JP5260222B2 - 蓄圧式燃料噴射装置 - Google Patents
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Description
このような燃料噴射弁100において、燃料噴射時には、ソレノイドコイル15により、アーマチュア15a及び制御弁9が引き上げられ開くと、前記制御室32内がリークライン16に開放されて燃料通路14bをオープンにする。
これにより、燃料通路14aを通して燃料溜り5内に送られていた高圧燃料の圧力は、上記したように燃料通路14bがオープンになっているため、該高圧燃料の圧力が針弁2の下側から作用して、該針弁2をシート部5aから上方に離間させて該針弁2を開弁させる。そして、燃料溜り5内の高圧燃料は、シート部5aを通してノズル1の噴孔4からエンジンの燃焼室内に噴射される。
ここで、制御室内の燃料の圧力により発生する力は通常ある一定値に定まる。その場合、コマンドピストンが移動する加速度は、一般的な物理の式 F=m×a(ここで、F:力、m:質量、a:加速度)で示されるように、対象物体の質量mに依存する。
そこで、特許文献1(特開平9−42107号公報)には、コマンドピストンを、少なくとも制御室の油密が確保できる最小限の摺動部をなすコマンドピストンアウタ部と、それよりも小径で軽量の連結部をなすロッド部19とで形成することにより、コマンドピストンの重量を軽量にし、応答遅れをなくすようにした構成が開示されている。
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、コマンドピストンの加速度を大きくすることができ、燃焼性能を向上させることが可能な蓄圧式燃料噴射装置の燃料噴射弁を提供することを目的とする。
前記燃料噴射弁は、ノズル先端部に形成された噴孔を開閉する針弁と、該針弁と一体に往復動するコマンドピストンと、前記噴孔に連通した燃料溜りに前記燃料を供給する燃料通路と、前記コマンドピストンの背後に形成され前記燃料通路から分岐された燃料が導入される制御室と、制御弁を備えて前記制御室と外部との間を連通する燃料流出通路を開閉する制御弁ユニットとを備え、
前記制御弁ユニットにて前記流出通路を開放することにより前記針弁及び前記コマンドピストンをリフトさせて開弁し、前記燃料溜り内の燃料を前記噴孔から燃焼室内に噴射するように構成された蓄圧式燃料噴射装置の燃料噴射弁において、
前記制御弁ユニットがその上方に上部空間を介して配置されるとともに、
前記コマンドピストンの長さLcと径Dcの比がLc/Dc=5以下となるように該コマンドピストンを構成したことを特徴とする。
これにより、上部空間を有効利用でき、また装置の小型化が可能となる。
さらに、前記コマンドピストンの長さLcと前記針弁の長さLnの比がLc/Ln=1.5以下となるように前記コマンドピストンを構成したことを特徴とする。
このようにコマンドピストンを構成することにより、該コマンドピストンの加速度をより一層大きくすることが可能となる。
さらにまた、コマンドピストンの長さLcと針弁の長さLnの比がLc/Ln=1.5以下となるようにコマンドピストンを構成することにより、該コマンドピストンの加速度をより一層大きくすることが可能となる。
前記燃料噴射弁100は、先端部に燃料を噴射する噴孔4が形成されたノズル1を備えている。該ノズル1は、その内周に針弁2が往復摺動可能に嵌合されており、燃料の無噴射時には、該針弁2の先端部が該ノズル1のシート部5aに当接されることにより噴孔4が閉じた状態となり、燃料が燃料溜り5に貯留される。
前記ノズル1は、ノズル支持リング3により噴射弁本体7に固定されている。
前記制御室32は、前記コマンドピストン8の上部8bに臨んで形成されるとともに、インレットオリフィス13を通して後述する燃料通路14bに連通している。
前記燃料入口通路12の出口側は噴射弁本体7内にて2つに分岐される。この分岐された一方の通路は制御室32に通じる燃料通路14bで、他方の通路は針弁2が臨む燃料溜り5に通じる燃料通路14aである。
前記燃料通路14bは制御室32に連通しており、該制御室32はアウトレットオリフィス10を介してリークライン16に連通している。また、前記燃料通路14aは燃料溜り5を介して噴孔4に連通している。
燃料の無噴射時には、制御弁9が下方に位置して制御室32とリークライン16が閉じた状態にあり、制御室32内に保持された燃料の圧力、即ちコマンドピストン8と針弁2を下方に押し下げる圧力が、これらを押し上げる圧力よりも大となって、コマンドピストン8及び針弁2が下方に位置し、噴孔4を閉じている。
そこで本実施形態では、コマンドピストン8の加速度を大きくする構成として、該コマンドピストン8を以下のように構成する。
該コマンドピストン8の長さは、図1中、コマンドピストンの下部8aから上部8bまでの長さLcであり、この長さLcとコマンドピストンの径Dcの比がLc/Dc=5以下となるように構成する。
さらに好適には、前記コマンドピストン8の長さLcと前記針弁2の長さLnの比がLc/Ln=1.5以下となるようにコマンドピストン8を構成する。
図2(a)に示すように従来のコマンドピストンはLc/Dcが17〜20の範囲にあり、一方、本実施形態のコマンドピストンはLc/Dcが5以下であるため、本実施形態のコマンドピストンは従来に比べて加速度を約4倍にすることができる。
図3(b)を参照して、図4に示した従来の燃料噴射弁を用いて、針弁2の開弁開始時からフルリフト時(L=0.5mm)までの時間T2を実測した結果、時間T2は1.4msecであった。ここから速度、加速度を計算すると、速度V2=0.36(mm/msec)、加速度a2=0.25(mm/msec2)となった。
従って、上記図2に示したように、本実施形態の構成を採用することでコマンドピストン8の加速度を4倍にすることができるため、燃焼性能を向上させることが可能となった。
また、前記上部空間50を前記燃料通路14a、14bと連通させ、蓄圧器22に変わって該上部空間50を蓄圧手段(レール)として機能する蓄圧室としてもよい。これにより、上部空間50を有効利用でき、また装置の小型化が可能となる。
2 針弁
4 噴孔
7 噴射弁本体
8 コマンドピストン
9 制御弁
10 アウトレットオリフィス
13 インレットオリフィス
15s 制御弁ユニット
15 ソレノイドコイル
20 燃料タンク
21 高圧ポンプ
22 蓄圧器
50 上部空間
100 燃料噴射弁
Lc コマンドピストン長さ
Dc コマンドピストン径
Ln 針弁長さ
Claims (2)
- 高圧ポンプと、該高圧ポンプから吐出された燃料を蓄圧する蓄圧手段と、該蓄圧手段にて蓄圧された燃料が供給される燃料噴射弁と、を含む蓄圧式燃料噴射装置であって、
前記燃料噴射弁は、ノズル先端部に形成された噴孔を開閉する針弁と、該針弁と一体に往復動するコマンドピストンと、前記噴孔に連通した燃料溜りに前記燃料を供給する燃料通路と、前記コマンドピストンの背後に形成され前記燃料通路から分岐された燃料が導入される制御室と、制御弁を備えて前記制御室と外部との間を連通する燃料流出通路を開閉する制御弁ユニットとを備え、
前記制御弁ユニットにて前記流出通路を開放することにより前記針弁及び前記コマンドピストンをリフトさせて開弁し、前記燃料溜り内の燃料を前記噴孔から燃焼室内に噴射するように構成された蓄圧式燃料噴射装置の燃料噴射弁において、
前記制御弁ユニットの上方に上部空間を形成し、該上部空間を前記蓄圧手段として機能する蓄圧室として、該上部空間と前記燃料通路とを連通するとともに、
前記コマンドピストンの長さLcと径Dcの比がLc/Dc=5以下となるように該コマンドピストンを構成したことを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。 - 高圧ポンプと、該高圧ポンプから吐出された燃料を蓄圧する蓄圧手段と、該蓄圧手段にて蓄圧された燃料が供給される燃料噴射弁と、を含む蓄圧式燃料噴射装置であって、
前記燃料噴射弁は、ノズル先端部に形成された噴孔を開閉する針弁と、該針弁と一体に往復動するコマンドピストンと、前記噴孔に連通した燃料溜りに前記燃料を供給する燃料通路と、前記コマンドピストンの背後に形成され前記燃料通路から分岐された燃料が導入される制御室と、制御弁を備えて前記制御室と外部との間を連通する燃料流出通路を開閉する制御弁ユニットとを備え、
前記制御弁ユニットにて前記流出通路を開放することにより前記針弁及び前記コマンドピストンをリフトさせて開弁し、前記燃料溜り内の燃料を前記噴孔から燃焼室内に噴射するように構成された蓄圧式燃料噴射装置の燃料噴射弁において、
前記制御弁ユニットの上方に上部空間を形成し、該上部空間を前記蓄圧手段として機能する蓄圧室として、該上部空間と前記燃料通路とを連通するとともに、
前記コマンドピストンの長さLcと前記針弁の長さLnの比がLc/Ln=1.5以下となるように前記コマンドピストンを構成したことを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
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