JP7108266B2 - オーバーラップ熱収縮包装用ポリエチレン系多層フィルム - Google Patents
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呼吸作用は、青果物自身から放出されるエチレンガスや、青果物を加工する際のカットによる切断ストレス等によって促進され、鮮度低下に影響することが知られている。
したがって、生産者は、品質の良い青果物を消費地に送り届けるために、様々な鮮度維持の工夫をしており、その工夫手段の1つとして、プラスチックフィルムを使用した青果物の包装が挙げられる。
スチックフィルムでは、フィルムのヒートシール強度が低下し易く、青果物自動包装機にて、オーバーラップ熱収縮包装する際に、溶断シール部にピンホールやシール開きが発生し易いため、溶断シール部の美観性を損ねる懸念点を有していた。
該2つの表面層X及び該少なくとも1つの内部層Yはそれぞれ独立してエチレン系樹脂94~99質量部、ゼオライト0~2質量部及び防曇剤1~4質量部を含む樹脂組成物から形成された層であり、
該2つの表面層X及び該少なくとも1つの内部層Yのうちの1層以上がゼオライトを含み、
該ゼオライトはSiO2/Al2O3モル比が100以上であり、
下記(a)~(c)の物性を満たす、オーバーラップ熱収縮包装用ポリエチレン系多層フィルムである。
(a)ヘイズ値が5%以下であること
(b)120℃におけるヒートシール強度が1.5N/cm以上であること
(c)120℃におけるMD方向及びTD方向それぞれの熱収縮率が55%以上であること
ここで、本発明の好ましい態様の1つは、2つの表面層Xと、これら表面層の間に設けられた少なくとも1つの内部層Yとを有する3層以上から構成される、ポリエチレン系多層フィルムであって、
該2つの表面層Xはそれぞれ独立してエチレン系樹脂94~98.5質量部、ゼオライト0.5~2質量部及び防曇剤1~4質量部を含む樹脂組成物から形成された層であり、
該少なくとも1つの内部層Yはエチレン系樹脂94~99質量部、ゼオライト0~2質量部及び防曇剤1~4質量部を含む樹脂組成物から形成された層であり、
該ゼオライトはSiO 2 /Al 2 O 3 モル比が100以上であり、下記(a)~(c)の物性を満たす、オーバーラップ熱収縮包装用ポリエチレン系多層フィルムである。
(a)ヘイズ値が5%以下であること
(b)120℃におけるヒートシール強度が1.5N/cm以上であること
(c)120℃におけるMD方向及びTD方向それぞれの熱収縮率が55%以上であること
<エチレン系樹脂>
本発明において、表面層X及び内部層Yの形成に用いられる樹脂組成物の内、エチレン
系樹脂とは、エチレンの単独重合体、及び/又は、エチレンと少量の他のモノマーとの共重合体である。ここでいう他のモノマーは特に限定されないが、プロピレン、ブテン-1、ヘキセン-1、オクテン-1、4-メチル-ペンテン-1等のα-オレフィン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸の金属イオン中和物等が挙げられる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタクリル酸との総称であり、そのいずれか一方又は両方を指す。
本発明において、表面層X及び/又は内部層Yの形成に用いられる樹脂組成物の内、ゼオライトとは、結晶性アルミノ珪酸塩の総称であり、一般式としては、M2/nO・Al2O3・xSiO2・yH2Oで示される。ここでMは金属陽イオンを意味し、nは金属陽イオンの原子価を意味し、xとyはぞれぞれSiO2及びH2Oのモル数を意味する。
ここでいうゼオライトは特に限定されるものではなく、一般的に分類されている合成ゼオライト、人工ゼオライト、天然ゼオライト群の中から選ばれる。
ゼオライトは、青果物から放出されるエチレンガスを吸収することで、青果物の呼吸を抑制し、鮮度保持性を付与する作用を成す。
また、上記ゼオライトとしては、レーザ回折式粒度分布測定装置(例えば、Malvern Panalytical社製マスターサイザー3000)を使用して測定される平均粒径が0.5~1
0μmであることが好ましい。平均粒径が10μmを超えると多層フィルムの透明性が低下して、包装物の美観性を損ねる可能性があるので、好ましくなく、平均粒径が0.5μm未満では、ゼオライトの製造コストアップとなり、多層フィルムのコストパフォーマンスが低下する為、好ましくない。
本発明において、表面層X及び内部層Yの形成に用いられる樹脂組成物の内、防曇剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸コハク酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン-グリセリン系縮合脂肪酸エステル、ソルビタン-ジグリセリン系縮合脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステルなどの多価アルコール部分脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルなどのエチレンオキサイド付加物、さらにソルビトールにプロピレンオキサイドとエチレンオキサイドを付加した後にエステル化して得られるソルビトール誘導体、アルキルアミン、アルキルアミド、アルキルエタノールアミン、脂肪酸ジエタノールアミドなどのアミン、アミド類およびそれらのエチレンオキサイド付加物、ポリアルキレングリコール等の非イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤及びその他公知のものが挙げられる。
防曇剤は、1種単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
これに対し、本発明は防曇剤を使用することにより、プラスチックフィルム表面に防曇剤を存在させて、プラスチックフィルム表面を親水化することで、水滴では無く水膜にすることができるので、曇りの発生を抑え、被包装物を包装する多層フィルムとして適切な外観を得ることができる。
ヘイズ値が5%を超えると、被包装物を容易に識別し、商品価値を低下させないために必要な透明性が得られない可能性がある。120℃におけるヒートシール強度が1.5N
/cm未満である場合は、青果物を自動包装する際の溶断シール性が低下し、溶断シール部にピンホールや開きが発生し、包装物の外観を損ねる可能性がある。また、120℃におけるMD方向及びTD方向それぞれの熱収縮率が55%未満である場合には、青果物を自動包装する際の収縮仕上がり性が低下し、包装物の外観を損ねる可能性がある。
上記で例示した包装機は、ピロー包装の三方ヒートシールされた製袋方式で、縦シールがローレットであり、横シールがシールアンドカットのヒートシール方式である。また、該包装機は被包装物の縦サイズを自動測長して、フィルムのカット長を、予め設定した余尺になるように自動設定するシステム(PAMS)を採用しており、形状の異なる被包装物であっても、被包装物に最適な製袋サイズに自動包装することができる。この包装機に熱収縮トンネルを付設して、熱収縮包装することにより、タイトな収縮仕上がりが得られる収縮包装体を製造することができる。
次に、本発明の多層フィルムの製造方法を例示する。
前記の樹脂組成物を用いて製造した多層フィルムを、公知の縦横同時2軸延伸方法で延伸する。延伸倍率は縦横とも3~7倍であることが好ましい。3倍未満では、得られる多層フィルムの熱収縮率が低く、満足な収縮仕上がり性が得られない可能性があるので、好ましくなく、7倍を超えると、多層フィルムの引裂強度が低下する虞があるので、好ましくない。
また、本発明の目的に支障をきたさない範囲内であれば、多層フィルムに耐熱性を付与して収縮仕上がり性を向上させる等の目的で、電子線等により、多層フィルムの架橋処理を適宜施しても良い。
まず、エチレン系樹脂、ゼオライト及び防曇剤を含む樹脂組成物から形成された層が両表面層に、エチレン系樹脂及び防曇剤を含む樹脂組成物から形成された層が両中間層に、エチレン系樹脂及び防曇剤を含む樹脂組成物から形成された層が芯層になるように、3台或いは5台の押出機により溶融混練し、押出機先端に接合された5層構成の環状ダイより環状に共押出し、延伸することなく一旦急冷固化してチューブ状未延伸多層フィルムを作製する。次いで、電子線照射装置にて、チューブ状未延伸多層フィルムの両面に電子線を照射し、架橋チューブ状未延伸多層フィルムを作製する。得られた架橋チューブ状未延伸多層フィルムを、チューブラー延伸装置に供給し、高度の配向可能な温度範囲で再加熱し、チューブ内部にガス圧を適用して膨張延伸により、縦横とも延伸倍率3~7倍で同時二軸配向を起こさせる。延伸装置から取り出した多層フィルムは、所望により熱処理やアニーリングすることができ、これにより保存中の自然収縮を抑制することができる。
るものではない。
なお、実施例及び比較例おける測定及び評価の方法は、以下に示す通りに行った。
1.フィルム厚み:JIS-Z1709に準じて測定した。
2.厚み比:フィルムの断面を顕微鏡で観察することにより測定した。
3.ヘイズ値:JIS-K7105に準じて測定した。
4.ヒートシール強度:テスター産業(株)製ヒートシールテスター(型式:TP-701-B)を用い、120℃に温調された幅10cmのヒートシールバーにて、二枚に重ねたフィルムを、ゲージ圧力0.8kgf/cm2、シール時間1.0秒でシールした。その後、フィルムを15mm幅に切り出して、シール部を剥離するように引っ張り試験機のつかみ器具に装着し、シール強度をJIS-Z1707に準拠して測定した。
5.熱収縮率:ASTM-D1204に準じて120℃で測定した。
<鮮度保持性>
○:包装サンプルを包装後直ぐに10℃雰囲気下で静置し、3日経過後、被包装物である白菜において、変色、しおれ、腐敗等の鮮度低下の見られないものが10個中8個以上。△:包装サンプルを包装後直ぐに10℃雰囲気下で静置し、3日経過後、被包装物である白菜において、変色、しおれ、腐敗等の鮮度低下の見られないものが10個中3~7個。×:包装サンプルを包装後直ぐに10℃雰囲気下で静置し、3日経過後、被包装物である白菜において、変色、しおれ、腐敗等の鮮度低下の見られないものが10個中2個以下。<溶断シール性>
○:包装サンプルの溶断シール部にピンホールやシール開きが見られない、良好な溶断シール性が得られる溶断シール温度範囲が存在する。
×:包装サンプルの溶断シール部にピンホールやシール開きが見られない、良好な溶断シール性が得られる溶断シール温度範囲が存在しない。
<収縮仕上がり性>
○:収縮フィルムと被包装物とのタイト感は十分あり、また包装サンプルの四隅の角立ちが殆ど無い。
×:収縮フィルムと被包装物とのタイト感が不十分である、または、包装サンプルの四隅の角立ちが大きく、外観を損ねる。
<透明性>
○:収縮フィルムの透明性が良好で、被包装物の識別が容易にできる。
×:収縮フィルムの透明性が不良であるため、被包装物の識別が困難である、または、識別が出来ても包装物の外観を損なうため、包装物の商品価値を低下させる。
表1に示すように、密度0.913g/cm3、メルトインデックス(以下、MIとも表記する。)2.4g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン(A1)95.5質量部、平均粒径1μm、SAR値2000超の合成ゼオライト(B1)1.5質量部及び防曇剤(C1)(グリセリン脂肪酸エステル/ポリグリセリン脂肪酸エステル/ポリオキシエチレンアルキルエーテルの質量比=20/70/10の混合物)3質量部からなる樹脂組成物を両表面層とし、密度0.920g/cm3、MI0.5g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン(A2)98質量部及び防曇剤(C2)(グリセリン脂肪酸エステル/ポリグリセリン脂肪酸エステルの質量比=50/50の混合物)2質量部からなる樹脂組成物を両中間層とし、密度0.905g/cm3、MI0.8g/10分の超低密度ポリエチレン(A3)98質量部及び防曇剤(C2)(グリセリン脂肪酸エステル/ポリグリセリン脂
肪酸エステルの質量比=50/50の混合物)2質量部からなる樹脂組成物を芯層とし、3台の押出機で溶融混練した後、厚み比が1/1/4/1/1になるように各押出機の押出量を設定し、5層環状ダイスにより下向きに共押出した。形成された5層構成チューブを、内側は冷却水が循環している円筒状冷却マンドレルの外表面を摺動させながら、外側は水槽を通すことにより冷却して引き取り、未延伸多層フィルムを得た。このチューブ状未延伸多層フィルムの両面に、日新ハイボルテージ社製の電子線照射装置を用いて、110kGyの照射条件で電子線照射を行った後、架橋チューブ状未延伸多層フィルムをチューブラー二軸延伸装置に導き、樹脂融点付近の温度まで加熱し、縦横それぞれ6倍に延伸し、フィルム厚み10μmの二軸延伸多層フィルムを得た。
得られたフィルムは、鮮度保持性、溶断シール性、収縮仕上がり性及び透明性のいずれもが良好であった。
表1に示すように、密度0.913g/cm3、MI2.4g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン(A1)97質量部、平均粒径6μm、SAR値400の合成ゼオライト(B2)1質量部及び防曇剤(C1)(グリセリン脂肪酸エステル/ポリグリセリン脂肪酸エステル/ポリオキシエチレンアルキルエーテルの質量比=20/70/10の混合物)2質量部からなる樹脂組成物を両表面層とし、密度0.920g/cm3、MI0.5g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン(A2)78質量部、密度0.964g/cm3、MI5.2g/10分の高密度ポリエチレン(A4)20質量部及び防曇剤(C2)(グリセリン脂肪酸エステル/ポリグリセリン脂肪酸エステルの質量比=50/50の混合物)2質量部からなる樹脂組成物を両中間層とし、厚み比を1/1/5/1/1とした以外は、実施例1と同様の方法で、フィルム厚み10μmの二軸延伸多層フィルムを得た。
得られたフィルムは、鮮度保持性、溶断シール性、収縮仕上がり性及び透明性のいずれもが良好であった。
表1に示すように、密度0.913g/cm3、MI2.4g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン(A1)98.5質量部、平均粒径3μm、SAR値105の合成ゼオライト(B3)0.5質量部及び防曇剤(C1)(グリセリン脂肪酸エステル/ポリグリセリン脂肪酸エステル/ポリオキシエチレンアルキルエーテルの質量比=20/70/10の混合物)1質量部からなる樹脂組成物を両表面層とし、厚み比を1/1/3/1/1とした以外は、実施例1と同様の方法で、フィルム厚み10μmの二軸延伸多層フィルムを得た。
得られたフィルムは、鮮度保持性、溶断シール性、収縮仕上がり性及び透明性のいずれもが良好であった。
表1に示すように、密度0.913g/cm3、MI2.4g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン(A1)97質量部、平均粒径1μm、SAR値2000超の合成ゼオライト(B1)1質量部及び防曇剤(C1)(グリセリン脂肪酸エステル/ポリグリセリン脂肪酸エステル/ポリオキシエチレンアルキルエーテルの質量比=20/70/10の混合物)2質量部からなる樹脂組成物を両表面層とした以外は、実施例2と同様の方法で、フィルム厚み10μmの二軸延伸多層フィルムを得た。
得られたフィルムは、鮮度保持性、溶断シール性、収縮仕上がり性及び透明性のいずれもが良好であった。
表1に示すように、密度0.913g/cm3、MI2.4g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン(A1)96質量部、平均粒径3μm、SAR値105の合成ゼオライト(
B3)1質量部及び防曇剤(C1)(グリセリン脂肪酸エステル/ポリグリセリン脂肪酸エステル/ポリオキシエチレンアルキルエーテルの質量比=20/70/10の混合物)3質量部からなる樹脂組成物を両表面層とした以外は、実施例1と同様の方法で、フィルム厚み10μmの二軸延伸多層フィルムを得た。
得られたフィルムは、鮮度保持性、溶断シール性、収縮仕上がり性及び透明性のいずれもが良好であった。
表2に示すように、密度0.913g/cm3、MI2.4g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン(A1)97質量部及び防曇剤(C1)(グリセリン脂肪酸エステル/ポリグリセリン脂肪酸エステル/ポリオキシエチレンアルキルエーテルの質量比=20/70/10の混合物)3質量部からなる樹脂組成物を両表面層とした以外は、実施例1と同様の方法で、フィルム厚み10μmの二軸延伸多層フィルムを得た。
得られたフィルムは、溶断シール性、収縮仕上がり性及び透明性については良好なものの、鮮度保持性が不十分な結果であった。
表2に示すように、密度0.913g/cm3、MI2.4g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン(A1)96質量部、金属微粒子抗菌剤(D1)2質量部及び防曇剤(C1)(グリセリン脂肪酸エステル/ポリグリセリン脂肪酸エステル/ポリオキシエチレンアルキルエーテルの質量比=20/70/10の混合物)2質量部からなる樹脂組成物を両表面層とした以外は、実施例2と同様の方法で、フィルム厚み10μmの二軸延伸多層フィルムを得た。
得られたフィルムは、鮮度保持性及び収縮仕上がり性については良好なものの、ヒートシール強度が低いため溶断シール性が不十分であり、また、ヘイズ値が高く、透明性が劣る結果であった。
表2に示すように、密度0.913g/cm3、MI2.4g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン(A1)96質量部、平均粒径4μm、SAR値30の合成ゼオライト(B4)1質量部及び防曇剤(C1)(グリセリン脂肪酸エステル/ポリグリセリン脂肪酸エステル/ポリオキシエチレンアルキルエーテルの質量比=20/70/10の混合物)3質量部からなる樹脂組成物を両表面層とした以外は、実施例3と同様の方法で、フィルム厚み10μmの二軸延伸多層フィルムを得た。
得られたフィルムは、鮮度保持性、溶断シール性及び収縮仕上がり性については良好なものの、ヘイズ値が高く、透明性が劣る結果であった。
表2に示すように、密度0.913g/cm3、MI2.4g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン(A1)95質量部、平均粒径3μm、SAR値3の合成ゼオライト(B5)3質量部及び防曇剤(C1)(グリセリン脂肪酸エステル/ポリグリセリン脂肪酸エステル/ポリオキシエチレンアルキルエーテルの質量比=20/70/10の混合物)2質量部からなる樹脂組成物を両表面層とした以外は、実施例4と同様の方法で、フィルム厚み10μmの二軸延伸多層フィルムを得た。
得られたフィルムは、鮮度保持性、溶断シール性及び収縮仕上がり性については良好なものの、ヘイズ値が高く、透明性が劣る結果であった。
表2に示すように、延伸倍率を縦横それぞれ2.5倍とした以外は、実施例5と同様の方法で、フィルム厚み10μmの二軸延伸多層フィルムを得た。
得られたフィルムは、鮮度保持性、溶断シール性及び透明性については良好なものの、熱収縮率が低いため、収縮仕上がり性が不十分であった。
Claims (2)
- 2つの表面層Xと、これら表面層の間に設けられた少なくとも1つの内部層Yとを有する3層以上から構成される、ポリエチレン系多層フィルムであって、
該2つの表面層Xはそれぞれ独立してエチレン系樹脂94~98.5質量部、ゼオライト0.5~2質量部及び防曇剤1~4質量部を含む樹脂組成物から形成された層であり、
該少なくとも1つの内部層Yはエチレン系樹脂94~99質量部、ゼオライト0~2質量部及び防曇剤1~4質量部を含む樹脂組成物から形成された層であり、
該 ゼオライトはSiO2/Al2O3モル比が100以上であり、下記(a)~(c)の物性を満たす、オーバーラップ熱収縮包装用ポリエチレン系多層フィルム。
(a)ヘイズ値が5%以下であること
(b)120℃におけるヒートシール強度が1.5N/cm以上であること
(c)120℃におけるMD方向及びTD方向それぞれの熱収縮率が55%以上であること - 前記ゼオライトの平均粒径が0.5~10μmである、請求項1に記載のオーバーラップ熱収縮包装用ポリエチレン系多層フィルム。
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