JP6874975B2 - スペーサ - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のシリンダブロックにシリンダボアを取り囲むように形成された冷却水流路内に配置されるスペーサに関する。
前記内燃機関の冷却水流路には、流通する冷却水の流れ(流量、流速等)を規制するためのスペーサが配置される(例えば、特許文献1参照)。冷却水流路には、冷却水の通水口としての水入口及び水出口が設けられ、水入口から導入された冷却水は冷却水流路を流通しながらシリンダボア壁を冷却して適度な温度に保ち、水出口より導出されるように構成される。特許文献1には、冷却水の通水口をスペーサが塞がないように構成することによって、スペーサが冷却水の通水口への流れ込みの通水抵抗となるのを抑止し、シリンダブロックの外部への通水を容易とすることが記載されている。
特開2005−120945号公報
特許文献1には、スペーサが通水口を塞がないようにするための構成として、(1)スペーサの通水口に対向する部分に切欠を設ける、(2)スペーサに、水圧の高い部分から通水口に冷却水を導く通路を設ける、ことが記載されている。ところで、(1)の構成の場合、スペーサの通水口に対向する部分に切欠が設けられていることによって、スペーサとシリンダボア壁との間を流れる冷却水がスペーサの切欠を通過して通水口に流れ込みやすくなり、通水口付近のシリンダボア壁が過冷却状態となり易くなる。また、(2)の構成の場合、前記通路がスペーサの厚さ方向に凹んだ凹状通路からなるが、この凹状通路は狭く、しかも途中で屈折しているため、通水抵抗が大きく、圧力損失が増大する懸念がある。
本発明は、前記に鑑みなされたもので、冷却水の導出口付近でのシリンダボア壁の過冷却を抑制し、且つ、導出口からの冷却水の導出時における圧力損失を低減することができる新規なスペーサを提供することを目的としている。
本発明に係るスペーサは、内燃機関のシリンダブロックにシリンダボアを取り囲むように形成され、前記シリンダボアとは反対側の外側内壁面に冷却水の導出口が設けられた冷却水流路内に配置されるスペーサであって、前記冷却水流路内に配置可能な形状のスペーサ本体を有し、前記スペーサ本体は、前記冷却水の導出口に対向する導出口対向部を含む第1部分と、前記第1部分よりも前記冷却水流路内における冷却水の流れ方向の上流側に位置するように当該第1部分に連接された第2部分と、を備え、前記第1部分は、少なくとも前記導出口対向部及び当該導出口対向部よりも前記冷却水流路の開口部側の部分が前記冷却水流路の幅方向中央よりもシリンダボア側に位置するように形成され、前記第2部分は、前記冷却水流路の幅方向中央よりもシリンダボア側とは反対側に位置するように形成されており、前記第1部分には、前記外側内壁面側に突出する突起が設けられ、前記突起は、前記導出口対向部に向かって線状に延びるように形成されていることを特徴とする。
本発明に係るスペーサによれば、第1部分とシリンダボア壁との間の部分を流れる冷却水が、導出口側に向かって流れることを抑制できる。したがって、導出口に対向するスペーサの部分に切欠が設けられている場合に比べて、第1部分とシリンダボア壁との間の部分を流れる冷却水の流速は緩和され、導出口付近におけるシリンダボア壁の過冷却を抑制することができる。また、第1部分は、少なくとも導出口対向部及び導出口対向部よりも開口部側の部分が冷却水流路の幅方向中央よりもシリンダボア側に位置する。そのため、スペーサ本体よりも開口部側を流れる冷却水は第1部分と外側内壁面との間を円滑に通過して導出口に向かうことができるため、導出口から導出される冷却水の圧力損失を低減することができる。さらに、第2部分は、冷却水流路の幅方向中央よりもシリンダボア側とは反対側に位置するから、第2部分とシリンダボア壁との間に存在する冷却水の通路を広く確保することができる。そのため、第2部分とシリンダボア壁との間の部分を流れる冷却水の流速が緩和され、第2部分に対応するシリンダボア壁の部分の冷却水による過冷却を抑制することができる。さらに、突起が導出口対向部に向かうように形成されているから、第1部分と外側内壁面との隙間に至った冷却水が、突起の案内作用によって導出口から円滑に導出される。また、突起が線状であることによって、第1部分と外側内壁面との隙間を流れる冷却水の流れ抵抗を低く抑えることができる。
本発明に係るスペーサにおいて、前記第1部分は、前記冷却水流路の底部側から前記冷却水流路の開口部側に向け前記上流側に傾斜するように形成されているものとしてもよい。
これによれば、冷却水流路の上流側の冷却水を効果的に導出口に案内することができ、導出口から導出される冷却水の圧力損失をより低減することができる。
本発明に係るスペーサにおいて、前記第1部分は、前記冷却水流路の底部側から前記冷却水流路の開口部側に向け前記冷却水流路の周方向に沿った幅が広くなるように形成されているものとしてもよい。
これによれば、スペーサ本体よりも冷却水流路の開口部側を流れる冷却水をより多く導出口に案内することができ、その結果、導出口から導出される冷却水の圧力損失をより低減することができる。
本発明に係るスペーサにおいて、前記突起と前記外側内壁面との間隔は、前記第2部分と前記外側内壁面との間隔以下としてもよい。
これによれば、スペーサが外側内壁面側に変位しても、第1部分と外側内壁面との隙間が大きく確保され、導出口からの冷却水の導出が円滑になされ、圧力損失の低減効果が確実に得られる
さらに、前記突起は、複数設けられ、隣り合う突起同士の間には、冷却水の流通を許容する間隔が確保されているものとしてもよい。
これによれば、隣り合う突起同士の間には、冷却水の流通を許容する間隔が確保されており、しかも、複数の突起が導出口対向部に向かうように形成されているから、第1部分と外側内壁面との隙間に至る冷却水が、導出口対向部に集中するように案内される。これによって、導出口に向かう冷却水が、突起によって抵抗を受け難く、導出口から円滑に導出さる。
本発明に係るスペーサにおいて、前記スペーサ本体の前記シリンダボア側には、当該スペーサ本体を前記外側内壁面に向かって付勢する付勢手段が設けられているものとしてもよい。
これによれば、付勢手段によってスペーサ本体が外側内壁面に押し付けられても、第1部分と外側内壁面との間に冷却水が流通可能な隙間が形成されるから、冷却水は導出口から円滑に導出される。
この場合、前記スペーサ本体は、前記冷却水流路内の一部に配置されるものであってもよい。
これによれば、スペーサ本体は冷却水流路内の一部に配置されるものであるため、付勢手段によって外側内壁面に押し付けられ易いが、この場合でも第1部分と外側内壁面との間に冷却水が流通可能な隙間が形成されるから、冷却水は導出口から円滑に導出される。
本発明に係るスペーサにおいて、前記付勢手段は、圧縮された状態に維持され、水分と接触することによって圧縮前の状態に復元するセルロース系スポンジからなり、前記スペーサ本体のシリンダボア側面に固着されているものとしてもよい。
これによれば、当該スペーサを、付勢手段が圧縮状態に維持された状態で冷却水流路の開口部から挿入することができるから、挿入する際に付勢手段が挿入抵抗の要因になる懸念が少ない。そして、冷却水流路内に配置された後、冷却水が付勢手段としての圧縮された状態のセルロース系スポンジに作用し、セルロース系スポンジが圧縮前の状態に復元して、冷却水流路の幅方向へ膨大化して、スペーサ本体を外側内壁面側に付勢する。復元したセルロース系スポンジは、冷却水流路内を流通する冷却水の流れに対向するように位置付けられるから、冷却水の流れを規制する規制手段として機能し、当該スペーサの水流れ制御の性能をより向上させることができる。
本発明に係るスペーサによれば、冷却水の導出口付近でのシリンダボア壁の過冷却を抑制し、且つ、導出口からの冷却水の導出時における圧力損失を低減することができる。
本発明に係るスペーサの第一の実施形態を示す概略的斜視図である。 同実施形態のスペーサを内燃機関の冷却水流路内に配置した状態を示す概略的平面図である。 (a)は図1におけるA方向から見た側面図である。(b)はその変形例を示す(a)と同様図であり、(c)はさらに別の変形例を示す(a)と同様図である。 図2におけるB−B線矢示断面図である。 本発明に係るスペーサの第二の実施形態を示し、同スペーサを内燃機関の冷却水流路内に配置した状態を示す概略的平面図である。 (a)は図5におけるC−C線矢示断面図であり、(b)は(a)の状態から付勢手段が冷却水に接触して膨大化した状態を示す断面図である。
以下に本発明の実施の形態について、図1〜図6を参照して説明する。なお、図4及び図6は、それぞれ図2及び図5のB−B線及びC−C線矢示断面図であり、そのため、実際には、構造上第2部分の一部(開口部側部分)は第1部分に隠れて見えないが、便宜上これを見えるように図示している。
図1〜図4(a)は、本発明に係るスペーサの第一の実施形態を示す。本実施形態のスペーサ5は、図2に示すように、内燃機関10におけるシリンダブロック1の冷却水流路3内に配置される。シリンダブロック1には、3個のシリンダボア(気筒)2…が隣接状態で直列に連なるように設けられている。1a…は、シリンダヘッド(図6(b)参照)をヘッドガスケット(同上)を介してシリンダブロック1に合体締結させるためのボルト(不図示)用挿通孔である。3個のシリンダボア2…の周囲には、オープンデッキタイプの溝形状の冷却水流路3が一連に形成されている。シリンダブロック1の適所には、この冷却水流路3に通じる冷却水(不凍液も含む)の導入口3aと導出口3bとが設けられている。冷却水の導出口3bは、不図示のラジエータに配管接続され、ラジエータのアウトレット側は、ウォータポンプ(不図示)を介して冷却水の導入口3aに配管接続される。これによって、冷却水流路3とラジエータとの間で冷却水が循環するように構成される。なお、シリンダヘッドにも冷却水流路(不図示)が設けられる場合は、シリンダブロック1の冷却水流路3と、シリンダヘッドの冷却水流路とが連通するよう構成される。
冷却水流路3は、3個のシリンダボア2…を取り囲むように環状に形成されている。そして、冷却水流路3は、円弧形状部3c…と、隣接するシリンダボア2,2間部分に互いに接近して対をなすよう形成されたくびれ形状部3d…とを有した形状に形成されている。くびれ形状部3d…の溝幅は、冷却水流路3の他の円弧形状部3cの溝幅より大とされている。そして、溝形状の冷却水流路3の両内壁面は、円弧形状部3c…及びくびれ形状部3dに対応する形状とされている。冷却水流路3の両内壁面は、シリンダボア2側の内壁面(内側内壁面、シリンダボア壁2aの外周面)3eと、シリンダボア2とは反対側の内壁面(外側内壁面)3fとにより構成される。図例のシリンダブロック1においては、導入口3aから導入された冷却水は、冷却水流路3内を主に矢印a方向に流れ、導出口3bから導出される。各シリンダボア2内には、その軸方向に沿って往復動するピストン20が設けられ、ピストン20は、その外周部に取り付けられたピストンリング20aを介してシリンダボア壁2aの内周面2aaを摺接し得るように構成されている。
本実施形態のスペーサ5は、冷却水流路3内に、その開口部30から挿入されて冷却水流路3内の全周に亘り配置可能な筒形状のスペーサ本体6を有している。スペーサ本体6は、剛性を有する硬質合成樹脂の成型体からなり、スペーサ本体6がスペーサ5の大半を構成する。そして、スペーサ本体6は、冷却水の導出口3bに対向する導出口対向部61a(図3も参照)を含む第1部分61と、第1部分61よりも冷却水流路3内における冷却水の流れ方向aの上流側に位置するように第1部分61に連接された第2部分62と、を備える。ここに、冷却水の上流側とは、冷却水の主たる流れ方向(矢印a方向)に対向する方向を意味する。本実施形態のスペーサ本体6は、前記のとおり筒形状で、冷却水流路3の全体形状に略沿うような形状とされる。したがって、冷却水流路3の円弧形状部3cに対応する形状の円弧部分6a…及び冷却水流路3のくびれ形状部3dに対応する形状の凸曲部分6b…を有している。また、第2部分62は、第1部分61より冷却水の上流側に位置することから、本実施形態では、筒形状のスペーサ本体6における第1部分61以外の部分が第2部分62とされる。換言すれば、第1部分61と第2部分62とにより、筒形状のスペーサ本体6が構成される。第1部分61はスペーサ本体6における冷却水の導出部3bに対向する部分の円弧部分6aに形成される。
さらに、第1部分61は、その全体が、冷却水流路3の幅方向中央bよりもシリンダボア2側に位置するように形成されている。また、第2部分62は、その全体が、冷却水流路3の幅方向中央bよりもシリンダボア2側とは反対側に位置するように形成されている。即ち、第1部分61は、第2部分62に対して、屈曲壁部62a,62bを介して前記幅方向中央bよりもシリンダボア壁2a側に凹むように形成されている。屈曲壁部62a及び屈曲壁部62bは、第1部分61を間に挟んで、それぞれ上流側と下流側に位置している。そして、本実施形態では、第1部分61は、図1のA方向から見て、冷却水流路3の底部31側から開口部30側に向け前記上流側に傾斜するように形成されている。さらに、第1部分61における冷却水流路3の周方向に沿った幅D(図3(a)参照)、即ち両屈曲壁部62a,62b間の距離Dは、冷却水流路3の底部31側から開口部30側に向け広くなるように形成されている。屈曲壁部62aは、冷却水流路3の底部31側から開口部30側に向かう程、上流側に傾斜する一方、屈曲壁部62bは、冷却水流路3の底部31側から開口部30側に向かう程、下流側に傾斜している。また、第1部分61の外側内壁面3f側の面には、外側内壁面3f側に突出する突起61bが設けられている。この突起61bと外側内壁面3fとの間隔d1は、第2部分62と外側内壁面3fとの間隔d2以下とされている。突起61bの突出量は、冷却水流路3の幅方向に沿った屈曲壁部62a及び屈曲壁部62bの幅寸法以上である。さらに、突起61bは、前記A方向から見て、導出口対向部61aに向かって線状に延びるリブ状に形成されている。具体的には、突起61bを第1部分61に沿って延長させた場合に、突起61bは、導出口対向部61aに重なるよう形成されている。また、導出口対向部61aは、突起61bよりも底部31側に位置する。
前記のように構成されるスペーサ5が冷却水流路3内に配置され、図4の2点鎖線で示すように、シリンダブロック1の上端面にシリンダヘッド4がヘッドガスケット4aを介して締結一体とされて内燃機関10が組み立てられる。シリンダヘッド4には、シリンダボア2に対応する位置に燃焼室40が設けられている。ヘッドガスケット4aは、冷却水流路3の開口部30を閉塞するようにシリンダブロック1とシリンダヘッド4との間に介在される。そして、内燃機関10の通常の稼動時には、燃焼室40における爆発・燃焼作用によって、ピストン20がシリンダボア2内を軸方向に沿って往復動し、この間、冷却水が導入口3aから導入されて冷却水流路3内を矢印a方向に流通し導出口3bから排出される。この冷却水流路3内における冷却水の流通によって、シリンダボア壁2aが冷却されて過熱が抑制される。また、スペーサ5の存在によって、冷却水により部分的にシリンダボア壁2aが過冷却されることも抑制される。
そして、導出口3bに対向する部分にはスペーサ5の第1部分61が存在するから、第1部分61とシリンダボア壁2aとの間の部分を流れる冷却水が、切欠が設けられる場合に比べて、導出口3b側に向かって流れることを抑制できる。これによって、第1部分61とシリンダボア壁2aとの間の部分を流れる冷却水の流速が緩和され、導出口3b付近におけるシリンダボア壁2aの過冷却を抑制することができる。また、第1部分61は、冷却水流路3の幅方向中央bよりもシリンダボア2側に位置するので、スペーサ本体6よりも開口部30側の冷却水流路3を流れる冷却水は、第1部分61と冷却水流路3の外側内壁面3fとの間を円滑に通過して導出口3bに向かうことができる。そのため、導出口3bから導出される冷却水の圧力損失を低減することができる。さらに、第2部分62は、冷却水流路3の幅方向中央bよりもシリンダボア2側とは反対側に位置するから、第2部分62とシリンダボア壁2aとの間に存在する冷却水の通路を広く確保することができる。そのため、第2部分62とシリンダボア壁2aとの間の部分を流れる冷却水の流速が緩和され、第2部分62に対応するシリンダボア壁2aの部分に対しての冷却水による過冷却を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、第1部分61は、冷却水流路3の底部31側から開口部30側に向かうにつれて、冷却水流路3の周方向に沿った幅が広くなるように形成されているから、冷却水流路3の上流側の冷却水を効果的に導出口3bに案内することができる。これによって、導出口3bから導出される冷却水の圧力損失をより低減することができる。しかも、第1部分61は、冷却水流路3の底部側から開口部30側に向け冷却水流路3の周方向に沿った幅Dが広くなるように形成されているから、スペーサ本体6よりも冷却水流路3の開口部30側を流れる冷却水をより多く導出口3bに案内することができる。その結果、導出口3bから導出される冷却水の圧力損失をより効果的に低減することができる。
加えて、第1部分61に設けられた突起61bと冷却水流路3の外側内壁面3fとの間隔d1は、第2部分62と外側内壁面3fとの間隔d2以下とされているから、スペーサ5が外側内壁面3f側に変位しても、突起61bが冷却水流路3の外側内壁面3fに当接する。したがって、第1部分61と外側内壁面3fとの隙間が大きく確保され、これによって、導出口3bからの冷却水の導出が円滑になされ、圧力損失の低減効果が確実に得られる。また、突起61bは導出口対向部61aに向かうように形成されているから、第1部分61と外側内壁面3fとの隙間に至った冷却水は、突起61bによって導出口3bに向かうよう案内される。そして、冷却水は導出口3bから円滑に導出される。しかも、突起61が導出口対向部61aに向く線状に形成されることによって、第1部分61と外側内壁面3fとの隙間を流れる冷却水の流れ抵抗を低く抑えることができる。
図3(b)は、本実施形態の変形例であって、本変形例では、突起61bが複数設けられ、隣り合う突起61b,61b同士の間には、冷却水の流通を許容する間隔が確保されるよう構成されている。この例では、第1部分61と外側内壁面3fとの隙間に至る冷却水が、導出口対向部61aに集中するように案内される。これによって、導出口3bに向かう冷却水が、複数の突起61b…によって抵抗を受け難く、導出口3bから円滑に導出される。第1部分61の前記A方向から見た形状は図3(a)の例と同様であり、全ての突起61bは、突起61bを第1部分61に沿って冷却水流路3の底部31側に延長させた場合に、導出口対向部61aに重なるように形成されている。
図3(c)は、本実施形態の別の変形例であって、第1部分61の前記A方向から見た形状が、底部31側から開口部30側に向け上流側に傾斜した略平行四辺形とされている。つまり、屈曲壁部62a及び屈曲壁部62bは、両方とも、冷却水流路3の底部31側から開口部30側に向かう程、上流側に傾斜している。このような形状であっても、冷却水流路3の上流側の冷却水を効果的に導出口3bに案内することができる。
なお、図3(c)の例では、突起61bが図3(a)の例と同様に1個設けられているが、図3(b)の例のように複数設けられていてもよい。
図5及び図6(a)(b)は、本発明に係るスペーサの第二の実施形態を示す。本実施形態のスペーサ5は、スペーサ本体6のシリンダボア2側に、当該スペーサ本体6を冷却水流路3の外側内壁面3fに向かって付勢する付勢手段7が設けられている。本実施形態では、スペーサ本体6と付勢手段7とによりスペーサ5が構成される。さらに、本実施形態のスペーサ本体6は、冷却水流路3内の一部に配置されるものであり、図例のスペーサ本体6は、第1の実施形態のスペーサ本体6をシリンダボア2…の配列方向に沿った中心線で半割した右半部の形状と略同様の形状とされている。スペーサ本体6は、前記例と同様に、冷却水の導出口3bに対向する導出口対向部61aを含む第1部分61と、第1部分61より冷却水の上流側に位置するように当該第1部分61に連接された第2部分62とを備える。第1部分61の前記A方向から見た形状は、図3(a)〜(c)に示した例と同様の形状とされる。また、突起61bも前記例と同様に第1部分61に設けられる。付勢手段7は、圧縮された状態に維持され、水分と接触することによって圧縮前の状態に復元するセルロース系スポンジからなり、スペーサ本体6における円弧部分6a…のシリンダボア2側面にインサート成型によって固着されている。付勢手段7を構成する素材としては、前記セルロース系スポンジ以外に、水膨潤性スポンジや、水可溶性のバインダー或いは所定温度以上の温度で溶解するバインダーによって圧縮状態に維持された発泡体又は非発泡性の多孔質体や、圧縮スプリングとこれに支持された板状体とからなるもの等が用いられる。
本実施形態のスペーサ5は、付勢手段7が圧縮状態に維持された状態で、スペーサ本体6に一体とされ、この状態で冷却水流路3内に開口部30より挿入されて配置される。図5及び図6(a)は、冷却水流路3内に当該スペーサ5が配置された状態を示している。この挿入の際には、付勢手段7は圧縮された状態であるから、付勢手段7が挿入抵抗の要因になる懸念が少ない。そして、図6(b)に示すように、前記と同様にシリンダヘッド4がシリンダブロック1に締結一体とされて内燃機関10が組み立てられる。
その後、導入口3aから冷却水wが導入されると、付勢手段7を構成するセルロース系スポンジに冷却水wが接触し、セルロース系スポンジが圧縮前の状態に復元して冷却水流路3の幅方向に膨大化する。セルロース系スポンジの復元・膨大化により、付勢手段7の表面(シリンダボア側の面)7aが、冷却水流路3の内側内壁面3eに当接する。この当接後のセルロース系スポンジの引き続く復元に伴う反力によって、図6(b)に示すように、スペーサ本体6が、冷却水流路3の外側内壁面3fに押し付けられように変位する。しかし、第1部分61には突起61bが設けられているから、突起61bが冷却水流路3の外側内壁面3fに当接し、第1部分61と外側内壁面3fとの間の隙間が大きく確保され、導出口3bからの冷却水wの導出が円滑になされ、冷却水wの圧力損失の低減効果が確実に得られる。また、復元したセルロース系スポンジは、冷却水流路3内を流通する冷却水wの流れに対向するように位置付けられるから、冷却水の流れを規制する規制手段として機能し、当該スペーサ5の水流れ制御の性能をより向上させることができる。
なお、本実施形態において、付勢手段7をスペーサ本体6の円弧部分6a…にのみ設けた例を示しているが、凸曲部分6bにも設けてもよい。また、スペーサ本体6の形状は図示のような半割形状に限定されず、冷却水流路3内に部分的に配置されるものであれば他の形状であってもよく、例えば、一つのシリンダボア2にだけ対応するような、冷却水流路3の開口部30側から見て円弧形状のものであってもよい。その他の構成は第1の実施形態と同様であるから、共通部分に同一の符号を付してその説明を割愛する。
なお、第1の実施形態では、スペーサ本体6が環状の冷却水流路3の全体に対応する筒形状としているが、第2の実施形態と同様の半割形状であってもよいし、冷却水流路3の開口部30側から見て円弧形状であってもよい。また、実施形態では、スペーサ本体6を構成する第1部分61は、その全体が冷却水流路3の幅方向中央bよりもシリンダボア2側に位置する形状としているが、導出口対向部61より底部31側部分が、幅方向中央bより外側内壁面3f側に位置する形状であってもよい。また、スペーサ本体6が合成樹脂の成型体からなる例について述べたが、金属等の剛性のある材料からなるものであってもよい。特に、第2の実施形態の場合には、付勢手段7を構成する素材より剛性を有するものであれば、他の材料からなるものであってもよい。
さらに、突起61bの長さを適宜変更してもよく、突起61bを第1部分61に沿って冷却水流路3の開口部30側に延長してもよい。また、突起61bは、導出口対向部61aに向かって延びる形状に限定されない。例えば、突起61bは、冷却水の流れを過度に阻害しないのであれば、導出口対向部61aに向かわない方向に延びる形状に変更してもよい。また、突起61bは、直線状に延びる形状に限定されず、曲線状に延びる形状に変更してもよいし、点状の形状に変更してもよい。
加えて、本発明のスペーサが適用される内燃機関として、3気筒の内燃機関を例示したが、これに限らず他の気筒数の内燃機関にも適用可能である。
また、セルロース系スポンジとして、種々の種類のものが挙げられるが、特に限定されない。例えば、気泡の大きさが非常に小さい微粒品、気泡の大きさが小程度の小粒品、気泡の大きさが中程度の中粒品のいずれを用いてもよい。具体的には、気泡の大きさ(径)が0.1〜5mm程度のセルロース系スポンジを用いてもよい。これらの気泡の大きさはセルロース系スポンジの作製過程で使用される結晶ぼう硝の粒度によって決定される。また、セルロース系スポンジは、セルロースと補強繊維とからなるものの他に、セルロース単独で構成されるものであってもよい。また、セルロース系スポンジとは、セルロース自体からなるスポンジの他、圧縮状態を保持できる程度にセルロースの水酸基を残したセルロース誘導体、例えば、セルロースエ−テル類、セルロースエステル類等からなるスポンジ、或いは、これらの混合物からなるスポンジのいずれかから選ばれるものであってもよい。
1 シリンダブロック
2 シリンダボア
3 冷却水流路
3b 冷却水の導出口
3f 冷却水流路の外側内壁面
30 開口部
31 底部
5 スペーサ
6 スペーサ本体
61 第1部分
61a 導出口対向部
61b 突起
7 付勢手段
10 内燃機関
a 冷却水の流れ方向
b 冷却水流路の幅方向中央
d1 突起と冷却水流路の外側内壁面との間隔
d2 第2部分と冷却水流路の外側内壁面との間隔
D 第1部分の周方向に沿った幅

Claims (8)

  1. 内燃機関のシリンダブロックにシリンダボアを取り囲むように形成され、前記シリンダボアとは反対側の外側内壁面に冷却水の導出口が設けられた冷却水流路内に配置されるスペーサであって、
    前記冷却水流路内に配置可能な形状のスペーサ本体を有し、
    前記スペーサ本体は、前記冷却水の導出口に対向する導出口対向部を含む第1部分と、前記第1部分よりも前記冷却水流路内における冷却水の流れ方向の上流側に位置するように当該第1部分に連接された第2部分と、を備え、
    前記第1部分は、少なくとも前記導出口対向部及び当該導出口対向部よりも前記冷却水流路の開口部側の部分が前記冷却水流路の幅方向中央よりもシリンダボア側に位置するように形成され、
    前記第2部分は、前記冷却水流路の幅方向中央よりもシリンダボア側とは反対側に位置するように形成されており、前記第1部分には、前記外側内壁面側に突出する突起が設けられ、前記突起は、前記導出口対向部に向かって線状に延びるように形成されていることを特徴とするスペーサ。
  2. 請求項1に記載のスペーサにおいて、
    前記第1部分は、前記冷却水流路の底部側から前記冷却水流路の開口部側に向け前記上流側に傾斜するように形成されていることを特徴とするスペーサ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のスペーサにおいて、
    前記第1部分は、前記冷却水流路の底部側から前記冷却水流路の開口部側に向け前記冷却水流路の周方向に沿った幅が広くなるように形成されていることを特徴とするスペーサ。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のスペーサにおいて、
    前記突起と前記外側内壁面との間隔は、前記第2部分と前記外側内壁面との間隔以下とされていることを特徴とするスペーサ。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のスペーサにおいて、
    前記突起は、複数設けられ、隣り合う突起同士の間には、冷却水の流通を許容する間隔が確保されていることを特徴とするスペーサ。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のスペーサにおいて、
    前記スペーサ本体の前記シリンダボア側には、当該スペーサ本体を前記外側内壁面に向かって付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とするスペーサ。
  7. 請求項6に記載のスペーサにおいて、
    前記スペーサ本体は、前記冷却水流路内の一部に配置されるものであることを特徴とするスペーサ。
  8. 請求項6又は請求項7に記載のスペーサにおいて、
    前記付勢手段は、圧縮された状態に維持され、水分と接触することによって圧縮前の状態に復元するセルロース系スポンジからなり、前記スペーサ本体のシリンダボア側面に固着されていることを特徴とするスペーサ。
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