JP2019007398A - スペーサ - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却水流路内に配置される支持体の凸曲部分を含む部分に設けられる圧縮状態の多孔質体が凸曲部分で復元する量を増加させることができる新規なスペーサを提供する。【解決手段】内燃機関1Aのシリンダブロック1にシリンダボア2を取り囲むように形成された冷却水流路3内に配置されるスペーサ6である。スペーサ6は、凸曲部71を有する剛性材製の支持体7と、支持体7における凸曲部71の凸曲面71aを含む側面7aに取付けられる第1多孔質体8と、支持体7における凸曲部71の凸曲面71aにおいて少なくとも一部91が第1多孔質体8に重なるよう設けられる第2多孔質体9とを備える。第1多孔質体8及び第2多孔質体9は、圧縮状態に維持され、所定の外的要因が付加されたことを契機として圧縮前の状態に復元する特性を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関のシリンダブロックにシリンダボアを取り囲むように形成された冷却水流路内に配置されるスペーサに関する。
前記内燃機関の冷却水流路には、流通する冷却水の流れ(流量、流速等)を規制するためのスペーサが開口部から挿入されて配置される(例えば、特許文献1,2参照)。これらの特許文献1,2に開示されたスペーサ(規制部材)では、合成樹脂等の剛体製のスペーサ本体(支持体)のシリンダボア側の面に、冷却水と接触すると膨大化して、冷却水流路のシリンダボア側の壁面に接触する部材が取付けられている。このようにスペーサ本体に取付けられる部材は、膨大化する前は嵩低い(厚みが薄い)ため、当該スペーサを、冷却水流路内に挿入する際には挿入抵抗を小さくして挿入を円滑にし、冷却水流路内に配置した後は膨大化して、冷却水の流通を規制する。
特開2014−194219号公報 WO2016/104478号公報
ところで、シリンダブロックが複数のシリンダボアを有している場合、複数のシリンダボアを取り囲むように形成される冷却水流路は、隣接するシリンダボア間部分では、シリンダボア側に向くくびれ部を備える。したがって、当該冷却水流路内に配置されるスペーサには、このくびれ部に対応してシリンダボア側に向く凸曲部が形成される。前記特許文献に開示されたスペーサは、前記膨大化する部材がスペーサ本体のシリンダボア側の面に取付けられており、スペーサの冷却水流路内への挿入性が確保されるとともに、冷却水の流通を規制する機能を有している。
そして、本出願人は、特許文献2に示されるスペーサの実用化の過程で、前記膨大化する部材としての多孔質体を前記凸曲部に設けることを考案した上で、さらに次のような問題点が生じることも知見した。図10(a)、(b)は、このような問題点が生じる状態を示す図である。図10(a)、(b)に示すスペーサ102は、シリンダブロック100に形成された冷却水流路101内に挿入される形状のスペーサ本体103と、スペーサ本体103のシリンダボア(図1参照)側の側面103aに一体とされた多孔質体104とから構成される。多孔質体104は、特許文献2に示される例と同様のセルロース系スポンジからなる。図10(a)、(b)では、スペーサ本体103は、冷却水流路101のシリンダボア間部分(図1参照)に対応する位置に凸曲部103bを有し、多孔質体104は、この凸曲部103bの凸曲面を含むスペーサ本体103のシリンダボア側の側面103aに一体に取付けられている。図10(a)は、スペーサ本体103と圧縮状態に維持された多孔質体104とが一体とされたスペーサ102が、シリンダブロック100の冷却水流路101内に配置された状態を示している。また、図10(b)は、冷却水流路101内に冷却水が導入され、冷却水と接触することによって多孔質体104が圧縮前の状態に復元した状態を示している。
図10(b)に示すように、多孔質体104は冷却水に接触すると圧縮前の状態に復元しようとする。図10(b)において、矢印a1,a2は多孔質体104の復元方向を示し、これは多孔質体104の圧縮方向に対向する方向である。さらに具体的には、多孔質体104は、凸曲部103bの凸曲面以外の曲面部では、当該曲面部の曲率中心(シリンダボアの中心)に向く方向a1に復元し、凸曲部103bの凸曲面部では当該凸曲部103bの頂部の向く方向a2に復元する。この復元によって、凸曲部103bの凸曲面部以外の曲面部における多孔質体104は、冷却水流路101のシリンダボア側壁面(内側内壁面)101aに当接する。しかし、多孔質体104の凸曲部103bに対応する部分では、矢印bに示す方向の表面長さが復元後に長くなる必要があるため、多孔質体の伸び性能が低い場合、この部分の多孔質体104は復元方向a2には充分に復元しない。その結果、凸曲部103bにおける多孔質体104と冷却水流路101のシリンダボア側壁面101aとの間に隙間ができ、この部分を流れる冷却水を充分に規制できなくなる。
本発明は、前記に鑑みなされたもので、支持体の凸曲部を含む部分に設けられる圧縮状態の多孔質体が凸曲部で復元する量を増加させることができる新規なスペーサを提供することを目的としている。
本発明に係るスペーサは、内燃機関のシリンダブロックにシリンダボアを取り囲むように形成された冷却水流路内に配置されるスペーサであって、凸曲部を有する剛性材製の支持体と、前記支持体における前記凸曲部の凸曲面を含む側面に取付けられる第1多孔質体と、前記支持体における前記凸曲部の凸曲面において少なくとも一部が前記第1多孔質体に重なるよう設けられる第2多孔質体と、を備え、前記第1多孔質体及び前記第2多孔質体は、圧縮状態に維持され、所定の外的要因が付加されたことを契機として圧縮前の状態に復元する特性を有することを特徴とする。
支持体の凸曲部に取付けられている多孔質体は、当該多孔質体の復元の際、多孔質体の伸び性能が低いと、これが阻害要因となって、凸曲部における多孔質体の本来の復元が充分になされなくなる。しかし、本発明に係るスペーサによれば、第1多孔質体は凸曲部において支持体に取付けられているが、第2多孔質体は、凸曲部において第1多孔質体に重なっているだけである。そのため、第2多孔質体のこの重なり部分は、復元時に支持体によって規制されないため、第1多孔質体に比べて復元量が大きくなる。そして、第2多孔質体の復元量が大きくなる分、冷却水の流れを規制する機能を向上させることができる。
本発明に係るスペーサにおいて、前記第2多孔質体は、前記第1多孔質体とは別部材に構成され、前記支持体における前記第1多孔質体が取付けられた側と同じ側面に取付けられているものとしてもよい。
これによれば、第1多孔質体の形状や材質に制約を受けることなく、所望の形状や材質の第2多孔質体を適宜用いることができる。
本発明に係るスペーサにおいて、前記第2多孔質体は、少なくとも、前記第1多孔質体に重なっている部分よりも前記冷却水流路の周方向に沿った冷却水の上流側で、前記支持体に取付けられているものとしてもよい。
これによれば、第2多孔質体のうち支持体に取付けられていない部分が、冷却水から受ける流体圧を緩和することができる。したがって、第2多孔質体のうち支持体に取付けられていない部分、特に、第1多孔質体に重ねられている部分が、冷却水の流体圧を受けて変形や位置ずれすることを抑制できる。
本発明に係るスペーサにおいて、前記第1多孔質体及び前記第2多孔質体は、一連のシート状多孔質体とされ、当該シート状多孔質体の一部が折り返されて重ね合わされ、この重ね合わせ部分が前記第2多孔質体を構成し、前記シート状多孔質体における前記第2多孔質体以外の部分が前記第1多孔質体を構成するものとしてもよい。
これによれば、1つのシート状の多孔質体で第1多孔質体及び第2多孔質体それぞれの役割を果たすことができるため、経済的である。
本発明に係るスペーサにおいて、前記第2多孔質体は、前記凸曲部を跨いで前記支持体に取付けられているものとしてもよい。
これによれば、凸曲部と冷却水流路の内壁との間を流通する冷却水の流れを好適に規制することができる。
本発明に係るスペーサにおいて、前記第2多孔質体は、前記凸曲部の頂部において、前記冷却水流路の開口部側に位置する前記支持体の第1端部側、又は、前記冷却水流路の底部側に位置する前記支持体の第2端部側の、少なくともいずれか一方に取付けられているものとしてもよい。
これによれば、冷却水流路の深さ方向に沿って、支持体の第1端部側から第2端部側に向かう冷却水の流れや、支持体の第2端部側から第1端部側に向かう冷却水の流れを受けて、第2多孔質体が変形や位置ずれすることを抑制できる。
この場合、前記第2多孔質体は、前記支持体の前記第2端部側に取付けられているものとしてもよい。
これによれば、当該スペーサを冷却水流路内に配置する際、第2多孔質体が冷却水流路の開口部に引っ掛かる懸念を回避することができる。
本発明に係るスペーサにおいて、前記第1多孔質体及び前記第2多孔質体は、水分が接触することで圧縮状態から復元するセルロース系スポンジであるものとしてもよい。
セルロース系スポンジは、伸び性能が低いため、凸曲部の凸曲面に取付けると、復元量は小さい傾向になる。しかし、多孔質体としてセルロース系スポンジを用いて冷却水の流れを規制する場合でも、セルロース系スポンジの伸び性能に拘わらず、凸曲部において冷却水の流れを規制する効果を好適に発揮させることができる。
本発明に係るスペーサにおいて、前記シリンダボアは複数配列され、前記凸曲部は、隣接するシリンボア間部分に対応するように形成され、前記第1多孔質体は、前記支持体の前記シリンダボア側の側面に取付けられているものとしてもよい。
これによれば、第1多孔質体及び第2多孔質体により、冷却水流路におけるシリンダボア間部分の冷却水流路の冷却水の流れを規制することで、シリンダボア間部分の過冷却を抑制することができる。
本発明に係るスペーサによれば、支持体の凸曲部を含む部分に設けられる圧縮状態の多孔質体が凸曲部で復元する量を増加させることができる。
本発明に係るスペーサの第一の実施形態であって、当該スペーサを内燃機関の冷却水流路内に配置した状態を示す概略的横断平面図である。 (a)は図1のX部の拡大図であり、(b)は(a)の状態から冷却水が多孔質体に接触して多孔質体が圧縮前の状態に復元した状態を示す(a)と同様図である。 (a)は図1におけるY−Y線矢示断面図であり、(b)は(a)の状態から冷却水が多孔質体に接触して多孔質体が圧縮前の状態に復元した状態を示す(a)と同様図である。 (a)は同実施形態のスペーサの凸曲部を含む部分をシリンダボア側から見た図であり、(b)(c)はその変形例を示す同様図である。 (a)(b)は、他の変形例を示す図4(a)と同様図である。 (a)(b)は、本発明に係るスペーサの第2の実施形態を示す図2(a)(b)と同様図である。 (a)は同実施形態のスペーサの凸曲部を含む部分をシリンダボア側から見た図であり、(b)はその変形例を示す同様図である。 本発明に係るスペーサの第3の実施形態を示す図1と同様図である。 本発明に係るスペーサの第4の実施形態を示す図であって、その要部の図1と同様図と多孔質体が膨大化した状態の部分拡大図である。 (a)(b)は支持体の凸曲部に多孔質体が取付けられた従来のスペーサを示し、(a)はスペーサを内燃機関の冷却水流路内に配置した状態を示す凸曲部を含む部分の横断面図であり、(b)は(a)の状態から冷却水が多孔質体に接触して多孔質体が圧縮前の状態に復元した状態を示す(a)と同様図である。
以下に本発明の実施の形態について、図1〜図9を参照して説明する。図1〜図5は、本発明に係るスペーサの第一の実施形態を示し、図1は、同実施形態のスペーサを、内燃機関1Aにおけるシリンダブロック1の冷却水流路3内に挿入した状態を示している。図1に示すシリンダブロック1は、3気筒の自動車用エンジン(内燃機関)1Aを構成するものであり、3個のシリンダボア(気筒)2…が隣接状態で直列に連なるように設けられている。1a…は、シリンダヘッド10をヘッドガスケット11を介して(図3(b)参照)シリンダブロック1に合体締結させるためのボルト(不図示)用挿通孔である。複数(本実施形態では、3個)のシリンダボア2…の周囲には、オープンデッキタイプの溝形状の冷却水流路3が一連に形成されている。シリンダブロック1の適所には、この冷却水流路3に通じる冷却水導入口4と冷却水導出口5とが設けられている。冷却水導出口5は、不図示のラジエータに配管接続され、ラジエータのアウトレット側は、ウォータポンプ(不図示)を介して冷却水導入口4に配管接続される。これによって、冷却水流路3とラジエータとの間で冷却水(不凍液も含む)が循環するように構成される。なお、シリンダヘッド9にも冷却水流路(不図示)が設けられる場合は、シリンダブロック1の冷却水流路3と、シリンダヘッド10の冷却水流路とが連通するよう構成される。この場合は、シリンダブロック1には、前記冷却水導出口がなくても良く、シリンダヘッド10に冷却水導出口が設けられ、これにラジエータに通じる配管が接続される。
冷却水流路3は、シリンダボア2を取り囲むよう形成された円弧形状部3a…と、隣接するシリンダボア2,2間部分に互いに接近して対をなすよう形成されたくびれ形状部3b…とを有している。くびれ形状部3b…の溝幅は、冷却水流路3の他の円弧形状部3aの溝幅より大きい。そして、冷却水流路3の両内壁面は、前記円弧形状部3a…及びくびれ形状部3bに対応するよう形成されたシリンダボア2側の内壁面(内側内壁面)3cと、シリンダボア2とは反対側の内壁面(外側内壁面)3dとにより構成される。各シリンダボア2内には、その軸方向に沿って往復動するピストン20が設けられ、ピストン20は、その外周部に取り付けられたピストンリング20aを介してシリンダボア壁2aの内周面2aaを摺接し得るように構成されている(図3参照)。なお、本実施形態における冷却水流路3の周方向dとは、シリンダボア2…を平面視した状態でシリンダボア2…を取り囲む環形状を基準とする方向である。冷却水流路3の深さ方向cとは、冷却水流路3の周方向dに直交するとともに、各シリンダボア2…の中心軸に沿った方向である。また、冷却水導入口4から導入された冷却水は、大半が冷却水流路3内を矢印eで示す冷却水の流通方向eに沿って流通し、冷却水排出口5から排出されるよう構成される。つまり、冷却水の流通方向eとは、冷却水流路3内に導入された大半の冷却水が冷却水排出口5から排出されるまでの進行方向のことであり、冷却水流路3の周方向dに沿っている。
本実施形態のスペーサ6は、冷却水流路3内に配置されるスペーサである。スペーサ6は、凸曲部71を有する剛性材製の支持体7と、支持体7における凸曲部71の凸曲面71aを含む側面7aに取付けられる第1多孔質体8と、支持体7における凸曲部71の凸曲面71aにおいて一部が第1多孔質体8に重なるよう設けられる第2多孔質体9とを備える。第1多孔質体8及び第2多孔質体9は、圧縮状態に維持され、所定の外的要因が付加されたことを契機として圧縮前の状態に復元する特性を有する材料からなる。本実施形態における支持体7は、冷却水流路3の全体形状に対応する筒形状とされた硬質合成樹脂(剛性材製)の成型体からなる。支持体7は、冷却水流路3のくびれ形状部3b…に対応する部分に、シリンダボア2,2間部分に向かって当該シリンダボア2,2間部分に対応するよう突出する凸曲部71…を有している。
第1多孔質体8は、支持体7の凸曲部71を跨いで凸曲面71aを覆う第1部分81と、第1部分81から前記冷却水の流通方向eの下流側に連なる第2部分82とからなる。第1多孔質体8は、その全体が支持体7のシリンダボア2側の側面(以下、内面と言う)7aに湾曲した状態で固着によって一体に取付けられている。また、第2多孔質体9は、第1多孔質体8の第1部分81に重なる重なり部分(一部)91と、重なり部分91以外の部分である非重なり部分92とからなる。第2多孔質体9の非重なり部分92は支持体7の内面7aに固着されている。第1多孔質体8と第2多孔質体9との重なり合い部分の形成態様は、図4(a)(b)(c)及び図5(a)(b)に示すような種々の例が採用されるが、これについては後記する。
本実施形態では、第1多孔質体8及び第2多孔質体9は別部材に構成され、両方とも圧縮状態のシート状セルロース系スポンジからなる。本実施形態の第1多孔質体8は、その深さ方向cに沿った幅寸法が一定であり、深さ方向cに沿った第2多孔質体9の幅寸法と同じに形成されている。また、本実施形態の第1多孔質体8は、その冷却水流路3の周方向dに沿った幅寸法が、第2多孔質体9における冷却水流路3の周方向dに沿った幅寸法と同じに形成されている。つまり、第1多孔質体8及び第2多孔質体9には、同じ形状のシート状セルロース系スポンジが用いられている。当該セルロース系スポンジは圧縮状態に維持され、水に接触すると、水との接触が外的要因の付加となり、この外的要因の付加を契機として圧縮前の状態に復元する特性を有する。さらに具体的には、セルロース系スポンジとは、パルプ由来のセルロースと、補強繊維として加えられた天然繊維(例えば、綿等)とからなる天然素材である。セルロースは、親水基(OH)を有しており、化学的に水分になじみ易い性質を有する。また、セルロース系スポンジは、多孔質の素材であり、加圧した状態で乾燥させるとセルロース分子間が水素結合して圧縮状態に維持される一方、この状態から水分に晒されると水分子がセルロース分子間の水素結合を解離して圧縮状態から復元する特性を有する。セルロース系スポンジ(第1多孔質体8及び第2多孔質体9)の支持体7に対する一体化は、圧縮された状態のセルロース系スポンジを支持体7とともにインサート成型することによってなされる。したがって、支持体7を構成する樹脂材料の一部がセルロース系スポンジに含浸した状態で、セルロース系スポンジが支持体7に固着されている。本実施形態では、第1多孔質体8における支持体7側の面8aの全体が支持体7の内面7aに固着され、これによって第1多孔質体8が支持体に取付けられている。また、第2多孔質体9は、非重なり部分92における支持体7側の面92aの全体が支持体7の内面7aに固着され、これによって第2多孔質体9が支持体7に取付けられている。
前記のように構成されるスペーサ6は、内燃機関1Aにおける冷却水流路3内に、その開口部30から挿入されて配置される。図1、図2(a)及び図3(a)は、スペーサ6が冷却水流路3内に配置された状態を示している。冷却水流路3内へのスペーサ6の配置に際しては、第1多孔質体8及び第2多孔質体9が圧縮状態に維持されているから、第1多孔質体8及び第2多孔質体9が冷却水流路3の内側内壁部3cに干渉し難く、スムースに挿入される。そして、図3(b)に示すように、シリンダブロック1の上面にシリンダヘッド10がヘッドガスケット11を介して締結一体とされ、その後冷却水流路3内に冷却水導入口4から冷却水wが導入される。
前記のように、冷却水流路3内に冷却水wが導入されると、セルロース系スポンジからなる第1多孔質体8及び第2多孔質体9に冷却水wが接触し、第1多孔質体8及び第2多孔質体9が復元してシリンダボア2側(反圧縮方向)に膨大化する。この復元に伴って、第1多孔質体8は、第2多孔質体9が重なっていない部分の表面(支持体7とは反対側の面)8bが冷却水流路3の内側内壁面3cに当接する。また、第2多孔質体9は、その表面(支持体7とは反対側の面)9aの全体が冷却水流路3の内側内壁面3cに当接する。第1多孔質体8は、その全体が支持体7に一体に固着されているため、第1多孔質体8の復元の際に支持体7によって規制され、第1部分81のシリンダボア2側の面を冷却水流路3の周方向dに拡大させようとする力が働く。そのため、図10(a)、(b)に示す原理により、凸曲部71における第1部分81はその反圧縮方向に充分に復元しない。一方の重なり部分91は、第1多孔質体8の第1部分81に単に重なっているだけであるから、復元時に支持体7によって規制されず、第1多孔質体8に比べて復元量が大きくなる。冷却水流路3のくびれ形状部3bでは、第1多孔質体8の第1部分81と第2多孔質体9の重なり部分91とが溝幅方向に重なっているから、両者の復元量が加算されて大きくなる。したがって、くびれ形状部3bの溝幅は他の部分より大きいが、第2多孔質体の表面9aがくびれ形状部3bにおける冷却水流路3の内側内壁面3cに確実に当接する。これによって、くびれ形状部3bにおける冷却水wの流れを規制するスペーサ6の機能が向上し、支持体7の凸曲部71に対向する内側内壁面3cは適正に冷却されるようになる。
図4(a)、(b)、(c)及び図5(a)、(b)は、第1多孔質体8と第2多孔質体9との重なり合い部分の種々の形成態様を示している。
図4(a)の例では、第1多孔質体8は、第1部分81の深さ方向cの上下両側に冷却水の流通方向eに沿った切欠部81a,81bを有しており、第1多孔質体8における第部分81の前記深さ方向cに沿った幅寸法が第2部分82の同幅寸法より小さい。また、第2多孔質体9全体における深さ方向cに沿った幅寸法は、第1多孔質体8の第2部分82の深さ方向cに沿った幅寸法と同じである。第2多孔質体9における非重なり部分92の主体部920は、重なり部分91より冷却水の流通方向eの上流側に位置する。そして、第2多孔質体9の非重なり部分92は、第1多孔質体8における第1部分81の切欠部81a,81bに対応し、第1多孔質体8の第1部分81より深さ方向cにはみ出すはみ出し部921,922を有している。当該はみ出し部921は、前記凸曲部71の頂部において、冷却水流路3の開口部30(図3参照)側に位置する支持体7の第1端部700側の部分に対応する。はみ出し部922は冷却水流路3の底部31(同上)側に位置する支持体7の第2端部701側の部分に対応する。この例では、非重なり部分92の主体部920と上下のはみ出し部921,922とが支持体7に固着されている。
図4(a)に示す例においては、第2多孔質体9における非重なり部分92の主体部920が、重なり部分91より冷却水の流通方向eの上流側に位置して支持体7に固着されているから、重なり部分91が冷却水から受ける流体圧を緩和することができる。したがって、第2多孔質体9のうち支持体7に取付けられていない重なり部分91が、冷却水の流体圧を受けて変形や位置ずれすることを抑制できる。また、非重なり部分92は、前記第1端部700側の部分及び前記第2端部701側の部分に対応するはみ出し部分921,922においても支持体7に固着さているから、重なり部分91が冷却水の流体圧を受けて変形や位置ずれすることを抑制できる。さらに、第2端部701側の部分に対応するはみ出し部分922が、支持体7に固着されていることにより、当該スペーサ6を冷却水流路3内に配置する際、第2多孔質体9が冷却水流路3における開口部30の縁部に引っ掛かる懸念を回避することができる。
図4(b)に示す例では、第1多孔質体8の第1部分81が図4(a)に示す例の第1端部700側の部分に対応する切欠部81aを有していない。この例では、主体部920と、第2端部701側の部分に対応するはみ出し部分922とが支持体7に固着されている。この例においては、第2多孔質体9の支持体7に対する固着面積が図4(a)の例より小さいが、その分支持体7による規制が小さく、第2多孔質体9の復元量が大きくなる。また、第2多孔質体9における非重なり部分92の主体部920及びはみ出し部分922は、図4(a)の例と同様に機能する。
図4(c)に示す例では、第1多孔質体8の第1部分81が図4(a)に示す例の第1端部701側の部分に対応する切欠部81bを有していない。この例では、主体部920と、第1端部700側の部分に対応するはみ出し部分921とが支持体7に固着されている。この例においては、第2多孔質体9における非重なり部分92の主体部920及びはみ出し部分921は、図4(a)の例と同様に機能する。
図5(a)に示す例では、第1多孔質体8の第1部分81が、前記深さ方向cの中間部に冷却水の流通方向eに沿った切欠部81cを有している。第2多孔質体9の非重なり部分92は、前記例と同様の主体部920と、切欠部81cに対応して主体部920から前記冷却水の流通方向eに沿って延びる延長部923とを有している。主体部920と、切欠部81cに対応する延長部923とが支持体7に固着されている。この例においては、第2多孔質体9のうち支持体7に取付けられていない重なり部分91は、前記例と同様に、変形や位置ずれすることは抑制されている。
図5(b)に示す例では、第1多孔質体8の第1部分81は、シリンダボア側からの正面視で直角三角形状に形成されている。そして、第1多孔質体8の第1部分81は、シリンダボア側からの正面視において、その直角頂が第2部分82側、且つ、前記第1端部700側に位置し、斜辺が冷却水の流通方向eに対向するように形成されている。一方、第2多孔質体9の重なり部分91もこの第1部分81の形状に対応した直角三角形状とされる。第2多孔質体9の非重なり部分92は、方形状の第2多孔質体9における重なり部分91以外の部分であって、主体部920と、主体部920から冷却水の流通方向eに沿って延びる直角三角形状部924とを含む台形状とされる。この台形状の底辺が第2端部701側に位置し、台形状の非重なり部分92が支持体7に固着される。この例においては、第2多孔質体9の支持体7に対する固着部分が大きく確保されるから、重なり部分91は、前記例と同様に変形や位置ずれすることは抑制されている。しかも、固着部分である非重なり部分92が第2端部701側程大きくなるから、当該スペーサ6を冷却水流路3内に配置する際、第2多孔質体9が冷却水流路3における開口部30の縁部に引っ掛かる懸念を効果的に回避することができる。
図6(a)(b)及び図7は、本発明に係るスペーサの第2の実施形態を示す。本実施形態では、第1多孔質体8及び第2多孔質体9は、一連のシート状多孔質体とされる。そして、当該シート状多孔質体の一部が折り返されて重ね合わされ、この重ね合わせ部分が第2多孔質体2を構成し、シート状多孔質体における第2多孔質体9以外の部分が第1多孔質体8を構成する。第1多孔質体8は、前記例と同様に支持体7の凸曲部71を跨いで凸曲面71aを覆う第1部分81と、第1部分81から冷却水の流通方向eの下流側に連なる第2部分82とからなる。第1多孔質体8は、その全体が支持体7の内面7aに沿って湾曲した状態で固着されている。第2多孔質体9は、第1多孔質体8における第1部分81から冷却水の流通方向eの上流側に連なり、且つ、この連なり部分810で下流側に折り返されて第1部分81に重ね合わされている。本実施形態の第1多孔質体8及び第2多孔質体9も、前記例と同様に圧縮状態のシート状セルロース系スポンジからなる。本実施形態における第1多孔質体8と第2多孔質体9との重なり合い部分の形成態様は、図7(a)(b)に示すような例が採用されるが、これについては後記する。
本実施形態のスペーサ6も、内燃機関1A(図1参照)における冷却水流路3内に挿入されて配置される。図6(a)は、スペーサ6が冷却水流路3内に配置された状態を示している。冷却水流路3内へのスペーサ6の配置に際しては、第1多孔質体8及び第2多孔質体9が圧縮状態に維持されているから、第1多孔質体8及び第2多孔質体9が冷却水流路3の内側内壁部3cに干渉し難く、スムースに挿入される。そして、シリンダブロック1の上面にシリンダヘッド10(図3(b)参照)が締結一体とされ、その後冷却水流路3内に冷却水が導入される。
前記のように、冷却水流路3内に冷却水が導入されると、セルロース系スポンジからなる第1多孔質体8及び第2多孔質体9に冷却水が接触し、第1多孔質体8及び第2多孔質体9が復元してシリンダボア2側(反圧縮方向)に膨大化する。この復元に伴って、多孔質体8は、第2多孔質体9が重なっていない部分の表面(支持体7とは反対側の面)8bが冷却水流路3の内側内壁面3cに当接する。また、第2多孔質体9は、その表面(支持体7とは反対側の面)9aの全体が冷却水流路3の内側内壁面3cに当接する。このとき、前記のとおり第1多孔質体8の第1部分81はその反圧縮方向に充分に復元しない。一方、第2多孔質体9は第1多孔質体8の第1部分81に単に重なっているだけであるから、復元時に支持体7によって規制されず、第1多孔質体8に比べて復元量が大きくなる。冷却水流路3のくびれ形状部3bでは、第1多孔質体8の第1部分81と第2多孔質体9とが溝幅方向に重なっているから、両者の復元量が加算されて大きくなる。したがって、前記例と同様に、第2多孔質体の表面9aが他の部位より溝幅が大きいくびれ形状部3bにおける冷却水流路3の内側内壁面3cに確実に当接する。これによって、くびれ形状部3bにおける冷却水の流れを規制する機能が向上し、支持体7の凸曲部71に対向する内側内壁面3cを適正に冷却することができる。そして、本実施形態では、1つのシート状の多孔質体で第1多孔質体8及び第2多孔質体9が構成され、これらがそれぞれの役割を果たすことができるため、経済的である。
図7(a)(b)は、本実施形態における第1多孔質体8と第2多孔質体9との重なり合い部分の形成態様の例を示している。
図7(a)に示す例では、第2多孔質体9が第1多孔質体8の第1部分81の全体を覆うように重ね合わされ、第2多孔質体9自体は支持体7に対して固着されていない。そのため、冷却水に接して復元する際、第2多孔質体9が支持体7に規制されず、その復元が充分になされる。
図7(b)に示す例では、第1多孔質体8における第1部分81が、深さ方向cの下側(支持体7の第2端部701側)に冷却水の流通方向eに沿った切欠部81bを有している。そして、第2多孔質体9は、第1多孔質体8における第1部分81の切欠部81bに対応し、第1多孔質体8の第1部分81より深さ方向cの底部31(図3参照)側にはみ出すはみ出し部分90を有している。このはみ出し部分90は、第1部分81に対する非重なり部分とされ、支持体7の内面7aに固着されている。この例のはみ出し部分90は支持体7に固着されており、図4(b)の例のはみ出し部分922と同様に機能する。
図8は、本発明に係るスペーサの第3の実施形態を示す。本実施形態のスペーサ6は、冷却水流路3内の一部に配置されるものであり、図例のスペーサ本体7は、第1の実施形態の支持体7をシリンダボア2…の配列方向に沿った中心線で半割した右半部の形状と略同様の形状とされている。そして、支持体7のボア2,2間部分に位置する凸曲部71の凸曲面71aを含むシリンダボア2側の面(内面)7aには、第1の実施形態と同様の第1多孔質体8及び第2多孔質体9が固着されている。凸曲部71に対応する部分では第1多孔質体8及び第2多孔質体9が重ね合わさった状態とされている。
本実施形態のスペーサ6は、第1多孔質体8及び第2多孔質体9が圧縮状態に維持された状態で、支持体7に一体に取り付けられている。この状態でスペーサ6は冷却水流路3内に開口部30(図3参照)より挿入されて配置される。図8は、当該スペーサ6が冷却水流路3内に配置された状態を示している。スペーサ6が挿入される際には、第1多孔質体8及び第2多孔質体9は圧縮された状態であるから、第1多孔質体8及び第2多孔質体9が挿入抵抗の要因になる懸念が少ない。そして、図3(b)と同様に、シリンダヘッド10がシリンダブロック1の上面に締結一体とされて内燃機関1Aが組み立てられる。その後、冷却水導入口4から冷却水が導入されると、第1多孔質体8及び第2多孔質体9を構成するセルロース系スポンジに冷却水が接触し、セルロース系スポンジが圧縮前の状態に復元して冷却水流路3の幅方向に復元して膨大化する。セルロース系スポンジの復元により、第1多孔質体8の表面8b及び第2多孔質体9の表面9aが、冷却水流路3の内側内壁面3cに当接する。多孔質体8における第1部分81には前記例と同様に第2多孔質体9の一部(重なり部分)91が重なっているから、この重なり部分91の復元の増加を図ることができる。そして、この当接後もセルロース系スポンジの復元に伴いセルロース系スポンジが反力を受けることによって、支持体7が、冷却水流路3の外側内壁面3dに押し付けられように変位する。また、復元したセルロース系スポンジ(第1多孔質体8及び第2多孔質体9)は、冷却水流路3内を流通する冷却水の流れに対向するように位置付けられるから、冷却水の流れを規制する規制手段として機能し、当該スペーサ6の水流れ制御の性能を向上させることができる。
その他の構成は第1の実施形態と同様であるから、共通部分に同一の符号を付してその説明を割愛する。また、本実施形態において、第2の実施形態のように、第1多孔質体8及び第2多孔質体9が一連のシート状多孔質体からなるものとすることも可能である。
図9は、本発明に係るスペーサの第4の実施形態を示す。本実施形態は、支持体7がシリンダボア2とは反対側に突出する凸曲部72を有し、セルロース系スポンジからなる第1多孔質体8が、この凸曲部72の凸曲面72aを含むシリンダボア2とは反対側の面(外面)7bに一体に取付けられている。また、セルロース系スポンジからなる第2多孔質体9は、その一部が第1多孔質体8の凸曲部72を覆う部分に重なるように支持体7に取付けられている。図例では、冷却水流路3における円弧部形状部3aの一部の溝幅が、シリンダボア2とは反対側に拡幅され、外側内壁面3dがシリンダボア2とは反対側に2箇所で屈曲する形状部を含む湾曲形状に形成されている。支持体7は、この拡幅部分で、外側内壁面3dに略沿うようにシリンダボア2とは反対側に湾曲する形状とされている。したがって、凸曲部72は前記外側内壁面3dの屈曲形状部に対応するよう2箇所に形成され、第1多孔質体8及び第2多孔質体9は、各凸曲部72,72に対応するように設けられている。
そして、第1多孔質体8は、支持体7の各凸曲部72,72を跨いで当該凸曲部72,72の凸曲面72a,72aを覆う第1部分81,81と、第1部分81,81間を繋ぐ第2部分82とからなる。第1多孔質体8は、凸曲部72,72の凸曲面72a,72aを含む支持体7の外面7bに固着されている。また、第2多孔質体9は、凸曲部72,72に対応するよう2箇所に設けられる。各第2多孔質体9,9は、第1多孔質体8の第1部分81,81に重ねられる重なり部分(一部)91,91と、重なり部分91,91以外の部分である非重なり部分92,92とからなる。第2多孔質体9,9は、非重なり部分92,92を介して支持体7の外面7bに固着されている。
本実施形態のスペーサ6も、冷却水流路3内にその開口部30(図3参照)から挿入されて配置される。そして、シリンダブロック1の上面にシリンダヘッド10(図3(b)参照)が締結一体とされて内燃機関1Aが組み立てられる。その後、冷却水流路3内に冷却水導入口4から冷却水が導入されると、第1多孔質体8及び第2多孔質体9を構成するセルロース系スポンジに冷却水が接触し、セルロース系スポンジが圧縮前の状態に復元して冷却水流路3の幅方向に復元して膨大化する。セルロース系スポンジの復元により、第1多孔質体8の第2部分82の表面8c、及び、第2多孔質体9の表面9cが冷却水流路3における拡幅部分の外側内壁面3dに当接する。図9における拡大図は、第1多孔質体8及び第2多孔質体9が膨大化し、凸曲部72に対応する部分でも、対向する冷却水流路3の外側内壁面3dに当接した状態を示している。第1多孔質体8の凸曲面72に対応する第1部分81は、復元時に、前記のとおり支持体7の規制により反圧縮方向に充分に復元しない。しかし、第1多孔質体8の凸曲面72に対応する第1部分81には支持体7の規制を受けない第2多孔質体9の重なり部分91が重なっているから、この重なり部分91の復元量が加算されて、凸曲部72に対応する部分の多孔質体の復元量の増加を図ることができる。このような第1多孔質体8及び第2多孔質体の膨大化した状態は、他方の凸曲部72においても同様に生じる。また、本実施形態においても、第2の実施形態のように、第1多孔質体8及び第2多孔質体9が一連のシート状多孔質体からなるものとすることも可能である。
その他の構成は前記例と同様であるから、共通部分に同一の符号を付してその説明を割愛する。
なお、また、セルロース系スポンジとして、種々の種類のものが挙げられるが、特に限定されない。例えば、気泡の大きさが非常に小さい微粒品、気泡の大きさが小程度の小粒品、気泡の大きさが中程度の中粒品のいずれを用いてもよい。また、セルロース系スポンジは、セルロースと補強繊維とからなるものが好ましいが、これに限らず、セルロース単独で構成されるものであってもよい。また、セルロース系スポンジとは、セルロース自体からなるスポンジの他、圧縮状態を保持できる程度にセルロースの水酸基を残したセルロース誘導体、例えば、セルロースエ−テル類、セルロースエステル類等からなるスポンジ、或いは、これらの混合物からなるスポンジのいずれかから選ばれるものであってもよい。
また、第1多孔質体8及び第2多孔質体9を構成する素材としては、前記セルロース系スポンジ以外に、水膨潤性スポンジや、水可溶性のバインダー或いは所定温度以上の温度で溶解又は融解するバインダーによって圧縮状態に維持された発泡体又は非発泡性の多孔質体からなるものでもよい。また、第1多孔質体8及び第2多孔質体9は、多孔質体からなるものであれば、上記以外の素材から構成してもよい。
さらに、第1多孔質体8と第2多孔質体9との重なり合い部分の形成態様は、図4(a)(b)(c)、図5(a)(b)及び図7(a)(b)に例示したものに限らず、他の形成態様も可能である。これらの形成態様は、第2多孔質体9の重なり部分の安定性及び復元量等を勘案し、求められる仕様等に応じて適宜選択採用される。
また、第1多孔質体8及び第2多孔質体9は、インサート成型によって支持体7に一体化する以外に、接着剤等や適宜治具による機械的な固着によって支持体7に一体化してもよい。
また、スペーサ本体7が合成樹脂の成型体からなる例について述べたが、金属など、第1多孔質体8及び第2多孔質体9を構成する素材より剛性を有するものであれば、他の材料からなるものであってもよい。また、スペーサ本体7に対する第1多孔質体8及び第2多孔質体9を固着させる位置(周方向dの位置、冷却水流路3の深さ方向cの位置)や第1多孔質体8及び第2多孔質体9の数(周方向dの数、冷却水流路3の深さ方向cの数)は、冷却水流路3内におけるスペーサ6の安定性、或いは、冷却水流路3内を流通する冷却水wの冷却機能等、求められる仕様に応じて適宜変更してもよい。また、冷却水流路3内に本発明のスペーサを複数配置してもよく、配置するスペーサの数は、冷却水流路3内のスペースや求められる仕様等に応じて適宜変更してもよい。さらにまた、本発明のスペーサが適用される内燃機関として、3気筒の内燃機関を例示したが、これに限らず他の気筒数のエンジンにも適用可能である。
1A 内燃機関
1 シリンダブロック
2 シリンダボア
3 冷却水流路
30 開口部
31 底部
6 スペーサ
7 支持体
7a,7b 支持体の側面
71,72 凸曲部
71a,72a 凸曲面
700 第1端部
701 第2端部
8 第1多孔質体
9 第2多孔質体
91 重なり部分(一部)
c 深さ方向
d 周方向
e 冷却水の流通方向
w 冷却水

Claims (9)

  1. 内燃機関のシリンダブロックにシリンダボアを取り囲むように形成された冷却水流路内に配置されるスペーサであって、
    凸曲部を有する剛性材製の支持体と、
    前記支持体における前記凸曲部の凸曲面を含む側面に取付けられる第1多孔質体と、
    前記支持体における前記凸曲部の凸曲面において少なくとも一部が前記第1多孔質体に重なるよう設けられる第2多孔質体と、を備え、
    前記第1多孔質体及び前記第2多孔質体は、圧縮状態に維持され、所定の外的要因が付加されたことを契機として圧縮前の状態に復元する特性を有することを特徴とするスペーサ。
  2. 請求項1に記載のスペーサにおいて、
    前記第2多孔質体は、前記第1多孔質体とは別部材に構成され、前記支持体における前記第1多孔質体が取付けられる側と同じ側面に取付けられていることを特徴とするスペーサ。
  3. 請求項2に記載のスペーサにおいて、
    前記第2多孔質体は、少なくとも、前記第1多孔質体に重なっている部分よりも前記冷却水流路の周方向に沿った冷却水の上流側で、前記支持体に取付けられていることを特徴とするスペーサ。
  4. 請求項1に記載のスペーサにおいて、
    前記第1多孔質体及び前記第2多孔質体は、一連のシート状多孔質体とされ、当該シート状多孔質体の一部が折り返されて重ね合わされ、この重ね合わせ部分が前記第2多孔質体を構成し、前記シート状多孔質体における前記第2多孔質体以外の部分が前記第1多孔質体を構成することを特徴とするスペーサ。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のスペーサにおいて、
    前記第2多孔質体は、前記凸曲部を跨いで前記支持体に取付けられていることを特徴とするスペーサ。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のスペーサにおいて、
    前記第2多孔質体は、前記凸曲部の頂部において、前記冷却水流路の開口部側に位置する前記支持体の第1端部側、又は、前記冷却水流路の底部側に位置する前記支持体の第2端部側の、少なくともいずれか一方に取付けられていることを特徴とするスペーサ。
  7. 請求項6に記載のスペーサにおいて、
    前記第2多孔質体は、前記支持体の前記第2端部側に取付けられていることを特徴とするスペーサ。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載のスペーサにおいて、
    前記第1多孔質体及び前記第2多孔質体は、水分が接触することで圧縮状態から復元するセルロース系スポンジであることを特徴とするスペーサ。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載のスペーサにおいて、
    前記シリンダボアは複数配列され、前記凸曲部は、隣接するシリンボア間部分に対応するように形成され、前記第1多孔質体は、前記支持体の前記シリンダボア側の側面に取付けられていることを特徴とするスペーサ。
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