JP6935980B2 - 車両前部構造 - Google Patents
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同文献に記載の車両前部構造においては、車体前部の骨格部材として、左右一対のフロントサイドメンバを備えており、かつこれら一対のフロントサイドメンバの前端部には、枠状体としてのラジエータサポートが取付けられている。一方、前記一対のフロントサイドメンバの下方側のうち、ラジエータサポートよりも車両後方側の位置には、前輪を支持するロアアームなどが取付けられるサスペンションメンバが配設されている。このサスペンションメンバと前記ラジエータサポートの下部とは、車両前後方向に延びるクレードルを用いて連結されている。
このような構成によれば、車両の前突が発生し、衝突荷重が車両前部に入力した際に、この荷重がフロントサイドメンバに伝達することに加え、クレードルやサスペンションメンバにも分散して伝達する。したがって、車両の前突時における衝撃吸収性能および耐荷重性能(耐衝撃性能)を高めることが可能である。
すなわち、クレードルはフロントサイドメンバの直下に位置し、かつ前記した第1ないし第4の連結部は、フロントサイドメンバに対して上下高さ方向にオーバラップしているため、車両の前突が発生し、車両前部に衝突荷重が入力した際に、この衝突荷重を、フロントサイドメンバ側の荷重伝達経路と、クレードルやサスペンションメンバ側の荷重伝達経路との双方にとって最適または最適に近いかたちで受けさせることができる。たとえば、前記2つの経路のうち、一方が衝突荷重を過大に受け、かつ他方が衝突荷重を殆ど受けないといった不具合は、適切に回避することが可能である。
また、フロントサイドメンバに衝突荷重が入力することにより生じる変形が、クレードルやサスペンションメンバの変形の影響を大きく受けて、本来意図する変形とは異なったものになることも抑制される。したがって、フロントサイドメンバには、衝撃を吸収するための本来意図する変形を適切に生じさせ、また車両後方側への荷重伝達の最適化を図ることもできる。
さらに、クレードルがフロントサイドメンバに対して車幅方向にオフセットされていた従来技術と比較すると、上下高さ方向におけるボディ剛性も高められる。
このようなことから、本発明によれば、車両の前突時における衝撃吸収性能や耐荷重性能の向上を適切に図ることができる。
各フロントサイドメンバ3は、図5および図8に示されているように、たとえば断面ハット状部材3aに平板部材3bを接合して構成された閉断面構造である。
第2の連結部J2は、後下がり傾斜部31の下面側に溶接されたブラケット部35の下壁部に、サスペンションメンバ4の後部が、ボルト92を用いて締結された部位である。この第2の連結部J2は、後側延設部32に後部がボルト95を用いて固定されたブラケット部36の前部に、サスペンションメンバ4の後部を連結するための部分を兼用しており、2つのブラケット部35,36、サスペンションメンバ4の後部、およびロアアーム18の基端部のゴムブッシュ18aは、ボルト92により共締めされている。
図3において、符号17は、ロッカ16とフロントサイドメンバ3とを橋渡し接続するアウタトルクボックスを示し、ブラケット部36および/または追加のブラケット37(同図では不図示)は、このアウタトルクボックス17にボルト締結を図った構成とすることもできる。符号15は、インナトルクボックスに相当する補強部材を示している。
対のフロントサイドメンバ3の前部に接合されて上下高さ方向に延びる左右一対のアウタサポート50、これらの下端部および上端部にそれぞれ橋渡し状に連結されたロアサポート51およびアッパサポート52、ならびに左右一対のクラッシュボックス53を備えている。ロアサポート51上に、ラジエータ55(他の図では適宜省略)が載設される。クラッシュボックス53は、車両1の前突時におけるエネルギ吸収材としての役割を果たすものであり、フロントサイドメンバ3のフロント部30よりも低い高さとなるように、たとえばアウタサポート50の下部とロアサポート51との間に設けられている。
されている。クレードル6は、その上面部がブラケット部7の下部に当接した状態とされ、かつボルト94を利用してブラケット部7に締結されている。この部分が、第4の連結部J4である。ブラケット部7としては、たとえば図8に示すように、板金製の第1および第2の部材7a,7bを組み合わせて接合したものが用いられている。第1および第2の部材7a,7bの上部は、フロントサイドメンバ3の下側のフランジ部3cを車幅方向両側から挟み付ける格好でフランジ部3cに溶接されている。このような構成によれば、フロントサイドメンバ3に対するブラケット部7の車幅方向の取付け強度を高め、クレードル6の安定的な支持が可能となる。
受けた際に、即座に大きく座屈変形したのでは、クレードル6の変形を利用した効果的な衝撃吸収作用を適切なタイミングで得ることは困難となる。また、クレードル6からサスペンションメンバ4への荷重伝達性が悪化する虞もある。これに対し、本実施形態によれば、そのような不具合を適切に解消することが可能である。クレードル6については、車両1の前突の中・後期において、2つの曲げ部B1,B2を起点として屈曲変形させ、全体が側面視略Z字状の形態に的確に変形させることが可能である。クレードル6からサスペンションメンバ4にも衝突荷重の伝達がなされるため、このサスペンションメンバ4の変形を利用した衝撃吸収作用も得られる。サスペンションメンバ4が後退し、追加のブラケット37に当接することによって、サスペンションメンバ4からフロントサイドメンバ3への荷重伝達も図られることとなる。
クレードル6およびサスペンションメンバ4に前記したような変形を生じている際には、フロントサイドメンバ3において、クラッシャブル領域30Aとは別の部位の変形(たとえば、フロント部30の後部寄り領域の車幅方向への曲げ変形など)を同時に進行させることも可能である。
本発明でいう第1ないし第4の連結部は、ボルト締結部に限らず、ボルト以外の締結部材を用いた部分、あるいは溶接部であってもよい。
れる。クレードルの前端部と対向接近または当接するように設定される枠状体の下部は、クラッシュボックスでなくてもよい。
本発明の車両前部構造は、エンジン自動車に限らず、ハイブリッド車や電気自動車にも適用することができることは勿論である。
J1〜J4 第1ないし第4の連結部
1 車両
3 フロントサイドメンバ
4 サスペンションメンバ
5 ラジエータサポート(枠状体)
53 クラッシュボックス(枠状体の下部)
6 クレードル
7 ブラケット部(クレードル用の)
Claims (1)
- 車幅方向に間隔を隔てて車両前部に位置し、かつ車両前後方向に延びる左右一対のフロントサイドメンバと、
これら一対のフロントサイドメンバの前部どうしを連結するように設けられた枠状体と、
前記一対のフロントサイドメンバよりも下方の領域のうち、前記枠状体よりも車両後方側に位置して車幅方向に延びており、かつ車幅方向両端部には、前記一対のフロントサイドメンバとの連結を図るための第1および第2の連結部が車両前後方向に離間して設定されているサスペンションメンバと、
前記一対のフロントサイドメンバよりも下方の領域のうち、前記枠状体の下部と前記サスペンションメンバとの相互間に位置して車両前後方向に延びており、かつ後端部には、前記サスペンションメンバとの連結を図るための第3の連結部が設定され、前端部が前記枠状体の前記下部に対向接近または当接するように設定され、車両の前突が発生して前記枠状体に衝突荷重が入力したときに、前記枠状体から前記前端部に荷重伝達が可能とされている左右一対のクレードルと、
を備えている、車両前部構造であって、
前記各クレードルのうち、前記前端部から車両後方側に離間している車両前後方向途中箇所が、前記各フロントサイドメンバに支持されるように連結された第4の連結部を、さらに備えており、
前記各クレードルは、前記各フロントサイドメンバの直下に位置し、前記第1ないし第4の連結部のそれぞれは、前記各フロントサイドメンバに対して上下高さ方向にオーバラップしていることを特徴とする、車両前部構造。
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JP2019062782A JP6935980B2 (ja) | 2019-03-28 | 2019-03-28 | 車両前部構造 |
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JP6511885B2 (ja) * | 2015-03-17 | 2019-05-15 | 三菱自動車工業株式会社 | 自動車の前部構造 |
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2019
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