JP6632955B2 - 気泡シールド工法 - Google Patents

気泡シールド工法 Download PDF

Info

Publication number
JP6632955B2
JP6632955B2 JP2016200980A JP2016200980A JP6632955B2 JP 6632955 B2 JP6632955 B2 JP 6632955B2 JP 2016200980 A JP2016200980 A JP 2016200980A JP 2016200980 A JP2016200980 A JP 2016200980A JP 6632955 B2 JP6632955 B2 JP 6632955B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
foaming agent
less
bubble
agent composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016200980A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018062760A (ja
Inventor
小柳 幸司
幸司 小柳
博隆 佐々木
博隆 佐々木
吉隆 紀伊
吉隆 紀伊
中川 雅由
雅由 中川
和之 本田
和之 本田
雅紀 松井
雅紀 松井
和生 吉迫
和生 吉迫
信二 瀧川
信二 瀧川
智哉 吉田
智哉 吉田
修康 吉田
修康 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Kajima Corp
Original Assignee
Kao Corp
Kajima Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp, Kajima Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2016200980A priority Critical patent/JP6632955B2/ja
Publication of JP2018062760A publication Critical patent/JP2018062760A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6632955B2 publication Critical patent/JP6632955B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)

Description

本発明は、安定性に優れた起泡剤を使用することにより、チャンバ内の掘削土の塑性流動性を確保すると同時に、発生土の減量化を図る好適な気泡シールド工法に関するものである。
起泡剤を含む液体を発泡させて掘削土に注入し、掘削土と気泡とを混合攪拌させながら掘削する工法、即ちカッターヘッドの掘削抵抗低減と摩耗低減及び掘削土運搬処理の作業性を向上させる気泡シールド工法が知られている。
このような気泡シールド工法を実施する際に使用する起泡剤について、下記の先行技術が提案されている。
特許文献1には、炭素数8〜18の炭化水素基を有するアルキルエーテル硫酸エステル塩と、炭素数8〜18のアルコールとを、特定の重量比で含有する気泡シールド工法用起泡剤が開示されている。
特許文献2には、疎水膜剤が水溶性溶剤で可溶化され、さらに陰イオン界面活性剤が混合されてなる起泡材水溶液を発泡倍率10倍〜50倍の倍率で発泡させて気泡を生成し、切羽の土砂とシールド掘進機のチャンバ内の土砂に前記気泡を注入して気泡混合土を形成する気泡シールド工法が開示されている。
特開2003−314191号公報 特開2015−168929号公報
気泡シールド工法に用いられる泡は、安定性に優れることが望まれる。
本発明は、安定性に優れた泡を用いた気泡シールド工法を提供する。
本発明は、炭素数12以上14以下のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数が1以上3以下であるアルキルエーテルサルフェート塩(A)〔以下、(A)成分という〕、炭素数12以上14以下の一価アルコール(B)〔以下、(B)成分という〕、炭素数8以上12以下のアルキル基を有するモノアルキルグリセリルエーテル(C)〔以下、(C)成分という〕、及び水を含有する起泡剤組成物を発泡させて得た泡を、シールド機の切羽又はチャンバ内に注入しながら掘進する、気泡シールド工法に関する。
本発明によれば、安定性に優れた泡を用いた気泡シールド工法が提供される。
気泡シールド工法で使用される気泡は、シールド機の切羽又はチャンバ内に注入されるまで安定であることが要求される。また、土砂(掘削土)混合された場合に安定であることも要求される。本発明の気泡シールド工法は、このような要求に応える安定な気泡を形成することができる。
まず、本発明に用いられる起泡剤組成物について説明する。
(A)成分は、炭素数12以上14以下のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数が1以上3以下であるアルキルエーテルサルフェート塩である。
(A)成分のエチレンオキシド平均付加モル数は2以上3以下が好ましい。
(A)成分の塩は、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩などが挙げられる。
(A)成分は、起泡性の観点から、ドデシルエーテルサルフェート塩、及びテトラデシルエーテルサルフェート塩から選ばれる1種以上のアルキルエーテルサルフェート塩が好ましい。
(B)成分は、炭素数12以上14以下の一価アルコールである。
(B)成分としては、例えばドデカノール、テトラデカノールが挙げられる。より長寿命の安定な気泡を形成させる観点から、(B)成分は、テトラデカノールが好ましい。
(B)成分は、より長寿命の安定な気泡を形成させる観点から、水不溶性又は水難溶性であることが好ましい。ここで、水不溶性又は水難溶性であるとは、25℃の水100gに対する溶解度が0.1g以下であることをいう。前記溶解度は、効率良く界面活性能を向上させる観点から、好ましくは0.05g以下、より好ましくは0.01g以下である。
(C)成分は、炭素数8以上12以下のアルキル基を有するモノアルキルグリセリルエーテルである。(C)成分が有するアルキル基の炭素数は、8以上10以下が好ましい。より起泡性を高める観点から、(C)成分は、2−エチルヘキシルグリセリルエーテルが好ましい。
(C)成分は、より起泡性を高める観点から、水不溶性又は水難溶性であることが好ましい。ここで、(C)成分について、水不溶性又は水難溶性であるとは、25℃の水100gに対する溶解度が0.1g以下であることをいう。前記溶解度は、効率良く界面活性能を向上させる観点から、好ましくは0.05g以下、より好ましくは0.01g以下である。
本発明で使用する(C)成分は、分子中に疎水基と親水基を有しており、水にも油にも溶解しにくい性質を有するため、(A)成分及び(B)成分を含む系に配合した場合、ミセル界面に配列しやすく、(B)成分を起泡剤組成物中に安定に配合させることができ、更に、起泡性及び気泡の剛性を高める効果を有するものである。
起泡剤組成物は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計を100質量%として、(A)成分を、起泡性の観点から、好ましくは76質量%以上、より好ましくは78質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、そして、好ましくは87質量%以下、より好ましくは86質量%以下、更に好ましくは84質量%以下、含有する。
起泡剤組成物は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計を100質量%として、(B)成分を、気泡安定性の観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上、そして、好ましくは13質量%以下、より好ましくは10質量%以下、含有する。
起泡剤組成物は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計を100質量%として、(C)成分を、より起泡性を高める観点から、好ましくは8質量%以上、より好ましくは9質量%以上、そして、好ましくは11質量%以下、より好ましくは10質量%以下、含有する。
起泡剤組成物は、気泡安定性の観点から、(A)成分と(B)成分との質量比(B)/(A)が、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.06以上、更に好ましくは0.08以上、そして、好ましくは0.20以下、より好ましくは0.18以下、更に好ましくは0.15以下である。
起泡剤組成物は、水を含有することが好ましい。起泡剤組成物中の水の含有量は、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60質量%以上、そして、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは85質量%以下である。
また、起泡剤組成物は、任意に、キレート剤、重金属捕捉剤、界面活性剤、防錆剤、防腐剤、着色剤、香料、消泡剤、溶剤、などを含有することができる。これらは、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分に該当しないものが用いられる。
本発明の気泡シールド工法は、シールド工法実施時の掘削面(掘削土壁)に気泡を注入して使用する。気泡を注入する方法としては、例えば、ポンプにより圧力をかけた状態で、ノズルから噴射する方法を適用することができるが、特定の工法に限定されるものではない。
以下、本発明の気泡シールド工法を具体的に説明する。
まず、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を前記の好ましい範囲で含有する起泡剤組成物を調製し、この起泡剤組成物又は該組成物の希釈水溶液を泡立て発泡させる。
次に、発泡させた気泡を掘削面(掘削土壁)、シールドマシンチャンバー内又はスクリュウコンベア内に吹付け、掘削土砂と混練させて掘削する。
気泡を発生させる方法としては、(A)成分、(B)成分及び(C)成分(成分が粉末の場合は、予め任意の濃度に水で溶解しておく。)と水を、各々の専用ポンプにて起泡剤組成物混合タンクに移送し、起泡剤組成物タンクにて任意の濃度に希釈された起泡剤組成物を調製する。
次に、配管の中に抵抗となるもの(一般的によく使用されるものは、ビーズ状、ドーナツ状、円柱状又は金たわし状の物)を入れ、その抵抗となる物の入った配管(一般的に発泡筒という)に圧縮空気と前記にて作製された起泡剤組成物を同時に流し乱流を作り、発泡させる。
吹き付ける方法としては、例えば、ポンプにより圧力をかけた状態で、シールドマシン注入口から掘削面、チャンバ内又はスクリュウコンベア等に噴射する方法を適用することができる。
本発明の気泡シールド工法を実施するときは、必要に応じて施工現場にて(A)成分と(B)成分と(C)成分と水とを混合して調製した起泡剤組成物を使用することもできる。
この場合、(B)成分および(C)成分の水への溶解性の観点から、(A)成分を予め水に溶解した後に、(B)成分および(C)成分と混合する事が好ましい。
前記起泡剤組成物中の(A)成分、(B)成分、(C)成分の各成分の比率は、上記した通りである。
なお、作業現場では、水で、好ましくは10〜500倍、より好ましくは20〜400倍、更に好ましくは50〜250倍、更により好ましくは100〜200倍に希釈して使用することもできる。この場合、希釈倍率を考慮して、希釈後の水溶液中の(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計含有量が所定の範囲となるように、起泡剤組成物中の各成分の濃度を高濃度としておくのが、輸送などの観点から有利である。
発泡させる起泡剤組成物又は該起泡剤組成物の希釈水溶液中の(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計濃度は、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.25質量%以上、更に好ましくは0.4質量%以上、より更に好ましくは0.5質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは2質量%以下、より更に好ましくは1質量%以下である。
使用時の発泡倍率は、土砂を効果的に流動化させるための泡安定性を確保する観点から、好ましくは5倍以上、そして、好ましくは30倍以下、より好ましくは20倍以下である。なお発泡倍率とは、希釈水溶液の容積に対する空気容積の比率を意味し、例えば、発泡倍率10倍とは、希釈対象の組成物又は水溶液1容積に対して空気9容積を混練発泡して10容積になることを意味する。ここでいう空気は、掘削する地山に作用する圧力下での容積である。よって、ボイルの法則(PV=P’V’)に則り、大気圧下から供給する空気量は、圧力に応じて変化する。
また、本発明の気泡シールド工法では、泡の注入率は、好ましくは10%以上50%以下、そして、好ましくは15%以上30%以下である。ここで、「注入率」とは、掘削する地山容積1に対する泡の注入容積を意味し、注入率15%とは、地山容積1に対して泡0.15容積を注入することを意味する。
起泡剤組成物を構成する成分を、表1−1から表1−3に示す。これらを用いて起泡剤組成物を調製した。残部は水である。
Figure 0006632955
起泡剤組成物の希釈水溶液とは、起泡剤組成物(原液)を水でさらに希釈したもので、例えば、希釈水溶液濃度1%とは、水溶液1容積中に原液が0.01容積、希釈水が0.99容積であることを意味する。以下、起泡剤組成物の希釈水溶液を、単に希釈水溶液という場合もある。
気泡は、希釈水溶液と圧縮空気とを小径のセラミックボールを内蔵した発泡筒にて強制混合して生じさせた。希釈水溶液および圧縮空気は流量計で所定の流量を設定する。
上記にて製造した気泡の発泡倍率は、所定の発泡倍率が得られたか、一定体積の質量を測定して確認する。例えば、発泡倍率10倍の気泡は、希釈水溶液1容積と空気9容積を混練発泡して10容積としたものであり、希釈水溶液の比重は、ほぼ水と同じ1,000g/Lであるため、1L当たりの希釈水溶液の質量は100gとなる。同様に、例えば、発泡倍率20倍の場合、1L当たりの希釈水溶液の質量は50gとなる。
気泡シールド工法を考慮して安定した気泡をつくるには、まず気泡単味で消泡しにくいものが望ましい。判断材料は従来品である市販起泡剤との比較である。
以下の各試験における結果は、起泡剤組成物を発泡させて得た泡をシールド機の切羽又はチャンバ内に注入しながら掘進する気泡シールド工法における結果と相関がある。
<大気圧下の消泡性試験>
消泡性試験は、1Lのメスシリンダーに気泡を投入し、経過時間ごとに底部に溜まる水溶液の抽出量を測定し、消泡率を計算する。例えば、発泡倍率10倍の気泡では、気泡1Lあたりの最大析出量は100mlである。経過時間後の析出量が40mlの場合は、消泡率40mL/100ml×100=40%となる。
一般に気泡の安定性を評価する消泡性の経過時間は10分程度である。30〜60分経過したらほとんど消泡するため判断できないからである。本発明では、より安定的な起泡剤を提案するため、10分に加えて、30分および60分まで測定した。一部の例では、500mlのメスシリンダーを使用した。なお、消泡率の測定は測定容器によって異なる。よって、消泡率の値は相対的なものと定義する。
<加圧下の消泡性試験>
加圧可能な透明のアクリル製加圧容器に、気泡を投入したメスシリンダーを入れる。例えば発泡倍率10倍の場合、大気圧下では希釈水溶液と空気の容積比率は1:9だが、加圧P=0.1MPa下では、希釈水溶液と大気圧下の空気の容積比率は1:18となる。つまり、同じ体積とする場合は、試験時には、発泡倍率19倍の気泡が必要となる。
<増粘剤添加時の消泡性試験>
従来気泡シールド工法では、地下水による希釈や消泡を防止するために、希釈水溶液に増粘剤(例えばCMCなど)を加える。しかし、CMCは粉体品のため取扱いが難しく、粘土ベントナイト溶液を、別系統で注入して気泡膜を強化する場合が多くなっている。一方、粘土ベントナイト溶液を添加すると、添加材の量が増加してシールド発生土の減容化に反する。
泥土圧シールド工法の増粘剤として多くの実績を有するアクリル系高分子剤は、α−オレフィンスルホン酸塩(AOS)主体の従来の起泡剤に対して消泡作用があったため、併用できなかった。
本発明で用いる起泡剤組成物は、(A)成分である所定のアルキルエーテルサルフェート塩を主体にしているため、アクリル系高分子を増粘剤代替品として使用可能である。
本試験では、気泡の安定性向上のため、施工の取り扱いが簡易な液体高分子剤(TACスルー:株式会社タック製)を起泡剤と併用した場合の消泡率を確認した。
<塑性流動性試験>
模擬土を使用して好適な塑性流動性が得られる注入率を確認した。模擬土は、砂質土と粘性土の2種とした。模擬土の物理試験結果を表2に示す。
Figure 0006632955
土砂に気泡を混合した時の塑性流動性の判断基準は、スランプ値によることが多い。しかし、スランプ値は砂質土と粘性土によっても異なるため、本発明では、塑性流動性の評価基準として、ベーンせん断試験器を用いてせん断強さを計測して判断した。
一般に、ベーンせん断強さは粘性土のせん断強さを計測する際に用いられるが、添加材を混合撹拌して、十分な塑性流動性を有する土砂であれば、粘性土はもとより、砂質土・礫質土についても計測が可能である。また、計測者によるバラつきも小さい。
現場計測実績から、塑性流動性が良好なせん断強さは1〜3kPaとしている。1kPa未満だと掘削土が柔らかすぎて土砂噴発の危険性が高い。また、3kPa超だと塑性流動不足で均等な切羽圧力を作用できない。本試験では、ベーンせん断強さが1kPa程度になる注入率を測定し、従来品との比較を行う。
<大気圧下の消泡性試験 その1>
気泡を、希釈水溶液濃度1%(起泡剤組成物0.01容積部、水0.99容積部、の割合を示す。以下、同様)および発泡倍率10倍に設定し、経時の消泡率を確認した。起泡剤組成物中の(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計の含有量は、20質量%であった(以下の他の試験でも同様であった)。比較例1から4の4種類は気泡シールド工法で用いられる多くの実績を有する市販の起泡剤である。
結果を表3に示した。表3中、「評価」は、60分後の消泡率をα%として、以下の基準で行った。同じ評価の場合、消泡率の値が小さい方が好ましい。
α≦70 :◎
70<α≦80 :○
80<α≦90 :△
90<α≦100:×
Figure 0006632955
比較例1〜4とも気泡製造10分後には50%以上消泡し、30分後には90%、60分後には100%近く消泡している。
一方、実施例では30分後で全て74%以下、最良のものは50%以下、60分後で80%台又はそれ以下の消泡率となっている。以上より、従来品の3〜6倍もの安定性があるといえる。
上記消泡率は1Lのメスシリンダーに気泡を投入した時の起泡溶液抽出量の読み値から計算した値である。
消泡率の測定容器によって異なることを確認するため、500mlのディスポビーカーを使用して、比較例3と実施例3を代表として消泡率を測定した。500mlのディスポビーカーで試験した場合、実施例3は60分後も消泡率50%であり、従来品に比べて高い安定性を示している。
<大気圧下の消泡性試験 その2>
表3の一部の実施例及び比較例の起泡剤組成物を用いて評価した。
気泡を、希釈水溶液濃度1%および発泡倍率20倍に設定し、経時の消泡率を確認した。消泡率の算出には1Lのメスシリンダーを用いた。
結果を表4に示した。表4中、「評価」は、表3と同じ基準で行った。
Figure 0006632955
比較例1〜4とも発泡倍率10倍よりも若干安定しているものの、気泡製造10分後には50%程度又はそれ以上消泡し、30分後には80%以上、60分後には100%近く消泡している。一方、実施例1および3とも発泡倍率10倍よりも若干安定し、30分後で40%台、60分後で70%台の消泡率となっている。
以上より、発泡倍率を変化させても、実施例の起泡剤組成物は、同じように従来品の3〜6倍もの安定性があるといえる。
<大気圧下の消泡性試験 その3>
表3の実施例1の起泡剤組成物について、希釈水溶液の濃度の違いによる消泡率を確認した。発泡倍率は10倍と20倍で行った。消泡率の算出には1Lのメスシリンダーを用いた。
結果を表5に示した。表5中、「評価」は、表3と同じ基準で行った。
Figure 0006632955
希釈水溶液濃度が高いほど、消泡率が小さくなり気泡が安定していることがわかる。
<加圧下の消泡性試験>
表3の一部の実施例及び一部の比較例の起泡剤組成物を用いて評価した。
大気圧下と0.1MPaの加圧下で消泡性を評価した。消泡率の算出には1Lのメスシリンダーを用いた。
結果を表6に示した。表6中、「評価」は、表3と同じ基準で行った。
Figure 0006632955
比較例および実施例とも加圧下と大気圧下で消泡性は同じような挙動を示すことがわかる。加圧下では、比較例での10分後の消泡率と実施例の60分後の消泡率がほぼ同等である。このことから、実施例の気泡は、大気圧下、加圧下に関わらず経時の安定性が高いことがわかる。
<増粘剤添加時の消泡性試験>
表3の実施例1と比較例3の起泡剤組成物を用いて、アクリル系高分子(製品名TACスルー)を増粘剤として添加した場合の、気泡安定性について確認した。希釈水溶液濃度は1%、増粘剤希釈水濃度は、0.1%とした。発泡倍率は10倍と20倍で行った。消泡率の算出には1Lのメスシリンダーを用いた。
結果を表7に示した。表7中、「評価」は、表3と同じ基準で行った。
Figure 0006632955
増粘剤を併用した場合は、発泡倍率にかかわらず、実施例の起泡剤組成物により、60分経過後もほとんど消泡しない、更に安定した気泡が得られた。
<塑性流動性試験その1、砂質土>
表3の一部の実施例及び一部の比較例の起泡剤組成物を用いて評価した。
希釈水溶液濃度1%および発泡倍率10倍に設定した。
模擬土に、表8の注入率で気泡を投入し、塑性流動性を確認した。ベーンせん断強度が1.0kPa程度となる時の注入率を比較した。模擬土は、表2の砂質土を用いた。
結果を表8に示した。表8中、「評価」は、以下の基準で行った。同じ評価の場合、同じ注入率で対比したベーンせん断強さの値が小さい方が好ましい。
注入率15%でベーンせん断強さが1kPa以下:◎
注入率20%でベーンせん断強さが1kPa以下:○
注入率25%でベーンせん断強さが1kPa以下:△
注入率30%でベーンせん断強さが1kPa以下:×
Figure 0006632955
砂質土の場合、比較例では、ベーンせん断強さが1kPa程度になるには注入率25%が必要であったが、実施例では注入率20%で同等の塑性流動性が得られた。すなわち、実施例では、どの配合も5%(5ポイント)注入率が低減できることがわかる。
<塑性流動性試験その2、粘性土>
表3の実施例及び一部の比較例の起泡剤組成物を用いて評価した。
希釈水溶液濃度1%および発泡倍率10倍又は7倍に設定した。
模擬土に所定量の気泡を投入し、塑性流動性を確認した。ベーンせん断強度が1.0kPaの時の注入率を比較する。模擬土は、表2の粘性土を用いた。
結果を表9に示した。表9中、「評価」は、以下の基準で行った。同じ評価の場合、同じ注入率で対比したベーンせん断強さの値が小さい方が好ましい。
注入率30%でベーンせん断強さが1kPa以下:◎
注入率35%でベーンせん断強さが1kPa以下:○
注入率40%でベーンせん断強さが1kPa以下:△
注入率45%でベーンせん断強さが1kPa以下:×
Figure 0006632955
粘性土で発泡倍率10倍の場合、比較例では、ベーンせん断強さが1kPa程度になるには注入率40%が必要であったが、実施例では注入率30%で同等のベーンせん断強さが得られた。また、発泡倍率7倍の場合は、実施例1では注入率25%で比較例と同等のベーンせん断強さが得られた。すなわち、実施例では、10%程度(10ポイント程度)注入率が低減できることがわかる。
<塑性流動性試験その3、砂質土、希釈水溶液濃度>
表3の実施例1の起泡剤組成物について、希釈水溶液の濃度と注入率の違いによる塑性流動性を確認した。発泡倍率は10倍で行った。模擬土は、表2の砂質土を用いた。
結果を表10に示した。表10中、「評価」は、表8と同じ基準で行った。
Figure 0006632955
砂質土の場合、希釈水溶液濃度1%、注入率20%で得られるベーンせん断強さと同等の値が、希釈水溶液濃度2〜3%であれば注入率15%程度で、また、希釈水溶液濃度5%であれば注入率10%程度で達成可能である。実施例1のように気泡単味の安定性が高い起泡剤組成物であれば、希釈水溶液濃度が高いほど塑性流動性が向上することがわかる。
<塑性流動性試験その4、粘性土、希釈水溶液濃度>
表3の実施例1の起泡剤組成物について、希釈水溶液の濃度と注入率の違いによる塑性流動性を確認した。発泡倍率は10倍で行った。模擬土は、表2の粘性土を用いた。
結果を表11に示した。表11中、「評価」は、表9と同じ基準で行った。
Figure 0006632955
粘性土の場合、希釈水溶液濃度1%、注入率35%で得られるベーンせん断強さと同等の値が、希釈水溶液濃度2〜3%であれば注入率30%程度で、また、希釈水溶液濃度5%であれば注入率25%で達成可能である。粘性土においても希釈水溶液濃度が高いほど塑性流動性が向上するがことがわかる。

Claims (7)

  1. 炭素数12以上14以下のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数が1以上3以下であるアルキルエーテルサルフェート塩(A)、炭素数12以上14以下の一価アルコール(B)、炭素数8以上12以下のアルキル基を有するモノアルキルグリセリルエーテル(C)、及び水を含有する起泡剤組成物を発泡させて得た泡を、シールド機の切羽又はチャンバ内に注入しながら掘進する、気泡シールド工法。
  2. 起泡剤組成物中の(A)の含有量が、(A)、(B)及び(C)の合計を100質量%として、76質量%以上87質量%以下である、請求項1記載の気泡シールド工法。
  3. 起泡剤組成物中の(B)の含有量が、(A)、(B)及び(C)の合計を100質量%として、5質量%以上13質量%以下である、請求項1又は2記載の気泡シールド工法。
  4. 起泡剤組成物中の(C)の含有量が、(A)、(B)及び(C)の合計を100質量%として、8質量%以上11質量%以下である、請求項1〜3いずれか一項に記載の気泡シールド工法。
  5. (A)が、ドデシルエーテルサルフェート塩、及びテトラデシルエーテルサルフェート塩から選ばれる1種以上のアルキルエーテルサルフェート塩である、請求項1〜4いずれか一項に記載の気泡シールド工法。
  6. (B)が、テトラデカノールである、請求項1〜5いずれか一項に記載の気泡シールド工法。
  7. (C)が、2−エチルヘキシルグリセリルエーテルである、請求項1〜6いずれか一項に記載の気泡シールド工法。
JP2016200980A 2016-10-12 2016-10-12 気泡シールド工法 Active JP6632955B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016200980A JP6632955B2 (ja) 2016-10-12 2016-10-12 気泡シールド工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016200980A JP6632955B2 (ja) 2016-10-12 2016-10-12 気泡シールド工法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018062760A JP2018062760A (ja) 2018-04-19
JP6632955B2 true JP6632955B2 (ja) 2020-01-22

Family

ID=61967584

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016200980A Active JP6632955B2 (ja) 2016-10-12 2016-10-12 気泡シールド工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6632955B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108643929A (zh) * 2018-05-04 2018-10-12 中铁十二局集团有限公司 一种复合地层盾构渣土改良施工系统及其施工方法
CN109339806B (zh) * 2018-10-18 2020-08-11 上海隧道工程有限公司 用于处理盾构刀盘结泥饼的氧化消解方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB9720846D0 (en) * 1997-10-02 1997-12-03 Mbt Holding Ag Composition
JP2003314191A (ja) * 2002-04-19 2003-11-06 Kao Corp 気泡シールド工法用起泡剤
JP5058579B2 (ja) * 2006-12-18 2012-10-24 花王株式会社 液体洗浄剤物品。
JP5580166B2 (ja) * 2010-10-20 2014-08-27 花王株式会社 液体洗浄剤組成物
JP6383634B2 (ja) * 2014-10-22 2018-08-29 株式会社大林組 気泡シールド工法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018062760A (ja) 2018-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4500440B2 (ja) トンネルをボーリングする方法、気泡材料およびその使用方法
JP6632955B2 (ja) 気泡シールド工法
CN106479473A (zh) 一种用于气井的起泡助排剂
CN103270131B (zh) 钻探地下空穴的新方法
CN107603629A (zh) 一种环保型盾构泡沫剂及其制备方法
CN106244127A (zh) 一种环保型泡沫排水剂及其制备方法
CN104531323B (zh) 不含亚硝酸盐快速生物降解矿山支架用浓缩液及制备方法
CN106433594A (zh) 一种抗冻型泡沫排水剂及其制备方法
JP5649946B2 (ja) 気泡シールド工法用起泡剤とその使用方法
JP2015168929A (ja) 気泡シールド工法
JP6155010B2 (ja) 砂礫地盤の掘削に適した気泡シールド工法
JP6530008B2 (ja) 気泡シールド工法用起泡材
JP2003314191A (ja) 気泡シールド工法用起泡剤
JP4439399B2 (ja) 方法
JP5842360B2 (ja) アスファルト合材付着防止剤
JP6175284B2 (ja) 気泡混合土作製材料、及び、気泡シールド工法
JP2016079771A (ja) 気泡シールド工法
JP5654170B1 (ja) 気泡シールド工法用起泡剤並びに気泡シールド工法
JP6760912B2 (ja) 土木工事用起泡剤組成物
JP2018150810A (ja) 気泡シールド工法および起泡材水溶液
EP3527544B1 (en) Foaming agent composition for civil engineering construction material
JP2018538466A (ja) トンネル建設の掘削機における土調整用泡生成添加剤
JP7166952B2 (ja) 気泡シールド工法用起泡材及びそれを用いた気泡シールド工法
CN116445164B (zh) 泡沫剂组合物、用于盾构的泡沫剂、制备方法及应用
JP6502812B2 (ja) 気泡シールド工法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191001

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190930

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191211

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6632955

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250