JP7107215B2 - 電解めっき装置および銅張積層板の製造方法 - Google Patents

電解めっき装置および銅張積層板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7107215B2
JP7107215B2 JP2018245010A JP2018245010A JP7107215B2 JP 7107215 B2 JP7107215 B2 JP 7107215B2 JP 2018245010 A JP2018245010 A JP 2018245010A JP 2018245010 A JP2018245010 A JP 2018245010A JP 7107215 B2 JP7107215 B2 JP 7107215B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copper
base material
wire
plating
clamp
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018245010A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020105579A (ja
Inventor
貴広 須田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP2018245010A priority Critical patent/JP7107215B2/ja
Publication of JP2020105579A publication Critical patent/JP2020105579A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7107215B2 publication Critical patent/JP7107215B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Description

本発明は、電解めっき装置および銅張積層板の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、基材の両面にめっき被膜を成膜する電解めっき装置、およびその電解めっき装置を用いた銅張積層板の製造方法に関する。
液晶パネル、ノートパソコン、デジタルカメラ、携帯電話などには、樹脂フィルムの表面に配線パターンが形成されたフレキシブルプリント配線板が用いられる。フレキシブルプリント配線板は、例えば、銅張積層板から製造される。
銅張積層板の製造方法としてメタライジング法が知られている。メタライジング法による銅張積層板の製造は、例えば、つぎの手順で行なわれる。まず、樹脂フィルムの表面にニッケルクロム合金からなる下地金属層を形成する。つぎに、下地金属層の上に銅薄膜層を形成する。つぎに、銅薄膜層の上に銅めっき被膜を形成する。銅めっきにより、配線パターンを形成するのに適した膜厚となるまで導体層を厚膜化する。メタライジング法により、樹脂フィルム上に直接導体層が形成された、いわゆる2層基板と称されるタイプの銅張積層板が得られる。
銅めっき被膜は電解めっき装置を用いて成膜される。電解めっき装置として、ロールツーロールにより長尺帯状の基材を搬送しつつ、基材に対して電解めっきを行なう装置が知られている(例えば、特許文献1)。この種の電解めっき装置は複数のクランプが設けられた上下一対のエンドレスベルトを有する。基材はその幅方向が鉛直方向に沿う懸垂姿勢となり、両縁が上下のクランプに把持される。エンドレスベルトの動作により基材はめっき槽内を搬送される。上側のエンドレスベルトに設けられたクランプを介して基材に電流を流すことで、基材の表面にめっき被膜を成膜できる。
特開2015-67852号公報
前記電解めっき装置で基材の両面にめっき被膜を成膜したところ、一方の面に成膜されためっき被膜の厚さが、他方の面に成膜されためっき被膜の厚さよりも薄いことが確認された。
本発明は上記事情に鑑み、両面のめっき被膜の厚さの差異を小さくできる電解めっき装置を提供することを目的とする。また、本発明は、両面の銅めっき被膜の厚さの差異が小さい銅張積層板の製造方法を提供することを目的とする。
第1発明の電解めっき装置は、薄膜状の基材の両面にめっき被膜を成膜する電解めっき装置であって、前記基材が浸漬されるめっき液が貯留されためっき槽と、前記基材を把持するクランプと、前記クランプを介して前記基材に給電する給電装置と、を備え、前記クランプは、前記給電装置と接続し、前記基材の第1面と接触する本体部と、前記本体部に設けられ、前記基材の第2面と接触する可動部と、前記本体部と前記可動部とを電気的に接続する連結ケーブルと、を備え前記連結ケーブルは、導電性を有する線材と、前記線材の両端に固定された一対の端子と、前記端子の前記線材との接続部と前記線材とを覆う被覆と、を備え、前記端子の前記接続部は、ブラスト処理された後、プライマーが塗布されており、前記被覆はディップコーティングにより形成されていることを特徴とする。
第2発明の電解めっき装置は、第1発明において、前記線材は、ブラスト処理およびプライマー塗布がなされていないことを特徴とする。
第3発明の電解めっき装置は、第1または第2発明において、前記被覆は軟質塩化ビニルで形成されていることを特徴とする。
第4発明の銅張積層板の製造方法は、第1~第3発明のいずれかの電解めっき装置を用いて、前記基材の両面に銅めっき被膜を成膜して銅張積層板を得ることを特徴とする。
第1発明によれば、クランプの本体部と可動部とが連結ケーブルで接続されているので、給電装置と基材の第1面との間の電気抵抗と、給電装置と基材の第2面との間の電気抵抗との差異を小さくできる。電流を基材の両面に均等に供給できるため、両面のめっき被膜の厚さの差異を小さくできる。また、端子の接続部がブラスト処理された後、プライマーが塗布されているので、端子と被覆との密着性が高い。そのため、連結ケーブルの防水性が高い。
第2発明によれば、線材にはブラスト処理およびプライマー塗布がなされていないので、線材と被覆とは密着性が低い。そのため、連結ケーブルの柔軟性が高い。
第3発明によれば、被覆が軟質塩化ビニルで形成されているので、連結ケーブルの柔軟性が高い。
第4発明によれば、電流を基材の両面に均等に供給できるため、両面の銅めっき被膜の厚さの差異が小さい銅張積層板を製造できる。
本発明の一実施形態に係る電解めっき装置の斜視図である。 めっき槽の平面図である。 クランプの側面図である。 クランプの正面図である。 連結ケーブルの平面図である。 銅張積層板の断面図である。 図(A)は実施例1における銅めっき被膜の厚さの測定結果を示すグラフである。図(B)は比較例1における銅めっき被膜の厚さの測定結果を示すグラフである。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
(電解めっき装置)
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る電解めっき装置1は、ロールツーロールにより長尺帯状の基材BMを搬送しつつ、基材BMに対して電解めっきを行なう装置である。基材BMは薄膜状であり、その両面にめっき被膜が成膜される。
電解めっき装置1はロール状に巻回された基材BMを繰り出す供給装置11と、めっき後の製品をロール状に巻き取る巻取装置12とを有する。また、電解めっき装置1は基材BMを搬送する上下一対のエンドレスベルト13(下側のエンドレスベルト13は図示省略)を有する。各エンドレスベルト13には基材BMを把持する複数のクランプ20が設けられている。供給装置11から繰り出された基材BMは、その幅方向が鉛直方向に沿う懸垂姿勢となり、両縁が上下のクランプ20に把持される。基材BMはエンドレスベルト13の動作により電解めっき装置1内を周回した後、クランプ20から開放され、巻取装置12で巻き取られる。
基材BMの搬送経路には、前処理槽14、めっき槽15、および後処理槽16が配置されている。基材BMはめっき槽15内を搬送されつつ、電解めっきによりその表面にめっき被膜が成膜される。
図2に示すように、めっき槽15は基材BMの搬送方向に沿った横長の槽である。基材BMはめっき槽15の中心に沿って搬送される。めっき槽15にはめっき液が貯留されている。めっき槽15内を搬送される基材BMは、その全体がめっき液に浸漬されている。
めっき槽15の内部には、基材BMの搬送方向に沿って複数のアノード17が配置されている。また、後述のごとく、上側のエンドレスベルト13に設けられたクランプ20は基材BMに電流を供給する給電端子としての機能も有する。基材BMとアノード17との間に電流を流すことで、基材BMの表面にめっき被膜を成膜できる。
めっき槽15には、基材BMの表裏両側にアノード17が配置されている。したがって、両面が導電性を有する基材BMを用いれば、基材BMの両面にめっき被膜を成膜できる。
図3に示すように、クランプ20は本体部21と可動部22とからなるバネクランプである。可動部22はヒンジ部23を介して本体部21に設けられている。したがって、可動部22はヒンジ部23を中心として本体部21に対して回動可能である。本体部21の下端には基材BMと接触する接触部21aが設けられている。また、可動部22の下端には基材BMと接触する接触部22aが設けられている。可動部22が本体部21に対して回動することにより、本体部21の接触部21aと可動部22の接触部22aとの間が開閉する。
ヒンジ部23には図示しないねじりコイルバネが設けられている。ねじりコイルバネにより接触部21aと接触部22aとの間が閉まる方向に付勢されている。接触部21aと接触部22aとの間を閉じることで、基材BMを把持できる。また、接触部21aと接触部22aとの間を開くことで、把持していた基材BMを開放できる。
基材BMは薄膜状である。基材BMの一方の主面を第1面S1とし、第1面S1と反対側の主面を第2面S2とする。また、本体部21の接触部21aが第1面S1と接触し、可動部22の接触部22aが第2面S2と接触するとする。
本体部21の上端には略水平に配置された板状のスライダ21bが設けられている。スライダ21bは後述の給電装置30と接触し、給電装置30から電流の供給を受ける。本体部21および可動部22は、それぞれ金属などの導電体で形成されている。また、本体部21と可動部22とはヒンジ部23で接触しており、導通している。給電装置30から供給された電流は、本体部21および可動部22を流れて、基材BMに供給される。
図4に示すように、上側のエンドレスベルト13には、上記構成のクランプ20が複数並んで設けられている。クランプ20の本体部21の上部がエンドレスベルト13に固定されている。
めっき槽15の上方には給電装置30が設けられている。給電装置30は基材BMの搬送経路に沿って略水平に設けられたブスバー31を有する。ブスバー31は図示しない整流器に接続されている。ブスバー31の下方には複数の給電ブラシ32が並べて配置されている。各給電ブラシ32は圧縮バネ33を介してブスバー31に取り付けられている。圧縮バネ33の付勢により給電ブラシ32は本体部21のスライダ21bに押し付けられている。
エンドレスベルト13の動作にともない、複数のクランプ20は略水平方向に移動する。この際、クランプ20のスライダ21bは給電装置30の給電ブラシ32に順次接触する。整流器から供給された電流は、ブスバー31および給電ブラシ32を介して各クランプ20に供給される。また、各クランプ20から基材BMに電流が供給される。このように、給電装置30はクランプ20を介して基材BMに給電する。
なお、めっき槽15に貯留されためっき液の液位は、基材BMの上側の縁より上であり、クランプ20の下端部(ヒンジ部23よりも下方の部分)のみがめっき液に浸かる程度である。
このような構成の電解めっき装置1を用いれば、薄膜状の基材BMの両面S1、S2にめっき被膜を成膜できる。ところが、本願発明者は、基材BMの両面S1、S2に成膜されるめっき被膜の厚さに差異が生じるとの知見を得た。具体的には、クランプ20の本体部21に接触している第1面S1に成膜されためっき被膜は厚く、可動部22に接触している第2面S2に成膜されためっき被膜は薄い場合がある。
この現象はクランプ20の本体部21側と可動部22側との電気抵抗の差異に起因すると考えられる。すなわち、本体部21側(給電装置30と第1面S1との間)の電気抵抗が低く、可動部22側(給電装置30と第2面S2との間)の電気抵抗が高いことから、第1面S1に電流が多く流れ、第1面S1側のめっき被膜が厚くなると考えられる。
そこで、図3に示すように、本実施形態のクランプ20は、本体部21と可動部22とを電気的に接続する連結ケーブル40を有する。連結ケーブル40は導電性を有するケーブルであれば特に限定されない。また、連結ケーブル40の取り付け方法は特に限定されない。連結ケーブル40の一端を本体部21にビスで固定し、他端を可動部22にビスで固定すればよい。図3に示す例では、連結ケーブル40はヒンジ部23の上方においてU字形に曲げられた状態で取り付けられている。連結ケーブル40の一端は本体部21の上下中央付近に固定されており、他端は可動部22の上部に固定されている。
クランプ20の本体部21と可動部22とが連結ケーブル40で接続されているので、給電装置30と基材BMの第1面S1との間の電気抵抗と、給電装置30と基材BMの第2面S2との間の電気抵抗との差異を小さくできる。電流を基材BMの両面S1、S2に均等に供給できるため、両面S1、S2のめっき被膜の厚さの差異を小さくできる。
なお、別の連結ケーブルを用いて、隣り合うクランプ20、20を接続してもよい。そうすれば、各クランプ20から基材BMに供給される電流のばらつきを低減でき、一部のクランプ20から基材BMに瞬間的に過大な電流が流れることを防止できる。
(連結ケーブル)
つぎに、連結ケーブル40を説明する。
前述のごとく、連結ケーブル40の構成は特に限定されないが、以下の構成とすることが好ましい。
連結ケーブル40はめっき液の液面より上方に配置される。そのため、通常の操業状態において連結ケーブル40がめっき液に長時間浸漬されることはない。しかし、連結ケーブル40はめっき液の液面近くに配置されるため、めっき液が掛かることは頻繁にある。また、めっき液は硫酸を含むことがあり腐食性が高い。連結ケーブル40の防水性が低いと、侵入しためっき液により腐食し、断線する恐れがある。そのため、防水性の高い連結ケーブル40が求められる。
図5に示すように、本実施形態の連結ケーブル40は、主として導電性を有する線材41からなる。線材41は特に限定されないが、銅の撚線が好適に用いられる。線材41の両端には一対の端子42、42が固定されている。端子42はクランプ20の本体部21または可動部22に固定される部材である。端子42は特に限定されないが、圧着端子が好適に用いられる。
端子42のうち線材41と接続する部分を接続部42aと称する。端子42として圧着端子を用いる場合、接続部42aは線材41の端部が挿入されるスリーブである。両端子42、42の接続部42a、42aと線材41とは樹脂などの絶縁体で形成された被覆43で覆われている。この被覆43により連結ケーブル40の防水性が確保されている。
端子42の接続部42aと被覆43との密着性が弱いと、それらの間からめっき液が侵入することがある。そこで、つぎの処理をすることが好ましい。
まず、線材41の両端に端子42、42を固定する。つぎに、各端子42の接続部42aにブラスト処理を施す。端子42はステンレス鋼などの金属製であり、その表面は酸化被膜で覆われている。ブラスト処理により接続部42aの表面の酸化被膜を除去する。つぎに、接続部42aにプライマーを塗布する。プライマーとしては、端子42の素材である金属と被覆43の素材である樹脂との密着性を高めるものを選択する。その後、線材41および接続部42aをコーティング液に浸漬した後、引き上げるディップコーティングにより被覆43を形成する。
このように、端子42の接続部42aにブラスト処理を施した後、プライマーを塗布することで、端子42と被覆43との密着性が高くなる。そのため、端子42と被覆43との間からめっき液が侵入しにくくなり、連結ケーブル40の防水性が高くなる。
ただし、線材41にはブラスト処理およびプライマー塗布を施さない方が好ましい。線材41にブラスト処理およびプライマー塗布を行なうと、線材41と被覆43とが強固に密着し、連結ケーブル40の柔軟性が低くなる。これに対して、線材41にブラスト処理およびプライマー塗布を行なわなければ、線材41と被覆43との密着性が低くなり、連結ケーブル40の柔軟性が高くなる。要するに、連結ケーブル40を曲げやすくなる。
また、被覆43を軟質塩化ビニルで形成することが好ましい。そうすれば、被覆43自体の柔軟性も高くなり、連結ケーブル40の柔軟性が高くなる。
図3に示すように、連結ケーブル40はヒンジ部23の上方においてU字形に曲げられた状態で取り付けられる。したがって、クランプ20を開閉するたびに、連結ケーブル40の曲げ伸ばしが行なわれる。連結ケーブル40の柔軟性が高ければ、クランプ20の開閉を阻害することがない。
なお、以上に説明した構成の連結ケーブル40は、クランプ20の本体部21と可動部22とを接続するのに用いられるほか、隣り合うクランプ20、20を接続するのに用いてもよい。
(銅張積層板)
前記の電解めっき装置1を用いて基材BMの両面S1、S2に銅めっき被膜を成膜すれば、銅張積層板を得ることができる。なお、電解めっき装置1は銅張積層板を製造するのに限定されず、種々の製品を製造するのに用いられる。
図6に示すように、銅張積層板50は、基材BMと、基材BMの両面S1、S2に成膜された銅めっき被膜54、54とからなる。
基材BMは絶縁性を有するベースフィルム51の両面に金属層が形成されたものである。ベースフィルム51としてポリイミドフィルムなどの樹脂フィルムを用いることができる。金属層は、例えば、スパッタリング法により形成される。金属層は下地金属層52と銅薄膜層53とからなる。下地金属層52と銅薄膜層53とはベースフィルム51の表面にこの順に積層されている。一般に、下地金属層52はニッケル、クロム、またはニッケルクロム合金からなる。特に限定されないが、下地金属層52の厚さは5~50nmが一般的であり、銅薄膜層53の厚さは50~400nmが一般的である。銅めっき被膜54は銅薄膜層53の表面に形成されている。特に限定されないが、銅めっき被膜54の厚さは1~3μmが一般的である。
前記の電解めっき装置1を用いれば、電流を基材BMの両面S1、S2に均等に供給できるため、両面S1、S2の銅めっき被膜54、54の厚さの差異が小さい銅張積層板50を製造できる。
(膜厚試験)
連結ケーブル40の効果を確認するため、銅張積層板50の両面の銅めっき被膜54、54の厚さを測定する試験を行なった。
・実施例1
前記の構成の電解めっき装置1を用いて、基材BMの両面に銅めっき被膜54、54を成膜して銅張積層板50を製造した。ここで、クランプ20の本体部21と可動部22とを連結ケーブル40で接続した。また、銅めっき被膜54の設定厚さを3μmとした。
得られた銅張積層板50の両面の銅めっき被膜54、54の厚さを測定した。測定には蛍光X線膜厚計を用いた。その結果を図7(A)に示す。図7(A)のグラフの横軸は基材BMの幅方向の位置を示す。0mmは基材BMの上縁であり、524mmは基材BMの下縁である。0mm側の縁が給電装置30に接続されたクランプ20に把持されている。縦軸は銅めっき被膜54の厚さを示す。図7(A)のグラフより、両面の銅めっき被膜54、54の厚さにはほとんど差異がないことが確認できる。
・比較例1
実施例1と同様の条件で銅張積層板50を製造した。ただし、クランプ20の本体部21と可動部22とは連結ケーブル40で接続しなかった。得られた銅張積層板50の両面の銅めっき被膜54、54の厚さを測定した。
その結果を図7(B)に示す。図7(B)のグラフより、両面の銅めっき被膜54、54の厚さは、特に下縁に近づくほど、差異が生じることが確認できる。両面の銅めっき被膜54、54の厚さの差異は最大で1μm程度である。
以上より、クランプ20の本体部21と可動部22とを連結ケーブル40で接続することで、両面のめっき被膜の厚さの差異を小さくできることが確認できた。
(連結ケーブル試験)
つぎに、種々の手順で連結ケーブルを試作し、防水性および柔軟性を確認した。
・試料1
銅の撚線の両端に圧着端子を固定した。圧着端子のスリーブにブラスト処理を施した後、プライマーを塗布した。撚線にはブラスト処理およびプライマー塗布を行なわなかった。その後、撚線および圧着端子のスリーブに対して、ディップコーティングにより被覆を形成した。被覆の素材として軟質塩化ビニルを用いた。得られた連結ケーブルを試料1とする。
・試料2
銅の撚線の両端に圧着端子を固定した。圧着端子のスリーブにブラスト処理を施した後、プライマーを塗布した。撚線にはブラスト処理およびプライマー塗布を行なわなかった。その後、撚線および圧着端子のスリーブに対して、ディップコーティングにより被覆を形成した。被覆の素材として硬質塩化ビニルを用いた。得られた連結ケーブルを試料2とする。
・試料3
銅の撚線の両端に圧着端子を固定した。圧着端子のスリーブおよび撚線にブラスト処理を施した後、プライマーを塗布した。その後、撚線および圧着端子のスリーブに対して、ディップコーティングにより被覆を形成した。被覆の素材として軟質塩化ビニルを用いた。得られた連結ケーブルを試料3とする。
・試料4
銅の撚線の両端に圧着端子を固定した。ブラスト処理およびプライマー塗布は行なわなかった。撚線および圧着端子のスリーブに対して、ディップコーティングにより被覆を形成した。被覆の素材として軟質塩化ビニルを用いた。得られた連結ケーブルを試料4とする。
・試料5
銅の撚線の両端に圧着端子を固定した。撚線の全体を軟質塩化ビニル製のチューブに挿入し、チューブの両端を熱収縮チューブで封止した。得られた連結ケーブルを試料5とする。
・試料6
銅の撚線の両端に圧着端子を固定した。撚線の全体を軟質塩化ビニル製のチューブに挿入し、チューブの両端をPTFE製のテープで巻き締めた後、熱収縮チューブで封止した。得られた連結ケーブルを試料6とする。
得られた試料1~6に対して防水性の評価を行なった。防水性の評価は、連結ケーブルをU字形に曲げた状態で硫酸銅を主成分とするめっき液に24時間浸漬し、撚線への水分の侵入の有無を確認することで行なった。
また、得られた試料1~6に対して柔軟性の評価を行なった。柔軟性の評価は、手作業で連結ケーブルを曲げ伸ばしした時の人間の感覚に基づき行なった。
その結果を表1に示す。なお、表1中、防水性の評価において○は撚線への水分の侵入がないことを示し、×は撚線への水分の侵入があることを示す。また、柔軟性の評価において○は軟らかいことを示し、×は硬いことを示す。
Figure 0007107215000001
表1より、ブラスト処理およびプライマー塗布をした後に、ディップコーティングにより被覆を形成すれば、連結ケーブルの防水性が高くなることが分かる。また、被覆の素材として軟質塩化ビニルを用いれば、硬質塩化ビニルを用いる場合よりも連結ケーブルの柔軟性が高くなることが分かる。また、撚線にはブラスト処理およびプライマー塗布を行なわない方が、連結ケーブルの柔軟性が高くなることが分かる。
1 電解めっき装置
15 めっき槽
20 クランプ
21 本体部
22 可動部
23 ヒンジ部
30 給電装置
40 連結ケーブル
41 線材
42 端子
43 被覆

Claims (4)

  1. 薄膜状の基材の両面にめっき被膜を成膜する電解めっき装置であって、
    前記基材が浸漬されるめっき液が貯留されためっき槽と、
    前記基材を把持するクランプと、
    前記クランプを介して前記基材に給電する給電装置と、を備え、
    前記クランプは、
    前記給電装置と接続し、前記基材の第1面と接触する本体部と、
    前記本体部に設けられ、前記基材の第2面と接触する可動部と、
    前記本体部と前記可動部とを電気的に接続する連結ケーブルと、を備え
    前記連結ケーブルは、
    導電性を有する線材と、
    前記線材の両端に固定された一対の端子と、
    前記端子の前記線材との接続部と前記線材とを覆う被覆と、を備え、
    前記端子の前記接続部は、ブラスト処理された後、プライマーが塗布されており、
    前記被覆はディップコーティングにより形成されている
    ことを特徴とする電解めっき装置。
  2. 前記線材は、ブラスト処理およびプライマー塗布がなされていない
    ことを特徴とする請求項記載の電解めっき装置。
  3. 前記被覆は軟質塩化ビニルで形成されている
    ことを特徴とする請求項または記載の電解めっき装置。
  4. 請求項1~のいずれかに記載の電解めっき装置を用いて、前記基材の両面に銅めっき被膜を成膜して銅張積層板を得る
    ことを特徴とする銅張積層板の製造方法。
JP2018245010A 2018-12-27 2018-12-27 電解めっき装置および銅張積層板の製造方法 Active JP7107215B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018245010A JP7107215B2 (ja) 2018-12-27 2018-12-27 電解めっき装置および銅張積層板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018245010A JP7107215B2 (ja) 2018-12-27 2018-12-27 電解めっき装置および銅張積層板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020105579A JP2020105579A (ja) 2020-07-09
JP7107215B2 true JP7107215B2 (ja) 2022-07-27

Family

ID=71448379

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018245010A Active JP7107215B2 (ja) 2018-12-27 2018-12-27 電解めっき装置および銅張積層板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7107215B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003328193A (ja) 2002-05-14 2003-11-19 Marunaka Kogyo Kk 電気メッキ装置におけるクリップ式のワークハンガー
JP2009242838A (ja) 2008-03-29 2009-10-22 Toray Ind Inc 縦型電解めっき装置およびこれを用いためっき被膜付きプラスチックフィルムの製造方法
WO2018062259A1 (ja) 2016-09-29 2018-04-05 アルメックスPe株式会社 ワーク保持治具及び表面処理装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0686676B2 (ja) * 1985-10-18 1994-11-02 旭化成工業株式会社 メツキ用電極部

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003328193A (ja) 2002-05-14 2003-11-19 Marunaka Kogyo Kk 電気メッキ装置におけるクリップ式のワークハンガー
JP2009242838A (ja) 2008-03-29 2009-10-22 Toray Ind Inc 縦型電解めっき装置およびこれを用いためっき被膜付きプラスチックフィルムの製造方法
WO2018062259A1 (ja) 2016-09-29 2018-04-05 アルメックスPe株式会社 ワーク保持治具及び表面処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020105579A (ja) 2020-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7105740B2 (en) Stranded copper-plated aluminum cable, and method for its fabrication
RU2566103C1 (ru) Металлический материал для электронного компонента и способ его изготовления
KR20180083379A (ko) 주석 도금 형성 구리 단자재 및 단자 그리고 전선 단말부 구조
CN107109663B (zh) 高频信号传输电路形成用表面处理铜箔、覆铜层压板及印刷线路板
US20200024764A1 (en) Plated wire rod material, method for producing same, and cable, electric wire, coil and spring member, each of which is formed using same
JPS58193392A (ja) 長さの長い金属部材を金属層で被覆する方法及び装置
JP2006331816A (ja) フラットケーブル
JP7107215B2 (ja) 電解めっき装置および銅張積層板の製造方法
JP4942539B2 (ja) 同軸ケーブル
JP7121291B2 (ja) 連結ケーブルおよび連結ケーブルの製造方法
US20160305036A1 (en) System for insulating high current busbars
JP4805409B2 (ja) 電気電子部品用複合材料およびそれを用いた電気電子部品
JP5185759B2 (ja) 導電材及びその製造方法
JP2008084810A (ja) 同軸ケーブル
EP0258365A1 (en) Electrical contact surface coating
US4895771A (en) Electrical contact surface coating
JP7107189B2 (ja) 銅張積層板および銅張積層板の製造方法
US9412483B2 (en) Composite wire and contact element
JP2008130299A (ja) アース部材および接続構造
JP7215211B2 (ja) 銅張積層板の製造方法
JP5489049B2 (ja) 箔状導体及び配線部材並びに配線部材の製造方法
WO2005041218A1 (ja) コネクタ付きケーブル及びその製造方法
JP7211184B2 (ja) 銅張積層板および銅張積層板の製造方法
NL8205054A (nl) Voor solderen geschikte ijzerdraad met nikkel- en tinlaag.
JP2019137894A (ja) 防食端子材及びその製造方法並びに防食端子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210817

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220419

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220421

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220530

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220614

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220627

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7107215

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150