開閉する弁部材、および前記弁部材の開閉動作を制御する電磁駆動部を有する燃料噴射弁と、前記電磁駆動部に駆動電流を通電させ、前記弁部材を開弁動作させて、エンジンに燃料を噴射する電子制御装置とを有する燃料噴射制御装置であって、
    前記電子制御装置は、
    前記エンジンの運転状態に応じて、前記駆動電流の通電開始タイミングを算出する演算手段と、
    前記燃料噴射弁個々の前記駆動電流の通電開始タイミングから前記弁部材が前記噴孔を開弁するまでの噴射遅れ時間のばらつきに関する情報を記憶する記憶手段と、
    前記情報に基づき前記駆動電流の電流値、または前記駆動電流の通電初期における電流勾配を変更する変更手段と、を備え
    前記変更手段により変更された前記駆動電流の電流値、または前記駆動電流の通電初期における電流勾配による前記電磁駆動部への通電を、前記演算手段によって算出された前記駆動電流の通電開始タイミングから開始することにより、噴射開始時期を規格内の噴射開始時期に補正することを特徴とする燃料噴射制御装置。
  2. 前記変更手段は、少なくとも前記通電開始タイミングから前記弁部材が前記噴孔を開弁するまでの前記駆動電流の前記電流値を変更することを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
  3. 前記電磁駆動部に通電される前記駆動電流の電流波形は、前記駆動電流通電初期に最大電流値となるピーク電流波形部と、前記ピーク電流波形部の後に形成され、前記最大電流値よりも低い定電流値にて前記弁部材の開弁状態を維持する定電流波形部とを有しており、
    前記変更手段は、前記ピーク電流波形部における前記最大電流値、または定電流波形部における前記定電流値のいずれか一方、または両方を変更することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料噴射制御装置。
  4. 前記変更手段は、一端が電源に接続され、他端が前記電磁駆動部に接続され、前記電源の電源電圧を昇圧し、コンデンサに充電し、前記駆動電流を通電開始するタイミングで前記コンデンサに蓄積した電荷を放電することにより、前記ピーク電流波形部を形成する充電回路部と、
    一端が電源に接続され、他端が前記電磁駆動部に接続され、前記コンデンサから電荷が放電された後、前記電源の電流を前記定電流値に調整し、前記電磁駆動部に通電することにより、前記定電流波形部を形成する定電流回路部と、を備えることを特徴とする請求項3に記載の燃料噴射制御装置。
  5. 前記充電回路部は、前記電源の電源電圧を昇圧し、前記コンデンサに充電する際の充電電圧値を調整することを特徴とする請求項4に記載の燃料噴射制御装置。
  6. 一端が電源に接続され、他端が前記電磁駆動部に接続され、昇圧した前記電源の電源電圧をコンデンサに充電する際の前記コンデンサの充電電圧を調整するとともに、前記駆動電流の通電初期において前記コンデンサに蓄積した電荷を放電することにより、前記駆動電流の通電初期における前記電流勾配を変更る電圧調整部を備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
  7. 前記記憶手段は、前記燃料噴射弁に設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置。
  8. 前記燃料噴射弁は、前記噴孔、前記噴孔に連通し、前記噴孔に高圧燃料を供給するとともに前記弁部材に燃料圧力を作用させ前記弁部材を開弁方向に付勢する高圧通路、前記弁部材の一部に前記高圧燃料を作用させ、前記弁部材を前記噴孔が閉弁する方向に付勢する前記高圧燃料を蓄積する圧力制御室、および前記圧力制御室と外部とを連通する低圧通路を有するハウジングと、
    前記駆動電流が通電されることで前記電磁駆動部に発生する駆動力によって動作し、前記低圧通路の連通、および遮断を切り換えることにより前記圧力制御室内の燃料圧力を調整し、前記弁部材の開閉動作を制御する制御弁部材と、を備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置。
  9. 噴孔を開閉する弁部材、および前記弁部材の開閉動作を制御する電磁駆動部を有する燃料噴射弁の前記電磁駆動部に駆動電流を通電させ、前記弁部材を開弁動作させて、エンジンに燃料を噴射する燃料噴射制御装置による燃料噴射弁の噴射特性調整方法であって、
    前記燃料噴射制御装置は、前記エンジンの運転状態に応じて、前記駆動電流の通電開始タイミングを算出し、前記電磁駆動部に前記駆動電流を通電する際、前記燃料噴射弁個々の前記駆動電流の通電開始タイミングから前記弁部材が前記噴孔を開弁するまでの噴射遅れ時間のばらつきに応じて、前記駆動電流の電流値、または前記駆動電流の通電初期における電流勾配を変更し、変更後の前記駆動電流の電流値、または前記駆動電流の通電初期における前記電流勾配による前記電磁駆動部への通電を、算出された前記駆動電流の通電開始タイミングから開始することにより、噴射開始時期を規格内の噴射開始時期に補正することを特徴とする燃料噴射弁の噴射特性調整方法。
  10. 前記変更手段は、少なくとも前記通電開始タイミングから前記弁部材が前記噴孔を開弁するまでの前記駆動電流の前記電流値を変更することを特徴とする請求項9に記載の燃料噴射弁の噴射特性調整方法。
  11. 前記電磁駆動部に通電される前記駆動電流の電流波形は、前記駆動電流通電初期に最大電流値となるピーク電流波形部と、前記ピーク電流波形部の後に形成され、前記最大電流値よりも低い定電流値にて前記弁部材の開弁状態を維持する定電流波形部とを有しており、
    前記変更手段は、前記ピーク電流波形部における前記最大電流値、または定電流波形部における前記定電流値のいずれか一方、または両方を変更することを特徴とする請求項9または10に記載の燃料噴射弁の噴射特性調整方法。
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