JP7109033B2 - シール剤、及びシール剤用品 - Google Patents
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Description
含み、前記シール剤の比重が1.05~1.30の範囲内であり、混合直後における前記シール剤のpHが4~11.1の範囲内であるシール剤用品である。本開示の別の局面であるシール剤用品によれば、浸透源を拡大し、孔壁の崩落を抑制できる。
1.第1のシール剤
第1のシール剤は薬液注入工法に用いられる。薬液注入工法は特に限定されず、例えば、ストレーナ工法、シールグラウト方式のダブルパッカー工法、地山パッカー方式のダブルパッカー工法等が挙げられる。第1のシール剤は、例えば、注入管と、掘削孔の孔壁との間に充填することができる。注入管は、注入外管と注入内管とから構成されるものであってもよいし、それ以外の構成を有する注入管であってもよい。
測定機器:BII型粘度計(東機産業製)
ロータの大きさ:No.3
ロータの回転数:60rpm
温度:20℃
第1のシール剤の粘度が100mPa・s以上である場合、掘削孔の孔壁が崩落することを抑制する効果が一層高い。また、第1のシール剤の粘度が100mPa・s以上である場合、注入管から吐出された薬液に対し、第1のシール剤は一層溶解し易い。その結果、浸透源を一層拡大することができる。
シール剤用品は、薬液注入工法に用いられる。薬液注入工法は特に限定されず、例えば、ストレーナ工法、シールグラウト方式のダブルパッカー工法、地山パッカー方式のダブルパッカー工法等が挙げられる。
測定機器:BII型粘度計(東機産業製)
ロータの大きさ:No.3
ロータの回転数:60rpm
温度:20℃
混合直後における第1のシール剤の粘度が100mPa・s以上である場合、掘削孔の孔壁が崩落することを抑制する効果が一層高い。また、混合直後における第1のシール剤の粘度が100mPa・s以上である場合、注入管から吐出された薬液に対し、第1のシール剤は一層溶解し易い。その結果、浸透源を一層拡大することができる。
第2のシール剤は薬液注入工法に用いられる。薬液注入工法は特に限定されず、例えば、ストレーナ工法、シールグラウト方式のダブルパッカー工法、地山パッカー方式のダブルパッカー工法等が挙げられる。第2のシール剤は、例えば、注入管と、掘削孔の孔壁と
の間に充填することができる。注入管は、注入外管と注入内管とから構成されるものであってもよいし、それ以外の構成を有する注入管であってもよい。
第2のシール剤は、掘削孔の孔壁が崩落することを抑制する効果が高い。また、注入管から薬液が吐出されたとき、第2のシール剤は収縮し易い。第2のシール剤が収縮すると、注入管から吐出された薬液は、広い範囲にわたって地盤に浸透することができる。その結果、浸透源を拡大することができる。
第2のシール剤が、1000質量部の水に対し、1.5質量部以上の高吸水性樹脂を含む場合、掘削孔の孔壁が崩落することを抑制する効果が一層高い。
第2のシール剤が、1000質量部の水に対し、20質量部以下の高吸水性樹脂を含む場合、第2のシール剤の製造コストを一層低減することができる。
4.薬液注入工法
本開示の薬液注入工法は、薬液を地盤に注入し、注入した薬液が固結することで地盤を改良する工法である。本開示の薬液注入工法は、例えば、ストレーナ工法、シールグラウト方式のダブルパッカー工法、地山パッカー方式のダブルパッカー工法等であってもよいし、それ以外の薬液注入工法であってもよい。
(1)シール剤用品の製造
表1に示す成分を配合して実施例1~8、11~14、比較例2~6のA液及びB液
を製造した。A液及びB液は、それぞれ、単位剤に対応する。A液及びB液の組み合わせは、シール剤用品に対応する。また、表1に示す成分を配合して実施例9、10のA液、B液、及びC液を製造した。A液、B液、及びC液は、それぞれ、単位剤に対応する。A液、B液、及びC液の組み合わせは、シール剤用品に対応する。
ミニウム (北陸化成(株)製、Al2O3:12%)を意味する。表1における「活性剤」は、界面
活性剤を意味する。実施例11のA液に配合されている界面活性剤はカルボキシメチルセルロース(信越化学工業(株)製、製品名:アスカクリーン)である。実施例12のA液に配
合されている界面活性剤はアルキルアリルスルホン酸塩である。実施例13のA液に配合されている界面活性剤はアルキルアンモニウム塩である。実施例14のA液に配合されている界面活性剤は、アルキルアリルスルホン酸塩(花王(株)製、製品名:ビスコトップ100A)と、アルキルアンモニウム塩(花王(株)製、製品名:ビスコトップ100B)とを質量比1:1で混合したものである。
セメント:62.1g
ベントナイト:15.5g
水:222.4g
(2)シール剤の物性
各実施例及び各比較例について、シール剤のpHと、比重と、粘度とを測定した。実施例1~8、11~14及び比較例2~6については、A液及びB液の混合攪拌直後に測定を行った。実施例9、10については、A液、B液、及びC液の混合攪拌直後に測定を行った。いずれの測定も、20℃の下で行った。比重の測定方法は、メスシリンダーを用いて200mlのシール剤を計り取り、計り取ったシール剤の質量を測定する方法である。粘度の測定方法は、前記「1.シール剤」及び前記「2.シール剤用品」の項で述べた方法である。測定結果を表2に示す。
各実施例及び各比較例のシール剤に対し、以下のようにして、孔壁崩壊試験を行った。図1のSTEP-1に示すように、立方体のアクリル製水槽1を用意した。この水槽1の寸法は、縦、横、高さがそれぞれ20cmである。水槽1は、その上面において開放されている。
◎:崩壊せず。
△:ゆっくりと孔壁15が崩壊し、時間がたつと孔壁15を保持できない。
×:孔壁15が崩壊。
各実施例のシール剤では、孔壁15が崩壊し難かった。比較例2~6のシール剤では、孔壁15が崩壊し易いか、「ND」という結果であった。比較例4~6において孔壁15が崩壊し易い理由は、シール剤のpHが過度に小さいか過度に大きいため、水酸化アルミニウムのゲルが十分に生成せず、シール剤の粘度が低くなったためであると推測される。(4)溶解性試験
実施例2、10、14及び比較例1のシール剤に対し、以下のようにして、溶解性試験を行った。シール剤を、調製後2日間静置して養生した。次に、1gのシール剤と99gの薬液とを混合し、2時間攪拌した。なお、このシール剤と薬液との混合比は、シール剤を薬液注入工法に使用する場合の一般的な混合比である。使用した薬液の基本的な組成は以下のとおりである。
5号ケイ酸ナトリウム:274g
工業用希硫酸:約40g
水:736g
薬液のpHは、工業用希硫酸の量を調整することにより、1、2、3、4のいずれかとした。
式(1)において、W1は沈降分の質量である。W0は薬液と混合する前のシール剤
が含む水酸化アルミニウムのゲルの質量である。シール剤の種類と、薬液のpHと、減少率Xの値とを表3に示す。
6.第2のシール剤を使用する薬液注入工法に対応する実施例
(1)シール剤の製造
表4に示す配合で水と高吸水性樹脂とを混合し、実施例15~18のシール剤を製造した。実施例15~18のシール剤は第2のシール剤に対応する。
ある。実施例15~18のシール剤は、スラリー状の剤型を有する。
(2)収縮性試験
実施例15~18のシール剤に対し、以下のようにして、収縮性試験を行った。10gのシール剤と90gの薬液とを混合し、30分間攪拌した。なお、このシール剤と薬液との混合比は、シール剤を薬液注入工法に使用する場合の一般的な混合比である。使用した薬液の基本的な組成は以下のとおりである。
5号ケイ酸ナトリウム:274g
工業用希硫酸:約40g
水:736g
薬液のpHは、工業用希硫酸の量を調整することにより、3.0とした。
次に、以下の式(2)により、シール剤の減少率Y(%)を算出した。
減少率Yを上記表4に示す。実施例15~18のいずれのシール剤でも、減少率Yは大きかった。すなわち、実施例15~18のシール剤は、薬液を加えると収縮し易かった。
(3)孔壁崩壊試験
実施例15~18のシール剤に対し、孔壁崩壊試験を行った。孔壁崩壊試験の方法は、基本的には上述した方法と同じである。ただし、水槽1のうち、空間9を除く部分に6号ケイ砂11を詰めるとき、6号ケイ砂11とともに、水を加えた。水槽1のうち、空間9を除く部分では、水面が6号ケイ砂11の表面よりも上になるようにした。
実施例15~18のシール剤について、比重を測定した。比重の測定方法は、メスシリンダーを用いて100mlのシール剤を計り取り、計り取ったシール剤の質量を測定する方法である。比重の測定結果を上記表4に示す。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定される
ことなく、種々変形して実施することができる。
る製品、地盤改良工法等、種々の形態で本開示を実現することもできる。
Claims (4)
- 薬液注入工法において地盤に形成された掘削孔に挿入された注入管と前記掘削孔の孔壁との間を充填するために用いられるシール剤であって、
水酸化アルミニウムのゲルを含み、
比重が1.05~1.30の範囲内であり、
pHが4~11.1の範囲内であるシール剤。 - 請求項1に記載のシール剤であって、
粘度が100mPa・s以上であるシール剤。 - 薬液注入工法に用いられるシール剤用品であって、
使用時に混合される複数の単位剤を含み、
前記単位剤のうちの少なくとも1つは3価のアルミニウムイオンを含み、
前記複数の単位剤を混合して成り、地盤に形成された掘削孔に挿入された注入管と前記掘削孔の孔壁との間を充填するために用いられるシール剤は、
水酸化アルミニウムのゲルを含み、
前記シール剤の比重が1.05~1.30の範囲内であり、
混合直後における前記シール剤のpHが4~11.1の範囲内であるシール剤用品。 - 薬液注入工法において地盤に形成された掘削孔に挿入された注入管と前記掘削孔の孔壁との間を充填するために用いられるシール剤であって、
高吸水性樹脂及び水を含み、
前記高吸水性樹脂は、アクリル酸重合体部分ナトリウム塩架橋物を含むシール剤。
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