JP6504041B2 - ポンプ制御装置 - Google Patents

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Description

本開示は、圧送行程において燃料供給ポンプから燃料が圧送される圧送期間を調量弁で制御して圧送量を調量する燃料供給システムに適用されるポンプ制御装置に関する。
燃料タンクに蓄えられた燃料を加圧しコモンレールに圧送する燃料供給ポンプの圧送量を調量する場合、圧送行程において燃料供給ポンプから燃料が圧送される圧送期間を調量弁で制御して燃料供給ポンプの圧送量を調量する構成が知られている。
例えば、特許文献1に記載の技術では、コモンレール圧を目標圧力とするフィードバック量に基づいて調量弁に対する制御指令値を設定している。そして、フィードバック量の積分項を、燃料供給ポンプの搭載角度のずれ等により生じる角度誤差と、調量弁が開閉するときの応答時間のずれである時間誤差とに分離し、角度誤差と時間誤差とに基づいて調量弁に対する制御指令値を補正している。
特開2013−113135号公報
特許文献1におけるフィードバック量の積分項には、燃料供給ポンプの圧送量の変化等の性能変化、燃料噴射弁の噴射量誤差等が含まれる。したがって、フィードバック量の積分項の角度誤差から燃料供給ポンプの搭載角度のずれを高精度に求めることは困難である。
さらに、フィードバック制御で制御指令値を補正できる範囲よりも燃料供給ポンプの搭載角度のずれ等により生じる角度誤差が大きい場合、積分項の角度誤差から燃料供給ポンプの搭載角度のずれを求めることはできない。
本開示の一側面は、圧送行程において燃料供給ポンプから燃料が圧送される圧送期間を調量弁で制御する燃料供給システムにおいて、燃料供給ポンプの搭載角度のずれの大きさに関わらず搭載角度のずれを極力高精度に検出する技術を提供することを目的とする。
本開示の一態様は、カム(24)の回転により駆動されるプランジャ(26)の往復移動により加圧室(100)に吸入する燃料をエンジンに圧送する燃料供給ポンプ(20)の圧送量を、調量弁(30)に対する通電を制御することにより、圧送行程において燃料供給ポンプから燃料が圧送される圧送期間を制御して調量する燃料供給システムに適用されるポンプ制御装置(70)であって、圧力取得部(72、S402)と、角度検出部(74、S400、S404、S410〜S432)と、制御部(76、S408)と、を備えている。
圧力取得部は、燃料供給ポンプの燃料吸入側の燃料通路に設置される圧力センサから燃料通路の燃料圧力を取得する。角度検出部は、プランジャが往復移動することにより、圧力取得部が取得する燃料圧力に発生する圧力脈動に基づいて、プランジャの上死点と下死点とのうちの少なくとも一方の実角度を検出する。
制御部は、角度検出部が検出する実角度と、実角度に対応する上死点と下死点とのうちの少なくとも一方の目標角度との差に基づいて、調量弁に対する通電制御を補正する。
プランジャの往復移動により燃料供給ポンプの燃料吸入側に発生する圧力脈動は、プランジャの移動方向が変わるときに発生する。すなわち、プランジャが下降して下死点に達し上死点に向けて上昇するとき、ならびに、プランジャが上昇して上死点に達し下死点に向けて下降するときである。
したがって、燃料供給ポンプの燃料吸入側で圧力脈動が発生するタイミングに基づいて、プランジャの上死点と下死点とのうち少なくとも一方の実角度を検出することができる。燃料供給ポンプの搭載角度のずれである目標搭載角度に対する実搭載角度のずれの大きさは、プランジャの上死点と下死点とのうちの少なくとも一方の実角度と、実角度に対応する上死点と上死点とのうちの少なくとも一方の目標角度との差として算出できる。
そして、プランジャの上死点と下死点とのうちの少なくとも一方の実角度は、燃料供給ポンプの搭載角度のずれの大きさに関わらず、燃料供給ポンプの燃料吸入側に発生する圧力脈動の発生タイミングにより検出できる。
さらに、プランジャの往復移動により発生する圧力脈動は、プランジャの移動方向が変わる以外の要因では発生しない。
したがって、燃料供給ポンプの搭載角度のずれの大きさに関わらず、燃料供給ポンプの燃料吸入側に発生する圧力脈動に基づいて、燃料供給ポンプの搭載角度のずれを極力高精度に検出することができる。
尚、この欄および特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
本実施形態による燃料供給システムを示す構成図。 プランジャのリフト位置と圧力脈動との関係を示すタイムチャート。 ポンプ制御処理のメイン処理を示すフローチャート。 燃料供給ポンプの搭載角度の検出処理を示すフローチャート。
以下、本発明が適用された実施形態を図に基づいて説明する。
[1.構成]
図1に示す燃料供給システム10は、例えば、自動車用のディーゼルエンジン2に燃料を噴射供給するためのものである。以下、ディーゼルエンジンを単にエンジンとも言う。燃料供給システム10は、燃料タンク12と、フィードポンプ14と、燃料フィルタ16と、燃料供給ポンプ20と、コモンレール40と、燃料噴射弁50と、ECU70とを備えている。ECUはElectronic Control Unitの略である。
電動のフィードポンプ14は燃料タンク12の燃料を吸い上げ、燃料供給ポンプ20に供給する。燃料フィルタ16は、燃料供給ポンプ20の吸入側の燃料通路である燃料供給通路200に設置され、フィードポンプ14から燃料供給通路200を通って燃料供給ポンプ20に供給される燃料から異物を除去する。
圧力センサ18は、燃料供給ポンプ20の燃料吸入側である燃料フィルタ16と燃料供給ポンプ20との間の燃料供給通路200に設置され、燃料供給ポンプ20の吸入側の燃料供給通路200の燃料圧力を検出する。以下、圧力センサ18が検出する燃料供給ポンプ20の吸入側の燃料圧力をフィード圧とも言う。
燃料供給ポンプ20は、クランク軸により駆動されるカム軸22のカム24の回転に伴いプランジャ26が往復移動することにより、フィードポンプ14から加圧室100に吸入する燃料を加圧して圧送する。
燃料供給ポンプ20の吸入側の燃料供給通路200には、調量弁30が設置されている。調量弁30の閉弁タイミングは、ECU70により通電制御される。調量弁30は、通電しない状態で開弁する所謂ノーマリーオープンの電磁弁である。調量弁30は、圧送行程の所定タイミングで通電されて閉弁する。
燃料供給ポンプ20の圧送側には、加圧室100から燃料が流出することのみを許容し、燃料が高圧側であるコモンレール40から加圧室100に流入することを規制する逆止弁32が設けられている。
吸入行程において、調量弁30への通電は遮断されるので調量弁30は開弁状態である。調量弁30が開弁状態でプランジャ26が最も上昇する上死点から最も下降する下死点に向かって移動すると加圧室100の容積が増加して加圧室100の圧力が低下する。これにより、フィードポンプ14から供給される燃料が加圧室100に吸入される。
その後、プランジャ26が下死点から上死点に向かう圧送行程において、調量弁30に通電せず開弁状態を保持すると、加圧室100に吸入された燃料は、プランジャ26の上昇に伴って調量弁30から燃料排出通路210を通り燃料タンク12側に排出される。
圧送行程の途中で調量弁30に通電し所定の角度タイミングで調量弁30を閉弁すると、加圧室100内の燃料の加圧が開始される。加圧室100の圧力がコモンレール圧を超えると、加圧室100内の燃料が逆止弁32を経由してコモンレール40に圧送される。
調量弁30の通電開始タイミングを制御することにより、圧送行程において加圧室100の燃料が加圧されて燃料供給ポンプ20からコモンレール40に圧送される圧送期間が制御される。したがって、調量弁30の通電開始タイミングを制御することにより、燃料供給ポンプ20の圧送量を調量することができる。調量弁30を早く閉じれば圧送量は多くなり、調量弁30を遅く閉じれば圧送量は少なくなる。
尚、調量弁30に通電して閉弁させ、プランジャ26の上昇によって加圧室100の圧力が上昇すると、調量弁30への通電を遮断しても加圧室100の燃料圧力により調量弁30は閉弁状態に保持されるので、加圧室100の燃料は加圧される。したがって、プランジャ26が上死点に達するまで調量弁30への通電を継続する必要はない。
コモンレール40は、燃料供給ポンプ20から圧送される燃料を蓄圧する中空の部材である。コモンレール40には、コモンレール圧を検出する圧力センサ42、および、開弁することによりコモンレール40内の燃料を燃料タンク12側に排出してコモンレール圧を低下させる減圧弁44が設置されている。
燃料噴射弁50は、エンジン2の各気筒に設置されており、コモンレール40で蓄圧された燃料を気筒内に噴射する。燃料噴射弁50は、例えば、噴孔を開閉するノズルニードルのリフトを制御室の圧力で制御する公知の構成である。燃料噴射弁50の噴射量は、ECU70から指令される噴射指令信号のパルス幅によって制御される。噴射指令信号のパルス幅が長くなると噴射量が増加する。
ECU70は、CPUと、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリとを備えるマイクロコンピュータを中心に構成されている。ECU70の各機能は、CPUがROMまたはフラッシュメモリ等の非遷移的実体的記録媒体に記憶されているプログラムを実行することにより実現される。尚、ECU70を構成するマイクロコンピュータの数は一つでも複数でもよい。
ECU70は、CPUがプログラムを実行することで実現される機能の構成として、圧力取得部72と角度検出部74と制御部76とを備えている。ECU70を構成するこれらの要素を実現する手法は、ソフトウェアに限るものではなく、その一部または全部の要素を、論理回路やアナログ回路等を組み合わせたハードウェアを用いてもよい。
ECU70は、圧力センサ18、42、クランク角センサ60、水温センサ62、図示しないアクセル開度センサを含む各種センサ等から取り込んだ検出信号に基づき、燃料供給システム10の各種制御を実行する。クランク角センサ60は、エンジン回転角度を示すクランク角度を検出する。水温センサ62は、エンジン2の水温を検出する。
例えば、ECU70は、圧力センサ42が検出するコモンレール圧が目標圧力になるように燃料供給ポンプ20の圧送量を制御する。燃料供給ポンプ20の圧送量は、燃料供給ポンプ20の圧送期間を規定する調量弁30の閉弁開始タイミングで決定される。
ECU70は、調量弁30の閉弁開始タイミングを表わすクランク角度と燃料供給ポンプ20の圧送量との相関を表す特性マップを予め計測して設定している。ECU70は、この特性マップから取得する閉弁開始タイミングに基づいて調量弁30の通電開始タイミングを設定し、燃料供給ポンプ20の圧送量を調量する。
また、ECU70は、燃料噴射弁50に噴射を指令する噴射指令信号のパルス幅(T)と噴射量(Q)との相関を示す所謂TQマップを、コモンレール圧の所定の圧力範囲毎にROMまたはフラッシュメモリに記憶している。
ECU70は、エンジン回転数およびアクセル開度に基づいて燃料噴射弁50の噴射量が決定されると、圧力センサ42が検出したコモンレール圧に応じて該当する圧力範囲のTQマップを参照し、決定された噴射量に応じた燃料噴射弁50への噴射指令信号のパルス幅をTQマップから取得する。
前述したように、燃料供給ポンプ20の圧送量は、圧送行程において調量弁30に通電を開始するタイミングで決定される。調量弁30に通電を開始するタイミングは、クランク角度によって規定される。そして、圧送行程において燃料供給ポンプ20が圧送する圧送量は、調量弁30への通電開始タイミングからプランジャ26が上死点に達するまでの圧送期間で決定される。
しかし、燃料供給ポンプ20の目標搭載角度に対して実搭載角度にずれが存在すると、目標の圧送量となるクランク角度で調量弁30に通電を開始しても、搭載角度のずれのために上死点までの圧送期間がずれる。その結果、実際の圧送量が目標の圧送量からずれる。
ここで、燃料供給ポンプ20の搭載角度のずれの大きさは、プランジャ26の上死点と下死点とのうちの少なくとも一方の実角度と、実角度に対応する上死点と上死点とのうちの少なくとも一方の目標角度との差として検出できる。
そこで、本実施形態では、プランジャ26の上死点と下死点とのうち少なくとも一方の実角度を検出することにより、燃料供給ポンプ20の搭載角度のずれを検出する。
図2に示すように、プランジャ26が上死点に達してから下死点に向けて移動方向が変化すると、加圧室100の圧力が急激に低下するので加圧室100に圧力脈動が発生する。そして、この圧力脈動が燃料供給ポンプ20の燃料吸入側の燃料供給通路200に伝播してフィード圧に圧力脈動が発生する。
同様に、プランジャ26が下死点に達してから上死点に向けて移動方向が変化すると、加圧室100の圧力が上昇するので加圧室100に圧力脈動が発生する。そして、この圧力脈動が燃料供給ポンプ20の燃料吸入側の燃料供給通路200に伝播してフィード圧に圧力脈動が発生する。
燃料供給ポンプ20の燃料吸入側に発生する圧力脈動は圧力センサ18が検出する。圧力脈動が発生する開始タイミングが検出できれば、上死点および下死点の実角度を検出できる。以下、プランジャ26の移動方向が変化することにより発生する圧力脈動をプランジャ脈動ともいう。
ただし、プランジャ脈動が圧力センサ18に達するまでには、燃料供給ポンプ20と圧力センサ18との間の燃料供給通路200の長さに応じた伝播遅れが発生する。燃料供給ポンプ20と圧力センサ18との間の燃料供給通路200の長さが長いほど伝播遅れは大きくなる。伝播遅れは燃料性状によっても変化する。燃料性状は、ガソリン、軽油等の燃料の種類、ならびに燃料供給ポンプ20の燃料吸入側の燃料温度を表している。
燃料の種類は、使用する燃料に応じて予め設定されている。燃料吸入側の燃料温度は水温センサ62から推定される。
また、上死点に達したプランジャ26の移動方向が下死点に向けて変わるとき、調量弁30は閉弁している。調量弁30は、プランジャ26が上死点から下死点に向けて下降を開始し、加圧室100の圧力が低下すると開弁する。プランジャ26が閉弁状態から開弁を開始するまでには時間遅れがある。
したがって、プランジャ脈動から上死点の角度を検出するためには、燃料供給ポンプ20と圧力センサ18との間の燃料供給通路200の長さに応じた伝播遅れと燃料性状とに加え、プランジャ26が閉弁状態から開弁を開始するまでの時間遅れを考慮することが望ましい。
[2.処理]
ECU70が実行する燃料供給ポンプ20に対するポンプ制御処理を図3および図4のフローチャートに基づいて説明する。図3および図4のフローチャートにおいて「S」はステップを表している。
(1)メイン処理
図3のメイン処理は、エンジン2が始動を開始してから停止するまでの1トリップ中において、S406の判定がYesになるまで常時実行される。
図3のS400において、圧力取得部72は、燃料供給ポンプ20の搭載角度を検出する検出条件が成立しているか否かを判定する。検出条件は、エンジン回転数が、プランジャ脈動が消える前に次のプランジャ脈動が発生しない所定回転数以下であることである。所定回転数は、予め計測して設定されている。アイドル回転数は、エンジン回転数が所定回転数以下であることを満たしている。
S400の判定がYesであり検出条件が成立している場合、S402において圧力取得部72は、プランジャ脈動の開始タイミングを検出するために、圧力センサ18から所定の検出期間フィード圧を取得する。圧力取得部72は、プランジャ脈動の変化を検出できるサンプリングレートで圧力センサ18からフィード圧を取得する。
上死点と下死点とでプランジャ26の移動方向が変化するきにプランジャ脈動は発生するので、検出期間は、例えば180°CAに設定されている。さらに、検出期間の開始角度は、燃料供給ポンプ20の搭載角度の誤差を考慮し、正常な上死点または下死点の角度よりも所定角度前に設定されている。
S404の角度検出処理において角度検出部74は、圧力取得部72が取得するプランジャ脈動に基づいて、燃料供給ポンプ20の搭載角度を検出する。S404の処理の詳細は後述する。
S406において角度検出部74は、検出フラグがオンか否かを判定する。エンジン始動時において、検出フラグは初期値のオフに設定されている。検出フラグは、S404の角度検出処理において、燃料供給ポンプ20の搭載角度が検出できるとオンに設定される。検出フラグは、S404の角度検出処理において、燃料供給ポンプ20の搭載角度が検出できないとオフのままである。
S406の判定がYesであり、検出フラグがオンの場合、S408において、制御部76は、燃料供給ポンプ20の搭載角度のずれに基づいて、調量弁30に対する通電開始タイミングを補正する。
制御部76は、S404の角度検出処理で角度検出部74が検出するプランジャ26の上死点と下死点とのうちの少なくとも一方の実角度と、実角度に対応する上死点と上死点とのうちの少なくとも一方の目標角度との差として、搭載角度のずれを算出する。
(2)角度検出処理
図4のS410において、角度検出部74は、圧力取得部72が取得した検出期間のフィード圧をプランジャ脈動の変化を検出できる時間間隔毎に微分する。微分値が正であればフィード圧は上昇し、微分値が負であればフィード圧は低下していることを示している。
S412において角度検出部74は、後述するS430が実行されるか、あるいはS432の判定がYesになるまで、検出期間の開始タイミングからフィード圧の微分値を一つずつずらしながら、フィード圧の微分値を所定期間毎に順次積算する。所定期間は、微分値の積算値に基づいて、プランジャ脈動の上昇開始タイミングと下降開始タイミングとの少なくとも一方を検出できる期間を予め計測して設定されている。
S414において角度検出部74は、S412で積算した積算値が下死点を検出するための正の判定値以上であるか否かを判定する。S414の判定がNoであれば、処理はS422に移行する。
プランジャ26が下死点に達してから上昇を開始することにより発生する圧力脈動は、図2に示すように、まず上昇する。したがって、S414の判定がYesであり、積算値が正の下死点判定値以上であれば、プランジャ26が下死点に達してから上昇を開始することにより発生した圧力脈動であると判定できる。
S416において角度検出部74は、今回積算値を算出した所定期間の先頭のタイミングをプランジャ脈動の開始タイミングとして取得する。この開始タイミングは時間タイミングである。そして、S418において角度検出部74は、今回、取得した開始タイミングがマスク期間内か否かを判定する。
マスク期間は、調量弁30への通電開始から調量弁30の閉弁により発生する圧力脈動の脈動幅が所定値以下になるまでの期間である。以下、調量弁30の閉弁により発生する圧力脈動を調量弁脈動とも言う。
マスク期間は、調量弁脈動がプランジャ脈動に重なることにより、プランジャ脈動の開始タイミングを検出するためのS414およびS422の判定で誤判定を起こさない値に設定される。例えば、マスク期間は、調量弁30への通電開始により調量弁30に閉弁開始指令を行ってから調量弁脈動が消失し、調量弁脈動の振幅が0になるまでの期間である。
調量弁脈動が上死点を超える場合には、プランジャ26が上死点に達して下降することにより発生するプランジャ脈動と重なる可能性があるので、図2に示すマスク期間3のように、圧送行程の次の吸入行程までマスク期間が達することがある。
尚、調量弁30への通電開始タイミングに応じて、調量弁30への通電開始からプランジャ脈動が発生していると推定される期間を含む期間をマスク期間としてもよい。
S418の判定がYesであり、図2のマスク期間2のように、プランジャ脈動の開始タイミングがマスク期間内の場合、処理はS432に移行する。
S418の判定がNoであり、図2のマスク期間1のように、プランジャ脈動の開始タイミングがマスク期間から外れている場合、S420において角度検出部74は、プランジャ脈動の開始タイミングをプランジャ脈動の伝播遅れ時間に基づいて補正し、下死点の実角度を求める。
具体的には、角度検出部74は、プランジャ脈動の伝播遅れ時間をエンジン回転数に基づいてクランク角度に換算する。そして、時間タイミングであるプランジャ脈動の開始タイミングに対応する開始角度を、伝播遅れ時間をクランク角度に換算した値で補正することにより下死点の実角度を求める。伝播遅れ時間から角度への換算は、次式(1)により実行される。
角度=時間×(エンジン回転数/60)×360
=時間×エンジン回転数×6 ・・・(1)
S420の実行後、処理はS430に移行する。
S422において角度検出部74は、S412で積算した積算値が上死点を検出するための負の判定値以下であるか否かを判定する。S422の判定がNoであれば、処理はS432に移行する。
プランジャ26が上死点に達してから下降を開始することにより発生する圧力脈動は、図2に示すように、まず下降する。したがって、S422の判定がYesであり、積算値が負の上死点判定値以下であれば、プランジャ26が上死点に達してから下降を開始することにより発生した圧力脈動であると判定できる。
S424において角度検出部74は、今回積算値を算出した所定期間の先頭のタイミングをプランジャ脈動の開始タイミングとして取得する。この開始タイミングは時間タイミングである。そして、S426において角度検出部74は、今回、取得した開始タイミングが前述したマスク期間内か否かを判定する。
S426の判定がYesであり、図2のマスク期間3のように、プランジャ脈動の開始タイミングがマスク期間内の場合、処理はS432に移行する。
S426の判定がNoであり、図2のマスク期間1の次のプランジャ脈動のように開始タイミングがマスク期間から外れている場合、S428において角度検出部74は、プランジャ脈動の伝播遅れ時間と調量弁30の開弁遅れ時間とに基づいてプランジャ脈動の開始タイミングを補正して、上死点の実角度を求める。
具体的には、角度検出部74は、プランジャ脈動の伝播遅れ時間と調量弁30の開弁遅れ時間とをエンジン回転数に基づいてクランク角度に換算する。そして、時間タイミングであるプランジャ脈動の開始タイミングに対応する開始角度を、伝播遅れ時間と調量弁30の開弁遅れ時間とをクランク角度に換算した値で補正することにより、上死点の実角度を求める。
S428の実行後、処理はS430に移行する。
S430において、角度検出部74は、検出フラグをオンに設定する。
S414およびS422の判定がNoであるか、S418の判定またはS426の判定がYesの場合、S432において角度検出部74は、180°CAの検出期間のすべてで積算値を判定したか否かを判定する。
S432の判定がNoであり、まだ積算値を判定していない箇所が検出期間に残っている場合、処理はS412に移行する。S432の判定がYesであり、検出期間のすべてで積算値を判定した場合、本処理は終了する。この場合、検出フラグはオフのままである。
上記実施形態において、ECU70がポンプ制御装置の一例に相当する。また、上記実施形態において、S402が圧力取得部72としての処理の一例に相当し、S400、S404、S410〜S432が角度検出部74としての処理の一例に相当し、S408が制御部76としての処理の一例に相当する。
[3.効果]
以上説明した上記実施形態では、以下の(1)〜(4)の効果を得ることができる。
(1)プランジャ26の移動方向が上死点と下死点とで変化することにより発生するプランジャ脈動の開始タイミングに基づいて燃料供給ポンプ20の実搭載角度を検出する。これにより、目標搭載角度と検出した実搭載角度とのずれの大きさに関わらず、搭載角度のずれを検出できる。
(2)プランジャ脈動はプランジャ26の移動方向が上死点と下死点とで変化することにより発生し、他の要因では発生しない。したがって、プランジャ脈動の開始タイミングに基づいて燃料供給ポンプ20の実搭載角度を高精度に検出できる。
(3)フィード圧の検出期間の開始タイミングからフィード圧の微分値を一つずつずらしながらフィード圧の微分値を所定期間毎に積算した積算値により脈動の開始タイミングを判定するので、圧力センサ18が検出するフィード圧に含まれるノイズを相殺できる。
(4)調量弁30の閉弁により発生する調量弁脈動の発生期間をマスク期間としてマスクし、プランジャ脈動の開始タイミングを検出するので、プランジャ脈動の開始タイミングの誤判定を極力抑制できる。
[4.他の実施形態]
(1)図3のS400の検出条件として、エンジン回転数が所定回転数以下であることに加え、調量弁30への通電制御が停止していることを加えてもよい。また、図3のS400の検出条件として、エンジン回転数が所定回転数以下であることに代えて、調量弁30への通電制御が停止していることを採用してもよい。
調量弁30への通電制御が停止していることを検出条件とすることにより、調量弁脈動がプランジャ脈動に重なることを防止できる。調量弁30への通電制御は、減圧弁44を開弁させてコモンレール圧を低下させるときに停止される。
(2)上記実施形態では、フィード圧を微分した微分値を積算してプランジャ脈動の開始タイミングを検出した。これに対し、プランジャ26の移動方向が上死点と下死点とで変化することにより、フィード圧の微分値が所定範囲から外れることを判定して、プランジャ脈動の開始タイミングを検出してもよい。
(3)フィード圧にプランジャ脈動が発生していないときの目標圧から増加方向または低下方向に所定範囲を超えて変化することを判定して、プランジャ脈動の開始タイミングを検出してもよい。
(4)圧力取得部72が圧力センサ18からフィード圧を取得する場合、ローパスフィルタまたはハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタによりフィルタ処理を施してノイズを除去してもよい。この場合、フィルタ処理による位相遅れに基づいて、プランジャ脈動の開始タイミングを補正して燃料供給ポンプ20の搭載角度を検出することが望ましい。
(5)上記実施形態では、1トリップにおいて、上死点または下死点の一方でプランジャ26の移動方向が変化することにより発生するプランジャ脈動の開始タイミングに基づいて燃料供給ポンプ20の実搭載角度を検出すると、図1のメイン処理を終了した。
これに対し、1トリップにおいて、上死点と下死点との両方でプランジャ26の移動方向がそれぞれ変化することにより発生するプランジャ脈動の開始タイミングに基づいて、燃料供給ポンプ20の実搭載角度を検出してもよい。そして、1トリップにおいて、燃料供給ポンプ20の実搭載角度を検出すると、図1のメイン処理は終了する。
(6)上記実施形態における一つの構成要素が有する複数の機能を複数の構成要素によって実現したり、一つの構成要素が有する一つの機能を複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を一つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素が有する一つの機能を一つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加または置換してもよい。尚、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
(7)上述したポンプ制御装置の他、当該ポンプ制御装置を構成要素とする燃料供給システム、当該ポンプ制御装置としてコンピュータを機能させるためのポンプ制御プログラム、このポンプ制御プログラムを記録した記録媒体、ポンプ制御方法など、種々の形態で本発明を実現することもできる。
10:燃料供給システム、18:圧力センサ、20:燃料供給ポンプ、24:カム、26:プランジャ、30:調量弁、70:ECU(ポンプ制御装置)、72:圧力取得部、74:角度検出部、76:制御部、200:燃料供給通路(燃料通路)

Claims (6)

  1. カム(24)の回転により駆動されるプランジャ(26)の往復移動により加圧室(100)に吸入する燃料をエンジンに圧送する燃料供給ポンプ(20)の圧送量を、調量弁(30)に対する通電を制御することにより、圧送行程において前記燃料供給ポンプから燃料が圧送される圧送期間を制御して調量する燃料供給システムに適用されるポンプ制御装置(70)であって、
    前記燃料供給ポンプの燃料吸入側の燃料通路(200)に設置される圧力センサ(18)から前記燃料通路の燃料圧力を取得する圧力取得部(72、S402)と、
    前記プランジャが往復移動することにより、前記圧力取得部が取得する前記燃料圧力に発生する圧力脈動に基づいて、前記プランジャの上死点と下死点とのうちの少なくとも一方の実角度を検出する角度検出部(74、S400、S404、S410〜S432)と、
    前記角度検出部が検出する前記実角度と、前記実角度に対応する前記上死点と前記下死点とのうちの少なくとも一方の目標角度との差に基づいて、前記調量弁に対する通電制御を補正する制御部(76、S408)と、
    を備えるポンプ制御装置。
  2. 請求項1に記載のポンプ制御装置であって、
    前記角度検出部は、前記調量弁への通電が停止されているときに、前記圧力取得部が取得する前記燃料圧力に発生する圧力脈動に基づいて前記実角度を検出する、
    ポンプ制御装置。
  3. 請求項1または2に記載のポンプ制御装置であって、
    前記角度検出部(S400)は、エンジン回転数が、前記プランジャの往復移動により発生する前記圧力脈動が消える前に次の前記圧力脈動が発生しない回転数以下のときに、前記圧力脈動に基づいて前記実角度を検出する、
    ポンプ制御装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載のポンプ制御装置であって、
    前記角度検出部(S418、S426)は、通電制御による前記調量弁に対する閉弁開始指令から、前記調量弁が閉弁することにより前記燃料吸入側に発生する圧力脈動が消失するまでの期間、前記実角度を検出しない、
    ポンプ制御装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載のポンプ制御装置であって、
    前記角度検出部(S420、S428)は、前記燃料供給ポンプと前記圧力センサとの間の前記燃料通路の長さと燃料性状との少なくとも一方から決定される前記圧力脈動の伝播遅れに基づいて、前記実角度を補正する、
    ポンプ制御装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載のポンプ制御装置であって、
    前記角度検出部(S428)は、前記上死点の前記実角度を検出する場合、前記プランジャが前記上死点から下降することにより前記加圧室の圧力が低下して前記調量弁が開弁するまでの遅れ時間に基づいて前記上死点の前記実角度を補正する、
    ポンプ制御装置。
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