JP7054612B2 - Pcグラウトの施工方法 - Google Patents
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Description
1.0<Y<10.0 (2)
11.0<t<29.0 (3)
但し、式(1)~式(3)において、
Y:ポルトランドセメント100質量部に対するシリカフュームの質量部、
X:ポルトランドセメント100質量部に対するセルロース系増粘剤の質量部、
t:係数、
である。
本発明に用いるPCグラウト用セメント組成物は、ポルトランドセメントと、有機系増粘剤としてのセルロース系増粘剤と、無機系増粘材としてのシリカフュームとを含む。本発明に係るPCグラウト用セメント組成物は、下記式(1)~式(3)で表される関係を満たす。
1.0<Y<10.0 (2)
11.0<t<29.0 (3)
但し、式(1)~式(3)において、
Y:ポルトランドセメント100質量部に対するシリカフュームの質量部、
X:ポルトランドセメント100質量部に対するセルロース系増粘剤の質量部、
t:係数、
である。
好ましく用いられるポルトランドセメントとしては、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント及び耐硫酸塩ポルトランドセメント等が挙げられる。これらのポルトランドセメントのうちの1種のみを用いてもよいし、複数種類を混合して用いてもよい。
本発明においては、有機系増粘剤として、セルロース系増粘剤が用いられる。有機系増粘剤として、セルロース系増粘剤のみを用いてもよいし、セルロース系増粘剤に加え、セルロース系増粘剤以外の種類の有機系増粘剤を併用してもよい。その場合、セルロース系増粘剤は、有機系増粘剤100質量部に対して、50質量部以上用いることが好ましく、70質量部以上用いることがより好ましい。また、好ましく用いられるセルロース系増粘剤以外の種類の有機系増粘剤の具体例としては、デンプン系増粘剤、グアーガム系増粘剤、ビニル系増粘剤等が挙げられる。
本発明においては、無機系増粘材として、シリカフュームが用いられる。無機系増粘材として、シリカフュームのみを用いてもよいし、シリカフュームに加え、シリカフューム以外の種類の無機系増粘材を併用してもよい。その場合、シリカフュームは、無機系増粘材100質量部に対して、50質量部以上用いることが好ましく、70質量部以上用いることがより好ましい。また、好ましく用いられるシリカフューム以外の種類の無機系増粘材の具体例としては、ベントナイト、カオリナイト、タルク等が挙げられる。
本発明に係るPCグラウト用セメント組成物は、本発明の効果が損なわれない範囲で、ポルトランドセメント、セルロース系増粘剤及び無機系増粘材以外の成分をさらに含んでいてもよい。
本発明に係るPCグラウト用セメント組成物は、本発明の効果が損なわれない範囲で、流動化剤をさらに含んでいることが好ましい。流動化剤を含ませることにより、先流れの抑制や圧送性がより向上したPCグラウトを実現し得る。
本発明に係るPCグラウト用セメント組成物は、本発明の効果が損なわれない範囲で、無機系膨張材、消泡剤、収縮低減剤及び凝結調整剤の群から選ばれる少なくとも1種をさらに含んでいることが好ましい。無機系膨張材、消泡剤、収縮低減剤及び凝結調整剤の群から選ばれる少なくとも1種の合量は、ポルトランドセメント100質量部に対して、好ましくは0.1質量部~8.5質量部であり、より好ましくは0.15質量部~7.85質量部であり、さらに好ましくは0.2質量部~7.2質量部である。
無機系膨張材を用いることにより、高い圧縮強度を有するPCグラウト硬化体を実現し得る。
消泡剤を用いることにより、硬化した際に、より高い圧縮強度を有するPCグラウトを実現し得る。
収縮低減剤を用いることにより、硬化物のひび割れの発生を抑えることができるPCグラウトが実現し得る。
凝結調整剤を用いることにより、硬化時間が適度に長く、適度な可使時間を有するPCグラウトを実現し得る。
本発明において、無機系増粘材及び有機系増粘剤の含有量は、下記式(1)~式(3)で表される関係を満たす。
1.0<Y<10.0 (2)
11.0<t<29.0 (3)
但し、式(1)~式(3)において、
Y:ポルトランドセメント100質量部に対するシリカフュームの質量部、
X:ポルトランドセメント100質量部に対するセルロース系増粘剤の質量部、
t:係数、
である。
3.0<Y<8.0 (2-2)
本発明に係るPCグラウトの施工方法は、PC鋼材を張架した下り勾配を有するダクト内に、PCグラウトを注入するPCグラウトの施工方法に関する。
PCグラウトの先流れは、好ましくは0.1cm~3cmであり、より好ましくは0.1cm~2cmである。
PCグラウトのブリーディング率は、好ましくは0%~0.3%であり、より好ましくは0%~0.15%である。
PCグラウトのせん断応力0.1s-1時のレオロジー特性は、好ましくは30Pa~168Pa、より好ましくは32Pa~100Pa、さらに好ましくは35Pa~80Paである。
下記の表1に示す配合割合で原料をアイリッヒミキサーを用いて7分間混合し、PCグラウト用セメント組成物を調製した。
C:ポルトランドセメント (早強ポルトランドセメント、ブレーン比表面積4440cm2/g)
(2)有機系増粘剤
O1:セルロース系増粘剤「主成分:ヒドロキシプロピルメチルセルロース」
(せん断速度0.1s-1の粘度9.76Pa・s、せん断速度30s-1の粘度0.00678Pa・s)
O2:界面活性ポリマー「カチオン+アニオンタイプ」
(せん断速度0.1s-1の粘度0.0178Pa・s、せん断速度30s-1の粘度0.00129Pa・s)
O3:界面活性ポリマー「カチオン+アニオンタイプ、液状タイプ」
(せん断速度0.1s-1の粘度0.053Pa・s、せん断速度30s-1の粘度0.00152Pa・s)
O4:吸水性合成樹脂ポリマー5514F
(せん断速度0.1s-1の粘度13.5Pa・s、せん断速度30s-1の粘度0.498Pa・s)
O5:吸水性合成樹脂ポリマー3910F
(せん断速度0.1s-1の粘度48.1Pa・s、せん断速度30s-1の粘度2.11Pa・s、)
(3)無機系増粘材
I:シリカフューム(BET比表面積20.0m2/g)
(4)流動化剤
F:ポリカルボン酸系流動化剤
(5)無機系膨張材
E:生石灰-石膏系膨張材
(6)消泡剤
D:ポリエーテル系消泡剤
実施例1~実施例10及び比較例1~比較例9のそれぞれで作製したPCグラウトにつき、上記評価方法により、ブリーディング率、レオロジー特性、先流れ性、ポンプ圧送性を評価した。結果を表2及び図1に示す。
比較例6と同様の配合割合で原料をアイリッヒミキサーを用いて7分間混合し、PCグラウト用セメント組成物を調製した。
PCグラウト用セメント組成物を調製するにあたり、実施例1と同様の配合割合で原料を混合したこと以外は、比較例10と同様にしてPCグラウトを得た。
比較例10及び実施例11のそれぞれで作製したPCグラウトについて、下記の充填試験(1)を行った。結果を表3に示す。
注入口を基点として中心線が下方に向に15°傾けた、内径70mmφ、全長3mの半透明ポリエチレンシース管(ダクト)内に、12S12.7のPC鋼より線(鋼材:JIS G 3536-2008)を設置した後、混練直後のPCグラウトを、注入口から注入速度5L/分で充填したときの、注入圧力、注入中の先流れ性、24時間後のブリーディングを測定した。注入圧力は圧力計により測定した。先流れが10cm以下であるものは○とし、10cmを超えるものは×と判断した。ブリーディング水が目視で確認できなかった場合は○とし、目視で確認された場合は×とした。結果を表3に示す。
下記の表4に示す配合割合で原料をアイリッヒミキサーを用いて7分間混合し、PCグラウト用セメント組成物を調製した。
実施例12で作製したPCグラウトについて、下記の充填試験(2)を行った。結果を表5に示す。
注入口を基点として中心線が下方向に25°傾けた、内径70mmφ、全長12mの半透明ポリエチレンシース管内に、12S12.7のPC鋼より線を設置した後、混練直後のPCグラウトを、注入口から注入速度5L/分で充填したときの、注入圧力、注入中の先流れ性、24時間後のブリーディングおよび充填後の残留空隙を測定した。注入圧力は圧力計により測定した。先流れが10cm以下であるものは○とし、10cmを超えるものは×と判断した。ブリーディングとしては、ブリーディング水が目視で確認できなかった場合は○とし、目視で確認された場合は×とした。残留空隙が目視で確認できなかった場合は○、1箇所でも確認されれば×とした。結果を表5に示す。
実施例12と同様にしてPCグラウトを得た。
注入口を基点として中心線が下方向に25°傾けた、内径80mmφ、全長12mの半透明ポリエチレンシース管内に、12S15.2のPC鋼より線を設置した後、混練直後のPCグラウトを、注入口から注入速度5L/分で充填したときの、注入圧力、注入中の先流れ性、24時間後のブリーディングおよび充填後の残留空隙を測定した。注入圧力は圧力計により測定した。先流れが10cm以下であるものは○とし、10cmを超えるものは×と判断した。ブリーディングとしては、ブリーディング水が目視で確認できなかった場合は○とし、目視で確認された場合は×とした。残留空隙が目視で確認できなかった場合は○、1箇所でも確認されれば×とした。結果を表5に示す。
Claims (3)
- PC鋼材を張架した下り勾配を有するダクト内に、PCグラウトを注入するPCグラウトの施工方法であって、
注入口を基点として中心線が下方向に1°~30°傾斜するように前記ダクトを配置する配置工程と、
PCグラウト用セメント組成物と水とを混練して前記PCグラウトを調製する調製工程と、
前記PCグラウトをホッパーに収容する収容工程と、
前記ホッパー内のPCグラウトをポンプにより連続的に前記ダクトの注入口から前記ダクト内に圧送して注入する注入工程と、
を備え、
前記PCグラウト用セメント組成物として、
ポルトランドセメントと、
有機系増粘剤としてのセルロース系増粘剤と、
無機系増粘材としてのシリカフュームと、
ポリカルボン酸系流動化剤と、
を含み、
前記セルロース系増粘剤は、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースの少なくとも1種を主成分として含み、
前記セルロース系増粘剤の1質量%水溶液の20℃、せん断速度0.1s -1 における粘度が、1Pa・s~20Pa・sであり、
前記セルロース系増粘剤の1質量%水溶液の20℃、せん断速度30s -1 における粘度が、0.001Pa・s~0.015Pa・sであり、
前記ポリカルボン酸系流動化剤の含有量は、前記ポルトランドセメント100質量部に対して0.01質量部~0.10質量部であり、
下記式(1)~式(3)で表される関係式を満たすPCグラウト用セメント組成物を用いるPCグラウトの施工方法。
Y=-30X+t (1)
1.0<Y<10.0 (2)
11.0<t<29.0 (3)
但し、式(1)~式(3)において、
Y:ポルトランドセメント100質量部に対するシリカフュームの質量部、
X:ポルトランドセメント100質量部に対するセルロース系増粘剤の質量部、
t:係数、
である。 - 前記ダクトの内径が、30mm~100mmである、請求項1に記載のPCグラウトの施工方法。
- 前記PCグラウトを2L/分~20L/分で注入する、請求項1又は2に記載のPCグラウトの施工方法。
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藤原浩巳 他3名,高チクソトロピ-性状を有するPCグラウトの施工性の改良に関する実験。,セメント・コンクリート論文集,2007年,No.61,第645頁~第651頁,刊行物等提出書 |
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