JP6760912B2 - 土木工事用起泡剤組成物 - Google Patents
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特許文献2には、特定の硫酸エステル化合物と、特定のポリエーテル化合物とを含有する気泡シールド工法用起泡剤が開示されている。
<(A)成分>
(A)成分は、硫黄原子を含む還元剤である。(A)成分は、六価クロムを三価クロムに還元する効果を持つ、硫黄原子を含む還元剤が好ましい。(A)成分としては、チオ硫酸ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ヒドロキシメタンスルホン酸、及びヒドロキシメタンスルフィン酸から選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。
(A)成分は、六価クロム溶出抑制の観点から、ヒドロキシメタンスルホン酸、ヒドロキシメタンスルフィン酸及びこれらの塩から選ばれる1種以上の化合物が好ましい。(A)成分は、六価クロム溶出抑制の観点から、ヒドロキシメタンスルフィン酸及びその塩から選ばれる1種以上の化合物がより好ましい。
ヒドロキシメタンスルホン酸及びヒドロキシメタンスルフィン酸の塩は、六価クロム溶出抑制の観点から、それぞれ、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。ヒドロキシメタンスルホン酸及びヒドロキシメタンスルフィン酸の塩は、それぞれ、水和物の粉末品も使用できるが、量は無水物換算とする。
(B)成分は、アニオン界面活性剤及びノニオン界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤である。
(A)成分と(B)成分とを組み合わせることで、土壌掘削もしくは地盤改良の際に環境汚染物質の溶出を抑制でき、また、良好な起泡性が得られると共に、気泡安定性が向上する。本発明では、このような効果を有する土木工事用起泡剤組成物を、一液型で得ることができる。
R1−O−(R2O)n−SO3M (1)
〔式中、R1は、炭素数8以上16以下の炭化水素基であり、R2は、炭素数2以上4以下のアルキレン基であり、nは、平均付加モル数であり、0以上25以下の数である。Mは、水素原子又は陽イオンである。〕
R1の炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基が挙げられる。R2は、エチレン基、プロピレン基が挙げられる。R2はエチレン基を含むことが好ましい。nは、好ましくは0又は0.5以上の数である。nが0より大きい数の場合、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは1以上、そして、好ましくは10以下、より好ましくは3以下である。Mは、水素原子又は陽イオンである。陽イオンは、無機陽イオン、有機陽イオンが挙げられ、具体的には、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アルカノールアンモニウムイオンが挙げられる。
本発明の土木工事用起泡剤組成物は、(A)成分を、還元効果の観点から好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、そして、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下含有する。
本発明は、前記本発明の土木工事用起泡剤組成物を用いた気泡を使用する気泡シールド工法に関する。本発明の気泡シールド工法は、このような所定の気泡を用いる以外は、公知の気泡シールド工法に準じて行うことができる。
本発明の起泡剤組成物は、該組成物及び水を含有する起泡剤水溶液として用いることが好ましい。かかる起泡剤水溶液は、(A)成分を、還元効果の観点から、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、そして、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1質量%以下含有する。また、かかる起泡剤水溶液は、(B)成分を、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下含有する。このような起泡剤水溶液から気泡を形成する方法については限定するものではなく、また起泡剤溶液を直接掘削土に練り込んでもよく、添加する方法についても限定しない。
表1に示す土木工事用起泡剤組成物を次の手順で調製した。
表1の(B)成分を混合し、60℃に加熱し、そこに溶融させたミリスチルアルコールを混合した。すべてが溶解し、均一な混合物が得られたら、次いで(A)成分を混合し、水を加えて、有効分(水以外の成分)の濃度が20質量%となるように調整し、土木工事用起泡剤組成物を得た。
実施例1、2の土木工事用起泡剤組成物は、室温で透明な液体であり、60℃で24時間保存した後も透明であり、高温での安定性が良好であった。
(2−1)六価クロム溶出抑制試験
二クロム酸ナトリム水溶液(約278ppb)を15gはかりとり、そこに表1の土木工事用起泡剤組成物を、前記水溶液に対して、1質量%(有効分として0.2質量%)、2質量%(有効分として0.4質量%)、又は3質量%(有効分として0.6質量%)になるよう添加し、全体で41.7gにイオン交換水でメスアップした。メスアップ後の混合液は、六価クロム濃度が約100ppbであった。この混合液10gに、六価クロム検出指示薬を加えて、6分間静置したのちに紫外可視吸光度計により吸光度を測定し、検量線によって液中の六価クロム濃度とした。
表1の土木工事用起泡剤組成物0.15gをメスシリンダーに計りとり、イオン交換水で、全体で15gになるようにメスアップして起泡剤水溶液とした。起泡剤水溶液は、実施例1、2及び比較例1の何れも透明であった。起泡剤水溶液を試験管に投入し、試験管を20回手振りして起泡させ、2分後の泡高さを測定した。結果を表1に示した。
表1のうち、実施例1と比較例1の土木工事用起泡剤組成物0.15gをビオレu(花王株式会社製)のポンプフォーマー容器に計りとり、150gにイオン交換水でメスアップした。その後、ポンプフォーマーを2秒間隔でプッシュして、200mLメスシリンダーに100mLの気泡を充填した。最初の排液量と15分後の排液量をそれぞれ測定し、15分後の排液率を算出した。排液率が小さいほど、起泡安定性に優れることを意味する。排液量はメスシリンダーの目盛を読み取り、測定した。結果を表1に示した。
Claims (6)
- (A)硫黄原子を含む還元剤、並びに(B)アニオン界面活性剤及びノニオン界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤を含有する土木工事用起泡剤組成物であって、
(A)が、ヒドロキシメタンスルホン酸、ヒドロキシメタンスルフィン酸及びこれらのアルカリ金属塩から選ばれる1種以上の化合物である、
土木工事用起泡剤組成物。 - 水を含有する液体組成物である、請求項1記載の土木工事用起泡剤組成物。
- (B)としてアニオン界面活性剤を含有する、請求項1又は2記載の土木工事用起泡剤組成物。
- アニオン界面活性剤が下記一般式(1)で表される化合物である、請求項1〜3の何れかに記載の土木工事用起泡剤組成物。
R1−O−(R2O)n−SO3M (1)
〔式中、R1は、炭素数8以上16以下の炭化水素基であり、R2は、炭素数2以上4以下のアルキレン基であり、nは、平均付加モル数であり、0以上25以下の数である。Mは、水素原子又は陽イオンである。〕 - シールド工法用である、請求項1〜4の何れかに記載の土木工事用起泡剤組成物。
- 請求項1〜5の何れかに記載の土木工事用起泡剤組成物を用いた気泡を使用する気泡シールド工法。
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