JP5237427B2 - 蓄圧式燃料噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高圧ポンプから吐出され蓄圧器で蓄圧された高圧燃料を燃料噴射弁に供給し、該燃料噴射弁の弁体をリフトさせることにより高圧燃料をノズルの噴孔からエンジンの燃焼室内に噴射するように構成された蓄圧式燃料噴射装置の燃料噴射弁に関する。
ディーゼルエンジンなどに用いられる燃料噴射装置として、蓄圧式(コモンレール式)燃料噴射装置が知られている。蓄圧式燃料噴射装置は、高圧ポンプにより加圧された高圧燃料をコモンレール(蓄圧器)内にて所定の圧力に保持して蓄え、該コモンレール内に蓄えられた高圧燃料をエンジンの燃料噴射弁に送給し、該燃料噴射弁を電磁式アクチュエータを備えた制御弁で開閉制御することにより該燃料噴射弁からエンジンの燃焼室へ高圧燃料を噴射する構成を備えている。このような蓄圧式燃料噴射装置は、噴射圧力の高圧化を図りつつ噴射タイミング等の噴射条件を最適に制御可能で高精度の燃料噴射制御を可能としており、エンジンの高出力化、低燃費化、及びNOx排出量の抑制が図れることから、近年多く採用されてきている。
図7は、従来の蓄圧式燃料噴射装置の一例を示す断面図である。同図に示すように蓄圧式燃料噴射装置は、燃料タンク20からの燃料が順次送られる高圧ポンプ21と蓄圧器22と、該蓄圧器22から送給された高圧燃料が供給される燃料噴射弁100とから構成される。前記燃料噴射弁100は、先端部にノズル1が設けられ、ノズル先端には燃料を噴射する噴孔4が設けられている。ノズル1の内周には針弁2が往復摺動可能に嵌合されており、燃料の無噴射時に該針弁2の先端部がノズル1のシート部5aに当接して、高圧燃料が燃料溜り5に貯留される。前記ノズル1は、噴射弁本体7内に収納され、ノズル支持リング3を噴射弁本体7下部のネジ7aにねじ込むことにより、スペーサ6と共同にて噴射弁本体7に固定されている。
前記噴射弁本体7の中央の孔7bには、コマンドピストン8が往復摺動可能に嵌入されている。該コマンドピストン8の下部8aは前記針弁2の上端部に当接しており、これらは一体に往復動作する。該コマンドピストン8の下部8aと前記噴射弁本体7との間には、針弁ばね9aが介装され、該針弁ばね9aは、燃料の無噴射時においては、前記針弁2の先端部を前記ノズル1のシート部5aに圧接している。
高圧燃料を生成する高圧ポンプ21により、燃料タンク20内から吸入されて高圧に加圧された燃料は、蓄圧器22に導入され該蓄圧器22にて所定の高圧に保持されている。この高圧燃料は、燃料入口管12aを通してインレットコネクタ11の燃料入口通路12を通して前記噴射弁本体7内に導入されるようになっている。
該噴射弁本体7内においては、2つの燃料通路14a及び14bに分岐され、その一方である燃料通路14aは針弁2が臨む燃料溜り5に連通している。他方の燃料通路14bは、インレットオリフィス13を通して制御室32に連通している。該制御室32は、前記コマンドピストン8の上部8bに臨んで形成され、アウトレットオリフィス10を経てリーク通路16に連通している。
前記アウトレットオリフィス10はソレノイド弁装置15sにより開閉される。該ソレノイド弁装置15sは、ソレノイドコイル15及び制御弁9及び該制御弁9が固定されたアーマチュア15aによって構成され、前記ソレノイドコイル15により前記アーマチュア15a及び制御弁9が引き上げられると、制御弁9が開き前記制御室32内がリークライン16に開放される。
即ち、前記燃料噴射弁100において、燃料噴射時には、前記ソレノイドコイル15により、前記アーマチュア15a及び制御弁9が引き上げられ開くと、前記制御室32内がリークライン16に開放されて燃料通路14bをオープンにする。
これにより、前記燃料通路14aを通して燃料溜り5内に送られていた高圧燃料の圧力は、上記したように燃料通路14bがオープンになっているため、該高圧燃料の圧力が針弁2の下側から作用して、該針弁2をシート部5aから上方に離間させて該針弁2を開弁させる。
そして、燃料溜り5内の高圧燃料は、前記シート部5aを通して前記ノズル1の噴孔4からエンジンの燃焼室内に噴射される。
上記したように、燃料噴射弁100において燃料噴射期間中は、制御弁9をリフトさせることによってアウトレットオリフィス10から燃料を流出させ、制御室32内の圧力を低下させ、コマンドピストン8を上方にリフトさせていた。このとき、コマンドピストン8の位置は、制御室32内の圧力、即ち制御室32内に溜められた燃料がコマンドピストン8の上部8bを上方から押圧する圧力と、燃料溜り5内に溜められた燃料が針弁2を下方から押圧する圧力との圧力バランスによって決定される。
また、制御室32内の圧力降下の度合いは、インレットオリフィス13の径、アウトレットオリフィス10の径、及び制御弁9のリフト量に影響される。
このような燃料噴射弁を備えた構成として、特許文献1(特開平11−82220号公報)には、燃料噴射弁の制御弁のリフト特性を、リフト量の増大に応じて溢流通路(アウトレットオリフィス)の開口面積の変化率が大きくなるようにした構成が開示されている。これにより初期噴射率を小さく抑えつつ後期噴射率を大きく確保でき、且つスピル性能の向上を図っている。
特開平11−82220号公報
特許文献1等に記載される燃料噴射装置においては、噴射期間中のアウトレットオリフィスからの燃料流出は無駄な流出であり、インジェクタ効率を向上させる観点及び高圧ポンプの容量を小さくする観点から、極力最小限に抑えることが望まれている。
燃料噴射弁の迅速な開弁のためには、制御室内の圧力を素早く低下させる必要があり、この観点からアウトレットオリフィスの径は大きいほど好ましいとされる。しかしながら、アウトレットオリフィスの径が大きすぎると、開弁期間中に、インレットオリフィスから制御室へ燃料が流入し、そのまま制御室を通過してアウトレットオリフィスから流出する燃料量が多くなり、インジェクタ効率が低下してしまうという問題があった。
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、流出通路(アウトレットオリフィス)からの燃料流出を最小限に抑え、インジェクタ効率を向上させることが可能な蓄圧式燃料噴射装置の燃料噴射弁を提供することを目的とする。
そこで、本発明はかかる課題を解決するために以下の装置を提案する。
高圧ポンプから吐出され蓄圧器に蓄圧された燃料が供給される燃料噴射弁であって、 前記燃料噴射弁は、ノズル先端部に形成された噴孔を開閉する弁体と、前記噴孔に連通した燃料溜りに前記燃料を供給する燃料通路と、前記弁体の背後に形成され、前記燃料通路から分岐された燃料が流入通路を介して導入される制御室と、前記制御室内の燃料が流出する流出通路と、前記流出通路を開閉する制御弁と、を備え、前記制御室に導入された燃料の圧力で弁体を押圧して噴孔を閉じ、前記制御室から燃料を排出して圧力を低下させることにより噴孔を開くように構成された蓄圧式燃料噴射装置の燃料噴射弁において、
前記制御弁の先端に連結部を介して突起部が設けられ、該突起部は制御室内に位置し、該突起部は、前記制御弁が開いた状態にある時前記流出通路内に挿入され、該流出通路の流路面積を縮小するように形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、弁体がフルリフト状態にある期間は、突起部が流出通路に挿入されて燃料流出面積を縮小することにより流出通路からの燃料流出を最小限に抑えることができ、インジェクタ効率を向上させることが可能となる。また、高圧ポンプの動力低減、小型化も可能であり、延いてはエンジンの燃費向上を図ることができる。また、従来の燃料噴射弁に比べて流出通路の径を大きく設定することも可能であるため、制御室の圧力降下に要する時間を短縮化することが可能である。
さらに本発明では、弁体側ではなく制御弁側に突起部を設ける構成としているため、弁体の重量が増加することなく、該弁体の加速度を高く維持できる。
また、前記流出通路の開口面積と前記突起部の断面積に差をもたせ、前記突起部が前記流出通路に挿入された時、前記流出通路と前記突起部の隙間から所定量の燃料が流出し、前記制御室内の圧力が前記弁体をフルリフト状態に保持する圧力以下となるように、前記突起部の断面積を設定することを特徴とする。
これにより、制御室への燃料流入と流出のバランスを好適に保ち、弁体のフルリフト状態を安定的に保持することが可能となる。
また、前記流入通路の上流側に上流側開閉弁が設けられるとともに、前記流出通路の下流側に下流側開閉弁が設けられ、夫々の開閉弁が前記制御弁の動作に連動して開閉制御されることを特徴とする。
これにより、制御弁の開弁時には上流側開閉弁を閉とし、下流側開閉弁を開に制御することにより、すばやい制御室内の圧力降下を図り、弁体を迅速にリフトすることが可能である。また、制御弁の開弁期間中における燃料の無駄な流出を防止でき、インジェクタ効率を向上させることが可能である。
以上記載のごとく本発明によれば、弁体がフルリフト状態にある期間は、流出通路からの燃料流出を最小限に抑えることができ、インジェクタ効率を向上させることが可能となる。また、高圧ポンプの動力低減、小型化も可能であり、延いてはエンジンの燃費向上を図ることができる。
また、制御弁に突起部を設ける構成とすることにより、弁体の重量を増加させることなく、該弁体の加速度を高く維持できる。
さらにまた、制御室の上流側と下流側に夫々開閉弁を設け、制御弁と連動して開閉制御されるように構成することにより、制御に自由度が増し、適切な制御が可能となる。
本発明に係る燃料噴射装置の軸心線に沿う断面図である。 図1に示した燃料噴射弁における制御室近傍の要部拡大図で、(a)は燃料噴射弁(針弁)の閉弁時、(b)は開弁初期、(c)は開弁時の状態を示す図である。 参考例の燃料噴射弁における(A−1)制御弁リフト位置、(A−2)制御室圧、(A−3)針弁リフト位置の時系列変化を表したグラフと、比較例として従来の燃料噴射装置における(B−1)制御弁リフト位置、(B−2)制御室圧、(B−3)針弁リフト位置の時系列変化を表したグラフである。 本発明の第1実施形態に係る燃料噴射装置の軸心線に沿う断面図である。 図4の制御弁と突起部の拡大図である。 本発明の第2実施形態に係る燃料噴射装置の軸心線に沿う断面図である。 従来の燃料噴射装置の軸心線に沿う断面図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明に係る燃料噴射装置の軸心線に沿う断面図である。図1に示すように燃料噴射装置は、燃料供給源である燃料タンク20から燃料を汲み上げて所定圧力で送り出す高圧ポンプ21と、該高圧ポンプ21から供給される燃料を所定の供給圧力に蓄圧する蓄圧器(コモンレール)22と、該蓄圧器22と燃料入口管12aで接続された燃料噴射弁100と、を備えている。
前記燃料噴射弁100は、蓄圧器22から供給された高圧燃料をエンジンの燃焼室内に噴射する弁であり、以下のように構成される。
前記燃料噴射弁100は、先端部に燃料を噴射する噴孔4が形成されたノズル1を備えている。該ノズル1は、その内周に針弁2が往復摺動可能に嵌合されており、燃料の無噴射時には、該針弁2の先端部が該ノズル1のシート部5aに当接されることにより噴孔4が閉じた状態となり、燃料が燃料溜り5に貯留される。
前記ノズル1は筒状の噴射弁本体7内に収納され、ノズル支持リング3を該噴射弁本体7下部のネジ7aにねじ込むことにより、スペーサ6と共同にて噴射弁本体7に固定されている。
前記噴射弁本体7の中央の孔7bには、コマンドピストン8が往復摺動可能に嵌入されている。該コマンドピストン8の下部8aは前記針弁2の上端部に当接している。該コマンドピストン8と前記針弁2により弁体が形成され、これらは一体に往復動作する。該コマンドピストン8の下部8aと噴射弁本体7の間には針弁ばね9aが介装され、該針弁ばね9aは、無噴射時においては、針弁2の先端部をノズル1のシート部5aに圧接している。前記コマンドピストン9の上部8bの背後には制御室32が形成されている。
前記制御室32は、前記コマンドピストン8の上端部8cに臨んで形成されるとともに、インレットオリフィス13を通して後述する燃料通路14bに連通している。
前記噴射弁本体7の側部にはインレットコネクタ11が連結されており、該インレットコネクタ11内には燃料入口通路12が形成されている。該燃料入口通路12の入口側は、前記蓄圧器22から延設される燃料入口管12aに接続されている。
前記燃料入口通路12の出口側は噴射弁本体7内にて2つに分岐される。この分岐された一方の通路は制御室32に通じる燃料通路14bで、他方の通路は針弁2が臨む燃料溜り5に通じる燃料通路14aである。
前記燃料通路14bは制御室32に連通しており、該制御室32はアウトレットオリフィス10を介してリークライン16に連通している。また、前記燃料通路14aは燃料溜り5を介して噴孔4に連通している。
前記燃料噴射弁100の上方には制御弁ユニット15sが設置されている。該制御弁ユニット15sは、ソレノイドコイル15及び制御弁9及び該制御弁9が固定されたアーマチュア15a等によって構成される。前記制御弁9は、ソレノイドコイル15に供給する電流を制御することにより、アウトレットオリフィス10からリークライン16に繋がる燃料通路を開閉するようになっている。
上記した構成を備えた蓄圧式燃料噴射装置において、燃料タンク20から汲み出されて高圧ポンプ21から所定圧力で送給された高圧燃料は、蓄圧器22にて蓄圧される。該蓄圧された高圧燃料は燃料入口管12a、燃料入口通路12を通って燃料噴射弁100に供給される。
燃料の無噴射時には、制御弁9が下方に位置して制御室32とリークライン16が閉じた状態にあり、制御室32内に保持された燃料の圧力、即ちコマンドピストン8と針弁2を下方に押し下げる圧力が、これらを押し上げる圧力よりも大となって、コマンドピストン8及び針弁2が下方に位置し、噴孔4を閉じている。
燃料の噴射時には、ソレノイドコイル15によりアーマチュア15a及び制御弁9が引き上げられ開くと、制御室32内がリークライン16に開放されて制御室32をオープンにする。これにより、制御室32内の高圧燃料がリークライン16に排出され、制御室32内の圧力降下が起きる。よって針弁2の下側から作用する高圧燃料の圧力が、制御室圧によりコマンドピストン8を下方に押圧する圧力と針弁ばね9aにより針弁を下方に押圧する圧力に打ち勝って、該針弁2をシート部5aから上方に離間させて該針弁2を開弁させる。そして、燃料溜り5内の高圧燃料はシート部5aを通してノズル1の噴孔4からエンジンの燃焼室内に噴射せしめられる。
このような燃料噴射弁100においては、制御室32の燃料流入側に位置するインレットオリフィス13と、制御室32の燃料流出側に位置するアウトレットオリフィス10によって、制御室32の燃料の流出入量を制御するように構成されている。燃料の噴射期間中は、制御弁9をリフトさせることによりアウトレットオリフィス10より燃料を流出させ、制御室32内の圧力を低下させてコマンドピストン8をリフトさせる。制御室32の圧力降下の度合いは、インレットオリフィス径、アウトレットオリフィス径、及び制御弁9のリフト量によって決定する。コマンドピストン8のすばやいリフト、即ち噴射弁100の迅速な開弁のためには、制御室32内の圧力をすばやく低下させる必要がある。この観点からは、アウトレットオリフィス10は大きいほどよいと考えられるが、アウトレットオリフィス径が大きすぎると、開弁期間中にインレットオリフィス13から制御室32へ流入した燃料がそのまま制御室32を通過しアウトレットオリフィス10から流出してしまう。流出する燃料量が多すぎるとインジェクタ効率が下がってしまう。
そこで本発明の参考例として、以下の構成を備えることにより流失する燃料を最小限としてインジェクタ効率を低下させずに迅速な開弁を可能としている。
(参考例)
即ち参考例では、前記制御室32に臨むコマンドピストン8の上端部8cに、突起部80を設けた構成としている。該突起部80は柱状に形成され、突起部80の軸方向に対する断面積はアウトレットオリフィス10の開口面積より小さく形成されている。また、コマンドピストン8がフルリフト状態の時、即ち燃料噴射弁100(針弁2)が全開状態の時に、前記突起部80もコマンドピストン8とともにリフトされてアウトレットオリフィス10内に、該突起部80の少なくとも先端部が挿入されるようになっている。
図2を参照して、コマンドピストン8の動作を説明する。図2(a)は燃料の無噴射時(燃料噴射弁の開弁前)であり、制御弁9が下方に位置して制御室32からリークライン16に連通する通路が閉じた状態にあり、制御室32内の圧力が高くコマンドピストン8が下方に位置している。このとき、突起部80は制御室32内に位置し、アウトレットオリフィス10には挿入されていない。図2(b)は燃料の噴射開始時(燃料噴射弁の開弁初期)であり、制御弁9が上方にリフトされている途中であり、このときアウトレットオリフィス10が全開になるため制御室32内の燃料が流出して該制御室32が圧力降下し、コマンドピストン8がリフトされる。図2(c)は燃料の噴射時(燃料噴射弁のフルリフト時)であり、コマンドピストン8のリフト量が最大となり、突起部80がアウトレットオリフィス10内に挿入された状態となっている。これにより、アウトレットオリフィス10の流路面積が縮小され、制御室32よりリークライン16に流出する燃料が低減する。
図3に、本参考例の燃料噴射弁における制御弁9及び針弁2のリフト位置と制御室圧と、比較例として従来の燃料噴射弁における制御弁9及び針弁2のリフト位置と制御室圧の時系列変化を夫々示す。図3(A−1)は参考例の燃料噴射弁における制御弁リフト位置、(A−2)は制御室圧、(A−3)は針弁リフト位置の時系列変化を夫々表したグラフで、(B−1)は従来の燃料噴射弁における制御弁リフト位置、(B−2)は制御室圧、(B−3)は針弁リフト位置の時系列変化を夫々表したグラフである。
従来の燃料噴射弁100は、制御弁32をリフトするとこれに伴い制御室圧が降下し、これによりコマンドピストン8のリフト動作に連動して針弁2のリフト位置が上昇する。フルリフト状態における制御室圧の圧力降下はAとなる。そして、制御弁32を閉弁する側に制御すると、制御室圧が上昇してコマンドピストン8とともに針弁2のリフト位置が下がる。
これに対して本参考例の燃料噴射弁100においては、制御弁32をリフトするとこれに伴い制御室圧が降下しコマンドピストン8に連動して針弁2のリフト位置が上昇する。このときの制御室32内の圧力降下はAとなる。この圧力降下Aは従来の圧力降下Aと略同等である。そしてコマンドピストン8がリフトして突起部80がアウトレットオリフィス10内に挿入されるとアウトレットオリフィス10の流路面積が縮小するため燃料の流出が低減し、制御室圧が僅かに上昇する。この時の制御室32内の圧力は、制御弁32閉弁時の圧力に比べて圧力差Aを有するものとし、コマンドピストン8及び針弁2を押し上げる圧力の方がこれらを押し下げる圧力より大きく、且つ圧力差Aが、少なくともコマンドピストン8及び針弁2をフルリフト状態に保持する圧力差以上となるようにする。
これは、アウトレットオリフィス10の開口面積と突起部80の断面積に差をもたせ、コマンドピストン8がフルリフトの状態にある時、アウトレットオリフィス10と突起部80の隙間から所定量の燃料が流出し続け、制御室32内の圧力がコマンドピストン8及び針弁2をフルリフト状態に保持する圧力以下となるように、前記突起部の断面積を設定することにより達成できる。突起部80の挿入によるアウトレットオリフィス10の過大な面積の低減は、制御室32への燃料流入と流出のバランスを崩し、制御室32の圧力を増加させ、コマンドピストン32のリフト状態が保てなくなる。従って、上記したようにアウトレットオリフィス10の開口面積と突起部80の断面積に差をもたせることにより、燃料噴射時に、コマンドピストン8のフルリフト状態を安定的に維持することが可能となる。尚、図3に矢印で示す(a)、(b)、(c)の位置は、図2(a)、(b)、(c)の時期に一致する。
本参考例によれば、コマンドピストン8がフルリフト状態にある期間は、突起部80がアウトレットオリフィス10に挿入されて燃料流出面積を縮小することによりアウトレットオリフィス10からの燃料流出を最小限に抑えることができ、インジェクタ効率を向上させることが可能となる。また、高圧ポンプの動力低減、小型化も可能であり、延いてはエンジンの燃費向上を図ることができる。また、従来の燃料噴射弁に比べてアウトレットオリフィス10の径を大きく設定することも可能であるため、制御室32の圧力降下に要する時間を短縮化することが可能である。さらに本参考例では、コマンドピストン8に突起部80を設ける構成としているため燃料噴射弁の構造自体が簡素となり容易に製造可能である。
(第1実施形態)
図4は本発明の第1実施形態に係る燃料噴射装置の軸心線に沿う断面図である。尚、以下の第1実施形態及び第2実施形態において、上記した参考例と同様の構成についてはその詳細な説明を省略する。
図4に示すように、第1実施形態に係る燃料噴射装置は、燃料タンク20から汲み出した燃料を所定の高圧で送り出す高圧ポンプ21と、該高圧ポンプ21からの燃料を所定の供給圧力に蓄圧する蓄圧器22と、該蓄圧器22からの高圧燃料が供給される燃料噴射弁100と、を備えている。
前記燃料噴射弁100は、上記した参考例と略同様の構成を有するが、コマンドピストン8の上端部8cに突起部80を設けずに、制御弁9の先端部に突起部90を設けた構成としている。該突起部90の具体的構成を図5に示す。同図に示すように、該突起部90は、制御弁9の先端に棒状の連結部90bを介して突起先端部90aが連結されている。該連結部90bは、制御弁9の先端に形成された孔部90cにねじ込みによって固定される。該連結部90bの長さは、制御弁9の最大リフト量と略同一とするとよい。即ち、制御弁9が完全に開放されている時に、連結部90bに連結された突起先端部90aがアウトレットオリフィス10内に挿入され、制御弁9が完全に閉じている時に、突起先端部90aが制御室32内に位置してアウトレットオリフィス10が完全に開放されるように構成する。
前記突起部90は、その突起先端部90aの断面積がアウトレットオリフィス10の流路面積よりも小さくなるように形成される。さらに、上記した参考例と同様に、アウトレットオリフィス10の開口面積と突起部90の断面積に差をもたせる。この差は、コマンドピストン8がフルリフトの状態にある時、アウトレットオリフィス10と突起部90の隙間から所定量の燃料が流出し、制御室32内の圧力がコマンドピストン8及び針弁2をフルリフト状態に保持する圧力以下に維持されるように設定される。
本第1実施形態によれば、コマンドピストン8がフルリフト状態にある期間は、突起部90がアウトレットオリフィス10に挿入されて燃料流出面積を縮小することによりアウトレットオリフィス10からの燃料流出を最小限に抑えることができ、インジェクタ効率を向上させることが可能となる。また、高圧ポンプの動力低減、小型化も可能であり、延いてはエンジンの燃費向上を図ることができる。また、従来の燃料噴射弁に比べてアウトレットオリフィス10の径を大きく設定することも可能であるため、制御室32の圧力降下に要する時間を短縮化することが可能である。また、本第1実施形態では、コマンドピストン8側ではなく制御弁9側に突起部90を設ける構成としているため、コマンドピストン8の重量が増加することなく、該コマンドピストン8の加速度を高く維持できる。
(第2実施形態)
図6は本発明の第2実施形態に係る燃料噴射装置の軸心線に沿う断面図である。
図6に示すように、第2実施形態に係る燃料噴射装置は、燃料タンク20から汲み出した燃料を所定の高圧で送り出す高圧ポンプ21と、該高圧ポンプ21からの燃料を所定の供給圧力に蓄圧する蓄圧器22と、該蓄圧器22からの高圧燃料が供給される燃料噴射弁100と、を備えている。
前記燃料噴射弁100は、上記した参考例、第1実施形態と略同様の構成を有するが、コマンドピストン8の突起部80、制御弁9の突起部90を設けずに、インレットオリフィス13より上流側の燃料通路14b上に上流側開閉弁41を設け、アウトレットオリフィス10より下流側のリーク通路16上に下流側開閉弁42を設けた構成としている。これらの開閉弁41、42は、夫々制御弁9の開閉と連動して動作する。
前記制御弁9の開時には、上流側開閉弁41を閉とし、下流側開閉弁42を開とする。これにより、すばやい制御室32の圧力降下を図り、コマンドピストン8を迅速にリフトすることが可能である。また、制御弁9の開弁期間中における燃料の無駄な流出を防止でき、インジェクタ効率を向上させることが可能である。
一方、前記制御弁9の閉時には、上流側開閉弁41を開とする。
尚、本第2実施形態の構成は、上記した第1実施形態の構成に付加することも可能である。
本発明によれば、燃料の流出を低減することによってインジェクタ効率が向上できるとともに高圧ポンプの小型化が可能であり、延いては燃費を向上させることが可能であるため、蓄圧式燃料噴射装置に好適に用いることができる。
1 ノズル
2 針弁
4 噴孔
5 燃料溜り
7 噴射弁本体
8 コマンドピストン
9 制御弁
10 アウトレットオリフィス(流出通路)
11 インレットコネクタ
12 燃料入口通路
13 インレットオリフィス(流入通路)
14a、14b 燃料通路
15s 制御弁ユニット
20 燃料タンク
21 高圧ポンプ
22 蓄圧器
80、90 突起部
90a 突起先端部
90b 連結部
90c 孔部
100 燃料噴射弁


Claims (3)

  1. 高圧ポンプから吐出され蓄圧器に蓄圧された燃料が供給される燃料噴射弁であって、
    前記燃料噴射弁は、ノズル先端部に形成された噴孔を開閉する弁体と、前記噴孔に連通した燃料溜りに前記燃料を供給する燃料通路と、前記弁体の背後に形成され、前記燃料通路から分岐された燃料が流入通路を介して導入される制御室と、前記制御室内の燃料が流出する流出通路と、前記流出通路を開閉する制御弁と、を備え、前記制御室に導入された燃料の圧力で弁体を押圧して噴孔を閉じ、前記制御室から燃料を排出して圧力を低下させることにより噴孔を開くように構成された蓄圧式燃料噴射装置の燃料噴射弁において、
    前記制御弁の先端に連結部を介して突起部が設けられ、該突起部は制御室内に位置し、該突起部は、前記制御弁が開いた状態にある時前記流出通路内に挿入され、該流出通路の流路面積を縮小するように形成されていることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置の燃料噴射弁。
  2. 前記流出通路の開口面積と前記突起部の断面積に差をもたせ、前記突起部が前記流出通路に挿入された時、前記流出通路と前記突起部の隙間から所定量の燃料が流出し、前記制御室内の圧力が前記弁体をフルリフト状態に保持する圧力以下となるように、前記突起部の断面積を設定することを特徴とする請求項1記載の蓄圧式燃料噴射装置の燃料噴射弁。
  3. 前記流入通路の上流側に上流側開閉弁が設けられるとともに、前記流出通路の下流側に下流側開閉弁が設けられ、夫々の開閉弁が前記制御弁の動作に連動して開閉制御されることを特徴とする請求項1記載の蓄圧式燃料噴射装置の燃料噴射弁。

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