JP7102874B2 - 車体後部構造 - Google Patents
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Description
本発明の他の一態様は、リヤフロアにリヤシートが固定され、リヤシートベルトバックルの固定用ブラケットが前記リヤフロアの上面に固定されている車体後部構造において、 前記リヤフロアの後端部には、車両幅方向に延びる閉断面部を有するテールエンドメンバ構造体が設けられ、前記リヤフロアの後端部と前記テールエンドメンバ構造体を構成するテールエンドメンバの前壁部とが接合されており、前記テールエンドメンバの底面は、前記リヤフロアの底面よりも車両上側に位置し、前記リヤフロアの底面と前記テールエンドメンバの底面との間には段差が設けられ、前記リヤフロアの後端部には、前記リヤフロアの底面から車両上方へ向かって延びるフロア側フランジ部が設けられ、前記テールエンドメンバの底面前端には、車両下方へ向かって延びるメンバ側第1フランジ部が設けられているとともに、該メンバ側第1フランジ部の下端から車両前方へ向かって延びるメンバ側第2フランジ部が設けられており、前記リヤフロアの底面及び前記フロア側フランジ部によって形成される角部を挟んで、前記フロア側フランジ部と前記メンバ側第1フランジ部とが接合されているとともに、前記リヤフロアの底面と前記メンバ側第2フランジ部とが接合されている。
そのため、本発明の車体後部構造は、リヤフロアの後端部とテールエンドメンバとの接合部に設けられた段差によって、テールエンドメンバの底面よりも車両下側に、車両衝突時において変形可能な変形代が設けられていることになる。したがって、本発明の車体後部構造においては、車両衝突時に衝撃荷重が車体後部に入力された場合に、リヤフロアの後端部を大きく変形させることが可能となり、リヤフロアの溶接打点に応力が集中するのを回避できるとともに、リヤフロアに亀裂が発生するのを防止することができる。
図1~図6は本発明の実施形態に係る車体後部構造を示すものである。なお、図において、矢印Fr方向は車両前方を示し、矢印U方向は車両上方を示している。また、矢印X方向は車両幅方向を示し、矢印Y方向は車両前後方向を示している。
そのため、固定用ブラケット13は、車両上方視で、前部13a側が後部13b側よりも幅広い外形を有する略台形形状の板状体を用いて形成されている。そして、固定用ブラケット13の車両幅方向中央部には、車両上方へ突出する断面略U字形状の突条部13cが車両前後方向に沿って設けられており、リヤシートベルトバックル12の基端部12aは、突条部13cの左右両側の縦壁面にボルト15などで締付け固定されている。なお、リヤシート1は、分割型のシートであっても良い。
なお、テールエンドメンバ3の後壁部35は、上部側よりも下部側が車両後方に位置するような段差状に形成されており、車両前方への荷重によるテールエンドメンバ3の断面変形がより一層容易に行われるようになっている。
そして、本実施形態の車体後部構造では、リヤフロア2の底面22及びフロア側フランジ部23によって形成される角部Dを挟んで、フロア側フランジ部23とメンバ側第1フランジ部33とが接合されているとともに、リヤフロア2の底面22とメンバ側第2フランジ部34とが接合されている。これによって、リヤフロア2とテールエンドメンバ3との接合部が直交する2面に設けられることになり、リヤフロア2とテールエンドメンバ3との接合強度が向上するように構成している。また、角部Dを挟んで接合部を設けることによって、板厚の厚い構造が車両幅方向の広い範囲に配置されることになり、車体後部の剛性向上も見込めるように構成している。
さらに、フロアリンフォースメント6は、固定用ブラケット13とほぼ対応する形状に形成され、固定用ブラケット13よりも車両前後方向の長さが大きい寸法を有しており、フロアリンフォースメント6の後端部6aは、固定用ブラケット13の後部13bよりも車両後方に位置している。
なお、固定用ブラケット13の車両前方に位置するリヤフロア2の下面には、図2及び図3に示すように、車両幅方向に延びる断面略ハット型形状のリヤフロアクロスメンバ25が接合されており、該リヤフロアクロスメンバ25によってリヤフロア2の剛性が高められている。そして、フロアリンフォースメント6の前端部6bは、リヤフロアクロスメンバ25に接合されている。
その結果、本実施形態の車体後部構造においては、リヤフロア2の凹形状部24と第2フレームクロスメンバ9とがオーバーラップする位置にテールエンドメンバ3が配置されることになるため、バックドアドア開口部41を狭くすることなく、第2フレームクロスメンバ9を配置することが可能となり、シャシーフレーム7の剛性を向上させることができるようになっている。
すなわち、本実施形態の車体後部構造においては、リヤフロア2の後端部21とテールエンドメンバ3との接合部に段差Hが設けられることになるので、テールエンドメンバ3の底面32よりも車両下側に変形可能な変形代を有することになる。したがって、本発明の車体後部構造によれば、車両衝突時に衝撃荷重が車体後部に入力された場合に、リヤフロア2の後端部21を積極的にかつ大きく変形させることが可能となるので、リヤシートベルトバックル12の固定用ブラケット13の周囲を補強部材で幾重にも補強することなく、リヤフロア2の溶接打点に応力が集中するのを回避できるとともに、リヤフロア2に亀裂が発生するのを防止することができる。
したがって、本実施形態の車体後部構造においては、リヤフロア2とテールエンドメンバ3との接合部が直交する2面に設けられることになるので、リヤフロア2とテールエンドメンバ3との接合強度を向上させることができ、リヤフロア2及びテールエンドメンバ3の変形時に当該接合部での破断を防止することができる。また、角部Dを挟んで接合部を設けることによって、板厚の厚い構造が車両幅方向の広い範囲に配置されることになるので、車体後部の剛性向上も実現することができる。
したがって、本実施形態の車体後部構造においては、リヤフロア2とテールエンドメンバ3とが接合する接合部の直前箇所のリヤフロア2に凹形状部24が設けられていることになるので、車両衝突時において、リヤフロア2も変形代として活用することができる。しかも、リヤシートベルト11への入力荷重をリヤフロア2の凹形状部24へ確実に伝達することが可能になるため、リヤフロア2に十分な変形を発生させることができ、リヤフロア2の溶接打点への応力集中やリヤフロア2の亀裂発生をより効果的に防止できる。
例えば、固定用ブラケット13は、既述の実施形態の形状に限られず、リヤシートベルトバックル12の基端部12aを確実に固定することができれば、他の形状を有するブラケットであっても良い。
2 リヤフロア
3 テールエンドメンバ
6 フロアリンフォースメント
6a 後端部
7 シャシーフレーム
8,9 フレームクロスメンバ
11 リヤシートベルト
12 リヤシートベルトバックル
12a 基端部
13 固定用ブラケット
13a 前部
13b 後部
13c 突条部
14,15 ボルト
21 リヤフロアの後端部
22 リヤフロアの底面
23 フロア側フランジ部
24 凹形状部
24a 後端部
24b 傾斜面
31 テールエンドメンバの前壁部
32 テールエンドメンバの底面
33 メンバ側第1フランジ部
34 メンバ側第2フランジ部
36 ビード形状部
D 角部
H 段差
S 閉断面部
T テールエンドメンバ構造体
Claims (5)
- リヤフロアにリヤシートが固定され、リヤシートベルトバックルの固定用ブラケットが前記リヤフロアの上面に固定されている車体後部構造において、
前記リヤフロアの後端部には、車両幅方向に延びる閉断面部を有するテールエンドメンバ構造体が設けられ、前記リヤフロアの後端部と前記テールエンドメンバ構造体を構成するテールエンドメンバの前壁部とが接合されており、
前記テールエンドメンバの底面は、前記リヤフロアの底面よりも車両上側に位置し、前記リヤフロアの底面と前記テールエンドメンバの底面との間には段差が設けられ、
前記段差は、前記テールエンドメンバの底面が車両上方へ向かって突出する凸形状部によって構成されていることを特徴とする車体後部構造。 - リヤフロアにリヤシートが固定され、リヤシートベルトバックルの固定用ブラケットが前記リヤフロアの上面に固定されている車体後部構造において、
前記リヤフロアの後端部には、車両幅方向に延びる閉断面部を有するテールエンドメンバ構造体が設けられ、前記リヤフロアの後端部と前記テールエンドメンバ構造体を構成するテールエンドメンバの前壁部とが接合されており、
前記テールエンドメンバの底面は、前記リヤフロアの底面よりも車両上側に位置し、前記リヤフロアの底面と前記テールエンドメンバの底面との間には段差が設けられ、
前記リヤフロアの後端部には、前記リヤフロアの底面から車両上方へ向かって延びるフロア側フランジ部が設けられ、前記テールエンドメンバの底面前端には、車両下方へ向かって延びるメンバ側第1フランジ部が設けられているとともに、該メンバ側第1フランジ部の下端から車両前方へ向かって延びるメンバ側第2フランジ部が設けられており、
前記リヤフロアの底面及び前記フロア側フランジ部によって形成される角部を挟んで、前記フロア側フランジ部と前記メンバ側第1フランジ部とが接合されているとともに、前記リヤフロアの底面と前記メンバ側第2フランジ部とが接合されていることを特徴とする車体後部構造。 - 前記段差は、前記テールエンドメンバの底面の前部が車両後方へ向かうに従って高い位置となる後上がりの傾斜面によって構成されていることを特徴とする請求項2に記載の車体後部構造。
- 前記リヤフロアの後端部には、前記リヤフロアの底面から車両上方へ向かって延びるフロア側フランジ部が設けられ、前記テールエンドメンバの底面前端には、車両下方へ向かって延びるメンバ側第1フランジ部が設けられているとともに、該メンバ側第1フランジ部の下端から車両前方へ向かって延びるメンバ側第2フランジ部が設けられており、
前記リヤフロアの底面及び前記フロア側フランジ部によって形成される角部を挟んで、前記フロア側フランジ部と前記メンバ側第1フランジ部とが接合されているとともに、前記リヤフロアの底面と前記メンバ側第2フランジ部とが接合されていることを特徴とする請求項1に記載の車体後部構造。 - 前記固定用ブラケットの車両後方に位置する前記リヤフロアの後端部には、車両下方へ向かって突出する凹形状部が設けられ、該凹形状部の後端部は、前記テールエンドメンバに接合され、前記凹形状部の前部は、車両前方へ向かうに従って高い位置となる前上がりの傾斜面によって構成され、該傾斜面の前端部には、フロアリンフォースメントの後端部が固定されており、
前記固定用ブラケットと前記フロアリンフォースメントとは、前記リヤフロアを挟んで上下に配置され、前記固定用ブラケット及び前記フロアリンフォースメントは、前記リヤフロアにそれぞれ固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車体後部構造。
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