JP7102903B2 - 車載制御装置 - Google Patents

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本発明は、車載制御装置に関する。
例えば特許文献1には、排気中の粒子状物質(以下、PMという)を捕集するフィルタを排気通路に備える内燃機関が開示されている。このフィルタに堆積したPMは、減速時に燃料カットが実行されることによって高温状態のフィルタに酸素が供給されると、燃焼処理されてフィルタは再生される。
ところで、燃料カットの実行中にPM燃焼が過剰に進むと、フィルタは過昇温されて損傷するおそれがある。そこで、上記特許文献1に記載の内燃機関では、フィルタの過昇温を抑えるためのフィルタ保護要求がある場合には、燃料カットを禁止するようにしている。より具体的には、燃料カットを実施した場合にフィルタの温度が熱劣化判定値を超えると判定した場合には、燃料カットを禁止するようにしている。
他方、内燃機関とロックアップクラッチを有するトルクコンバータを備えた自動変速機とを備える車両では、制御装置によって次のような制御が実施される場合がある。
すなわち、燃料カットが実行された後、燃料カット復帰条件が成立すると内燃機関の出力トルクを予め定めた初期トルクから徐々に増大させるトルク徐変処理を実行しながら燃料カットからの復帰を行うことにより、復帰時におけるトルクショックの発生を抑える燃料カット制御が実施される。
また、上記フィルタにおける粒子状物質の堆積量増加によって当該フィルタでの圧損が増大することにより排気系の部品が損傷することを抑えるために、同堆積量が増加すると内燃機関の出力トルクを制限する出力制限制御が実施されることがある。
また、アクセルペダルの操作量が所定値以上になると自動変速機の変速比を増大させるキックダウン制御が実施される。
また、トルクコンバータに設けられたロックアップクラッチのスリップ量を調整するフレックスロックアップ制御が実施される。そして、このフレックスロックアップ制御を実行しているときには、上記スリップ量が所定値以下となるように同スリップ量を制限することにより、ロックアップクラッチから発生する摩擦熱を抑えるスリップ量制限処理が実行される。
特開2015-229942号公報
ところで、上記各制御を実施する車両において、上記フィルタ保護要求により燃料カットからの復帰が実施される場合には、次のような不都合の発生が懸念される。
すなわち、フィルタに多くの粒子状物質が堆積していると、フィルタ保護要求による燃料カットからの復帰が実施されやすくなる。
ここで多くの粒子状物質がフィルタに堆積している状況では、上述した出力制限制御が実施されることによって車両の駆動力が不足気味になるため、車両運転者によるアクセルペダルの操作量は増加し、上記キックダウン制御が実施されやすくなる。
そして、実際にキックダウン制御が実施されて自動変速機の変速比が増大されると、機関回転速度が上昇するためにロックアップクラッチのスリップ量が増加する。こうしたスリップ量の増加が上記所定値に達すると、スリップ量が上記所定値以下となるように上記スリップ量制限処理が実行されるため、ロックアップクラッチの継合度合が高められて同クラッチの滑り度合が低下する。
このようにフィルタ保護要求がある場合には、フィルタ保護要求がない場合と比べて、ロックアップクラッチの継合度合が高められることが多いのであるが、このようにして継合度合が高くなっている状態では、燃料カットからの復帰時における内燃機関の出力トルク変化に伴って発生するトルクショックが大きくなりやすい。つまり、燃料カットからの復帰がフィルタ保護要求によるものである場合には、フィルタ保護要求によるものではない場合と比較してトルクショックが大きくなる可能性がある。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料カットからの復帰時に発生するトルクショックを低減することのできる車載制御装置を提供することにある。
上記課題を解決する車載制御装置は、排気中の粒子状物質を捕集するフィルタを排気通路に備える内燃機関と、ロックアップクラッチを有するトルクコンバータを備えた自動変速機と、を備える車両に適用される。そして、燃料カット条件が成立するときには前記内燃機関での燃料噴射を停止するとともに燃料カット復帰条件が成立すると内燃機関の出力トルクを予め定めた初期トルクから徐々に増大させるトルク徐変処理を実行しながら燃料カットからの復帰を行う燃料カット制御と、前記フィルタにおける粒子状物質の堆積量が増加すると内燃機関の出力トルクを制限する出力制限制御と、アクセルペダルの操作量が所定値以上になると前記自動変速機の変速比を増大させるキックダウン制御と、前記ロックアップクラッチのスリップ量を調整するフレックスロックアップ制御を実行する際に前記スリップ量が所定値以下となるように当該スリップ量を制限するスリップ量制限処理と、を実行する。そして、前記燃料カット復帰条件が成立する状態が複数設定されておりそのうちの1つには、前記燃料カットの実行中における前記フィルタの過昇温を抑えるためのフィルタ保護要求があることが設定されており、車載制御装置は、前記燃料カットからの復帰が前記フィルタ保護要求によるものである場合には、前記フィルタ保護要求によるものではない場合と比較して前記初期トルクを小さくする。
同構成によれば、燃料カットからの復帰がフィルタ保護要求によるものである場合には、フィルタ保護要求によるものではない場合と比較して、燃料カットから復帰する際の出力トルクの初期トルクが小さくされる。そのため、ロックアップクラッチの継合度合が高くなっている状態で燃料カットからの復帰が行われるときに発生するトルクショックを低減することができるようになる。
第1実施形態における内燃機関及び車載制御装置を示す模式図。 同実施形態において車載制御装置が実行する処理の手順を示すフローチャート。 同実施形態における初期トルクの設定傾向を示すグラフ。 同実施形態における初期トルクの設定傾向を示すグラフ。 同実施形態の作用を示すタイミングチャート。 第2実施形態において車載制御装置が実行する処理の手順を示すフローチャート。 同実施形態におけるトルク徐変処理時の加算値の設定傾向を示すグラフ。 同実施形態におけるトルク徐変処理時の加算値の設定傾向を示すグラフ。 同実施形態の作用を示すタイミングチャート。 第1実施形態の変更例における作用を示すタイミングチャート。
(第1実施形態)
以下、車載制御装置の第1実施形態について、図1~図5を参照しつつ説明する。
図1に示すように、内燃機関10は車両に搭載されてガソリンを燃料とする機関であり、基本的には燃料室における混合気の空燃比が理論空燃比となるように燃料噴射量が制御される。
この内燃機関10は、複数の気筒11を備えており、各気筒11には燃料を噴射する燃料噴射弁12や火花放電を生じさせる点火プラグ(図示略)がそれぞれ設けられている。
内燃機関10の排気通路20には、排気上流から順に、周知の三元触媒30や、排気中の粒子状物質(PM)を捕集するフィルタ40が設けられている。
また、内燃機関10のクランクシャフトは、ロックアップクラッチ52を備えるトルクコンバータ50に接続されている。トルクコンバータ50の出力軸は多段式の自動変速機60の入力軸に接続されている。
トルクコンバータ50は、流体伝達機構であってその出力軸は自動変速機60の入力軸に接続されている。より詳細には、トルクコンバータ50内には、内燃機関10のクランクシャフトに連結されたポンプ翼車及び自動変速機60の入力軸に連結されたタービン翼車といった一対の翼車が設けられている。
ロックアップクラッチ52は、トルクコンバータ50の入力側(内燃機関10側)とトルクコンバータ50の出力側(自動変速機60側)とを直結することが可能なクラッチである。
このロックアップクラッチ52は、油圧回路によってその作動状態が変更されるものであり、トルクコンバータ50の入力側と出力側とを直結させた「継合状態」と、こうした継合状態を解除してロックアップクラッチ52を介した駆動力伝達量が「0」になる「解放状態」との間で作動状態が変化する。さらに、ロックアップクラッチ52のスリップ量を制御するフレックスロックアップ制御が行われることにより、ロックアップクラッチ52の作動状態は、トルクコンバータ50の入力側と出力側との相対回転がある程度許容された「スリップ状態」にされる。そして、ロックアップクラッチ52の継合度合が調整されることにより同クラッチの滑り度合、つまりスリップ量が調整される。
内燃機関10、自動変速機60、及びロックアップクラッチ52等の各種制御は、車載制御装置(以下、制御装置という)100によって実行される。制御装置100は、中央処理装置やメモリ等を備えており、メモリに記憶されたプログラムを中央処理装置が実行することにより各種制御を実施する。
制御装置100は、各種制御を行うために、クランク角センサ71によって検出される機関回転速度NE、エアフロメータ72によって検出される吸入空気量GA、車速センサ73によって検出される車両の車速SPを参照する。また、制御装置100は、アクセルセンサ74によって検出されるアクセルペダルの操作量(以下、アクセル操作量という)ACCPや、三元触媒30の排気上流に設けられた空燃比センサ75によって検出される空燃比AFなども参照する。
制御装置100は、各種制御の1つとして、内燃機関10の出力トルク(以下、エンジントルクという)を調整するための周知の出力トルク制御を実施する。この出力トルク制御では、基本的にアクセル操作量ACCPなどに基づいて要求エンジントルクが算出され、この要求エンジントルクが得られるように内燃機関10の吸入空気量、燃料噴射量、及び混合気の点火時期などが制御される。
また、制御装置100は、各種制御の1つとして、所定の燃料カット条件が成立するときには内燃機関10での燃料噴射を停止する燃料カット制御を実行する。上記燃料カット条件としては、例えばアクセル操作量ACCPが「0」であって、且つ機関回転速度NEが予め定められた燃料カット復帰回転速度以上であるという条件が設定されている。そして、燃料カット条件が成立すると燃料噴射弁12からの燃料噴射が中止される。
一方、燃料カット復帰条件が成立すると燃料噴射を再開することにより燃料カットからの復帰動作を行う。この燃料カットからの復帰に際しては、要求エンジントルクを予め定めた初期トルクBTから一定の加算値ADずつ徐々に増大させていき、最終的にはアクセル操作量ACCP等に応じた要求エンジントルクにまでエンジントルクを復帰させるトルク徐変処理が実行される。このトルク徐変処理によるエンジントルクの増大は適宜行うことができる。例えば、本実施形態では、次のようにしてエンジントルクを徐々に増大させる。すなわち機関運転状態に基づいて設定される混合気の点火時期を遅角補正して実際のエンジントルクを初期トルクBTに調整する。そして、加算値ADに相当する分だけエンジントルクが増大するように点火時期の遅角補正量を徐々に減少させていくことにより、エンジントルクを増大させていく。
上記燃料カット復帰条件が成立する状態としては、周知のように、例えば燃料カットの実行中に機関回転速度NEが上記燃料カット復帰回転速度以下になることや、燃料カットの実行中にアクセル操作量ACCPが「0」よりも多くなること等が設定されている。また、本実施形態では、上記燃料カット復帰条件が成立する状態の1つとして、燃料カットの実行中におけるフィルタ40の過昇温を抑えるためのフィルタ保護要求があることも設定されている。このフィルタ保護要求は、適宜の態様で要求することができる。
例えば、フィルタ40に堆積している粒子状物質の量(以下、PM堆積量という)が多いときほど、燃料カット実行中に粒子状物質の燃焼することで発生する熱量が増大してフィルタ40の温度は上昇しやすくなる。そこで、PM堆積量を周知の方法で推定するとともに、その推定されたPM堆積量が多いときほど、燃料カットの実行時間が短くなるように当該燃料カットの実行時間を制限する制限時間を算出する。そして、燃料カットの継続時間がその制限時間以上になった場合には、フィルタ40の過昇温を抑えるためのフィルタ保護要求があるとして、実行中の燃料カットを中止して燃料カットからの復帰を行う。
また、制御装置100は、各種制御の1つとして、フィルタ40のPM堆積量が所定値以上に増加するとエンジントルクが所定値以下となるように制限する周知の出力制限制御を実行することにより、PM堆積量の増加によるフィルタ40での圧損増大に起因する排気系部品の損傷を抑えるようにしている。
また、制御装置100は、各種制御の1つとして、自動変速機60の変速制御を行う。この変速制御は周知であり、基本的には、アクセル操作量ACCP及び車速SP等に基づいて変速段の指示値が算出される。そして、自動変速機60の変速段が指示値となるように自動変速機60内の油圧回路が制御される。
また、制御装置100は、各種制御の1つとして、アクセル操作量ACCPが所定値以上になると自動変速機60の変速比を増大させるキックダウン制御を実施する。
また、制御装置100は、各種制御の1つとして、上述した周知のフレックスロックアップ制御を実行する。また、制御装置100は、フレックスロックアップ制御を実行しているときには、上記スリップ量が所定値以下となるように同スリップ量を制限することにより、ロックアップクラッチ52から発生する摩擦熱を抑える周知のスリップ量制限処理も実行する。
ところで、上述したように、燃料カットからの復帰が上記フィルタ保護要求によるものである場合には、上記フィルタ保護要求によるものではない場合と比較してロックアップクラッチ52の継合度合は高められることが多いため、燃料カットからの復帰時に発生するトルクショックは大きくなりやすい。そこで、本実施形態の制御装置100は、そうしたトルクショックを低減するために、上記初期トルクBTを以下のようにして算出する。
次に、図2を用いて、制御装置100が実行する初期トルクBTの設定処理の手順を説明する。この図2に示す処理は、燃料カットからの復帰要求があるとき、つまり上記燃料カット復帰条件が成立したときに実行される処理であり、制御装置100のメモリに記憶されたプログラムを中央処理装置が実行することにより実現される。なお、以下では、先頭に「S」が付与された数字によって、ステップ番号を表現する。
図2に示す処理を開始すると、制御装置100は、まず、上述したトルク徐変処理の実行要求があるか否かを判定する(S100)。このS100では、エンジントルクを早期に増大させる必要がある場合にトルク徐変処理の実行要求があると判定され、それ以外の場合にはトルク徐変処理の実行要求がないと判定される。なお、エンジントルクを早期に増大させる必要がある場合としては、例えば燃料カットの実行中に機関回転速度NEが急低下してエンジンストールが発生する可能性がある場合や、燃料カットの実行中にアクセル操作量ACCPが所定値以上に大きくなりエンジントルクの要求値が大きい場合などが挙げられる。
そして、トルク徐変処理の実行要求がないときには(S100:NO)、制御装置100は、本処理を終了する。
一方、トルク徐変処理の実行要求があるときには(S100:YES)、制御装置100は、今回の燃料カットからの復帰要求が、上述したフィルタ保護要求による復帰要求であるか否かを判定する(S110)。
そして、フィルタ保護要求による復帰要求ではないときには(S110:NO)、制御装置100は、機関回転速度NE及び自動変速機60の現在の変速段に基づいて第1初期トルクBT1を算出する(S120)。なお、上記S110の処理において、燃料カットからの復帰要求がフィルタ保護要求による復帰要求ではないと判定される場合としては、例えば燃料カットからの復帰要求が、燃料カットの実行中に機関回転速度NEが上記燃料カット復帰回転速度以下になったことによる復帰要求である場合が挙げられる。また、例えば燃料カットからの復帰要求が、燃料カットの実行中にアクセル操作量ACCPが「0」よりも多くなったことによる復帰要求である場合も挙げられる。
そして、制御装置100は、算出した第1初期トルクBT1を上記初期トルクBTに設定して(S130)、本処理を終了する。そして、この設定された初期トルクBT(=第1初期トルクBT1)を利用して、制御装置100は上記トルク徐変処理を開始する。
一方、S110において、今回の燃料カットからの復帰要求が上述したフィルタ保護要求による復帰要求であると判定されるときには(S110:YES)、制御装置100は、上記第1初期トルクBT1と異なる第2初期トルクBT2を機関回転速度NE及び自動変速機60の現在の変速段に基づいて算出する(S140)。
そして、制御装置100は、算出した第2初期トルクBT2を上記初期トルクBTに設定して(S150)、本処理を終了する。そして、この設定された初期トルクBT(=第2初期トルクBT2)を利用して、制御装置100は上記トルク徐変処理を開始する。
図3に、機関回転速度NEに基づく第1初期トルクBT1及び第2初期トルクBT2の設定傾向を示す。
燃料カットを中止して復帰する際の機関回転速度NEが高いときほど、燃料カットからの復帰時に発生するトルクショックは大きくなる傾向があるため、図3に示すように、機関回転速度NEが高いときほど、第1初期トルクBT1及び第2初期トルクBT2はともに小さくなるように設定される。また、同一の機関回転速度NEであっても、第2初期トルクBT2の方が第1初期トルクBT1よりも小さい値となるように同第2初期トルクBT2は設定される。
図4に、変速段に基づく第1初期トルクBT1及び第2初期トルクBT2の設定傾向を示す。
燃料カットを中止して復帰する際の変速段が低くその変速比が大きいときほど、燃料カットからの復帰時に発生するトルクショックは大きくなる傾向があるため、図4に示すように、変速段が低くその変速比が大きいときほど、第1初期トルクBT1及び第2初期トルクBT2はともに小さくなるように設定される。また、同一の変速段であっても、第2初期トルクBT2の方が第1初期トルクBT1よりも小さい値となるように同第2初期トルクBT2は設定される。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)図5に、燃料カットの実施態様を示す。なお、図5に示す実線は、燃料カットからの復帰要求が上記フィルタ保護要求による復帰要求であるときの態様を示し、同図5に示す二点鎖線は、燃料カットからの復帰要求が上記フィルタ保護要求による復帰要求ではないときの態様を示す。
図5に示すように、時刻t1において、燃料カット条件が成立すると燃料カットが実行される。燃料カットが実行されると内燃機関10の出力が無くなるため、燃料カット実行中の要求エンジントルクは適宜の値に設定される。そして、フィルタ保護要求が生じて燃料カットからの復帰が開始されるときには(時刻t2)、トルク徐変処理における初期トルクBTとして第2初期トルクBT2が設定される。この第2初期トルクBT2は、燃料カットからの復帰が上記フィルタ保護要求によるものではないときに設定される第1初期トルクBT1(時刻t3での燃料カット復帰時に設定される初期トルクBT)よりも小さい値に設定される。
上述したように、燃料カットからの復帰が上記フィルタ保護要求によるものである場合には、上記フィルタ保護要求によるものではない場合と比較してロックアップクラッチ52の継合度合は高くなっていることが多いため、エンジントルクの変化に伴って発生するトルクショックが大きくなりやすい。この点、本実施形態では、図5に示したように、フィルタ保護要求による燃料カットからの復帰時には、復帰が開始されるときの初期トルクBTが小さくされているため、燃料カットからの復帰直後におけるエンジントルクの変化が抑えられるようになる。従って、フィルタ保護要求による燃料カットからの復帰に際して、エンジントルクの変化に伴い発生するトルクショックを低減することができるようになる。
(第2実施形態)
次に、車載制御装置の第2実施形態について、図6~図9を参照しつつ説明する。
第1実施形態では、フィルタ保護要求による燃料カットからの復帰時におけるトルクショックを低減するために、トルク徐変処理の初期トルクBTをフィルタ保護要求の有無に応じて変更するようにした。
一方、本実施形態では、フィルタ保護要求の有無にかかわらず、上述した第1初期トルクBT1を上記トルク徐変処理の初期トルクBTとして設定するようにしている。そして、トルク徐変処理における加算値ADをフィルタ保護要求の有無に応じて変更することにより、上記トルクショックを低減するようにしている。以下では、そうした相異点を中心にして本実施形態を説明する。
次に、図6を用いて、制御装置100が実行する加算値ADの設定処理の手順を説明する。この図6に示す処理も、燃料カットからの復帰要求があるとき、つまり上記燃料カット復帰条件が成立したときに実行される処理であり、制御装置100のメモリに記憶されたプログラムを中央処理装置が実行することにより実現される。
図6示す処理を開始すると、制御装置100は、まず、上述したトルク徐変処理の実行要求があるか否かを判定する(S100)。このS100の処理は、第1実施形態で説明したS100の処理と同一である。
そして、トルク徐変処理の実行要求がないときには(S100:NO)、制御装置100は、本処理を終了する。
一方、トルク徐変処理の実行要求があるときには(S100:YES)、制御装置100は、今回の燃料カットからの復帰要求が上述したフィルタ保護要求による復帰要求であるか否かを判定する(S110)。このS110の処理も、第1実施形態で説明したS110の処理と同一である。そして、フィルタ保護要求による復帰要求ではないときには(S110:NO)、制御装置100は、機関回転速度NE及び自動変速機60の現在の変速段に基づいて第1加算値AD1を算出する(S200)。
そして、制御装置100は、算出した第1加算値AD1を上記加算値ADに設定して(S210)、本処理を終了する。そして、この設定された加算値AD(=第1加算値AD1)を利用して、制御装置100は上記トルク徐変処理を実行する。
一方、S110において、今回の燃料カットからの復帰要求が上述したフィルタ保護要求による復帰要求であると判定されるときには(S110:YES)、制御装置100は、上記第1加算値AD1と異なる第2加算値AD2を機関回転速度NE及び自動変速機60の現在の変速段に基づいて算出する(S220)。
そして、制御装置100は、算出した第2加算値AD2を上記加算値ADに設定して(S230)、本処理を終了する。そして、この設定された加算値AD(=第2加算値AD2)を利用して、制御装置100は上記トルク徐変処理を実行する。
図7に、機関回転速度NEに基づく第1加算値AD1及び第2加算値AD2の設定傾向を示す。
上述したように、燃料カットを中止して復帰する際の機関回転速度NEが高いときほど、燃料カットからの復帰時に発生するトルクショックは大きくなる傾向があるため、図7に示すように、機関回転速度NEが高いときほど、第1加算値AD1及び第2加算値AD2はともに小さくなるように設定される。また、同一の機関回転速度NEであっても、第2加算値AD2の方が第1加算値AD1よりも小さい値となるように同第2加算値AD2は設定される。
図8に、変速段に基づく第1加算値AD1及び第2加算値AD2の設定傾向を示す。
上述したように、燃料カットを中止して復帰する際の変速段が低くその変速比が大きいときほど、燃料カットからの復帰時に発生するトルクショックは大きくなる傾向があるため、図8に示すように、変速段が低くその変速比が大きいときほど、第1加算値AD1及び第2加算値AD2はともに小さくなるように設定される。また、同一の変速段であっても、第2加算値AD2の方が第1加算値AD1よりも小さい値となるように同第2加算値AD2は設定される。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)図9に、燃料カットの実施態様を示す。なお、図9に示す実線は、燃料カットからの復帰要求が上記フィルタ保護要求による復帰要求であるときの態様を示し、同図9に示す二点鎖線は、燃料カットからの復帰要求が上記フィルタ保護要求による復帰要求ではないときの態様を示す。
図9に示すように、時刻t1において、燃料カット条件が成立すると燃料カットが実行される。燃料カットが実行されると内燃機関10の出力が無くなるため、燃料カット実行中の要求エンジントルクは適宜の値に設定される。そして、フィルタ保護要求が生じて燃料カットからの復帰が開始されるときには(時刻t2)、トルク徐変処理における初期トルクBTとして上記第1初期トルクBT1が設定されるとともに、加算値ADとして上記第2加算値AD2が設定される。この第2加算値AD2は、燃料カットからの復帰が上記フィルタ保護要求によるものではないときに設定される第1加算値AD1(時刻t3からの燃料カット復帰時に使用される加算値AD)よりも小さい値に設定される。従って、この第2加算値AD2を使ったトルク徐変処理では、第1加算値AD1を使ったトルク徐変処理と比較して、エンジントルクの増大が緩やかになる。
上述したように、燃料カットからの復帰が上記フィルタ保護要求によるものである場合には、上記フィルタ保護要求によるものではない場合と比較してロックアップクラッチ52の継合度合は高くなっていることが多いため、エンジントルクの変化に伴って発生するトルクショックが大きくなりやすい。この点、本実施形態では、図9に示したように、フィルタ保護要求による燃料カットからの復帰時には、トルク徐変処理によるエンジントルクの増大が緩やかになるため、燃料カットからの復帰中におけるエンジントルクの変化が緩やかになる。従って、フィルタ保護要求による燃料カットからの復帰に際して、エンジントルクの変化に伴い発生するトルクショックを低減することができるようになる。
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記フィルタ保護要求が生じる程度にフィルタ40のPM堆積量が増大しているときには、フィルタ40における圧力損失の増大によって同フィルタ40の排気上流側における排気通路内の圧力が高くなるため、燃焼室内の掃気性が低下する。燃焼室内の掃気性が低下すると、燃焼室内に残留する燃焼ガスの量が増加して混合気の失火が起きやすくなるため、上述した第2初期トルクBT2にまで実際のエンジントルクを小さくしてしまうと、例えば燃料カットからの復帰が困難になるおそれがある。
そこで、図10に示すように、そうした失火の発生を抑えることのできる限界下限トルクKT(図10に示す一点鎖線L3)を設定する。そして燃料カットからの復帰中において、上記トルク徐変処理によって算出される要求エンジントルクが限界下限トルクKTよりも小さい間は、要求エンジントルクを限界下限トルクKTに制限するようにしてもよい。
ここで、そうした限界下限トルクKTによる制限を実施すると、実際のエンジントルクを第2初期トルクBT2にまで小さくすることができない場合も生じうる。しかし、この場合でも、第2初期トルクBT2が第1初期トルクBT1よりも小さい値に設定されるため、トルク徐変処理によって徐々に増大していく要求エンジントルクが限界下限トルクKTを超えるまでの期間PE、つまり要求エンジントルクが限界下限トルクKTによって制限される期間は長くなる。このようにして要求エンジントルクが限界下限トルクKTによって制限されている間は、実際のエンジントルクが、失火等を抑える上で実現可能な最小トルクになり、燃料カットからの復帰中におけるエンジントルクはできる限り低い状態に維持される。従って、この場合でも、フィルタ保護要求による燃料カットからの復帰に際して発生するトルクショックが低減される。
・第1初期トルクBT1を機関回転速度NE及び自動変速機60の現在の変速段のいずれか一方に基づいて算出してもよい。同様に、第2初期トルクBT2を機関回転速度NE及び自動変速機60の現在の変速段のいずれか一方に基づいて算出してもよい。
・第1加算値AD1を機関回転速度NE及び自動変速機60の現在の変速段のいずれか一方に基づいて算出してもよい。同様に、第2加算値AD2を機関回転速度NE及び自動変速機60の現在の変速段のいずれか一方に基づいて算出してもよい。
・第1実施形態における加算値ADを、第2実施形態で説明したようにフィルタ保護要求の有無に応じて変更するようにしてもよい。
・自動変速機60が変速比を連続的に変更することのできる無段変速機の場合には、変速段の代わりに、無段変速機の現在の変速比に基づいて上述した第1初期トルクBT1や第2初期トルクBT2を算出したり、上述した第1加算値AD1や第2加算値AD2を算出してもよい。
10…内燃機関、11…気筒、12…燃料噴射弁、20…排気通路、30…三元触媒、40…フィルタ、50…トルクコンバータ、52…ロックアップクラッチ、60…自動変速機、71…クランク角センサ、72…エアフロメータ、73…車速センサ、74…アクセルセンサ、75…空燃比センサ、100…制御装置。

Claims (1)

  1. 排気中の粒子状物質を捕集するフィルタを排気通路に備える内燃機関と、ロックアップクラッチを有するトルクコンバータを備えた自動変速機と、を備える車両に適用されて、燃料カット条件が成立するときには前記内燃機関での燃料噴射を停止するとともに燃料カット復帰条件が成立すると内燃機関の出力トルクを予め定めた初期トルクから徐々に増大させるトルク徐変処理を実行しながら燃料カットからの復帰を行う燃料カット制御と、前記フィルタにおける粒子状物質の堆積量が増加すると内燃機関の出力トルクを制限する出力制限制御と、アクセルペダルの操作量が所定値以上になると前記自動変速機の変速比を増大させるキックダウン制御と、前記ロックアップクラッチのスリップ量を調整するフレックスロックアップ制御を実行する際に前記スリップ量が所定値以下となるように当該スリップ量を制限するスリップ量制限処理と、を実行する車載制御装置であって、
    前記燃料カット復帰条件が成立する状態が複数設定されておりそのうちの1つには、前記燃料カットの実行中における前記フィルタの過昇温を抑えるためのフィルタ保護要求があることが設定されており、
    前記燃料カットからの復帰が前記フィルタ保護要求によるものである場合には、前記フィルタ保護要求によるものではない場合と比較して前記初期トルクを小さくする
    車載制御装置。
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