JP6079952B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車両に搭載されるエンジン(内燃機関)の制御装置に関し、特に、車体前後振動(しゃくり現象)を抑制する技術に関する。
エンジンを備える車両においては、例えば、減速からの急加速や、変速時等、エンジンに急激なトルク変動が生じた際、駆動系にねじれ振動が生じることがある。そして、このねじれ振動の発生により、車両に前後方向の振動、いわゆるしゃくり現象が生じてしまう虞がある。また、このねじれ振動がエンジンの出力軸に伝達されることにより、エンジン回転速度の変動が生じてしまう虞がある。
エンジン回転速度を安定させる技術しては、例えば、エンジンの回転速度と平均回転速度との偏差に応じてエンジンを制御するものがある。具体的には、エンジンの回転速度(回転数)と平均回転速度(平均回転数)との偏差(ラフネス)を検出し、それに応じて空燃比を制御することで、あるいは空燃比とともに点火時期を制御することで、ラフネスを抑制するようにしたものがある(特許文献1参照)。
特開昭63−68750号公報
特許文献1に係る発明によっても、いわゆるしゃくり現象をある程度抑制することはできる。しかしながら、上述のようなエンジンの回転速度と平均回転速度との偏差に応じたエンジンの制御では、エンジン回転速度が急速に変化した場合、応答遅れが生じてしまい、エンジン回転速度の変化を十分に抑制することができない虞がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、エンジン回転速度を効果的に安定させて車両における前後方向の振動、いわゆるしゃくり現象を抑制することができるエンジンの制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、ドライバがエンジンに要求するアクセル要求トルクに応じて目標トルクを設定する目標トルク設定手段と、前記目標トルクに応じて前記エンジンを制御するエンジン制御手段と、前記エンジンの実回転速度と平均回転速度との偏差の変化率を算出する変化率算出手段と、前記偏差の変化率に基づいて前記目標トルクを補正するトルク補正手段と、を備えることを特徴とするエンジンの制御装置にある。
かかる第1の態様では、エンジンの実回転速度と平均回転速度との偏差の変化率に基づいて目標トルクの補正を行うことにより、エンジン回転速度を効果的に安定させるように迅速な目標トルクの補正を行うことができる。車両における前後方向の振動、いわゆるしゃくり現象の発生を抑制することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様のエンジンの制御装置において、前記トルク補正手段は、前記偏差の変化率と共に、前記偏差に基づいて前記目標トルクを補正することを特徴とするエンジンの制御装置にある。
かかる第2の態様では、エンジンの実回転速度と平均回転速度との偏差の変化率に基づく目標トルクの補正量が小さくなってもエンジンの実回転速度と平均回転速度との偏差がまだ縮まっていないような場合に、エンジンの実回転速度と平均回転速度との偏差に基づく目標トルクの補正を行うことにより、エンジン回転速度をより効果的に安定させることができる。
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様のエンジンの制御装置において、前記エンジンの実回転速度の変動量を算出する変動量算出手段を備え、前記トルク補正手段は、前記実回転速度の変動量が第1の判定値を超えると前記目標トルクの補正を開始し、前記実回転速度の変動量が前記第1の判定値よりも小さい第2の判定値よりも小さくなると前記目標トルクの補正を終了することを特徴とするエンジンの制御装置にある。
かかる第3の態様では、適切なタイミングで目標トルクの補正を行うことができ、エンジンの回転速度をより効果的に安定させることができると共に、目標トルクの不要な補正を抑制することができる。
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れか一つの態様のエンジンの制御装置において、前記トルク補正手段は、点火時期の基準となる点火時期用目標トルクのみを補正することを特徴とするエンジンの制御装置にある。
かかる第4の態様では、点火時期を調整することで、応答遅れを抑制してエンジン回転速度をより効果的に安定させることができる。
かかる本発明のエンジンの制御装置によれば、駆動系共振がエンジン出力軸に伝達されることにより生じるエンジン回転速度の変動を迅速に且つ適切に抑制することができ、それに伴い、車両における前後方向の振動、いわゆるしゃくり現象の発生を効果的に抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るエンジンの制御装置の概略構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係るエンジンの制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る目標トルクの設定及び目標トルクの補正方法を示す制御ブロック図である。 本発明の一実施形態に係るNe偏差の変化率及びしゃくり補正係数の算出方法を示す制御ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る目標トルクの補正に係る各種パラメータを示すグラフである。 本発明の一実施形態に係るNe変動量の算出方法を示す制御ブロック図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、車両(自動車)に搭載されるエンジン1のシリンダヘッド2には気筒毎に点火プラグ3が取り付けられている。点火プラグ3には高電圧を出力する点火コイル4が接続されている。シリンダヘッド2には気筒毎に吸気ポート5が形成され、各吸気ポート5の燃焼室6側には吸気弁7がそれぞれ設けられている。
各吸気ポート5には吸気マニホールド8の一端がそれぞれ接続され、吸気マニホールド8には電磁式の燃料噴射弁(インジェクション)9が取り付けられ、燃料噴射弁9には燃料パイプ10が取り付けられている。燃料パイプ10は図示しない燃料供給装置に接続されている。
燃料噴射弁9の上流側における吸気マニホールド8には電磁式のスロットルバルブ11が取り付けられている。また吸気マニホールド8には、スロットルバルブ11の弁開度を検出するスロットルポジションセンサ(TPS)12と、吸入空気量を計測するエアフローセンサ13とが設けられている。
シリンダヘッド2には気筒毎に排気ポート14が形成され、各排気ポート14の燃焼室6側には排気弁15がそれぞれ設けられている。各排気ポート14には排気マニホールド16の一端がそれぞれ接続されている。排気マニホールド16の他端には排気管(排気通路)17が接続されている。
排気管17には、排気浄化用触媒である三元触媒18が介装されている。三元触媒18の上流側には、触媒通過前の排ガス中の酸素濃度を検出するOセンサ19が設けられている。
そして、このようなエンジン1は、ECU(電子コントロールユニット)30によって総合的な制御が行われる。ECU30は、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えている。またECU30の入力側には、上述したTPS12、エアフローセンサ13、Oセンサ19の他、エンジン1のクランク角を検出するクランク角センサ20、アクセルペダル21の操作開度を検出するアクセルポジションセンサ22、エンジン1の水温を検出する水温センサ23等の各種センサ類が接続されており、これらセンサ類からの検出情報が入力される。一方、ECU30の出力側には、上述の燃料噴射弁9、点火コイル4、スロットルバルブ11等の各種出力デバイスが接続されている。
そして、本発明に係るエンジンの制御装置は、上記ECU30と各種センサ類とで構成されている。つまりECU30が、各種センサ類からの検出情報に基づいて設定された目標トルクに応じて、エンジン1を構成する各種出力デバイスを適宜制御する。
図2に示すように、本実施形態に係るエンジンの制御装置を構成するECU30は、目標トルク設定手段31と、エンジン制御手段32と、トルク補正手段33と、変化率算出手段34と、変動量算出手段35と、を備えている。
目標トルク設定手段31は、アクセルポジションセンサ22による検出結果と、エンジンの実回転速度を検出するクランク角センサ20の検出結果とに基づいて、ドライバがエンジン1に対して要求するアクセル要求トルクに応じて目標トルクを設定する。
目標トルク設定手段31は、図3(a)に示すように、まずはアクセルポジションセンサ22の検出結果から求められるアクセル開度割合RAPSと、クランク角センサ20の検出結果から求められるエンジン1の回転速度Neとから、アクセル要求トルク(PiAPS)を算出する。なお、本実施形態ではエンジンの筒内の図示平均有効圧力(Pi)をトルクに相当する指標として扱うこととする。
具体的には、アクセル開度割合RAPSとエンジン回転速度Neとに基づいて、所定のマップを参照して要求負荷率を算出する。要求負荷率は、アイドル目標トルクPiobjIDを基準(0%)とし、最大可能トルクPimaxを最大要求(100%)としたときに、どの程度の負荷率をドライバが要求しているかを表す値であり、予めアクセル開度割合RAPSとエンジン回転速度Neとをパラメータとする要求負荷率マップとして記憶されている。そして、このようなマップを参照して、アクセル開度割合RAPSとエンジン回転速度Neとから算出された要求負荷率に基づき、下記式(1)からアクセル要求トルク瞬時値PiAPS0を算出する。
PiAPS0=(Pimax−PiobjID)×要求負荷率+PiobjID (1)
その後、このアクセル要求トルク瞬時値PiASP0に、例えば、下記式(2)に基づいて一次遅れ処理を施すことでアクセル要求トルクPiAPSを算出する。
PiAPS=k×a+(1−k)×b (2)
ここで、kは適宜設定された一次遅れフィルタ係数(KfPi APS)であり、aはアクセル要求トルクPiAPSの前回値であり、bはアクセル要求トルク瞬時値PiAPS0である。
このようにアクセル要求トルクPiAPSが算出されると、次いで、アクセル要求トルクPiAPSに基づいて目標トルクを設定する。本実施形態では、図3(b)に示すように、空気量制御用目標トルクPiETV STDと点火制御用目標トルクPiTGTとをそれぞれ設定している。空気量制御用目標トルクPiETV STDは、アクセル要求トルクPiAPSに基づき、下記式(3)から算出する。なお、空気量制御用熱効率係数Kpi CTLとはノッキング回避のための点火時期の遅角や空燃比の変更があった場合におけるトルク増減の割合であって、これでアクセル要求トルクPiAPSを除算することにより、アクセル要求トルクPiAPSを実現するために必要な空気量制御用目標トルクPiETV STDを得ることができる。
PiETV STD=PiAPS/Kpi CTL (3)
(Kpi CTL:空気量制御用熱効率係数)
一方、点火制御用目標トルクPiTGTは、通常の車両走行時にはドライバの要求をあらわすトルク値であるアクセル要求トルクPiAPSに等しい値として算出される。
エンジン制御手段32は、このように目標トルク設定手段31によって設定された目標トルクに応じて、エンジン1を適宜制御する。例えば、通常運転時においては、エンジン制御手段32は、空気量制御用目標トルクPiETV STDが得られるように、スロットルバルブ11の開度を適宜調整し、また点火制御用目標トルクPiTGTが得られるように燃料噴射弁9の動作や、点火プラグ3による点火時期等を適宜調整する。
トルク補正手段33は、目標トルク設定手段31によって設定された目標トルクを補正する。具体的には、トルク補正手段33は、いわゆるしゃくり現象への対策を実施する所定条件が成立した場合に、図3(c)に示すように、点火制御用目標トルクPiTGTを補正する。本実施形態では、点火制御用目標トルクPiTGTと、しゃくり補正係数KNOD Xとに基づいて、下記式(4)からしゃくり対策時用の点火制御用目標トルクPiTGT1を算出する。
PiTGT1=PiTGT×KNOD_X (4)
なお本実施形態では、トルク補正手段33は、点火時期の基準となる点火時期用目標トルクのみを補正している。すなわち点火コイル4の制御(点火プラグ3による点火時期の制御)のみが適宜変更されるように点火制御用目標トルクPiTGTを補正する。
ところで、トルク補正手段33は、変化率算出手段34による算出結果に基づいて点火制御用目標トルクPiTGTを補正している。すなわち、トルク補正手段33は、変化率算出手段34による算出結果に基づいて、上記しゃくり対策補正係数KNOD Xを求めている。
変化率算出手段34は、エンジン1の実回転速度(Ne)と平均回転速度(平均Ne)との偏差の変化率を算出する。例えば、図4に示すように、変化率算出手段34は、クランク角センサ20によって検出されたNeに、下記式(5)に基づいて一次遅れ処理を施すことで平均Neを算出する。
平均Ne=a×k+b×(1−k) (5)
ここで、kは適宜設定された一次遅れフィルタ係数KfNeであり、aはエンジンの実回転速度Neの前回値であり、bはエンジンの実回転速度Neの最新値である。
次いで、Neの最新値と平均Neとからエンジン回転速度の偏差(Ne偏差:ΔNe)を算出する。さらに、Ne偏差の最新値とNe偏差の前回値とからNe偏差の変化量(dNe)を算出する。図5のグラフを一例としてさらに説明すると、図5(a)に示すように、Neと平均Neとが求められると、その結果から、Neと平均Neの偏差であるNe偏差ΔNeが求められ、さらにこのΔNeからNe偏差の変化率dNeが求められる(図5(b)参照)。
そしてトルク補正手段33は、このように変化率算出手段34によって算出されたNe偏差の変化率(dNe)に基づいて、しゃくり補正係数KNOD_Xを算出する。本実施形態では、トルク補正手段33は、偏差の変化率dNeと共に、さらにNe偏差ΔNeに基づいて、しゃくり補正係数KNOD_Xを求めている。図4に示すように、トルク補正手段33は、変化率算出手段34によって算出された偏差の変化率(dNe)に基づいて、所定のマップから比例補正係数(KNOD_D)を算出し、Ne偏差の変化量(dNe)に基づいて所定のマップから微分補正係数(KNOD_P)を算出する。そして、これら比例補正係数(KNOD_D)及び微分補正係数(KNOD_P)に基づいて、下記式(6)から、しゃくり補正係数KNOD_Xを算出する。
NOD_X=(KNOD_D+KNOD_P)+1 (6)
その後、しゃくり現象への対策を実施する所定条件が成立しているか否かを判定し、成立していると判定した場合には、このように算出されたしゃくり補正係数KNOD_Xに基づいて点火制御用目標トルクPiTGTを補正してしゃくり対策時用の点火制御用目標トルクPiTGT1とする。なお、上記所定条件としては、例えば、エンジンがエンスト状態又は始動中状態でないことが挙げられる。さらに、例えば、エンジン1の回転速度Neが所定範囲内であること、ギヤ段が所定範囲内(例えば、1速或いは2速)であること、エンジンの冷却水温が所定温度以上であること、アクセル要求トルクが所定値以上であること等の条件が成立していることが挙げられる。
そして、エンジン制御手段32は、この点火制御用目標トルクPiTGT1に基づいてエンジン1を制御する。これにより、エンジン1の燃焼によるトルクを適切に調整することができ、エンジン1の回転速度を適切に調整することができる。したがって、駆動系共振がエンジン出力軸に伝達されることにより生じるエンジン回転速度の変動を早期に収束させて、いわゆるしゃくり現象を効果的に抑制することができる。
なお、上記所定条件が成立していない場合には、目標トルクの補正は行わず、アクセル要求トルクPiAPSに等しい値として算出された点火制御用目標トルクPiTGTに基づいてエンジン1を制御する。
ここで、図5(c)は、上述の各補正係数に基づいて、点火制御用目標トルクにおける補正量の変化を示すグラフである。本実施形態にかかる点火制御用目標トルクの補正量は、比例補正係数KNOD_D及び微分補正係数KNOD_Pに基づいて補正された「しゃくり補正トルク」に相当する。そして、図5のグラフから分かるように、微分補正係数(本実施形態では、しゃくり補正係数)に基づいて点火時期を適宜調整することで、比例補正係数に基づいて補正された「比例補正トルク」の場合に比べて、エンジン1の回転速度Neを効果的に安定させることができる。例えば、図5(a)及び図5(c)に示すように、「比例補正トルク」の場合、エンジン1の回転速度Neが最も上昇したタイミングT1において、補正トルクがマイナス方向に最大となっているのに対し、微分補正係数に基づいて補正された「微分補正トルク」又は「しゃくり補正トルク」では、エンジン1の回転速度Neが上昇中のタイミングT2において、補正トルクがマイナス方向に最大となっている。すなわち、「微分補正トルク」又は「しゃくり補正トルク」の場合、タイミングT1よりも早いタイミングT2において、いわゆるしゃくり現象に対して先手を打つような補正を行っている。これにより、駆動系共振がエンジン出力軸に伝達されることにより生じるエンジン回転速度の変動を早期に収束させることができ、いわゆるしゃくり現象を効果的に抑制することができる。
また本実施形態では、トルク補正手段33は、変動量算出手段35によって算出されたエンジン1の実回転速度の変動量に基づいてトルク補正を行うか否かを判定している。つまりトルク補正手段33は、変動量算出手段35の算出結果に基づいて、しゃくり現象への対策を実施すべき期間であるか否かを判定し、実施すべき期間であると判断した場合にのみ、上述した点火制御用目標トルクPiTGTの補正を行っている。
ここで、エンジン1の実回転速度Neの変動量とは、変動量算出手段35が次のようにして求める値である。すなわち図6に示すように、エンジン1の実回転速度Neの最新値と、エンジン1の実回転速度Neの前回値(Ne 1c)とから、エンジン1の回転速度Neの変動(Ne変動:|u|)を算出する。すなわちNe変動は、下記式(7)から求められる値である。
|u|=|Ne(n)−Ne(n−1)| (7)
Ne変動が算出されると、次いで、このNe変動と、エンジン1の回転速度Neの前回値Ne(n−1)と予め設定された所定の減衰係数とから求められた制限値と、を比較し、何れか大きい値を選択する。そして、例えば、変速機のクラッチがカット中でないこと等の条件が成立した場合に、選択した値をNe変動量として設定する。すなわちNe変動量は、上記制限値以上の範囲でクリップされたNe変動ということになる。例えば、図5(d)に示すように、Ne変動は上下に大きく変動しながら減衰するのに対し、上述のように算出されたNe変動量は、上下に大きく変動することなく徐々に減衰する。
そして、このように求められたNe変動量に基づいて、トルク補正を行うか否かの判定が行われる。例えば、Ne変動量と、予め設定された第1の判定値A1及び第2の判定値A2との大小関係からトルク補正を行うか否かの判定が行われる。第1の判定値A1は、目標トルクの補正開始の判断に用いられる値であり、不要なトルク補正が行われない程度に比較的大きい値に設定されていることが好ましい。第2の判定値A2は、目標トルクの補正終了の判断に用いられる値であり、第1の判定値A1よりも小さい値に設定される。
例えば、図5(d)に示す例では、時刻T3でNe変動量が第1の判定値A1を超えると、トルク補正を行う必要があると判断され、トルク補正手段33が上述した目標トルクの補正を開始する。その後、時刻T4で、Ne変動量が第2の判定値A2よりも小さくなると、トルク補正を行う必要がないと判断され、トルク補正手段33が上述した目標トルクの補正を終了する。つまりこの例では、時刻T3から時刻T4の間、上述した目標トルクの補正が連続的に実施されることになる。これにより、適切なタイミングで目標トルクの補正を行うことができ、駆動系共振がエンジン1の出力軸に伝達されることにより生じるエンジン1の回転速度の変動を早期に収束させて、しゃくり現象を抑制することができる。
なお、上記制限値以上の範囲でクリップしないNe変動と第1の判定値及び第2の判定値との大小に基づいてトルク補正を行うか否かを判断した場合、図5(d)に示すようにNe変動が増減するたび第1の判定値及び第2の判定値との大小関係が変わることとなる結果、目標トルク補正が断続的に行われてエンジン1の回転速度の変動を早期に収束させることができない虞がある。
また本実施形態では、クランク角センサ20の検出結果、つまりクランクシャフトの回転速度に基づいてNe変動量を算出された値であるが、Ne変動量の算出方法はこれに限定されるものではない。Ne変動量は、ねじり振動が生じる部分よりもエンジン1側の駆動系で検出したエンジン1の回転速度に基づいて算出された値であってもよい。具体的には、Ne変動量は、手動変速装置(MT)、自動変速装置(AT)、或いは無段変速装置(CVT)等の各種変速装置におけるシャフト(例えば、プライマリシャフト(インプットシャフト))の回転速度に基づいて算出された値であってもよい。またプロペラシャフトにねじり振動が生じなければ、Ne変動量はプロペラシャフトの回転速度に基づいて算出された値であってもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、比例補正係数及び微分補正係数に基づいて目標トルクを補正するようにしたが、微分補正係数のみに基づいて目標トルクを補正するようにしてもよい。この場合にも、駆動系共振がエンジン1の出力軸に伝達されることにより生じるエンジン1の回転速度の変動を早期に収束させて、いわゆるしゃくり現象を効果的に抑制することができる。
また上述の実施形態では、トルク補正手段が、補正係数(しゃくり補正係数)を用いて目標トルクを補正するようにしたが、補正方法自体は特に限定されるものではない。
また、上述の実施形態では、点火時期を補正することで、エンジン回転速度の安定化を図るようにしたが、例えば、アシストモータを備えている車両の場合、点火時期を補正する代わりに、或いは点火時期を補正すると共に、所定のタイミングで、アシストモータを作動させることでエンジン回転速度の変動を早期に収束させるようにしてもよい。
1 エンジン
2 シリンダヘッド
3 点火プラグ
4 点火コイル
5 吸気ポート
6 燃焼室
7 吸気弁
8 吸気マニホールド
9 燃料噴射弁
10 燃料パイプ
11 スロットルバルブ
12 スロットルポジションセンサ(TPS)
13 エアフローセンサ
14 排気ポート
15 排気弁
16 排気マニホールド
17 排気管
18 三元触媒
19 Oセンサ
20 クランク角センサ
21 アクセルペダル
22 アクセルポジションセンサ
23 水温センサ
30 ECU
31 目標トルク設定手段
32 エンジン制御手段
33 トルク補正手段
34 変化率算出手段
35 変動量算出手段

Claims (4)

  1. ドライバがエンジンに要求するアクセル要求トルクに応じて目標トルクを設定する目標トルク設定手段と、
    前記目標トルクに応じて前記エンジンを制御するエンジン制御手段と、
    前記エンジンの実回転速度と平均回転速度との偏差の変化率を算出する変化率算出手段と、
    前記偏差の変化率に基づいて前記目標トルクを補正するトルク補正手段と、
    を備えることを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 請求項1に記載のエンジンの制御装置において、
    前記トルク補正手段は、前記偏差の変化率と共に、前記偏差に基づいて前記目標トルクを補正することを特徴とするエンジンの制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載のエンジンの制御装置において、
    前記エンジンの実回転速度の変動量を算出する変動量算出手段を備え、
    前記トルク補正手段は、前記実回転速度の変動量が第1の判定値を超えると前記目標トルクの補正を開始し、前記実回転速度の変動量が前記第1の判定値よりも小さい第2の判定値よりも小さくなると前記目標トルクの補正を終了することを特徴とするエンジンの制御装置。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載のエンジンの制御装置において、
    前記トルク補正手段は、点火時期の基準となる点火時期用目標トルクのみを補正することを特徴とするエンジンの制御装置。
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