JP7097608B2 - スペーサ - Google Patents
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下記特許文献1には、スペーサ本体と、スペーサ本体の内面に取り付けられた発泡体とを備え、冷却水流路に組付けられる前は、発泡体が圧縮状態に保持されているスペーサが開示されている。そして、下記特許文献1には、スペーサ本体を厚み方向に貫く貫通孔が、発泡体と重なる位置に形成されたスペーサが開示されている(図15(c)参照)。
しかしながら、合成樹脂からなるスペーサ本体と発泡体とをインサート成型してスペーサを製造する場合、上記特許文献1の図15(a)及び図15(b)に図示されているように、合成樹脂の射出圧等により発泡体が移動しないよう押えつける押え部材が必要になる。したがって、上記特許文献1のようなスペーサ本体に発泡体が取り付けられたスペーサにおいては、スペーサ本体に形成された貫通孔を省略することは難しい。
本実施形態に係るスペーサ5は、自動車用エンジン等の内燃機関10のシリンダブロック1に設けられた冷却水流路3内に配置され、内燃機関10の作動に伴い昇温するシリンダボア壁20を冷却する冷却水の流れを規制し過冷却を防止するものである。スペーサ5は、合成樹脂からなる支持体6と、支持体6の内面6a又は外面6bに取り付けられる多孔質体7とを備えている。支持体6には、多孔質体7と重なる位置に形成された貫通孔60と、内面6a及び外面6bのうち多孔質体7が取り付けられる側とは反対側に貫通孔60に隣接して設けられるともに、貫通孔60への冷却水の流れ込みを規制する堰部61とが設けられている。以下、詳述する。
図1~図3には、第1実施形態に係る半筒状のスペーサ5を示している。
図1に示すシリンダブロック1は、3気筒の内燃機関10を構成するものであり、複数のシリンダボア(気筒)2…が隣接した状態で直列に連なるように設けられている。シリンダブロック1の適所には、不図示のシリンダヘッドとヘッドガスケットを介して締結され合体させるためのボルト用挿通孔1aが複数設けられている。複数のシリンダボア2…の周囲には、オープンデッキタイプの溝状の冷却水流路(ウォータジャケット)3が一連に形成されている。またシリンダブロック1の適所には、この冷却水流路3に通じる冷却水導入口1bと冷却水排出口1cとが設けられている。冷却水排出口1cは、不図示のラジエータに配管接続され、ラジエータのアウトレット側は、ウォータポンプ(不図示)を介して冷却水導入口1bに配管接続される。これによって、冷却水流路3とラジエータとの間で冷却水(不凍液も含む)が循環するように構成される。
なお、シリンダヘッドにも冷却水流路が設けられる場合は、シリンダブロック1の冷却水流路3と、シリンダヘッドの冷却水流路とが連通するよう構成される。この場合は、シリンダブロック1には、冷却水排出口1cがなくても良く、シリンダヘッド側に冷却水排出口が設けられ、これにラジエータに通じる配管が接続される。
図2(a)は図1のX部の部分拡大図である。また図2(b)は多孔質体7が膨大化した状態を示す部分拡大図である。
貫通孔60は、支持体6の内面6a及び外面6bに貫通して形成され、円弧部62に適宜間隔を空けて複数箇所に設けられる。堰部61は、複数の貫通孔60のそれぞれに設けられるとともに、上述したとおり貫通孔60毎に貫通孔60の全周を囲んで形成され、シリンダボア2とは反対側に突出した中空円筒状に形成されている。堰部61の中心は、貫通孔60の中心と一致しており、堰部61は、その一部が、貫通孔60の中心に対して、冷却水の流通方向の上流側に位置している。換言すれば、堰部61は、その一部が貫通孔60よりも冷却水の流通方向の上流側に設けられている。各堰部61は、全て同じ方向に向かって突出するように形成されている。つまり、堰部61の突出方向は、互いに平行である。
堰部61は、図2(a)に示すように中空円筒形状の円筒部分の内径が貫通孔60である例に限定されず、図3(a)に示すように堰部61を貫通孔60の縁部60aから所定の間隔dを空けて形成された中空円筒形状であってもよい。つまり、堰部61の内径が、貫通孔60の径よりも大きくなるように形成してもよい。このように堰部61を貫通孔60の縁部60aから所定の間隔dを空けて全周を囲んで形成した場合でも、貫通孔60への冷却水の流れ込みを抑制することができる。
図3(b)に示す堰部61は、冷却水の流通方向の上流側に形成されている。また堰部61は、貫通孔60の縁部60aに沿って形成され、縁部60aに重なる位置に平面視において半円形状に形成されている。また図3(c)に示す堰部61は、冷却水の流通方向の上流側に貫通孔60の縁部60aから所定の間隔dを空けて、平面視において半円形状に形成されている。さらに図3(d)に示す堰部61は、貫通孔60に対して冷却水の流通方向の上流側に貫通孔60の縁部60aから所定の間隔dを空けて形成されるとともに、貫通孔60に向おうとする冷却水に対向する衝立のように平板状に形成されている。より具体的には、堰部61は、上下方向に延びるように形成されている。
これらはいずれも、堰部61が貫通孔60よりも上流側に存在するので、上流側から冷却水が貫通孔60に直接流れ込むことを抑制できる。したがって、貫通孔60を通過する冷却水の量を低減することができ、スペーサ5の機能が低下することを抑制できる。
続いて図4及び図5を参照しながら、第2実施形態のスペーサ5を説明するとともに、その製造方法について説明する。第1実施形態と共通する箇所には共通の符号を付し、共通する箇所の説明は省略する。また以下では、第2実施形態に係るスペーサ5の製造方法について説明するが、第1実施形態に係るスペーサ5の製造方法としても適用可能である。
図4(a)及び(b)は、第2実施形態のスペーサ5の製造方法を示し、図4(a)は圧縮状態の多孔質体7を成型型に配置する工程を示している。また図4(b)は多孔質体7と合成樹脂とを一体にインサート成型する工程を示している。そして、図4(c)、図5(a)及び図5(b)は脱型して得られたスペーサ5を示している。また図4及び図5に示すスペーサ5は、第1実施形態に示す半筒状のものではなく、冷却水流路3内の適所に部分的に配置される部分スペーサである。スペーサ5は、冷却水流路3の円弧形状部3aに沿うような円弧形状に形成され、半円弧状の支持体6と、支持体6に取り付けられて一体とされた多孔質体7とを備えている。貫通孔60及び堰部61の形状・構成は、図1、図2に示した例と同様である。
成型装置100は、下型101と上型103とを有し、型締めしたときに円弧形状のキャビティ102を形成するように構成される。キャビティ102は、凸曲状の下型キャビティ102aと、上型キャビティ102bとで構成されている。下型キャビティ102aは、支持体6の四周部を成型する部分102aaと、多孔質体7が載置される凹段部分102abとを有している。上型キャビティ102bは、支持体6の外面6b(外側壁面3dに対向する面)側部分を成型するように形成されている。下型キャビティ102aの凹段部分102abは、多孔質体7を所望の円弧形状にしたときに載置し得る大きさ及び形状とされている。凹段部分102abの略中心部(凸曲部の最頂部)には、突起102acが形成されている。多孔質体7の所定位置には、貫通した透孔7cが複数形成されている。この透孔7cは、突起102acに挿通される透孔であり、凹段部分102abに形成された突起102acと、多孔質体7に形成された透孔7cは対応関係にある。すなわち、突起102acに透孔7cを挿通させて多孔質体7を載置すれば、凹段部分102ab内に多孔質体7が収まるように、突起102ac及び透孔7cが形成されている。
続いて第2実施形態に係るスペーサ5を製造する方法について説明する。
まず、下型101上に、予め所定大きさに裁断され、且つ、所定位置に透孔7cが形成された方形の多孔質体7を配置する。このとき、下型101の突起102acに多孔質体7の透孔7cを嵌め合せ、多孔質体7の位置決めを行う(図4(a)参照)。その後、上型103を下型101に型締めし、溶融状態の合成樹脂をゲート部104から射出していく(図4(b)参照)。上型103を下型101に型締めすると、押えピン102baは、多孔質体7を介して凹段部分102abに当接した状態となり、凹段部分102abに載置された多孔質体7を押え付けた状態となる。これにより、多孔質体7は凹段部分102abの形状に沿って円弧状に変形する。そしてこの状態で、ゲート部104より溶融状態の合成樹脂をキャビティ102内に射出しインサート成型する。ゲート部104から合成樹脂を射出する際、多孔質体7は、高圧な射出圧を受けるが、押えピン102baによって確実に押え付けられているので、凹段部分102ab内から多孔質体7が位置ずれすることなく、インサート成型を行うことができる。またこのとき、溶融状態の合成樹脂は凹部102bbまで充填され行き渡り、堰部61を備えた支持体6を形成することができ、押えピン102baによって貫通孔60が形成される。
このように成型装置100を型締めし、合成樹脂を充填した後、保圧状態で冷却し合成樹脂を硬化させ、型開きして脱型すれば、図4(c)、図5(a)及び図5(b)に示すスペーサ5を得ることができる。
1 シリンダブロック
3 冷却水流路
5 スペーサ
6 支持体
60 貫通孔
61 堰部
7 多孔質体
Claims (6)
- 内燃機関のシリンダブロックに設けられた冷却水流路内に配置されて、冷却水の流れを規制するスペーサにおいて、
合成樹脂からなる支持体と、
前記支持体の内面又は外面に取り付けられる多孔質体とを備え、
前記支持体には、前記多孔質体と重なる位置に形成された貫通孔と、
前記内面及び前記外面のうち前記多孔質体が取り付けられる側とは反対側に前記貫通孔に隣接して設けられるともに、前記貫通孔への前記冷却水の流れ込みを規制する堰部とが設けられていることを特徴とするスペーサ。 - 請求項1において、
前記堰部は、前記支持体が前記冷却水流路内に配置された状態で、少なくとも一部が前記貫通孔よりも前記冷却水の流通方向の上流側に設けられていることを特徴とするスペーサ。 - 請求項1または請求項2において、
前記堰部は、前記貫通孔の全周を囲んで設けられていることを特徴とするスペーサ。 - 請求項1~請求項3のいずれか1項において、
前記多孔質体は、所定の外的要因が付加されたことを契機として圧縮された状態から溝状の前記冷却水流路の幅方向に膨大化する特性を有し、
前記堰部は、前記多孔質体が膨大化して前記冷却水流路の一方の溝壁に当接する際、前記堰部の端部が、前記冷却水流路の他方の溝壁に当接するように形成されていることを特徴とするスペーサ。 - 請求項1~請求項4のいずれか1項において、
前記貫通孔が複数設けられ、前記堰部は、前記貫通孔のそれぞれに設けられていることを特徴とするスペーサ。 - 請求項1~請求項5のいずれか1項において、
前記貫通孔は、前記多孔質体と前記支持体とをインサート成型する際、前記多孔質体を成型型に押え付けるための押え部材によって形成される孔であることを特徴とするスペーサ。
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