JP7102233B2 - 光学活性化合物の製造法 - Google Patents

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Description

本発明は、光学活性なピリミジンアミド誘導体の製造に有用な光学活性なアミン化合物の製造方法、および当該光学活性なアミン化合物を用いた光学活性なピリミジンアミド誘導体の製造方法に関する。
(発明の背景)
後述の式(V)で表されるピリミジンアミド誘導体は、Rafプロテインキナーゼ阻害剤および癌等の治療薬として有用であることが知られている。
その光学活性体の製造方法としては、以下の方法が知られている。
特許文献1には、後述の式(III)で表されるアミン化合物の光学活性体を、対応するケトン化合物をオキシム化し、還元し、次いで、ジp-トルオイル(D)-酒石酸を用いて光学分割することにより製造し、これを用いて目的とする後述の式(V)で表されるピリミジンアミド誘導体の光学活性体を製造することが開示されている。
光学活性なアミン化合物の製造方法として、非特許文献1には、イリジウム錯体を触媒として用いた、アリールアセトンのベンズヒドリルアミンとの還元的不斉アミノ化反応が開示され、非特許文献2には、ジフェニルメチルイミノ基を有する化合物の不斉還元反応が開示されている。
WO 2009/006389
Huang et al., Angew. Chem. int. Ed. (2016), 55, 5309-5317 Jiang Xiao-bin et al., Org. Lett. (2003), 5, 1503
本発明の目的は、工業的規模で製造可能な光学活性なピリミジンアミド誘導体の製造方法を提供することである。
後述の(V)で表されるピリミジンアミド誘導体の光学活性体の製造に必要とされる、後述の式(III)で表されるアミン化合物の光学活性体を、対応するイミノ化合物の不斉還元によって製造するには、イミノ化合物に適切な保護基を導入することとその不斉還元反応を開発することが重要である。
保護基としてのジフェニルメチル基は、これまでほとんど知られておらず、非特許文献1では、還元的不斉アミノ化反応の生成物としてジフェニルメチルアミノ基を有する光学活性な化合物が得られるが、後述の式(II)で表されるアミン化合物の光学活性体とは大きく構造が異なる。非特許文献2には、ジフェニルメチルイミノ基を有する化合物の不斉還元反応が開示されているが、非常に低収率でエナンチオ選択性も低い。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、後述の式(I)で表される、適切な保護基を有するイミノ化合物またはその塩を不斉還元反応に付した後、脱保護することにより、鍵中間体である後述の式(III)で表されるアミン化合物の光学活性体またはその塩を、良好な光学純度でかつ収率よく製造することができ、よって、目的とする後述の式(V)で表されるピリミジンアミド誘導体の光学活性体を工業的規模で製造できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1] 下式(I):
Figure 0007102233000001
[式中、
は、C1-6アルキル基を;
は、水素原子またはハロゲン原子を;
は、水素原子またはハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基を;
PGは、保護基を示す。]
で表される化合物(以下、化合物(I)ともいう)またはその塩を不斉還元反応に付すことを特徴とする、下式(II):
Figure 0007102233000002
[式中、*が付された炭素原子は不斉炭素原子を示し、その他の記号は前記と同義を示す。]
で表される化合物の光学活性体(以下、化合物(II)ともいう)またはその塩の製造法。
[2] 下式(I);
Figure 0007102233000003
[式中、
は、C1-6アルキル基を;
は、水素原子またはハロゲン原子を;
は、水素原子またはハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基を;
PGは、保護基を示す。]
で表される化合物またはその塩を不斉還元反応に付して、下式(II);
Figure 0007102233000004
[式中、*が付された炭素原子は不斉炭素原子を示し、その他の記号は前記と同義を示す。]
で表される化合物の光学活性体またはその塩を得る工程を含む、下式(V):
Figure 0007102233000005
[式中、RおよびRは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基、アシル基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいチオカルバモイル基、置換されていてもよいスルファモイル基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいスルファニル(SH)基、または置換されていてもよいシリル基を示し、その他の記号は前記と同義を示す。]
で表される化合物の光学活性体(以下、化合物(V)ともいう)またはその塩の製造法。
[3] 請求項2に記載の製造法であって、さらに、下式(II);
Figure 0007102233000006
[式中、
は、C1-6アルキル基を;
は、水素原子またはハロゲン原子を;
は、水素原子またはハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基を;
PGは、保護基を示し、
*が付された炭素原子は不斉炭素原子を示す。]
で表される化合物の光学活性体またはその塩を脱保護反応に付する工程、および、得られる下式(III);
Figure 0007102233000007
[式中の各記号は前記と同義を示す。]
で表される化合物の光学活性体(以下、化合物(III)ともいう)またはその塩を、下式(IV);
Figure 0007102233000008
[式中、
Xは脱離基を;
およびRは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基、アシル基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいチオカルバモイル基、置換されていてもよいスルファモイル基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいスルファニル(SH)基、または置換されていてもよいシリル基を示す。]
で表される化合物(以下、化合物(IV)ともいう)またはその塩と反応させる工程を含む、上記[2]に記載の製造法。
[4] 式(III)で表される化合物の光学活性体またはその塩が、式(III)で表される化合物の光学活性体とマンデル酸との塩である、上記[3]に記載の製造法。
[5] Xがヒドロキシ基である、上記[3]または[4]記載の製造法。
[6] 不斉還元反応が、遷移金属錯体の存在下の不斉水素化反応である、上記[1]から[5]のいずれか一項に記載の製造法。
[7] 遷移金属錯体がイリジウム錯体である、上記[6]に記載の製造法。
[8] PGが、下式(VI):
Figure 0007102233000009
[式中、
Arは、水素原子または置換されていてもよいC6-14アリール基を;
Arは、置換されていてもよいC6-14アリール基を示す。]
で表される、上記[1]から[7]のいずれか一項に記載の製造法。
[9] ArおよびArが、各々独立して置換されていてもよいフェニル基である、上記[8]に記載の製造法。
[10] 下式(VII):
Figure 0007102233000010
[式中、ArおよびArは、各々独立して置換されていてもよいC6-14アリール基を示す。]
で表される化合物(以下、化合物(VII)ともいう)またはその塩。
[11] 下式(VIII):
Figure 0007102233000011
[式中、
ArおよびArは、各々独立して置換されていてもよいC6-14アリール基を示し、
*が付された炭素原子は不斉炭素原子を示す。]
で表される化合物の光学活性体(以下、化合物(VIII)ともいう)またはその塩。
[12] 下式(A-c)
Figure 0007102233000012
[式中、
は、C1-6アルキル基を;
は、水素原子またはハロゲン原子を;
は、水素原子またはハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基を示す。]
で表される化合物(以下、化合物(A-c)ともいう)またはその塩を不斉還元的アミノ化反応に付することを特徴とする、式(III)で表される化合物の光学活性体またはその塩の製造法。
[13] 不斉還元的アミノ化反応が、式(A-c)で表される化合物またはその塩を有機金属錯体の存在下で、アミン源および還元剤と反応させることにより行われる、上記[12]の製造法。
本発明によれば、化合物(I)またはその塩を不斉還元反応に付した後、脱保護することにより、鍵中間体である化合物(III)またはその塩を良好な光学純度でかつ収率よく製造することができる。特に、脱保護後、光学活性なジp-トルオイル酒石酸または光学活性なマンデル酸とのジアステレオマー塩の晶析により、化合物(III)の塩をより良好な光学純度で得ることができる。従って、目的とする化合物(V)またはその塩を工業的規模で製造することが可能となる。
(発明の詳細な説明)
以下に、本発明を詳細に説明する。
以下、本明細書中で用いられる各置換基の定義について詳述する。特記しない限り各置換基は以下の定義を有する。
本明細書中、「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
本明細書中、「C1-6アルキル基」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1-エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、2-エチルブチルが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC1-6アルキル基が挙げられる。具体例としては、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、エチル、2-ブロモエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、プロピル、2,2-ジフルオロプロピル、3,3,3-トリフルオロプロピル、イソプロピル、ブチル、4,4,4-トリフルオロブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、5,5,5-トリフルオロペンチル、ヘキシル、6,6,6-トリフルオロヘキシルが挙げられる。
本明細書中、「C2-6アルケニル基」としては、例えば、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-ヘキセニル、3-ヘキセニル、5-ヘキセニルが挙げられる。
本明細書中、「C2-6アルキニル基」としては、例えば、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニル、4-メチル-2-ペンチニルが挙げられる。
本明細書中、「C3-10シクロアルキル基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、アダマンチルが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC3-10シクロアルキル基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC3-10シクロアルキル基が挙げられる。具体例としては、シクロプロピル、2,2-ジフルオロシクロプロピル、2,3-ジフルオロシクロプロピル、シクロブチル、ジフルオロシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルが挙げられる。
本明細書中、「C3-10シクロアルケニル基」としては、例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニルが挙げられる。
本明細書中、「C6-14アリール基」としては、例えば、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、1-アントリル、2-アントリル、9-アントリルが挙げられる。
本明細書中、「C7-16アラルキル基」としては、例えば、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル、フェニルプロピルが挙げられる。
本明細書中、「C1-6アルコキシ基」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC1-6アルコキシ基が挙げられる。具体例としては、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、4,4,4-トリフルオロブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシが挙げられる。
本明細書中、「C3-10シクロアルキルオキシ基」としては、例えば、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、シクロオクチルオキシが挙げられる。
本明細書中、「C1-6アルキルチオ基」としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC1-6アルキルチオ基が挙げられる。具体例としては、メチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、4,4,4-トリフルオロブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオが挙げられる。
本明細書中、「C1-6アルキル-カルボニル基」としては、例えば、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、2-メチルプロパノイル、ペンタノイル、3-メチルブタノイル、2-メチルブタノイル、2,2-ジメチルプロパノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイルが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル-カルボニル基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC1-6アルキル-カルボニル基が挙げられる。具体例としては、アセチル、クロロアセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイルが挙げられる。
本明細書中、「C1-6アルコキシ-カルボニル基」としては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニルが挙げられる。
本明細書中、「C6-14アリール-カルボニル基」としては、例えば、ベンゾイル、1-ナフトイル、2-ナフトイルが挙げられる。
本明細書中、「C7-16アラルキル-カルボニル基」としては、例えば、フェニルアセチル、フェニルプロピオニルが挙げられる。
本明細書中、「5ないし14員芳香族複素環カルボニル基」としては、例えば、ニコチノイル、イソニコチノイル、テノイル、フロイルが挙げられる。
本明細書中、「3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基」としては、例えば、モルホリニルカルボニル、ピペリジニルカルボニル、ピロリジニルカルボニルが挙げられる。
本明細書中、「モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基」としては、例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、N-エチル-N-メチルカルバモイルが挙げられる。
本明細書中、「モノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基」としては、例えば、ベンジルカルバモイル、フェネチルカルバモイルが挙げられる。
本明細書中、「C1-6アルキルスルホニル基」としては、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、sec-ブチルスルホニル、tert-ブチルスルホニルが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルスルホニル基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC1-6アルキルスルホニル基が挙げられる。具体例としては、メチルスルホニル、ジフルオロメチルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、4,4,4-トリフルオロブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、ヘキシルスルホニルが挙げられる。
本明細書中、「C6-14アリールスルホニル基」としては、例えば、フェニルスルホニル、1-ナフチルスルホニル、2-ナフチルスルホニルが挙げられる。
本明細書中、「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基、アシル基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいチオカルバモイル基、置換されていてもよいスルファモイル基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいスルファニル(SH)基、置換されていてもよいシリル基が挙げられる。
本明細書中、「炭化水素基」(「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」を含む)としては、例えば、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルケニル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基が挙げられる。
本明細書中、「置換されていてもよい炭化水素基」としては、例えば、下記の置換基群Aから選ばれる置換基を有していてもよい炭化水素基が挙げられる。
[置換基群A]
(1)ハロゲン原子、
(2)ニトロ基、
(3)シアノ基、
(4)オキソ基、
(5)ヒドロキシ基、
(6)ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ基、
(7)C6-14アリールオキシ基(例、フェノキシ、ナフトキシ)、
(8)C7-16アラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ)、
(9)5ないし14員芳香族複素環オキシ基(例、ピリジルオキシ)、
(10)3ないし14員非芳香族複素環オキシ基(例、モルホリニルオキシ、ピペリジニルオキシ)、
(11)C1-6アルキル-カルボニルオキシ基(例、アセトキシ、プロパノイルオキシ)、
(12)C6-14アリール-カルボニルオキシ基(例、ベンゾイルオキシ、1-ナフトイルオキシ、2-ナフトイルオキシ)、
(13)C1-6アルコキシ-カルボニルオキシ基(例、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシ)、
(14)モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイルオキシ基(例、メチルカルバモイルオキシ、エチルカルバモイルオキシ、ジメチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシ)、
(15)C6-14アリール-カルバモイルオキシ基(例、フェニルカルバモイルオキシ、ナフチルカルバモイルオキシ)、
(16)5ないし14員芳香族複素環カルボニルオキシ基(例、ニコチノイルオキシ)、
(17)3ないし14員非芳香族複素環カルボニルオキシ基(例、モルホリニルカルボニルオキシ、ピペリジニルカルボニルオキシ)、
(18)ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルスルホニルオキシ基(例、メチルスルホニルオキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ)、
(19)C1-6アルキル基で置換されていてもよいC6-14アリールスルホニルオキシ基(例、フェニルスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ)、
(20)ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ基、
(21)5ないし14員芳香族複素環基、
(22)3ないし14員非芳香族複素環基、
(23)ホルミル基、
(24)カルボキシ基、
(25)ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル-カルボニル基、
(26)C6-14アリール-カルボニル基、
(27)5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、
(28)3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、
(29)C1-6アルコキシ-カルボニル基、
(30)C6-14アリールオキシ-カルボニル基(例、フェニルオキシカルボニル、1-ナフチルオキシカルボニル、2-ナフチルオキシカルボニル)、
(31)C7-16アラルキルオキシ-カルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル)、
(32)カルバモイル基、
(33)チオカルバモイル基、
(34)モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基、
(35)C6-14アリール-カルバモイル基(例、フェニルカルバモイル)、
(36)5ないし14員芳香族複素環カルバモイル基(例、ピリジルカルバモイル、チエニルカルバモイル)、
(37)3ないし14員非芳香族複素環カルバモイル基(例、モルホリニルカルバモイル、ピペリジニルカルバモイル)、
(38)ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルスルホニル基、
(39)C6-14アリールスルホニル基、
(40)5ないし14員芳香族複素環スルホニル基(例、ピリジルスルホニル、チエニルスルホニル)、
(41)ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルスルフィニル基、
(42)C6-14アリールスルフィニル基(例、フェニルスルフィニル、1-ナフチルスルフィニル、2-ナフチルスルフィニル)、
(43)5ないし14員芳香族複素環スルフィニル基(例、ピリジルスルフィニル、チエニルスルフィニル)、
(44)アミノ基、
(45)モノ-またはジ-C1-6アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、N-エチル-N-メチルアミノ)、
(46)モノ-またはジ-C6-14アリールアミノ基(例、フェニルアミノ)、
(47)5ないし14員芳香族複素環アミノ基(例、ピリジルアミノ)、
(48)C7-16アラルキルアミノ基(例、ベンジルアミノ)、
(49)ホルミルアミノ基、
(50)C1-6アルキル-カルボニルアミノ基(例、アセチルアミノ、プロパノイルアミノ、ブタノイルアミノ)、
(51)(C1-6アルキル)(C1-6アルキル-カルボニル)アミノ基(例、N-アセチル-N-メチルアミノ)、
(52)C6-14アリール-カルボニルアミノ基(例、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ)、
(53)C1-6アルコキシ-カルボニルアミノ基(例、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、プロポキシカルボニルアミノ、ブトキシカルボニルアミノ、tert-ブトキシカルボニルアミノ)、
(54)C7-16アラルキルオキシ-カルボニルアミノ基(例、ベンジルオキシカルボニルアミノ)、
(55)C1-6アルキルスルホニルアミノ基(例、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ)、
(56)C1-6アルキル基で置換されていてもよいC6-14アリールスルホニルアミノ基(例、フェニルスルホニルアミノ、トルエンスルホニルアミノ)、
(57)ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基、
(58)C2-6アルケニル基、
(59)C2-6アルキニル基、
(60)C3-10シクロアルキル基、
(61)C3-10シクロアルケニル基、及び
(62)C6-14アリール基。
「置換されていてもよい炭化水素基」における上記置換基の数は、例えば、1ないし5個、好ましくは1ないし3個である。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
本明細書中、「複素環基」(「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」を含む)としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子をそれぞれ含有する、(i)芳香族複素環基、(ii)非芳香族複素環基および(iii)7ないし10員複素架橋環基が挙げられる。
本明細書中、「芳香族複素環基」(「5ないし14員芳香族複素環基」を含む)としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環基が挙げられる。
該「芳香族複素環基」の好適な例としては、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニルなどの5ないし6員単環式芳香族複素環基;
ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾピリジニル、チエノピリジニル、フロピリジニル、ピロロピリジニル、ピラゾロピリジニル、オキサゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イミダゾピラジニル、イミダゾピリミジニル、チエノピリミジニル、フロピリミジニル、ピロロピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、オキサゾロピリミジニル、チアゾロピリミジニル、ピラゾロトリアジニル、ナフト[2,3-b]チエニル、フェノキサチイニル、インドリル、イソインドリル、1H-インダゾリル、プリニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、カルバゾリル、β-カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニルなどの8ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)芳香族複素環基が挙げられる。
本明細書中、「非芳香族複素環基」(「3ないし14員非芳香族複素環基」を含む)としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する3ないし14員(好ましくは4ないし10員)の非芳香族複素環基が挙げられる。
該「非芳香族複素環基」の好適な例としては、アジリジニル、オキシラニル、チイラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロフラニル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、テトラヒドロイソチアゾリル、テトラヒドロオキサゾリル、テトラヒドロイソオキサゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピリジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロチオピラニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロピリダジニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、アゼパニル、ジアゼパニル、アゼピニル、オキセパニル、アゾカニル、ジアゾカニルなどの3ないし8員単環式非芳香族複素環基;
ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロベンゾチアゾリル、ジヒドロベンゾイソチアゾリル、ジヒドロナフト[2,3-b]チエニル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロキノリル、4H-キノリジニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロチエノ[2,3-c]ピリジニル、テトラヒドロベンゾアゼピニル、テトラヒドロキノキサリニル、テトラヒドロフェナントリジニル、ヘキサヒドロフェノチアジニル、ヘキサヒドロフェノキサジニル、テトラヒドロフタラジニル、テトラヒドロナフチリジニル、テトラヒドロキナゾリニル、テトラヒドロシンノリニル、テトラヒドロカルバゾリル、テトラヒドロ-β-カルボリニル、テトラヒドロアクリジニル、テトラヒドロフェナジニル、テトラヒドロチオキサンテニル、オクタヒドロイソキノリルなどの9ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)非芳香族複素環基が挙げられる。
本明細書中、「7ないし10員複素架橋環基」の好適な例としては、キヌクリジニル、7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニルが挙げられる。
本明細書中、「含窒素複素環基」としては、「複素環基」のうち、環構成原子として少なくとも1個以上の窒素原子を含有するものが挙げられる。
本明細書中、「置換されていてもよい複素環基」としては、例えば、前記した置換基群Aから選ばれる置換基を有していてもよい複素環基が挙げられる。
「置換されていてもよい複素環基」における置換基の数は、例えば、1ないし3個である。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
本明細書中、「アシル基」としては、例えば、「ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基およびカルバモイル基から選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルケニル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基、5ないし14員芳香族複素環基および3ないし14員非芳香族複素環基から選ばれる1または2個の置換基」をそれぞれ有していてもよい、ホルミル基、カルボキシ基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、スルフィノ基、スルホ基、スルファモイル基、ホスホノ基が挙げられる。
また、「アシル基」としては、炭化水素-スルホニル基、複素環-スルホニル基、炭化水素-スルフィニル基、複素環-スルフィニル基も挙げられる。
ここで、炭化水素-スルホニル基とは、炭化水素基が結合したスルホニル基を、複素環-スルホニル基とは、複素環基が結合したスルホニル基を、炭化水素-スルフィニル基とは、炭化水素基が結合したスルフィニル基を、複素環-スルフィニル基とは、複素環基が結合したスルフィニル基を、それぞれ意味する。
「アシル基」の好適な例としては、ホルミル基、カルボキシ基、C1-6アルキル-カルボニル基、C2-6アルケニル-カルボニル基(例、クロトノイル)、C3-10シクロアルキル-カルボニル基(例、シクロブタンカルボニル、シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル、シクロヘプタンカルボニル)、C3-10シクロアルケニル-カルボニル基(例、2-シクロヘキセンカルボニル)、C6-14アリール-カルボニル基、C7-16アラルキル-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、C6-14アリールオキシ-カルボニル基(例、フェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル)、C7-16アラルキルオキシ-カルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル)、カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基、モノ-またはジ-C2-6アルケニル-カルバモイル基(例、ジアリルカルバモイル)、モノ-またはジ-C3-10シクロアルキル-カルバモイル基(例、シクロプロピルカルバモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-カルバモイル基(例、フェニルカルバモイル)、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基、5ないし14員芳香族複素環カルバモイル基(例、ピリジルカルバモイル)、チオカルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-チオカルバモイル基(例、メチルチオカルバモイル、N-エチル-N-メチルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C2-6アルケニル-チオカルバモイル基(例、ジアリルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C3-10シクロアルキル-チオカルバモイル基(例、シクロプロピルチオカルバモイル、シクロヘキシルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-チオカルバモイル基(例、フェニルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-チオカルバモイル基(例、ベンジルチオカルバモイル、フェネチルチオカルバモイル)、5ないし14員芳香族複素環チオカルバモイル基(例、ピリジルチオカルバモイル)、スルフィノ基、C1-6アルキルスルフィニル基(例、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル)、スルホ基、C1-6アルキルスルホニル基、C6-14アリールスルホニル基、ホスホノ基、モノ-またはジ-C1-6アルキルホスホノ基(例、ジメチルホスホノ、ジエチルホスホノ、ジイソプロピルホスホノ、ジブチルホスホノ)が挙げられる。
本明細書中、「置換されていてもよいアミノ基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基、C1-6アルキル-カルボニル基、C6-14アリール-カルボニル基、C7-16アラルキル-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基、C1-6アルキルスルホニル基およびC6-14アリールスルホニル基から選ばれる1または2個の置換基」を有していてもよいアミノ基が挙げられる。
置換されていてもよいアミノ基の好適な例としては、アミノ基、モノ-またはジ-(ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル)アミノ基(例、メチルアミノ、トリフルオロメチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、プロピルアミノ、ジブチルアミノ)、モノ-またはジ-C2-6アルケニルアミノ基(例、ジアリルアミノ)、モノ-またはジ-C3-10シクロアルキルアミノ基(例、シクロプロピルアミノ、シクロヘキシルアミノ)、モノ-またはジ-C6-14アリールアミノ基(例、フェニルアミノ)、モノ-またはジ-C7-16アラルキルアミノ基(例、ベンジルアミノ、ジベンジルアミノ)、モノ-またはジ-(ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル)-カルボニルアミノ基(例、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ)、モノ-またはジ-C6-14アリール-カルボニルアミノ基(例、ベンゾイルアミノ)、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルボニルアミノ基(例、ベンジルカルボニルアミノ)、モノ-またはジ-5ないし14員芳香族複素環カルボニルアミノ基(例、ニコチノイルアミノ、イソニコチノイルアミノ)、モノ-またはジ-3ないし14員非芳香族複素環カルボニルアミノ基(例、ピペリジニルカルボニルアミノ)、モノ-またはジ-C1-6アルコキシ-カルボニルアミノ基(例、tert-ブトキシカルボニルアミノ)、5ないし14員芳香族複素環アミノ基(例、ピリジルアミノ)、カルバモイルアミノ基、(モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル)アミノ基(例、メチルカルバモイルアミノ)、(モノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル)アミノ基(例、ベンジルカルバモイルアミノ)、C1-6アルキルスルホニルアミノ基(例、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ)、C6-14アリールスルホニルアミノ基(例、フェニルスルホニルアミノ)、(C1-6アルキル)(C1-6アルキル-カルボニル)アミノ基(例、N-アセチル-N-メチルアミノ)、(C1-6アルキル)(C6-14アリール-カルボニル)アミノ基(例、N-ベンゾイル-N-メチルアミノ)が挙げられる。
本明細書中、「置換されていてもよいカルバモイル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基、C1-6アルキル-カルボニル基、C6-14アリール-カルボニル基、C7-16アラルキル-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基およびモノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基から選ばれる1または2個の置換基」を有していてもよいカルバモイル基が挙げられる。
置換されていてもよいカルバモイル基の好適な例としては、カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基、モノ-またはジ-C2-6アルケニル-カルバモイル基(例、ジアリルカルバモイル)、モノ-またはジ-C3-10シクロアルキル-カルバモイル基(例、シクロプロピルカルバモイル、シクロヘキシルカルバモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-カルバモイル基(例、フェニルカルバモイル)、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルボニル-カルバモイル基(例、アセチルカルバモイル、プロピオニルカルバモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-カルボニル-カルバモイル基(例、ベンゾイルカルバモイル)、5ないし14員芳香族複素環カルバモイル基(例、ピリジルカルバモイル)が挙げられる。
本明細書中、「置換されていてもよいチオカルバモイル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基、C1-6アルキル-カルボニル基、C6-14アリール-カルボニル基、C7-16アラルキル-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基およびモノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基から選ばれる1または2個の置換基」を有していてもよいチオカルバモイル基が挙げられる。
置換されていてもよいチオカルバモイル基の好適な例としては、チオカルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-チオカルバモイル基(例、メチルチオカルバモイル、エチルチオカルバモイル、ジメチルチオカルバモイル、ジエチルチオカルバモイル、N-エチル-N-メチルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C2-6アルケニル-チオカルバモイル基(例、ジアリルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C3-10シクロアルキル-チオカルバモイル基(例、シクロプロピルチオカルバモイル、シクロヘキシルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-チオカルバモイル基(例、フェニルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-チオカルバモイル基(例、ベンジルチオカルバモイル、フェネチルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルボニル-チオカルバモイル基(例、アセチルチオカルバモイル、プロピオニルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-カルボニル-チオカルバモイル基(例、ベンゾイルチオカルバモイル)、5ないし14員芳香族複素環チオカルバモイル基(例、ピリジルチオカルバモイル)が挙げられる。
本明細書中、「置換されていてもよいスルファモイル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基、C1-6アルキル-カルボニル基、C6-14アリール-カルボニル基、C7-16アラルキル-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基およびモノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基から選ばれる1または2個の置換基」を有していてもよいスルファモイル基が挙げられる。
置換されていてもよいスルファモイル基の好適な例としては、スルファモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-スルファモイル基(例、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル、N-エチル-N-メチルスルファモイル)、モノ-またはジ-C2-6アルケニル-スルファモイル基(例、ジアリルスルファモイル)、モノ-またはジ-C3-10シクロアルキル-スルファモイル基(例、シクロプロピルスルファモイル、シクロヘキシルスルファモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-スルファモイル基(例、フェニルスルファモイル)、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-スルファモイル基(例、ベンジルスルファモイル、フェネチルスルファモイル)、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルボニル-スルファモイル基(例、アセチルスルファモイル、プロピオニルスルファモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-カルボニル-スルファモイル基(例、ベンゾイルスルファモイル)、5ないし14員芳香族複素環スルファモイル基(例、ピリジルスルファモイル)が挙げられる。
本明細書中、「置換されていてもよいヒドロキシ基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基、C1-6アルキル-カルボニル基、C6-14アリール-カルボニル基、C7-16アラルキル-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基、C1-6アルキルスルホニル基およびC6-14アリールスルホニル基から選ばれる置換基」を有していてもよいヒドロキシ基が挙げられる。
置換されていてもよいヒドロキシ基の好適な例としては、ヒドロキシ基、C1-6アルコキシ基、C2-6アルケニルオキシ基(例、アリルオキシ、2-ブテニルオキシ、2-ペンテニルオキシ、3-ヘキセニルオキシ)、C3-10シクロアルキルオキシ基(例、シクロヘキシルオキシ)、C6-14アリールオキシ基(例、フェノキシ、ナフチルオキシ)、C7-16アラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ)、C1-6アルキル-カルボニルオキシ基(例、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、ピバロイルオキシ)、C6-14アリール-カルボニルオキシ基(例、ベンゾイルオキシ)、C7-16アラルキル-カルボニルオキシ基(例、ベンジルカルボニルオキシ)、5ないし14員芳香族複素環カルボニルオキシ基(例、ニコチノイルオキシ)、3ないし14員非芳香族複素環カルボニルオキシ基(例、ピペリジニルカルボニルオキシ)、C1-6アルコキシ-カルボニルオキシ基(例、tert-ブトキシカルボニルオキシ)、5ないし14員芳香族複素環オキシ基(例、ピリジルオキシ)、カルバモイルオキシ基、C1-6アルキル-カルバモイルオキシ基(例、メチルカルバモイルオキシ)、C7-16アラルキル-カルバモイルオキシ基(例、ベンジルカルバモイルオキシ)、C1-6アルキルスルホニルオキシ基(例、メチルスルホニルオキシ、エチルスルホニルオキシ)、C6-14アリールスルホニルオキシ基(例、フェニルスルホニルオキシ)が挙げられる。
本明細書中、「置換されていてもよいスルファニル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基、C1-6アルキル-カルボニル基、C6-14アリール-カルボニル基および5ないし14員芳香族複素環基から選ばれる置換基」を有していてもよいスルファニル基、ハロゲン化されたスルファニル基が挙げられる。
置換されていてもよいスルファニル基の好適な例としては、スルファニル(-SH)基、C1-6アルキルチオ基、C2-6アルケニルチオ基(例、アリルチオ、2-ブテニルチオ、2-ペンテニルチオ、3-ヘキセニルチオ)、C3-10シクロアルキルチオ基(例、シクロヘキシルチオ)、C6-14アリールチオ基(例、フェニルチオ、ナフチルチオ)、C7-16アラルキルチオ基(例、ベンジルチオ、フェネチルチオ)、C1-6アルキル-カルボニルチオ基(例、アセチルチオ、プロピオニルチオ、ブチリルチオ、イソブチリルチオ、ピバロイルチオ)、C6-14アリール-カルボニルチオ基(例、ベンゾイルチオ)、5ないし14員芳香族複素環チオ基(例、ピリジルチオ)、ハロゲン化チオ基(例、ペンタフルオロチオ)が挙げられる。
本明細書中、「置換されていてもよいシリル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基およびC7-16アラルキル基から選ばれる1ないし3個の置換基」を有していてもよいシリル基が挙げられる。
置換されていてもよいシリル基の好適な例としては、トリ-C1-6アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、tert-ブチル(ジメチル)シリル)が挙げられる。
以下に、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、式(V)、式(VII)および式(VIII)中の各記号の定義および化合物について詳述する。
は、C1-6アルキル基を示し、好ましくはメチルである。
は、水素原子またはハロゲン原子を示し、好ましくは塩素原子である。
は、水素原子またはハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基を示し、好ましくはフッ素化されたC1-6アルキル基であり、特に好ましくはトリフルオロメチルである。
PGは、保護基を示す。該「保護基」としては、式(VI-1):
Figure 0007102233000013
[式中、Rは、置換されていてもよいC6-14アリール基または置換されていてもよいC1-6アルコキシ基を示す。]
で表される基、および式(VI):
Figure 0007102233000014
[式中、
Arは、水素原子または置換されていてもよいC6-14アリール基を;
Arは、置換されていてもよいC6-14アリール基を示す。]
で表される基が挙げられる。
で表される「置換されていてもよいC6-14アリール基」の該「置換基」としては、例えば、前記した「置換基」が挙げられる。Rで表される「置換されていてもよいC6-14アリール基」における置換基の数は、例えば、置換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1ないし3個である。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
で表される「置換されていてもよいC1-6アルコキシ基」の該「置換基」としては、例えば、前記した「置換基」が挙げられる。Rで表される「置換されていてもよいC1-6アルコキシ基」における置換基の数は、例えば、置換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1ないし3個である。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
は、好ましくは、置換基を有さないC6-14アリール基または置換基を有さないC1-6アルコキシ基であり、より好ましくは、フェニルまたはtert-ブトキシであり、特に好ましくはフェニルである。
ArまたはArで表される「置換されていてもよいC6-14アリール基」の置換基および置換基数としては、前記Rで表される「置換されていてもよいC6-14アリール基」と同様の「置換基」と「置換基数」が挙げられ、好適なものはC1-6アルコキシ基であり、特に好適なものはメトキシである。
PGは、好ましくは、式(VI)で表される基である。ここで、ArおよびArは、好ましくは各々独立して置換されていてもよいC6-14アリール基であり、より好ましくは各々独立して置換されていてもよいフェニルであり、さらに好ましくは各々独立してC1-6アルコキシ基で置換されていてもよいフェニルであり、特に好ましくはともにフェニルである。
好ましい実施態様では、
式(I)で表される化合物が、式(VII):
Figure 0007102233000015
[式中、ArおよびArは、各々独立して置換されていてもよいC6-14アリール基を示す。]
で表される化合物であり、かつ
式(II)で表される化合物の光学活性体が、式(VIII):
Figure 0007102233000016
[式中、ArおよびArは、各々独立して置換されていてもよいC6-14アリール基を示し、*が付された炭素原子は不斉炭素原子を示す。]
で表される化合物の光学活性体である。
Ar、Ar、ArまたはArで表される「置換されていてもよいC6-14アリール基」の置換基および置換基数としては、前記Rで表される「置換されていてもよいC6-14アリール基」と同様の「置換基」と「置換基数」が挙げられ、好適なものはC1-6アルコキシ基であり、特に好適なものはメトキシである。
ArおよびArは、好ましくは各々独立して置換されていてもよいフェニルであり、より好ましくは各々独立してC1-6アルコキシ基で置換されていてもよいフェニルであり、特に好ましくはともにフェニルである。
ArおよびArは、好ましくは各々独立して置換されていてもよいフェニルであり、より好ましくは各々独立してC1-6アルコキシ基で置換されていてもよいフェニルであり、特に好ましくはともにフェニルである。
最も好ましい実施態様では、
式(I)で表される化合物が、(E)-2-(1-(ベンズヒドリルイミノ)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドであり;かつ
式(II)で表される化合物の光学活性体が、2-((1R)-1-(ベンズヒドリルアミノ)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドである。
およびRは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基、アシル基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいチオカルバモイル基、置換されていてもよいスルファモイル基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいスルファニル(SH)基、または置換されていてもよいシリル基を示す。
またはRで表される「置換されていてもよい炭化水素基」としては例えば、前記した「置換されていてもよい炭化水素基」として例示したものが挙げられる。
またはRで表される「置換されていてもよい複素環基」としては例えば、前記した「置換されていてもよい複素環基」として例示したものが挙げられる。
またはRで表される「アシル基」としては例えば、前記した「アシル基」として例示したものが挙げられる。
またはRで表される「置換されていてもよいアミノ基」としては例えば、前記した「置換されていてもよいアミノ基」として例示したものが挙げられる。
またはRで表される「置換されていてもよいカルバモイル基」としては例えば、前記した「置換されていてもよいカルバモイル基」として例示したものが挙げられる。
またはRで表される「置換されていてもよいチオカルバモイル基」としては例えば、前記した「置換されていてもよいチオカルバモイル基」として例示したものが挙げられる。
またはRで表される「置換されていてもよいスルファモイル基」としては例えば、前記した「置換されていてもよいスルファモイル基」として例示したものが挙げられる。
またはRで表される「置換されていてもよいヒドロキシ基」としては例えば、前記した「置換されていてもよいヒドロキシ基」として例示したものが挙げられる。
またはRで表される「置換されていてもよいスルファニル(SH)基」としては例えば、前記した「置換されていてもよいスルファニル(SH)基」として例示したものが挙げられる。
またはRで表される「置換されていてもよいシリル基」としては例えば、前記した「置換されていてもよいシリル基」として例示したものが挙げられる。
は、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換されていてもよい炭化水素基、アシル基、または置換されていてもよいヒドロキシ基であり、より好ましくは、水素原子またはハロゲン原子であり、特に好ましくは、塩素原子である。
は、好ましくは、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基、アシル基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいヒドロキシ基、または置換されていてもよいスルファニル(SH)基であり、より好ましくは、水素原子、または置換されていてもよいアミノ基であり、特に好ましくは、アミノ基である。
Xで表される脱離基としては、例えば、ハロゲン原子、置換されていてもよいヒドロキシ基、アジド基、および置換されていてもよいイミダゾリル基が挙げられる。
Xで表される「置換されていてもよいヒドロキシ基」としては例えば、前記した「置換されていてもよいヒドロキシ基」として例示したものが挙げられる。
Xで表される「置換されていてもよいイミダゾリル基」の置換基としては例えば、C1-6アルキル基が挙げられ、中でもメチルが好適である。
Xは、好ましくは、ヒドロキシ基である。
最も好ましい実施態様では、
式(IV)で表される化合物が、6-アミノ-5-クロロピリミジン-4-カルボン酸であり;かつ
式(V)で表される化合物の光学活性体が、6-アミノ-5-クロロ-N-((1R)-1-(5-((5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-1,3-チアゾール-2-イル)エチル)ピリミジン-4-カルボキサミドである。
式(I)、(II)、(IV)、(V)、(VII)または(VIII)で表される化合物は、塩であってもよい。
式(I)、(II)、(IV)、(V)、(VII)または(VIII)で表される化合物の塩としては、例えば、金属塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性又は酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。
金属塩の好適な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩などが挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6-ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、炭酸、重炭酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、カルボン酸(即ち、1個以上のカルボキシ基を有する有機化合物;具体例としては、ギ酸、酢酸、安息香酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、酒石酸誘導体、マンデル酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、前記の塩基性又は酸性アミノ酸のアミノ基が保護された化合物など);スルホン酸(即ち、1個以上のスルホ基を有する有機化合物;具体例としては、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸など)との塩が挙げられる。
酒石酸誘導体との塩の好適な例としては、ジp-トルオイル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジp-アニソイル酒石酸などとの塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
塩基性又は酸性アミノ酸のアミノ基が保護された化合物の保護基としては、ter-ブトキシカルボニル、アセチルなどが挙げられる。
式(III)で表される化合物の光学活性体は塩であることが望ましい。
式(III)で表される化合物の光学活性体の塩としては、例えば、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性又は酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。
式(III)で表される化合物の光学活性体の無機酸との塩の好適な例としては式(I)、(II)、(IV)、(V)、(VII)または(VIII)で表される化合物の無機酸との塩の好適な例と同様のものが挙げられる。
式(III)で表される化合物の光学活性体の有機酸との塩の好適な例としては、式(I)、(II)、(IV)、(V)、(VII)または(VIII)で表される化合物の有機酸との塩の好適な例と同様のものが挙げられる。
式(III)で表される化合物の光学活性体の塩基性又は酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、式(I)、(II)、(IV)、(V)、(VII)または(VIII)で表される化合物の塩基性又は酸性アミノ酸との塩の好適な例と同様のものが挙げられる。
式(III)で表される化合物の光学活性体は、好ましくは、塩であり、より好ましくは、光学活性な有機酸との塩あるいは光学活性な塩基性又は酸性アミノ酸との塩であり、さらに好ましくは、光学活性なジp-トルオイル酒石酸(式(III)で表される化合物の光学活性体が(R)体の場合は、好ましくは、ジp-トルオイル(D)-酒石酸)との塩または光学活性なマンデル酸(式(III)で表される化合物の光学活性体が(R)体の場合は、好ましくは、(S)-マンデル酸)その塩であり、特に好ましくは、光学活性なマンデル酸(式(III)で表される化合物の光学活性体が(R)体の場合は、好ましくは、(S)-マンデル酸)との塩である。
最も好ましい実施態様では、
式(III)で表される化合物の光学活性体が、2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドであり;かつ
式(V)で表される化合物の光学活性体が、6-アミノ-5-クロロ-N-((1R)-1-(5-((5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-1,3-チアゾール-2-イル)エチル)ピリミジン-4-カルボキサミドである。
最も好ましい実施態様における式(III)で表される化合物の光学活性体の塩は、(S)-マンデル酸との塩である。
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VII)または(VIII)で表される化合物またはその塩は、それぞれ、溶媒和物(例、水和物、エタノール和物等)であっても、無溶媒和物(例、非水和物等)であってもよく、いずれも式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VII)または(VIII)で表される化合物またはその塩に包含される。
同位元素等で標識された化合物またはその塩も、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VII)または(VIII)で表される化合物またはその塩に包含される。
HをH(D)に変換した重水素変換体も、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VII)または(VIII)で表される化合物またはその塩に包含される。
以下、化合物(III)またはその塩の製造法(製造法(A))、並びに製造法(A)で得られた化合物(III)またはその塩を用いる、化合物(V)またはその塩の製造法(製造法(B))について詳述する。
[製造法(A)]
化合物(III)またはその塩は、下記の反応式に示す製造法(A)によって製造することができる。
Figure 0007102233000017
[式中、Xは、脱離基を示し、その他の記号は前記と同義を示す。]
該Xで表される脱離基としては、例えば、前記したXで表される脱離基が挙げられる。
は、好ましくは、ヒドロキシ基または塩素原子である。
以下に製造法(A)に用いる試薬や条件について工程ごとに詳述する。
[工程A-1]
工程A-1は、式(A-a)で表される化合物(以下、化合物(A-a)ともいう)またはその塩と、式(A-b)で表される化合物(以下、化合物(A-b)ともいう)またはその塩から、アミド結合を形成する方法により、式(A-c)で表される化合物(以下、化合物(A-c)ともいう)またはその塩を製造する工程である。
化合物(A-a)またはその塩は、市販品を用いることができる。
化合物(A-a)の塩としては、例えば、金属塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、塩基性アミノ酸との塩などが挙げられる。
化合物(A-a)の金属塩の好適な例としては、化合物(I)、(II)、(IV)、(V)、(VII)または(VIII)の金属塩の好適な例と同様のものが挙げられる。
化合物(A-a)の有機塩基との塩の好適な例としては、化合物(I)、(II)、(IV)、(V)、(VII)または(VIII)の有機塩基との塩の好適な例と同様のものが挙げられる。
化合物(A-a)の塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、化合物(I)、(II)、(IV)、(V)、(VII)または(VIII)の塩基性アミノ酸との塩の好適な例と同様のものが挙げられる。
化合物(A-b)は、例えば国際公開WO2009-006389号パンフレットに記載の方法で製造することができる。
化合物(A-b)の塩としては、例えば、無機酸との塩、有機酸との塩、酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。
化合物(A-b)の無機酸との塩の好適な例としては、化合物(I)、(II)、(IV)、(V)、(VII)または(VIII)の無機酸との塩の好適な例と同様のものが挙げられる。
化合物(A-b)の有機酸との塩の好適な例としては、化合物(I)、(II)、(IV)、(V)、(VII)または(VIII)の有機酸との塩の好適な例と同様のものが挙げられる。
化合物(A-b)の酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、化合物(I)、(II)、(IV)、(V)、(VII)または(VIII)の酸性アミノ酸との塩の好適な例と同様のものが挙げられる。
化合物(A-b)の塩として特に好適なものは、塩酸塩である。
上記した「アミド結合を形成する」方法としては、例えば、テトラヘドロン(Tetrahedoron)、第61巻、10827頁、2005年に記載の方法のように、自体公知の方法を用いることができる。
該「アミド結合を形成する」方法として好適なものは、Xがハロゲン原子である化合物(A-a)(酸ハライド)と化合物(A-b)またはその塩を縮合させて化合物(A-c)またはその塩を製造する方法である。中でも、Xが塩素原子である化合物(A-a)(酸クロライド)を用いる方法が特に好適である。
該酸クロライドを調製するためには、Xをヒドロキシ基から塩素原子に変換するが、その方法としては、チオニルクロライド、オキサリルクロライド、オキシ塩化リン、三塩化リン、五塩化リンなどの塩化剤を作用させる方法が挙げられる。
該「塩化剤」としては、チオニルクロライド、オキサリルクロライドまたはオキシ塩化リンが好適であり、オキサリルクロライドが特に好適である。
該「塩化剤」としてオキサリルクロライドを用いる場合は、N,N-ジメチルホルムアミドを共存させることが望ましい。N,N-ジメチルホルムアミドの添加量は触媒量で十分であり、好適な添加量としては、オキサリルクロライド1モルに対して0.0001~0.1モルであり、さらに好適には0.001~0.01モルである。
オキサリルクロライドの使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、基質である化合物(A-a)またはその塩1モルに対して、通常、0.1~10モルであり、0.8~1.2モルが好適である。
該「塩化剤」としてオキサリルクロライドを用いて酸クロライドを調製する反応は、無溶媒で行うこともできるが、通常、溶媒中で行われる。このような溶媒は、反応を阻害することなく、原料化合物及び添加物を可溶化するものであれば特に制限されないが、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、メチルテトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、1,1-ジエトキシプロパン、1,1-ジメトキシメタン、2,2-ジメトキシプロパン、アニソールなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソオクタン、石油エーテルなどの飽和炭化水素類;クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;ジメチルスルホン、スルホランなどのスルホン類;アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトンなどのケトン類;ニトロメタンなどが用いられる。これらの溶媒は、適宜の割合で混合して用いてもよい。上記した「塩化剤」としてオキサリルクロライドを用いて酸クロライドを調製する反応で使用する溶媒として好適なものは、エーテル類であり、1,2-ジメトキシエタンが特に好適である。
該溶媒の使用量は、基質である化合物(A-a)またはその塩の溶解度などにより適宜決定される。例えば、溶媒としてエーテル類(好ましくは,1,2-ジメトキシエタン)を用いる場合、無溶媒に近い状態から、基質である化合物(A-a)またはその塩の100重量倍以下の溶媒中で反応を行うことができるが、基質である化合物(A-a)またはその塩に対して1~10重量倍の溶媒を用いることが好ましい。
「塩化剤」としてオキサリルクロライドを用いて酸クロライドを調製する反応の温度は、通常は-10~80℃であり、0~40℃が好適である。反応時間は、通常は0.1~12時間であり、0.5~4時間が好適である。
得られた化合物(A-a)の酸クロライドは、自体公知の手段(濃縮による溶媒等の低沸分の除去、蒸留等)により精製してもよいが、反応液をそのまま化合物(A-b)またはその塩との縮合反応に用いることが好ましい。
化合物(A-a)の酸クロライドとの縮合反応に付する化合物(A-b)またはその塩の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、化合物(A-a)またはその塩1モルに対して、通常、0.1~10モルであり、0.8~1.2モルが好適である。
化合物(A-b)の塩を用いる場合は、化合物(A-a)の酸クロライドとの縮合反応に用いる前に予め、塩基を作用させてフリー体として用いるのが望ましい。該塩基としては、無機塩基および有機塩基が挙げられる。
無機塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウムなどの水酸化アルカリ金属;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、リチウムプロポキシド、ナトリウムプロポキシド、カリウムプロポキシド、リチウムイソプロポキシド、ナトリウムイソプロポキシド、カリウムイソプロポキシド、カリウムtert-ブトキシドなどの炭素数1ないし6のアルカリ金属アルコキシド;ナトリウムチオメトキシドなどの炭素数1ないし6のアルカリ金属チオアルコキシド;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素塩;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸塩;リン酸三カリウム、リン酸ナトリウム等のリン酸塩;およびリン酸一水素カリウム、リン酸一水素ナトリウム等のリン酸一水素塩が挙げられる。
有機塩基としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン等の脂肪族アミン;ピリジン、ピコリン、N,N-ジメチルアニリン等の芳香族アミン類;およびアルギニン、リジン、オルニチン等の塩基性アミノ酸が挙げられる。これらの塩基は、適宜の割合で混合して用いてもよい。
化合物(A-b)の塩をフリー体にするのに特に好適な塩基は、ピリジンである。
塩基の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、基質である化合物(A-b)の塩1モルに対して、通常、0.1~100モルであり、0.5~20モルが好適であり、0.8~5モルがより好適である。塩基が液体の場合は溶媒として用いることもできる。
該化合物(A-b)の塩をフリー体にする反応は、無溶媒で行うこともできるが、通常、溶媒中で行われる。このような溶媒は、反応を阻害することなく、原料化合物及び添加物を可溶化するものであれば特に制限されないが、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、メチルテトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、1,1-ジエトキシプロパン、1,1-ジメトキシメタン、2,2-ジメトキシプロパン、アニソールなどのエーテル類;メタノール、エタノール、n-プロパノール、2-プロパノール、n-ブタノール、2-ブタノール、t-ブチルアルコール、3-メチル-1-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、1-ペンタノール、ベンジルアルコール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、エチレングリコールなどのアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソオクタン、石油エーテルなどの飽和炭化水素類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンなどのアミド類;クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;ジメチルスルホン、スルホランなどのスルホン類;アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n-プロピル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸メチル、ギ酸エチルなどのエステル類;ニトロメタン;水などが用いられる。これらの溶媒は、適宜の割合で混合して用いてもよい。上記した該化合物(A-b)の塩をフリー体にする反応に使用する溶媒として好適なものは、ニトリル類であり、アセトニトリルが特に好適である。
該溶媒の使用量は、基質である化合物(A-b)の塩の溶解度などにより適宜決定される。例えば、溶媒としてニトリル類(好ましくはアセトニトリル)を用いる場合、無溶媒に近い状態から、基質である化合物(A-b)の塩の100重量倍以下の溶媒中で反応を行うことができるが、基質である化合物(A-b)の塩に対して1~10重量倍の溶媒を用いることが好ましい。
フリー体にする反応の温度は、通常は-20~40℃であり、-10~20℃が好適である。反応時間は、通常は0.01~2時間であり、0.1~1時間が好適である。
フリー体にする反応で得られた化合物(A-b)は、自体公知の手段(濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶析、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等)により単離精製することもできるが、フリー体にする反応液をそのまま、化合物(A-a)の酸クロライドとの縮合反応に用いてもよい。
該「縮合反応」は、通常、溶媒中で行われる。このような溶媒は、反応を阻害することなく、原料化合物及び添加物を可溶化するものであれば特に制限されないが、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、メチルテトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、1,1-ジエトキシプロパン、1,1-ジメトキシメタン、2,2-ジメトキシプロパン、アニソールなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソオクタン、石油エーテルなどの飽和炭化水素類;クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;ジメチルスルホン、スルホランなどのスルホン類;アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトンなどのケトン類;ニトロメタンなどが用いられる。これらの溶媒は、適宜の割合で混合して用いてもよい。上記した「縮合反応」で使用する溶媒として好適なものは、エーテル類であり、1,2-ジメトキシエタンが特に好適である。
該溶媒の使用量は、基質である化合物(A-a)の酸クロライドおよび化合物(A-b)またはその塩の溶解度などにより適宜決定される。例えば、溶媒としてエーテル類(好ましくは,2-ジメトキシエタン)を用いる場合、無溶媒に近い状態から、基質である化合物(A-a)の酸クロライドの100重量倍以下の溶媒中で反応を行うことができるが、基質である化合物(A-a)の酸クロライドに対して1~10重量倍の溶媒を用いることが好ましい。
縮合反応の温度は、通常は0~120℃であり、10~70℃が好適である。反応時間は、通常は、0.1~12時間であり、0.5~6時間が好適である。
縮合反応で得られる化合物(A-c)またはその塩は、自体公知の手段(濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶析、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等)により単離精製してもよい。化合物(A-c)またはその塩を晶析により単離精製するのが好適であり、水を添加することによって晶析することが特に好適である。
[工程A-2]
工程A-2は、化合物(A-c)またはその塩をイミノ化して、不斉還元基質である化合物(I)またはその塩を製造する工程である。
PGが式(VI-1)で表される基の場合は、化合物(A-c)またはその塩と式(VI-1’):
Figure 0007102233000018
[式中の各記号は前記と同義を示す。]
で表される化合物(以下、化合物(VI-1’)ともいう)またはその塩を反応させる。
PGが式(VI)で表される基の場合は、化合物(A-c)またはその塩と式(VI’):
Figure 0007102233000019
[式中の各記号は前記と同義を示す。]
で表される化合物(以下、化合物(VI’)ともいう)またはその塩を反応させる。
化合物(VI-1’)または化合物(VI’)の塩としては、例えば、無機酸との塩、有機酸との塩、酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。
化合物(VI-1’)または化合物(VI’)の無機酸との塩の好適な例としては、化合物(I)、(II)、(IV)、(V)、(VII)または(VIII)の無機酸との塩の好適な例と同様のものが挙げられる。
化合物(VI-1’)または化合物(VI’)の有機酸との塩の好適な例としては、化合物(I)、(II)、(IV)、(V)、(VII)または(VIII)の有機酸との塩の好適な例と同様のものが挙げられる。
化合物(VI-1’)または化合物(VI’)の酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、化合物(I)、(II)、(IV)、(V)、(VII)または(VIII)の酸性アミノ酸との塩の好適な例と同様のものが挙げられる。
化合物(VI-1’)またはその塩、あるいは化合物(VI’)またはその塩の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、化合物(A-c)またはその塩1モルに対して、通常、0.1~100モルであり、0.5~20モルが好適であり、0.8~5モルがより好適である。化合物(VI-1’)または化合物(VI’)が液体の場合は溶媒として用いることもできる。
化合物(VI-1’)または化合物(VI’)の塩を用いる場合は、予め、塩基または酸を作用させフリー体としてから用いるのが望ましい。
工程A-2の反応には、必要に応じて、塩基、酸、塩などの添加剤を加えて実施してもよい。また、添加剤は2種以上を混合して用いても良い。添加剤は反応を開始する前に反応容器に添加してもよいが、反応の途中で添加してもよい。
工程A-2の反応に添加してもよい塩基としては、無機塩基および有機塩基が挙げられる。
無機塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウムなどの水酸化アルカリ金属;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、リチウムプロポキシド、ナトリウムプロポキシド、カリウムプロポキシド、リチウムイソプロポキシド、ナトリウムイソプロポキシド、カリウムイソプロポキシド、カリウムtert-ブトキシドなどの炭素数1ないし6のアルカリ金属アルコキシド;ナトリウムチオメトキシドなどの炭素数1ないし6のアルカリ金属チオアルコキシド;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素塩;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸塩;リン酸三カリウム、リン酸ナトリウム等のリン酸塩;およびリン酸一水素カリウム、リン酸一水素ナトリウム等のリン酸一水素塩が挙げられる。
有機塩基としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン等の脂肪族アミン;ピリジン、ピコリン、N,N-ジメチルアニリン等の芳香族アミン類;およびアルギニン、リジン、オルニチン等の塩基性アミノ酸が挙げられる。
塩基の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、通常、基質である化合物(A-c)またはその塩1モルに対して、約0.01モル以上であり、溶媒として用いることもできる。
工程A-2の反応に添加してもよい酸としては、例えば、鉱酸(具体的には、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、炭酸、重炭酸など);カルボン酸(即ち、1個以上のカルボキシ基を有する化合物;具体的には、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸など);酸性アミノ酸(具体的には、アスパラギン酸、グルタミン酸など);スルホン酸(即ち、1個以上のスルホ基を有する化合物;具体的には、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸など);およびルイス酸類(具体的には、塩化アルミニウム、塩化スズ、塩化亜鉛、臭化亜鉛、四塩化チタン、ボロントリフルオリド・エチルエーテル コンプレックスなど)が挙げられ、必要に応じて2種以上を混合して用いても良い。
酸の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、通常、基質である化合物(A-c)またはその塩1モルに対して、約0.01モル以上であり、溶媒として用いることもできる。
工程A-2の反応に添加してもよい塩としては、上記の「無機塩基」で例示した塩に加え、上記の「酸」を酸成分とする塩が挙げられる。
塩の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、通常、基質である化合物(A-c)またはその塩1モルに対して、約0.01~100モルである。
工程A-2の反応で使用する添加剤として好適なものは酸であり、より好適なものは酢酸、p-トルエンスルホン酸(一水和物として用いてもよい。)または塩化亜鉛であり;酢酸が特に好適である。
工程A-2の反応は、無溶媒で行うこともできるが、通常、溶媒中で行われる。このような溶媒は、反応を阻害することなく、原料化合物及び添加物を可溶化するものであれば特に制限されないが、例えば、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、メチルテトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、1,1-ジエトキシプロパン、1,1-ジメトキシメタン、2,2-ジメトキシプロパン、アニソールなどのエーテル類;メタノール、エタノール、n-プロパノール、2-プロパノール、n-ブタノール、2-ブタノール、t-ブチルアルコール、3-メチル-1-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、1-ペンタノール、ベンジルアルコール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、エチレングリコールなどのアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソオクタン、石油エーテルなどの飽和炭化水素類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンなどのアミド類;クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;ジメチルスルホン、スルホランなどのスルホン類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n-プロピル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸メチル、ギ酸エチルなどのエステル類;ニトロメタン;水などが用いられる。これらの溶媒は、適宜の割合で混合して用いてもよい。
工程A-2の反応で使用する溶媒として好適なものは、エーテル類、アルコール類、芳香族炭化水素類であり、中でもテトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、トルエンが好適であり、エタノールが特に好適である。
該溶媒の使用量は、化合物(A-c)またはその塩、化合物(VI-1’)またはその塩、または化合物(VI’)またはその塩の溶解度などにより適宜決定される。例えば、溶媒としてエーテル類(好ましくは、テトラヒドロフラン)、アルコール類(好ましくは,メタノール、エタノール)、芳香族炭化水素類(好ましくはトルエン)を用いる場合、無溶媒に近い状態から、基質である化合物(A-c)またはその塩の100重量倍以下の溶媒中で反応を行うことができるが、基質である化合物(A-c)またはその塩に対して1~10重量倍の溶媒を用いることが好ましい。
工程A-2の反応の温度は、通常は0~180℃であり、20~120℃が好適である。反応時間は、通常は、0.1~24時間であり、0.5~12時間が好適である。
工程A-2の反応の進行に伴って水が生成するが、反応液へのモレキュラーシーブスの添加またはディーンスタークトラップを用いるなどして反応中に脱水操作を行ってもよい。
工程A-2の反応で得られる化合物(I)またはその塩は、自体公知の手段(濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶析、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等)により単離精製してもよい。
[工程A-3]
工程A-3は、化合物(I)またはその塩を不斉還元反応に付することにより、化合物(II)またはその塩を製造する工程である。
該「不斉還元反応」としては、化合物(I)またはその塩を有機金属錯体の存在下で水素化反応に付すことが好適である。
「有機金属錯体」としては、「遷移金属錯体(有機遷移金属錯体)」に加えて、ホウ素錯体、アルミニウム錯体、ガリウム錯体などの典型金属錯体が挙げられる。
「有機金属錯体」として好適なものは、「遷移金属錯体(有機遷移金属錯体)」である。
「遷移金属錯体」としては、「遷移金属」に「配位子」(好ましくは光学活性な「配位子」)を配位させた、不斉水素化反応の触媒能を有する化合物が挙げられる。「配位子」としては、モノホスフィン配位子、ジホスフィン配位子、アミン配位子、ジアミン配位子、ホスフィンアミン配位子等が挙げられ、本明細書中に示される具体例およびその光学異性体を含む。「遷移金属」は、例えば、0~6価、好ましくは、0~4価であり、特に好ましくは、0~3価である。
「遷移金属錯体」として好ましくは、ロジウム錯体、ルテニウム錯体、イリジウム錯体、パラジウム錯体、ニッケル錯体、銅錯体、オスミウム錯体、白金錯体、鉄錯体、金錯体、銀錯体、亜鉛錯体、チタン錯体、コバルト錯体、ジルコニウム錯体、サマリウム錯体などであり;より好ましくは、ロジウム錯体、ルテニウム錯体、イリジウム錯体、パラジウム錯体、ニッケル錯体および銅錯体であり;さらに好ましくは、ロジウム錯体、ルテニウム錯体、パラジウム錯体およびイリジウム錯体であり;さらにより好ましくはロジウム錯体およびイリジウム錯体であり;特に好ましくはイリジウム錯体である。
「遷移金属錯体」のうち、ロジウム錯体、ルテニウム錯体、イリジウム錯体、パラジウム錯体、ニッケル錯体及び銅錯体の具体例を以下に示す(以下の遷移金属錯体の式中、Lはジホスフィン配位子、PN配位子、または2個のホスフィン配位子(2個のモノホスフィン配位子、各モノホスフィン配位子は同一であっても異なっていてもよい)、Arは置換基を有していてもよいベンゼン(置換基としてはC1-6アルキル基が好ましい)、Cpはペンタメチルシクロペンタジエニル、Cpはシクロペンタジエニル、codは1,5-シクロオクタジエン、Tfはトリフルオロメタンスルホニル、nbdはノルボルナジエン、Phはフェニル、Acはアセチル、Etはエチル、dmfはN,N-ジメチルホルムアミド、2-methylallylはη-2-メチルアリル、enはエチレンジアミン、dpenは1,2-ジフェニルエチレンジアミン、daipenは1,1-ジ(4-アニシル)-2-イソプロピル-1,2-エチレンジアミン、nは1以上の整数を示す。1,2-ジフェニルエチレンジアミンおよび1,1-ジ(4-アニシル)-2-イソプロピル-1,2-エチレンジアミンは、(R)体、(S)体および(R)体と(S)体の混合物(両者の比率は限定しない)が含まれるが、光学活性体であるものが好ましい。)。
ロジウム錯体:[RhCl(L)]、[RhBr(L)]、[RhI(L)]、[RhCp(L)]、[Rh(cod)(L)]OTf、[Rh(cod)(L)]BF、[Rh(cod)(L)]ClO、[Rh(cod)(L)]PF、[Rh(cod)(L)]SbF、[Rh(cod)(L)]BPh、[Rh(cod)(L)]B{3,5-(CF、[Rh(nbd)(L)]OTf、[Rh(nbd)(L)]BF、[Rh(nbd)(L)]ClO、[Rh(nbd)(L)]PF、[Rh(nbd)(L)]SbF、[Rh(nbd)(L)]BPh、[Rh(nbd)(L)]B{3,5-(CF、[Rh(L)(CHOH)]OTf、[Rh(L)(CHOH)]BF、[Rh(L)(CHOH)]ClO、[Rh(L)(CHOH)]PF、[Rh(L)(CHOH)]BPh
ルテニウム錯体:[RuCl(L)]、[RuBr(L)]、[RuI(L)]、[Ru(OAc)(L)]、[Ru(OCOCF(L)]、(NHMe)[{RuCl(L)}(μ-Cl)]、(NHEt)[{RuCl(L)}(μ-Cl)]、(NHMe)[{RuBr(L)}(μ-Br)]、(NHEt)[{RuBr(L)}(μ-Br)]、(NHMe)[{RuI(L)}(μ-I)]、(NHEt)[{RuI(L)}(μ-I)]、[RuCl(L)(NEt)]、[RuCl(L)(dmf)]、[Ru(2-methylallyl)(L)]、[RuCl(Ar)(L)]Cl、[RuCl(Ar)(L)]Br、[RuCl(Ar)(L)]I、[RuCl(Ar)(L)]OTf、[RuCl(Ar)(L)]ClO、[RuCl(Ar)(L)]PF、[RuCl(Ar)(L)]BF、[RuCl(Ar)(L)]BPh、[RuBr(Ar)(L)]Cl、[RuBr(Ar)(L)]Br、[RuBr(Ar)(L)]I、[RuI(Ar)(L)]Cl、[RuI(Ar)(L)]Br、[RuI(Ar)(L)]I、[Ru(L)](OTf)、[Ru(L)](BF、[Ru(L)](ClO、[Ru(L)](PF、[Ru(L)](BPh、[RuH(L)]Cl、[RuH(L)]OTf、[RuH(L)]BF、[RuH(L)]ClO、[RuH(L)]PF、[RuH(L)]BPh、[RuH(CHCN)(L)]Cl、[RuH(CHCN)(L)]OTf、[RuH(CHCN)(L)]BF、[RuH(CHCN)(L)]ClO、[RuH(CHCN)(L)]PF、[RuH(CHCN)(L)]BPh、[RuCl(L)]OTf、[RuCl(L)]BF、[RuCl(L)]ClO、[RuCl(L)]PF、[RuCl(L)]BPh、[RuBr(L)]OTf、[RuBr(L)]BF、[RuBr(L)]ClO、[RuBr(L)]PF、[RuBr(L)]BPh、[RuI(L)]OTf、[RuI(L)]BF、[RuI(L)]ClO、[RuI(L)]PF、[RuI(L)]BPh、[RuCl(L)(en)]、[RuCl(L)(dpen)]、[RuCl(L)(daipen)]、[RuH(η-BH)(L)(en)]、[RuH(η-BH)(L)(daipen)]、[RuH(η-BH)(L)(dpen)]
(前記の[RuCl(L)(en)]、[RuCl(L)(dpen)]および[RuCl(L)(daipen)]中のジアミン配位子であるen、dpenおよびdaipenに相当するジアミン配位子の例として、これらの他にも、1,2-シクロヘキサンジアミン、1,2-シクロヘプタンジアミン、2,3-ジメチルブタンジアミン、1-メチル-2,2-ジフェニル-1,2-エチレンジアミン、1-イソブチル-2,2-ジフェニル-1,2-エチレンジアミン、1-イソプロピル-2,2-ジフェニル-1,2-エチレンジアミン、1,1-ジ(4-アニシル)-2-メチル-1,2-エチレンジアミン、1,1-ジ(4-アニシル)-2-イソブチル-1,2-エチレンジアミン、1,1-ジ(4-アニシル)-2-ベンジル-1,2-エチレンジアミン、1-メチル-2,2-ジナフチル-1,2-エチレンジアミン、1-イソブチル-2,2-ジナフチル-1,2-エチレンジアミン、1-イソプロピル-2,2-ジナフチル-1,2-エチレンジアミン、プロパンジアミン、ブタンジアミン、フェニレンジアミンなどが挙げられる。);
イリジウム錯体:[IrCl(L)]、[IrBr(L)]、[IrI(L)]、[IrCp(L)]、[Ir(cod)(L)]OTf、[Ir(cod)(L)]BF、[Ir(cod)(L)]ClO、[Ir(cod)(L)]PF、[Ir(cod)(L)]SbF、[Ir(cod)(L)]BPh、[Ir(nbd)(L)]B{3,5-(CF、[Ir(nbd)(L)]OTf、[Ir(nbd)(L)]BF、[Ir(nbd)(L)]ClO、[Ir(nbd)(L)]PF、[Ir(nbd)(L)]SbF、[Ir(nbd)(L)]BPh、[Ir(nbd)(L)]B{3,5-(CF、[Ir(π-allyl)(L)((C,O)-置換-benzoate)];
パラジウム錯体:[PdCl(L)]、[PdBr(L)]、[PdI(L)]、[Pd(π-allyl)(L)]Cl、[Pd(π-allyl)(L)]OTf、[Pd(π-allyl)(L)]BF、[Pd(π-allyl)(L)]ClO、[Pd(π-allyl)(L)]PF、[Pd(π-allyl)(L)]BPh、[Pd(L)](OTf)、[Pd(L)](BF、[Pd(L)](ClO、[Pd(L)](PF、[Pd(L)](BPh、[Pd(L)]、[Pd(L)](OAc)、[Pd(L)(HO)](OTf)、[Pd(L)(HO)](BF、[Pd(L)(HO)](ClO、Pd(L)(HO)](PF、[Pd(L)(HO)](BPh、[{Pd(L)}(μ-OH)](OTf)、[{Pd(L)}(μ-OH)](BF、[{Pd(L)}(μ-OH)](ClO、[{Pd(L)}(μ-OH)](PF、[{Pd(L)}(μ-OH)](BPh
ニッケル錯体:[NiCl(L)]、[NiBr(L)]、[NiI(L)]、[Ni(π-allyl)(L)]Cl、[Ni(cod)(L)]、[Ni(nbd)(L)];
銅錯体:[CuCl(L)]、[CuBr(L)]、[CuI(L)]、[CuH(L)]、[Cu(η-BH)(L)]、[Cu(Cp)(L)]、[Cu(Cp)(L)]、[Cu(L)(CHCN)]OTf、[Cu(L)(CHCN)]BF、[Cu(L)(CHCN)]ClO、[Cu(L)(CHCN)]PF、[Cu(L)(CHCN)]BPh
上記Lで表されるジホスフィン配位子としては、例えば、
2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル(以下、BINAPと略記することがある);
BINAPのナフチル環にC1-6アルキル基やC6-14アリール基等の置換基をもつBINAP誘導体、例えば、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-6,6’-ジメチル-1,1’-ビナフチル;
BINAPのナフチル環が部分的に水素化されたBINAP誘導体、例えば、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-5,6,7,8,5’,6’,7’,8’-オクタヒドロ-1,1’-ビナフチル(H8BINAP);
BINAPのリン原子上のベンゼン環にC1-6アルキル基、ハロゲン原子、モノ又はジ-C1-6アルキルアミノ基、C1-6アルコキシ基、ピロリジニル基などの置換基を1ないし5個有するBINAP誘導体、例えば、2,2’-ビス[ビス(4-クロロフェニル)ホスフィノ)-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス(ジ-p-トリルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル(tol-BINAP)、2,2’-ビス[ビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィノ]-1,1’-ビナフチル(xyl-BINAP)、2,2’-ビス[ビス(3,5-ジエチルフェニル)ホスフィノ]-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス[ビス(3,5-ジイソプロピルフェニル)ホスフィノ]-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス[ビス(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフィノ]-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス[ビス(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィノ]-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス[ビス(4-ジメチルアミノ-3,5-ジメチルフェニル)ホスフィノ]-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス[ビス(4-ジメチルアミノ-3,5-ジエチルフェニル)ホスフィノ]-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス[ビス(4-ジメチルアミノ-3,5-ジイソプロピルフェニル)ホスフィノ]-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス[ビス(4-ジエチルアミノフェニル)ホスフィノ]-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス[ビス[4-(ピロリジン-1-イル)フェニル]ホスフィノ]-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス(ジ-p-メトキシフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス[ビス(3,5-ジメチル-4-メトキシフェニル)ホスフィノ]-1,1’-ビナフチル、2,2’-ビス[ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)ホスフィノ]-1,1’-ビナフチル(DTBM-BINAP);
2,2’-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)-6,6’-ジメチル-1,1’-ビフェニル(BICHEP)、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-6,6’-ジメトキシビフェニル(MeO-BIPHEP)、2,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(CHIRAPHOS)、1-シクロヘキシル-1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン(CYCPHOS)、1,2-ビス[(2-メトキシフェニル)フェニルホスフィノ]エタン(DIPAMP)、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(PROPHOS)、2,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン(SKEWPHOS)、SKEWPHOSのリン原子上のベンゼン環にC1-6アルキル基などの置換基を1ないし5個有するSKEWPHOS誘導体、1-[1’,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチレンジアミン(BPPFA)、1-置換-3,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ピロリジン(DEGPHOS)、2,3-O-イソプロピリデン-2,3-ジヒドロキシ-1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(DIOP)、置換-1,2-ビスホスホラノベンゼン(DuPHOS)、置換-1,2-ビスホスホラノエタン(BPE)、5,6-ビス(ジフェニルホスフィノ)-2-ノルボルネン(NORPHOS)、N,N’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-N,N’-ビス(1-フェニルエチル)エチレンジアミン(PNNP)、2,2’-ジフェニルホスフィノ-1,1’-ビシクロペンチル(BICP)、4,12-ビス(ジフェニルホスフィノ)-[2,2]-パラシクロファン(PhanePHOS)、N-置換-N-ジフェニルホスフィノ-1-[2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルアミン(BoPhoz)、1-[2-(ジ置換ホスフィノ)フェロセニル]エチル-ジ置換ホスフィン(Josiphos)、1-[2-(2’-ジ置換ホスフィノフェニル)フェロセニル]エチル-ジ置換ホスフィン(Walphos)、2,2’-ビス(α-N,N-ジメチルアミノフェニルメチル)-1,1’-ビス(ジ置換ホスフィノ)フェロセン(Mandyphos)、ジ置換ホスフィノ-2-[α-(N,N-ジメチルアミノ)-o-ジ置換ホスフィノフェニル-メチル]フェロセン(Taniaphos)、1,1-ビス(ジ置換-ホスホタノ)フェロセン(FerroTANE)、7,7’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-3,3’,4,4’-テトラヒドロ-4,4’-ジメチル-8,8’-ビ(2H-1,4-ベンゾオキサジン)(Solphos)、置換-1,1’-ビスホスホラノフェロセン(Ferrocelane)などが挙げられる。
上記のジホスフィン配位子は光学活性体であることが好ましい。
上記Lで表される2個のホスフィン配位子(2個のモノホスフィン配位子、各モノホスフィン配位子は同一であっても異なっていてもよい)としては、
式(IX):
Figure 0007102233000020
[式中、
Aは光学活性な骨格を;
8aおよびR8bは各々独立して、置換されていてもよいC1-6アルキル基、または置換されていてもよいC6-14アリール基を示す。]
で表される化合物;
式(X):
Figure 0007102233000021
[式中、
およびAは各々独立して、光学活性な炭素骨格を;
は、水素原子、置換されていてもよいC1-6アルキル基、置換されていてもよいC6-14アリール基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいヒドロキシ基、フェロセニル、またはフェロセニルメチルを示し;
およびAは一緒になって隣接する原子とともに4ないし8員環を形成してもよい。]
で表される化合物;
式(XI):
Figure 0007102233000022
[式中、
10およびR11は各々独立して、置換されていてもよいC1-6アルキル基、または置換されていてもよいC6-14アリール基を;
12は、水素原子、置換されていてもよいC1-6アルキル基、置換されていてもよいC6-14アリール基、置換されていてもよいヒドロキシ基、または置換されていてもよいフェロセニルを示し;
10およびR11は一緒になって隣接する原子とともに4ないし8員環を形成してもよい。]
で表される化合物;および
式(XII):
Figure 0007102233000023
[式中、
13およびR14は各々独立して、水素原子、置換されていてもよいC1-6アルキル基、または置換されていてもよいC6-14アリール基を;
15およびR16は各々独立して、置換されていてもよいC1-6アルキル基、または置換されていてもよいC6-14アリール基を示し;
13およびR14は一緒になって隣接する原子とともに4ないし8員環を形成してもよく;
15およびR16は一緒になって隣接する原子とともに4ないし8員環を形成してもよい。]
で表される化合物が挙げられる。
上記Aで表される光学活性な骨格としては、下式に示すものが挙げられる。
Figure 0007102233000024
[式中、
*が付された炭素原子は不斉炭素原子を;
*が付された結合軸は不斉軸を示す。]
8aまたはR8bで表される「置換されていてもよいC1-6アルキル基」の該「置換基」としては、例えば、前記した「置換基」が挙げられる。R8aまたはR8bで表される「置換されていてもよいC1-6アルキル基」における置換基の数は、例えば、置換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1ないし3個である。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
8aまたはR8bで表される「置換されていてもよいC6-14アリール基」の置換基および置換基数としては、前記Rで表される「置換されていてもよいC6-14アリール基」と同様の「置換基」と「置換基数」が挙げられる。
またはAで表される光学活性な骨格としては、下式に示すものが挙げられる。
Figure 0007102233000025
[式中の記号は前記と同義を示す。]
前記したAおよびAが一緒になって隣接する原子とともに4ないし8員環を形成するとき、化合物(X)としては、例えば、
式(X-a):
Figure 0007102233000026
[式中、
XaおよびRXbは各々独立して、C1-6アルキル基、C3-10シクロアルキル基、置換されていてもよいC6-14アリール基、C7-16アラルキル基、置換されていてもよいフェロセニル、またはフェロセニルメチルを示し、
その他の記号は前記と同義を示す。]
で表される化合物;
式(X-b):
Figure 0007102233000027
[式中、
XcおよびRXdは各々独立して水素原子、C1-6アルキル基、C3-10シクロアルキル基、置換されていてもよいC6-14アリール基、またはC7-16アラルキル基を;
XeおよびRXfは各々独立して水素原子、または置換されていてもよいヒドロキシ基を示し、
その他の記号は前記と同義を示す。]
で表される化合物;
式(X-c):
Figure 0007102233000028
[式中の記号は前記と同義を示す。]
で表される化合物;
式(X-d):
Figure 0007102233000029
[式中、
XgおよびRXhは各々独立して、水素原子、C1-6アルキル基、C3-10シクロアルキル基、置換されていてもよいC6-14アリール基、またはC7-16アラルキル基を示し、
その他の記号は前記と同義を示す。]
で表される化合物;および
式(X-e):
Figure 0007102233000030
[式中、
XiおよびRXjは各々独立して水素原子、C1-6アルキル基、C3-10シクロアルキル基、置換されていてもよいC6-14アリール基、またはC7-16アラルキル基を示し、
その他の記号は前記と同義を示す。]
で表される化合物が挙げられる。
Xa、RXb、RXc、RXd、RXg、RXh、RXiまたはRXjで表される「置換されていてもよいC6-14アリール基」の好適な置換基としては、ハロゲン原子、C1-6アルキル基およびC1-6アルコキシ基が挙げられる。
XaまたはRXbで表される「置換されていてもよいフェロセニル」の好適な置換基としては、C1-6アルキル基が挙げられる。
XeまたはRXfで表される「置換されていてもよいヒドロキシ基」の好適な置換基としては、C1-6アルキル基およびC7-16アラルキル基が挙げられる。
は、好ましくは、水素原子、置換されていてもよいC1-6アルキル基、置換されていてもよいC6-14アリール基、置換されていてもよいアミノ基、または置換されていてもよいヒドロキシ基である。
該「置換されていてもよいC1-6アルキル基」の好適な置換基としては、C6-14アリール基が挙げられる。
該「置換されていてもよいC6-14アリール基」の好適な置換基としては、ハロゲン原子、C1-6アルキル基およびC1-6アルコキシ基が挙げられる。
該「置換されていてもよいアミノ基」の好適な置換基としては、
(1)1ないし3個のC1-6アルコキシ基またはC1-6アルキル基を有していてもよいC6-14アリール基で置換されていてもよいC1-6アルキル基、および
(2)1ないし3個のC1-6アルコキシ基またはC1-6アルキル基を有していてもよいC6-14アリール基
が挙げられる。
該「置換されていてもよいヒドロキシ基」の好適な置換基としては、
(1)1ないし3個のC1-6アルコキシ基またはC1-6アルキル基を有していてもよいC6-14アリール基で置換されていてもよいC1-6アルキル基、および
(2)1ないし3個のC1-6アルコキシ基またはC1-6アルキル基を有していてもよいC6-14アリール基
が挙げられる。
化合物(XI)においてR10およびR11が一緒になって隣接する原子とともに4ないし8員環を形成する場合、および化合物(XII)においてR13およびR14が一緒になって隣接する原子とともに4ないし8員環を形成する場合の環状構造部位としては、例えば、
式(XI-1)、(XI-2)または(XI-3):
Figure 0007102233000031
[式中の記号は前記と同義を示す。]
で表される環状構造部位;
式(XI-a):
Figure 0007102233000032
[式中、
XIa1、RXIa2、RXIa3およびRXIa4は各々独立して、置換されていてもよいC6-14アリール基を示し、
その他の記号は前記と同義を示す。]
で表される環状構造部位;
式(XI-b):
Figure 0007102233000033
[式中、
XIb1、RXIb2、RXIb3、RXIb4、RXIb5、RXIb6、RXIb7、RXIb8、RXIb9およびRXIb10は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、置換されていてもよいC6-14アリール基、またはC1-6アルコキシ基を示し;
XIb1およびRXIb3は一緒になって隣接する原子とともに4ないし8員環を形成してもよく;
XIb2およびRXIb4は一緒になって隣接する原子とともに4ないし8員環を形成してもよく;
XIb5およびRXIb7は一緒になって隣接する原子とともに4ないし8員環を形成してもよく;
XIb6およびRXIb8は一緒になって隣接する原子とともに4ないし8員環を形成してもよく;
その他の記号は前記と同義を示す。]
で表される環状構造部位;
式(XI-c):
Figure 0007102233000034
[式中、
XIc1およびRXIc2は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、置換されていてもよいC6-14アリール基、またはC1-6アルコキシ基を示し;
その他の記号は前記と同義を示す。]
で表される環状構造部位;
式(XI-d):
Figure 0007102233000035
[式中、RXId1、RXId2、RXId3、RXId4、RXId5およびRXId6は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、置換されていてもよいC6-14アリール基、またはC1-6アルコキシ基を示し;
その他の記号は前記と同義を示す。]
で表される環状構造部位;
式(XI-e):
Figure 0007102233000036
[式中、
XIe1、RXIe2、RXIe3およびRXIe4は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、置換されていてもよいC6-14アリール基、またはC1-6アルコキシ基を;
XIe5およびRXIe6は各々独立して、水素原子、C1-6アルキル基、または置換されていてもよいC6-14アリール基を示し;
その他の記号は前記と同義を示す。]
で表される環状構造部位;および
式(XI-f):
Figure 0007102233000037
[式中、
XIf1、およびRXIf2は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、またはC1-6アルキル基を示し;
その他の記号は前記と同義を示す。]
で表される環状構造部位が挙げられる。
XIa1、RXIa2、RXIa3、RXIa4、RXIb1、RXIb2、RXIb3、RXIb4、RXIb5、RXIb6、RXIb7、RXIb8、RXIb9、RXIb10、RXIc1、RXIc2、RXId1、RXId2、RXId3、RXId4、RXId5、RXId6、RXIe1、RXIe2、RXIe3、RXIe4、RXIe5またはRXIe6で表される「置換されていてもよいC6-14アリール基」の置換基として好適なものは、ハロゲン原子、C1-6アルキル基およびC1-6アルコキシ基である。
10およびR11は一緒になって隣接する原子とともに4ないし8員環を形成することが好ましく、環状構造部位として好ましくは、式(XI-1)で表される構造である。
13およびR14は一緒になって隣接する原子とともに4ないし8員環を形成することが好ましく、環状構造部位として好ましくは、式(XI-1)で表される構造である。
12は、好ましくは、置換されていてもよいC1-6アルキル基、置換されていてもよいC6-14アリール基、または置換されていてもよいヒドロキシ基である。
該「置換されていてもよいC1-6アルキル基」の好適な置換基としては、C6-14アリール基が挙げられる。
該「置換されていてもよいC6-14アリール基」の好適な置換基としては、ハロゲン原子、C1-6アルキル基およびC1-6アルコキシ基が挙げられる。
該「置換されていてもよいヒドロキシ基」の好適な置換基としては、
(1)(a)1ないし3個のC1-6アルコキシ基またはC1-6アルキル基を有していてもよいC6-14アリール基、または、
(b)1ないし2個のC1-6アルキル基を有していてもよいアミノ基
で置換されていてもよいC1-6アルキル基、
(2)1ないし3個のC1-6アルコキシ基またはC1-6アルキル基を有していてもよいC3-10シクロアルキル基、および、
(3)1ないし3個のC1-6アルコキシ基またはC1-6アルキル基を有していてもよいC6-14アリール基
が挙げられる。
15およびR16は、好ましくは、各々独立して、置換されていてもよいC1-6アルキル基である。
該「置換されていてもよいC1-6アルキル基」の置換基における置換基の数は、例えば、置換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1ないし3個である。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
該「置換されていてもよいC1-6アルキル基」の好適な置換基としては、1ないし3個のC1-6アルコキシ基またはC1-6アルキル基を有していてもよいC6-14アリール基が挙げられる。
化合物(XII)において、R15およびR16が一緒になって隣接する原子とともに4ないし8員環を形成する場合の環状構造部位としては、例えば、
式(XI-g):
Figure 0007102233000038
[式中、
XIg1およびRXIg2は各々独立して、水素原子、置換されていてもよいC1-6アルキル基、置換されていてもよいC3-10シクロアルキル基、または置換されていてもよいC6-14アリール基を;
Yは、-(CH-、-(CH-または-CH-O-CH-を示し;
その他の記号は前記と同義を示す。]
で表される環状構造部位;および
式(XI-h):
Figure 0007102233000039
[式中、
XIh1は、水素原子、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、置換されていてもよいC6-14アリール基、またはC1-6アルコキシ基を;
XIh2は、水素原子、C1-6アルキル基、または置換されていてもよいC6-14アリール基を示し;
その他の記号は前記と同義を示す。]
で表される環状構造部位が挙げられる。
XIg1またはRXIg2で表される「置換されていてもよいC1-6アルキル基」の「置換基」としては、例えば、前記した「置換基」が挙げられる。該「置換基」の数は、例えば、置換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1ないし3個である。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
XIg1またはRXIg2で表される「置換されていてもよいC1-6アルキル基」の好適な「置換基」としては、C1-6アルキル基、C3-10シクロアルキル基およびC6-14アリール基が挙げられる。
XIg1またはRXIg2で表される「置換されていてもよいC3-10シクロアルキル基」の「置換基」と「置換基数」としては、RXIg1またはRXIg2で表される「置換されていてもよいC1-6アルキル基」の置換基と同様の「置換基」と「置換基数」が挙げられ、「置換されていてもよいC3-10シクロアルキル基」の好適な「置換基」としては、C1-6アルキル基、C3-10シクロアルキル基およびC6-14アリール基が挙げられる。
XIg1またはRXIg2で表される「置換されていてもよいC6-14アリール基」の「置換基」と「置換基数」としては、RXIg1またはRXIg2で表される「置換されていてもよいC1-6アルキル基」の置換基と同様の「置換基」と「置換基数」が挙げられ、好適な「置換基」としては、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C3-10シクロアルキル基およびC6-14アリール基が挙げられる。
XIh1で表される「置換されていてもよいC6-14アリール基」の好適な「置換基」としては、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C3-10シクロアルキル基およびC6-14アリール基が挙げられる。
XIh1は、好ましくは、水素原子またはハロゲン原子である。
XIh2で表される「置換されていてもよいC6-14アリール基」の好適な「置換基」としては、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C3-10シクロアルキル基およびC6-14アリール基が挙げられる。
XIh2は、好ましくは、水素原子またはC1-6アルキル基である。
前記したLで表される2個のホスフィン配位子(2個のモノホスフィン配位子、各モノホスフィン配位子は同一であっても異なっていてもよい)の具体例としては、例えば、
(3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a;3,4-a’]ジナフタレン-4-イル)ジメチルアミン(MonoPhos)、
(3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a;3,4-a’]ジナフタレン-4-イル)ベンジル(メチル)アミン、
(3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a;3,4-a’]ジナフタレン-4-イル)-(1-フェニルエチル)アミン、
(3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a;3,4-a’]ジナフタレン-4-イル)ビス(1-フェニルエチル)アミン、
(3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a;3,4-a’]ジナフタレン-4-イル)-2,5-ジフェニルピロリジン、
(3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a;3,4-a’]ジナフタレン-4-イル)モルホリン(Morfphos)、
(3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a;3,4-a’]ジナフタレン-4-イル)ピペリジン(PipPhos)、
2-(ジフェニルホスフィノ)-2’-メトキシ-1,1’-ビナフトイル(MOP)、
1-(2-ジフェニルホスフィノ-1-ナフチル)イソキノリン(QUINAP)、
N-ジメチル-[1,1-スピロビインダン-7,7’-ジイル]ホスホラミダイト(SIPHOS)、
N-ジ[(1-フェニルエチル]-[1,1-スピロビインダン-7,7-ジイル]ホスホラミダイト(SIPHOS-PE)、
(3aR,8aR)-(-)-(2,2-ジメチル-4,4,8,8-テトラフェニル-テトラヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-e][1,3,2]ジオキサホスフェピン-6-イル)ジメチルアミン、
(3aS,8aS)-(-)-(2,2-ジメチル-4,4,8,8-テトラフェニル-テトラヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-e][1,3,2]ジオキサホスフェピン-6-イル)ジメチルアミン、
5-[(3aR,8aR)-テトラヒドロ-2,2-ジメチル-4,4,8,8-テトラフェニル-1,3-ジオキソロ[4,5-e][1,3,2]ジオキサホスフェピン-6-イル]-5H-ジベンゾ[b,f]アゼピン、
5-[(3aS,8aS)-テトラヒドロ-2,2-ジメチル-4,4,8,8-テトラフェニル-1,3-ジオキソロ[4,5-e][1,3,2]ジオキサホスフェピン-6-イル]-5H-ジベンゾ[b,f]アゼピン、
N-[(2S,5S)-4,4-ジフェニル-3-オキサ-1-アザ-2-ホスファビシクロ[3.3.0]オクタン-2-イル]ジベンゾ[b,f]アゼピン
等が挙げられる。
Lで表される2個のホスフィン配位子(2個のモノホスフィン配位子、各モノホスフィン配位子は同一であっても異なっていてもよい)は光学活性体であることが好ましい。
Lで表されるPN配位子の具体例としては、例えば、
2-[(6-(ジフェニルホスフィノ)スピロ[4.4]ノナ-1,6-ジエン-1-イル]-4,5-ジヒドロ-4-ベンジルオキサゾール (Bn-SpinPHOX)、
2-(2-(ジフェニルホスフィノ)フェニル)-4-イソプロピル-4,5-ジヒドロオキサゾール (iPr-Phox)
等が挙げられる。
Lで表されるPN配位子は光学活性体であることが好ましい。
「遷移金属錯体」に用いる「配位子」として光学活性な配位子を使用することが好ましい。
「遷移金属錯体」は、「配位子」及び遷移金属源となる他の錯体から、公知の手段(ロジウム錯体の製造;ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(J.Am.Chem.Soc.)、第94巻、6429頁、1972年、オーガニック・シンセシス(Org.Synth.)、第67巻、33頁、1989年:ルテニウム錯体の製造;ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、第57巻、4053頁、1992年、テトラへドロン・アシンメトリー(Tetrahedron Asym.)、第2巻、43頁、1991年、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、第59巻、3064頁、1994年、アンゲバンテ・へミー・インターナショナル・エディション(Angew.Chem.Int.Ed.)、第37巻、1703頁、1998年:イリジウム錯体の製造;ジャーナル・オブ・オルガノメタリック・ケミストリー(J.Organomet.Chem.)、第428巻、213頁、1992年:パラジウム錯体の製造;オルガノメタリックス(Organometallics)、第12巻、4188頁、1993年、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(J.Am.Chem.Soc.)、第121巻、5450頁、1999年:ニッケル錯体の製造;日本化学会編(丸善)「第5版実験化学講座」第21巻、有機遷移金属化合物、超分子錯体、293-294頁(2004年):銅錯体の製造;日本化学会編(丸善)「第5版実験化学講座」第21巻、有機遷移金属化合物、超分子錯体、357頁(2004年)、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、第63巻、6090頁、1998年)により製造した後、公知の手段(例、濃縮、溶媒抽出、分留、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー)により単離または精製したものを用いることができる。
Lで表される「ジホスフィン配位子」のうち、SKEWPHOSのリン原子上の1個のベンゼン環にC1-6アルキル基などの置換基を1ないし5個有するSKEWPHOS誘導体は、特許文献WO2013/146987に記載する方法で合成することができる。
Lで表される2個のホスフィン配位子(2個のモノホスフィン配位子、各モノホスフィン配位子は同一であっても異なっていてもよい)は、公知の手段(ワイリー(Wiley)、ホスホラス・リガンド・イン・アシンメトリック・キャタリシス(Phosphorus Ligands in Asymmetric Catalysis)、第1巻、5頁-69頁、(2008年))により製造した後、公知の手段(例、濃縮、溶媒抽出、分留、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー)により単離または精製したものを用いることができる。
「遷移金属錯体」は、反応系に、「配位子」および遷移金属源となる他の錯体を添加することにより調製することもできる。「遷移金属錯体」は、それ自体を反応容器に加えてもよいが、前記「遷移金属源」および「配位子」を容器に添加して調製してもよい。「遷移金属源」および「配位子」を反応容器に添加して「遷移金属錯体」を調製する場合には、「遷移金属錯体」を構成するのに必要な理論量に対して1~100倍のモルの「配位子」を添加する。好ましくは1~5倍、さらに好ましくは1.01~2.02倍用いる。
「遷移金属錯体」の使用量は、反応容器、反応の形式などによっても異なるが、基質である化合物(I)またはその塩1モルに対して、例えば、約1.0~約0.00001モルである。
工程A-3における「水素化反応」には、水素ガス、金属水素化物、イソプロピルアルコール、ギ酸、ベンゾチアゾリン、ハンチュ(Hantzsch)エステルなどを水素供与体として用いることができ、中でも、水素ガスを用いることが好ましい。
水素ガスを用いる場合は、バッチ式又は連続式のいずれの反応によっても実施することができる。また、該水素化を水素ガスの存在下で行う場合には、水素圧は、例えば、0.001~200気圧、好ましくは0.1~15気圧である。
工程A-3における「水素化反応」には、必要に応じて、塩基、酸、塩などの添加剤を加えて実施してもよい。また、添加剤は2種以上を混合して用いても良い。添加剤は「水素化反応」を開始する前に反応容器に添加してもよいが、「水素化反応」の途中で添加してもよい。
工程A-3における「水素化反応」に添加してもよい塩基としては、無機塩基または有機塩基を使用することができる。
無機塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウムなどの水酸化アルカリ金属;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、リチウムプロポキシド、ナトリウムプロポキシド、カリウムプロポキシド、リチウムイソプロポキシド、ナトリウムイソプロポキシド、カリウムイソプロポキシド、カリウムtert-ブトキシドなどの炭素数1ないし6のアルカリ金属アルコキシド;ナトリウムチオメトキシドなどの炭素数1ないし6のアルカリ金属チオアルコキシド;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素塩;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸塩;リン酸三カリウム、リン酸ナトリウム等のリン酸塩;およびリン酸一水素カリウム、リン酸一水素ナトリウム等のリン酸一水素塩が挙げられる。
有機塩基としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン等の脂肪族アミン;ピリジン、ピコリン、N,N-ジメチルアニリン等の芳香族アミン類;およびアルギニン、リジン、オルニチン等の塩基性アミノ酸が挙げられる。
塩基の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、通常、基質である化合物(I)またはその塩1モルに対して、約0.01モル以上であり、溶媒として用いることもできる。
工程A-3における「水素化反応」に添加してもよい酸としては、例えば、鉱酸(具体的には、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、炭酸、重炭酸など);カルボン酸(即ち、1個以上のカルボキシ基を有する化合物;具体的には、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸など);酸性アミノ酸(具体的には、アスパラギン酸、グルタミン酸など);およびスルホン酸(即ち、1個以上のスルホ基を有する化合物;具体的には、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸など)が挙げられ、必要に応じて2種以上を混合して用いても良い。
酸の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、通常、基質である化合物(I)またはその塩1モルに対して、約0.01モル以上であり、溶媒として用いることもできる。
工程A-3における「水素化反応」に添加してもよい塩としては、上記の「無機塩基」で例示した塩に加え、上記の「酸」を酸成分とする塩が挙げられる。
塩の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、通常、基質である化合物(I)またはその塩1モルに対して、約0.01~100モルである。
工程A-3における「水素化反応」は、通常溶媒中で行われる。このような溶媒は、反応を阻害することなく、原料化合物、有機金属錯体及び添加物を可溶化するものであれば特に制限されないが、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、メチルテトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、1,1-ジエトキシプロパン、1,1-ジメトキシメタン、2,2-ジメトキシプロパン、アニソールなどのエーテル類;メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、2-ブタノール、t-ブチルアルコール、3-メチル-1-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、1-ペンタノール、ベンジルアルコール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、エチレングリコールなどのアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソオクタン、石油エーテルなどの飽和炭化水素類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンなどのアミド類;クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;ジメチルスルホン、スルホランなどのスルホン類;アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n-プロピル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸メチル、ギ酸エチルなどのエステル類;ニトロメタン;水などが用いられる。これらの溶媒は、適宜の割合で混合して用いてもよい。
該溶媒の使用量は、基質である化合物(I)またはその塩の溶解度などにより適宜決定される。無溶媒に近い状態から、基質である化合物(I)またはその塩の100重量倍以下の溶媒中で反応を行うことができるが、基質である化合物(I)またはその塩に対して約2~約100重量倍の溶媒を用いることが好ましい。
工程A-3の「水素化反応」において、反応温度は、通常-30~160℃、好ましくは0~120℃、より好ましくは10~80℃である。反応時間は、通常0.1~120時間、好ましくは1~72時間である。
「水素化反応」によって得られる化合物(II)またはその塩は、公知の手段(例、分別再結晶法、キラルカラム法、ジアステレオマー塩法)により、精製してもよい。
もしくは、「水素化反応」によって得られる化合物(II)またはその塩を単離することなく、必要に応じて公知の手段(例、濃縮、溶媒抽出、クロマトグラフィー)による処理を行って、溶液のまま次の工程A-4で用いてもよい。
[工程A-4]
工程A-4は、化合物(II)またはその塩を脱保護反応に付することにより、化合物(III)またはその塩を製造する工程である。
PGが式(VI-1)で表される基の場合は、公知の方法(例えば、シンセティック・コミュニケーションズ(Synthetic Communications)、第10巻、253頁、1980年; テトラヘドロン(Tetrahedron)、第50巻、4399頁、1994年に記載の方法)で脱保護反応に付することができる。
PGが式(VI)で表される基の場合は、公知の方法(例えば、プロテクティブ・グループ・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Group in Organic Synthesis)、第3版、579頁-583頁、1999年に記載の方法)で脱保護反応に付することができる。
以下、好ましい実施態様である化合物(I)またはその塩が、化合物(VII)またはその塩であり;かつ化合物(II)またはその塩が、化合物(VIII)またはその塩である場合の、化合物(III)またはその塩の製造法における工程A-3および工程A-4について詳述する。
好ましい実施態様における工程A-3の「水素化反応」に用いる「遷移金属錯体」としては、イリジウム錯体が特に好適である。
該「イリジウム錯体」の配位子としては、モノホスフィン配位子が好適であり、式(XI)で表される化合物または式(XII)で表される化合物がより好適であり、式(XII)で表される化合物がさらに好適であり、中でも式(XI-b)で表される環状構造部位を有する化合物が特に好適である。具体例としては、
(3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a;3,4-a’]ジナフタレン-4-イル)ジメチルアミン(MonoPhos);
(3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a;3,4-a’]ジナフタレン-4-イル)ベンジル(メチル)アミン;
(3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a;3,4-a’]ジナフタレン-4-イル)-(1-フェニルエチル)アミン;
(3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a;3,4-a’]ジナフタレン-4-イル)ビス(1-フェニルエチル)アミン;
(3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a;3,4-a’]ジナフタレン-4-イル)-2,5-ジフェニルピロリジン;
(3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a;3,4-a’]ジナフタレン-4-イル)モルホリン(Morfphos);
(3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a;3,4-a’]ジナフタレン-4-イル)ピペリジン(PipPhos)が挙げられる。
中でも、
(3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a;3,4-a’]ジナフタレン-4-イル)ジメチルアミン(MonoPhos);
(3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a;3,4-a’]ジナフタレン-4-イル)モルホリン(Morfphos);
(3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a;3,4-a’]ジナフタレン-4-イル)ピペリジン(PipPhos)が好適であり、
特に好適なものは、
(3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a;3,4-a’]ジナフタレン-4-イル)ジメチルアミン(MonoPhos)である。
前記「イリジウム錯体」は、反応系に、「配位子」およびイリジウム金属源となる他のイリジウム錯体を添加することによって調製することが好ましい。
該「イリジウム金属源となる他のイリジウム錯体」としては、ビス(シクロオクタジエン)イリジウム(I)テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレートが特に好適である。
該「水素化反応」に用いる溶媒として好適なものは、トルエンおよびジクロロメタンであり、特に好適なものはジクロロメタンである。
前記した好ましい実施態様における工程A-4の「脱保護反応」は、公知の方法(例えば、シンセシス(Synthesis)、第4巻、570頁、2003年; オーガニック・レターズ(Organic Letters)、第1巻、1395頁、1999年; テトラヘドロン(Tetrahedron)、第52巻、10685頁、1996年; テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)、第32巻、5865頁、1991年に記載の方法)で行うことができる。
該「脱保護反応」の好適な方法として、酸の共存下に、化合物(VIII)またはその塩に、トリエチルシランを作用させる方法が挙げられる。
該「酸」としては、例えば、鉱酸(具体的には、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、炭酸、重炭酸など);カルボン酸(即ち、1個以上のカルボキシ基を有する化合物;具体的には、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸など);酸性アミノ酸(具体的には、アスパラギン酸、グルタミン酸など);スルホン酸(即ち、1個以上のスルホ基を有する化合物;具体的には、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸など);およびルイス酸類(具体的には、塩化アルミニウム、塩化スズ、塩化亜鉛、臭化亜鉛、四塩化チタン、ボロントリフルオリド・エチルエーテル コンプレックスなど)が挙げられ、必要に応じて2種以上を混合して用いても良い。トリフルオロ酢酸およびルイス酸が好適であり、中でもルイス酸がより好適であり、塩化アルミニウムが特に好適である。
該「トリエチルシランを作用させる方法」に用いるトリエチルシランの使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、基質である化合物(VIII)またはその塩1モルに対して、通常、0.1~30モルであり、1.5~10モルが好適である。
該「トリエチルシランを作用させる方法」に用いる酸の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、基質である化合物(VIII)またはその塩1モルに対して、通常、0.1~30モルであり、1.5~10モルが好適である。
該「トリエチルシランを作用させる方法」は、無溶媒で行うこともできるが、通常、溶媒中で行われる。このような溶媒は、反応を阻害することなく、原料化合物及び添加物を可溶化するものであれば特に制限されないが、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、メチルテトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、1,1-ジエトキシプロパン、1,1-ジメトキシメタン、2,2-ジメトキシプロパン、アニソールなどのエーテル類;メタノール、エタノール、n-プロパノール、2-プロパノール、n-ブタノール、2-ブタノール、t-ブチルアルコール、3-メチル-1-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、1-ペンタノール、ベンジルアルコール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、エチレングリコールなどのアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソオクタン、石油エーテルなどの飽和炭化水素類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンなどのアミド類;クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;ジメチルスルホン、スルホランなどのスルホン類;アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n-プロピル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸メチル、ギ酸エチルなどのエステル類;ニトロメタン;水などが用いられる。これらの溶媒は、適宜の割合で混合して用いてもよい。上記した「トリエチルシランを作用させる方法」で使用する溶媒として好適なものは、ハロゲン化炭化水素類および芳香族炭化水素類であり、中でもトルエン、ジクロロメタンおよび1,2-ジクロロエタンがより好適であり、1,2-ジクロロエタンが特に好適である。
該溶媒の使用量は、基質である化合物(VIII)またはその塩の溶解度などにより適宜決定される。例えば、溶媒としてハロゲン化炭化水素類(好ましくは,1,2-ジクロロエタン)を用いる場合、無溶媒に近い状態から、基質である化合物(VIII)またはその塩の100重量倍以下の溶媒中で反応を行うことができるが、基質である化合物(VIII)またはその塩に対して1~30重量倍の溶媒を用いることが好ましい。
上記した「トリエチルシランを作用させる方法」における反応の温度は、通常は10~180℃であり、30~120℃が好適である。反応時間は、通常は0.1~96時間であり、0.5~48時間が好適である。
上記した「トリエチルシランを作用させる方法」によって得られる、Rが塩素原子であり、Rがトリフルオロメチルである化合物(III)またはその塩は、公知の手段(例、分別再結晶法、キラルカラム法、ジアステレオマー塩法)により、精製してもよい。
光学純度の高い上記化合物(III)またはその塩を得るために、分別再結晶法またはジアステレオマー塩法で精製することが好ましく、中でも光学活性なジp-トルオイル酒石酸(上記化合物(III)が(R)体の場合は、好ましくは、ジp-トルオイル(D)-酒石酸)または光学活性なマンデル酸(上記化合物(III)が(R)体の場合は、好ましくは、(S)-マンデル酸)とのジアステレオマー塩の晶析が好適であり、光学活性なマンデル酸(上記化合物(III)が(R)体の場合は、好ましくは、(S)-マンデル酸)が特に好適である。
該「脱保護反応」の好適な方法として、化合物(VIII)またはその塩に酸化剤を作用させる方法も挙げられる。
該「酸化剤」として好適なものに、N-ブロモスクシンイミド、N-クロロスクシンイミドが挙げられ、N-ブロモスクシンイミドが特に好適である。
該「酸化剤」の使用量は、酸化剤の種類、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、基質である化合物(VIII)またはその塩1モルに対して、通常、0.8~30モルであり、0.9~2モルが好適である。
前記の「酸化剤を作用させる方法」の反応には添加剤を用いることが好適である。該「添加剤」としては、水または酸が好適である。
該「酸」としては、例えば、鉱酸(具体的には、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、炭酸、重炭酸など);カルボン酸(即ち、1個以上のカルボキシ基を有する化合物;具体的には、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸など);酸性アミノ酸(具体的には、アスパラギン酸、グルタミン酸など);およびスルホン酸(即ち、1個以上のスルホ基を有する化合物;具体的には、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸など)が挙げられ、必要に応じて2種以上を混合して用いても良い。
前記の「酸化剤を作用させる方法」の反応には添加剤として好適なものは、水、酢酸、クエン酸、塩酸が好適であり、水が特に好適である。
該「添加剤」の使用量は、添加剤の種類、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、基質である化合物(VIII)またはその塩1モルに対して、通常、0.8~100モルであり、5~50モルが好適である。
前記の「酸化剤を作用させる方法」の反応は、無溶媒で行うこともできるが、通常、溶媒中で行われる。このような溶媒は、反応を阻害することなく、原料化合物及び添加物を可溶化するものであれば特に制限されないが、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、メチルテトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、1,1-ジエトキシプロパン、1,1-ジメトキシメタン、2,2-ジメトキシプロパン、アニソールなどのエーテル類;メタノール、エタノール、n-プロパノール、2-プロパノール、n-ブタノール、2-ブタノール、t-ブチルアルコール、3-メチル-1-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、1-ペンタノール、ベンジルアルコール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、エチレングリコールなどのアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソオクタン、石油エーテルなどの飽和炭化水素類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンなどのアミド類;クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;ジメチルスルホン、スルホランなどのスルホン類;アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n-プロピル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸メチル、ギ酸エチルなどのエステル類;ニトロメタン;水などが用いられる。これらの溶媒は、適宜の割合で混合して用いてもよい。前記の「酸化剤を作用させる方法」の反応で使用する溶媒として好適なものは、アセトニトリルである。
該溶媒の使用量は、基質である化合物(VIII)またはその塩の溶解度などにより適宜決定される。例えば、添加剤として水を溶媒としてアセトニトリルを用いる場合、無溶媒に近い状態から、基質である化合物(VIII)またはその塩の100重量倍以下の溶媒中で反応を行うことができるが、基質である化合物(VIII)またはその塩に対して1~20重量倍の溶媒を用いることが好ましい。
上記した「酸化剤を作用させる方法」における反応の温度は、通常は-10~120℃であり、0~60℃が好適である。反応時間は、通常は0.1~96時間であり、0.5~48時間が好適である。
上記した「酸化剤を作用させる方法」によって得られる、Rが塩素原子であり、Rがトリフルオロメチルである化合物(III)またはその塩は、公知の手段(例、分別再結晶法、キラルカラム法、ジアステレオマー塩法)により、精製してもよい。
光学純度の高い上記化合物(III)またはその塩を得るために、分別再結晶法またはジアステレオマー塩法で精製することが好ましい。
分別再結晶法により、不要のエナンチオマーを結晶として除去することもできるが、光学活性なジp-トルオイル酒石酸(上記化合物(III)が(R)体の場合は、好ましくは、ジp-トルオイル(D)-酒石酸)および光学活性なマンデル酸(上記化合物(III)が(R)体の場合は、好ましくは、(S)-マンデル酸)とのジアステレオマー塩の晶析による精製が好適であり、光学活性なマンデル酸(上記化合物(III)が(R)体の場合は、好ましくは、(S)-マンデル酸)とのジアステレオマー塩の晶析による精製が特に好適である。
[製造法(AX)]
化合物(III)またはその塩は、下記の反応式に示す製造法(AX)のように、化合物(A-c)またはその塩を不斉還元的アミノ化反応に付することによって直接合成することもできる。
Figure 0007102233000040
[式中、記号は前記と同義を示す。]
以下に工程A-Xに用いる試薬や条件について詳述する。
[工程(A-X)]
工程A-Xは、化合物(A-c)またはその塩を不斉還元的アミノ化反応に付することにより、化合物(III)またはその塩を製造する工程である。
該「不斉還元的アミノ化反応」としては、化合物(A-c)またはその塩を有機金属錯体の存在下で、アミン源および還元剤と反応させることが好適である。
該「還元剤」としては、水素供与体を用いる。水素供与体としては、水素ガス、金属水素化物、イソプロピルアルコール、ギ酸、ベンゾチアゾリン、ハンチュ(Hantzsch)エステルなどを用いることができ、中でも、水素ガスを用いることが好ましい。
水素ガスを用いる場合は、バッチ式又は連続式のいずれの反応によっても実施することができる。また、該「不斉還元的アミノ化反応」を水素ガスの存在下で行う場合には、水素圧は、例えば、0.001~200気圧、好ましくは0.1~80気圧である。
該「アミン源」としては、アンモニウム塩が好適である。アンモニウム塩を形成する酸として好適な例としては、置換されていてもよいサリチル酸、置換されていてもよいニコチン酸、炭酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸が挙げられる。
置換されていてもよいサリチル酸の置換基としては、前記した「置換基」が挙げられ、置換基の数は、例えば、置換可能な位置に1ないし4個、好ましくは1個である。
置換されていてもよいサリチル酸の好ましい例としては、下記に示すものが挙げられる。
Figure 0007102233000041
置換されていてもよいニコチン酸の置換基としては、前記した「置換基」が挙げられ、置換基の数は、例えば、置換可能な位置に1ないし4個、好ましくは1個である。
該「有機金属錯体」としては、前記「工程(A-3)」で用いる「有機金属錯体」と同様のものが挙げられる。
「有機金属錯体」として好適なものは、「遷移金属錯体(有機遷移金属錯体)」である。
「遷移金属錯体」としては、「遷移金属」に「配位子」(好ましくは光学活性な「配位子」)を配位させた、不斉水素化反応の触媒能を有する化合物が挙げられる。「配位子」としては、モノホスフィン配位子、ジホスフィン配位子、アミン配位子、ジアミン配位子、ホスフィンアミン配位子等が挙げられ、本明細書中に示される具体例およびその光学異性体を含む。「遷移金属」は、例えば、0~6価、好ましくは、0~4価であり、特に好ましくは、0~3価である。
「遷移金属錯体」として好ましくは、ロジウム錯体、ルテニウム錯体、イリジウム錯体、パラジウム錯体、ニッケル錯体、銅錯体、オスミウム錯体、白金錯体、鉄錯体、金錯体、銀錯体、亜鉛錯体、チタン錯体、コバルト錯体、ジルコニウム錯体、サマリウム錯体などであり;より好ましくは、ロジウム錯体、ルテニウム錯体、イリジウム錯体、パラジウム錯体、ニッケル錯体および銅錯体であり;さらに好ましくは、ロジウム錯体、ルテニウム錯体、パラジウム錯体およびイリジウム錯体であり;さらにより好ましくはロジウム錯体およびイリジウム錯体であり;特に好ましくはイリジウム錯体である。
「遷移金属錯体」のうち、ロジウム錯体、ルテニウム錯体、イリジウム錯体、パラジウム錯体、ニッケル錯体及び銅錯体の具体例としては、前記「工程(A-3)」で用いる「有機金属錯体」の具体例と同様のものが挙げられる。
「遷移金属錯体」は、反応系に、「配位子」および遷移金属源となる他の錯体を添加することにより調製することもできる。「遷移金属錯体」は、それ自体を反応容器に加えてもよいが、前記「遷移金属源」および「配位子」を容器に添加して調製してもよい。「遷移金属源」および「配位子」を反応容器に添加して「遷移金属錯体」を調製する場合には、「遷移金属錯体」を構成するのに必要な理論量に対して1~100倍のモルの「配位子」を添加する。好ましくは1~5倍、さらに好ましくは1.01~2.02倍用いる。
「遷移金属錯体」の使用量は、反応容器、反応の形式などによっても異なるが、基質である化合物(A-c)またはその塩1モルに対して、例えば、約1.0~約0.00001モルである。
工程A-Xにおける「不斉還元的アミノ化反応」には、必要に応じて、塩基、酸、塩などの添加剤を加えて実施してもよい。また、添加剤は2種以上を混合して用いても良い。添加剤は「不斉還元的アミノ化反応」を開始する前に反応容器に添加してもよいが、「不斉還元的アミノ化反応」の途中で添加してもよい。
工程A-Xにおける「不斉還元的アミノ化反応」に添加してもよい塩基としては、無機塩基または有機塩基を使用することができる。
無機塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウムなどの水酸化アルカリ金属;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、リチウムプロポキシド、ナトリウムプロポキシド、カリウムプロポキシド、リチウムイソプロポキシド、ナトリウムイソプロポキシド、カリウムイソプロポキシド、カリウムtert-ブトキシドなどの炭素数1ないし6のアルカリ金属アルコキシド;ナトリウムチオメトキシドなどの炭素数1ないし6のアルカリ金属チオアルコキシド;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素塩;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸塩;リン酸三カリウム、リン酸ナトリウム等のリン酸塩;およびリン酸一水素カリウム、リン酸一水素ナトリウム等のリン酸一水素塩が挙げられる。
有機塩基としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン等の脂肪族アミン;ピリジン、ピコリン、N,N-ジメチルアニリン等の芳香族アミン類;およびアルギニン、リジン、オルニチン等の塩基性アミノ酸が挙げられる。
塩基の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、通常、基質である化合物(A-c)またはその塩1モルに対して、約0.01モル以上であり、溶媒として用いることもできる。
工程A-Xにおける「不斉還元的アミノ化反応」に添加してもよい酸としては、例えば、鉱酸(具体的には、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、炭酸、重炭酸など);カルボン酸(即ち、1個以上のカルボキシ基を有する化合物;具体的には、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、サリチル酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸など);酸性アミノ酸(具体的には、アスパラギン酸、グルタミン酸など);およびスルホン酸(即ち、1個以上のスルホ基を有する化合物;具体的には、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸など)が挙げられ、必要に応じて2種以上を混合して用いても良い。
酸の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、通常、基質である化合物(A-c)またはその塩1モルに対して、約0.01モル以上であり、溶媒として用いることもできる。
工程A-Xにおける「不斉還元的アミノ化反応」に添加してもよい塩としては、上記の「無機塩基」で例示した塩に加え、上記の「酸」を酸成分とする塩が挙げられる。
塩の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、通常、基質である化合物(A-c)またはその塩1モルに対して、約0.01~100モルである。
工程A-Xにおける「不斉還元的アミノ化反応」は、通常溶媒中で行われる。このような溶媒は、反応を阻害することなく、原料化合物、有機金属錯体及び添加物を可溶化するものであれば特に制限されないが、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、メチルテトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、1,1-ジエトキシプロパン、1,1-ジメトキシメタン、2,2-ジメトキシプロパン、アニソールなどのエーテル類;メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、2-ブタノール、t-ブチルアルコール、3-メチル-1-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、1-ペンタノール、ベンジルアルコール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、エチレングリコールなどのアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソオクタン、石油エーテルなどの飽和炭化水素類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンなどのアミド類;クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;ジメチルスルホン、スルホランなどのスルホン類;アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n-プロピル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸メチル、ギ酸エチルなどのエステル類;ニトロメタン;水などが用いられる。これらの溶媒は、適宜の割合で混合して用いてもよい。
該溶媒の使用量は、基質である化合物(A-c)またはその塩の溶解度などにより適宜決定される。無溶媒に近い状態から、基質である化合物(A-c)またはその塩の100重量倍以下の溶媒中で反応を行うことができるが、基質である化合物(A-c)またはその塩に対して約2~約100重量倍の溶媒を用いることが好ましい。
工程A-Xの「不斉還元的アミノ化反応」において、反応温度は、通常-30~160℃、好ましくは0~120℃、より好ましくは10~80℃である。反応時間は、通常0.1~120時間、好ましくは1~72時間である。
「不斉還元的アミノ化反応」によって得られる化合物(III)またはその塩は、公知の手段(例、分別再結晶法、キラルカラム法、ジアステレオマー塩法)により、精製してもよい。
最も好ましい実施態様では、
式(A-c)で表される化合物が、2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドであり;かつ
式(III)で表される化合物の光学活性体が、2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドである。
以下、最も好ましい実施態様での製造法(AX)における工程A-Xについて詳述する。
最も好ましい実施態様における工程A-Xの「不斉還元的アミノ化反応」に触媒として用いる「遷移金属錯体」としては、イリジウム錯体が特に好適である。
該「イリジウム錯体」の配位子としては、ジホスフィン配位子が好適であり;より好ましくは2,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン(SKEWPHOS)、SKEWPHOSのリン原子上のベンゼン環にC1-6アルキル基などの置換基を1ないし5個有するSKEWPHOS誘導体、4,12-ビス(ジフェニルホスフィノ)-[2,2]-パラシクロファン(PhanePHOS)、置換-1,1’-ビスホスホラノフェロセン(Ferrocelane)、1-[2-(ジ置換ホスフィノ)フェロセニル]エチル-ジ置換ホスフィン(Josiphos)であり;さらにより好ましくは2,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン(SKEWPHOS)、SKEWPHOSのリン原子上のベンゼン環にC1-6アルキル基などの置換基を1ないし5個有するSKEWPHOS誘導体であり;特に好ましくペンタン-2,4-ジイルビス(ビス(4-(tert-ブチル)フェニル)ホスフィン)であり、その光学活性体である(R,R)-ペンタン-2,4-ジイルビス(ビス(4-(tert-ブチル)フェニル)ホスフィン)が、最も好ましい実施態様の光学活性体(化合物(III)が(R)体)を与える。
前記「イリジウム錯体」は、水素ガスを添加する前に、「配位子」およびイリジウム金属源となる他のイリジウム錯体を溶液中で混合して用時調製することが好ましい。用時調製時には、あわせて基質である化合物(A-c)またはその塩とアミン源であるアンモニウム塩が共存していることが好ましい。用時調製時に用いる溶媒は、その後の「不斉還元的アミノ化反応」に用いる溶媒と同一であることが好ましい。「イリジウム錯体」を用時調製する温度は、通常は10~80℃であり;より好ましくは30~60℃であり:特に好ましくは35~55℃である。「イリジウム錯体」の用時調製の時間は、通常は30~360分であり;より好ましくは60~120分である。用時調製の操作は、アルゴンまたは窒素の不活性ガスの雰囲気下で実施するのが好適である。
該「イリジウム金属源となる他のイリジウム錯体」としては、ビス(1,5-シクロオクタジエン)イリジウム(I)テトラフルオロボレート、クロロ(1,5-シクロオクタジエン)イリジウム(I)(ダイマー)、ビス(1,5-シクロオクタジエン)イリジウム(I)テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、ヨード(1,5-シクロオクタジエン)イリジウム(I)(ダイマー)、(1,5-シクロオクタジエン)(メトキシ)イリジウム(I)(ダイマー)、(アセチルアセトナト)(1,5-シクロオクタジエン)イリジウム(I)が好ましく;特に好ましくはクロロ(1,5-シクロオクタジエン)イリジウム(I)(ダイマー)である。
該「不斉還元的アミノ化反応」に用いるアンモニウム塩を形成する酸としては、置換されていてもよいサリチル酸が好適である。最も好適なアンモニウム塩はサリチル酸アンモニウムである。該「不斉還元的アミノ化反応」に添加するサリチル酸アンモニウムの量は、基質である化合物(A-c)またはその塩に対して1.1~5当量が好適であり;2~4当量がより好適である。
該「不斉還元的アミノ化反応」に用いる溶媒として好適なものは、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、メタノール、イソプロピルアルコール、2-メチル-2-ブタノール、トルエンが好適であり、特にテトラヒドロフランが好適である。
該「不斉還元的アミノ化反応」に添加剤を加えてもよく、好適な添加剤としては、水、塩化亜鉛、塩化リチウム、テルピリジンであり、特に水が好適である。
該「不斉還元的アミノ化反応」に水を添加する場合は少量に留めて、反応液中の水分濃度を4000ppm以下にする必要があり、1000~3000ppmが好適であり;1500~2500ppmが最も好適である。
該「不斉還元的アミノ化反応」において、好適な水素の圧力は、8~80気圧であり、好ましくは4~80気圧である。
該「不斉還元的アミノ化反応」において、好適な反応温度は、好ましくは30~60℃、より好ましくは35~55℃である。
該「不斉還元的アミノ化反応」において、反応時間は、好ましくは12~50時間であり;より好ましくは20~30時間である。
最も好ましい実施態様の化合物(III)またはその塩は、公知の手段(例、分別再結晶法、キラルカラム法、ジアステレオマー塩法)により、精製してもよい。
光学純度の高い上記化合物(III)またはその塩を得るために、分別再結晶法またはジアステレオマー塩法で精製することが好ましく、中でも光学活性なジp-トルオイル酒石酸(上記化合物(III)が(R)体の場合は、好ましくは、ジp-トルオイル(D)-酒石酸)または光学活性なマンデル酸(上記化合物(III)が(R)体の場合は、好ましくは、(S)-マンデル酸)とのジアステレオマー塩の晶析が好適であり、光学活性なマンデル酸(上記化合物(III)が(R)体の場合は、好ましくは、(S)-マンデル酸)が特に好適である。
[製造法(B)]
化合物(V)またはその塩は、下記の反応式に示す製造法(B)のように、製造法(A)で得られた化合物(III)またはその塩と化合物(IV)またはその塩と反応させ、アミド結合を形成させることによって製造できる。
Figure 0007102233000042
[式中の各記号は前記と同義を示す。]
化合物(IV)またはその塩は、例えば国際公開WO2009-006389号パンフレットに記載の方法で製造することができる。
上記製造法(B)における「アミド結合を形成する」方法における化合物(IV)またはその塩の使用量は、反応条件により異なるが、化合物(III)またはその塩1モルに対して、通常、0.5~30モルであり、0.9~2モルが好適である。
上記製造法(B)において、製造法(A)で得られた化合物(III)の塩をそのまま縮合反応に使用することもできるが、塩基を作用させてフリー体として用いるのが望ましい。該塩基としては、無機塩基および有機塩基が挙げられる。
無機塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウムなどの水酸化アルカリ金属;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、リチウムプロポキシド、ナトリウムプロポキシド、カリウムプロポキシド、リチウムイソプロポキシド、ナトリウムイソプロポキシド、カリウムイソプロポキシド、カリウムtert-ブトキシドなどの炭素数1ないし6のアルカリ金属アルコキシド;ナトリウムチオメトキシドなどの炭素数1ないし6のアルカリ金属チオアルコキシド;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素塩;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸塩;リン酸三カリウム、リン酸ナトリウム等のリン酸塩;およびリン酸一水素カリウム、リン酸一水素ナトリウム等のリン酸一水素塩が挙げられる。
有機塩基としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン等の脂肪族アミン;ピリジン、ピコリン、N,N-ジメチルアニリン等の芳香族アミン類;およびアルギニン、リジン、オルニチン等の塩基性アミノ酸が挙げられる。これらの塩基は、適宜の割合で混合して用いてもよい。
化合物(III)の塩をフリー体にする反応に特に好適な塩基は、炭酸水素ナトリウムである。
塩基の使用量は、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、基質である化合物(III)の塩1モルに対して、通常、0.5~100モルであり、1.0~10モルが好適であり、1.5~4モルが特に好適である。塩基が液体の場合は溶媒として用いることもできる。
該化合物(III)の塩をフリー体にする反応は、無溶媒で行うこともできるが、通常、溶媒中で行われる。このような溶媒は、反応を阻害することなく、原料化合物及び添加物を可溶化するものであれば特に制限されないが、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、メチルテトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、1,1-ジエトキシプロパン、1,1-ジメトキシメタン、2,2-ジメトキシプロパン、アニソールなどのエーテル類;メタノール、エタノール、n-プロパノール、2-プロパノール、n-ブタノール、2-ブタノール、t-ブチルアルコール、3-メチル-1-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、1-ペンタノール、ベンジルアルコール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、エチレングリコールなどのアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソオクタン、石油エーテルなどの飽和炭化水素類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンなどのアミド類;クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;ジメチルスルホン、スルホランなどのスルホン類;アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n-プロピル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸メチル、ギ酸エチルなどのエステル類;ニトロメタン;水などが用いられる。これらの溶媒は、適宜の割合で混合して用いてもよい。上記した該化合物(III)の塩をフリー体にする反応に使用する溶媒として好適なものは、エーテル類、アルコール類およびニトリル類であり、アセトニトリルが特に好適である。
該溶媒は、混合溶媒として用いるのが好適である。該溶媒としてニトリル類(好ましくはアセトニトリル)を用いる場合は、水との混合溶媒が特に好適である。
該溶媒の使用量は、基質である化合物(III)の塩の溶解度などにより適宜決定される。例えば、化合物(III)がマンデル酸との塩であり、溶媒としてニトリル類(好ましくはアセトニトリル)を用いる場合、無溶媒に近い状態から、基質である化合物(III)の塩の100重量倍以下の溶媒中で反応を行うことができるが、基質である化合物(III)の塩に対して5~30重量倍の溶媒を用いることが好ましい。
フリー体にする反応の温度は、通常は-10~80℃であり、0~40℃が好適である。反応時間は、通常は0.01~2時間であり、0.1~1時間が好適である。
フリー体にする反応で得られた化合物(III)は、自体公知の手段(濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶析、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等)により単離精製することもできるが、フリー体にする反応液をそのまま、化合物(IV)またはその塩との縮合反応に用いてもよい。
上記した製造法(B)における「アミド結合を形成する」方法としては、例えば、テトラヘドロン(Tetrahedoron)、第61巻、10827頁、2005年に記載の方法のように、自体公知の方法を用いることができる。
該「アミド結合を形成する」方法として好適なものは、Xがヒドロキシ基である化合物(IV)と縮合剤を使用する方法である。
該「縮合剤」としては、
カルボジイミド系縮合剤(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド;
1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド;
N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド);
イミダゾール系縮合剤(N,N’-カルボニルジイミダゾール;
1,1’-カルボニルジ(1,2,4-トリアゾール));
トリアジン系縮合剤(4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウム クロリドn水和物;
トリフルオロメタンスルホン酸(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-(2-オクトキシ-2-オキソエチル)ジメチルアンモニウム);
ホスホニウム系縮合剤(1H-ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロりん酸塩;
1H-ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロりん酸塩;
(7-アザベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロりん酸塩;
クロロトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロりん酸塩;
ブロモトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロりん酸塩;
3-(ジエトキシホスホリルオキシ)-1,2,3-ベンゾトリアジン-4(3H)-オン);
ウロニウム系縮合剤(O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロりん酸塩;
O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロりん酸塩;
O-(N-スクシンイミジル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロほう酸塩;
O-(N-スクシンイミジル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロりん酸塩;
O-(3,4-ジヒドロ-4-オキソ-1,2,3-ベンゾトリアジン-3-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロほう酸塩;
S-(1-オキシド-2-ピリジル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロほう酸塩;
O-[2-オキソ-1(2H)-ピリジル]-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロほう酸塩;
{{[(1-シアノ-2-エトキシ-2-オキソエチリデン)アミノ]オキシ}-4-モルホリノメチレン}ジメチルアンモニウムヘキサフルオロりん酸塩);および
ハロウロニウム系縮合剤(2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウムヘキサフルオロりん酸塩;
1-(クロロ-1-ピロリジニルメチレン)ピロリジニウムヘキサフルオロりん酸塩;
2-フルオロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウムヘキサフルオロりん酸塩;
フルオロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロりん酸)が挙げられる。
該「縮合剤」として好適なものは、カルボジイミド系縮合剤であり、中でも1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩;
およびN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミドが好適であり、
N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミドが特に好適である。
該「縮合剤」の使用量は、縮合剤の種類、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、化合物(IV)またはその塩1モルに対して、通常、0.8~10モルであり、0.9~2モルが好適である。
製造法(B)における「アミド結合を形成する」方法の反応には、添加剤の使用が好適である。
該「添加剤」としては、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール、N-ヒドロキシこはく酸イミドおよび炭酸N,N’-ジスクシンイミジルが挙げられ、中でも1-ヒドロキシベンゾトリアゾールが好適である。
該「添加剤」の使用量は、添加剤の種類、縮合剤の種類、溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、化合物(IV)またはその塩1モルに対して、通常、0.01~1.0モルであり、0.05~0.5モルが好適である。
製造法(B)における「アミド結合を形成する」方法の反応は、無溶媒に近い状態で行うこともできるが、通常、溶媒中で行われる。このような溶媒は、反応を阻害することなく、原料化合物及び添加物を可溶化するものであれば特に制限されないが、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、メチルテトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、1,1-ジエトキシプロパン、1,1-ジメトキシメタン、2,2-ジメトキシプロパン、アニソールなどのエーテル類;メタノール、エタノール、n-プロパノール、2-プロパノール、n-ブタノール、2-ブタノール、t-ブチルアルコール、3-メチル-1-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、1-ペンタノール、ベンジルアルコール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、エチレングリコールなどのアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソオクタン、石油エーテルなどの飽和炭化水素類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンなどのアミド類;クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;ジメチルスルホン、スルホランなどのスルホン類;アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n-プロピル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸メチル、ギ酸エチルなどのエステル類;ニトロメタン;水などが用いられる。これらの溶媒は、適宜の割合で混合して用いてもよい。製造法(B)における「アミド結合を形成する」方法の反応で使用する溶媒として好適なものはアミド類であり、中でもN,N-ジメチルアセトアミドがさらに好適である。
該溶媒の使用量は、化合物(III)またはその塩、および化合物(IV)またはその塩の溶解度などにより適宜決定される。例えば、溶媒としてN,N-ジメチルアセトアミドを用いる場合、無溶媒に近い状態から、化合物(III)またはその塩の100重量倍以下の溶媒中で反応を行うことができるが、基質である化合物(III)またはその塩に対して1~20重量倍の溶媒を用いることが好ましい。
上記した「アミド結合を形成する」方法における反応の温度は、通常は-10~120℃であり、0~60℃が好適である。反応時間は、通常は0.1~48時間であり、0.5~16時間が好適である。
上記した製造法(B)における「アミド結合を形成する」方法の反応で得られる化合物(V)またはその塩は、自体公知の手段(濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶析、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等)により単離精製してもよい。
該「単離精製」の手段としては、晶析による方法が好適であり、n-ブタノールおよび水の混合溶媒からの晶析が特に好適である。
単離精製された化合物(V)またはその塩は、さらに再結晶することによって、さらに高純度に精製するのが好ましい。該「再結晶」の溶媒としては、ジメチルスルホキシド、2-プロパノール、またはそれらの水の混合溶媒が特に好適である。
[製造法(C)]
本発明における遷移金属錯体の存在下の不斉水素化反応は、化合物(II)またはその塩の製造以外にも、光学活性アミン化合物の製造にも適用することが可能である。
以下に、光学活性アミン化合物の好適な製造例を示す。
式(A):
Figure 0007102233000043
[式中、ArおよびArは、それぞれ独立して、置換されていてもよいC6-14アリール基を;
Arは、置換されていてもよいC6-14アリール基、または置換されていてもよい複素環基を;
は、置換されていてもよいC1-6アルキル基を示し;
とArは一緒になって隣接する原子とともに置換されていてもよい8-14員の縮合多環を形成してもよい。]
で表される化合物またはその塩を、3価のホスフィン配位子を有する遷移金属錯体の存在下で、不斉水素化反応に付することにより、式(B):
Figure 0007102233000044
[式中、*が付された炭素原子は不斉炭素原子を示し、その他の記号は前記と同義を示す。]
で表される化合物またはその塩を得ることができる。
本発明は、更に以下の参考例及び実施例によって詳しく説明されるが、これらの例は単なる実施であって、本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
以下の参考例、実施例中の「室温」は通常約10 ℃ないし約35 ℃を示す。
反応式中、s/cとは基質触媒比 (substrate(mol)/catalyst(mol))を意味し、s/sとは基質溶媒比 (solvent (ml)/substrate(g))を意味する。
化学収率は、単離収率(mol/mol%)または高速液体クロマトグラフィーで得られた収率である。光学活性体の光学純度(不斉収率)は、鏡像体過剰率(% e.e.)で評価した。該鏡像体過剰率は、次式により求めた。
鏡像体過剰率(% e.e.)=100 X [(R)-(S)]/[(R)+(S)] または100 X [(S)-(R)]/[(R)+(S)](式中、(R)および(S)は各鏡像体の高速液体クロマトグラフィーにおける面積を示す。)
また、クロマトグラフィーで用いられる溶媒は体積%を、その他は重量%を示す。
鏡像体の絶対配置がわかっているものについてはRとSの表記を記載したが、絶対配置がわかっていないものについては、高速液体クロマトグラフィー(光学純度)の測定結果から鏡像体過剰率(% e.e.)=100 X [(front peak)-(back peak)]/[(front peak)+(back peak)]で算出した。
プロトンNMRスペクトルで、OHやNHプロトンなどブロードで確認できないものについては、データに記載していない。
その他の本文中で用いられている略号は、下記の意味または下記に示される構造を示す。
s: シングレット(singlet)
d: ダブレット(doublet)
t: トリプレット(triplet)
q: クァルテット(quartet)
m: マルチプレット(multiplet)
br: ブロード(broad)
J: カップリング定数(coupling constant)
Hz: ヘルツ(Hertz)
CDCl3: 重クロロホルム
DMSO-d6: 重ジメチルスルホキシド
CD3OD: 重メタノール
1H NMR: プロトン核磁気共鳴
13C NMR: 13C核磁気共鳴
19F NMR: 19F核磁気共鳴
31P NMR: 31P核磁気共鳴
[RhCl(cod)]2: クロロ(1,5-シクロオクタジエン)ロジウム(I)ダイマー
[Rh(cod)2]OTf: ビス(1,5-シクロオクタジエン)ロジウム(I)トリフルオロメタンスルホネート
[Rh(cod)(R)-(S)-josiphos]OTf: (1,5-シクロオクタジエン){(R)-(-)-1-[(S)-2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン}ロジウム(I)トリフルオロメタンスルホネート
[Rh(nbd)(R)-(S)-josiphos]BF4: {(R)-(-)-1-[(S)-2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン}(ノルボルナジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボレート
[Rh(cod)(S,S)-skewphos]OTf: {(2S,4S)-(-)-2,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン}(1,5-シクロオクタジエン)ロジウム(I)トリフルオロメタンスルホネート
[Rh(nbd)(S,S)-bisP*]BF4: {(S,S)-1,2-ビス-(t-ブチル(メチル)ホスフィノ)エタン}(ノルボルナジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボレート
[Rh(cod)(R,R)-dipamp]BF4: (R,R)-1,2-ビス[(2-メトキシフェニル)フェニルホスフィノ]エタン(1,5-シクロオクタジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボレート
[Rh(cod)(S)-xyl-binap]OTf: {(S)-(-)-2,2'-ビス[ジ(3,5-キシリル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル}(1,5-シクロオクタジエン)ロジウム(I)トリフルオロメタンスルホネート
RuCl2{(R)-binap}: ジクロロ[(R)-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル]ルテニウム(II)
RuCl2{(R)-binap}{R,R-dpen}: ジクロロ[(R)-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル]{(1R,2R)-(+)-1,2-ジフェニルメタンジアミン}ルテニウム(II)
RuCl2{(R)-binap}{R,R-dach}: ジクロロ[(R)-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル]{(1R,2R)-(+)-1,2-ジアミノシクロヘキサン}ルテニウム(II)
RuCl2{(R)-binap}{R-daipen}: ジクロロ{(R)-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル}[(2R)-(-)-1,1-ビス(4-メトキシフェニル)-3-メチル-1,2-ブタンジアミン]ルテニウム(II)
RuCl2{(R)-xyl-binap}{R,R-dpen}: ジクロロ{(R)-(+)-2,2'-ビス[ジ(3,5-キシリル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル}{(1R,2R)-(+)-1,2-ジフェニルメタンジアミン}ルテニウム(II)
RuCl2{(R)-xyl-binap}{R,R-dach}:ジクロロ{(R)-(+)-2,2'-ビス[ジ(3,5-キシリル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル}{(1R,2R)-(+)-1,2-ジアミノシクロヘキサン}ルテニウム(II)
RuCl2{(R)-xyl-binap}{R-daipen}: ジクロロ{(R)-(+)-2,2'-ビス[ジ(3,5-キシリル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル}[(2R)-(-)-1,1-ビス(4-メトキシフェニル)-3-メチル-1,2-ブタンジアミン]ルテニウム(II)
[Ir(cod)2]BARF: ビス(1,5-シクロオクタジエン)イリジウム(I)テトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート
[Ir(cod)2]BF4: ビス(1,5-シクロオクタジエン)イリジウム(I)テトラフルオロボレート
[IrCl(cod)]2: クロロ(1,5-シクロオクタジエン)イリジウム(I)ダイマー
[IrOMe(cod)]2: (1,5-シクロオクタンジエン)メトキシイリジウム(I)のダイマー
Ir(acac)(cod): (アセチルアセトナト)(1,5シクロオクタンジエン)イリジウム(I)
Pd(OCOCF3)2: ジ(トリフルオロ酢酸)パラジウム
Pd(OAC)2: 酢酸パラジウム(II)
(R)-(S)-Josiphos(SL-J001-1): (R)-(-)-1-[(S)-2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン
SL-M001-1: (αR,αR)-2,2’-ビス(α-N,N-ジメチルアミノフェニルメチル)-(S,S)-1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
SL-W001-1: (R)-1-[(R)-2-(2’-ジフェニルホスフィノフェニル)フェロセニル]エチルジ(ビス-3,5-トリフルオロメチルフェニル)ホスフィン
SL-W002-1: (R)-1-[(R)-2-(2’-ジフェニルホスフィノフェニル)フェロセニル]エチルジフェニルホスフィン
SL-W003-1: (R)-1-[(R)-2-(2’-ジフェニルホスフィノフェニル)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン
SL-T001-1: (S)-1-ジフェニルホスフィノ-2-[(R)-α-(N,N-ジメチルアミノ)-o-ジフェニルホスフィノフェニル-メチル]フェロセン
SL-T002-1: (S)-1-ジシクロヘキシルホスフィノ-2-[(R)-α-(N,N-ジメチルアミノ)-o-ジシクロヘキシルホスフィノフェニル-メチル]フェロセン
SL-J004-1: (R)-1-[(1S)-2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジフェニルホスフィン
(S)(R)-SL-J002-02: (S)-1-[(R)-2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジt-ブチルホスフィン
(R)(S)-SL-J502-1: (R)-1-[(S)-2-(ジ-t-ブチルホスフィノ)フェロセニル]エチルジフェニルホスフィン
(R)(S)-SL-J009-1: (R)-1-[(S)-2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ-t-ブチルホスフィン
(R)(S)-SL-J005-1: (R)-1-[(S)-2-(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ3,5-キシリルホスフィン
(R)(S)-SL-J011-1: (R)-1-[(S)-2-[ジ-(4-トリフルオロメチルフェニル)ホスフィノ]フェロセニル]エチルジ-t-ブチルホスフィン
(R)(S)-SL-J013-1: (R)-1-[(S)-2-[ジ-(3,5-ジメチル-4-メトキシフェニル)ホスフィノ]フェロセニル]エチルジ-t-ブチルホスフィン
(R)(S)-SL-J014-1: (R)-1-[(S)-2-[ジ-(4-フルオロフェニル)ホスフィノ]フェロセニル]エチルジ-t-ブチルホスフィン
(R)(S)-SL-J212-1: (R)-1-[(S)-2-(ジ-2-フリルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ-t-ブチルホスフィン
(R)(S)-SL-J216-1: (R)-1-[(S)-2-(ジ-1-ナフチルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ-t-ブチルホスフィン
(R)(S)-SL-J202-1: (R)-1-[(S)-2-[ジ-(4-メトキシフェニル)ホスフィノ]フェロセニル]エチルジ-t-ブチルホスフィン
(R)(S)-SL-J203-1: (R)-1-[(S)-2-[ジ-(3,5-ジ-t-ブチル-4-メトキシフェニル)ホスフィノ]フェロセニル]エチルジ-t-ブチルホスフィン
(R)(S)-SL-J210-1: (R)-1-[(S)-2-[ジ-(3,5-ジ-トリフルオロメチルフェニル)ホスフィノ]フェロセニル]エチルジ-t-ブチルホスフィン
(S)(R)-SL-J210-2: (S)-1-[(R)-2-[ジ-(3,5-ジ-トリフルオロメチルフェニル)ホスフィノ]フェロセニル]エチルジ-t-ブチルホスフィン
(R,R)-Skewphos: (2R,4R)-(+)-2,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン
(R)-BINAP: (R)-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル
(R)-xylyl-BINAP: (R)-(+)-2,2'-ビス[ジ(3,5-キシリル)ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル
(S)-H8-BINAP: (S)-(-)-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-5,5',6,6',7,7',8,8'-オクタヒドロ-1,1'-ビナフチル
(R,R)-Me-Duphos: (-)-1,2-ビス[(2R,5R)-2,5-ジメチルホスホラノ]ベンゼン
(R,R)-Et-Duphos: (-)-1,2-ビス[(2R,5R)-2,5-ジエチルホスホラノ]ベンゼン
(R,R)-iPr-Duphos: (-)-1,2-ビス[(2R,5R)-2,5-ジイソプロピルホスホラノ]ベンゼン
(R,R)-Ph-BPE: (-)-1,2-ビス((2R,5R)-2,5-ジフェニルホスホラノ)エタン
(R)-Phanephos: (R)-(-)-4,12-ビス(ジフェニルホスフィノ)-[2.2]-パラシクロファン
(S)-xyl-Phanephos: (S)-(+)-4,12-ビス(ジ(3,5-キシリル)ホスフィノ)-[2.2]-パラシクロファン
(S,S)-Et-Ferrotane: (-)-1,1'-ビス[(2S,4S)-2,4-ジエチルホスホタノ]フェロセン
(R,R)-DIPAMP: (R,R)-1,2-ビス[(2-メトキシフェニル)フェニルホスフィノ]エタン
(R,R)-Quinox-P*: (R,R)-(-)-2,3-ビス(t-ブチルメチルホスフィノ)キノキサリン
(S)-DTBM-Segphos: (S)-(+)-5,5'-ビス[ジ(3,5-ジ-t-ブチル-4-メトキシフェニル)ホスフィノ]-4,4'-ビ-1,3-ベンゾジオキソール
(R)-C3-Tunephos: (R)-(-)-1,13-ビス(ジフェニルホスフィノ)-7,8-ジヒドロ-6H-ジベンゾ[f,h][1,5]ジオキソニン
(S)-MeO-BIPHEP: (S)-(-)-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-6,6'-ジメトキシ-1,1'-ビフェニル
(S)-ShiP: フェニル-[(S)-1,1-スピロビインダン-7,7-ジイル]ホスファイト
(S)-MOP: (S)-(-)-2-ジフェニルホスフィノ-2'-メトキシ-1,1'-ビナフチル
(R)-QuINAP: (R)-1-[2-(ジフェニルホスフィノ)-1-ナフチル]イソキノリン
(S)-Monophos: (S)-(+)-(3,5-ジオキサ-4-ホスファ-シクロヘプタ[2,1-a;3,4-a']ジナフタレン-4-イル)ジメチルアミン
(S)-Me-Monophos: (S)-(+)-(2,6-ジメチル-3,5-ジオキサ-4-ホスファ-シクロヘプタ[2,1-a;3,4-a']ジナフタレン-4-イル)ジメチルアミン
(R,R)-Taddol-type: (3aR,8aR)-(-)-(2,2-ジメチル-4,4,8,8-テトラフェニル-テトラヒドロ-[1,3]ジオキソロ[4,5-e][1,3,2]ジオキサホスフェピン-6-イル)ジメチルアミン
(S)-BnMe: (S)-(+)-(3,5-ジオキサ-4-ホスファ-シクロヘプタ[2,1-a;3,4-a']ジナフタレン-4-イル)ベンジル(メチル)アミン
(S,R,R)-alpha-phenethyl: (S)-(+)-(3,5-ジオキサ-4-ホスファ-シクロヘプタ[2,1-a;3,4-a']ジナフタレン-4-イル)ビス[(1R)-1-フェニルエチル]アミン
(S)-Et-Monophos: (S)-(+)-(2,6-ジメチル-3,5-ジオキサ-4-ホスファ-シクロヘプタ[2,1-a;3,4-a']ジナフタレン-4-イル)ジエチルアミン
(S)-Morphos: (S)-(+)-(3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a;3,4-a']ジナフタレン-4-イル)モルホリン
(S)-alpha-phenethylH: (S)-(+)-(3,5-ジオキサ-4-ホスファ-シクロヘプタ[2,1-a;3,4-a']ジナフタレン-4-イル)[(1R)-1-フェニルエチル]アミン
(S)-Pipphos: (S)-(+)-(3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a;3,4-a']ジナフタレン-4-イル)ピペリジン
(S)-H8-Monophos: (S)-(+)-(8,9,10,11,12,13,14,15-オクタヒドロ-3,5-ジオキサ-4-ホスファ-シクロヘプタ[2,1-a;3,4-a']ジナフタレン-4-イル)ジメチルアミン
(R,R)-cataciumM(R): (-)-2,3-ビス[(2R,5R)-2,5-ジメチルホスホラノ]マレイン酸無水物
cataASium T3: (+)-{4-[(1R,4S)-3-(ジフェニルホスフィノ)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプテンhept-2-en-2-イル]-2,5-ジメチル-3-チエニル}ビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィン
(R,R)-Norphos: (2R,3R)-(-)-2,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン
(R)-iPr-PHOX: (R)-(+)-2-[2-(ジフェニルホスフィノ)フェニル]-4-イソプロピル-2-オキサゾリン
DMF: N,N-ジメチルホルムアミド
CPME: シクロペンチルメチルエーテル
DME: ジメチルエーテル
MeCN: アセトニトリル
AcOH: 酢酸
EtOH: エタノール
NBS: N-ブロモスクシンイミド
Et3N: トリエチルアミン
EDC: 1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド塩酸塩
HOBT: 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
DMAc: N,N-ジメチルアセトアミド
1-BuOH: n-ブタノール
IPA: 2-プロパノール
DMSO: ジメチルスルホオキシド
THF: テトラヒドロフラン
DCM: ジクロロメタン
MeOH: メタノール
p-TsOH: p-トルエンスルホン酸
TMSCl: クロロトリメチルシラン
DCE: 1,2-ジクロロエタン
Et3SiH: トリエチルシラン
(S)-MA: (S)-マンデル酸
MS4A: モレキュラーシーブス4A
TMEDA: テトラメチルエチレンジアミン
AHN: アンモニウム2-ヒドロキシニコチネート
APC: アンモニウムピコリネート
ATFA: アンモニウムトリフルオロアセテート
(-)-CSA: (-)-10-カンファースルホン酸
Figure 0007102233000045
以下の参考例および実施例において、核磁気共鳴スペクトル(NMR)は以下の条件により測定した。
1H核磁気共鳴スペクトル(1H NMR):ブルカー社製BRUKER AVANCE 500(500MHz)、内部標準物質:テトラメチルシラン
13C核磁気共鳴スペクトル(13C NMR):ブルカー社製BRUKER AVANCE 500(125MHz)、内部標準物質:CDCl3
19F核磁気共鳴スペクトル(19F NMR):ブルカー社製BRUKER AVANCE 500(202MHz)、外部標準物質:トリフルオロ酢酸
31P核磁気共鳴スペクトル(31P NMR):ブルカー社製BRUKER AVANCE 500(471MHz)、外部標準物質:85%-H3PO4水溶液
参考例1
2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000046
100mL 4つ口ナスフラスコに、2-アセチル-1,3-チアゾール-5-カルボン酸(24.7 g)、1,2-ジメトキシエタン(43 mL)、N,N-ジメチルホルムアミド(0.047 g)、オキサリルクロライド(17.8 g)を加え、室温で2時間撹拌した(反応液1)。500mL 4つ口ナスフラスコに、5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-アミン塩酸塩(30.0 g)、アセトニトリル(96 mL)、ピリジン(30.8 g)を加え、5℃付近に冷却した(反応液2)。35℃以下で反応液1を反応液2へ添加したのち、1,2-ジメトキシエタン(15 mL)を加えた。室温で1時間撹拌した後、50℃付近に昇温して1時間撹拌した。50℃付近で水(210 mL)を加えた後、室温に冷却して30分間撹拌した。晶析物をろ別し、アセトニトリル(22.5 mL)と水(67.5 mL)の混合溶液で洗浄した後、水(180 mL)で洗浄した。50℃で減圧乾燥して標題化合物を取得した。淡褐色粉末、43.4 g、収率96%、純度99.0%(HPLC)。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(面積百分率)
カラム:Inertsil ODS-3 5μm、4.6 mm i.d.×150 mm
UV検出波長:254 nm
カラム温度:25℃
移動相:
Figure 0007102233000047
流速:1.0 mL/min
保持時間:8.9 min (標題化合物)
1H NMR (DMSO-d6) δ 2.67(s, 3H), 8.58(s, 1H), 8.80(s, 1H), 9.00(s, 1H), 12.00(s, 1H). HRMS (ESI) calcd for C12H8ClF3N3O2S [(M+H)+] 349.9972, found 349.9977. m.p. 165℃.
参考例2
(E)-2-(1-(ベンズヒドリルイミノ)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000048
ディーンスタークトラップを取り付けた300mL 4つ口ナスフラスコに、2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド(40.0 g)、エタノール(200 mL)、ベンズヒドリルアミン(23.1 g)、酢酸(1.96 mL)を加え、6.5時間加熱還流した。室温に冷却した後、1時間撹拌した。晶析物をろ別し、エタノール(100 mL)で洗浄した後、50℃で減圧乾燥して結晶を取得した。2L 4つ口ナスフラスコに、取得した結晶全量(59.4 g)、トルエン(300 mL)を加え、60 mLの溶媒を留去するまで加熱還流した。残渣にトルエン(60 mL)を加えた後、60 mLの溶媒を留去するまで加熱還流する操作を合計3回行った。80 ℃付近でN-ヘプタン(900 mL)を加えた後、室温に冷却して1時間撹拌した。晶析物をろ別し、トルエン(40 mL)とN-ヘプタン(200 mL)の混合溶液で洗浄した。60℃で減圧乾燥して標題化合物を取得した。白色粉末、51.4 g、収率87%、純度99.7%(HPLC)。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(面積百分率)
カラム:Inertsil C8-4、HP 3μm、4.6 mm i.d.×150 mm
UV検出波長:254 nm
カラム温度:25℃
移動相:
Figure 0007102233000049
流速:1.0 mL/min
保持時間:20.8 min (標題化合物)
1H NMR (CDCl3) δ 2.46(s, 3H), 5.90(s, 1H), 7.24(m, 2H), 7.33(m, 4H), 7.45(m, 4H), 8.36(s, 1H), 8.43(brs, 1H), 8.44(s, 1H), 8.69(s, 1H). HRMS (ESI) calcd for C25H19ClF3N4OS [(M+H)+] 515.0915, found 515.0914. m.p. 175℃.
実施例1
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (S)-マンデル酸塩の合成
Figure 0007102233000050
1Lオートクレーブに、(E)-2-(1-(ベンズヒドリルイミノ)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド(45.0 g)、[Ir(cod)2]BARF(0.167 g)、(S)-Monophos(0.104 g)を加えた。オートクレーブ内を減圧にした後にアルゴン置換し、脱水ジクロロメタン(500 mL)を加えた。室温で10分間撹拌後、水素を0.65MPaまで加圧した。50℃付近に加熱し、水素を0.80MPaまで加圧して24時間撹拌した。室温まで冷却後に水素を解圧し、アルゴンに置換した。減圧濃縮後、アセトニトリル(135 mL)を加えた後に減圧濃縮した。アセトニトリル(135 mL)、水(22.5 mL)を加えた後、N-ブロモスクシンイミド(17.1 g)を室温で加えて18時間撹拌した。トリエチルアミン(9.73 g)、アセトニトリル(900 mL)を室温で加えた後、アセトニトリル(270 mL)に溶解した(S)-マンデル酸(16.0 g)を室温で滴下した。晶析物をろ別し、アセトニトリル(180 mL)で洗浄した。50℃で減圧乾燥して標題化合物を取得した。白色粉末、32.9 g、収率75%、純度99.9%(HPLC)、光学純度98.6%de(キラルHPLC)。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(面積百分率)
カラム: L-column2 ODS、S-5μm、4.6 mm i.d.×250 mm
UV検出波長:220 nm
カラム温度:25℃
移動相:
Figure 0007102233000051
流速:1.0 mL/min
保持時間:14.9 min (標題化合物)
高速液体クロマトグラフィー分析条件(光学純度)
カラム: CROWNPAK CR-I(+)、S-5 μm、3.0 mm i.d..×150 mm
UV検出波長:305 nm
カラム温度:25℃
移動相:
Figure 0007102233000052
流速:0.5 mL/min
保持時間:5.2 min (R), 8.1 min (S)
1H NMR (DMSO-d6) δ 1.43(d, J = 6.5 Hz, 3H), 4.33(m, 1H), 4.91(s, 1H), 7.25(m, 1H), 7.32(m, 1H), 7.40(m, 1H), 8.59(s, 1H), 8.73(s, 1H), 8.77(s, 1H), 11.66(brs, 1H). m.p. 152℃.
実施例2
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000053
500mL 4つ口ナスフラスコに、水(145 mL)、炭酸水素ナトリウム(8.35 g)、アセトニトリル(145 mL)、2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド(S)-マンデル酸塩(25.0 g)を加え、室温で15分間撹拌した。活性炭素白鷺A(2.5 g)を加えて室温で15分間撹拌した。活性炭素をろ別した後、アセトニトリル(12.5 mL)と水(12.5 mL)の混合溶液で洗浄した。ろ洗液に室温で水(250 mL)を加えた後、室温で1時間撹拌した。晶析物をろ別し、水(300 mL)で洗浄した。50℃で減圧乾燥して標題化合物を取得した。白色粉末、15.1 g、収率87%、純度99.9%(HPLC)。光学純度98.6%ee(キラルHPLC)。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(面積百分率)
カラム: L-column2 ODS、S-5μm、4.6 mm i.d.×250 mm
UV検出波長:220 nm
カラム温度:25℃
移動相:
Figure 0007102233000054
流速:1.0 mL/min
保持時間:14.9 min (標題化合物)
高速液体クロマトグラフィー分析条件(光学純度)
カラム: CROWNPAK CR-I(+)、S-5 μm、3.0 mm i.d..×150 mm
UV検出波長:305 nm
カラム温度:25℃
移動相:
Figure 0007102233000055
流速:0.5 mL/min
保持時間:5.2 min (R), 8.1 min (S)
1H NMR (DMSO-d6) δ 1.39(d, J = 7.0 Hz, 3H), 4.21(q, J = 7.0 Hz, 1H), 8.59(s, 1H), 8.70(s, 1H), 8.76(s, 1H), 11.59(brs, 1H). HRMS (ESI) calcd for C12H11ClF3N4OS [(M+H)+] 351.0289, found 351.0290. m.p. 154℃.
実施例3
6-アミノ-5-クロロ-N-((1R)-1-(5-((5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-1,3-チアゾール-2-イル)エチル)ピリミジン-4-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000056
500mL 4つ口ナスフラスコに、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(1.31 g)、6-アミノ-5-クロロピリミジン-4-カルボン酸(8.16 g)、2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド(15.0 g)、N,N-ジメチルアセトアミド(75 mL)を加えた後、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(8.61 g)を加えて室温で4時間撹拌した。室温でn-ブタノール(75 mL)を加え55℃付近に加熱した後、水(180 mL)を加えて40分間撹拌した。55℃付近で水(45 mL)を加えた後に室温に冷却して30分間撹拌した。晶析物をろ別し、水(150 mL)で洗浄した。60℃で減圧乾燥して標題化合物を取得した。白色粉末、19.1 g、収率88%、純度99.9%(HPLC)。光学純度96.1%ee(キラルHPLC)。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(面積百分率)
カラム: Waters XTerra RP18、5 μm、3.9×150 mm
UV検出波長:254 nm
カラム温度:30℃
移動相:
Figure 0007102233000057
流速:0.6 mL/min
保持時間:16.0 min (標題化合物)
高速液体クロマトグラフィー分析条件(光学純度)
カラム: CHIRALPAK IC-3、3 μm、4.6×150 mm
UV検出波長:277 nm
カラム温度:40℃
移動相:ギ酸水溶液(pH 2.0)/アセトニトリル=6/4
流速:1.0 mL/min
保持時間:14.1 min (R), 16.7 min (S)
1H NMR (DMSO-d6) δ 1.59(d, J = 7.0 Hz, 3H), 5.35(m, 1H), 7.41(brs, 1H), 7.81(brs, 1H), 8.37(s, 1H), 8.58(s, 1H), 8.76(s, 1H), 8.78(s, 1H), 9.51(d, J = 8.0 Hz, 3H), 11.76(s, 1H). HRMS (ESI) calcd for C17H13Cl2F3N7O2S [(M+H)+] 506.0175, found 506.0175. m.p. 206℃.
実施例4
6-アミノ-5-クロロ-N-((1R)-1-(5-((5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-1,3-チアゾール-2-イル)エチル)ピリミジン-4-カルボキサミドの精製
Figure 0007102233000058
200mL 4つ口ナスフラスコに、6-アミノ-5-クロロ-N-((1R)-1-(5-((5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-1,3-チアゾール-2-イル)エチル)ピリミジン-4-カルボキサミド(15.0 g)、ジメチルスルホキシド(25.5 mL)、2-プロパノール(102 mL)を加え、75℃付近に加熱した。除塵ろ過後にジメチルスルホキシド(4.5 mL)と2-プロパノール(18 mL)の混合溶液で洗浄した。75℃付近でろ洗液に水(45 mL)を加えた後、6-アミノ-5-クロロ-N-((1R)-1-(5-((5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-1,3-チアゾール-2-イル)エチル)ピリミジン-4-カルボキサミド種晶(15.0 mg)を添加して30分間撹拌した。45℃付近に冷却した後、1時間撹拌した。75℃付近に加熱した後に水(90 mL)を加え、室温に冷却して1時間撹拌した。晶析物をろ別し、2-プロパノール(150 mL)で洗浄した。60℃で減圧乾燥して標題化合物を取得した。白色粉末、13.8 g、収率91%、純度99.9%(HPLC)。光学純度97.5%ee(キラルHPLC)。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(面積百分率)
カラム: Waters XTerra RP18、5 μm、3.9×150 mm
UV検出波長:254 nm
カラム温度:30℃
移動相:
Figure 0007102233000059
流速:0.6 mL/min
保持時間:16.0 min (標題化合物)
高速液体クロマトグラフィー分析条件(光学純度)
カラム: CHIRALPAK IC-3、3 μm、4.6×150 mm
UV検出波長:277 nm
カラム温度:40℃
移動相:ギ酸水溶液(pH 2.0)/アセトニトリル=6/4
流速:1.0 mL/min
保持時間:14.1 min (R), 16.7 min (S)
1H NMR (DMSO-d6) δ 1.59(d, J = 7.0 Hz, 3H), 5.35(m, 1H), 7.41(brs, 1H), 7.81(brs, 1H), 8.37(s, 1H), 8.58(s, 1H), 8.76(s, 1H), 8.78(s, 1H), 9.51(d, J = 8.0 Hz, 3H), 11.76(s, 1H). HRMS (ESI) calcd for C17H13Cl2F3N7O2S [(M+H)+] 506.0175, found 506.0175. m.p. 206℃.
実施例5
2-((1R)-1-(ベンズヒドリルアミノ)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000060
10Lオートクレーブに、(E)-2-(1-(ベンズヒドリルイミノ)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド(290.66 g)、[Ir(cod)2]BARF (1.44 g)、(S)-MONOPHOS (0.89 g)を加えた。オートクレーブ内を-0.90 MPa以下の減圧にしアルゴンで0.1 MPa程度に復圧した。この操作を合計7回行った。オートクレーブ内を常圧にした後、有機合成用脱水ジクロロメタン(3 L)をアルゴン圧送にて加えた。10分間撹拌し、撹拌を停止後、水素を0.1 MPa加圧し常圧に放圧した。この操作を合計10回行った。水素を0.90 MPaまで加圧後、内温50℃で23時間撹拌した。内温約20℃付近まで冷却後に水素を解圧し、アルゴンに置換後、反応液を取り出した。反応液を減圧下で濃縮後に標題化合物を取得した。褐色油状物、304.77 g、収率104.5%、HPLC面積百分率99.3%、光学純度89.9% ee。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(面積百分率)
カラム:YMC-Pack ODS-A (株式会社ワイエムシィ社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=8/2
流速:1.0 mL/min
保持時間:6.9 min (標題化合物), 9.3 min (基質)
高速液体クロマトグラフィー分析条件(光学純度)
カラム:CHIRALCEL OJ-RH(ダイセル化学工業株式会社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=8/2
流速:1.0 mL/min
保持時間:8.8 min (S), 14.3 min (R)
実施例6
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド 臭化水素酸塩の合成
Figure 0007102233000061
120mLオートクレーブに、(E)-2-(1-(ベンズヒドリルイミノ)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド(5.00 g)、[Ir(cod)2]BARF (0.0247 g)、(S)-MONOPHOS (0.0154 g)を加えた。オートクレーブ内を減圧にしアルゴンで復圧した。この操作を合計7回行った。オートクレーブ内を常圧にした後、有機合成用脱水トルエン(50 mL)をアルゴン圧送にて加えた。水素を0.1 MPa加圧し常圧に放圧した。この操作を合計10回行った。水素を1.20 MPaまで加圧後、内温80℃で18時間撹拌した。内温約20℃付近まで冷却後に水素を解圧し、アルゴンに置換した。室温付近で反応液を2時間撹拌した後、不溶物をろ別した。不溶物をトルエン(10 mL)で洗浄した。ろ洗液に水(0.874 mL)及びN-ブロモスクシンイミド(1.73 g)を室温付近で加え、19時間撹拌した。晶析物をろ別しトルエン(30 mL)で洗浄した。60℃で減圧乾燥後に標題化合物を取得した。黄色粉末、3.86 g、収率92.1%、純度74.4%、光学純度98.5% ee。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(純度)
カラム:YMC-Pack ODS-A (株式会社ワイエムシィ社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=8/2
流速:1.0 mL/min
保持時間:2.6 min (標題化合物), 9.3 min (原料)
高速液体クロマトグラフィー分析条件(光学純度)
カラム:CHIRALPAK IA(ダイセル化学工業株式会社製)、 4.6*250 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/高速液体クロマトグラフィー用メタノール/高速液体クロマトグラフィー用蒸留水=80/15/5
流速:2.0 mL/min
保持時間:10.2 min (R), 14.4 min (S)
1H NMR (DMSO-d6) δ 1.67 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 5.01 (brs, 1H), 8.58 (s, 1H), 8.75 (brs, 3H), 8.80 (s, 1H), 8.90 (s, 1H), 11.88 (s, 1H).
実施例7
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (S)-マンデル酸塩の合成
Figure 0007102233000062
50 mLシュレンクフラスコに、2-((1R)-1-((ベンズヒドリルアミノ)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (1.00 g)ならびに三塩化アルミニウム (0.516 g)を加えた。シュレンク内を減圧にし、アルゴンで復圧した。この操作を3回行った。アルゴン雰囲気下、ジクロロメタン(20 mL)とトリエチルシラン(0.924 mL)を加え、反応混合物を80℃で23時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却後、30wt%の水酸化ナトリウム水溶液(20 mL)で反応を停止した。混合物にTHFを加え、抽出操作を3回行った。得られた有機層をまとめ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥し、減圧濃縮することで淡黄色固体を得た。これをアセトニトリル(13.5 mL)に懸濁させ、50℃に加熱した。(S)-マンデル酸 (0.294 g)を50℃にて加え、15分間加熱還流した。混合物を室温まで冷却し、同温にて1.5時間撹拌した。析出物をグラスフィルターでろ過したのち、得られた白色固体をアセトニトリル (3.5 mL)で洗浄し、50℃で2時間減圧乾燥することで、標題化合物0.655 gを得た。収率68%。HPLC面積百分率100%。99.3% de。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(HPLC面積百分率)
カラム:YMC-Pack ODS-A (株式会社ワイエムシィ社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=8/2
流速:1.4 mL/min
保持時間: 1.6 min. (標題化合物); 5.5 min. (原料)
高速液体クロマトグラフィー分析条件(光学純度)
カラム:IA (ダイセル化学工業株式会社製)、4.6*250 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/メタノール/水=80/15/5
流速:2.0 mL/min
カラム内温度: 40℃
保持時間: 11.4 min. (R体); 16.4 min. (S体)
1H NMR (DMSO-d6) δ 1.40 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 4.26 (q, J = 6.5 Hz, 1H), 4.72 (s, 1H), 7.18-7.22 (m, 1H), 7.25-7.29 (m, 2H), 7.36-7.40 (m, 2H), 8.59 (s, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.77 (s, 1H).
実施例8
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド 塩酸塩の合成
Figure 0007102233000063
50 mLシュレンクフラスコに、2-((1R)-1-((ベンズヒドリルアミノ)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (0.80 g)を加え、シュレンク内を減圧にし、アルゴンで復圧した。この操作を3回行った。アルゴン雰囲気下、ジクロロメタン(16 mL)を加えた。この溶液を氷浴で冷却し、N-ブロモスクシンイミド (0.414 g)を加えた。反応混合物を0℃で1時間、次いで室温で2時間撹拌したのち、15wt%の水酸化ナトリウム水溶液(40 mL)で反応を停止した。混合物をジクロロメタンで3回抽出した。得られた有機相をブラインで洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮することで淡黄色固体を得た。これをアセトニトリル(6 mL)中に加え、0℃で30分間撹拌した後、生じた固体をろ別することで、0.524 gのイミン体を収率66%で得た。このものをアセトニトリル/水=20/1 (3.78 mL)に懸濁させ、室温にて1 mol/L塩化水素-エーテル溶液(1.02 mL)を加えた。混合物を室温にて15時間撹拌した後、桐山ロートでろ過することで白色固体を得た。このものをアセトニトリル (2 mL)で洗浄し、50℃で8時間減圧乾燥することで、標題化合物を2段階収率63%で得た。このものにはベンゾフェノン2%の残存が1H NMRによる分析で確認された。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(HPLC面積百分率)
カラム:YMC-Pack ODS-A (株式会社ワイエムシィ社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=8/2
流速:1.4 mL/min
保持時間: 1.6 min. (標題化合物); 2.3 min.(ベンゾフェノン); 5.5 min. (原料)
高速液体クロマトグラフィー分析条件(光学純度)
カラム:IA (ダイセル化学工業株式会社製)、4.6*250 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/メタノール/水=80/15/5
流速:2.0 mL/min
カラム内温度: 40℃
保持時間: 11.4 min. (R体); 16.4 min. (S体)
1H NMR (DMSO-d6) δ 1.65 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 4.92 (q, J = 6.5 Hz, 1H), 8.58 (s, 1H), 8.80 (s, 1H), 8.88 (s, 1H), 8.91 (br, 3H), 11.89 (s, 1H).
実施例9-54
2-((1R)-1-((ベンズヒドリルアミノ)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000064
試験管に、(E)-2-(1-(ベンズヒドリルイミノ)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (0.0386 g)、触媒 (s/c=20相当)、配位子 (イリジウム触媒に対して1.1もしくは2.2当量)を加えた。試験管をオートクレーブにセットし、オートクレーブ内を減圧にし窒素で復圧した。この操作を合計3回行った。オートクレーブ内を常圧にした後、溶媒(0.75 mL)を加えた。水素を0.1 MPa加圧し常圧に放圧した。この操作を合計10回行った。水素を3.0 MPaまで加圧後、内温50℃で2時間撹拌した。内温約20℃付近まで冷却後に水素を解圧し、HPLCにて転換率ならびにエナンチオマー過剰率を測定した。結果を表9に示す。
なお、転換率(本明細書の表中では変換率ともいう)は以下の式にて算出できる。
転換率=100×目的化合物/(目的化合物+原料)
(式中、目的化合物および原料は、それぞれの高速液体クロマトグラフィーにおける面積を示す。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(HPLC面積百分率)
カラム:YMC-Pack ODS-A (株式会社ワイエムシィ社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=8/2
流速:1.4 mL/min
保持時間: 5.5 min. (標題化合物), 7.2 min. (原料).
高速液体クロマトグラフィー分析条件(光学純度)
カラム:OJ-RH (ダイセル化学工業株式会社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=8/2
流速:1.2 mL/min
保持時間: 8.3 min. (S体), 13.6 min. (R体).
1H NMR (CDCl3) δ 1.56 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 2.19 (s, 1H), 4.05 (q, J = 6.5 Hz, 1H), 4.98 (s, 1H), 7.19-7.24 (m, 1H), 7.27-7.32 (m, 3H), 7.33-7.44 (m, 6H), 8.26 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 8.44 (s, 1H), 8.69 (s, 1H).
Figure 0007102233000065
Figure 0007102233000066
Figure 0007102233000067
参考例3
(E)-2-(1-(ビス(4-メトキシフェニル)メチル)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000068
200mL4つ口ナスフラスコに、2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド(13.00 g)、4,4'-ジメトキシベンズヒドリルアミン(10.00 g)、エタノール(65 mL)、ならびに酢酸(0.642 mL)を加え、窒素雰囲気、加熱還流下で8時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、エタノール10 mLを加えてろ過した。残留した白色固体をエタノール30 mLで洗浄し、洗液を併せて減圧濃縮し、固形物を得た。このものにトルエン80 mLを加え、99℃に加熱した。ヘキサン190 mLを73~99℃で滴下した後、73℃(還流温度)でさらに10分間撹拌した後、室温まで冷却し、生成した結晶を室温にて熟成した。結晶をろ過し、ヘキサンとトルエンの1:3混合溶媒60 mLで洗浄した後、60℃にて減圧乾燥することで、標題化合物(16.57 g、収率77%)を淡褐色固体として得た。
1H NMR (CDCl3) δ 2.45 (s, 3H), 3.78 (s, 6H), 5.82 (s, 1H), 6.86 (d, J = 9.0 Hz, 4H), 7.33 (d, J = 9.0 Hz, 4H), 8.36 (s, 1H), 8.44 (s, 1H), 8.57 (bs, 1H), 8.69 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 14.62, 55.26, 67.42, 111. 89 (q, J = 5.4 Hz), 114.01, 121.45 (q, J = 275.2 Hz), 124.06, 128.30, 135.16, 135.91, 137.81 (q, J = 32.7 Hz), 145.41, 149.48, 149.92, 158.68, 158.81, 159.67, 176.60.
参考例4
(E)-2-(1-(2-ベンゾイルヒドラゾノ)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000069
50 mL4つ口ナスフラスコに、2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (1.00 g)、ベンゾイルヒドラジン (0.408 g )、ならびに p-トルエンスルホン酸一水和物 (0.0272 g) を加えた。窒素雰囲気下、メタノール (15 mL)を加え、60oC.にて1時間撹拌した。 反応混合物を水浴にて冷却し、析出物をグラスフィルターにてろ過した。生成した白色固体をメタノール(5 mL)で洗浄し、50℃にて減圧乾燥し、1.21 gの標題化合物を得た。 収率91%、HPLC面積百分率99.3%。 E/Z 異性体比 11/1。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(面積百分率)
カラム:YMC-Pack ODS-A (株式会社ワイエムシィ社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=8/2
流速:1.0 mL/min
保持時間:1.47 min. (ベンゾイルヒドラジン), 4.36 min. (標題化合物), 4.48 min. (原料)
1H NMR (DMSO-d6) δ 2.48 (s, 3H), 7.50-7.57 (m, 2H), 7.58-7.65 (m, 1H), 7.81-7.94 (m, 2H), 8.59 (s, 1H), 8.78 (s, 1H), 8.86 (s, 1H), 11.22 (bs, 1H), 11.81 (bs, 1H).
参考例5
(E)-(S)-tert-ブチル 2-(1-(5-((5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-1,3-チアゾール-2-イル)エチリデン)ヒドラジンカルボキシレートの合成
Figure 0007102233000070
100mL4つ口ナスフラスコに、2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (6.00 g)を加え、容器内を減圧し窒素で復圧した。この操作を3回行った。窒素雰囲気下、トルエン (18 mL)、酢酸 (3.6 mL)ならびにtert-ブトキシカルボニルヒドラジン (0.408 g )を加え、60℃にて2時間撹拌した。 反応混合物を水浴にて冷却すると、目的物が析出した。混合物を室温にてさらに1時間熟成したのち、析出物をグラスフィルターにてろ過した。生成した白色固体をトルエン/ヘキサン=1/1 (50 mL)で洗浄し、50℃にて減圧乾燥し、7.18 gの標題化合物を得た。 収率89%、HPLC面積百分率 93.9%。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(面積百分率)
カラム:YMC-Pack ODS-A (株式会社ワイエムシィ社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=7/3
流速:1.0 mL/min
保持時間:4.48 min. (原料); 5.66 min. (標題化合物)
1H NMR (DMSO-d6) δ 1.51 (s, 9H), 2.31 (s, 3H), 8.58 (s, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.80 (s, 1H), 10.46 (s, 1H), 11.74 (s, 1H); 13C NMR (DMSO-d6) δ 12.59, 27.95, 80.33, 111.81 (q, J = 5.4 Hz), 121.58 (q, J = 274.3 Hz), 121.62, 134.85, 135.32 (q, J = 31.8 Hz), 145.51, 149.70, 151.33, 152.23, 159.69, 172.44; 19F NMR (DMSO-d6) δ -63.81.
参考例6
(E)-2-(1-(ベンジルイミノ)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000071
100 mL4つ口ナスフラスコに、2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (6.00 g)を加えた。窒素雰囲気下、トルエン(30 mL)、ベンジルアルコール(1.97 mL)ならびに酢酸 (0.196 mL)を加え、90oCにて2時間撹拌した。 反応混合物を室温まで冷却し、減圧下濃縮した。粗目的物をヘキサン/酢酸エチル=9/1 (60 mL)に懸濁させ、90℃にて加熱溶解させ、0℃まで冷却して結晶を析出させた。0℃にて30分間熟成後、析出物をグラスフィルターにてろ過した。生成した淡いオレンジ色固体をヘキサン/酢酸エチル=9/1 (30 mL)で洗浄し、50℃にて減圧乾燥し、6.83 gの標題化合物を得た。 収率91%、HPLC面積百分率 84.7%。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(面積百分率)
カラム:YMC-Pack ODS-A (株式会社ワイエムシィ社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=8/2
流速:1.0 mL/min
保持時間: 4.48 min. (原料)、16.4 min.(標題化合物)
参考例7
(E)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-2-(1-((4-メトキシベンジル)イミノ)エチル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000072
100 mL4つ口ナスフラスコに、2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (6.00 g)を加えた。窒素雰囲気下、トルエン(30 mL)、4-メトキシベンジルアミン (2.35 mL)ならびに酢酸 (0.196 mL)を加え、85oCにて2時間撹拌した。 反応混合物を室温まで冷却し、減圧下濃縮した。粗目的物をエタノール(48 mL)に懸濁させ、70℃にて加熱溶解させ、室温まで冷却して結晶を析出させた。析出物をグラスフィルターにてろ過し、エタノール (20 mL)で洗浄し、60℃にて減圧乾燥することで、5.64 gの標題化合物を単一の異性体として得た。淡オレンジ色固体、収率70%、HPLC面積百分率 99.4%。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(HPLC面積百分率)
カラム:YMC-Pack ODS-A (株式会社ワイエムシィ社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=7/3
流速:1.0 mL/min
保持時間: 4.7 min (原料); 11.2 min. (標題化合物).
1H NMR (CDCl3) δ 2.47 (s. 3H), 3.82 (s, 3H), 4.74 (s, 2H), 6.92 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.33 (d, J -= 8.5 Hz, 2H), 8.37 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.44 (s, 1H), 8.67 (s, 1H).
参考例8
(E)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-2-(1-((2,4-ジメトキシベンジル)イミノ)エチル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000073
参考例7と同様の手法にて、6.81 gの標題化合物を単一の異性体として得た。黄色固体、収率75%、HPLC面積百分率96.2%。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(HPLC面積百分率)
カラム:YMC-Pack ODS-A (株式会社ワイエムシィ社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=7/3
流速:1.0 mL/min
保持時間: 4.7 min (原料); 12.1 min. (標題化合物).
1H NMR (CDCl3) δ 2.47 (s. 3H), 3.82 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 4.70 (s, 2H), 6.49 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 6.52 (dd, J = 8.5, 2.5 Hz, 1H), 7.36 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.37 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 8.43 (s, 1H), 8.68 (s, 1H).
参考例9
(E)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-2-(1-((4-メトキシフェニル)イミノ)エチル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000074
50 mL4つ口ナスフラスコに、2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (1.00 g)、p-トルエンスルホン酸一水和物 (0.0272 g)ならびにp-アニシジン (0.369 g)を加えた。窒素雰囲気下、トルエン(6 mL)を加え、90oCにて18時間撹拌した。 反応混合物を室温まで冷却し、減圧下濃縮した。粗目的物をエタノール (10 mL)に懸濁させ、65℃にて加熱溶解させた。水 (10 mL)を同温度にて滴下し、室温まで冷却した。得られた赤褐色懸濁液を、室温にて30分撹拌後、析出物をグラスフィルターにてろ過し、エタノール/水=1/1 (10 mL)で洗浄し、50℃にて減圧乾燥することで、1.08 gの標題化合物を単一の異性体として得た。褐色固体、収率83%、HPLC面積百分率91.7%。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(HPLC面積百分率)
カラム:YMC-Pack ODS-A (株式会社ワイエムシィ社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=7/3
流速:1.0 mL/min
保持時間: 4.7 min. (原料); 28.0 min. (標題化合物).
1H NMR (DMSO-d6) δ 2.37 (s. 3H), 3.78 (s, 3H), 6.86-7.05 (m, 4H), 8.59 (s, 1H), 8.78 (s, 1H), 8.93 (s, 1H), 11.85 (s, 1H); 13C NMR δ 16.18, 55.22, 111.89, 114.19, 122.08 (q, J = 274.28 Hz), 121.79, 122.00, 135.36 (q, J = 32.7 Hz), 136.93, 141.46, 146.01, 149.74, 151.27, 156.78, 159.61, 160.61, 174.22; 19F NMR δ -63.81.
実施例55
2-((1R)-1-((ビス(4-メトキシフェニル)メチル)アミノ)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000075
120mLオートクレーブに、(E)-2-(1-((ビス(4-メトキシフェニル)メチル)イミノ)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (3.00 g)、[Ir(cod)2]BARF (0.0664 g)、(S)-MONOPHOS (0.0412 g)を加えた。オートクレーブ内を減圧にしアルゴンで復圧した。この操作を合計5回行った。オートクレーブ内を常圧にした後、有機合成用脱水ジクロロメタン(30 mL)をアルゴン圧送にて加えた。水素を0.1 MPa加圧し常圧に放圧した。この操作を合計10回行った。水素を1.0 MPaまで加圧後、内温50℃で24時間撹拌した。内温約20℃付近まで冷却後に水素を解圧し、アルゴンに置換した(転換率73.7%、光学純度93.7% ee)。減圧下で反応液を濃縮後にシリカゲルカラムにて精製し、標題化合物を取得した。淡褐色固体、1.54 g、収率50%、HPLC面積百分率96.2%。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(面積百分率)
カラム:YMC-Pack ODS-A (株式会社ワイエムシィ社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=8/2
流速:1.0 mL/min
保持時間:2.4 min (標題化合物)
1H NMR (CDCl3) δ 1.54 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 4.42 (q, J = 6.6 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 3.2 Hz, 1H).
13C NMR (CDCl3) δ 24.66, 49.65, 118.36, 142.38, 178.38.
実施例56
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド 塩酸塩の合成
Figure 0007102233000076
2-((1R)-1-((ビス(4-メトキシフェニル)メチル)アミノ)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (0.150 g)をアセトニトリル水9:1(3.0 mL)の混合溶媒に溶解させ、これに1 mol/L塩化水素-ジエチルエーテル溶液 (0.312 mL)を滴下した。混合物を50℃に昇温し、同温にて終夜撹拌した。室温まで冷却後、生成した結晶をろ過し標題化合物を取得した。無色固体、0.0776 g、収率77%。
実施例57-101
2-((1R)-1-(2-ベンゾイルヒドラジニル)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000077
試験管に、(E)-2-(1-(2-ベンゾイルヒドラゾノ)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (0.0702 g)、触媒(s/c=20相当)、配位子(触媒に対して1.1または2当量)、添加剤(実施例57-62については、カリウムブトキシドを基質に対して1当量、実施例63-101には加えなかった)を加えた。窒素雰囲気下、溶媒(1 mL)を加え、試験管をオートクレーブにセットした後、系内を水素でパージした。水素ガスを加えて5.0MPaに加圧し、50℃にて16時間撹拌した。反応液をHPLCにて分析し、標題化合物の生成を確認した。結果を表10に示す。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(光学純度)
カラム:OJ-RH (ダイセル化学工業株式会社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=1/1
流速:1.0 mL/min
保持時間: 5.4 min. (S体); 6.1 min. (R体); 7.6 min. (原料)
Figure 0007102233000078
Figure 0007102233000079
実施例102
2-((1S)-1-(2-ベンゾイルヒドラジニル)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000080
20 mLシュレンクフラスコに[Rh(cod)2]OTf (0.0020 g) ならびに(S)(R)-SL-J210-2 (0.0037 g) を加え、容器内を減圧にしアルゴンで復圧した。この操作を合計5回行った。容器内を常圧にした後、有機合成用脱水メタノール (20 mL)を加え、室温にて1時間撹拌した。一方、(E)-2-(1-(2-ベンゾイルヒドラゾノ)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (2.00 g)をオートクレーブに加えた。容器内を減圧にしアルゴンで復圧した。この操作を合計7回行った。容器内を常圧にした後、先に調製したロジウム触媒のメタノール溶液をアルゴン圧送にて加えた。シュレンク容器内をメタノール(20 mL)で洗浄し、洗液もアルゴン圧送にて加えた。水素を1.0 MPaまで加圧後、内温50℃で20時間撹拌した。内温約20℃付近まで冷却後に水素を解圧し、反応液をHPLCにて分析したところ、標題化合物が転換率99%以上、90%eeにて生成していた。反応混合物を濃縮し、黄色固体を得た。このものをアセトニトリル(4 mL)/ジイソプロピルエーテル(16 mL)に懸濁させ、60℃にて1時間撹拌したのち、室温に冷却し終夜撹拌した。析出物をグラスフィルターにてろ過し、アセトニトリル(2 mL)/ジイソプロピルエーテル(8 mL)で洗浄した。得られた固体を60℃にて減圧乾燥し、標題化合物を収率86%、91%eeにて取得した。HPLC面積百分率 98.3%。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(光学純度)
カラム:OJ-RH (ダイセル化学工業株式会社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=1/1
流速:1.0 mL/min
保持時間: 5.4 min. (S体); 6.1 min. (R体); 7.6 min. (原料)
1H NMR (CDCl3) δ 1.62 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 4.64 (qd, J --= 6.5, 2.0 Hz, 1H), 5.31 (dd, 1H), 7.43 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.53 (tt, J = 8.0, 1.5 Hz, 1H), 7.71 (dd, J = 8.0, 1.5 Hz, 2H), 7.84 (d, J = 5.5 Hz,1H), 8.29 (s, 1H), 8.43 (s, 1H), 8.67 (s, 2H); 19F NMR (CDCl3) δ -64.77; 13C NMR (CDCl3) δ 20.43, 59.12, 111.96 (q, J = 5.4 Hz), 121.4 (q, J = 275.2 Hz), 123.97, 126.96, 128.78, 132.16, 132.37, 133.55, 137.79 (q, J = 33.6 Hz), 144.67, 149.42, 150.04, 158.94, 168.02, 180.68.
実施例103
2-((1S)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド 塩酸塩の合成
Figure 0007102233000081
10 mLシュレンクフラスコに、2-((1S)-1-(2-ベンゾイルヒドラジニル)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (0.0500 g)ならびに亜鉛粉末 (0.0152 g) を加え、容器内を減圧にしアルゴンで復圧した。この操作を合計3回行った。メタノール (2.0 mL)とクロロトリメチルシラン(0.002 mL)を室温にて加えた。反応液が灰色に着色したのを確認後、安息香酸(0.029 g)を加え、反応混合物を室温にて17時間撹拌した。HPLCにて標題化合物が55.8% eeにて生成していることを確認した。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(光学純度)
カラム:OJ-H (ダイセル化学工業株式会社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:270 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用ヘキサン/イソプロピルアルコール/メタノール/ジエチルアミン=80/15/5/0.1
流速:1.0 mL/min
保持時間: 5.7 min.(S体); 8.6 min. (R体)
実施例104-111
tert-ブチル 2-((1S)-1-(5-((5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-1,3-チアゾール-2-イル)エチル)ヒドラジンカルボキシレートの合成
Figure 0007102233000082
試験管に、tert-ブチル 2-(1-(5-((5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)カルバモイル)-1,3-チアゾール-2-イル)エチリデン)ヒドラジンカルボキシレート(0.0696 g)、触媒(s/c=20相当)、配位子(触媒に対して1.1当量)を加えた。窒素雰囲気下、溶媒(1.5 mL)を加え、試験管をオートクレーブにセットした後、系内を水素でパージした。水素ガスを加えて1.0MPaに加圧し、50℃にて15時間撹拌した。反応液をHPLCにて分析し、標題化合物の生成を確認した。結果を表11に示す。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(光学純度)
カラム:OJ-RH (ダイセル化学工業株式会社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=1/1
流速:0.5 mL/min
保持時間: 12.8 min. (enantiomer-A); 14.6 min. (原料); 16.1 min. (enantiomer-B)
Figure 0007102233000083
実施例112-149
2-(1-(ベンジルアミノ)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000084
試験管に、(E)-2-(1-(ベンジルイミノ)エチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (0.0658 g)、触媒(s/c=20相当)、配位子(触媒に対して1.1または2当量)、添加剤(実施例113-118については、カリウムブトキシドを基質に対して1当量、実施例119-149には加えなかった)を加えた。窒素雰囲気下、溶媒(1 mL)を加え、試験管をオートクレーブにセットした後、系内を水素でパージした。水素ガスを加えて5.0MPaに加圧し、50℃にて20時間撹拌した。反応液をHPLCにて分析し、標題化合物の生成を確認した。結果を表12に示す。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(HPLC面積百分率)
カラム:YMC-Pack ODS-A (株式会社ワイエムシィ社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=7/3
流速:1.4 mL/min
保持時間: 7.2 min. (標題化合物); 12.0 min. (原料).
高速液体クロマトグラフィー分析条件(光学純度)
カラム:OJ-RH (ダイセル化学工業株式会社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=7/3
流速:1.0 mL/min
保持時間: 4.8 min. (標題化合物); 7.2 min. (原料); 11.9 min. (標題化合物)
Figure 0007102233000085
実施例150-156
N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-2-(1-((4-メトキシベンジル)アミノ)エチル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000086
試験管に、N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-2-(1-((4-メトキシベンジル)イミノ)エチル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (0.0351 g)、触媒(s/c=20相当)、配位子(触媒に対して1.1または2当量)を加えた。窒素雰囲気下、溶媒(0.75 mL)を加え、試験管をオートクレーブにセットした後、系内を水素でパージした。水素ガスを加えて3.0MPaに加圧し、50℃にて2時間撹拌した。反応液をHPLCにて分析し、標題化合物の生成を確認した。結果を表13に示す。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(HPLC面積百分率)
カラム:YMC-Pack ODS-A (株式会社ワイエムシィ社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=7/3
流速:1.0 mL/min
保持時間: 6.9 min. (標題化合物); 11.2 min. (原料).
高速液体クロマトグラフィー分析条件(光学純度)
カラム:OJ-RH (ダイセル化学工業株式会社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=7/3
流速:1.0 mL/min
保持時間: 5.0 min. (標題化合物); 6.0 min. (標題化合物); 7.4 min. (原料)
Figure 0007102233000087
実施例157-162
N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-2-(1-((2,4-ジメトキシベンジル)アミノ)エチル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000088
試験管に、N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-2-(1-((2,4-ジメトキシベンジル)イミノ)エチル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (0.0351 g)、触媒(s/c=20相当)、配位子(触媒に対して1.1または2当量)を加えた。窒素雰囲気下、溶媒(0.75 mL)を加え、試験管をオートクレーブにセットした後、系内を水素でパージした。水素ガスを加えて3.0MPaに加圧し、50℃にて2時間撹拌した。反応液をHPLCにて分析し、標題化合物の生成を確認した。結果を表15に示す。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(HPLC面積百分率)
カラム:YMC-Pack ODS-A (株式会社ワイエムシィ社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=7/3
流速:1.0 mL/min
保持時間: 6.3 min. (標題化合物); 12.1 min. (原料).
高速液体クロマトグラフィー分析条件(光学純度)
カラム:OJ-RH (ダイセル化学工業株式会社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
Figure 0007102233000089
流速:1.2 mL/min
保持時間: 6.0 min. (標題化合物); 6.5 min. (標題化合物); 10.8 min. (原料)
Figure 0007102233000090
参考例10
(E)-1,1-ジフェニル-N-(1-フェニルエチリデン)メタンアミンの合成
Figure 0007102233000091
ディーンスタークトラップを取り付けた100mL4つ口ナスフラスコに、アセトフェノン(4.92 g)、トルエン(50 mL)、ベンズヒドリルアミン(7.88 g)、ならびに酢酸(0.5 mL)を加え、外温135 ℃で6時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した後減圧濃縮し、油状物を得た。このものにノルマルヘキサンを加え、0℃で2時間撹拌した。生じた固体をろ過し、ノルマルヘキサン(20 mL)で洗浄し、50℃にて減圧乾燥することで、標題化合物(4.13 g、収率35%)を白色固体として得た。
1H NMR (CDCl3) δ 2.26 (s, 3H), 5.84 (s, 1H), 7.12-7.21 (m, 2H), 7.24-7.30 (m, 4H), 7.33-7.39 (m, 3H), 7.42-7.50 (m, 4H), 7.88-7.96 (m, 2H); 13C NMR (CDCl3) δ 16.03, 68.52, 126.81, 127.08, 127.70, 128.25, 128.52, 129.73, 141.33, 144.97, 164.51.
参考例11
(E)-N-(1-(4-メトキシフェニル)エチリデン)-1,1-ジフェニルメタンアミンの合成
Figure 0007102233000092
100mL4つ口ナスフラスコに、モレキュラーシーブス4A(5.00 g)を入れ、100℃で30分間減圧乾燥したのち、系内を窒素置換した。フラスコを室温まで冷却した後、トルエン(30 mL)、4'-メトキシアセトフェノン(5.00 g)、ベンズヒドリルアミン(6.03 mL)、ならびに酢酸(0.38 mL)を加え、内温90 ℃で22時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した後桐山ロートでろ過し、減圧濃縮して油状物を得た。このものにノルマルヘキサン(30 mL)を加え、90℃で溶解させた後、室温まで冷却し、1時間撹拌した。生じた固体をろ過し、ノルマルヘキサン(20 mL)で洗浄し、40℃にて減圧乾燥した。得られた白色固体(5.55 g)を再度ノルマルヘキサン(20 mL)中90℃にて加熱溶解させ、室温まで冷却し、室温にて一晩撹拌した。生じた固体をろ過、ノルマルヘキサン(10 mL)で洗浄したのち40℃で減圧乾燥し、標題化合物(4.81 g,収率46%)を白色固体として得た。
1H NMR (CDCl3) δ 2.27 (s, 3H), 3.82 (s, 3H), 5.83 (s, 1H), 6.90 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.19 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.29 (t, J = 7.5 Hz, 4H), 7.46 (d, J = 7.5 Hz, 4H), 7.92 (d, J = 9.0 Hz, 2H); 13C NMR (CDCl3)δ 15.60, 55.31, 68.23, 113.40, 126.60, 127.56, 128.35, 128.44, 133.98, 145.08, 160.92, 163.47.
参考例12
(E)-N-(1-(4-クロロフェニル)エチリデン)-1,1-ジフェニルメタンアミンの合成
Figure 0007102233000093
100mL4つ口ナスフラスコに、モレキュラーシーブス4A(5.00 g)を入れ、100℃で30分間減圧乾燥したのち、系内を窒素置換した。フラスコを室温まで冷却した後、トルエン(30 mL)、4'-クロロアセトフェノン(5.00 mL)、ベンズヒドリルアミン(7.97 mL)、ならびに酢酸(0.44 mL)を加え、内温100 ℃で25時間撹拌した。なお、撹拌開始から7時間後、ベンズヒドリルアミン(1.3 mL)を追加した。反応混合物を室温まで冷却した後桐山ロートでろ過し、減圧濃縮して白色固体を得た。このものにノルマルヘキサン(50 mL)を加え、20分間加熱還流した後、0℃まで冷却し、同温で1時間撹拌した。生じた固体をろ過し、0℃のノルマルヘキサン(30 mL)で洗浄したのち40℃で減圧乾燥し、標題化合物(8.25 g,収率67%)を白色固体として得た。
1H NMR (CDCl3) δ 2.29 (s, 3H), 5.85 (s, 1H), 7.20 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.30 (t, J = 7.5 Hz, 4H), 7.35 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.44 (d, J = 7.5 Hz, 4H), 7.88 (d, J = 8.5 Hz); 13C NMR (CDCl3) δ15.75, 68.50, 126.79, 127.51, 128.31, 128.45, 135.75, 139.52, 144.64, 163.16 (下線部のピークのうち一つは二つのピークが重なっている。).
参考例13
(E)-1,1-ジフェニル-N-(1-(4-トリフルオロメチルフェニル)エチリデン)メタンアミンの合成
Figure 0007102233000094
100mL4つ口ナスフラスコに、モレキュラーシーブス4A(5.00 g)を入れ、100℃で30分間減圧乾燥したのち、系内を窒素置換した。フラスコを室温まで冷却した後、トルエン(30 mL)、4'-トリフルオロメチルアセトフェノン(5.00 g)、ベンズヒドリルアミン(5.72 mL)、ならびに酢酸(0.31 mL)を加え、内温100 ℃で16時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した後桐山ロートでろ過し、減圧濃縮して白色個体を得た。このものにノルマルヘキサン(30 mL)を加え、90℃で撹拌した後、0℃まで冷却し、同温で1時間撹拌した。生じた固体をろ過し、0℃のノルマルヘキサン(20 mL)で洗浄したのち40℃で減圧乾燥し、標題化合物(4.68g,収率50%)を白色固体として得た。さらに、残ったろ液を減圧濃縮し、ノルマルヘキサン(15 mL)から-20℃で再結晶を行い、標題化合物(1.45 g,収率15%)を白色固体として得た。
1H NMR (CDCl3) δ 2.33 (s, 3H), 5.88 (s, 1H), 7.21 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.31 (d, J = 7.5 Hz, 4H), 7.45 (d, J = 7.5 Hz, 4H), 7.64 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 8.03 (d, J = 8.5 Hz, 2H); 19F NMR (CDCl3) δ -62.65; 13C NMR (CDCl3) δ 15.99, 68.67, 124.13 (q, J = 272.4 Hz), 125.13 (q, J = 4.5 Hz), 126.89, 127.28, 127.49, 128.51, 131.41 (q, J = 31.8 Hz), 144.30, 144.43, 163.23.
参考例14
(E)-N-(1-(ナフタレン-1-イル)エチリデン)-1,1-ジフェニルメタンアミンの合成
Figure 0007102233000095
100mL4つ口ナスフラスコに、モレキュラーシーブス4A(5.00 g)を入れ、100℃で30分間減圧乾燥したのち、系内を窒素置換した。フラスコを室温まで冷却した後、トルエン(25 mL)、1-アセトナフトン (5.00 mL)、ベンズヒドリルアミン(5.95 mL)、ならびに酢酸(0.38 mL)を加え、内温100 ℃で28時間撹拌した。反応混合物を90℃まで冷却した後桐山ロートでろ過し、減圧濃縮して褐色固体を得た。このものにノルマルヘキサン(60 mL)を加え、10分間加熱還流し、-20℃まで冷却した後、同温で1時間撹拌した。生じた固体をろ過し、-20℃のノルマルヘキサン(40 mL)で洗浄したのち40℃で減圧乾燥し、標題化合物(7.82 g,収率71%)を白色固体として得た。
1H NMR (CDCl3) δ 2.50 (s, 3H), 5.22 (s, 1H), 7.02-7.05 (m, 1H), 7.06-7.11 (m, 2H), 7.13-7.21 (m, 6H), 7.22-7.27 (m, 2H), 7.30-7.36 (m, 1H), 7.40-7.44 (m, 1H), 7.46-7.51 (m, 2H), 7.82-7.86 (m, 1H), 7.87-7.90 (m, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 29.61, 70.19, 123.13, 125.12, 125.20, 126.31, 126.47, 126.56, 126.59, 127.52, 127.74, 128.00, 128.09, 128.22, 128.45, 129.09, 133.43, 137.91, 144.04, 144.48, 168.46.
参考例15
(E)-N-(1-(フラン-2-イル)エチリデン)-1,1-ジフェニルメタンアミンの合成
Figure 0007102233000096
100mL4つ口ナスフラスコに、モレキュラーシーブス4A(4.00 g)を入れ、100℃で30分間減圧乾燥したのち、系内を窒素置換した。フラスコを室温まで冷却した後、トルエン(20 mL)、2-アセチルフラン (3.44 mL)、ベンズヒドリルアミン(6.20 mL)、ならびに酢酸(0.39 mL)を加え、内温90℃で4時間撹拌した。反応混合物を60℃まで冷却した後桐山ロートでろ過し、減圧濃縮して褐色液体と白色固体の混合物を得た。残渣にトルエン(20 mL)を加え、90℃に加熱し、0℃まで冷却した後、同温で1時間撹拌した。生じた固体をろ過し、0℃のトルエン(20 mL)で洗浄した。得られたろ液を減圧濃縮し、トルエン(10 mL)を加えて90℃に加熱した後冷却し、-20℃で1時間撹拌した。生じた固体をろ過し、-20℃のトルエン(8 mL)で洗浄した後、40℃にて減圧乾燥し、標題化合物(1.50 g,収率16%)を白色固体として得た。
1H NMR (CDCl3) δ 2.24 (s, 3H), 5.83 (s, 1H), 6.45 (dd, J = 3.5, 2.0 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 7.20 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 7.29 (t, J = 7.0 Hz, 4H), 7.41 (d, J = 7.0 Hz, 4H), 7.50 (d, J = 2.0 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 15.22, 67.91, 111.13, 111.45, 126.75, 127.68, 128.42, 143.90, 144.43, 156.22 (下線部のピークのうち一つは二つのピークが重なっている。).
参考例16
(E)-1,1-ジフェニル-N-(1-(ピリジン-2-イル)エチリデン)メタンアミンの合成
Figure 0007102233000097
窒素置換した100mL4つ口ナスフラスコに、トルエン(50 mL)、2-アセチルピリジン (5.00 mL)、ベンズヒドリルアミン(8.07 mL)、ならびに酢酸(0.51 mL)を加え、内温80 ℃で4時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、減圧濃縮して油状物を得た。残渣にノルマルヘキサン(50 mL)を加え、85℃で15分間撹拌し、室温まで冷却した後、同温で1.5時間撹拌した。生じた固体をろ過し、ノルマルヘキサン(20 mL)で洗浄した。得られたろ液を液量が40 mL程度になるまで減圧濃縮し、冷凍庫内で-5℃にて1時間静置した。生じた固体を-5℃のノルマルヘキサン(40 mL)で洗浄した後、50℃で減圧乾燥し、標題化合物(7.22 g、収率57%)を淡褐色結晶として得た。
1H NMR (CDCl3) δ 2.46 (s, 3H), 5.93 (s, 1H), 7.21 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.26-7.33 (m, 5H), 7.46 (d, J = 7.5 Hz, 4H), 7.73 (td, J = 8.0, 2.0 Hz, 1H), 8.37 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 8.56-8.60 (m, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 14.38, 68.72, 121.39, 124.19, 126.80, 127.57, 128.43, 136.17, 144.46, 148.14, 157.83, 166.06.
参考例17
(E)-1,1-ジフェニル-N-(1-(ピリジン-3-イル)エチリデン)メタンアミンの合成
Figure 0007102233000098
100mL4つ口ナスフラスコに、モレキュラーシーブス4A(5.00 g)を入れ、100℃で30分間減圧乾燥したのち、系内を窒素置換した。フラスコを室温まで冷却した後、トルエン(25 mL)、3-アセチルピリジン (5.00 mL)、ベンズヒドリルアミン(8.72 mL)、ならびに酢酸(0.52 mL)を加え、内温100 ℃で2時間撹拌した。反応混合物を80℃まで冷却した後桐山ロートでろ過し、減圧濃縮して油状物を得た。残渣にトルエン(20 mL)を加え、100℃で10分間撹拌し、-20℃まで冷却した後、同温で1時間撹拌した。生じた固体をろ過し、-20℃のトルエン(20 mL)で洗浄した。得られたろ液を減圧濃縮し、ノルマルヘキサンを加えて溶媒置換した。残渣をノルマルヘキサン:トルエン=1:2の混合溶媒(15 mL)に溶解させ、-78℃に冷却して5時間撹拌した。生じた固体をろ過し、-78℃のノルマルヘキサン:トルエン=10:1の混合溶媒(15 mL)で洗浄した後、40℃で減圧乾燥し、標題化合物(4.85 g、収率37%)を白色固体として得た。
1H NMR (CDCl3) δ 2.33 (s, 3H), 5.88 (s, 1H), 7.21 (tt, J = 7.5, 1.5 Hz, 2H), 7.28-7.33 (m, 5H), 7.46 (dd, J = 8.0, 1.5 Hz, 4H), 8.26 (dt, J = 8.0, 2.0 Hz, 1H), 8.62 (dd, J = 4.5, 2.0 Hz, 1H), 9.11 (d, J = 2.0 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ5.72, 68.49, 123.07, 126.87, 127.46, 128.49, 134.27, 136.26, 144.39, 148.56, 150.58, 162.23.
参考例18
(E)-1,1-ジフェニル-N-(1-(チアゾール-2-イル)エチリデン)メタンアミンの合成
Figure 0007102233000099
100mL4つ口ナスフラスコに、モレキュラーシーブス4A(5.00 g)を入れ、100℃で30分間減圧乾燥したのち、系内を窒素置換した。フラスコを室温まで冷却した後、トルエン(25 mL)、2-アセチルチアゾール (5.00 mL)、ベンズヒドリルアミン(8.72 mL)、ならびに酢酸(0.55 mL)を加え、内温100 ℃で4時間撹拌した。反応混合物を70℃まで冷却した後桐山ロートでろ過し、減圧濃縮して油状物を得た。残渣にノルマルヘキサン(50 mL)を加え、50℃で10分間撹拌し、-11℃まで冷却した後、同温で30分間撹拌した。生じた固体をろ過し、-11℃のノルマルヘキサン(40 mL)で洗浄した後、40℃で減圧乾燥し、標題化合物(10.64 g、収率75%)を白色固体として得た。
1H NMR (CDCl3) δ 2.46 (s, 3H), 5.89 (s, 1H), 7.22 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 7.31 (t, J = 7.0 Hz, 4H), 7.38 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 7.0 Hz, 4H), 7.84 (d, J = 3.0 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 15.08, 68.29, 122.39, 126.97, 127.43, 128.52, 143.29, 143.95, 160.62, 172.10.
参考例19
(E)-メチル 2-((1-ベンズヒドリルイミノ)エチル)-1,3-チアゾール-5-カルボキシレートの合成
Figure 0007102233000100
100mL4つ口ナスフラスコに、モレキュラーシーブス4A(5.00 g)を入れ、100℃で30分間減圧乾燥したのち、系内を窒素置換した。フラスコを室温まで冷却した後、トルエン(30 mL)、メチル 2-アセチル-5-チアゾールカルボキシレート(5.00 g)、ベンズヒドリルアミン(4.90 mL)、ならびに酢酸(0.31 mL)を加え、内温100 ℃で22時間撹拌した。なお、撹拌開始から4時間後に、ベンズヒドリルアミン(0.70 mL)を追加した。反応混合物を70℃まで冷却した後桐山ロートでろ過し、減圧濃縮して油状物を得た。残渣にノルマルヘキサン:トルエン=2:1の混合溶媒(30 mL)を加え、-78℃まで冷却した後、-20℃に昇温して1時間撹拌した。生じた固体をろ過し、-20℃のノルマルヘキサン:トルエン=2:1の混合溶媒(20 mL)で洗浄した後、40℃で減圧乾燥し、標題化合物(4.78 g、収率51%)を淡褐色固体として得た。さらに、ろ液を減圧濃縮した後、ノルマルヘキサン:トルエン=6:1(14 mL)の混合溶媒から0℃で再結晶を行った。生じた固体をろ過、0℃のノルマルヘキサン:トルエン=10:1の混合溶媒で洗浄し、40℃で減圧乾燥し、標題化合物(2.51 g、収率26%)を淡褐色固体として得た。
1H NMR (CDCl3) δ 2.44 (s, 3H), 3.92 (s, 3H), 5.88 (s, 1H), 7.23 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.32 (t, J = 7.5 Hz, 4H), 7.44 (d, J = 7.5 Hz, 4H), 8.39 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 14.73, 52.49, 68.59, 127.14, 127.35, 128.60, 131.41, 143.55, 148.62, 160.55, 161.94, 176.52.
参考例20
(E)-N-(3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-イリデン)-1,1-ジフェニルメタンアミンの合成
Figure 0007102233000101
100mL4つ口ナスフラスコに、モレキュラーシーブス4A(5.00 g)を入れ、100℃で30分間減圧乾燥したのち、系内を窒素置換した。フラスコを室温まで冷却した後、トルエン(30 mL)、α-テトラロン (5.00 mL)、ベンズヒドリルアミン(8.10 mL)、ならびに酢酸(0.43 mL)を加え、内温100 ℃で18時間撹拌した。反応混合物を70℃まで冷却した後桐山ロートでろ過し、減圧濃縮して褐色油状物を得た。残渣にノルマルヘキサン(30 mL)を加え、加熱還流後、0℃に冷却して2.5時間撹拌した。生じた固体をろ過し、0℃のノルマルヘキサン(35 mL)で洗浄した後、40℃で減圧乾燥し、標題化合物(5.90 g、収率50%)を白色固体として得た。
1H NMR (CDCl3) δ 1.90 (quint, J = 6.5 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 2.78 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 5.88 (s, 1H), 7.12 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.18 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.25-7.32 (m, 6H), 7.47 (d, J = 7.5 Hz, 4H), 8.50 (d, J = 8.0 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 22.65, 28.28, 29.77, 67.05, 126.27, 126.34, 126.61, 127.56, 128.27, 128.35, 129.72, 135.10, 140.59, 145.11, 163.73.
参考例21
(E)-N-(クロマン-4-イリデン)-1,1-ジフェニルメタンアミンの合成
Figure 0007102233000102
ディーンスタークトラップを取り付けた100mL4つ口ナスフラスコを窒素置換した後、トルエン(30 mL)、4-クロマノン(5.00 g)、ベンズヒドリルアミン(7.27 mL)、ならびに酢酸(0.39 mL)を加え、外温140 ℃で16時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却した後減圧濃縮し、エタノールを加えて溶媒置換し、油状物を得た。残渣にエタノール(30 mL)を加え、50℃で撹拌した後、室温に冷却し、同温で1時間撹拌した。生じた固体をろ過し、エタノール(50 mL)で洗浄し、50℃にて減圧乾燥することで、標題化合物(3.71 g、収率35%)を白色固体として得た。
1H NMR (CDCl3) δ 2.79 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 4.26 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 5.81 (s, 1H), 6.85-6.90 (m, 1H), 6.97-7.03 (m, 1H), 7.17-7.22 (m, 2H), 7.26-7.32 (m, 5H), 7.42-7.48 (m, 4H), 8.34-8.79 (m, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 27.75, 65.68, 67.09, 117.27, 121.22, 122.92, 126.36, 126.78, 127.47, 128.44, 131.85, 144.66, 158.09, 158.13.
参考例22
N-ベンズヒドリル-(1R)-1-フェニルエタンアミンの合成
Figure 0007102233000103
24穴オートクレーブ用サンプル管に、(E)-1,1-ジフェニル-N-(1-フェニルエチリデン)メタンアミン (0.075 g)、[Ir(cod)2]BARF (0.0033 g)、(S)-MONOPHOS (0.0020 g)を加え、オートクレーブにセットした。オートクレーブをグローブボックス内に入れ、窒素雰囲気下、ジクロロメタン(1.5 mL)を加えた。オートクレーブを密封し、グローブボックスから取り出し、系内を水素で10回パージした。水素を3.0 MPaまで加圧し、50℃で20時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後解圧し、反応液を高速液体クロマトグラフィーならびに1H NMRで分析したところ、標題化合物が転換率100%、79.4% eeで生成していた。
高速液体クロマトグラフィー分析条件
カラム:CHIRALCEL OJ-RH(ダイセル化学工業株式会社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=8/2
流速:1.0 mL/min
保持時間:5.1 min (enantiomer-A), 5.9 min (enantiomer-B)
1H NMR (CDCl3) δ 1.36 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 3.67 (q, J = 7.0 Hz, 1H), 4.63 (s, 1H), 7.15-7.19 (m, 1H), 7.22-7.29 (m, 8H), 7.31-7.36 (m, 6H) (NH由来のプロトン未検出).
参考例23
N-ベンズヒドリル-(1R)-1-(4-メトキシフェニル)エタンアミンの合成
Figure 0007102233000104
24穴オートクレーブ用サンプル管に、(E)-N-(1-(4-メトキシフェニル)エチリデン)-1,1-ジフェニルメタンアミン(0.075 g)、[Ir(cod)2]BARF (0.0030 g)、(S)-MONOPHOS (0.0018 g)を加え、オートクレーブにセットした。オートクレーブをグローブボックス内に入れ、窒素雰囲気下、ジクロロメタン(1.5 mL)を加えた。オートクレーブを密封し、グローブボックスから取り出し、系内を水素で10回パージした。水素を3.0 MPaまで加圧し、50℃で20時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後解圧し、反応液を高速液体クロマトグラフィーならびに1H NMRで分析したところ、標題化合物が転換率100%、87.9% eeで生成していた。
高速液体クロマトグラフィー分析条件
カラム:CHIRALCEL OJ-RH(ダイセル化学工業株式会社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=8/2
流速:1.2 mL/min
保持時間:4.7 min (enantiomer-A), 5.5 min (enantiomer-B)
1H NMR (CDCl3) δ1.34 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 3.63 (q, J = 6.5 Hz, 1H), 3.82 (s, 3H), 4.62 (s, 1H), 6.87 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.14-7.19 (m, 3H), 7.21-7.29 (m, 5H), 7.30-7.34 (m, 4H) (NH由来のプロトン未検出).
参考例24
N-ベンズヒドリル-(1R)-1-(4-クロロフェニル)エタンアミンの合成
Figure 0007102233000105
24穴オートクレーブ用サンプル管に、(E)-N-(1-(4-クロロフェニル)エチリデン)-1,1-ジフェニルメタンアミン (0.075 g)、[Ir(cod)2]BARF (0.0030 g)、(S)-MONOPHOS (0.0018 g)を加え、オートクレーブにセットした。オートクレーブをグローブボックス内に入れ、窒素雰囲気下、ジクロロメタン(1.5 mL)を加えた。オートクレーブを密封し、グローブボックスから取り出し、系内を水素で10回パージした。水素を3.0 MPaまで加圧し、50℃で20時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後解圧し、反応液を高速液体クロマトグラフィーならびに1H NMRで分析したところ、標題化合物が転換率100%、96.0% eeで生成していた。
高速液体クロマトグラフィー分析条件
カラム:CHIRALCEL OJ-RH(ダイセル化学工業株式会社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=8/2
流速:1.2 mL/min
保持時間:7.6 min. (enantiomer-A), 8.8 min. (enantiomer-B)
1H NMR (CDCl3) δ1.34 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 3.66 (q, J = 7.0 Hz, 1H), 4.58 (s, 1H), 7.16-7.21 (m, 3H), 7.22-7.35 (m, 11H) (NH由来のプロトン未検出).
参考例25
N-ベンズヒドリル-(1R)-1-(4-トリフルオロメチルフェニル)エタンアミンの合成
Figure 0007102233000106
24穴オートクレーブ用サンプル管に、(E)-1,1-ジフェニル-N-(1-(4-トリフルオロメチルフェニル)エチリデン)メタンアミン (0.075 g)、[Ir(cod)2]BARF (0.0027 g)、(S)-MONOPHOS (0.0016 g)を加え、オートクレーブにセットした。オートクレーブをグローブボックス内に入れ、窒素雰囲気下、ジクロロメタン(1.5 mL)を加えた。オートクレーブを密封し、グローブボックスから取り出し、系内を水素で10回パージした。水素を3.0 MPaまで加圧し、50℃で20時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後解圧し、反応液を高速液体クロマトグラフィーならびに1H NMRで分析したところ、標題化合物が転換率100%、95.5% eeで生成していた。
高速液体クロマトグラフィー分析条件
カラム:CHIRALCEL OJ-RH(ダイセル化学工業株式会社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=8/2
流速:1.2 mL/min
保持時間:4.0 min (enantiomer-A), 5.4 min (enantiomer-B)
1H NMR (CDCl3) δ1.36 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 3.75 (q, J = 7.0 Hz, 1H), 4.58 (s, 1H), 7.18 (tt, J = 7.0, 1.5 Hz, 1H), 7.22-7.35 (m, 9H), 7.38 (d, J =8.5 Hz, 2H), 7.58 (d, J = 8.5 Hz, 2H) (NH由来のプロトン未検出).
参考例26
N-ベンズヒドリル-(1R)-1-(ナフタレン-1-イル)エタンアミンの合成
Figure 0007102233000107
24穴オートクレーブ用サンプル管に、(E)-N-(1-(ナフタレン-1-イル)エチリデン)-1,1-ジフェニルメタンアミン(0.075 g)、[Ir(cod)2]BARF (0.0028 g)、(S)-MONOPHOS (0.0017 g)を加え、オートクレーブにセットした。オートクレーブをグローブボックス内に入れ、窒素雰囲気下、ジクロロメタン(1.5 mL)を加えた。オートクレーブを密封し、グローブボックスから取り出し、系内を水素で10回パージした。水素を3.0 MPaまで加圧し、50℃で20時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後解圧し、反応液を高速液体クロマトグラフィーならびに1H NMRで分析したところ、標題化合物が転換率100%、70.1% eeで生成していた。
高速液体クロマトグラフィー分析条件
カラム:CHIRALCEL OJ-RH(ダイセル化学工業株式会社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=8/2
流速:1.0 mL/min
保持時間:7.4 min (enantiomer-A), 9.0 min (enantiomer-B)
1H NMR (CDCl3) δ1.49 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 4.56 (q, J =7.0 Hz, 1H), 4.74 (s, 1H), 7.16-7.35 (m, 10H), 7.36-7.41 (m, 1H), 7.42-7.47 (m, 1H), 7.47-7.52 (m, 1H), 7.66-7.70 (m, 1H), 7.74-7.78 (m, 1H), 7.84-7.91 (m, 2H) (NH由来のプロトン未検出).
参考例27
N-ベンズヒドリル-(1R)-1-(フラン-2-イル)エタンアミンの合成
Figure 0007102233000108
24穴オートクレーブ用サンプル管に、(E)-N-(1-(フラン-2-イル)エチリデン)-1,1-ジフェニルメタンアミン (0.075 g)、[Ir(cod)2]BARF (0.0035 g)、(S)-MONOPHOS (0.0021 g)を加え、オートクレーブにセットした。オートクレーブをグローブボックス内に入れ、窒素雰囲気下、ジクロロメタン(1.5 mL)を加えた。オートクレーブを密封し、グローブボックスから取り出し、系内を水素で10回パージした。水素を3.0 MPaまで加圧し、50℃で20時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後解圧し、反応液を高速液体クロマトグラフィーならびに1H NMRで分析したところ、標題化合物が転換率100%、70.0% eeで生成していた。
高速液体クロマトグラフィー分析条件
カラム:CHIRALCEL OJ-RH(ダイセル化学工業株式会社製)、4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=7/3
流速:1.0 mL/min
保持時間:5.6 min (enantiomer-A), 6.5 min (enantiomer-B)
1H NMR (CDCl3) δ1.42 (d, J =7.0 Hz, 3H), 3.73 (q, J = 7.0 Hz, 1H), 4.75 (s, 1H), 6.06 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 6.31 (dd, J = 3.5, 1.5 Hz, 1H), 7.15-7.19 (m, 1H), 7.20-7.27 (m, 3H), 7.29-7.33 (m, 4H), 7.36 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.40-7.44 (m, 2H) (NH由来のプロトン未検出).
参考例28
N-ベンズヒドリル-(1R)-1-(ピリジン-2-イル)エタンアミンの合成
Figure 0007102233000109
24穴オートクレーブ用サンプル管に、(E)-1,1-ジフェニル-N-(1-(ピリジン-2-イル)エチリデン)メタンアミン(0.075 g)、[Ir(cod)2]BARF (0.0033 g)、(S)-MONOPHOS (0.0020 g)を加え、オートクレーブにセットした。オートクレーブをグローブボックス内に入れ、窒素雰囲気下、ジクロロメタン(1.5 mL)を加えた。オートクレーブを密封し、グローブボックスから取り出し、系内を水素で10回パージした。水素を3.0 MPaまで加圧し、50℃で20時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後解圧し、反応液を高速液体クロマトグラフィーならびに1H NMRで分析したところ、標題化合物が転換率55%、76.7% eeで生成していた。
高速液体クロマトグラフィー分析条件
カラム:CHIRALCEL OJ-RH(ダイセル化学工業株式会社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=1/1
流速:1.0 mL/min
保持時間:6.5 min (enantiomer-A), 8.0 min (enantiomer-B)
1H NMR (CDCl3) δ1.39 (d, J =6.5 Hz, 3H), 3.78 (q, J = 6.5 Hz, 1H), 4.60 (s, 1H), 7.13-7.18 (m, 3H), 7.20-7.33 (m, 7H), 7.38 (d, J =7.5 Hz, 2H), 7.61 (td, J = 7.5, 2.0 Hz, 1H), 8.57-8.60 (m, 1H) (NH由来のプロトン未検出).
参考例29
N-ベンズヒドリル-(1R)-1-(ピリジン-3-イル)エタンアミンの合成
Figure 0007102233000110
24穴オートクレーブ用サンプル管に、(E)-1,1-ジフェニル-N-(1-(ピリジン-3-イル)エチリデン)メタンアミン(0.075 g)、[Ir(cod)2]BARF (0.0033 g)、(S)-MONOPHOS (0.0020 g)を加え、オートクレーブにセットした。オートクレーブをグローブボックス内に入れ、窒素雰囲気下、ジクロロメタン(1.5 mL)を加えた。オートクレーブを密封し、グローブボックスから取り出し、系内を水素で10回パージした。水素を3.0 MPaまで加圧し、50℃で20時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後解圧し、反応液を高速液体クロマトグラフィーならびに1H NMRで分析したところ、転換率は0%であった。
高速液体クロマトグラフィー分析条件
カラム:CHIRALCEL OD-RH(ダイセル化学工業株式会社製)、4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=3/7, 35 min→高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=8/2, 10 min
流速:1.2 mL/min
保持時間:25.1 min (enantiomer-A), 27.6 min (enantiomer-B)
参考例30
N-ベンズヒドリル-(1R)-1-(チアゾール-2-イル)エタンアミンの合成
Figure 0007102233000111
24穴オートクレーブ用サンプル管に、(E)-1,1-ジフェニル-N-(1-(チアゾール-2-イル)エチリデン)メタンアミン (0.075 g)、[Ir(cod)2]BARF (0.0033 g)、(S)-MONOPHOS (0.0019 g)を加え、オートクレーブにセットした。オートクレーブをグローブボックス内に入れ、窒素雰囲気下、ジクロロメタン(1.5 mL)を加えた。オートクレーブを密封し、グローブボックスから取り出し、系内を水素で10回パージした。水素を3.0 MPaまで加圧し、50℃で20時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後解圧し、反応液を高速液体クロマトグラフィーならびに1H NMRで分析したところ、標題化合物が転換率100%、82.8% eeで生成していた。
高速液体クロマトグラフィー分析条件
カラム:CHIRALCEL OD-RH(ダイセル化学工業株式会社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=4/6, 35 min→高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=8/2, 10 min
流速:1.2 mL/min
保持時間:31.3 min (enantiomer-A), 33.2 min (enantiomer-B)
1H NMR (CDCl3) δ1.53 (d, J -= 6.5 Hz, 3H), 4.07 (q, J = 6.5 Hz, 1H), 4.92 (s, 1H), 7.17-7.21 (m, 1H), 7.23-7.29 (m, 4H), 7.33 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.36-7.40 (m, 4H), 7.73 (d, J = 2.5 Hz, 1H) (NH由来のプロトン未検出).
参考例31
メチル 2-((1R)-1-(ベンズヒドリルアミノ)エチル)-1,3-チアゾール-5-カルボキシレートの合成
Figure 0007102233000112
24穴オートクレーブ用サンプル管に、(E)-メチル 2-((1-ベンズヒドリルイミノ)エチル)-1,3-チアゾール-5-カルボキシレート(0.075 g)、[Ir(cod)2]BARF (0.0027 g)、(S)-MONOPHOS (0.0016 g)を加え、オートクレーブにセットした。オートクレーブをグローブボックス内に入れ、窒素雰囲気下、ジクロロメタン(1.5 mL)を加えた。オートクレーブを密封し、グローブボックスから取り出し、系内を水素で10回パージした。水素を3.0 MPaまで加圧し、50℃で20時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後解圧し、反応液を高速液体クロマトグラフィーならびに1H NMRで分析したところ、標題化合物が転換率100%、79.7% eeで生成していた。
高速液体クロマトグラフィー分析条件
カラム:CHIRALCEL OJ-RH(ダイセル化学工業株式会社製)、4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=8/2
流速:1.0 mL/min
保持時間:4.4 min (enantiomer-A), 5.1 min (enantiomer-B)
1H NMR (CDCl3) δ1.53 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 3.91 (s, 3H), 4.01 (q, J = 6.5 Hz, 1H), 4.95 (s, 1H), 7.18-7.23 (m, 1H), 7.23-7.30 (m, 3H), 7.32-7.36 (m, 2H), 7.36-7.42 (m, 4H), 8.31 (s, 1H) (NH由来のプロトン未検出).
参考例32
N-ベンズヒドリル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-(1R)-1-アミンの合成
Figure 0007102233000113
24穴オートクレーブ用サンプル管に、(E)-N-(3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-イリデン)-1,1-ジフェニルメタンアミン (0.075 g)、[Ir(cod)2]BARF (0.0031 g)、(S)-MONOPHOS (0.0018 g)を加え、オートクレーブにセットした。オートクレーブをグローブボックス内に入れ、窒素雰囲気下、ジクロロメタン(1.5 mL)を加えた。オートクレーブを密封し、グローブボックスから取り出し、系内を水素で10回パージした。水素を3.0 MPaまで加圧し、50℃で20時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後解圧し、反応液を高速液体クロマトグラフィーならびに1H NMRで分析したところ、標題化合物が転換率100%、23.0% eeで生成していた。
高速液体クロマトグラフィー分析条件
カラム:CHIRALCEL OJ-RH(ダイセル化学工業株式会社製)、4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=8/2
流速:1.2 mL/min
保持時間:5.5 min (enantiomer-A), 8.1 min (enantiomer-B)
1H NMR (CDCl3) δ1.66-1.75 (m, 1H), 1.81-2.01 (m, 3H), 2.66-2.74 (m, 1H), 2.77-2.84 (m, 1H), 3.67-3.72 (m, 1H), 5.11 (s, 1H), 7.03-7.08 (m, 1H), 7.11-7.24 (m, 4H), 7.25-7.30 (m, 2H), 7.30-7.36 (m, 2H), 7.43-7.49 (m, 3H), 7.49-7.53 (m, 2H) (NH由来のプロトン未検出).
参考例33
N-ベンズヒドリルクロマン-(4R)-4-アミンの合成
Figure 0007102233000114
24穴オートクレーブ用サンプル管に、(E)-N-(クロマン-4-イリデン)-1,1-ジフェニルメタンアミン (0.075 g)、[Ir(cod)2]BARF (0.0031 g)、(S)-MONOPHOS (0.0018 g)を加え、オートクレーブにセットした。オートクレーブをグローブボックス内に入れ、窒素雰囲気下、ジクロロメタン(1.5 mL)を加えた。オートクレーブを密封し、グローブボックスから取り出し、系内を水素で10回パージした。水素を3.0 MPaまで加圧し、50℃で20時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後解圧し、反応液を高速液体クロマトグラフィーならびに1H NMRで分析したところ、標題化合物が転換率100%、16.1% eeで生成していた。
高速液体クロマトグラフィー分析条件
カラム:CHIRALCEL OJ-RH(ダイセル化学工業株式会社製)、4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=8/2
流速:1.2 mL/min
保持時間:4.0 min (enantiomer-A), 4.8 min (enantiomer-B)
1H NMR (CDCl3) δ1.90-1.98 (m, 1H), 2.00-2.09 (m ,1H), 3.76 (t, J = 5.0 Hz, 1H), 4.15-4.21 (m, 1H), 4.36 (td, J = 10.5, 3.0 Hz, 1H), 5.09 (s, 1H), 6.79 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.87 (td, J = 7.5, 1.5 Hz, 1H), 7.13 (td, J = 7.5, 1.0 Hz, 1H), 7.18-7.32 (m, 5H), 7.35 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.42-7.50 (m, 4H) (NH由来のプロトン未検出).
参考例34
(1R)-1-(チアゾール-2-イル)エタンアミンの合成
Figure 0007102233000115
120mLオートクレーブに、(E)-1,1-ジフェニル-N-(1-(チアゾール-2-イル)エチリデン)メタンアミン (2.00 g)、[Ir(cod)2]BARF (0.0870 g)、(S)-MONOPHOS (0.0540 g)を加えた。オートクレーブ内を減圧にしアルゴンで復圧した。この操作を合計7回行った。オートクレーブ内を常圧にした後、有機合成用脱水ジクロロメタン(20 mL)をアルゴン圧送にて加えた。水素を0.1 MPa加圧し常圧に放圧した。この操作を合計10回行った。水素を1.10 MPaまで加圧後、内温50℃で19時間撹拌した。内温約20℃付近まで冷却後に水素を解圧し、アルゴンに置換した(転換率100%、光学純度82.7% ee)。減圧下で反応液を濃縮後にアセトニトリル(18 mL)および水(2 mL)を加え、室温付近でN-ブロモスクシンイミド(1.83 g)を加え7時間撹拌した。減圧下で濃縮後に1 mol/L塩酸(10 mL)及び酢酸エチル(20 mL)を加えて分液した(有機層(1)および水層(1))。水層(1)に5 mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを5に調整した(約3 mL使用)。酢酸エチル(20 mL)を加えて分液した(有機層(2)および水層(2))。水層(2)に5 mol/L水酸化ナトリウム水溶液(1 mL)および酢酸エチル(20 mL)を加えて分液した(有機層(3)および水層(3))。有機層(3)に飽和食塩水(10 mL)を加えて洗浄した(有機層(4)および水層(4))。有機層(1)に飽和食塩水(10 mL)を加えて洗浄した(有機層(5)および水層(5))。水層(4)および水層(5)を合わせて酢酸エチル(30 mL)で抽出した(有機層(6)および水層(6))。有機層(4)、有機層(5)および有機層(6)を合わせて硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別後にろ液を減圧下で濃縮し標題化合物を取得した。褐色油状物、0.61 g、収率70.1%、HPLC面積百分率89.7%。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(面積百分率)
カラム:YMC-Pack ODS-A (株式会社ワイエムシィ社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=8/2
流速:1.0 mL/min
保持時間:2.4 min (標題化合物)
1H NMR (CDCl3) δ 1.54 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 4.42 (q, J = 6.6 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 3.2 Hz, 1H).
13C NMR (CDCl3) δ 24.66, 49.65, 118.36, 142.38, 178.38.
参考例35
(R)-メチル-2-(1-アミノエチル)-1,3-チアゾール-5-カルボキシレート p-トルエンスルホン酸塩の合成
Figure 0007102233000116
120mLオートクレーブに、(E)-メチル 2-((1-ベンズヒドリルイミノ)エチル)-1,3-チアゾール-5-カルボキシレート (1.00 g)、[Ir(cod)2]BARF (0.0363 g)、(S)-MONOPHOS (0.0226 g)を加えた。オートクレーブ内を減圧にしアルゴンで復圧した。この操作を合計7回行った。オートクレーブ内を常圧にした後、有機合成用脱水ジクロロメタン(20 mL)をアルゴン圧送にて加えた。水素を0.1 MPa加圧し常圧に放圧した。この操作を合計10回行った。水素を1.0 MPaまで加圧後、内温50℃で18時間撹拌した。内温約20℃付近まで冷却後に水素を解圧し、アルゴンに置換した(転換率100%、光学純度80.1% ee)。反応液を減圧下で濃縮後、アセトニトリル(9 mL)、水(1 mL)及びN-ブロモスクシンイミド(0.61 g)を室温付近で加え、23時間撹拌した。減圧下で濃縮後、水(3 mL)および酢酸エチル(10 mL)を加え分液した(有機層(1)および水層(1))。水層(1)に1 mol/L水酸化ナトリウム水溶液(3 mL)および酢酸エチル(15 mL)を加えて分液した(有機層(2)および水層(2))。水層(2)に1 mol/L水酸化ナトリウム水溶液(1 mL)および酢酸エチル(10 mL)を加えて分液した(有機層(3)および水層(3))。有機層(2)および有機層(3)を合わせた溶液にp-トルエンスルホン酸1水和物(0.56 g)を加えた。減圧下で濃縮後、アセトニトリル(10 mL)を加えて室温付近の温度で1時間撹拌した。晶析物をろ別しアセトニトリルで洗浄した。50℃で減圧乾燥後に標題化合物を取得した。淡黄色粉末、0.6412 g、収率62.7%、HPLC面積百分率100%、光学純度80.3% ee。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(HPLC面積百分率)
カラム:YMC-Pack ODS-A (株式会社ワイエムシィ社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=8/2
流速:1.0 mL/min
保持時間:2.2 min (標題化合物)
高速液体クロマトグラフィー分析条件(光学純度)
カラム:CHIRALPAK IA(ダイセル化学工業株式会社製)、 4.6*250 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/高速液体クロマトグラフィー用メタノール/高速液体クロマトグラフィー用蒸留水=80/15/5
流速:1.0 mL/min
保持時間:4.5 min (enantiomer-A), 5.7 min (enantiomer-B)
1H NMR (DMSO-d6) δ 1.61 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 2.29 (s, 3H), 3.87 (s, 3H), 4.95 (q, J = 6.8 Hz, 1H), 7.12 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 7.48 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 8.51 (s, 1H), 8.64 (brs, 3H).
13C NMR (DMSO-d6) δ 19.76, 20.74, 47.62, 52.79, 125.45, 128.04, 130.01, 137.73, 145.44, 147.56, 160.80, 172.89.
実施例163-368
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000117
基質の2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドを0.0350 g、アミン源であるアンモニウム塩を基質に対して10当量、金属源を基質に対して0.05当量、配位子を金属源に対して1.1当量それぞれ量りとり、24穴オートクレーブ用試験管に加えた。窒素雰囲気下、溶媒(1.5 mL)を加えたのち、オートクレーブ内を水素でパージした。水素ガスを3.0 MPaまで加圧し、50 ℃で、22時間撹拌した。反応後、オートクレーブを冷却し、水素ガスを解圧した。HPLCにより標題化合物(R体とS体を含む)への選択率と標題化合物(R体)のエナンチオマー過剰率(ee)を算出した。結果を表16-表20に示す。また、用いた配位子の構造は前記の通りである。なお、実施例348-355, 359-361では、添加剤として、(-)-CSA を基質に対して0.1 当量使用した。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(面積百分率)
カラム:YMC-Pack ODS-A (株式会社ワイエムシィ社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=8/2
流速:1.0 mL/min
保持時間:2.3 min. (標題化合物(R体とS体を含む)), 2.9 min. (アルコール体), 4.8 min. (基質)
高速液体クロマトグラフィー分析条件(光学純度)
カラム:IA (ダイセル化学工業株式会社製)、 4.6*250 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/メタノール/水=80/15/5
流速:1.0 mL/min
カラム温度:40 ℃
保持時間:4.6 min. (基質), 5.8 min. (アルコール体), 11.6 min. (アルコール体), 16.2 min. (標題化合物(R体)), 24.2 min. (標題化合物のエナンチオマー(S体)).
Figure 0007102233000118
Figure 0007102233000119
Figure 0007102233000120
Figure 0007102233000121
Figure 0007102233000122
Figure 0007102233000123
Figure 0007102233000124
Figure 0007102233000125
Figure 0007102233000126
Figure 0007102233000127
Figure 0007102233000128
Figure 0007102233000129
Figure 0007102233000130
Figure 0007102233000131
Figure 0007102233000132
Figure 0007102233000133
Figure 0007102233000134
Figure 0007102233000135
実施例369-380
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000136
実施例163-368と同様の方法で、ただし、アミン源としてサリチル酸アンモニウム(0.155g)、金属源として[IrCl(cod)]2(0.0017 g)、配位子として(R,R)-PTBP-Skewphos(0.0037 g)、溶媒としてIPA (1.4 mL)を用い、さらにAdditive (添加剤, イリジウム触媒に対して10当量)を24穴オートクレーブ用試験管に加えて反応を行ない、実施例163-368と同条件のHPLCで標題化合物(R体とS体を含む)への選択率と標題化合物(R体)のエナンチオマー過剰率を算出した。結果を表21に示す。
Figure 0007102233000137
実施例381-385
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000138
基質の2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドを0.100 g、サリチル酸アンモニウム(0.444 g)、[IrCl(cod)]2 (0.0048 g)、(R,R)-PTBP-Skewphos(0.0105 g)を量りとり、120 mLオートクレーブに加えた。オートクレーブ内を減圧し、アルゴン雰囲気下複圧する操作を5回行った。アルゴン雰囲気下、脱水イソプロピルアルコール(4.0 mL)をシリンジにて加えたのち、定められたプレミックス条件(温度、時間)で撹拌した。撹拌終了後、オートクレーブ内を水素でパージした。水素ガスを3.0 MPaまで加圧し、水素加圧下、定められた温度で、20時間撹拌した。反応後、オートクレーブを冷却し、水素ガスを解圧した。HPLCにより標題化合物(R体)のエナンチオマー過剰率を算出した。結果を表22に示す。HPLC条件は実施例163-368と同様である。
Figure 0007102233000139
実施例386-400
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000140
反応剤は、それぞれ以下の量を用いた。2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (0.100 g)、サリチル酸アンモニウム(0.444 g)、[IrCl(cod)]2 (0.0048 g)、(R,R)-PTBP-Skewphos(0.0105 g)。表23中の○のついた反応剤を10 mLシュレンク管に、◎のついた反応剤がある場合はそれらを別の10mLシュレンク管に、それぞれ加え、反応剤の入ったシュレンク管をアルゴン雰囲気下、イソプロピルアルコールを加えて規定の温度、時間撹拌し反応液を準備した。表中で○ないし◎のついていない反応剤をあらかじめ120 mLオートクレーブに入れ、オートクレーブ内をアルゴン置換したのち、先に加熱撹拌した反応液を送液した。オートクレーブ内を水素でパージしたのち、水素ガスを3.0 MPaまで加圧し、水素加圧下、定められた温度で、20時間撹拌した。反応後、オートクレーブを冷却し、水素ガスを解圧した。HPLCにより標題化合物(R体)のエナンチオマー過剰率を算出した。結果を表23に示す。HPLC条件は実施例163-368と同様である。特別な操作に関しては、表23の注釈に記載した。
Figure 0007102233000141
Figure 0007102233000142
実施例401-412
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000143
実施例381-385と同様の方法・条件で、ただし、サリチル酸アンモニウムを基質に対して5当量の0.222gとし、アルゴン雰囲気下複圧操作後の脱水溶媒を表24に示す溶媒とし、反応を行なった。HPLCにより標題化合物(R体とS体を含む)への選択率と標題化合物(R体)のエナンチオマー過剰率を算出した。結果を表24に示す。
Figure 0007102233000144
実施例 413-415
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000145
実施例401-412と同様にして、ただし[IrCl(cod)]2をS/C=50または100として反応を行なった。結果を表25に示す。
Figure 0007102233000146
実施例416
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (S)-マンデル酸塩の合成
Figure 0007102233000147
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド(2.82 mmol, 59.6% ee)を含む水素化反応液を減圧濃縮し、トルエン/酢酸エチル=1/1混合液(30 mL)とトリエチルアミン水溶液(5.26 mLのトリエチルアミンを水(40 mL)で薄める)を加え、分液した。有機層を分取し、水層をトルエン/酢酸エチル=1/1混合液(30 mL)で2回洗浄した。3つの有機層を混合し、トリエチルアミン水溶液(0.478 mLのトリエチルアミンを水(40 mL)で薄めた)で洗浄した。有機層を分取し、硫酸ナトリウムで乾燥したのち、減圧濃縮した。アセトニトリルに溶媒置換した後、残渣にアセトニトリル (27.8 mL) と水(0.96 mL)を加え、60 ℃にて加熱溶解した。(S)-マンデル酸 (0.399 g)を60 ℃で加えたのち、室温に冷却した。生成した結晶を室温にて3時間熟成した。 生成した結晶を桐山ロートにてろ過し、アセトニトリル(4.0 mL)で洗浄したのち、50 ℃で一晩減圧乾燥したところ、2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (S)-マンデル酸塩が 93.4 HPLCarea % and 98.9% deで取得できた。得られた湿結晶にアセトニトリル(72 mL)を加え、30分間加熱還流したのち、再度室温に冷却した。生成した結晶を桐山ロートにてろ過し、アセトニトリル(18 mL)で洗浄したのち、50 ℃で一晩減圧乾燥し、1.01 gの 2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド(S)-マンデル酸塩を取得した。収率77 %、 94.4% de。
実施例 417
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド(S)-マンデル酸塩の合成
Figure 0007102233000148
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド(2.21 mmol, 80.5% ee)を含む水素化反応液を減圧濃縮し、トルエン/酢酸エチル=1/1混合液(30 mL)とトリエチルアミン水溶液(5.38 mLのトリエチルアミンを水(40 mL)で薄めた)を加え、分液した。有機層を分取し、水層をトルエン/酢酸エチル=1/1混合液(30 mL)で2回洗浄した。3つの有機層を混合し、硫酸ナトリウムで乾燥したのち、減圧濃縮した。アセトニトリルに溶媒置換した後、残渣にアセトニトリル (22.1 mL) と 水(0.76 mL)を加え、60 ℃にて加熱溶解した。(S)-マンデル酸 (0.361 g)を60 ℃で加えたのち、室温に冷却した。生成した結晶を室温にて3時間熟成した。 生成した結晶を桐山ロートにてろ過し、アセトニトリル(4.0 mL)で洗浄したのち、50 ℃で一晩減圧乾燥したところ、(R)-2-(1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミド (S)-マンデル酸塩が 93.4 HPLCarea % and 98.9% deで取得できた。得られた湿結晶にアセトニトリル(72 mL)を加え、30分間加熱還流したのち、再度室温に冷却した。生成した結晶を桐山ロートにてろ過し、アセトニトリル(18 mL)で洗浄したのち、50 ℃で一晩減圧乾燥し、0.87 gの 2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド(S)-マンデル酸塩を取得した。収率79 %、 97.1% de。
実施例418
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド(S)-マンデル酸塩の合成
Figure 0007102233000149
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド(2.79 mmol, 63.6% ee)を含む水素化反応液を減圧濃縮し、トルエン/酢酸エチル=1/1混合液(30 mL)と1 mol/L水酸化ナトリウム水溶液(40 mL)を加え、分液した。有機層を分取し、水層をトルエン/酢酸エチル=1/1混合液(30 mL)で2回洗浄した。3つの有機層を混合し、0.1 mol/L水酸化ナトリウム水溶液(40 mL)で洗浄した。3つの有機層を混合し、硫酸ナトリウムで乾燥したのち、減圧濃縮した。アセトニトリルに溶媒置換した後、残渣にアセトニトリル (22.2 mL) と 水(0.77 mL)を加え、60 ℃にて加熱溶解した。(S)-マンデル酸 (0.327 g)を60 ℃で加えたのち、室温に冷却した。生成した結晶を室温にて一晩熟成した。 生成した結晶を桐山ロートにてろ過し、アセトニトリル(4.0 mL)で洗浄したのち、50 ℃で一晩減圧乾燥し、0.81 g の2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド(S)-マンデル酸塩を取得した。収率57 %、 96.0% de。
実施例419
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド(S)-マンデル酸塩の合成
Figure 0007102233000150
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド(2.94 mmol, 64.6% ee)を含む水素化反応液を減圧濃縮し、トルエン/酢酸エチル=1/1混合液(30 mL)と0.5 mol/L水酸化ナトリウム水溶液(80 mL)を加え、分液した。有機層を分取し、水層をトルエン/酢酸エチル=1/1混合液(30 mL)で2回洗浄した。3つの有機層を混合し、0.05 mol/L水酸化ナトリウム水溶液(80 mL)で洗浄した。3つの有機層を混合し、硫酸ナトリウムで乾燥したのち、減圧濃縮した。アセトニトリルに溶媒置換した後、残渣にアセトニトリル (27.9 mL) と 水 (0.96 mL)を加え、60 ℃にて加熱溶解した。(S)-マンデル酸 (0.415 g)を60 ℃で加えたのち、室温に冷却した。生成した結晶を室温にて一晩熟成した。 生成した結晶を桐山ロートにてろ過し、アセトニトリル(4.0 mL)で洗浄したのち、50 ℃で一晩減圧乾燥し、1.04 g の2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド(S)-マンデル酸塩を取得した。収率70 %、 95.3% de。
実施例420
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド(S)-マンデル酸塩の合成
Figure 0007102233000151
2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド(3.50 g)、サリチル酸アンモニウム(7.76 g)、[Ir(cod)2]BF4 (0.0248 g) ならびに (R,R)-PTBP-skewphos (0.0366 g)を200 mLシュレンク管に加えた。シュレンク管内を減圧し、アルゴン雰囲気下複圧する操作を5回行った。アルゴン雰囲気下、超脱水THF(120 mL)を加え、50 ℃で2時間撹拌した。撹拌終了後、アルゴン雰囲気下、反応液を300 mLオートクレーブに送液した。シュレンク管内をTHF(20 mL)で洗浄し、洗液もオートクレーブに送液した。オートクレーブ内を水素でパージした。水素ガスを3.0 MPaまで加圧し、水素加圧下、50 ℃で、20時間撹拌した。反応後、オートクレーブを冷却し、水素ガスを解圧した。HPLCにより2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドとアルコール体の収率と、2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドのエナンチオマー過剰率を算出したところ、2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドが収率81%、85% eeで、アルコール体が2%生成していた。トルエン(10 mL)を加え、反応混合物を減圧濃縮した。トルエン/酢酸エチル=1/1混合液(80 mL)とアンモニア水溶液(7.49 gの25%アンモニア水溶液を水で薄めて80 mLの溶液とする)を残渣に加え、室温にて10分間撹拌した。有機層を分取し、水層をトルエン/酢酸エチル=1/1混合液(20 mL)で2回洗浄した。3つの有機層を混合し、アンモニア水溶液(0.68 gの25%アンモニア水溶液を水で薄めて80 mLの溶液とした)で洗浄した。有機層を分取し、硫酸ナトリウムで乾燥したのち、減圧濃縮した。アセトニトリルに溶媒置換した後、残渣にアセトニトリル (84 mL) と 水(2.9 mL)を加え、60 ℃にて加熱溶解した。(S)-マンデル酸 (1.39 g)を60 ℃で加えたのち、室温に冷却した。生成した結晶を室温にて一晩熟成した。 生成した結晶を桐山ロートにてろ過し、アセトニトリル(11.6 mL)で洗浄したのち、50 ℃で3時間減圧乾燥したところ、(R)-2-(1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミド (S)-マンデル酸塩が 93.4 HPLCarea %、 98.9% deで取得できた。得られた湿結晶にアセトニトリル(72 mL)を加え、30分間加熱還流したのち、再度室温に冷却した。生成した結晶を桐山ロートにてろ過し、アセトニトリル(18 mL)で洗浄したのち、50 ℃で一晩減圧乾燥し、3.46 gの2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド(S)-マンデル酸塩を取得した。収率 69%、 99.8% de。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(面積百分率)
カラム:YMC-Pack ODS-A (株式会社ワイエムシィ社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.025 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=8/2
流速:1.0 mL/min
保持時間:2.3 min. (標題化合物(R体とS体を含む)), 2.9 min. (アルコール体), 4.8 min. (基質)
高速液体クロマトグラフィー分析条件(光学純度)
カラム:IA (ダイセル化学工業株式会社製)、 4.6*250 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/メタノール/水=80/15/5
流速:1.0 mL/min
カラム温度:40 ℃
保持時間:4.6 min. (基質), 5.8 min. (アルコール体), 11.6 min. (アルコール体), 16.2 min. (標題化合物(R体)), 24.2 min. (標題化合物のエナンチオマー(S体)).
実施例421-428
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000152
2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド(0.400 g)、サリチル酸アンモニウム、[Ir(cod)2]BF4 (0.0028 g)、(R,R)-PTBP-Skewphos(0.0042 g)をエンデバー(登録商標)用試験管に量りとった。試験管を装置にセットし、装置内を減圧し、アルゴン雰囲気下複圧する操作を5回行った。アルゴン雰囲気下、超脱水THFをシリンジにて加えたのち、50 ℃で、2時間撹拌した。撹拌終了後、装置内を水素でパージした。水素ガスを3.0 MPaまで加圧し、水素加圧下、50 ℃で、20時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水素ガスを解圧した。HPLCにより各生成物の収率と標題化合物のエナンチオマー過剰率を算出した。結果を表27に示す。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(面積百分率)
カラム:YMC-Pack ODS-A (株式会社ワイエムシィ社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相A:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.010 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=6/4
移動相B:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.010 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=8/2
流速:1.0 mL/min
グラジエントプログラム:
Figure 0007102233000153
保持時間: 2.2 min. (標題化合物(R体とS体を含む)), 3.6 min. (アルコール体), 7.0 min. (基質), 19.8 min. (副生物B)
高速液体クロマトグラフィー分析条件(光学純度)
カラム:IA (ダイセル化学工業株式会社製)、 4.6*250 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/メタノール/水=80/15/5
流速:1.0 mL/min
カラム温度:40 ℃
保持時間:4.6 min. (基質), 5.8 min. (アルコール体), 11.6 min. (アルコール体), 16.2 min. (標題化合物(R体)), 24.2 min. (標題化合物のエナンチオマー(S体)).
Figure 0007102233000154
実施例429-442
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000155
基質の2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド を0.400 g、サリチル酸アンモニウム、イリジウム前駆体 (基質に対して0.005当量)、(R,R)-PTBP-Skewphos(0.0042 g)をエンデバー(登録商標)用試験管に量りとった。試験管を装置にセットし、装置内を減圧し、アルゴン雰囲気下複圧する操作を5回行った。アルゴン雰囲気下、超脱水THF(8.0 mL)をシリンジにて加えたのち、50 ℃で、2時間撹拌した。撹拌終了後、装置内を水素でパージした。水素ガスを3.0 MPaまで加圧し、水素加圧下、50 ℃で、15時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水素ガスを解圧した。HPLCにより各生成物の収率と標題化合物のエナンチオマー過剰率を算出した。結果を表28に示す。HPLC条件は実施例421-428と同様である。
Figure 0007102233000156
実施例443-450
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000157
2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド(0.400 g)、サリチル酸アンモニウム (0.532 g)、 [IrCl(cod)]2 (0.0019 g)、(R,R)-PTBP-Skewphos(0.0042 g)をエンデバー(登録商標)用試験管に量りとった。実施例421-428と同様に反応させ、HPLCにより各生成物の収率と標題化合物のエナンチオマー過剰率を算出した。結果を表29に示す。
Figure 0007102233000158
実施例 451-457
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000159
2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (0.400 g)、サリチル酸アンモニウム (0.532 g)、 [IrCl(cod)]2 (0.0019 g)、(R,R)-PTBP-Skewphosをエンデバー(登録商標)用試験管に量りとった。実施例421-428と同様に反応させ、HPLCにより各生成物の収率と標題化合物のエナンチオマー過剰率を算出した。結果を表30に示す。
Figure 0007102233000160
実施例458-464
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000161
2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (0.400 g)、サリチル酸アンモニウム (0.532 g)、 [IrCl(cod)]2、(R,R)-PTBP-Skewphosをエンデバー(登録商標)用試験管に量りとった。実施例421-428と同様に反応させ、HPLCにより各生成物の収率と標題化合物のエナンチオマー過剰率を算出した。結果を表31に示す。
Figure 0007102233000162
実施例465-472
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000163
シュレンク管に 触媒A([IrCl(cod)]2(0.0019 g)、(R,R)-PTBP-Skewphos (0.0042 g))もしくは触媒B([IrCl(cod){(R,R)-PTBP-skewphos}] (0.0057 g)、ならびに表で○がついた反応剤(2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (0.400 g)、サリチル酸アンモニウム (0.532 g))を量りとった。シュレンク管内を減圧し、アルゴン雰囲気下複圧する操作を5回行った。アルゴン雰囲気下、超脱水THF(8.0 mL)をシリンジにて加えたのち、50℃、2時間撹拌した。別に残りの反応剤(表中○のついていないもの)をエンデバー(登録商標)用試験管に量りとり、装置内をアルゴン雰囲気に置換した。撹拌終了後、反応液をエンデバーに送液し、装置内を水素でパージした。水素ガスを3.0 MPaまで加圧し、水素加圧下、50 ℃で、20時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水素ガスを解圧した。HPLCにより各生成物の収率と標題化合物のエナンチオマー過剰率を算出した。結果を表32に示す。HPLC条件は実施例421-428と同様である。なお、実施例467においては、premixなしで、水素化反応を行った。
Figure 0007102233000164
参考例 36
イリジウム触媒の合成
Figure 0007102233000165
シュレンク管に、[IrCl(cod){(R,R)-ptbp-skepwhos}] (0.600 g)、サリチル酸 (0.166 g)、炭酸セシウム (0.391 g) を量りとった。シュレンク管内を減圧し、アルゴン雰囲気下複圧する操作を5回行った。アルゴン雰囲気下、超脱水THF(20.0 mL)と酢酸アリル(0.161 mL)をシリンジにて加えたのち、室温で10分、次いで加熱還流下3時間撹拌した。 反応液を室温まで冷却した後、ジクロロメタン(15 mL)を加え、セライト上にてろ過を行った。セライトをジクロロメタン(15 mL)で洗浄し、ろ液とあわせて減圧濃縮し、黄色個体を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒: ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で生成し、0.65 g の黄色個体を得た。ヘキサン (15 mL)を加え、加熱還流した後、氷冷し、30分撹拌した。生じた固体をろ過し、氷冷したヘキサンで洗浄し、ろ液を減圧濃縮したところ、0.47 gの目的物が2種のジアステレオマー混合物として得られた。収率47%。
31P NMR (202 MHz, CDCl3) δ: -15.58 (d, J = 32.3 Hz, 1P), -14.80 (d, J = 29.9 Hz, 1P), -9.75 (d, J = 32.3 Hz, two peaks merge)
実施例473
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000166
2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (0.400 g)、サリチル酸アンモニウム (0.532 g)、参考例36で合成したイリジウム触媒(0.0059 g)をエンデバー(登録商標)用試験管に量りとった。試験管を装置にセットし、装置内を減圧し、アルゴン雰囲気下複圧する操作を5回行った。アルゴン雰囲気下、超脱水THF(8.0 mL)をシリンジにて加えたのち、50 ℃で、2時間撹拌した。撹拌終了後、装置内を水素でパージした。水素ガスを3.0 MPaまで加圧し、水素加圧下、50 ℃で、20時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水素ガスを解圧した。HPLCにより各生成物の収率と標題化合物のエナンチオマー過剰率を算出した。標題化合物 収率84%、85.9% ee; アルコール体 収率4%; 副生物A 収率0%; 副生物B 収率2%。
実施例 474-499
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000167
基質の2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (0.400 g)、アミン源としてサリチル酸アンモニウム誘導体 (基質に対して3当量)、 [IrCl(cod){(R,R)-ptbp-Skewphos}] (0.0057 g)をエンデバー(登録商標)用試験管に量りとった。実施例421-428と同様に反応させ、HPLCにより各生成物の収率と標題化合物のエナンチオマー過剰率を算出した。結果を表33に示す。
Figure 0007102233000168
Figure 0007102233000169
実施例500-508
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000170
2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (0.400 g)、アミン源として、サリチル酸アンモニウムおよび/またはアンモニウム塩、 [IrCl(cod){(R,R)-ptbp-Skewphos}] (0.0057 g)をエンデバー(登録商標)用試験管に量りとった。実施例421-428と同様に反応させ、HPLCにより各生成物の収率と標題化合物のエナンチオマー過剰率を算出した。結果を表34に示す。
Figure 0007102233000171
実施例 509-523
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000172
2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (0.400 g)、サリチル酸アンモニウム (0.532 g)、 [IrCl(cod){(R,R)-ptbp-Skewphos}] (0.0057 g)、ならびに添加剤(表35に示す量)をSUS316製120 mLオートクレーブに量りとった。オートクレーブ内を減圧し、アルゴン雰囲気下複圧する操作を5回行った。アルゴン雰囲気下、超脱水THF(8.0 mL)をシリンジにて加えたのち、50 ℃で、2時間撹拌した。撹拌終了後、オートクレーブ内を水素でパージした。水素ガスを3.0 MPaまで加圧し、水素加圧下、50 ℃で、20時間撹拌した。反応後、オートクレーブを冷却し、水素ガスを解圧した。HPLCにより各生成物の収率と標題化合物のエナンチオマー過剰率を算出した。結果を表35に示す。HPLC条件は実施例421-428と同様である。
Figure 0007102233000173
実施例524-542
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000174
以下の反応を標準とし、標準反応のうち添加物(A)、溶媒(S)、触媒(C)をそれぞれ表36中のChange欄に記載の通り変更して、反応を実施した。
2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (0.400 g)、サリチル酸アンモニウム (0.532 g)、 触媒として[IrCl(cod){(R,R)-ptbp-Skewphos}] (0.0057 g)、ならびに添加剤(基質に対して0.2当量)をエンデバー(登録商標)用試験管に量りとった。試験管を装置にセットし、装置内を減圧し、アルゴン雰囲気下複圧する操作を5回行った。アルゴン雰囲気下、溶媒として超脱水THF(8.0 mL)をシリンジにて加えたのち、50 ℃で、2時間撹拌した。撹拌終了後、装置内を水素でパージした。水素ガスを3.0MPaまで加圧し、水素加圧下、50 ℃で、20時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水素ガスを解圧した実施例421-428と同様のHPLC条件で、各生成物の収率と標題化合物のエナンチオマー過剰率を算出した。結果を表36に示す。
Figure 0007102233000175
Figure 0007102233000176
実施例543-565
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000177
2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (0.400 g)、サリチル酸アンモニウム、[IrCl(cod)]2 (0.0019 g)、ならびに(R,R)-PTBP-Skewphos (0.0042 g)をエンデバー(登録商標)用試験管に量りとった。試験管を装置にセットし、装置内を減圧し、アルゴン雰囲気下複圧する操作を5回行った。アルゴン雰囲気下、超脱水溶媒(4.0 mL)をシリンジにて加えたのち、規定の温度、時間で撹拌した。撹拌終了後、装置内を水素でパージした。水素ガスを3.0 MPaまで加圧し、水素加圧下、50 ℃で、20時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水素ガスを解圧した。HPLCにより各生成物の収率と標題化合物のエナンチオマー過剰率を算出した。結果を表37に示す。HPLC条件は実施例421-428と同様である。
Figure 0007102233000178
実施例 566-576
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000179
[IrCl(cod)]2、(R,R)-PTBP-Skewphos、 2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (20.00 g)、ならびにサリチル酸アンモニウム (26.62 g)を1Lオートクレーブに加えた。装置内を減圧し、アルゴン雰囲気下複圧する操作を7回行った。アルゴン雰囲気下、超脱水THF(200 mL)をオートクレーブ内に送液し、規定の温度、時間で撹拌した。撹拌終了後、装置内を水素で10回パージした。水素ガスを加圧し、規定の水素圧、温度で、24時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水素ガスを解圧した。HPLCにより各生成物の収率と標題化合物のエナンチオマー過剰率を算出した。結果を表38に示す。HPLC条件は実施例421-428と同様である。
Figure 0007102233000180
実施例577-587
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000181
[IrCl(cod)]2 (0.0480 g)、(R,R)-PTBP-Skewphos (0.1046 g)、 2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (20.00 g)、ならびにサリチル酸アンモニウム (26.62 g)を1Lオートクレーブに加えた。装置内を減圧し、アルゴン雰囲気下複圧する操作を7回行った。アルゴン雰囲気下、超脱水THF(200 mL)、超純水(規定のppm量)をオートクレーブ内に送液し、規定の温度、時間で撹拌した。撹拌終了後、装置内を水素で10回パージした。水素ガスを加圧し、規定の水素圧、温度で、24時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水素ガスを解圧した。HPLCにより各生成物の収率と標題化合物のエナンチオマー過剰率を算出した。結果を表39に示す。HPLC条件は実施例421-428と同様である。
Figure 0007102233000182
実施例588
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000183
[IrCl(cod)]2 (0.0480 g)、(R,R)-PTBP-Skewphos (0.1046 g)、 2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (20.00 g)、ならびにサリチル酸アンモニウム (26.62 g)を1Lオートクレーブに加えた。装置内を減圧し、アルゴン雰囲気下複圧する操作を7回行った。アルゴン雰囲気下、脱酸素THF(200 mL)をオートクレーブ内に送液し、40 ℃で、90分間撹拌した。撹拌終了後、装置内を水素で10回パージした。水素ガスを加圧し、5.0 MPa、40 ℃で、24時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水素ガスを解圧した。HPLCにより各生成物の収率と標題化合物のエナンチオマー過剰率を算出した。標題化合物 収率81%、87.1% ee; アルコール体 収率7%; 副生物A収率2%。
高速液体クロマトグラフィー分析条件(面積百分率)
カラム:YMC-Pack ODS-A (株式会社ワイエムシィ社製)、 4.6*150 mm
UV検出波長:254 nm
移動相A:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.010 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=6/4
移動相B:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/0.010 mol/L リン酸二水素カリウム水溶液=8/2
流速:1.0 mL/min
グラジエントプログラム:
Figure 0007102233000184
保持時間: 2.2 min. (標題化合物(R体とS体を含む)), 3.6 min. (アルコール体), 7.0 min. (基質), 19.8 min. (副生物B)
高速液体クロマトグラフィー分析条件(光学純度)
カラム:IA (ダイセル化学工業株式会社製)、 4.6*250 mm
UV検出波長:254 nm
移動相:高速液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/メタノール/水=80/15/5
流速:1.0 mL/min
カラム温度:40 ℃
保持時間:4.6 min. (基質), 5.8 min. (アルコール体), 11.6 min. (アルコール体), 16.2 min. (標題化合物(R体)), 24.2 min. (標題化合物のエナンチオマー(S体)).
実施例589
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000185
[IrCl(cod)]2 (0.0480 g)、(R,R)-PTBP-Skewphos (0.1046 g)、 2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (20.00 g)、ならびにサリチル酸アンモニウム (26.62 g)を1Lオートクレーブに加えた。装置内を減圧し、アルゴン雰囲気下複圧する操作を7回行った。アルゴン雰囲気下、空気飽和したTHF(200 mL)をオートクレーブ内に送液し、40 ℃で、90分間撹拌した。撹拌終了後、装置内を水素で10回パージした。水素ガスを加圧し、5.0 MPa、40 ℃で、24時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水素ガスを解圧した。HPLCにより各生成物の収率と標題化合物のエナンチオマー過剰率を算出した。標題化合物 収率72%、82.2% ee; アルコール体 収率5%;副生物A収率7%。
HPLC条件は、実施例588と同様である。
実施例590
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000186
[IrCl(cod)]2 (0.0480 g)、(R,R)-PTBP-Skewphos (0.1046 g)、2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (20.00 g)、ならびにサリチル酸アンモニウム (26.62 g)を1Lオートクレーブに加えた。装置内を減圧し、乾燥空気下複圧する操作を7回行った。乾燥空気下、超脱水THF(200 mL)をオートクレーブ内に送液したのち、40 ℃で、90分間撹拌した。撹拌終了後、装置内を水素で10回パージした。水素ガスを加圧し、5.0 MPa、40 ℃で、24時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水素ガスを解圧した。HPLCにより各生成物の収率と標題化合物のエナンチオマー過剰率を算出した。標題化合物 収率6%; アルコール体 収率1%; 副生物A 収率23%。
HPLC条件は、実施例588と同様である。
実施例591
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000187
[IrCl(cod)]2 (0.0480 g)、(R,R)-PTBP-Skewphos (0.1046 g)、2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (20.00 g)、ならびにサリチル酸アンモニウム (26.62 g)を1Lオートクレーブに加えた。装置内を窒素でパージする操作を10回行った。窒素雰囲気下、超脱水THF(200 mL)をオートクレーブ内に送液し、40 ℃で、90分間撹拌した。撹拌終了後、装置内を水素で10回パージした。水素ガスを加圧し、5.0 MPa、40 ℃で、24時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水素ガスを解圧した。HPLCにより各生成物の収率と標題化合物のエナンチオマー過剰率を算出した。標題化合物 収率78%、85.3% ee; アルコール体 収率6%; 副生物A収率3%。
HPLC条件は、実施例588と同様である。
実施例592
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000188

[IrCl(cod)]2 (0.1985 g)、(R,R)-PTBP-Skewphos (0.4322 g)、2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (62.00 g)、ならびにサリチル酸アンモニウム (82.52 g)を1Lオートクレーブに加えた。装置内を減圧し、アルゴン雰囲気下複圧する操作を7回行った。アルゴン雰囲気下、超脱水THF(620 mL)、超純水(1.10 mL)をオートクレーブ内に送液し、40 ℃で、90分間撹拌した。撹拌終了後、装置内を水素で10回パージした。水素ガスを加圧し、4.9 MPa、40 ℃で、40時間撹拌した。40時間後、水素圧は3.0 MPaまで減少した。反応液を室温まで冷却し、水素ガスを解圧した。HPLCにより各生成物の収率と標題化合物のエナンチオマー過剰率を算出した。標題化合物 収率87%、82.2% ee; アルコール体 収率7%; 副生物A収率1%。
HPLC条件は、実施例588と同様である。
実施例593
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000189
[IrCl(cod)]2 (0.1489 g)、(R,R)-PTBP-Skewphos (0.3242 g)、2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (62.00 g)、ならびにサリチル酸アンモニウム (82.52 g)を1Lオートクレーブに加えた。装置内を減圧し、アルゴン雰囲気下複圧する操作を7回行った。アルゴン雰囲気下、超脱水THF(620 mL)、超純水(1.10 mL)をオートクレーブ内に送液し、40 ℃で、90分間撹拌した。撹拌終了後、装置内を水素で10回パージした。水素ガスを加圧し、5.5 MPaの一定圧、40 ℃で、40時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水素ガスを解圧した。HPLCにより各生成物の収率と標題化合物のエナンチオマー過剰率を算出した。標題化合物 収率86%、85.2% ee; アルコール体 収率7%; 副生物A収率1%。
HPLC条件は、実施例588と同様である。
実施例594
2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミドの合成
Figure 0007102233000190
2-アセチル-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド (200.00 g)、サリチル酸アンモニウム(266.18 g)、[IrCl(cod)]2 (1.92 g) ならびに (R,R)-PTBP-skewphos (4.18 g)を10 Lオートクレーブに加えた。オートクレーブ内を減圧し、アルゴン雰囲気下複圧する操作を7回行った。アルゴン雰囲気下、超脱水THF(4.00 L)を加え、45-52 ℃で2時間撹拌した。撹拌終了後、オートクレーブ内を水素でパージ10回した。水素ガスを1.02 MPaまで加圧し、水素加圧下、52-55 ℃で、19時間撹拌した。反応後、オートクレーブを31 ℃まで冷却し、水素ガスを解圧した。HPLCにより標題化合物の収率とエナンチオマー過剰率を算出したところ、標題化合物が収率86%、84.4% eeで生成していた。反応混合物を1.0 Lまで減圧濃縮したのち、トルエン(8.0 L)を加え、反応混合物を1.6 Lまで減圧濃縮した。酢酸エチル(4.0 L)とアンモニア水溶液(260 gの25%アンモニア水溶液を水で薄めて1.6 Lの溶液とした)を残渣に加え、室温にて10分間撹拌した。水層を除去したのち、有機層にアンモニア水溶液(40 gの25%アンモニア水溶液を水で薄めて1.6 Lの溶液とした)を加え、室温にて10分間撹拌した。水層を除去したのち、有機層を1.0 Lになるまで減圧濃縮した。アセトニトリル 1.0 Lを加え、1.0 Lになるまで減圧濃縮する操作を2回行った。残渣を10 Lの反応容器に移し、アセトニトリル (4.8 L)と水(0.2 L)を加えた。混合物を60 ℃に加熱したのち、(S)-マンデル酸 (87.01 g)を60℃で加えたのち、3時間かけて室温に冷却した。生成した結晶をグラスフィルターにてろ過し、アセトニトリル(1.6 L)で洗浄した。50℃で恒量になるまで減圧乾燥し、193.93 gの2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド(S)-マンデル酸塩を、収率67.4%で取得した。得られた結晶190 gと炭酸水素ナトリウム(63.45 g)を3 L反応容器に加えた。水(1.44 L)ならびにアセトニトリル(1.44 L)を加え、11-22 ℃で2時間撹拌した。活性炭(5.70 g)を加え、室温にて10分間撹拌した。反応混合物をメンブランフィルター(45 μm)でろ過し、フィルターをアセトニトリル/水=1/1混合液(190 mL)で洗浄した。ろ液と洗液を併せて10 Lの反応容器に移し、水(3.23 L)を13-18 ℃で滴下した。生じた結晶を室温にて3時間熟成した。結晶を桐山ロートでろ過、水(1.9 L)で洗浄した。得られた結晶を50 ℃にて恒量になるまで減圧乾燥し、128.24 gの 2-((1R)-1-アミノエチル)-N-(5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド を収率97%で取得した。HPLC 96.8 area%、 98.3% ee.
HPLC条件は、実施例588と同様である。
本発明によれば、化合物(I)またはその塩を不斉還元反応に付した後、脱保護することにより、鍵中間体である化合物(III)またはその塩を良好な光学純度でかつ収率よく製造することができる。特に、脱保護後、光学活性なジp-トルオイル酒石酸または光学活性なマンデル酸とのジアステレオマー塩の晶析により、化合物(III)の塩をより良好な光学純度で得ることができる。従って、目的とする化合物(V)またはその塩を工業的規模で製造することが可能となる。

Claims (15)

  1. 下式(I):
    Figure 0007102233000191

    [式中、
    は、C1-6アルキル基を;
    は、水素原子またはハロゲン原子を;
    は、水素原子またはハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基を;
    PGは、保護基を示す。]
    で表される化合物またはその塩を不斉還元反応に付すことを特徴とする、下式(II):
    Figure 0007102233000192

    [式中、*が付された炭素原子は不斉炭素原子を示し、その他の記号は前記と同義を示す。]
    で表される化合物の光学活性体またはその塩の製造法であって、
    当該不斉還元反応が、イリジウム錯体および還元剤の存在下の還元反応であり、ここで、イリジウム錯体が、[Ir(cod)(L)]BF または[Ir(cod)(L)]B{3,5-(CF [式中、
    Lは、
    (3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a;3,4-a’]ジナフタレン-4-イル)ジメチルアミン(MonoPhos);
    (3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a;3,4-a’]ジナフタレン-4-イル)モルホリン(Morphos);および
    (3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a;3,4-a’]ジナフタレン-4-イル)ピペリジン(PipPhos)
    から選択され、
    codは1,5-シクロオクタジエンを示す。]
    であり、かつ
    PGが、下式(VI):
    Figure 0007102233000193

    [式中、
    Arは、C1-6アルコキシで置換されていてもよいC6-14アリール基を;
    Arは、C1-6アルコキシで置換されていてもよいC6-14アリール基を示す。]
    で表される、製造法。
  2. 下式(I);
    Figure 0007102233000194

    [式中、
    は、C1-6アルキル基を;
    は、水素原子またはハロゲン原子を;
    は、水素原子またはハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基を;
    PGは、下式(VI):
    Figure 0007102233000195
    [式中、
    Arは、C1-6アルコキシで置換されていてもよいC6-14アリール基を;
    Arは、C1-6アルコキシで置換されていてもよいC6-14アリール基を示す。]
    で表される保護基を示す。]
    で表される化合物またはその塩を不斉還元反応に付して、下式(II);
    Figure 0007102233000196

    [式中、*が付された炭素原子は不斉炭素原子を示し、その他の記号は前記と同義を示す。]
    で表される化合物の光学活性体またはその塩を得る工程を含む、下式(V):
    Figure 0007102233000197

    [式中、RおよびRは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基、アシル基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいチオカルバモイル基、置換されていてもよいスルファモイル基、ヒドロキシ基、スルファニル(SH)基、またはシリル基を示し、その他の記号は前記と同義を示す。]
    で表される化合物の光学活性体またはその塩の製造法であって、
    当該不斉還元反応が、イリジウム錯体および還元剤の存在下の還元反応であり、ここで、イリジウム錯体が、[Ir(cod)(L)]BF または[Ir(cod)(L)]B{3,5-(CF [式中、
    Lは、
    (3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a;3,4-a’]ジナフタレン-4-イル)ジメチルアミン(MonoPhos);
    (3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a;3,4-a’]ジナフタレン-4-イル)モルホリン(Morphos);および
    (3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a;3,4-a’]ジナフタレン-4-イル)ピペリジン(PipPhos)
    から選択され、
    codは1,5-シクロオクタジエンを示す。]
    であり、
    当該方法は、式(II)で表される化合物の光学活性体を脱保護反応に付す工程、および
    得られた下式(III);
    Figure 0007102233000198

    [式中の各記号は前記と同義を示す。]
    で表される化合物の光学活性体またはその塩を、下式(IV);
    Figure 0007102233000199

    [式中、
    Xは、脱離基を;
    およびRは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基、アシル基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいチオカルバモイル基、置換されていてもよいスルファモイル基、ヒドロキシ基、スルファニル(SH)基、またはシリル基を示す。]
    で表される化合物またはその塩と反応させる工程をさらに含む、製造法。
  3. 式(III)で表される化合物の光学活性体またはその塩が、式(III)で表される化合物の光学活性体とマンデル酸との塩である、請求項2に記載の製造法。
  4. Xがヒドロキシ基である、請求項2に記載の製造法。
  5. ArおよびArが、各々無置換のフェニル基である、請求項1または2に記載の製造法。
  6. 下式(VII):
    Figure 0007102233000200

    [式中、ArおよびArは、各々独立して、無置換のC6-14アリール基、またはC1-6アルコキシで置換されたC6-14アリール基を示す。]
    で表される化合物またはその塩。
  7. 下式(VIII):
    Figure 0007102233000201

    [式中、
    ArおよびArは、各々独立して、無置換のC6-14アリール基、またはC1-6アルコキシで置換されたC6-14アリール基を示し、
    *が付された炭素原子は不斉炭素原子を示す。]
    で表される化合物の光学活性体またはその塩。
  8. 不斉還元反応が、[Ir(cod)]BARF(ビス(1,5-シクロオクタジエン)イリジウム(I)テトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート)および(S)-Monophosの存在下の不斉水素化反応である、請求項1または2に記載の製造法。
  9. がメチルであり、RがClであり、かつRが-CFである、請求項1または2に記載の製造法。
  10. 式(I)で表される化合物が、式(VII):
    Figure 0007102233000202

    [式中、ArおよびArが、各々独立して、C1-6アルコキシで置換されていてもよいフェニル基を示す。]
    で表される化合物であり、かつ式(II)で表される化合物が、式(VIII):
    Figure 0007102233000203

    [式中、
    ArおよびArが、各々独立して、C1-6アルコキシで置換されていてもよいフェニル基を示し、
    *が付された炭素原子は不斉炭素原子を示す。]
    で表される化合物である、請求項1または2に記載の製造法。
  11. 還元剤が水素ガスである、請求項1または2に記載の製造法。
  12. が、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換されていてもよい炭化水素基、アシル基、またはヒドロキシ基であり;かつ
    が、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基、アシル基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいカルバモイル基、ヒドロキシ基、またはスルファニル(SH)基である、
    請求項2に記載の製造法。
  13. がClであり、かつRが-NHである、請求項2に記載の製造法。
  14. ArおよびArが、各々フェニルである、請求項に記載の化合物。
  15. ArおよびArが、各々フェニルである、請求項に記載の化合物の光学活性体。
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