JP2013241904A - インジェクタの噴射量調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】インジェクタの噴射量調整方法において、噴射量調整精度の向上、及び調整時間を短縮することを目的とする。
【解決手段】本発明の噴射量調整方法では、調整対象インジェクタ間毎にパルス幅と噴射量を多点測定してパルス幅と噴射量との関係を求め、調整対象インジェクタ毎に傾きαを調整係数として算出している(S1、S2)。すなわち、調整対象インジェクタで測定した噴射特性から算出した傾きαを用いて、基準噴射量T0を得るために必要な必要パルス幅Taを把握しようとするものであるため、従来例のように基準噴射特性から算出した傾きαjを用いる場合と比較して、より精度よく必要パルス幅Taを把握することができる。そして、必要パルス幅Taで測定される噴射量が規格内でばらつくことがない。
【選択図】図3
【解決手段】本発明の噴射量調整方法では、調整対象インジェクタ間毎にパルス幅と噴射量を多点測定してパルス幅と噴射量との関係を求め、調整対象インジェクタ毎に傾きαを調整係数として算出している(S1、S2)。すなわち、調整対象インジェクタで測定した噴射特性から算出した傾きαを用いて、基準噴射量T0を得るために必要な必要パルス幅Taを把握しようとするものであるため、従来例のように基準噴射特性から算出した傾きαjを用いる場合と比較して、より精度よく必要パルス幅Taを把握することができる。そして、必要パルス幅Taで測定される噴射量が規格内でばらつくことがない。
【選択図】図3
Description
本発明は、エンジンに燃料を噴射供給するインジェクタの噴射量調整方法に関する。
従来より、インジェクタとして、噴孔を有する弁ボディと、軸方向に摺動自在に支持されて噴孔を開閉する弁体とを備え、ソレノイドコイルへの通電により弁体を電磁吸引して軸方向へ移動させ開弁するものがある(特許文献1参照)。
このインジェクタでは、ソレノイドコイルへの通電時間を制御して燃料噴射量を制御する。しかし、同じ通電時間でも噴射量が個体間で異なるため、インジェクタ毎に噴射量を規格内とするために必要な必要通電時間を設定することで、インジェクタ毎に噴射量を規格内に調整した後に出荷している。
なお、ソレノイドコイルへの通電信号がパルス信号の場合はパルス幅が通電時間に相当する。
このインジェクタでは、ソレノイドコイルへの通電時間を制御して燃料噴射量を制御する。しかし、同じ通電時間でも噴射量が個体間で異なるため、インジェクタ毎に噴射量を規格内とするために必要な必要通電時間を設定することで、インジェクタ毎に噴射量を規格内に調整した後に出荷している。
なお、ソレノイドコイルへの通電信号がパルス信号の場合はパルス幅が通電時間に相当する。
従来の調整方法として、以下に説明する方法がある。
まず、インジェクタを量産している場合における噴射性能の中央特性を有するインジェクタ(以下、基準インジェクタと呼ぶ)にて、パルス幅と噴射量の関係を直線近似する。基準インジェクタは例えば、基準パルス幅T0に対して規格内の噴射量である基準噴射量Q0を得る特性を有している。なお、この噴射量規格は、基準噴射量Q0を含む所定範囲として定められている。
そして、パルス幅―噴射量関係の傾きαjを調整係数として、調整対象のインジェクタの噴射量を規格内とするのに必要な必要パルス幅を設定する。
まず、インジェクタを量産している場合における噴射性能の中央特性を有するインジェクタ(以下、基準インジェクタと呼ぶ)にて、パルス幅と噴射量の関係を直線近似する。基準インジェクタは例えば、基準パルス幅T0に対して規格内の噴射量である基準噴射量Q0を得る特性を有している。なお、この噴射量規格は、基準噴射量Q0を含む所定範囲として定められている。
そして、パルス幅―噴射量関係の傾きαjを調整係数として、調整対象のインジェクタの噴射量を規格内とするのに必要な必要パルス幅を設定する。
この調整方法の流れを図6、図7を用いて詳細に説明する。
まず、調整対象のインジェクタに基準パルス幅T0を与えた場合の噴射量を測定する(S101)。そして、この測定噴射量Q5が規格内か否かを判定する(S102)。規格内(OK)である場合には、次工程へ進む(S103)。
まず、調整対象のインジェクタに基準パルス幅T0を与えた場合の噴射量を測定する(S101)。そして、この測定噴射量Q5が規格内か否かを判定する(S102)。規格内(OK)である場合には、次工程へ進む(S103)。
しかし、規格外(NG)の場合には、以下の手順で基準パルス幅を補正する。
まず、調整対象インジェクタにおいて、基準パルス幅T0の際の測定噴射量Q5と傾きαjとによって、調整対象インジェクタのパルス幅−噴射量関係を直線近似する(図7(a)参照)。この直線近似した調整対象インジェクタのパルス幅−噴射量関係を、調整対象インジェクタの仮噴射特性と呼ぶ。
まず、調整対象インジェクタにおいて、基準パルス幅T0の際の測定噴射量Q5と傾きαjとによって、調整対象インジェクタのパルス幅−噴射量関係を直線近似する(図7(a)参照)。この直線近似した調整対象インジェクタのパルス幅−噴射量関係を、調整対象インジェクタの仮噴射特性と呼ぶ。
そして、仮噴射特性から、基準噴射量Q0を得るのに必要なパルス幅と基準パルス幅T0との差分を補正量ΔTP1として算出し、補正量ΔTP1を用いて、調整対象インジェクタにおいて基準噴射量Q0を得るのに必要な必要パルス幅を設定する(S104)。なお、補正量ΔTP1は、ΔTP1=(Q0−Q5)/αjで算出できる。
そして、基準パルス幅T0に補正量ΔTP1を加算した補正後パルス幅Ta1(=T0+ΔTP1)を与えたときの噴射量Q6を測定する(S105)。そして、噴射量Q6が規格内か規格外かを判定する。規格内(OK)であれば調整は完了し、補正後パルス幅Ta1が必要パルス幅として設定される(S103)。
しかし、調整対象インジェクタの実際の噴射特性は、傾きαで直線近似された仮噴射特性とは異なるため、補正後パルス幅Ta1のパルス信号を出力しても、測定噴射量が基準噴射量Q0とはならず、S105の判定で規格外(NG)と判定されることがある。この場合、さらに、調整をする必要がある。すなわち、仮噴射特性から、規格内の基準噴射量Q0となるパルス幅とするための補正量ΔTP2を再度算出する(S106)。なお、補正量ΔTP2は、ΔTP2=ΔTP1+(Q0−Q6)/αjで算出できる。
そして、S107に示すように、補正量ΔTP2にて補正した補正後パルス幅Ta2(=T0+ΔTP2)を与えたときの噴射量Q7を測定し、噴射量Q7が規格内か規格外かを判定する。規格内(OK)であれば調整は完了し、補正後パルス幅Ta2が必要パルス幅として設定される(S103)。規格外(NG)の場合には、S106に戻り、補正量ΔTP2を算出しなおす。
しかし、上述のような従来の調整方法では、基準インジェクタの噴射特性から算出した傾きαjを調整係数として用いているが、調整対象のインジェクタの噴射特性は個体差のばらつきがあるため、規格内で噴射量がばらつき、噴射量調整精度を高くすることが困難となるという問題が生じる。また、調整を複数回繰り返す必要が生じ、調整に長時間を要するという問題が生じる。
そこで、本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、インジェクタの噴射量調整方法において、噴射量調整精度の向上、及び調整時間を短縮することにある。
本発明のインジェクタの噴射量調整方法は、噴孔を開閉する弁体を備え、ソレノイドコイルへの通電により弁体を駆動し、ソレノイドコイルへの通電時間によって噴射量が制御されるインジェクタに適用される。
この噴射量調整方法は、所定の規格内の噴射量である基準噴射量Q0を得るための通電時間が基準通電時間T0となる基準噴射特性を基に、調整対象のインジェクタの噴射量を規格内とするのに必要な必要通電時間Taを設定するものである。
この噴射量調整方法は、所定の規格内の噴射量である基準噴射量Q0を得るための通電時間が基準通電時間T0となる基準噴射特性を基に、調整対象のインジェクタの噴射量を規格内とするのに必要な必要通電時間Taを設定するものである。
調整方法は、測定工程、係数算出工程、判定工程、および補正工程を備える。
測定工程は、調整対象インジェクタにおいて、通電時間に対する噴射量を複数点測定する工程である。
係数算出工程は、測定工程にて測定した複数の測定点によって通電時間と噴射量との関係を直線近似し、直線近似した通電時間と噴射量との関係の傾きαを算出する工程である。
測定工程は、調整対象インジェクタにおいて、通電時間に対する噴射量を複数点測定する工程である。
係数算出工程は、測定工程にて測定した複数の測定点によって通電時間と噴射量との関係を直線近似し、直線近似した通電時間と噴射量との関係の傾きαを算出する工程である。
判定工程は、調整対象インジェクタの基準通電時間T0における測定噴射量Qxと、基準噴射量Q0とを比較し、測定噴射量Qxが規格内か否かを判定する工程である。
補正工程は、判定工程において規格外と判定された場合に、基準通電時間T0から必要通電時間Taまでの差分を補正量ΔTPとして、測定噴射量Qxと基準噴射量Q0との差ΔQおよび傾きαに基づいて算出する工程である。
補正工程は、判定工程において規格外と判定された場合に、基準通電時間T0から必要通電時間Taまでの差分を補正量ΔTPとして、測定噴射量Qxと基準噴射量Q0との差ΔQおよび傾きαに基づいて算出する工程である。
この噴射量調整方法によれば、調整対象インジェクタ毎に調整係数として傾きαを算出して調整を行っているため、従来の方法と比較して調整精度を高めることができ、且つ、調整時間を短縮することができる。
本発明を実施するための形態を以下の実施例により詳細に説明する。
〔実施例1の構成〕
実施例1のインジェクタ1の構成を、図1〜図4を用いて説明する。
本実施例のインジェクタ1は、例えば、コモンレール(図示せず)等の燃料供給源から高圧の燃料を受け入れてエンジンの各気筒内に噴射するものである。
実施例1のインジェクタ1の構成を、図1〜図4を用いて説明する。
本実施例のインジェクタ1は、例えば、コモンレール(図示せず)等の燃料供給源から高圧の燃料を受け入れてエンジンの各気筒内に噴射するものである。
インジェクタ1は、噴孔2を開閉するノズルニードル3(弁体)、ノズルニードル3に当接してノズルニードル3と一体的に移動するコマンドピストン4、ノズルニードル3を閉弁方向に付勢するスプリング5、ノズルニードル3を動作させるアクチュエータとしてのソレノイド装置6等を備える。
また、インジェクタ1は、ノズルニードル3に対し閉弁方向に燃料圧を作用させるための制御室10、制御室10へ燃料を流入させるための流入流路11、および、制御室10から燃料を流出させるための流出流路12を有する。
また、インジェクタ1は、ノズルニードル3に対し閉弁方向に燃料圧を作用させるための制御室10、制御室10へ燃料を流入させるための流入流路11、および、制御室10から燃料を流出させるための流出流路12を有する。
ここで、流入、流出流路11、12には、それぞれ、制御室10への燃料の流入を規制するINオリフィス13、制御室10からの燃料の流出を規制するOUTオリフィス14が設けられている。また、OUTオリフィス14は、INオリフィス13よりも燃料の通過抵抗が小さくなるように設けられている。
ノズルニードル3は、弁ボディ17に摺動自在に支持されて開弁方向または閉弁方向に移動する。また、ノズルニードル3は、弁ボディ17との間に、コモンレールから受け入れた高圧の燃料が溜まるノズル室18を形成し、ノズル室18に対して噴孔2を開閉する。なお、ノズル室18の燃料圧は、ノズルニードル3に対し開弁方向に作用する。
コマンドピストン4は、弁ボディ17に摺動自在に支持されて制御室10を封鎖する。これにより、制御室10は、コマンドピストン4の移動に応じて容積が可変され、制御室10の燃料圧は、コマンドピストン4を介してノズルニードル3に作用する。
なお、制御室10およびノズル室18から摺動隙間を経てリークした燃料は、スプリング5を収容するバネ室20に流入する。そして、バネ室20に流入した燃料は、制御室10から流出流路12を経て流出した動的リークに伴う燃料とともに、燃料タンクに戻される。
なお、制御室10およびノズル室18から摺動隙間を経てリークした燃料は、スプリング5を収容するバネ室20に流入する。そして、バネ室20に流入した燃料は、制御室10から流出流路12を経て流出した動的リークに伴う燃料とともに、燃料タンクに戻される。
ソレノイド装置6は、通電により吸引力を発生するソレノイドコイル22、吸引力を受けて一方側に移動するアーマチャ23、アーマチャ23を他方側に付勢するスプリング24、アーマチャ23の他端に保持されて制御室10を流出流路12に対して開閉する制御弁体25等を有する。
以上の構成により、ソレノイドコイル22に通電が開始されて吸引力が発生すると、アーマチャ23および制御弁体25が一方側に変位して制御室10が流出流路12に対して開放される。ここで、OUTオリフィス14の方がINオリフィス13よりも燃料が通過しやすいため、制御室10が流出流路12に対して開放されると、流入流路11から制御室10への燃料の流入量よりも、制御室10から流出流路12への燃料の流出量が大きくなって制御室10の燃料圧が低下する。このため、ノズルニードル3に作用する力は開弁方向に強くなり、ノズルニードル3が開弁方向に駆動されて噴孔2を開放し、燃料の噴射が開始される。
そして、ソレノイドコイル22への通電が停止されて吸引力が消滅すると、アーマチャ23および制御弁体25がスプリング24によって付勢されて他方側に変位する。そして、制御弁体25が着座位置に着座することで、制御室10が流出流路12に対して閉鎖される。これにより、制御室10から流出流路12への燃料の流出が止まり、流入流路11から制御室10への燃料の流入により制御室10の燃料圧が上昇する。このため、ノズルニードル3に作用する力は閉弁方向に強くなり、ノズルニードル3が閉弁方向に駆動されて噴孔2を閉鎖し、燃料の噴射が停止される。
以上の構成であるため、噴射量はソレノイドコイル22へ通電される通電時間によって制御される。しかし、インジェクタ1を量産する場合、同じ通電時間でも噴射量が個体間で異なるため、所定の通電時間における噴射量が予め設定されている規格内となるように調整する必要がある。なお、ソレノイドコイル22への通電信号はパルス信号であり、パルス幅が通電時間に相当する。
以下に、インジェクタ1の調整方法について説明する。
まず、調整方法を実施するための調整装置30について図2を用いて説明する。
調整装置30は、調整対象のインジェクタ(以下、調整対象インジェクタ1と呼ぶ)からの燃料噴射がされる圧力容器31と、調整対象インジェクタ1から噴射される噴射量を測定する流量計32と、流量計32から検出信号が入力されるとともに、流量計32からの検出信号に基づいてソレノイドコイル22への通電信号を生成する信号処理回路を有するECU33(電子制御装置)とを有している。
まず、調整方法を実施するための調整装置30について図2を用いて説明する。
調整装置30は、調整対象のインジェクタ(以下、調整対象インジェクタ1と呼ぶ)からの燃料噴射がされる圧力容器31と、調整対象インジェクタ1から噴射される噴射量を測定する流量計32と、流量計32から検出信号が入力されるとともに、流量計32からの検出信号に基づいてソレノイドコイル22への通電信号を生成する信号処理回路を有するECU33(電子制御装置)とを有している。
また、ECU33は、インジェクタ1を量産している場合における噴射性能の中央特性を有するインジェクタ(基準インジェクタ)にて測定された基準噴射特性が記憶されている。
基準噴射特性では、所定の規格内の噴射量である基準噴射量Q0を得るためのパルス幅が基準パルス幅T0となっている。なお、この噴射量規格は、基準噴射量Q0を含む所定範囲として定められている。
基準噴射特性では、所定の規格内の噴射量である基準噴射量Q0を得るためのパルス幅が基準パルス幅T0となっている。なお、この噴射量規格は、基準噴射量Q0を含む所定範囲として定められている。
噴射量調整方法は、基準噴射特性を基に、調整対象インジェクタ1の噴射量を規格内とするのに必要な必要パルス幅Taを設定するものであり、測定工程、係数算出工程、判定工程、および補正工程を備える。各工程の演算処理はECU33によって実施される。
測定工程(図3のS1)は、調整対象インジェクタ1において、パルス幅に対する噴射量を複数点測定する工程である。
すなわち、ソレノイドコイル22に所定のパルス幅で通電した場合に圧力容器31内で測定される噴射量を流量計32によって測定する作業を、パルス幅を変更して複数回行い、調整対象インジェクタ1の噴射量を多点サンプリングする。
すなわち、ソレノイドコイル22に所定のパルス幅で通電した場合に圧力容器31内で測定される噴射量を流量計32によって測定する作業を、パルス幅を変更して複数回行い、調整対象インジェクタ1の噴射量を多点サンプリングする。
例えば、図4に示すように、パルス幅T1、T2、T3でそれぞれ噴射量を測定している。なお、パルス幅T2は基準パルス幅T0と等しい時間であり、パルス幅T1は基準パルス幅T0の前であり、パルス幅T3は基準パルス幅T0の後である。
そして、パルス幅T1での測定噴射量Q1、パルス幅T2(基準パルス幅T0)での測定噴射量Q2、パルス幅T3での測定噴射量Q3がECU33に入力される。
そして、パルス幅T1での測定噴射量Q1、パルス幅T2(基準パルス幅T0)での測定噴射量Q2、パルス幅T3での測定噴射量Q3がECU33に入力される。
測定工程の後、図3のS2に示す係数算出工程に進む。
係数算出工程は、測定工程にて測定した複数の測定点によってパルス幅と噴射量との関係を直線近似し、直線近似したパルス幅と噴射量との関係の傾きαを算出する工程である。
図4に示すように、パルス幅T1、T2、T3での測定噴射量Q1、Q2、Q3から、パルス幅と噴射量との関係を直線近似し、その直線近似したパルス幅と噴射量との関係の傾きαを算出する。
係数算出工程は、測定工程にて測定した複数の測定点によってパルス幅と噴射量との関係を直線近似し、直線近似したパルス幅と噴射量との関係の傾きαを算出する工程である。
図4に示すように、パルス幅T1、T2、T3での測定噴射量Q1、Q2、Q3から、パルス幅と噴射量との関係を直線近似し、その直線近似したパルス幅と噴射量との関係の傾きαを算出する。
そして、係数算出工程の後、図3のS3に示す判定工程に進む。
判定工程は、調整対象インジェクタ1の基準パルス幅T0における測定噴射量Qxと、基準噴射量Q0とを比較し、測定噴射量Qxが規格内か否かを判定する工程である。
本実施例では、既に測定工程において、基準パルス幅T0と等しいパルス幅T2での測定噴射量Q2を得ているため、調整対象インジェクタ1の基準パルス幅T0における測定噴射量Qx=Q2として、測定噴射量Q2が規格内か否かを判定する。規格内(OK)である場合には、パルス幅T2を必要パルス幅Taとして、次工程へ進む(S4)。
判定工程は、調整対象インジェクタ1の基準パルス幅T0における測定噴射量Qxと、基準噴射量Q0とを比較し、測定噴射量Qxが規格内か否かを判定する工程である。
本実施例では、既に測定工程において、基準パルス幅T0と等しいパルス幅T2での測定噴射量Q2を得ているため、調整対象インジェクタ1の基準パルス幅T0における測定噴射量Qx=Q2として、測定噴射量Q2が規格内か否かを判定する。規格内(OK)である場合には、パルス幅T2を必要パルス幅Taとして、次工程へ進む(S4)。
しかし、S4で規格外(NG)の判定がされた場合には、S5に示す補正工程へ進む。
補正工程は、測定噴射量Qxと基準噴射量Q0との差ΔQおよび傾きαに基づいて必要パルス幅Taを把握するための工程であり、具体的には、必要パルス幅Taと基準パルス幅T0との差分を補正量ΔTPとして算出する工程である。
補正工程は、測定噴射量Qxと基準噴射量Q0との差ΔQおよび傾きαに基づいて必要パルス幅Taを把握するための工程であり、具体的には、必要パルス幅Taと基準パルス幅T0との差分を補正量ΔTPとして算出する工程である。
図4に示すように、直線近似したパルス幅と噴射量との関係から、補正量ΔTPは、
ΔTP=(Q0−Q2)/α
によって算出できる。
そして、基準パルス幅T0に補正量ΔTPを加算した補正後パルス幅を必要パルス幅Taとする。
ΔTP=(Q0−Q2)/α
によって算出できる。
そして、基準パルス幅T0に補正量ΔTPを加算した補正後パルス幅を必要パルス幅Taとする。
〔実施例1の作用効果〕
本実施例の噴射量調整方法によれば、調整対象インジェクタ1毎にパルス幅と噴射量を多点測定してパルス幅と噴射量との関係を求め、調整対象インジェクタ1毎に傾きαを調整係数として算出している。
すなわち、調整対象インジェクタ1で測定した噴射特性から算出した傾きαを用いて、基準噴射量T0を得るために必要な必要パルス幅Taを把握しようとするものであるため、従来例のように基準噴射特性から算出した傾きαjを用いる場合と比較して、より精度よく必要パルス幅Taを把握することができる。そして、必要パルス幅Taで測定される噴射量が規格内でばらつくことがない。
本実施例の噴射量調整方法によれば、調整対象インジェクタ1毎にパルス幅と噴射量を多点測定してパルス幅と噴射量との関係を求め、調整対象インジェクタ1毎に傾きαを調整係数として算出している。
すなわち、調整対象インジェクタ1で測定した噴射特性から算出した傾きαを用いて、基準噴射量T0を得るために必要な必要パルス幅Taを把握しようとするものであるため、従来例のように基準噴射特性から算出した傾きαjを用いる場合と比較して、より精度よく必要パルス幅Taを把握することができる。そして、必要パルス幅Taで測定される噴射量が規格内でばらつくことがない。
そして、調整対象インジェクタ1毎の噴射特性に基づいてS5の補正工程を実施しているため、S5で設定された必要パルス幅Taの際の測定噴射量Q4は確実に規格内に入る。このため、従来のように、再度補正工程を実施する必要はない。従って、調整時間を短縮することができる。
〔実施例2〕
実施例2の噴射量調整方法を、実施例1とは異なる点を中心に、図5を用いて説明する。
なお、実施例1と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
実施例2の噴射量調整方法を、実施例1とは異なる点を中心に、図5を用いて説明する。
なお、実施例1と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
本実施例では、S5の補正工程の後に、S5で設定された必要パルス幅Taの際の測定噴射量Q4が規格内か否かを判定する最終判定工程(S6)を備える。
実施例1の噴射量調整方法によれば、理想的には、必要パルス幅Taの際の測定噴射量Q4は確実に規格内に入るが、万が一、なにかしらの原因により、必要パルス幅Taの際の測定噴射量Q4が規格外になる場合もあるため、念のため最終的な判定をする工程を追加している。
実施例1の噴射量調整方法によれば、理想的には、必要パルス幅Taの際の測定噴射量Q4は確実に規格内に入るが、万が一、なにかしらの原因により、必要パルス幅Taの際の測定噴射量Q4が規格外になる場合もあるため、念のため最終的な判定をする工程を追加している。
〔変形例〕
調整対象インジェクタ1の噴射特性を計測する際の多点サンプリングの仕方は実施例のものに限らず、様々な態様をとり得る。
例えば、基準パルス幅T0を含まない多点をサンプリングしてもよい。
調整対象インジェクタ1の噴射特性を計測する際の多点サンプリングの仕方は実施例のものに限らず、様々な態様をとり得る。
例えば、基準パルス幅T0を含まない多点をサンプリングしてもよい。
1 インジェクタ
2 噴孔
3 ノズルニードル(弁体)
22 ソレノイドコイル
2 噴孔
3 ノズルニードル(弁体)
22 ソレノイドコイル
Claims (4)
- 噴孔(2)を開閉する弁体(3)を備え、ソレノイドコイル(22)への通電により前記弁体(3)を駆動し、前記ソレノイドコイル(22)への通電時間によって噴射量が制御されるインジェクタ(1)に適用され、所定の規格内の噴射量である基準噴射量Q0を得るための通電時間が基準通電時間T0となる基準噴射特性を基に、調整対象のインジェクタ(1)の噴射量を前記規格内とするのに必要な必要通電時間Taを設定するインジェクタの噴射量調整方法であって、
前記調整対象のインジェクタ(1)において、前記通電時間に対する前記噴射量を複数点測定する測定工程(S1)と、
前記測定工程(S1)にて測定した複数の測定点によって前記通電時間と前記噴射量との関係を直線近似し、前記直線近似した通電時間と噴射量との関係の傾きαを算出する係数算出工程(S2)と、
前記調整対象のインジェクタ(1)の前記基準通電時間T0における測定噴射量Qxと、前記基準噴射量Q0とを比較し、前記測定噴射量Qxが前記規格内か否かを判定する判定工程(S3)と、
前記判定工程(S3)において規格外と判定された場合に、前記基準通電時間T0から前記必要通電時間Taまでの差分を補正量ΔTPとして、前記測定噴射量Qxと前記基準噴射量Q0との差ΔQおよび前記傾きαに基づいて算出する補正工程(S5)とを備えることを特徴とするインジェクタの噴射量調整方法。 - 請求項1に記載のインジェクタの噴射量調整方法において、
前記測定工程(S1)は、前記通電時間に対して前記噴射量が直線的に増加する範囲において、前記基準通電時間T0を含む複数点を測定することを特徴とするインジェクタの噴射量調整方法。 - 請求項2に記載のインジェクタの噴射量調整方法において、
前記測定工程(S1)は、前記基準通電時間T0の前後それぞれ少なくとも1点を含む複数点を測定することを特徴とするインジェクタの噴射量調整方法。 - 請求項1〜3のいずれか1つに記載のインジェクタの噴射量調整方法において、
前記補正工程(S5)で設定された前記必要通電時間Taにおける前記調整対象のインジェクタ1)の測定噴射量Q4が前記規格内か否かを判定する最終判定工程(S6)を備えることを特徴とするインジェクタの噴射量調整方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012116343A JP2013241904A (ja) | 2012-05-22 | 2012-05-22 | インジェクタの噴射量調整方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2012116343A JP2013241904A (ja) | 2012-05-22 | 2012-05-22 | インジェクタの噴射量調整方法 |
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2012
- 2012-05-22 JP JP2012116343A patent/JP2013241904A/ja active Pending
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