JP6530008B2 - 気泡シールド工法用起泡材 - Google Patents

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Description

本発明は、気泡シールド工法用起泡材と該起泡材を使用する気泡シールド工法に関する。
気泡シールド工法は、シールドマシンを用いたトンネル掘削工法の一種で、掘削土やシールドマシン前部の切刃、チャンバー内に、起泡材水溶液を発泡させた泡を注入し、掘削土と気泡を混合攪拌しながら掘削する工法である。
気泡は圧縮性があるため掘削時の抗力に対する切刃圧の変動が少なく、かつ掘削土の流動性や止水性の向上、チャンバー内面への掘削土の付着防止などへの効果があり、スムーズな掘削が可能となる。
特許文献1、2には、低濃度の水溶液で用いた場合でも気泡安定性に優れた起泡材を提供することを目的として、特定の硫酸エステル塩と、特定のポリエーテル化合物とを含有する気泡シールド工法用起泡材が提案されているが、気泡安定性や止水性のさらなる向上が望まれている。
そして、特許文献3には、増粘剤を添加して粘度を上げることで気泡安定性や止水性をさらに向上させる方法が提案されているが、粘度が上がることで掘削抵抗の増加や流動性の低下による作業性の低下などが懸念される。
特開2003−314191 特開2005−314475 特開2014−92018
切刃への掘削抵抗低減と磨耗低減には、更なる気泡安定性や止水性の向上が望まれている。すなわち本発明の目的は、作業性の低下等を起こすことなく優れた気泡安定性と止水性とを発揮する気泡シールド工法用起泡材を提供することにある。
本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は下記一般式(1)で示される化合物(a)と、下記一般式(2)で示される化合物(b)と、炭素数8〜20の脂肪族アルコール(c)とを含有し、化合物(a)及び化合物(b)の含有重量比(a/b)が40/60〜65/35であり、脂肪族アルコール(c)の含有量が前記(a)及び前記(b)の合計重量に基づいて5〜45重量%であり、脂肪族アルコール(c)が前記(c)の重量に基づいて、炭素数8〜10の脂肪族アルコール(c1)を0〜20重量%、炭素数11〜13の脂肪族アルコール(c2)を30〜80重量%及び炭素数14〜20の脂肪族アルコール(c3)を10〜70重量%含有する気泡シールド工法用起泡材(e)該気泡シールド工法用起泡材(e)を使用する気泡シールド工法である。
Figure 0006530008
[式中、R1は炭素数8〜20の脂肪族炭化水素基、Yは水素原子又はメチル基、mは1〜50の整数、X1 はアンモニウム又はアミンカチオンである。]
Figure 0006530008
[式中、R2は炭素数8〜20の脂肪族炭化水素基、X2 はアンモニウム又はアミンカチオンである。]
本発明の気泡シールド工法用起泡材は、起泡力に優れ、また高い気泡安定性を発揮することから、シールドマシンへの負荷が大きい土質の土壌においても掘削中に破泡することなく、優れた止水性を有する。
気泡安定性試験で用いた発泡筒を模式的に示した斜視透過図である。
前記一般式(1)において、
は炭素数8〜20の脂肪族炭化水素基であり、好ましくは炭素数10〜16、さらに好ましくは炭素数12〜14の脂肪族炭化水素基である。炭素数が7以下あるいは炭素数が21以上であると起泡力、気泡安定性ともに低下する。
としては、炭素数8〜20のアルキル及びアルケニルが含まれ、炭素数8〜20のアルキルとしてはオクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル及びエイコシル等が挙げられる。炭素数8〜20のアルケニルとしてはオレイル、リノレイル及びリノレニル等が挙げられる。これらのアルキル及びアルケニルは直鎖状でも、分岐状でも、環状でもよいが、直鎖状が好ましい。
これらのうち、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、オレイル、リノレイル及びリノレニルが好ましく、さらに好ましくはウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル及びヘキサデシル、特に好ましくはドデシル、トリデシル及びテトラデシルである。
前記一般式(1)の繰り返し単位{CH2CH(Y)O}は、オキシエチレン又はオキシプロピレンを表す。mは1〜50の整数であり、mが2〜50の場合、{CH2CH(Y)O}mは、オキシエチレン又はオキシプロピレンのいずれか1種でもよく、これらの混合でもよいがオキシエチレン単独が好ましい。オキシエチレン及びオキシプロピレンの混合の場合、ブロック状、ランダム状及びこれらの混合のいずれでもよいが、ブロック状及びブロック状とランダム状との混合が好ましく、さらに好ましくはブロック状である。
mが51以上であると起泡力が低下する。
前記一般式(1)のmは1〜10の整数が好ましく、さらに好ましくは1〜8の整数、特に好ましくは1〜5の整数である。この範囲であると、起泡力がさらに良好となる。
前記一般式(1)のXは硫酸エステルの対イオンを表し、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)カチオン、アンモニウム及びアミンカチオン[アルキル(炭素数1〜18)アミン(メチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ヘキシルアミン、ノニルアミン、ドデシルアミン、ペンチルアミン及びステアリルアミン等)カチオン、アルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、イソプロパノールアミン及びシクロヘキシルエタノールアミン等)カチオン]等が挙げられる。これらのうち、アンモニウム及びアミンカチオンが好ましく、さらに好ましくはアンモニウム及びアルカノールアミンカチオン、特に好ましくはアンモニウム及びエタノールアミンカチオンである。
前記一般式(1)で示される化合物(a)としては、オキシエチレンラウリルサルフェートアンモニウム塩、オキシエチレンラウリルサルフェートジエタノールアミン塩、オキシエチレンラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩、オキシエチレンテトラデシルサルフェートアンンモニウム塩、オキシエチレンテトラデシルサルフェートジエタノールアミン塩、オキシエチレンテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩、ポリオキシエチレン(m=2〜5)ラウリルサルフェートアンモニウム塩、ポリオキシエチレン(m=2〜5)ラウリルサルフェートジエタノールアミン塩、ポリオキシエチレン(m=2〜5)ラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩、ポリオキシエチレン(m=2〜5)テトラデシルサルフェートアンモニウム、ポリオキシエチレン(m=2〜5)テトラデシルサルフェートジエタノールアミン塩及びポリオキシエチレン(m=2〜5)テトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩等が挙げられる。
化合物(a)は、m、R、Y及び/又はXが異なる化合物の混合物でもよい。
前記一般式(2)において、Rは炭素数8〜20の脂肪族炭化水素基であり、好ましくは炭素数10〜16、さらに好ましくは炭素数12〜14の脂肪族炭化水素基である。炭素数が7以下あるいは炭素数が21以上であると起泡力、気泡安定性が低下する。Rとしては、炭素数8〜20のアルキル及びアルケニルが含まれ、具体例としては前記Rと同じ基が挙げられる。
は硫酸エステルの対イオンを表し、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)カチオン、アンモニウム及びアミンカチオンであり、具体例としては前記Xと同じカチオンが挙げられる。
化合物(b)としては、ラウリルサルフェートアンモニウム塩、ラウリルサルフェートジエタノールアミン塩、ラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩、テトラデシルサルフェートアンンモニウム塩、テトラデシルサルフェートジエタノールアミン塩及びテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩等が挙げられる。
化合物(b)は、R及び/又はXが異なる化合物の混合物でもよい。
脂肪族アルコール(c)の炭素数は8〜20であり、炭素数10〜16が好ましく、炭素数12〜14がさらに好ましい。炭素数が7以下あるいは炭素数が21以上であると気泡安定性が低下する。
脂肪族アルコール(c)としては、飽和脂肪族アルコール(直鎖状:オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール及びノナデシルアルコール等)(分岐状:イソオクチルアルコール、イソノニルアルコール、イソデシルアルコール、イソトリデシルアルコール、イソセチルアルコール及びイソステアリルアルコール等)、不飽和脂肪族アルコール(オクテニルアルコール、デセニルアルコール、ドデセニルアルコール、トリデセニルアルコール、ペンタデセニルアルコール、オレイルアルコール、ガドレイルアルコール及びリノレイルアルコール等)、脂環式アルコール(エチルシクロヘキシルアルコール、プロピルシクロヘキシルアルコール、オクチルシクロヘキシルアルコール及びノニルシクロヘキシルアルコール等)等が挙げられる。これらのうち、前記(c)として好ましいのは直鎖状の飽和脂肪族アルコール及び不飽和脂肪族アルコールである。
脂肪族アルコール(c)は、前記(c)の重量に基づいて、炭素数8〜10の脂肪族アルコール(c1)を0〜20重量%、炭素数11〜13の脂肪族アルコール(c2)を30〜80重量%、炭素数14〜20の脂肪族アルコール(c3)を10〜70重量%含有する。好ましくは前記(c1)を0〜15重量%、前記(c2)を40〜70重量%、前記(c3)を20〜60重量%含有し、特に好ましくは、前記(c1)を0〜10重量%、前記(c2)を50〜60重量%、前記(c3)を30〜50重量%含有する。この範囲であると、気泡安定性がさらに良好となる。脂肪族アルコール(c)の炭素数が好ましい脂肪族アルコール(c)としては、表1(数値は重量%)に示した混合物等が例示できる。
Figure 0006530008
化合物(a)及び化合物(b)の含有重量比(a/b)は、40/60〜65/35であり、起泡力、気泡安定性の観点から好ましくは45/55〜60/40、特に好ましくは50/50〜55/45である。前記(a)及び前記(b)の合計重量に基づいて前記(a)の含有量が40重量%未満であると気泡安定性が低下し、65重量%を超えると起泡力が低下する。
化合物(a)又は化合物(b)は、それぞれ、脂肪族アルコールのアルキレンオキシド付加物{RO(CH2CHYO)m−H}又は脂肪族アルコール(ROH)を硫酸化することによって得られるが、脂肪族アルコールのアルキレンオキシド付加物及び脂肪族アルコールの混合物を硫酸化して、化合物(a)及び化合物(b)の混合物を得ることができる。そして、この混合物をそのまま本発明の起泡材に用いることができる。
なお、硫酸化方法としては、(i)クロロスルホン酸を用いる方法、(ii)サルファンを用いる方法、(iii)スルファミン酸を用いる方法、(iv)硫酸を用いる方法等が挙げられる。(ii)のサルファンについては、乾燥窒素等で希釈して用いる。
反応温度は、(i)、(ii)の場合は、0〜70℃が好ましく、さらに好ましくは10〜50℃である。(iii)、(iv)の場合は、50〜150℃が好ましく、さらに好ましくは60〜130℃である。
脂肪族アルコール(c)の含有量は、化合物(a)及び化合物(b)の合計重量に基づいて、5〜45重量%であり、気泡安定性の観点から好ましくは10〜40重量%、特に好ましくは20〜30重量%である。前記(c)の含有量が5重量%未満あるいは45重量%を超えると気泡安定性が低下する。
本発明の気泡シールド工法用起泡材(e)には、さらに炭素数8〜14の脂肪酸及び/又は該脂肪酸塩(d)を含有することが好ましい。以下、脂肪酸及び/又は該脂肪酸塩は脂肪酸(塩)と記載することがある。前記(d)の炭素数は10〜12がさらに好ましい。
炭素数8〜14の脂肪酸(塩)(d)としては、カプリル酸(塩)、ペラルゴン酸(塩)、カプリン酸(塩)、シトロネル酸(塩)、ウンデシル酸(塩)、ウンデシレン酸(塩)、ラウリン酸(塩)、リンデル酸(塩)、トリデシル酸(塩)、ミリスチン酸(塩)及び抹香酸(塩)等が挙げられる。
これらのうち、カプリル酸(塩)、ペラルゴン酸(塩)、カプリン酸(塩)、シトロネル酸(塩)、ウンデシル酸(塩)、ウンデシレン酸(塩)、ラウリン酸(塩)及びミリスチン酸(塩)が好ましく、さらに好ましくはカプリル酸(塩)、カプリン酸(塩)、ラウリン酸(塩)及びミリスチン酸(塩)、特に好ましくはカプリン酸(塩)及びラウリン酸(塩)である。
脂肪酸(塩)の塩としてはアルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)塩、アンモニウム塩及びアミン[アルキル(炭素数1〜18)アミン(メチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ヘキシルアミン、ノニルアミン、ドデシルアミン、ペンチルアミン及びステアリルアミン等)、アルカノール(炭素数2〜4)アミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、イソプロパノールアミン及びシクロヘキシルエタノールアミン等)]塩及び第4級アンモニウム[テトラアルキル(炭素数1〜4のテトラメチル、テトラエチル、トリメチルエチル及びトリメチルブチル等)アンモニウム]塩等が挙げられる。
これらの前記(d)のうち、脂肪酸塩が好ましく、さらに好ましくはアンモニウム塩及びアミン塩、特に好ましくはアンモニウム塩及びアルカノールアミン塩、最も好ましくはアンモニウム塩及びエタノールアミン塩である。
脂肪酸(塩)(d)を含有する場合、前記(d)の含有量は、前記(a)及び前記(b)の合計重量に基づいて、20〜100重量%が好ましく、さらに好ましくは25〜80重量%、特に好ましくは30〜70重量%である。この範囲であると、気泡安定性がさらに良好となる。
本発明の気泡シールド工法用起泡材には必要に応じて水溶性有機溶剤を含有してもよい。
水溶性有機溶剤としては、起泡性を阻害しないものであって水に溶解しやすい有機溶剤であれば制限なく使用でき、セロソルブ溶剤(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、n−プロピルセロソルブ、n−ブチルセロソルブ、イソブチルセロソルブ及びフェニルセロソルブ等)、カルビトール溶剤(エチルカルビトール及びブチルカルビトール等)、エチレンオキシドの付加モル数が3〜10のポリオキシエチレン低級アルキルモノエーテル(ポリオキシエチレン(3モル)モノメチルエーテル等)、分子量が500以下のジオール(エチレングリコール、ジエチレングリコール及びポリエチレングリコール等)及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
これらのうち、セロソルブ溶剤及びポリオキシエチレン低級アルキルエーテルが好ましく、さらに好ましくはブチルセロソルブ、イソブチルセロソルブ及びポリオキシエチレン(3モル)モノメチルエーテルである。
水溶性有機溶剤を含有する場合、この含有量は、脂肪族アルコール(c)の合計重量に基づいて、20〜2000重量%が好ましく、さらに好ましくは50〜1000重量%、特に好ましくは100〜500重量%である。
本発明の気泡シールド工法用起泡材(e)は必要に応じて水溶液とすることが好ましい。水溶液とする場合、水の含有量は、化合物(a)、化合物(b)及び脂肪族アルコール(c)の合計重量に基づいて、1〜500重量%が好ましく、さらに好ましくは10〜300重量%、特に好ましくは50〜200重量%である。
本発明の起泡材(e)は、化合物(a)、化合物(b)、脂肪族アルコール(c)並びに必要により脂肪酸(塩)(d)、水溶性有機溶剤及び/又は水を、均一混合することにより容易に得ることができる。
混合する際に、一括で投入し混合しても、任意の順番で投入しながら混合してもよい。また、化合物(a)、化合物(b)及び必要により含有する脂肪酸(塩)(d)は、酸の形態で混合してから、中和により塩としてもよい。
本発明の起泡材(e)を気泡シールド工法に使用するときは、起泡材(e)水溶液として使用することが好ましい。起泡材(e)水溶液とする場合、水の量は、化合物(a)と化合物(b)の合計重量に基づいて、1000〜100000重量%が好ましく、さらに好ましくは2000〜50000重量%、特に好ましくは5000〜20000重量%である。この範囲であると、掘削土に混合したときの泡の安定性がさらによくなる。
本発明の気泡シールド工法用起泡材は、この起泡材(e)水溶液を発泡機等により発泡させた気泡を掘削土やシールドマシン前部の切刃、チャンバー内に注入し、掘削土と気泡を混合攪拌しながら掘削する工法である。気泡の比重は0.2〜0.01が好ましい。また、混合する気泡の量は、土質により適宜決定されるが、掘削土の容積に基づいて、1〜100容積%が好ましく、さらに好ましくは10〜80容積%、特に好ましくは20〜60容積%である。
本発明において、起泡材(e)水溶液を発泡させて得られる上記の気泡は、起泡材(e)水溶液の膜から生成されたいわゆるシャボン玉のことを指し、2つの界面を有する泡を意味する泡沫と記載することもある。
掘削により気泡と掘削土とが混合された気泡混合土が生成する。また、掘削後の気泡混合土は、消泡され、起泡材(e)、掘削土及び水を含有する掘削土スラリーとなり、トンネル外に運搬され処理される。消泡は自然消泡、消泡剤による消泡等いずれでもよい。
掘削土としては、礫や砂などの粗粒子が多い礫質土や砂質土、シルトや粘土等の多い粘性土や有機質土および火山灰質粘性土など掘削する土壌の土質によりさまざまな土に使用される。
水としては、海水、河川水、湖沼水、水道水、工業用水及び脱イオン水等が挙げられる。
シールド工法用起泡材(e)水溶液には、気泡安定剤を含んでもよい。気泡安定剤とは、起泡材(e)水溶液からなる気泡を安定強化するための増粘剤と、増粘剤をゲル化するためのゲル化剤と、増粘剤の変質を防止するための変質防止剤が含まれる。
増粘剤としては、CMC(カルボキシメチルセルロース)、グアガム、アルギン酸等が挙げられる。
ゲル化剤としては、三価金属イオン又はカルシウムイオン等の金属イオンが好ましく、アルミニウム化合物(ミョウバン、硫酸バンド等)、硫酸鉄、塩化鉄、アルミン酸ソーダ、ホウ砂、ホウ酸等の三価金属イオンや、塩化カルシウム等のカルシウムイオン等が挙げられる。
変質防止剤としては、ソマサイド、トミサイド、PCMX(パラクロロメタキシレノール)等が挙げられる。
掘削後の気泡混合土は、消泡させた上で残土処理する必要がある。自然消泡しにくい気泡を混合した場合は、掘削後の気泡混合土に消泡材を添加して消泡してもよい。消泡材には、消泡添加剤を含有してもよい。消泡剤は、気泡混合土に含まれる気泡を消泡するためのものであり、各種界面活性剤の混合物等からなる。消泡添加剤は、セルロース分解酵素であり、気泡安定剤に応じて効果的な酵素が選ばれる。
本発明の気泡シールド工法用起泡材(e)の気泡混合土中の含有量は、掘削土の重量に基づいて、0.001〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.005〜5重量%、特に好ましくは 0.01〜3重量%である。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが本発明はこれに限定されるものではない。なお、特記しない限り部は重量部、%は重量%である。
<実施例1>
ステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコール186部(1モル部)、過塩素酸マグネシウム0.27部及び水酸化マグネシウム0.03部を投入してから100℃にて均一混合し、混合系内を窒素で置換した後、減圧下(20mmHg)、120℃にて1時間脱水を行った。次いでエチレンオキサイド(EO)44部(1モル部)を150℃にて、ゲージ圧が0.1〜0.3MPaとなるように導入して、反応物を得た。この反応物をGPCによって測定した結果、ラウリルアルコールが15%、ポリオキシエチレン(m=1〜5)ラウリルエーテルが85%(m=1:68%、m=2:11%、m=3:4%、m=4:1.5%、m=5:0.5%)含有していた。
この反応物にクロルスルホン酸120部(1.03モル部)を20℃に保ちながら徐々に滴下した後、同温度で2時間脱塩酸(窒素を液層からバブリング)を行って、硫酸化物を得た。この硫酸化物に、トリエタノールアミン153.7部(1.03モル部)及び水1045部からなる水溶液を添加し硫酸化物を中和して、ラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−1)及びポリオキシエチレンラウリルサルフェートトリエタノールアミン(m=1〜5)塩(a−1)の混合物を得た。なお、(a−1)の含有量は25.3%、(b−1)の含有量は5.1%であった{(a−1)/(b−1)=83/17:硫酸化前のGPC測定結果からの計算値、以下同様}。この混合物にラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(日光ケミカルズ株式会社製TEALS)305.2部を加えて、ラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−1)及びポリオキシエチレンラウリルサルフェートトリエタノールアミン(m=1〜5)塩(a−1)の混合物を得た。なお、(a−1)の含有量は21%、(b−1)の含有量は21%であった{(a−1)/(b−1)=50/50}。
得られた(b−1)及び(a−1)の混合物と、(c1−1)/(c2−1)/(c3−1)=オクチルアルコール/ラウリルアルコール/ミリスチルアルコール(10部/50部/40部)混合物(c−1)191部及びブチルセロソルブ382部からなる溶液とを均一混合して、本発明の起泡材(e−1)を得た。
<実施例2>
ラウリルアルコール186部(1モル部)をテトラデシルアルコール212部(1モル部)に変更し、トリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1045部からなる水溶液をトリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1150部からなる水溶液に変更した以外、実施例1と同様にして、ポリオキシエチレン(m=1〜5)テトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−2)及びテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−2)の混合物を得た。
この混合物にテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−2)357.3部を加えて、ポリオキシエチレン(m=1〜5)テトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−2)及びテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−2)の混合物を得た。なお、実施例1と同様にして求めた含有重量比(a−2)/(b−2)は50/50であった。
得られた(a−2)及び(b−2)の混合物と、(c2−2)/(c3−1)=トリデシルアルコール/ミリスチルアルコール(50部/50部)(c−2)211部及びブチルセロソルブ422部からなる溶液とを均一混合して、本発明の起泡材(e−2)を得た。
<実施例3>
トリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1045部からなる水溶液をトリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1113部からなる水溶液に変更した以外、実施例1と同様にして、ポリオキシエチレン(m=1〜5)ラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−1)及びラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−1)の混合物を得た。
この混合物にラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−1)499部を加えて、ポリオキシエチレン(m=1〜5)ラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−1)及びラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−1)の混合物を得た。なお、実施例1と同様にして求めた含有重量比(a−1)/(b−1)は40/60であった。
得られた(a−1)及び(b−1)の混合物と、(c1−1)/(c2−1)/(c3−1)=オクチルアルコール/ラウリルアルコール/ミリスチルアルコール(10部/50部/40部)(c−1)48部及びブチルセロソルブ405部からなる溶液とを均一混合して、本発明の起泡材(e−3)を得た。
<実施例4>
ラウリルアルコール186部(1モル部)をテトラデシルアルコール212部(1モル部)に変更し、トリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1045部からなる水溶液をトリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1038部からなる水溶液に変更した以外、実施例1と同様にして、ポリオキシエチレン(m=1〜5)テトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−2)及びテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−2)の混合物を得た。
この混合物にテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−2)159部を加えて、ポリオキシエチレン(m=1〜5)テトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−2)及びテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−2)の混合物を得た。なお、実施例1と同様にして求めた含有重量比(a−2)/(b−2)は65/35であった。
得られた(a−2)及び(b−2)の混合物と、(c1−1)/(c2−1)/(c3−1)=オクチルアルコール/ラウリルアルコール/ミリスチルアルコール(10部/50部/40部)(c−1)292部及びブチルセロソルブ377部からなる溶液とを均一混合して、本発明の起泡材(e−4)を得た。
<実施例5>
トリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1045部からなる水溶液をトリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1000部からなる水溶液に変更した以外、実施例1と同様にして、ポリオキシエチレン(m=1〜5)ラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−1)及びラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−1)の混合物を得た。
この混合物にラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−1)305.2部を加えて、ポリオキシエチレン(m=1〜5)ラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−1)及びラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−1)の混合物を得た。なお、実施例1と同様にして求めた含有重量比(a−1)/(b−1)は50/50であった。
得られた(a−1)及び(b−1)の混合物と、(c2−2)/(c3−1)=トリデシルアルコール/ミリスチルアルコール(50部/50部)(c−2)153部及びブチルセロソルブ306部からなる溶液と、カプリン酸トリエタノールアミン塩(d−1)230部とを均一混合して、本発明の起泡材(e−5)を得た。
<実施例6>
ラウリルアルコール186部(1モル部)をテトラデシルアルコール212部(1モル部)に変更し、トリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1045部からなる水溶液をトリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1200部からなる水溶液に変更した以外、実施例1と同様にして、ポリオキシエチレン(m=1〜5)テトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−2)及びテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−2)の混合物を得た。
この混合物にテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−2)290部を加えて、ポリオキシエチレン(m=1〜5)テトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−2)及びテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−2)の混合物を得た。なお、実施例1と同様にして求めた含有重量比(a−2)/(b−2)は54/46であった。
得られた(a−2)及び(b−2)の混合物と、(c1−1)/(c2−1)/(c3−1)=オクチルアルコール/ラウリルアルコール/ミリスチルアルコール(10部/50部/40部)(c−1)194部及びブチルセロソルブ388部からなる溶液と、カプリン酸トリエタノールアミン塩(d−1)540部とを均一混合して、本発明の起泡材(e−6)を得た。
<実施例7>
トリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1045部からなる水溶液をトリエタノールアミン153.7部(1.03モル)に変更した以外、実施例1と同様にして、ポリオキシエチレン(m=1〜5)ラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−1)及びラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−1)の混合物を得た。
この混合物にラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−1)305.2部を加えて、ポリオキシエチレン(m=1〜5)ラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−1)及びラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−1)の混合物を得た。なお、実施例1と同様にして求めた含有重量比(a−1)/(b−1)は50/50であった。
得られた(b−1)及び(a−1)の混合物と、(c1−1)/(c2−1)/(c3−1)=オクチルアルコール/ラウリルアルコール/ミリスチルアルコール(10部/50部/40部)混合物(c−1)191部とを均一混合して、本発明の起泡材(e−7)を得た。
<実施例8>
(c1−1)/(c2−1)/(c3−1)=オクチルアルコール/ラウリルアルコール/ミリスチルアルコール(10部/50部/40部)混合物(c−1)を(c1−1)/(c2−1)/(c3−1)=オクチルアルコール/ラウリルアルコール/ミリスチルアルコール(20部/30部/50部)混合物(c−9)に変更した以外、実施例1と同様にして、本発明の起泡材(e−8)を得た。
<実施例9>
(c1−1)/(c2−1)/(c3−1)=オクチルアルコール/ラウリルアルコール/ミリスチルアルコール(10部/50部/40部)混合物(c−1)を(c1−1)/(c2−1)/(c3−1)=オクチルアルコール/ラウリルアルコール/ミリスチルアルコール(10部/80部/10部)混合物(c−10)に変更した以外、実施例1と同様にして、本発明の起泡材(e−8)を得た。
<実施例10>
(c1−1)/(c2−1)/(c3−1)=オクチルアルコール/ラウリルアルコール/ミリスチルアルコール(10部/50部/40部)混合物(c−1)を(c2−1)/(c2−2)/(c3−1)/(c3−2)/(c3−3)=ラウリルアルコール/トリデシルアルコール/ミリスチルアルコール/ペンタデシルアルコール/セチルアルコール(15部/15部/30部/10部/30部)混合物(c−11)に変更した以外、実施例1と同様にして、本発明の起泡材(e−8)を得た。
<比較例1>
トリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1045部からなる水溶液をトリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水648部からなる水溶液に変更した以外、実施例1と同様にして、ポリオキシエチレン(m=1〜5)ラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−1)及びラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−1)の混合物を得た。なお、実施例1と同様にして求めた含有重量比(a−1)/(b−1)は83/17であった。
得られた(a−1)及び(b−1)の混合物と、(c1−1)/(c2−1)/(c3−1)=オクチルアルコール/ラウリルアルコール/ミリスチルアルコール(10部/50部/40部)(c−1)69部及びブチルセロソルブ138部からなる溶液とを均一混合して、比較用の起泡材(e’−8)を得た。
<比較例2>
ラウリルアルコール186部(1モル部)をテトラデシルアルコール212部(1モル部)に変更し、トリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1045部からなる水溶液をトリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水3000部からなる水溶液に変更した以外、実施例1と同様にして、ポリオキシエチレン(m=1〜5)テトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−2)及びテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−2)の混合物を得た。
この混合物にテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−2)1620部を加えて、ポリオキシエチレン(m=1〜5)テトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−2)及びテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−2)の混合物を得た。なお、実施例1と同様にして求めた含有重量比(a−2)/(b−2)は20/80であった。
得られた(a−2)及び(b−2)の混合物と、(c2−2)/(c3−1)=トリデシルアルコール/ミリスチルアルコール(50部/50部)(c−2)316部及びブチルセロソルブ632部からなる溶液とを均一混合して、比較用の起泡材(e’−9)を得た。
<比較例3>
トリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1045部からなる水溶液をトリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1140部からなる水溶液に変更した以外、実施例1と同様にして、ポリオキシエチレン(m=1〜5)ラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−1)及びラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−1)の混合物を得た。
この混合物にラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−1)305.2部を加えて、ポリオキシエチレン(m=1〜5)ラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−1)及びラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−1)の混合物を得た。この混合物をこのまま比較用の起泡材(e−’10)とした。なお、実施例1と同様にして求めた含有重量比(a−1)/(b−1)は50/50であった。
<比較例4>
ラウリルアルコール186部(1モル部)をテトラデシルアルコール212部(1モル部)に変更し、トリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水1045部からなる水溶液をトリエタノールアミン153.7部(1.03モル)及び水840部からなる水溶液に変更した以外、実施例1と同様にして、ポリオキシエチレン(m=1〜5)テトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−2)及びテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−2)の混合物を得た。
この混合物にテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−2)357.3部を加えて、ポリオキシエチレン(m=1〜5)テトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(a−2)及びテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩(b−2)の混合物を得た。なお、実施例1と同様にして求めた含有重量比(a−2)/(b−2)は50/50であった。
得られた(a−2)及び(b−2)の混合物と、(c1−1)/(c2−1)/(c3−1)=オクチルアルコール/ラウリルアルコール/ミリスチルアルコール(10部/50部/40部)(c−1)843部及びブチルセロソルブ1686部からなる溶液とを均一混合して、比較例の起泡材(e’−11)を得た。
<比較例5>
ポリオキシエチレン(m=3)ラウリルサルフェートナトリウム塩(a−3)25%水溶液(花王株式会社製、エマール20C)200部とポリオキシエチレン(m=3)ラウリルエーテル(花王株式会社製、エマルゲン103)(f−1)50部とを均一混合して、比較例の起泡材(e’−12)水溶液を得た。
<比較例6>
ポリオキシエチレン(m=2)ラウリルサルフェートナトリウム塩(a−4)70%水溶液(花王株式会社、エマール270J)107.1部とラウリルアルコール(g−1)25部と水117.9部とを均一混合して、比較例の起泡材(e’−13)水溶液を得た。
実施例1〜10の本発明の気泡シールド工法用起泡材(e)、比較例1〜6の組成を下記の表2に示した。
Figure 0006530008
a:一般式(1)で示される化合物
a−1:ポリオキシエチレンラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩
(m=1〜5の混合物)
a−2:ポリオキシエチレンテトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩
(m=1〜5の混合物)
a−3:ポリオキシエチレンラウリルサルフェートナトリウム塩
(m=3)
a−4:ポリオキシエチレンラウリルサルフェートナトリウム塩
(m=2)
b:一般式(2)で示される化合物
b−1:ラウリルサルフェートトリエタノールアミン塩
b−2:テトラデシルサルフェートトリエタノールアミン塩
c:脂肪族アルコール
c−1:オクチルアルコール/ラウリルアルコール/ミリスチルアルコールの混合物
(10部/50部/40部)
c−2:トリデシルアルコール/ミリスチルアルコール
(50部/50部)
c−9:オクチルアルコール/ラウリルアルコール/ミリスチルアルコールの混合物
(20部/30部/50部)
c−10:オクチルアルコール/ラウリルアルコール/ミリスチルアルコールの混合物
(10部/80部/10部)
c−11:ラウリルアルコール/トリデシルアルコール/ミリスチルアルコール/
ペンタデシルアルコール/セチルアルコールの混合物
(15部/15部/30部/10部/30部)
f−1:ポリオキシエチレンラウリルエーテル
(m=3)
g−1:ラウリルアルコール
d:脂肪酸(塩)
d−1:カプリン酸トリエタノールアミン塩
尚、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)による測定条件は次の通り。
<GPCの測定条件>
カラム:TSK gel SuperH4000、TSK gel SuperH3000及びTSKgelSuperH2000(いずれも東ソー株式会社製)を直列につないだカラム
カラム温度:40℃
検出器:RI
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.6ml/分
試料濃度:0.25%
注入量:10μl
基準物質:ポリオキシエチレングリコール(東ソー株式会社製;TSK STANDARDPOLYETHYLENEOXIDE)
データ処理装置:SC−8020(東ソー株式会社製)
<気泡安定性試験>
水5000部に、起泡材(e−1)〜(e−6)、(e−8)〜(e−10)、比較の起泡材(e’−8)〜(e’−13)のいずれか100部、あるいは起泡材(e−7)40部を加えて起泡材水溶液を調製した後、0.5MPaの圧縮空気と起泡材水溶液を圧縮空気/起泡材水溶液(体積比)=30/1で、直径4mmのガラスビーズで満たした発泡筒(内径4cm、長さ40cm:図1)の流入口に送り込み、流出口から溢れ出た泡の一部を直径約15cmで内容量が既知の3Lポリビーカに充填し、泡の重量を計量することにより、得られた泡の比重を測定した。
次に、砂質土もしくは粘性土を、JIS A1203に従って含水比を測定した後、適当量の水を加え、砂質土の含水比を20%、粘性土の含水比を50%に調整した。含水比を調整した砂質土もしくは粘性土に、泡/土(体積比)=40/100となるよう上記で作製した泡を加え、モルタルミキサーを用いて30秒間混合した。
得られた気泡混合土をさらに混合し、混合前(0分)、混合3分後、及び混合6分後の空気量をJIS A1116に従い測定し、混合3分後気泡破泡率[={(空気量0分値)−(空気量3分値)}×100/(空気量0分値)]、混合6分後気泡破泡率[={(空気量0分値)−(空気量6分値)}×100/(空気量0分値)]を算出した。
Figure 0006530008
Figure 0006530008
<流動性試験(フロー試験)>
水5000部に、起泡材(e−1)〜(e−6)、(e−8)〜(e−10)、比較の起泡材(e’−8)〜(e’−13)のいずれか100部、あるいは起泡材(e−7)40部を加えて起泡材水溶液を調製した後、0.075MPaの圧縮空気と起泡材水溶液を圧縮空気/起泡材水溶液(体積比)=30/1で、直径4mmのガラスビーズで満たした発泡筒(内径4cm、長さ40cm:図1)の流入口に送り込み、流出口から溢れ出た泡の一部を直径約15cmで内容量が既知の3Lポリビーカに充填し、泡の重量を計量することにより、得られた泡の比重を測定した。
豊浦標準砂1500部と水100部をモルタルミキサーにて30秒間混合し、上記で得られた泡沫を泡沫/豊浦標準砂(体積比)=60/100となるよう加え60秒間混練し、気泡混合砂を作製した。上部内径5cm×下部内径10cm×高さ15cmのコーンに気泡混合砂を詰め、突き棒で上部を10回突き、上部をヘラでならし、コーンを引き上げ、その広がり(フロー値mm)を測定した。
作製後30分、60分間静置した気泡混合砂についても同様に測定を行った。
Figure 0006530008
<止水性試験(透水試験)>
水5000部に、起泡材(e−1)〜(e−6)、(e−8)〜(e−10)、比較の起泡材(e’−8)〜(e’−13)のいずれか100部、あるいは起泡材(e−7)40部を加えて起泡材水溶液を調製した後、0.5MPaの圧縮空気と起泡材水溶液を圧縮空気/起泡材水溶液(体積比)=30/1で、直径4mmのガラスビーズで満たした発泡筒(内径4cm、長さ40cm:図1)の流入口に送り込み、泡沫を作製した。
豊浦標準砂1500部と水100部をモルタルミキサーにて30秒間混合し、上記で得られた泡沫を泡沫/豊浦標準砂(体積比)=30/100となるよう加え60秒間混練し、気泡混合砂を作製した。気泡混合砂を直径20cmの有底円筒状の容器に高さ20cmとなるよう充填した。容器底面の中央部には水が抜けるための穴があり、シリコンチューブを接続し容器外に排出されるように設計した。充填した気泡混合砂の上から深さ10cmとなるよう水を投入し、容器下部からの排水量を測定し透水係数(cm/秒)を計算した。
Figure 0006530008
表3、4から、本発明の起泡材を使用した場合、土質によらず、気泡混合土中の気泡安定性が極めて高いことが確認できた。
泡の比重は、値が小さい程、起泡材が高起泡性であることを意味し、気泡破泡率が小さく、かつ気泡混合土の空気量の値が大きい程、気泡安定性に優れていることを意味する。
表5から、高起泡性であるほど流動性が高く、気泡安定性が高いほど流動性の経時変化が小さいことが確認できた。
フロー値は、値が大きい程、流動性が高いことを意味する。
表6から、高起泡性かつ高気泡安定性である程、止水性が高いことが確認できた。
透水係数は、値が小さい程、止水性が高いことを意味する。
本発明の起泡材は、高起泡性と高気泡安定性とを有し、気泡混合土の流動性や止水性を向上することができるため、気泡シールド工法用起泡材として有用である。比較例1、4は表3より、泡比重が著しく大きく、かつ気泡混合土の空気量(混合0分以降)が著しく小さいことから、起泡性が著しく低い。比較例2〜4は表4より、気泡破泡率が著しく大きいことから、気泡安定性が著しく低い。比較例5、6は表3より、泡比重が大きく、かつ気泡混合土の空気量(混合0分以降)の値が小さく、かつ表4より、気泡破泡率が大きいことから、起泡性,気泡安定性ともに低い。
本発明の起泡材は、気泡シールド工法における気泡作製用として適している。
1 管
2 ガラスビーズ
3 起泡材水溶液流入口
4 圧縮空気流入口
5 気泡流出口
6 金網

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で示される化合物(a)と、下記一般式(2)で示される化合物(b)と、炭素数8〜20の脂肪族アルコール(c)とを含有し、
    化合物(a)及び化合物(b)の含有重量比(a/b)が40/60〜65/35であり、脂肪族アルコール(c)の含有量が前記(a)及び前記(b)の合計重量に基づいて5〜45重量%であり、脂肪族アルコール(c)が前記(c)の重量に基づいて、炭素数8〜10の脂肪族アルコール(c1)を0〜20重量%、炭素数11〜13の脂肪族アルコール(c2)を30〜80重量%及び炭素数14〜20の脂肪族アルコール(c3)を10〜70重量%含有する気泡シールド工法用起泡材(e)。
    Figure 0006530008
    [式中、R1は炭素数8〜20の脂肪族炭化水素基、Yは水素原子又はメチル基、mは1〜50の整数、X1 はアンモニウム又はアミンカチオンである。]
    Figure 0006530008
    [式中、R2は炭素数8〜20の脂肪族炭化水素基、X2 はアンモニウム又はアミンカチオンである。]
  2. さらに炭素数8〜14の脂肪酸及び/又は脂肪酸塩(d)を含有し、この含有量が化合物(a)及び化合物(b)の合計重量に基づいて20〜100重量%である請求項1に記載の気泡シールド工法用起泡材。
  3. 請求項1又は2に記載の気泡シールド工法用起泡材を使用する気泡シールド工法。
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