JP2019006645A - Pcグラウト用セメント組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】先流れ及びブリーディングが生じにくく、かつ、圧送性に優れたPCグラウトを実現し得るPCグラウト用セメント組成物を提供する。【解決手段】PCグラウト用セメント組成物は、ポルトランドセメントと、有機系増粘剤としてのセルロース系増粘剤と、無機系増粘材としてのシリカフュームとを含む。PCグラウト用セメント組成物は、下記式(1)〜式(3)で表される関係を満たす。Y=−30X+t (1)1.0<Y<10.0 (2)11.0<t<29.0 (3)但し、式(1)〜式(3)において、Y:ポルトランドセメント100質量部に対するシリカフュームの質量部、X:ポルトランドセメント100質量部に対するセルロース系増粘剤の質量部、t:係数、である。【選択図】図1

Description

本発明は、PCグラウト用セメント組成物に関する。
PCグラウトは、例えば、ポストテンション方式PC(プレストレストコンクリート)のダクト内に配置されたPC鋼材を腐食から保護するためや、コンクリートとPC鋼材を一体化するために、ダクト内に充填されるグラウトである(例えば、特許文献1を参照。)。PCグラウトは、ダクト内にポンプ圧送されて充填される。このため、PCグラウトには、ポンプ圧送可能な流動性を有することが求められている。
特開2001−311311号公報
ポストテンション方式PCのPCグラウトが充填されるダクトには、下り勾配の傾斜部が存在することがある。その傾斜部にPCグラウトが充填される際に、PCグラウトの鉛直方向における下側部分が、上側部分よりも先行して流動する、所謂「先流れ」が生じることがある。PCグラウトの先流れが生じると、ダクト内に空気が残留することがある。
また、ダクトに充填されたPCグラウトが硬化する前に、PCグラウトの一部の構成材料が分離や沈降することによって、PCグラウトから水が遊離してダクトの上部に溜まるブリーディングが発生することがある。ブリーディングが発生すると、その後に遊離した水が揮発し、水が存在していた部分に空気が残留することがある。
このように、ダクト内に残留空気が生じると、PC鋼材に、PCグラウトの硬化物により好適に被覆されていない部分が生じる場合がある。その場合、PC鋼材の表面に十分な不動態皮膜が形成されず、PC鋼材に錆が生じることにより、PC鋼材の耐久性が低下する虞がある。しかしながら、先流れやブリーディングの発生を抑制する為に、PCグラウトの流動性を低くすると、PCグラウトを圧送するために要する圧力が高くなりすぎ、PCグラウトを好適に充填することが困難になる場合がある。従って、先流れ及びブリーディングが生じにくく、かつ、圧送性に優れたPCグラウトを実現し得るPCグラウト用セメント組成物が求められている。
本発明の主な目的は、先流れ及びブリーディングが生じにくく、かつ、圧送性に優れたPCグラウトを実現し得るPCグラウト用セメント組成物を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究の結果、ポルトランドセメントと、有機系増粘剤としてのセルロース系増粘剤と、無機系増粘材としてのシリカフュームとを含むセメント組成物を、下記式(1)〜式(3)で表される関係を満たすように調製することにより、先流れ及びブリーディングが生じにくく、かつ、圧送性に優れたPCグラウトを実現し得るPCグラウト用セメント組成物が得られることに想到し、本発明を成すに至った。
すなわち、本発明に係るPCグラウト用セメント組成物は、ポルトランドセメントと、有機系増粘剤としてのセルロース系増粘剤と、無機系増粘材としてのシリカフュームとを含む。本発明に係るPCグラウト用セメント組成物は、下記式(1)〜式(3)で表される関係を満たす。従って、本発明によれば、先流れ及びブリーディングが生じにくく、かつ、圧送性に優れたPCグラウトを実現し得る。
Y=−30X+t (1)
1.0<Y<10.0 (2)
11.0<t<29.0 (3)
但し、式(1)〜式(3)において、
Y:ポルトランドセメント100質量部に対するシリカフュームの質量部、
X:ポルトランドセメント100質量部に対するセルロース系増粘剤の質量部、
t:係数、
である。
本発明に係るPCグラウト用セメント組成物では、セルロース系増粘剤の1質量%水溶液の20℃、せん断速度0.1s−1における粘度が、1Pa・s〜20Pa・sであることが好ましい。セルロース系増粘剤の1質量%水溶液の20℃、せん断速度30s−1における粘度が、0.001Pa・s〜0.015Pa・sであることが好ましい。
本発明に係るPCグラウト用セメント組成物では、シリカフュームのBET比表面積が15m/g〜25m/gであることが好ましい。
本発明に係るPCグラウト用セメント組成物は、流動化剤をさらに含んでいることが好ましい。
本発明に係るPCグラウト用セメント組成物は、無機系膨張材、消泡剤、収縮低減剤及び凝結調整剤の群から選ばれる少なくとも1種をさらに含んでいることが好ましい。
本発明によれば、先流れ及びブリーディングが生じにくく、かつ、圧送性に優れたPCグラウトを実現し得るPCグラウト用セメント組成物を提供することができる。
実施例1〜実施例10及び比較例1〜比較例9のそれぞれのセルロース系増粘剤の配合量とシリカフュームの配合量とを表すグラフである。
(PCグラウト用セメント組成物)
本発明に係るPCグラウト用セメント組成物は、例えば、ポストテンション方式PC(プレストレストコンクリート)の作製等に好適に用いることができる。
本発明に係るPCグラウト用セメント組成物は、ポルトランドセメントと、有機系増粘剤としてのセルロース系増粘剤と、無機系増粘材としてのシリカフュームとを含む。本発明に係るPCグラウト用セメント組成物は、下記式(1)〜式(3)で表される関係を満たす。
Y=−30X+t (1)
1.0<Y<10.0 (2)
11.0<t<29.0 (3)
但し、式(1)〜式(3)において、
Y:ポルトランドセメント100質量部に対するシリカフュームの質量部、
X:ポルトランドセメント100質量部に対するセルロース系増粘剤の質量部、
t:係数、
である。
このように、本発明に係るPCグラウト用セメント組成物は、ポルトランドセメントと、有機系増粘剤としてのセルロース系増粘剤と、無機系増粘材としてのシリカフュームとを含み、式(1)〜式(3)で表される関係を満たすため、本発明に係るPCグラウト用セメント組成物を用いることにより、先流れ及びブリーディングが生じにくく、かつ、圧送性に優れたPCグラウトを実現し得る。
(ポルトランドセメント)
好ましく用いられるポルトランドセメントとしては、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント及び耐硫酸塩ポルトランドセメント等が挙げられる。これらのポルトランドセメントのうちの1種のみを用いてもよいし、複数種類を混合して用いてもよい。
上記ポルトランドセメントのなかでも、本発明に係るPCグラウト用セメント組成物を用いて調製したPCグラウトの硬化特性を良好にする観点からは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント及び超早強ポルトランドセメントからなる群から選ばれた少なくとも1種のポルトランドセメントを用いることがより好ましい。
(有機系増粘剤)
本発明においては、有機系増粘剤として、セルロース系増粘剤が用いられる。有機系増粘剤として、セルロース系増粘剤のみを用いてもよいし、セルロース系増粘剤に加え、セルロース系増粘剤以外の種類の有機系増粘剤を併用してもよい。その場合、セルロース系増粘剤は、有機系増粘剤100質量部に対して、50質量部以上用いることが好ましく、70質量部以上用いることがより好ましい。また、好ましく用いられるセルロース系増粘剤以外の種類の有機系増粘剤の具体例としては、デンプン系増粘剤、グアーガム系増粘剤、ビニル系増粘剤等が挙げられる。
セルロース系増粘剤としては、例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の少なくとも1種を主成分として含むセルロース系増粘剤を好適に用いることができる。セルロース系増粘剤は、上記セルロースのうちの1種のみを主成分として含んでいてもよく、複数種類を主成分として含んでいてもよい。
なお、本発明において、「主成分として含む」とは、50質量%以上含むことを意味する。
セルロース系増粘剤の1質量%水溶液の20℃、せん断速度0.1s−1における粘度は、1Pa・s〜20Pa・sであることが好ましく、5Pa・s〜15Pa・sであることがより好ましく、7Pa・s〜13Pa・sであることがさらに好ましく、8Pa・s〜12Pa・sであることがなお好ましい。
セルロース系増粘剤の1質量%水溶液の20℃、せん断速度0.1s−1における粘度を上記範囲とすることで、PCグラウト充填時の先流れをさらに抑制することができる。
セルロース系増粘剤の1質量%水溶液の20℃、せん断速度30s−1における粘度は、0.001Pa・s〜0.015Pa・sであることが好ましく、0.002Pa・s〜0.013Pa・sであることがより好ましく、0.003Pa・s〜0.01Pa・sであることがさらに好ましく、0.004Pa・s〜0.009Pa・sであることがなお好ましい。
セルロース系増粘剤の1質量%水溶液の20℃、せん断速度30s−1における粘度を上記範囲とすることで、PCグラウトのポンプ圧送性をさらに改善することができる。また、ブリーディングの発生をより効果的に抑制することができる。
なお、「ポンプ圧送性」とは、PCグラウトをダクト内に圧送するときに必要となる圧力のことであり、当該圧力が低いほどポンプ圧送性が良好となる。
(無機系増粘材)
本発明においては、無機系増粘材として、シリカフュームが用いられる。無機系増粘材として、シリカフュームのみを用いてもよいし、シリカフュームに加え、シリカフューム以外の種類の無機系増粘材を併用してもよい。その場合、シリカフュームは、無機系増粘材100質量部に対して、50質量部以上用いることが好ましく、70質量部以上用いることがより好ましい。また、好ましく用いられるシリカフューム以外の種類の無機系増粘材の具体例としては、ベントナイト、カオリナイト、タルク等が挙げられる。
シリカフュームの主成分は、シリカである。シリカフュームとしては、アルミニウム含有量が少ないシリカフュームが好ましく用いられる。アルミニウムは水と反応し、膨張作用の大きな水素を発生させるため、アルミニウムの含有量が多いと、PCグラウト硬化物の強度低下に繋がる虞があるためである。
シリカフュームのBET比表面積は、好ましくは15m/g〜25m/gであり、より好ましくは16m/g〜24m/gであり、さらに好ましくは17m/g〜23m/gである。シリカフュームのBET比表面積を上記範囲とすることにより、PCグラウト充填時の先流れをより効果的に抑制することができる。また、PCグラウトのポンプ圧送性をさらに改善することができる。
(その他の成分)
本発明に係るPCグラウト用セメント組成物は、本発明の効果が損なわれない範囲で、ポルトランドセメント、セルロース系増粘剤及び無機系増粘材以外の成分をさらに含んでいてもよい。
(流動化剤)
本発明に係るPCグラウト用セメント組成物は、本発明の効果が損なわれない範囲で、流動化剤をさらに含んでいることが好ましい。流動化剤を含ませることにより、先流れの抑制や圧送性をより向上したPCグラウトを実現し得る。
好ましく用いられる流動化剤としては、例えば、ポリカルボン酸系流動化剤等が挙げられる。ポリカルボン酸系流動化剤の具体例としては、ポリエーテル・ポリカルボン酸系流動化剤、変形ポリカルボン酸系流動化剤等が挙げられる。本発明に係るPCグラウト用セメント組成物は、1種の流動化剤のみを含んでいてもよいし、複数種類の流動化剤を含んでいてもよい。
流動化剤の含有量は、ポルトランドセメント100質量部に対して、好ましくは0.01質量部〜0.10質量部であり、より好ましくは0.02質量部〜0.09質量部であり、さらに好ましくは0.03質量部〜0.08質量部であり、さらに好ましくは0.03質量部〜0.07質量部であり、さらに好ましくは0.03質量部〜0.06質量部である。流動化剤の含有量を上記範囲とすることで、PCグラウトのポンプ圧送性をさらに改善することができる。
(無機系膨張材、消泡剤、収縮低減剤、凝結調整剤)
本発明に係るPCグラウト用セメント組成物は、本発明の効果が損なわれない範囲で、無機系膨張材、消泡剤、収縮低減剤及び凝結調整剤の群から選ばれる少なくとも1種をさらに含んでいることが好ましい。無機系膨張材、消泡剤、収縮低減剤及び凝結調整剤の群から選ばれる少なくとも1種の合量は、ポルトランドセメント100質量部に対して、好ましくは0.1質量部〜8.5質量部であり、より好ましくは0.15質量部〜7.85質量部であり、さらに好ましくは0.2質量部〜7.2質量部である。
(無機系膨張材)
無機系膨張材を用いることにより、高い圧縮強度を有するPCグラウト硬化体を実現し得る。
好ましく用いられる無機系膨張材としては、例えば、生石灰−石膏系膨張材、石膏系膨張材、カルシウムサルフォアルミネート系膨張材等が挙げられる。これらのうちの1種のみを用いてもよいし、複数種類を混合して用いてもよい。無機系膨張材の含有量は、ポルトランドセメント100質量部に対して、好ましくは3質量部〜7質量部であり、より好ましくは3.5質量部〜6.5質量部であり、さらに好ましくは4質量部〜6質量部である。無機系膨張材の含有量を上記範囲とすることで、より高い圧縮強度を有するPCグラウト硬化体を得ることができる。より高い圧縮強度を実現する観点からは、上記無機系膨張材のなかでも、生石灰−石膏系膨張材を用いることがより好ましい。
(消泡剤)
消泡剤を用いることにより、PCグラウト硬化物の圧縮強度をより高くし得る。
好ましく用いられる消泡剤としては、例えば、鉱油系、シリコーン系、アルコール系、ポリエーテル系等の合成物質又は植物由来の天然物質等が挙げられる。これらのうちの1種のみを用いてもよいし、複数種類を混合して用いてもよい。消泡剤の含有量は、ポルトランドセメント100質量部に対して、好ましくは0.2質量部〜0.5質量部であり、より好ましくは0.25質量部〜0.45質量部であり、さらに好ましくは0.3質量部〜0.4質量部である。消泡剤の含有量を上記範囲とすることで、PCグラウト硬化物の圧縮強度をより高くし得る。分散性と持続効果の観点から、ポリエーテル系や鉱油系の消泡剤がより好ましく用いられる。
(収縮低減剤)
収縮低減剤を用いることにより、硬化物のひび割れが生じ難いPCグラウトが実現し得る。
好ましく用いられる収縮低減剤としては、例えば、低級・高級アルコールアルキレンオキシド付加物やグリコールエーテル誘導体などが挙げられる。これらのうちの1種のみを用いてもよいし、複数種類を混合して用いてもよい。収縮低減剤の含有量は、ポルトランドセメント100質量部に対して、好ましくは0.1質量部〜0.5質量部であり、より好ましくは0.15質量部〜0.45質量部であり、さらに好ましくは0.2質量部〜0.4質量部である。収縮低減剤の含有量を上記範囲とすることで、硬化物のひび割れの発生を抑えることが可能となる。PCグラウト硬化物の寸法安定性をさらに向上する観点からは、上記収縮低減剤のなかでもポリエーテル誘導体がより好ましく用いられる。
(凝結調整剤)
凝結調整剤を用いることにより、硬化時間が適度に長く、適度な可使時間を有するPCグラウトを実現し得る。
好ましく用いられる凝結調整剤の具体例としては、例えば、ナトリウム塩、具体的には、硫酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウム等の無機ナトリウム塩や、酒石酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム及びグルコン酸ナトリウム等の有機ナトリウム塩などが挙げられる。これらのうちの1種のみを用いてもよいし、複数種類を混合して用いてもよい。凝結調整剤の含有量は、ポルトランドセメント100質量部に対して、好ましくは0.1質量部〜0.5質量部であり、より好ましくは0.15質量部〜0.45質量部であり、さらに好ましくは0.2質量部〜0.4質量部である。消泡剤の含有量を上記範囲とすることで、硬化時間が適度に長く、適度な可使時間を有するPCグラウトを実現し得る。
(無機系増粘材及び有機系増粘剤の含有量)
本発明において、無機系増粘材及び有機系増粘剤の含有量は、下記式(1)〜式(3)で表される関係を満たす。従って、下記の実施例及び比較例の結果からも理解されるように、先流れ及びブリーディングが生じにくく、かつ、圧送性に優れたPCグラウトを実現し得る。
Y=−30X+t (1)
1.0<Y<10.0 (2)
11.0<t<29.0 (3)
但し、式(1)〜式(3)において、
Y:ポルトランドセメント100質量部に対するシリカフュームの質量部、
X:ポルトランドセメント100質量部に対するセルロース系増粘剤の質量部、
t:係数、
である。
先流れの観点からは、下記の式(2−1)を満たすことが好ましく、下記の式(2−2)を満たすことが好ましい。
2.0<Y<9.0 (2−1)
3.0<Y<8.0 (2−2)
ポンプ圧送性、ブリーディング率の観点からは、下記の式(3−1)を満たすことが好ましい。
12.5<t<27.5 (3−1)
<PCグラウト>
本発明に係るPCグラウト用セメント組成物と水とを混練することにより、PCグラウトを調製することができる(以下の説明において、本発明に係るPCグラウト用セメント組成物と水とを混練することにより得られたPCグラウトを「本発明に係るPCグラウト」とすることがある。)。混練水量は、PCグラウト用セメント組成物100質量部に対して、好ましくは30質量部〜44質量部であり、より好ましくは32質量部〜42質量部であり、さらに好ましくは34質量部〜40質量部である。
(先流れ性)
本発明に係るPCグラウトの先流れは、好ましくは0.1cm〜3cmであり、より好ましくは0.1cm〜2cmである。
なお、PCグラウトの先流れは、下記の先流れ性試験を行うことにより測定することができる。
まず、直径が65mmのアクリル管を鉛直方向に沿って配置した状態で、アクリル管に混練直後のPCグラウトを430g充填する。次に、PCグラウトが充填されたアクリル管の下部がアクリル管の上部よりも上となるように水平方向から15°傾けて、PCグラウトの流動がストップするまでアクリル管を静置した。その状態で、PCグラウトの下端部の鉛直方向下端と、上端との間のアクリル管の軸心に沿った距離を測定し、その距離をPCグラウトの先流れとする。
(ブリーディング率)
本発明に係るPCグラウトのブリーディング率は、好ましくは0%〜0.3%であり、より好ましくは0%〜0.15%である。
なお、PCグラウトのブリーディング率は、下記の試験を行うことにより測定することができる。
100mm×100mmのポリエチレン容器に、PCグラウトを400ml充填し、透明なガラス板でポリエチレン容器に蓋をした後、3時間が経過するまで、0.5時間ごとに表面に遊離したブリーディング水を採取し、採取したブリーディング水の積算体積をPCグラウトの体積で除算することによりブリーディング率を求めることができる。
(レオロジー特性)
本発明に係るPCグラウトのせん断応力0.1s−1時のレオロジー特性は、好ましくは30Pa〜168Pa、より好ましくは32Pa〜100Pa、さらに好ましくは35Pa〜80Paである。
本発明に係るPCグラウトのせん断応力30s−1時のレオロジー特性は、好ましくは70Pa〜299Pa、より好ましくは100Pa〜250Paである。
本発明に係るPCグラウトのレオロジー特性を上記範囲とすることにより、より良好なポンプ圧送性を実現でき、かつ、先流れをより効果的に抑制することができる。
なお、PCグラウトのレオロジー特性は、下記の試験を行うことにより測定することができる。
Anton Paar社製レオメーターMCR101を用いて、共軸二重円筒治具CC27/P6に混練直後のPCグラウトを充填し、低せん断速度0.1s−1及び高せん断速度30s−1のそれぞれにおいてせん断応力(Pa)を測定し、測定値をレオロジー特性とする。
なお、上記各試験は、20℃、湿度65%RHの条件下において行った。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
(実施例1〜実施例10及び比較例1〜比較例9)
下記の表1に示す配合割合で原料をアイリッヒミキサーを用いて7分間混合し、PCグラウト用セメント組成物を調製した。
次に、調製したPCグラウト用セメント組成物1.0kgに水400gを加え、20℃、湿度65%RHの条件下、ケミスターラーを用いて2分間混練することによりPCグラウトを得た。
但し、液状タイプの有機系増粘剤O3を用いた比較例6は、表1に示す原料のうち、有機系増粘剤O3を除いた原料を混合し、PCグラウト用セメント組成物を得、そのPCグラウト用セメント組成物と水とを混練する際に有機系増粘剤O3を加えた。
なお、表1に示すC、O1、O2、O3、O4、O5、I、F、E、Dは、下記の通りである。表1に示す各成分O1、O2、O3、O4、O5、I、F、E、Dの配合割合は、ポルトランドセメントを100質量部とした場合の質量部を示している。
Figure 2019006645
(1)ポルトランドセメント
C:ポルトランドセメント (早強ポルトランドセメント、ブレーン比表面積4440cm/g)
(2)有機系増粘剤
O1:セルロース系増粘剤「主成分:ヒドロキシプロピルメチルセルロース」
(せん断速度0.1s−1の粘度9.76Pa・s、せん断速度30s−1の粘度0.00678Pa・s)
O2:界面活性ポリマー「カチオン+アニオンタイプ」
(せん断速度0.1s−1の粘度0.0178Pa・s、せん断速度30s−1の粘度0.00129Pa・s)
O3:界面活性ポリマー「カチオン+アニオンタイプ、液状タイプ」
(せん断速度0.1s−1の粘度0.053Pa・s、せん断速度30s−1の粘度0.00152Pa・s)
O4:吸水性合成樹脂ポリマー5514F
(せん断速度0.1s−1の粘度13.5Pa・s、せん断速度30s−1の粘度0.498Pa・s)
O5:吸水性合成樹脂ポリマー3910F
(せん断速度0.1s−1の粘度48.1Pa・s、せん断速度30s−1の粘度2.11Pa・s、)
上記粘度は、20℃の条件下において、有機系増粘剤の1質量%水溶液をAnton Paar社製レオメーターMCR101に共軸二重円筒治具CC27/P6を用いて、せん断速度0.1s−1及び30s−1の条件で0.1s−1で120秒測定して得られた値である。また、使用原料のうち、有機系増粘剤のO3は液状であり、それ以外は粉末状である。
(3)無機系増粘材
I:シリカフューム(BET比表面積20.0m/g)
(4)流動化剤
F:ポリカルボン酸系流動化剤
(5)無機系膨張材
E:生石灰−石膏系膨張材
(6)消泡剤
D:ポリエーテル系消泡剤
(評価)
実施例1〜実施例10及び比較例1〜比較例9のそれぞれで作製したPCグラウトにつき、上記評価方法により、ブリーディング率、レオロジー特性、先流れ性、ポンプ圧送性を評価した。結果を表2及び図1に示す。
なお、ブリーディング率に関しては、ブリーディング率が0.3%以内であれば○とし、0.3%を超える場合は×と判断した。
先流れ性に関しては、先流れが3cm以内であるものは○とし、3cmを超えて6cm以内であるものは△とし、6cmを超えるものは×と判断した。
ポンプ圧送性に関しては、30s−1時のせん断応力が300Pa以内の材料は○、300Paを超える材料は×とした。
Figure 2019006645
表2及び図1に示す結果から、下記式(1)〜式(3)で表される関係を満たす場合に、先流れ及びブリーディングが生じにくく、かつ、圧送性に優れたPCグラウトを実現し得るPCグラウト用セメント組成物を実現できることが分かる。

Claims (5)

  1. ポルトランドセメントと、
    有機系増粘剤としてのセルロース系増粘剤と、
    無機系増粘材としてのシリカフュームと、
    を含み、
    下記式(1)〜式(3)で表される関係を満たす、PCグラウト用セメント組成物。
    Y=−30X+t (1)
    1.0<Y<10.0 (2)
    11.0<t<29.0 (3)
    但し、式(1)〜式(3)において、
    Y:ポルトランドセメント100質量部に対するシリカフュームの質量部、
    X:ポルトランドセメント100質量部に対するセルロース系増粘剤の質量部、
    t:係数、
    である。
  2. セルロース系増粘剤の1質量%水溶液の20℃、せん断速度0.1s−1における粘度が、1Pa・s〜20Pa・sであり、
    セルロース系増粘剤の1質量%水溶液の20℃、せん断速度30s−1における粘度が、0.001Pa・s〜0.015Pa・sである、請求項1に記載のPCグラウト用セメント組成物。
  3. シリカフュームのBET比表面積が15m/g〜25m/gである、請求項1又は2に記載のPCグラウト用セメント組成物。
  4. 流動化剤をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のPCグラウト用セメント組成物。
  5. 無機系膨張材、消泡剤、収縮低減剤及び凝結調整剤の群から選ばれる少なくとも1種をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のPCグラウト用セメント組成物。
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