JP6164244B2 - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Description
本発明は、内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
車載等の内燃機関に設けられる電磁式の燃料噴射弁は、電磁ソレノイドへの通電に応じて開弁する弁体を備え、電磁ソレノイドの通電時間を変えることで燃料噴射量を調整可能に構成されている。燃料噴射弁の弁体は、全開位置に到達したときの衝突の反動で、全開に至った直後にバウンス運動をする。そして、このバウンス運動により、燃料噴射弁の噴射量にバラツキが生じる。弁体が全開に至るフルリフト噴射において、こうしたバウンス運動が噴射量精度に与える影響は、噴射量が少ないほど相対的に大きくなる。そのため、内燃機関の多くでは、特許文献1に見られるように、バウンス運動に起因した噴射量のバラツキが許容値以下となるように、燃料噴射弁の通電時間に下限(最小通電時間)を設けている。
一方、筒内噴射を行う内燃機関のように、フィードポンプが燃料タンクから汲み上げた燃料を高圧燃料ポンプにより加圧して燃料噴射弁に供給する内燃機関では、燃料噴射弁に供給する燃料の圧力(実燃圧)を、機関負荷等に応じて設定された目標燃圧に制御する燃圧制御が行われている。燃圧制御では、実燃圧を目標燃圧に近づけるように高圧燃料ポンプの燃料吐出量を調整する。また、燃圧制御における目標燃圧は、噴射1回当たりの要求噴射量が少ない低負荷時には、要求分の燃料の噴射に必要な通電時間(要求通電時間)が最小通電時間未満とならないように、高負荷時よりも低い圧力に設定されることがある。
ところで、車両減速時等の機関負荷の低下時には、燃料消費量が少なくなるため、高圧燃料ポンプの燃料吐出量を減らしても、実燃圧の低下に時間がかかることがある。一方、機関負荷の低下時には、要求噴射量も少なくなる。そのため、目標燃圧への実燃圧の低下が遅れた場合には、要求通電時間が最小通電時間未満となることがある。そうした場合、通電時間を最小通電時間に設定して燃料噴射が行われることになるが、実噴射量と要求噴射量とが乖離してしまうため、空燃比のずれが生じて燃焼が悪化する虞がある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、目標燃圧と実燃圧とが乖離したときの燃焼の悪化を抑えることのできる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することにある。
上記課題を解決する内燃機関の燃料噴射制御装置は、電磁式の燃料噴射弁に供給される燃料の圧力である実燃圧を目標燃圧に制御する燃圧制御部を備える。また、同燃料噴射制御装置は、噴射1回当たりの要求噴射量と実燃圧とに基づいて要求噴射量分の燃料噴射に必要な燃料噴射弁の通電時間を要求通電時間として演算するとともに、その要求通電時間に基づいて噴射毎の燃料噴射弁の通電時間を設定する通電時間設定部を備える。更に、同燃料噴射制御装置の通電時間設定部は、弁体を全開となるまで開弁させるために必要な燃料噴射弁の通電時間よりも長い時間に設定されたフルリフト最小通電時間に比して要求通電時間が短い場合に、通電時間の設定態様を切り換える切換処理を実行する。そして、通電時間設定部は、その切換処理を通じて、実燃圧と目標燃圧との偏差が規定値以上のときには、燃料噴射弁の通電時間の設定値として要求通電時間を設定し、実燃圧と目標燃圧との偏差が規定値未満のときには、燃料噴射弁の通電時間の設定値としてフルリフト最小通電時間を設定する。
燃料噴射弁の弁体が全開となったときのバウンス運動による燃料噴射量のバラツキを許容範囲内に抑えるには、燃料噴射弁の通電時間を、弁体を全開となるまで開弁させるために必要な時間よりも一定以上長くする必要がある。よって、噴射量精度の確保には、全開となるまで弁体を開弁させるために必要な燃料噴射弁の通電時間よりも長い時間(フルリフト最小通電時間)を下限として通電時間を設定することが望ましい。一方、低負荷時のような要求噴射量が少ないときにも、実燃圧を低下させて、要求噴射量分の燃料噴射に必要な通電時間をより長くすることで、通電時間をフルリフト最小通電時間以上とすることができる。よって、要求噴射量分の燃料噴射に必要な通電時間がフルリフト最小通電時間以上となるように燃圧制御を行えば、弁体のバウンス運動による燃料噴射量のバラツキを許容範囲内に抑えることができる。
ところが、機関負荷が急激に低下した場合などには、目標燃圧まで実燃圧が低下するのに時間がかかり、実燃圧と目標燃圧とが大きく乖離した状態となることがある。そうした場合、要求噴射量分の燃料噴射に必要な通電時間(要求噴射時間)がフルリフト最小通電時間を大幅に下回り、実噴射量が要求噴射量から大きくかけ離れてしまうことがある。そこで、上記燃料噴射制御装置における通電時間設定部は、要求通電時間がフルリフト最小通電時間未満となる場合の燃料噴射弁の通電時間の設定値として、実燃圧と目標燃圧との偏差が規定値未満のときにはフルリフト最小通電時間を、同偏差が規定値以上のときには要求通電時間をそれぞれ設定している。すなわち、通常は、フルリフト最小通電時間を下限として通電時間を設定することで、弁体のバウンス運動による燃料噴射量のバラツキを抑えつつも、要求通電時間がフルリフト最小通電時間を大きく下回ることがあるほど実燃圧と目標燃圧とが大きく乖離した場合には、フルリフト最小通電時間未満の通電時間の設定を許容して、要求噴射量と実噴射量との乖離を抑えるようにしている。したがって、上記内燃機関の燃料噴射制御装置によれば、目標燃圧と実燃圧とが乖離したときの燃焼の悪化を抑えることができる。
なお、弁体を全開となるまで開弁させるために必要な通電時間よりも短い時間に通電時間が設定されていれば、弁体のバウンス運動の影響を受けること無く燃料噴射を行うことができる。よって、弁体を全開となるまで開弁させるために必要な前記燃料噴射弁の通電時間よりも短い時間に設定されたパーシャルリフト最大通電時間に燃料噴射弁の通電時間が設定されたときの同燃料噴射弁の噴射量をパーシャルリフト最大噴射量としたとき、上記内燃機関の燃料噴射制御装置における通電時間設定部は、要求通電時間が上記パーシャルリフト最大噴射量以下となる場合には、上記のような切換処理を実行せずに、燃料噴射弁の通電時間の設定値として要求通電時間を設定することが望ましい。
以下、内燃機関の燃料噴射制御装置の一実施形態を、図1〜図5を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の燃料噴射制御装置が適用される内燃機関の燃料タンク11の内部には、フィードポンプ12が設けられている。フィードポンプ12は、燃料タンク11内の燃料を汲み出して低圧燃料通路13を通じて高圧燃料ポンプ14に送る。低圧燃料通路13には、燃料中の不純物を濾過するフィルタ15と、低圧燃料通路13を流れる燃料の圧力(フィード圧)が過大となったときに開弁して同通路13内の燃料を燃料タンク11にリリーフするプレッシャレギュレータ16とが設けられている。
図1に示すように、本実施形態の燃料噴射制御装置が適用される内燃機関の燃料タンク11の内部には、フィードポンプ12が設けられている。フィードポンプ12は、燃料タンク11内の燃料を汲み出して低圧燃料通路13を通じて高圧燃料ポンプ14に送る。低圧燃料通路13には、燃料中の不純物を濾過するフィルタ15と、低圧燃料通路13を流れる燃料の圧力(フィード圧)が過大となったときに開弁して同通路13内の燃料を燃料タンク11にリリーフするプレッシャレギュレータ16とが設けられている。
高圧燃料ポンプ14は、シリンダ17と、そのシリンダ17内に配置されたプランジャ18と、プランジャ18によりシリンダ17内に区画形成された加圧室19とを備える。プランジャ18は、内燃機関のカムシャフト20に設けられたカム21の回転に応じてシリンダ17に沿って往復動して、加圧室19の容積を変化させる。また、高圧燃料ポンプ14において低圧燃料通路13は、当該ポンプの加圧動作に伴う燃圧脈動を減衰させるパルセーションダンパ22に接続され、パルセーションダンパ22は、電磁スピル弁23を介して加圧室19に接続されている。電磁スピル弁23は、常開式の電磁弁であり、開弁時にはパルセーションダンパ22と加圧室19とを連通し、閉弁時にはそれらの連通を遮断する。更に高圧燃料ポンプ14において加圧室19は、その内部の燃料の圧力が所定の吐出圧以上となったときに開弁するチェック弁24を介して高圧燃料通路25に接続されている。そして、高圧燃料ポンプ14は、その高圧燃料通路25を介して高圧燃料配管26に接続されている。
高圧燃料配管26には、内燃機関10の各気筒の燃料噴射弁27が接続されている。燃料噴射弁27は、通電に応じて気筒内に燃料を噴射する電磁式の筒内噴射用燃料噴射弁となっている。また、高圧燃料配管26には、その内部の燃料の圧力(実燃圧Pf)を検出する燃圧センサ28と、燃圧が所定のリリーフ圧以上となったときに開弁して、高圧燃料配管26内の燃料を、ドレイン通路30を通じて燃料タンク11に戻すリリーフ弁29とが設けられている。
こうした内燃機関10において、高圧燃料ポンプ14の燃料の加圧動作は、以下の態様で行われる。なお、以下では、加圧室19の容積を拡大する方向へのプランジャ18の移動を同プランジャ18の下降といい、加圧室19の容積を縮小する方向へのプランジャ18の移動を同プランジャ18の上昇という。プランジャ18の下降中は、電磁スピル弁23への通電は停止されており、開弁した電磁スピル弁23を介して加圧室19が低圧燃料通路13に連通されている。この状態でプランジャ18が下降して加圧室19の容積が拡大すると、フィードポンプ12が燃料タンク11から汲み出した燃料が加圧室19内に吸引される。プランジャ18が下降から上昇に転じると、その上昇に応じて加圧室19の容積が縮小する。このとき、電磁スピル弁23への通電を停止した状態を続けると、加圧室19内の燃料は、開弁した電磁スピル弁23を通って低圧燃料通路13に戻される。一方、プランジャ18の上昇中に電磁スピル弁23への通電を開始すると、閉弁した電磁スピル弁23により低圧燃料通路13との連通が遮断されて加圧室19が外部から密閉される。そして、加圧室19の容積の縮小に応じてその内部の燃料の圧力が上昇するようになる。加圧室19内の圧力がチェック弁24の吐出圧に達すると、同チェック弁24が開弁して、加圧室19内の燃料が高圧燃料通路25に吐出される。プランジャ18が上昇から下降に転じると、電磁スピル弁23への通電が停止され、再び低圧燃料通路13の燃料の加圧室19への吸引が開始される。高圧燃料ポンプ14は、こうした燃料の吸引、吐出による加圧動作を繰り返すことで、高圧燃料配管26に高圧燃料を供給している。なお、こうした高圧燃料ポンプ14では、プランジャ18の上昇期間における電磁スピル弁23の通電開始時期を変更すると、加圧動作1回当たりの燃料吐出量が変更されるようになる。
以上のように構成された内燃機関10に適用される本実施形態の燃料噴射制御装置は、電子制御ユニット31を備える。電子制御ユニット31は、各種演算処理を行う中央演算処理装置、制御用のプログラムやデータが記憶された読出専用メモリ、中央演算処理装置の演算結果や外部のセンサの検出結果などを一時的に記憶する読書可能メモリ、外部からの信号を受信するための入力ポート、外部に信号を送信するための出力ポートを備える。電子制御ユニット31の入力ポートには、上述の燃圧センサ28に加え、クランク角センサ32、エアフローメータ33、アクセルペダルセンサ34などの各種センサの検出信号が入力されている。なお、クランク角センサ32は、内燃機関10のクランシャフトの回転角(クランク角)を検出し、エアフローメータ33は、内燃機関10の吸入空気量を検出する。また、アクセルペダルセンサ34は、運転者のアクセルペダルの踏込量を検出する。電子制御ユニット31は、それらのセンサの検出結果に基づいて、内燃機関10の回転数(機関回転数NE)や負荷(機関負荷KL)などを演算して求めている。そして、電子制御ユニット31は、その演算結果に基づき、燃圧制御や燃料の噴射量制御を行っている。
燃圧制御に際して電子制御ユニット31はまず、機関負荷KLなどに基づき、実燃圧Pfの目標値である目標燃圧Ptを演算する。目標燃圧Ptは基本的に、燃料消費量が少ない低負荷時には、低い圧力に設定される。そして、電子制御ユニット31は、燃圧センサ28による実燃圧Pfの検出値と目標燃圧Ptとの偏差に応じ、プランジャ18の上昇期間における電磁スピル弁23の通電開始時期を調整する。具体的には、電子制御ユニット31は、実燃圧Pfが目標燃圧Ptよりも低いときには、電磁スピル弁23の通電開始時期を早くして、高圧燃料ポンプ14の燃料吐出量を増大させる。また、電子制御ユニット31は、実燃圧Pfが目標燃圧Ptよりも高いときには、電磁スピル弁23の通電開始時期を遅くして、高圧燃料ポンプ14の燃料吐出量を減少させる。よって、燃料噴射弁27の燃料噴射量が定常の状態が続けば、実燃圧Pfが目標燃圧Ptとなった状態で、燃料噴射による燃料消費の量と高圧燃料ポンプ14からの燃料供給の量とがバランスされることになる。
一方、噴射量制御に際して電子制御ユニット31は、機関回転数NEや機関負荷KLなどに基づき、燃料噴射量の要求値である要求噴射量Qtや噴射開始時期を演算する。そして、電子制御ユニット31は、実燃圧Pfに基づき要求噴射量Qt分の燃料を噴射可能な燃料噴射弁27の通電時間(要求通電時間Tt)を演算して、噴射開始時期からその演算した通電時間が経過するまでの期間、燃料噴射弁27への通電を行う。
ところで、電磁式の燃料噴射弁27には、その構造上の問題により、噴射量のバラツキを抑制可能な噴射量に下限が存在する。本実施形態の燃料噴射制御装置では、その限界を超えた高精度の微量噴射を可能とするパーシャルリフト噴射技術を採用している。
図2に、燃料噴射弁27の断面構造を示す。同図に示すように、燃料噴射弁27のハウジング40内には、電磁ソレノイド41が設けられている。電磁ソレノイド41は、ハウジング40に固定された固定コア42と、その固定コア42の周囲に設けられた電磁コイル43と、固定コア42に隣接して設けられた可動コア44とを備える。可動コア44は、ハウジング40内において、図中上下方向に変位可能に設置されている。また、可動コア44には、弁体45が一体となって変位可能に連結されている。さらに、ハウジング40内には、可動コア44を固定コア42から離間する側(図中下側)に常時付勢するスプリング46が設けられてもいる。なお、ハウジング40内には、高圧燃料配管26から送られた高圧燃料が導入される燃料室49が形成されている。
一方、ハウジング40の先端部分(図中下側の端部分)には、弁体45の先端部分の周囲を囲むようにノズルボディ47が取り付けられている。ノズルボディ47の先端には、その内外を連通するスリット状の噴孔48が形成されている。
こうした燃料噴射弁27において、弁体45は、その先端がノズルボディ47に当接(着座)する全閉位置から可動コア44が固定コア42に当接する全開位置までの範囲で変位可能とされている。弁体45の先端がノズルボディ47から離床(リフト)すると、噴孔48が燃料室49に連通されて、燃料室49に導入された燃料が噴孔48を通じて外部に噴射される。一方、弁体45が全閉位置に変位して、ノズルボディ47に着座すると、噴孔48と燃料室49との連通が遮断されて、燃料噴射が停止される。なお、以下の説明では、全閉位置からの弁体45の変位量を、ノズルリフト量と記載する。
図3に示すように、通電時間に対して燃料噴射弁27の噴射量は、次のように変化する。通電が開始されると、若干遅れて弁体45のリフトが開始される。ここでは、弁体45のリフトの開始に必要な通電時間をリフト開始時間T0と記載する。通電時間がリフト開始時間T0を超えると、通電時間の増加に応じてノズルリフト量が次第に大きくなり、やがて弁体45は全開位置に到達するようになる。ここでは、弁体45を全開となるまで開弁させるために必要な通電時間を全開到達時間T1と記載する。リフト開始時間T0未満の通電時間の区間では、弁体45はリフトされないため、噴射量は「0」となる。リフト開始時間T0から全開到達時間T1までの通電時間の区間では、通電中にノズルリフト量が変化していくため、通電時間に対する噴射量の変化率は比較的大きくなる。全開到達時間T1以降の通電時間の区間では、ノズルリフト量が全開時の量に維持されるため、通電時間に対する噴射量の変化率は比較的小さくなる。なお、以下の説明では、弁体45が全開に至らないリフト開始時間T0から全開到達時間T1までの通電時間の区間を「パーシャルリフト(P/L)区間」と記載し、弁体45が全開に至った全開到達時間T1以降の通電時間の区間を「フルリフト(F/L)区間」と記載する。
また、同図に示すように、通電時間に対して燃料噴射弁27の噴射量のバラツキは、次のように変化する。リフト開始時間T0には、供給電圧のバラツキ等に起因したある程度のバラツキがあり、そのリフト開始時間T0のバラツキがP/L区間における噴射量のバラツキの要因となる。ただし、そうしたP/L区間における噴射量のバラツキは、噴射量の増加に応じて相対的に小さくなる。よって、噴射量のバラツキは、通電時間がリフト開始時間T0のときには非常に大きいが、通電時間が全開到達時間T1に近づくにつれ、次第に減少する。なお、弁体45が全開位置に到達した直後には、その到達時の固定コア42への可動コア44の衝突の反動により、弁体45がバウンス運動をし、ノズルリフト量の微小振動が発生する。そのため、通電時間が全開到達時間T1を超えると、噴射量のバラツキは一旦増加する。こうした弁体45のバウンス運動が噴射量のバラツキに与える影響は、噴射量の増加に応じて相対的に小さくなる。よって、通電時間が全開到達時間T1を超えてある程度よりも長くなると、噴射量のバラツキは再び減少するようになる。よって、全開到達時間T1よりも長い規定の時間(F/L最小通電時間Tfmin)以上に通電時間を設定して燃料噴射を行えば、噴射量のバラツキを許容値以下に抑えることができる。
一方、上述したように、P/L区間においても、F/L区間に入る直前の通電時間では、噴射量のバラツキは比較的小さくなっている。よって、電磁ソレノイド41の通電時間を、規定の時間(P/L最小通電時間Tpmin)以上、全開到達時間T1未満の範囲に設定して燃料噴射を行っても、噴射量のバラツキを許容上限値以下に抑えることができる。そこで、本実施形態の燃料噴射制御装置では、通電時間をP/L区間に設定しての、弁体45が全開に至らない微量の燃料噴射を、いわゆるパーシャルリフト噴射を必要に応じて実行する。なお、リフト開始時間T0と同様に、全開到達時間T1にもバラツキがあるため、そのバラツキを見込み、全開到達時間T1の想定値よりも若干短い時間をパーシャルリフト噴射における通電時間の上限値(P/L最大通電時間Tpmax)として設定している。
なお、以下では、噴射量のバラツキを許容値以下に抑えてパーシャルリフト噴射を実行可能なP/L最小通電時間TpminからP/L最大通電時間Tpmaxまでの通電時間の範囲を「P/L噴射可能範囲」と記載する。また、噴射量のバラツキを許容値以下に抑えてフルリフト噴射を実施可能なF/L最小通電時間Tfmin以上の通電時間の範囲を「F/L噴射可能範囲」と記載する。そして、P/L噴射可能範囲とF/L噴射可能範囲との間の、噴射量のバラツキが許容値を超える通電時間の区間、すなわちP/L最大通電時間TpmaxからF/L最小通電時間Tfminまでの区間を、「バウンス区間」と記載する。
図4に、高燃圧時及び低燃圧時の燃料噴射弁27の噴射量と通電時間との関係を示す。弁体45には、燃料室49内の燃料の圧力がそのリフトに対する抵抗として作用する。そのため、リフト開始時間T0やP/L最小通電時間Tpmin、P/L最大通電時間Tpmax、F/L最小通電時間Tfminは、実燃圧Pfが高いほど長くなる。そして、その結果、通電時間のバウンス区間も、実燃圧Pfが高いほど、通電時間が長くなる側に変化する。
なお、電子制御ユニット31は、上述の噴射量制御において、機関回転数NEや機関負荷KLなどに基づき要求噴射量Qtを演算している。このときの要求噴射量Qtの演算は、実燃圧Pfが現状の機関負荷KLにおける目標燃圧Ptとなった状態で要求通電時間Ttがバウンス区間外となるように行われている。ところが、車両減速時等の機関負荷KLの低下時には、燃料消費量が少なくなるため、目標燃圧Ptの低下に応じて高圧燃料ポンプ14の燃料吐出量を減らしても、実燃圧Pfの低下に時間がかかることがある。一方、機関負荷KLの低下時には、要求噴射量Qtも少なくなる。そのため、本来であれば、要求通電時間Ttがバウンス区間外となるように要求噴射量Qtの値が設定されていても、目標燃圧Ptへの実燃圧Pfの低下が遅れた場合には、要求通電時間Ttがバウンス区間に入ってしまうことがある。すなわち、実燃圧Pfが目標燃圧Ptよりも高い場合には、実燃圧Pfが目標燃圧Ptとなっている場合よりも、要求通電時間Ttは短くなり、またバウンス区間における通電時間の上限値であるF/L最小通電時間Tfminは長くなる。そのため、目標燃圧Ptへの実燃圧Pfの低下が遅れた状態では、要求通電時間TtがF/L最小通電時間Tfmin未満となってしまうことがある。こうした場合、燃料噴射弁27の通電時間の設定値として要求通電時間Ttをそのまま設定すると、噴射量精度の低下により、空燃比にずれが生じて燃焼が悪化する虞がある。そこで、本実施形態では、目標燃圧Ptと実燃圧Pfとが乖離したときの燃焼の悪化を抑えるため、下記態様で燃料噴射弁27の通電時間を設定するようにしている。
図5は、本実施形態の燃料噴射制御装置において燃料噴射弁27の通電時間を設定する際に実行される通電時間設定ルーチンのフローチャートを示している。本ルーチンの処理は、内燃機関10の運転中、電子制御ユニット31によって規定の制御周期毎に繰り返し実行される。
本ルーチンが開始されるとまずステップS100において、P/L最大噴射量Qpmaxが実燃圧Pfより算出される。P/L最大噴射量Qpmaxは、現状の実燃圧Pfにおいて通電時間をP/L最大通電時間Tpmaxとしたときの燃料噴射弁27の噴射量を表す。P/L最大噴射量Qpmaxの値は、電子制御ユニット31の読込専用メモリに記憶されたP/L最大噴射量算出用のマップを用いて算出される。このマップには、予め実験等で求められた実燃圧Pf毎のP/L最大噴射量Qpmaxの値が記憶されている。
続くステップS101では、要求噴射量QtがP/L最大噴射量Qpmaxを超えているか否かが判定される。すなわち、現状の実燃圧Pfにおける要求通電時間TtがP/L噴射可能範囲の上限値であるP/L最大通電時間Tpmaxを超えるか否かが判定される。
ここで、要求噴射量QtがP/L最大噴射量Qpmax以下であれば(S101:NO)、通電時間をP/L噴射可能範囲内に設定してのパーシャルリフト噴射によって、要求噴射量Qt分の燃料噴射を行うことが可能となる。このときには、ステップS105に処理が進められ、そのステップS105において、実燃圧Pf及び要求噴射量Qtより算出された要求通電時間Ttが燃料噴射弁27の通電時間の設定値として設定された後、今回の本ルーチンの処理が終了される。
一方、要求噴射量QtがP/L最大噴射量Qpmaxを超えている場合(S101:YES)には、ステップS102に処理が進められる。ステップS102に処理が進められると、そのステップS102において、F/L最小噴射量Qfminが実燃圧Pfより算出される。F/L最小噴射量Qfminは、現状の実燃圧Pfにおいて通電時間をF/L最小通電時間Tfminとしたときの燃料噴射弁27の噴射量を表す。F/L最小噴射量Qfminの値は、電子制御ユニット31の読込専用メモリに記憶されたF/L最小噴射量算出用のマップを用いて算出される。このマップには、予め実験等で求められた実燃圧Pf毎のF/L最小噴射量Qfminの値が記憶されている。
続くステップS103では、要求噴射量QtがF/L最小噴射量Qfmin未満であるか否かが判定される。すなわち、現状の実燃圧Pfにおいて、要求噴射量Qt分の燃料噴射に必要な燃料噴射弁27の通電時間がF/L最小通電時間Tfmin未満となるか否かが判定される。
ここで、要求噴射量QtがF/L最小噴射量Qfmin以上の場合(S103:NO)、通電時間をF/L噴射可能範囲に設定してのフルリフト噴射によって、要求噴射量Qt分の燃料噴射を行うことが可能となる。このときには、上述のステップS105において、実燃圧Pf及び要求噴射量Qtより算出された要求通電時間Ttが燃料噴射弁27の通電時間の設定値として設定された後、今回の本ルーチンの処理が終了される。
一方、要求噴射量QtがF/L最小噴射量Qfmin未満であれば(S103:YES)、要求噴射量Qt分の燃料噴射に必要な通電時間がバウンス区間内となる。この場合、ステップS104に処理が進められ、そのステップS104において、実燃圧Pfと目標燃圧Ptとの偏差(=Pf−Pt)が規定値α以上であるか否かが判定される。ここで、上記偏差が規定値α以上であれば(S104:YES)、上述のステップS105において、実燃圧Pf及び要求噴射量Qtより算出された要求通電時間Ttが燃料噴射弁27の通電時間の設定値として設定された後、今回の本ルーチンの処理が終了される。一方、上記偏差が規定値α未満であれば(S104:NO)、ステップS106に処理が進められる。そして、そのステップS106において、実燃圧Pf及びF/L最小噴射量Qfminより算出されたF/L最小通電時間Tfminが燃料噴射弁27の通電時間の設定値として設定された後、今回の本ルーチンの処理が終了される。なお、F/L最小通電時間Tfminは、現状の実燃圧Pfにおいて、F/L最小噴射量Qfmin分の燃料噴射に必要な燃料噴射弁27の通電時間であり、その値は、電子制御ユニット31の読込専用メモリに記憶されたF/L最小通電時間算出用のマップを用いて算出される。このマップには、予め実験等で求められた実燃圧Pf毎のF/L最小通電時間Tfminの値が記憶されている。
次に、以上のように構成された本実施形態の内燃機関の燃料噴射制御装置の作用を説明する。
上述したように、要求噴射量Qtの値は、実燃圧Pfが目標燃圧Ptとなった状態では、要求通電時間Ttがバウンス区間外となるように設定されている。ただし、実燃圧Pfと目標燃圧Ptとが乖離した状態では、要求通電時間Ttがバウンス区間内となって、噴射量精度の低下による燃焼の悪化を招く虞がある。F/L最小通電時間Tfminによりフルリフト噴射時の通電時間の下限ガードを行えば、すなわち要求通電時間TtがF/L最小通電時間Tfmin未満の場合、燃料噴射弁27の通電時間の設定値としてF/L最小通電時間Tfminを設定するようにすれば、通電時間がバウンス区間内となることは避けられる。ただし、そうした場合には、要求通電時間TtとF/L最小通電時間Tfminとの差に応じた分、噴射量が要求噴射量Qtからずれてしまう。そのため、要求噴射量QtとF/L最小噴射量Qfminとの差が、噴射量のバラツキにより生じ得る噴射量のずれよりも大きくなる場合には、上記のような通電時間の下限ガードの結果、噴射量精度が却って悪化することになる。
上述したように、要求噴射量Qtの値は、実燃圧Pfが目標燃圧Ptとなった状態では、要求通電時間Ttがバウンス区間外となるように設定されている。ただし、実燃圧Pfと目標燃圧Ptとが乖離した状態では、要求通電時間Ttがバウンス区間内となって、噴射量精度の低下による燃焼の悪化を招く虞がある。F/L最小通電時間Tfminによりフルリフト噴射時の通電時間の下限ガードを行えば、すなわち要求通電時間TtがF/L最小通電時間Tfmin未満の場合、燃料噴射弁27の通電時間の設定値としてF/L最小通電時間Tfminを設定するようにすれば、通電時間がバウンス区間内となることは避けられる。ただし、そうした場合には、要求通電時間TtとF/L最小通電時間Tfminとの差に応じた分、噴射量が要求噴射量Qtからずれてしまう。そのため、要求噴射量QtとF/L最小噴射量Qfminとの差が、噴射量のバラツキにより生じ得る噴射量のずれよりも大きくなる場合には、上記のような通電時間の下限ガードの結果、噴射量精度が却って悪化することになる。
一方、上述のように、実燃圧Pfが目標燃圧Ptよりも高くなるほど、要求噴射量Qt分の燃料噴射に必要な燃料噴射弁27の通電時間は短くなり、F/L最小通電時間Tfminは長くなる。よって、上記のような下限ガードの結果として噴射量精度が却って悪化する事態が発生するのは、実燃圧Pfと目標燃圧Ptとの乖離がある程度よりも大きいときに限られる。なお、上記通電時間設定ルーチンのステップS104での判定に使用される規定値αには、上記のような通電時間の下限ガードによる噴射量精度の悪化が生じ得る実燃圧Pfと目標燃圧Ptとの乖離量の最小値が設定されている。
これに対して、本実施形態の燃料噴射制御装置では、F/L最小噴射量Qfminに比して要求噴射量Qtが少ない場合、すなわちF/L最小通電時間Tfminに比して要求通電時間Ttが短い場合に、次のように通電時間の設定態様を切り換えている。すなわち、実燃圧Pfと目標燃圧Ptとの偏差が規定値α以上のときには要求通電時間Ttを、実燃圧Pfと目標燃圧Ptとの偏差が規定値α未満のときにはF/L最小通電時間Tfminを、それぞれ燃料噴射弁27の通電時間の設定値として設定している。そのため、上記のような下限ガードは、その結果として却って噴射量精度が悪化することがない場合に限り行われるようになる。
一方、本実施形態の燃料噴射制御装置は、パーシャルリフト噴射技術を採用しており、要求噴射量QtがP/L最大噴射量Qpmax以下の場合、すなわち要求通電時間TtがP/L最大通電時間Tpmax以下の場合には、パーシャルリフト噴射よる高精度の燃料噴射が可能である。そのため、要求噴射量QtがP/L最大噴射量Qpmax以下の場合には、上記のような実燃圧Pfと目標燃圧Ptとの偏差に応じた通電時間設定態様の切り換えを実行せずに、燃料噴射弁27の通電時間の設定値として要求通電時間Ttを設定している。
なお、こうした本実施形態では、電子制御ユニット31が燃圧制御部及び通電時間設定部に相当する構成となっている。また、図5の通電時間設定ルーチンにおけるステップS104での判定、及びその判定結果を受けてのステップS105及びステップS106での通電時間の設定に係る処理が、通電時間の設定態様を切り換える切換処理に該当する。
以上説明した本実施形態の内燃機関の燃料噴射制御装置によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、F/L最小通電時間Tfminに比して要求通電時間Ttが短い場合に、通電時間の設定態様を切り換える切換処理を実行している。この切換処理は、実燃圧Pfと目標燃圧Ptとの偏差が規定値α以上のときには、燃料噴射弁27の通電時間の設定値として要求通電時間Ttを設定し、同偏差が規定値α未満のときには、燃料噴射弁27の通電時間の設定値としてF/L最小通電時間Tfminを設定するように行われる。そのため、目標燃圧Ptと実燃圧Pfとが乖離したときの燃焼の悪化を抑えることができる。
(1)本実施形態では、F/L最小通電時間Tfminに比して要求通電時間Ttが短い場合に、通電時間の設定態様を切り換える切換処理を実行している。この切換処理は、実燃圧Pfと目標燃圧Ptとの偏差が規定値α以上のときには、燃料噴射弁27の通電時間の設定値として要求通電時間Ttを設定し、同偏差が規定値α未満のときには、燃料噴射弁27の通電時間の設定値としてF/L最小通電時間Tfminを設定するように行われる。そのため、目標燃圧Ptと実燃圧Pfとが乖離したときの燃焼の悪化を抑えることができる。
(2)本実施形態では、要求通電時間Ttが、P/L最大通電時間Tpmax以下となる場合、上記切換処理を実行せずに、燃料噴射弁27の通電時間の設定値として要求通電時間Ttを設定している。そのため、高精度の微量噴射を行うことが可能となる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・ステップS100においてP/L最大通電時間Tpmaxを算出し、ステップS101においてP/L最大通電時間Tpmaxに比して要求通電時間Ttが長いか否かを判定するように、図5の通電時間設定ルーチンを変更してもよい。
・ステップS100においてP/L最大通電時間Tpmaxを算出し、ステップS101においてP/L最大通電時間Tpmaxに比して要求通電時間Ttが長いか否かを判定するように、図5の通電時間設定ルーチンを変更してもよい。
・同様に、ステップS102においてF/L最小通電時間Tfminを算出し、ステップS103においてF/L最小通電時間Tfminに比して要求通電時間Ttが短いか否かを判定するように、図5の通電時間設定ルーチンを変更してもよい。
・図5の通電時間設定ルーチンにおけるステップS100及びステップS101の処理は、パーシャルリフト噴射を行わないのであれば割愛するとよい。
10…内燃機関、11…燃料タンク、12…フィードポンプ、13…低圧燃料通路、14…高圧燃料ポンプ(17…シリンダ、18…プランジャ、19…加圧室、22…パルセーションダンパ、23…電磁スピル弁、24…チェック弁)、15…フィルタ、16…プレッシャレギュレータ、20…カムシャフト、21…カム、25…高圧燃料通路、26…高圧燃料配管、27…燃料噴射弁(40…ハウジング、41…電磁ソレノイド、42…固定コア、43…電磁コイル、44…可動コア、45…弁体、46…スプリング、47…ノズルボディ、48…噴孔、49…燃料室)、28…燃圧センサ、29…リリーフ弁、30…ドレイン通路、31…電子制御ユニット(燃圧制御部、通電時間設定部)、32…クランク角センサ、33…エアフローメータ、34…アクセルペダルセンサ。
Claims (2)
- 電磁式の燃料噴射弁に供給される燃料の圧力である実燃圧を目標燃圧に制御する燃圧制御部と、噴射1回当たりの要求噴射量と実燃圧とに基づいて要求噴射量分の燃料噴射に必要な前記燃料噴射弁の通電時間を要求通電時間として演算するとともに、その要求通電時間に基づいて噴射毎の前記燃料噴射弁の通電時間を設定する通電時間設定部と、を備える内燃機関の燃料噴射制御装置において、
前記通電時間設定部は、弁体を全開となるまで開弁させるために必要な前記燃料噴射弁の通電時間よりも長い時間に設定されたフルリフト最小通電時間に比して前記要求通電時間が短い場合に、前記通電時間の設定態様を切り換える切換処理を実行し、その切換処理を通じて、前記実燃圧と前記目標燃圧との偏差が規定値以上のときには、前記燃料噴射弁の通電時間の設定値として前記要求通電時間を設定し、前記実燃圧と前記目標燃圧との偏差が規定値未満のときには、前記燃料噴射弁の通電時間の設定値として前記フルリフト最小通電時間を設定する
ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 前記弁体を全開となるまで開弁させるために必要な前記燃料噴射弁の通電時間よりも短い時間に設定されたパーシャルリフト最大通電時間に前記燃料噴射弁の通電時間が設定されたときの同燃料噴射弁の噴射量をパーシャルリフト最大噴射量としたとき、
前記通電時間設定部は、前記要求噴射量が前記パーシャルリフト最大噴射量以下となる場合、前記切換処理を実行せずに、前記燃料噴射弁の通電時間の設定値として前記要求通電時間を設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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