JP7102581B2 - オイルセパレータ - Google Patents

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Description

本発明は、機器を通過した空気に含まれる油分を空気から分離するオイルセパレータに関する。
トラック、バス、建機等の車両は、エンジンと直結したコンプレッサから送られる圧縮空気を利用してブレーキやサスペンション等のシステムを制御している。この圧縮空気には、大気中に含まれる水分やコンプレッサ内を潤滑する油分が含まれている。この水分や油分を含む圧縮空気が各システム内に侵入すると、錆の発生やゴム部材(Oリング等)の膨潤を招き作動不良の原因となる。このため、コンプレッサの下流には、圧縮空気中の水分や油分を除去するためのエアドライヤが設けられている。
エアドライヤには、水分を除去する乾燥剤と、油分を捕捉するフィルタが設けられている。このエアドライヤは、コンプレッサから送られた圧縮空気内の水分を除去する除湿作用と、乾燥剤に吸着させた水分を外部に排出する再生作用とを有する。
乾燥剤の再生時にエアドライヤから排出される空気には水分とともに油分も含まれるため、環境負荷を考慮して、エアドライヤのドレン排出口にオイルセパレータが設けられることがある(例えば、特許文献1参照)。このオイルセパレータは、水分及び油分を含んだ空気が衝突する衝突材を筐体内に備えており、空気を衝突材に衝突させて空気に含まれる水分及び油分を分離する。分離された油分はオイルセパレータ内に回収され、油分を除去した清浄空気は外部に放出される。
特開2014-091059号公報
ところで、上記特許文献1に記載のオイルセパレータでは、排気ポートの位置を決定すると、吸気ポートの位置も定まる。一方、吸気ポートに接続される接続対象であるエアドライヤの位置が取付対象である車両によって異なる。このため、エアドライヤ等の接続対象の位置によって、吸気ポートへ接続する接続ホースを引き回して取り付けるなど、接続対象とオイルセパレータとの接続ホースの取付作業やオイルセパレータの車両への取付作業が煩雑なものがある。
なお、こうした課題は、車両に搭載されたエアドライヤに接続されるオイルセパレータに限らず、他の取付対象に取り付けられるオイルセパレータにおいても概ね共通したものである。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両の種類によらず、オイルセパレータの取付作業が容易であるオイルセパレータを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について説明する。
上記課題を解決するオイルセパレータは、圧縮空気が流入する吸気ポートと、清浄空気が排出される排気ポートとが設けられたボディと、圧縮空気を気液分離するフィルタを収
納したフィルタ部と、前記ボディに取り付けられ、前記フィルタ部を前記ボディとともに覆い、圧縮空気から分離したドレン液を溜めるドレン溜め部と、を備え、前記吸気ポートが少なくとも2個設けられ、前記吸気ポートは、前記ボディにそれぞれ開口可能に設けられ、前記排気ポートは、前記ボディにおける前記吸気ポートが設けられていない部分に設けられることをその要旨としている。
上記構成によれば、少なくとも2個の吸気ポートがボディにそれぞれ設けられ、排気ポートがボディにおける吸気ポートが設けられていない部分に設けられている。このため、取付対象の種類によって異なる接続対象の位置に応じて接続対象との接続ホースを取り付けしやすい吸気ポートに接続させることができる。よって、取付対象の種類によらず、オイルセパレータの取付作業が容易である。
上記オイルセパレータについて、前記吸気ポートが少なくとも3個設けられ、前記吸気ポートは、前記ボディの側壁における四方のうち三方にそれぞれ開口可能に設けられ、前記排気ポートは、前記ボディの側壁における四方のうち前記吸気ポートが設けられていない一方に設けられることが好ましい。
上記構成によれば、吸気ポートがボディの側壁における四方のうち三方に設けられ、排気ポートがボディの側壁における四方のうち残り一方に設けられている。このため、排気ポートに対する吸気ポートの位置をボディの側壁における四方のうちの三方から選択することができ、吸気ポート同士の間隔を大きく設定することができるので、オイルセパレータの取付作業が容易である。
上記オイルセパレータについて、前記ボディに回転可能に取り付けられる取付部と、オイルセパレータの取付対象に固定する固定部とを有する取付部材を備えることが好ましい。
上記構成によれば、取付部材の取付部においてボディが回転可能であるので、ボディを取付部材に対して回転させて排気ポートの位置を選択することができ、さらに吸気ポートの位置を三方から選択することができる。
上記オイルセパレータについて、前記ボディは、雌螺子と当該雌螺子に螺合する雄螺子とのいずれか一方を備え、前記ドレン溜め部は、前記雌螺子と前記雄螺子とのいずれか他方を備え、前記雌螺子と前記雄螺子とによって前記ボディと前記ドレン溜め部とが固定されることが好ましい。
上記構成によれば、ボディとドレン溜め部とが雌螺子と雄螺子とによって固定される。このため、ドレン溜め部を螺子方向に回転させることでボディに対してドレン溜め部を容易に着脱することができる。
上記オイルセパレータについて、前記雄螺子が設けられた部分から延出し、前記雌螺子と螺合させるときに前記雄螺子をガイドするガイド部が設けられることが好ましい。
上記構成によれば、雄螺子の部分の先端にガイド部が設けられるので、雄螺子の部分の先端が雌螺子の部分の先端に接触する前にガイド部が雌螺子の部分に接触する。このため、雌螺子に対する雄螺子の位置を容易に合わせることができ、ひいてはボディにドレン溜め部を容易に取り付けることができる。
上記オイルセパレータについて、ガイド部の長さは、雌螺子の長さよりも大きく設定されていることが好ましい。
上記構成によれば、ガイド部の長さを雌螺子の長さよりも大きく設定している。このた
め、雄螺子の部分の先端が雌螺子の部分の先端に接触する前にガイド部が雌螺子の部分の全体に接触する。よって、ガイド部が雌螺子全体に対して接触しながら、雄螺子が雌螺子に対して螺合を開始するので、ガイド機能を高めることができる。
本発明によれば、車両の種類によらず、オイルセパレータの取付作業が容易である。
オイルセパレータの一実施形態において、オイルセパレータが適用される圧縮空気乾燥システムの概略構成を示すブロック図。 同実施形態のオイルセパレータの構成を示す斜視図。 同実施形態のオイルセパレータのボディの構造を示す3-3断面図。 同実施形態のオイルセパレータの構造を示す4-4断面図。 同実施形態のオイルセパレータの構造を示す分解断面図。 同実施形態のオイルセパレータの雄螺子部及び雌螺子部の構造を示す拡大図。 同実施形態のオイルセパレータの雄螺子部及び雌螺子部の構造を示す拡大図。 オイルセパレータの雄螺子部に設けられるガイド部の変形例を示す図。
以下、図1~図7を参照して、オイルセパレータを車両に搭載された圧縮空気乾燥システムに適用した一実施形態について説明する。
図1に示されるように、コンプレッサ1の下流には、コンプレッサ1から送られる圧縮空気中の油分及び水分を除去する圧縮空気乾燥システムが設けられている。圧縮空気乾燥システムには、圧縮空気から油分及び水分を除去するエアドライヤ2が設けられている。エアドライヤ2内には、乾燥剤2aが設けられている。エアドライヤ2は、圧縮空気を乾燥剤2aに通過させて水分や油分を除去するロード運転と、乾燥剤2aに捕捉された水分や油分を外部に排出することによって乾燥剤2aを再生するアンロード運転とを行う。エアドライヤ2は、ロード運転によって圧縮空気から油分及び水分を除去した空気である乾燥圧縮空気を、システムタンク6に送出する。システムタンク6は、ブレーキやサスペンション等の各システムに圧縮空気を供給する。システムタンク6の圧力が所定値に達すると、エアドライヤ2のエキゾストバルブ2bが開放されて、アンロード運転が行われる。エキゾストバルブ2bが開放されると、システムタンク6から乾燥圧縮空気がエアドライヤ2に供給され、エアドライヤ2に流入した乾燥圧縮空気がロード運転とは逆方向に流れる。これにより、乾燥剤2aに捕捉された水分や油分が除去される。除去された水分及び油分は、空気とともにエアドライヤ2のドレン排出口2cから排出される。このエアドライヤ2から排出される空気をパージエアという。
圧縮空気乾燥システムには、圧縮空気中のオイルミストを除去する第1オイルミストセパレータ7と第2オイルミストセパレータ8とが設けられている。2個のオイルミストセパレータ7,8は、コンプレッサ1とエアドライヤ2との間に設けられている。第1オイルミストセパレータ7は第2オイルミストセパレータ8よりもコンプレッサ1側の上流に設けられている。第1オイルミストセパレータ7と第2オイルミストセパレータ8との間には、第2オイルミストセパレータ8から第1オイルミストセパレータ7への逆流を防ぐ逆止弁9が設けられている。第2オイルミストセパレータ8とエアドライヤ2との間には、エアドライヤ2から第2オイルミストセパレータ8への逆流を防ぐ逆止弁9が設けられている。
オイルミストセパレータ7は、フィルタ7aを有し、フィルタ7aに圧縮空気を通過さ
せることでコンプレッサ1から送出される圧縮空気に含まれるオイルミストを捕捉する。オイルミストセパレータ7は、再生用圧縮空気を溜める再生用タンク(図示略)を備え、システムタンク6から供給された圧縮空気による再生用タンクの圧力が所定値に達すると、オイルミストセパレータ7のエキゾストバルブ7bが開放されて、再生用タンクから乾燥圧縮空気がオイルミストセパレータ7に供給される。これにより、フィルタ7aに捕捉されたオイルミストが除去される。除去されたオイルミストは、空気とともにオイルミストセパレータ7のドレン排出口7cから排出される。このオイルミストセパレータ7から排出される空気をパージエアという。
また、オイルミストセパレータ8は、フィルタ8aを有し、フィルタ8aに圧縮空気を通過させることでコンプレッサ1から送出される圧縮空気に含まれるオイルミストを捕捉する。オイルミストセパレータ8は、再生用圧縮空気を溜める再生用タンク(図示略)をそれぞれ備え、システムタンク6から供給された圧縮空気による再生用タンクの圧力が所定値に達すると、オイルミストセパレータ8のエキゾストバルブ8bが開放されて、再生用タンクから乾燥圧縮空気がオイルミストセパレータ8に供給される。これにより、フィルタ8aに捕捉されたオイルミストが除去される。除去されたオイルミストは、空気とともにオイルミストセパレータ8のドレン排出口8cから排出される。このオイルミストセパレータ8から排出される空気をパージエアという。
また、圧縮空気乾燥システムにおいて、オイルミストセパレータ7のドレン排出口7c、オイルミストセパレータ8のドレン排出口8c、及びエアドライヤ2のドレン排出口2cには、オイルセパレータ5が接続されている。オイルセパレータ5は、第1オイルミストセパレータ7のドレン排出口7cに接続される接続ホース7dを介して第1オイルミストセパレータ7と接続されている。またオイルセパレータ5は、第2オイルミストセパレータ8のドレン排出口8cに接続される接続ホース8dを介して第2オイルミストセパレータ8と接続されている。さらにオイルセパレータ5は、エアドライヤ2のドレン排出口2cに接続される接続ホース2dを介してエアドライヤ2と接続されている。
オイルセパレータ5は、油分及び水分を含んだ圧縮空気を気液分離し、分離した清浄空気を排出口5cから排出する。また、オイルセパレータ5は、圧縮空気から分離した油分及び水分を含む液体であるドレン液を、その筐体5a内に貯留する。
次に、図2~図7を参照して、オイルセパレータ5について詳述する。
図2に示すように、オイルセパレータ5の筐体5aは、円筒状のボディ10と、ボディ10に取り付けられるドレン溜め部であるドレンボウル30とを備えている。ボディ10の外周には、取付対象である車両に取り付けるための取付部材70が取り付けられている。ボディ10の外周には、取付部材70を取り付けるための取付溝15が設けられている。取付部材70は、ボディ10に回転可能に取り付けられる取付部71と、車両に固定する固定部76とを有している。取付部71は、円環状に形成されている円環部72と、円環部72をボルト74とナット75とによって締め付ける締付部73とを有している。固定部76は、図示しないボルトによって車両に固定される。よって、ボディ10は、取付部71において360°位置を変更可能である。
図3に示すように、ボディ10は、3個の吸気ポート16と、1個の排気ポート17とを備えている。吸気ポート16は、ボディ10の側壁における四方のうち三方にそれぞれ開口可能に設けられている。ここでの「四方」とは、360°を4分割した90°の各範囲の方向のことである。各吸気ポート16は、各範囲内であればいずれの位置に設けられてもよい。本実施形態では、2個のオイルミストセパレータ7,8と、1個のエアドライヤ2とが接続されるので、3個の吸気ポート16は全て開口している。そして、第1オイルミストセパレータ7のドレン排出口7cに接続される接続ホース7dと、第2オイルミ
ストセパレータ8のドレン排出口8cに接続される接続ホース8dと、エアドライヤ2のドレン排出口2cに接続される接続ホース2dとが各吸気ポート16にそれぞれ接続されている。なお、各接続ホース7d,8d,2dの接続先は、最適なものが各吸気ポート16から選択されている。
排気ポート17は、ボディ10の側壁における四方のうち吸気ポート16が設けられていない一方に設けられている。排気ポート17には、排出口5cが設けられている。
図4に示すように、ボディ10の一方の端は閉塞され、他方の端には開口部11を有している。ボディ10の内周面であって開口部11側には、雌螺子12が設けられている。
ドレンボウル30は、円筒状に形成されている。ドレンボウル30の一方の端部には底部を有する。ドレンボウル30の他方の端部には開口部31を有している。ドレンボウル30の内側には、ドレン液を貯留する空間である貯留部32が設けられている。ドレンボウル30の開口部31の外周面には、雄螺子33が設けられている。ボディ10の雌螺子12とドレンボウル30の雄螺子33とが螺合することによって、ドレンボウル30がボディ10に固定される。オイルセパレータ5は、ボディ10を鉛直方向上方に配置し、且つドレンボウル30を鉛直方向下方に配置した状態で車両側に固定され、ドレンボウル30にドレン液を貯留する。貯留されたドレン液は、ボディ10からドレンボウル30を外して捨てられる。
ボディ10の底部には、フィルタ部40が固定されている。フィルタ部40は、フィルタケース41と、フィルタケース41の内側に収容されたフィルタ42と、フィルタ蓋43とを備えている。
ボディ10の内側であって、その底部の径方向における中央部には、環状突部13が設けられている。環状突部13の内周面には、雌螺子14が設けられている。また、フィルタケース41は、円筒状に形成されている。フィルタケース41の一方の端部には天井部53が設けられている。フィルタケース41の他方の端部には開口部54が設けられている。天井部53の径方向における中央部には、フィルタケース41の外側へ突出する環状突部51が設けられている。環状突部51の外周面には、雄螺子52が設けられている。ボディ10の雌螺子14とフィルタケース41の雄螺子52とを螺合することにより、フィルタ部40はボディ10に固定される。
フィルタケース41の周壁部55には、複数の第1通気孔56が形成されている。周壁部55には、周方向に沿って形成された複数の第1通気孔56からなる列が、複数列形成されている。天井部53の中央であって、環状突部51で囲まれた部分には、フィルタ出口57が設けられている。フィルタ出口57は、フィルタケース41の内側と外側とを連通する複数の第2通気孔58を有している。
フィルタ蓋43は、フィルタケース41の開口を閉蓋するように設けられている。フィルタ蓋43には、複数の排出孔44が形成されている。フィルタ42は、フィルタケース41とフィルタ蓋43とで形成された空間に収容されている。フィルタ42は、圧縮空気が通過する多数の細孔を有するものである。フィルタ42は、例えば、多数の気泡を有するスポンジ(ウレタンフォーム)、金属の線材や金属箔などの金属材を成形したものであって多数の細孔を有するもの(クラッシュドアルミ)、ガラス繊維などからなる。
フィルタケース41の第1通気孔56からフィルタ42内に流入した圧縮空気は、フィルタ42に衝突することによって、気液分離される。フィルタ42によって分離されたドレン液は、重力によってフィルタ42内を鉛直方向下方に向かって流れ、排出孔44を介して貯留部32に落下する。またフィルタ42によって分離された清浄空気は、フィルタ
出口57の第2通気孔58を介してフィルタ部40から排出される。
また、ボディ10の吸気ポート16は、接続ホース2d(図1参照)を介してエアドライヤ2と接続されている。吸気ポート16は、ボディ10の開口部11側に向かって延びる第1通路18に接続している。
第1通路18は、ドレンボウル30の貯留部32に接続している。この第1通路18とドレンボウル30の貯留部32とは、吸気ポート16を介して流入した圧縮空気が膨張する第1膨張室34として機能する。圧縮空気が第1膨張室34内で膨張することによって、圧縮空気内の油分及び水分が凝集し易くなる。
ボディ10の排気ポート17は、フィルタ部40によって気液分離された清浄空気を外部へ放出する。排気ポート17は、第2通路19に接続されている。第2通路19は、略L字状に形成されている。第2通路19は、第2膨張室23として機能する。なお、フィルタケース41の前段の空間を第1膨張室34、その後段の空間を第2膨張室23としたが、フィルタケース41内の空間も、第1膨張室34及び第2膨張室23に比べ膨張効果は低いものの第1通気孔56を通過することによって圧縮された空気を膨張させる機能を有する。
次に、図5~図7を参照して、ボディ10とフィルタ部40とドレンボウル30との組み付けについて説明する。
まず、ボディ10の雌螺子14に対してフィルタ部40の雄螺子52を螺合させることにより、フィルタ部40をボディ10に取り付ける。続いて、ボディ10の雌螺子12に対してドレンボウル30の雄螺子33を螺合させることにより、ドレンボウル30をボディ10に取り付ける。
なお、フィルタ42を交換する際には、ボディ10からドレンボウル30を取り外して、さらにボディ10からフィルタ部40を取り外す。そして、フィルタ蓋43をフィルタケース41から取り外して、フィルタ42を入れ替える。なお、フィルタ部40自体を交換してもよい。
ここで、ボディ10とドレンボウル30との組み付けについて詳述する。
図6及び図7に示すように、ドレンボウル30の雄螺子33が設けられる部分の先端には、雄螺子33が設けられた部分から延出するガイド部35が設けられている。このため、ドレンボウル30の雄螺子33の部分の先端がボディ10の雌螺子12の部分の先端に接触する前にガイド部35がボディ10の雌螺子12の部分に接触して、ボディ10に対してドレンボウル30をガイドすることができる。
ガイド部35の先端外周角部35aは、角度θに面取りされている。このため、ガイド部35がボディ10の雌螺子12に接触したときの引っ掛かりを低減することができる。
また、ガイド部35の軸方向の長さAは、ボディ10の雌螺子12の軸方向の長さBよりも大きく設定されている。このため、ドレンボウル30の雄螺子33の部分の先端がボディ10の雌螺子12の部分の先端に接触する前にガイド部35がボディ10の雌螺子12の部分の全体に接触する。すなわち、ガイド部35がボディ10の雌螺子12全体に対して接触しながら、ドレンボウル30の雄螺子33がボディ10の雌螺子12に対して螺合を開始するので、ガイド機能を高めることができる。
次に、図2を参照して、オイルセパレータ5の車両に対する取り付けについて説明する。まず、オイルセパレータ5のボディ10の外周に回転可能な状態で取付部材70を取り付ける。そして、取付部材70に対してボディ10を回転させることで、取付部材70に
対するボディ10に設けられた排気ポート17の位置を選択する。これにより、取付部材70が固定される車両に対する排気ポート17の位置を選択することができる。このボディ10に取り付けられた状態の取付部材70を固定部76にボルトを挿通して車両に固定する。
続いて、車両に固定されたオイルセパレータ5のボディ10に設けられた3個の吸気ポート16に、第1オイルミストセパレータ7の接続ホース7d、第2オイルミストセパレータ8の接続ホース8d、エアドライヤ2の接続ホース2dを取り付け易い位置を選択してそれぞれ接続する。
次に、図4を参照して、オイルセパレータ5の作用について説明する。
エアドライヤ2のエキゾストバルブ2bが開放されてアンロード運転が行われると、圧縮空気とともに油分及び水分を含むドレン液がオイルセパレータ5に送られる。また、オイルミストセパレータ7,8のエキゾストバルブ7b,8bが開放されると、圧縮空気とともにオイルミストを含むドレン液が各接続ホース7d,8d,2dを介してオイルセパレータ5に送られる。圧縮空気に含まれるドレン液は、ミスト状又は液状である。ドレン液を含む圧縮空気は、各吸気ポート16からオイルセパレータ5内に流入する。
圧縮空気は、3個の吸気ポート16から第1膨張室34に流入することによって膨張する。なお、第1膨張室34で膨張した圧縮空気の圧力は、大気圧に比べ大きい値に維持されている。膨張した圧縮空気は、フィルタケース41の第1通気孔56を介してフィルタ部40内に流入する。フィルタ部40内に流入した圧縮空気は、細孔の壁面との衝突、細孔内での圧縮空気どうしの衝突(摩擦)を繰り返しながらフィルタ42内を通過する。これにより、圧縮空気は、ドレン液と、ドレン液が除かれた清浄空気とに分離される。分離された液状のドレン液は、貯留部32に落下する。分離された清浄空気は、フィルタ出口57に向かう。清浄空気は、フィルタ出口57の第2通気孔58を通過することによって圧縮された後、第2膨張室23(第2通路19)内で膨張する。第2通路19を通過した清浄空気は、排気ポート17から外部へ排出される。
上記のように、オイルセパレータ5は、車両に対して排気ポート17の向きを選択することができ、さらに3個の吸気ポート16から各接続ホース7d,8d,2dを取り付けし易いものを選択することができる。よって、車両の種類によらず、オイルセパレータ5の取付作業を容易にすることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)3個の吸気ポート16がボディ10の側壁にそれぞれ設けられ、排気ポート17がボディの側壁における吸気ポート16が設けられていない部分に設けられている。このため、車両の種類によって異なるオイルミストセパレータ7,8及びエアドライヤ2の位置に応じてオイルミストセパレータ7,8及びエアドライヤ2との接続ホース7d,8d,2dを取り付けしやすい吸気ポート16に接続させることができる。よって、車両の種類によらず、オイルセパレータ5の取付作業が容易である。
(2)吸気ポート16がボディ10の側壁における四方のうち三方に設けられ、排気ポート17がボディ10の側壁における四方のうち残り一方に設けられている。このため、排気ポート17に対する吸気ポート16の位置をボディ10の側壁における四方のうちの三方から選択することができ、吸気ポート16同士の間隔を大きく設定することができるので、オイルセパレータ5の取付作業が容易である。
(3)取付部材70の取付部71においてボディ10が回転可能であるので、ボディ10を取付部材70に対して回転させて排気ポート17の位置を選択することができ、さら
に吸気ポート16の位置を三方から選択することができる。
(4)ボディ10とドレンボウル30とが雌螺子12と雄螺子33とによって固定される。このため、ボディ10に対してドレンボウル30を螺子方向に回転させることでボディ10に対してドレンボウルを容易に着脱することができる。
(5)雄螺子33の部分の先端にガイド部35が設けられるので、雄螺子33の部分の先端が雌螺子12の部分の先端に接触する前にガイド部35が雌螺子12の部分に接触する。このため、雌螺子12に対する雄螺子33の位置を容易に合わせることができ、ひいてはボディ10にドレンボウル30を容易に取り付けることができる。
(6)ガイド部35の軸方向の長さAは、ボディ10の雌螺子12の軸方向の長さBよりも大きく設定されている。このため、ガイド部35がボディ10の雌螺子12全体に対して接触しながら、ドレンボウル30の雄螺子33がボディ10の雌螺子12に対して螺合を開始するので、ガイド機能を高めることができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態では、ガイド部35の先端外周角部35aを角度θの面取りとしたが、図8に示すように、ガイド部35の先端外周角部35aを丸みRの面取りとしてもよい。
・上記実施形態では、ボディ10に雌螺子12、ドレンボウル30に雄螺子33を設けたが、ボディ10の外周にドレンボウル30を組み付けるようにして、ボディ10に雄螺子、ドレンボウル30に雌螺子を設けてもよい。この場合には、ボディ10の雄螺子が設けられた部分の先端にガイド部を設ける。
・上記実施形態では、ドレンボウル30のガイド部35の長さAをボディ10の雌螺子12の軸方向の長さBよりも大きく設定した。しかしながら、ガイド部35があることでガイド機能が得られるならば、ガイド部35の長さAをボディ10の雌螺子12の軸方向の長さBと同じ又はそれよりも小さく設定してもよい。
・上記実施形態では、ドレンボウル30にガイド部35を設けたが、ガイド機能が不要であれば、ガイド部35を省略してもよい。
・上記実施形態では、ボディ10に取付部材70を取り付けて、オイルセパレータ5を車両に固定したが、オイルセパレータ5のボディ10を直接車両に固定してもよい。
・上記実施形態のオイルセパレータ5のドレンボウル30に、貯留部32に溜められたドレン液を排出するためのドレン排出口を設けてもよい。
・上記実施形態では、3個の吸気ポート16をボディ10の側壁に設けたが、4個以上の吸気ポートを、四方のうち三方に設けてもよい。すなわち、4個以上の吸気ポートを設けるときには、四方のいずれかに複数の吸気ポートを設ける。このようにすれば、最適な吸気ポートの位置を選択しながら4個以上の接続ホースをオイルセパレータに接続することができるようになる。
・上記実施形態では、2個のオイルミストセパレータ7,8と1個のエアドライヤ2とを備える圧縮空気乾燥システムとしたが、1個のオイルミストセパレータと1個のエアドライヤ2とを備える圧縮空気乾燥システムとしてもよい。この場合、オイルミストセパレータの接続ホースとエアドライヤ2の接続ホースとをオイルセパレータ5のそれぞれ最適な位置の吸気ポート16を選択して接続する。なお、3個の吸気ポート16のうち2個の吸気ポート16を選択して使用するので、残り1個の吸気ポート16は図示しない閉塞部材を嵌合することで閉塞する。
・上記実施形態では、吸気ポート16をボディ10の側壁における360°を4分割した90°の各範囲内の位置に設けたが、吸気ポート16同士の間隔を任意の角度としてもよい。
・上記実施形態では、全ての吸気ポート16をボディ10の側壁に設けたが、少なくとも1個の吸気ポート16をボディ10の上壁に設けてもよい。
・また、エアドライヤ2の上流においてオイルミストの除去が不要であれば、1個のエアドライヤ2を備える圧縮空気乾燥システムとしてもよい。この場合、エアドライヤ2の接続ホースをオイルセパレータ5の最適な位置の吸気ポート16を選択して接続する。なお、3個の吸気ポート16のうち1個の吸気ポート16を選択して使用するので、残り2個の吸気ポート16は図示しない閉塞部材を嵌合することで閉塞する。
・上記実施形態において、フィルタ部40は、圧縮空気内を気液分離できる構成であれば、上述した材料からなるフィルタ42を備える以外の構成であってもよい。例えば、フィルタケース41内に邪魔板を備える構成でもよく、邪魔板に圧縮空気を衝突させることによって気液分離する構成であってもよい。
・上記実施形態では、コンプレッサ1から送出される空気に含まれる油分をオイルセパレータ5によって除去したが、コンプレッサ以外の機器から送出される気体に含まれる油分をオイルセパレータによって除去してもよい。
・上記実施形態及び他の実施形態では、オイルセパレータ5を、車両に搭載された圧縮空気乾燥システムに適用したが、油分を含む空気(気体)を気液分離する機能を備えるシステムであれば、そのほかのシステムに適用してもよい。例えば、電車、船舶、航空機などの車両以外の移動体にオイルセパレータを適用してもよい。また、移動体以外に設けられた空気圧を利用して動作させるシステムにオイルセパレータを適用してもよい。
1…コンプレッサ、2…エアドライヤ、2a…乾燥剤、2b…エキゾストバルブ、2c…ドレン排出口、2d…接続ホース、5…オイルセパレータ、5a…筐体、5c…排出口、6…システムタンク、7…第1オイルミストセパレータ、8…第2オイルミストセパレータ、7a,8a…フィルタ、7b,8b…エキゾストバルブ、7c,8c…ドレン排出口、7d,8d…接続ホース、9…逆止弁、10…ボディ、11…開口部、12…雌螺子、13…環状突部、14…雌螺子、15…取付溝、16…吸気ポート、17…排気ポート、18…第1通路、19…第2通路、23…第2膨張室、30…ドレンボウル、31…開口部、32…貯留部、33…雄螺子、34…第1膨張室、35…ガイド部、35a…先端外周角部、40…フィルタ部、41…フィルタケース、42…フィルタ、43…フィルタ蓋、44…排出孔、51…環状突部、52…雄螺子、53…天井部、54…開口部、55…周壁部、56…第1通気孔、57…フィルタ出口、58…第2通気孔、70…取付部材、71…取付部、72…円環部、73…締付部、74…ボルト、75…ナット、76…固定部。

Claims (6)

  1. 圧縮空気が流入する吸気ポートと、清浄空気が排出される排気ポートとが設けられたボディと、
    前記ボディに設けられ、圧縮空気を気液分離するフィルタ部と、
    前記ボディに取り付けられ、圧縮空気から分離したドレン液を溜めるドレン溜め部と、
    前記ボディに回転可能に取り付けられる取付部とオイルセパレータの取付対象に固定する固定部とを有する取付部材と、を備え、
    前記取付部材は、前記吸気ポート及び前記排気ポートよりも前記ドレン溜め部寄りに設けられる
    オイルセパレータ。
  2. 前記取付部は、
    円環状に形成されている円環部と、
    前記円環部をボルトとナットとによって締め付ける締付部と、を有する
    請求項1に記載のオイルセパレータ。
  3. 前記固定部は、ボルトによって前記取付対象に固定される
    請求項1又は2に記載のオイルセパレータ。
  4. 前記ボディは、雌螺子と当該雌螺子に螺合する雄螺子とのいずれか一方を備え、
    前記ドレン溜め部は、前記雌螺子と前記雄螺子とのいずれか他方を備え、
    前記雌螺子と前記雄螺子とによって前記ボディと前記ドレン溜め部とが固定される
    請求項1~3のいずれか一項に記載のオイルセパレータ。
  5. 前記雄螺子が設けられた部分から延出し、前記雌螺子と螺合させるときに前記雄螺子をガイドするガイド部が設けられる
    請求項4に記載のオイルセパレータ。
  6. 前記ガイド部の長さは、前記雌螺子の長さよりも大きく設定されている
    請求項5に記載のオイルセパレータ。
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