JP7096870B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents
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Description
本発明の使い捨ておむつの一実施形態では、前記外装体は、前記吸収体から相対的に遠い位置に配された外層シートと、該吸収体から相対的に近い位置に配された内層シートとを含む。
本発明の使い捨ておむつの一実施形態では、少なくとも前記背側部の前記胴周り部の前記外装体は、該外装体における前記吸収体の縦方向端よりも前記縦方向の外方に位置する部分が前記内層シート側に折り返されて形成された折り返し部を有している。
本発明の使い捨ておむつの一実施形態では、少なくとも前記背側部の前記胴周り部の前記外装体は、前記折り返し部を形成するための前記外装体の折り位置を含み、前記吸収体の縦方向端よりも前記縦方向の外方に位置する第1領域と、前記第1領域よりも前記縦方向の内方で且つ前記折り位置よりも着用者の肌から近い側に位置する第2領域と、前記第1領域よりも前記縦方向の内方で且つ前記折り位置よりも着用者の肌から遠い側に位置する第3領域とに区分されている。
本発明の使い捨ておむつの一実施形態では、前記第1領域は、前記縦方向の外方から内方に向かって前記外層シート、前記内層シート及び親水性シートがこの順で積層された部分を含む第1積層構造を備え、該第1積層構造を構成する複数のシートどうしは、該第1積層構造の表面に散在する融着部にて互いに接合されている。
本発明の使い捨ておむつの一実施形態では、前記第2領域は、前記折り返し部を構成する前記内層シートの非肌対向面に前記親水性シートが配された第2積層構造を備え、該第2積層構造を構成する複数のシートどうしは、該第2積層構造の表面に散在する融着部にて互いに接合されている。
本発明の使い捨ておむつの一実施形態では、前記第1積層構造は、前記第2積層構造に比べて、前記融着部の単位面積当たりの数が多い。
本発明の他の特徴、効果及び実施形態は、以下に説明される。
腹側部Aは、おむつ1の前身頃Fの一部であり、背側部Cは、おむつ1の後身頃Rの一部である。股下部Bは、縦中心線CLxを縦方向Xに跨いでおり、前身頃Fから後身頃Rに存在している。股下部Bは、典型的には、レッグ開口部LH,LH形成用の凹欠部であるレッグ縁部LS,LSが形成された領域を含む。レッグ縁部LSは、外装体11の縦方向Xに沿う両側縁部の一部である。
本発明において、腹側部A、股下部B及び背側部Cは、展開且つ伸長状態のおむつ1を縦方向Xに三等分した場合の各領域であり得る。
本実施形態では、胴周り部Dは、図2に示すように、吸収体23の縦方向端23E及びその仮想延長線を境界として、ウエスト開口部WH側に位置するウエストフラップ部D1と、股下部B側に位置する股下側胴周り部D2とを含む。
ウエストフラップ部D1は、吸収体23の縦方向端23Eよりも縦方向Xの外方に位置して横方向Yに延在しており、おむつ1のいわゆるウエスト端部である。
図2に示す如きおむつ1の展開且つ伸長状態において、ウエストフラップ部D1の縦方向Xの長さは、胴周り部Dの縦方向Xの長さに対して、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上、そして、好ましくは55%以下、より好ましくは60%以下である。
ここでいう「展開且つ伸長状態」とは、おむつ1をサイドシール部Sで切り離して展開状態とし、その展開状態のおむつ1を各部の弾性部材を伸長させて設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで拡げた状態をいう。
吸収性本体2は、図3に示すように、着用者の肌から相対的に近い位置に配置された液透過性の表面シート21、着用者の肌から相対的に遠い位置に配置された液不透過性若しくは液難透過性又は撥水性の裏面シート22、及び両シート21,22間に介在配置された吸収体23を含んで構成されている。吸収体23は、体液を吸収保持可能な吸収性コア24と、該吸収性コア24の肌対向面及び非肌対向面を含む外面を被覆するコアラップシート25とを含んで構成されている。吸収性本体2を構成するこれらの部材どうしは、接着剤等の公知の接合手段により一体とされている。
吸収性本体2を構成する前記の各部材としては、この種の吸収性物品において通常使用されているものを特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート21としては各種の不織布や開孔フィルム等を用いることができ、裏面シート22としては樹脂製フィルムや、樹脂製フィルムと不織布等とのラミネート等を用いることができる。吸収性コア24は、典型的には、吸水性材料を主体とし、該吸水性材料として、木材パルプ等の繊維材料及び吸水性ポリマーから選択される1種以上を含有する。コアラップシート25は液透過性を有し、典型的には、紙、不織布等からなる。コアラップシート25は無くてもよい。
また本実施形態では、折り返し部16は、少なくともその縦方向Xの先端部が外層シート12を含んでおらず、内層シート13を含んで構成され、該内層シート13の非肌対向面に後述する親水性シート4が配されている。
・第1領域D3:折り返し部16を形成するための外装体11の折り位置11Fを含み、胴周り部Dの縦方向Xの最外方側に位置するとともに、吸収体23の縦方向端23Eよりも縦方向Xの外方すなわちウエストフラップ部D1に位置する領域。
・第2領域D4:第1領域D3よりも縦方向Xの内方(股下部B寄り)で且つ外装体11の折り位置11Fよりも着用者の肌から近い側に位置する領域。
・第3領域D5:第1領域D3よりも縦方向Xの内方(股下部B寄り)で且つ外装体11の折り位置11Fよりも着用者の肌から遠い側に位置する領域。
第2領域D4は、折り返し部16を構成する内層シート13の非肌対向面に親水性シート4が配された第2積層構造6を備え、該第2積層構造6を構成する複数のシート13,4どうしは、該第2積層構造6の表面に散在する融着部17にて互いに接合されている。
第1積層構造5は、第2積層構造6に比べて、融着部17の単位面積当たりの数が多い(すなわち融着部密度が高い)。
なお図4では、第1ないし3積層構造5~7それぞれの表面の一部が拡大して示されている。
第1領域D3及び第2領域D4が何れも親水性シート4を含むのに対し、第3領域D5は親水性シート4を含まない。
ただし本発明では、第2領域D4及び第3領域D5は、それぞれ、股下側胴周り部D2のみに存在してもよい。
また本実施形態では、第2領域D4の縦方向Xの外方端(第1領域D3との境界側の縦方向端)と第3領域D5の縦方向Xの外方端(第1領域D3との境界側の縦方向端)とが縦方向Xにおいて一致し、第2領域D4の全域が第3領域D5と平面視で重なっている。
ただし本発明では、両者は縦方向Xにおいて同位置にある必要は無く、第2領域D4の一部のみが第3領域D5と平面視で重なっていてもよく、あるいは両領域D4,D5どうしは平面視で重なっていなくてもよい。
ただし本発明では、第1積層構造5(第1領域D3)は、少なくとも前記縦方向積層部を有していればよく、前記厚み方向積層部を有さなくてもよい。
第1積層構造5の両表面(第1面5a及び第2面5b)それぞれには、複数の融着部17が散在している。融着部17は、第1積層構造5の第1面5a又は第2面5b側から圧搾加工を施すことによって形成されており、その形成方法から「圧搾部」と言うことができる。図示の形態では、第1面5a側(外層シート12側)から圧搾加工が施されている。融着部17では、該融着部17を構成するシートが本来有していた繊維形態が失われてフィルム化している場合がある。
融着部17は、その周辺部(前記圧搾加工が施されていない部分)に比べて高密度である。すなわち第1積層構造5は、融着部17からなる高密度部と、融着部17の周辺部(非融着部)からなる低密度部とを有し、第1面5a及び第2面5bそれぞれに密度差が生じている。
融着部17を形成するための前記圧搾加工は、第1積層構造5の構成繊維、すなわち外層シート12、内層シート13及び親水性シート4の各構成繊維(例えば熱可塑性繊維)の溶融を伴う方法を利用して行うことができ、そのよう方法としては例えば、熱を伴うエンボス加工、超音波エンボス等の公知のエンボス加工が挙げられる。
第1積層構造5の第1面5a(前記圧搾加工が施された面)には、融着部17に位置する(融着部17を底部とする)複数の凹部50と、各該凹部50(融着部17)の周辺部に位置する凸部51とからなる凹凸構造が形成されている。
第2積層構造6の両表面(第1面6a及び第2面6b)それぞれには、複数の融着部17が散在している。第2積層構造6の融着部17は、基本的に前述した第1積層構造5の融着部17と同じであり、特に断らない限り、前述の融着部17についての説明が適宜適用される。第3積層構造7の融着部17についても同様である。
第2積層構造6は、融着部17からなる高密度部と、融着部17の周辺部(非融着部)からなる低密度部とを有し、第1面6a及び第2面6bそれぞれに密度差が生じている。
第2積層構造6の第1面6a(前記圧搾加工が施された面)には、融着部17に位置する(融着部17を底部とする)複数の凹部60と、各該凹部60(融着部17)の周辺部に位置する凸部61とからなる凹凸構造が形成されている。
本実施形態では前述したとおり、第2積層構造6は外層シート12を含まない。すなわち、外装体11の折り返し部16の先端部側(折り位置11F側とは反対側)は、外層シート12を含まずに内層シート13のみから形成されており、第2積層構造6は、この折り返し部16における内層シート13のみからなる部分を含んで構成されている。
ただし本発明では、第2積層構造6において、内層シート13の肌対向面(親水性シート4との対向面とは反対側の面)に外層シート12が配されている形態があり得る。
本実施形態では、第3積層構造7は前述したとおり、親水性シート4を含まず、外層シート12及び内層シート13を含む。
第3積層構造7は、これを構成するシートの組み合わせが異なる点以外は基本的に二層構造の第2積層構造6と同様に構成されている。すなわち第3積層構造7は、外層シート12と内層シート13との二層構造からなり、外層シート12からなる第1面7aと、該第1面7aとは反対側に位置し、内層シート13からなる第2面7bとを有する。第3積層構造7の第1面7aは第3領域D5の外面(非肌対向面)を形成し、第3積層構造7の第2面7bは第3領域D5の内面(肌対向面)を形成する。第3積層構造7は、融着部17からなる高密度部と、融着部17の周辺部(非融着部)からなる低密度部とを有し、該第3積層構造7の両表面(第1面及び第2面)それぞれに密度差が生じている。また、第3積層構造7の第1面(前記圧搾加工が施された面)には、融着部17に位置する(融着部17を底部とする)複数の凹部と、各該凹部(融着部17)の周辺部に位置する凸部とからなる凹凸構造が形成されている。
本発明において、シートが親水性であるか疎水性であるかの判断は、下記方法により測定される、当該シートの構成繊維の接触角に基づき判断される。本明細書でいう「接触角」は、特に断らない限り、下記方法により測定される接触角を指す。接触角が小さいほど、当該シートは親水性が高く(疎水性が低く)、接触角が大きいほど、当該シートは親水性が低い(疎水性が高い)と評価できる。本発明では、接触角が90度未満であれば当該シートは親水性、接触角が90度以上であれば当該シートは疎水性と定義する。
測定対象のシートから繊維を取り出し、その繊維に対する水の接触角を測定する。繊維を取り出す際はハサミとピンセットを用い、また、測定対象のシートにおける繊維の取り出し部位は、該シートの両面(両表層部)及びそれらに挟まれた部分(厚み方向の中央部)とする。測定装置として、協和界面科学株式会社製の自動接触角計MCA-Jを用いる。接触角の測定には脱イオン水を用いる。インクジェット方式水滴吐出部(クラスターテクノロジー社製、吐出部孔径が25μmのパルスインジェクターCTC-25)から吐出される液量を15ピコリットルに設定して、水滴を、繊維の真上に滴下する。滴下の様子を水平に設置されたカメラに接続された高速度録画装置に録画する。録画装置は後に画像解析をする観点から、高速度キャプチャー装置が組み込まれたパーソナルコンピュータが望ましい。本測定では、17msec毎に画像が録画される。録画された映像において、繊維に水滴が着滴した最初の画像を、付属ソフトFAMAS(ソフトのバージョンは2.6.2、測定方法は液滴法、解析方法はθ/2法、画像処理アルゴリズムは無反射、画像処理イメージモードはフレーム、スレッシホールドレベルは200、曲率補正はしない、とする)にて画像解析を行い、水滴の空気に触れる面と繊維とのなす角を算出し、接触角とする。測定対象のシートから取り出した繊維は、繊維長1mmに裁断し、該繊維を接触角計のサンプル台に載せて、水平に維持する。繊維1本につき異なる2箇所の接触角を測定する。N=5本の接触角を小数点以下1桁まで計測し、合計10箇所の測定値を平均した値(小数点以下第2桁で四捨五入)を、当該繊維の水との接触角と定義する。測定環境は、室温22±2℃、湿度65±2%RHとする。斯かる接触角の値が小さいほど、親水性が高いことを意味する。
なお、使い捨ておむつにおいて測定対象のシートが他の部材と接着剤、融着などによって接合されている場合には、その接合部分を、繊維の接触角に影響を与えない範囲で、コールドスプレーの冷風を吹き付ける等の方法で接着力を除去してから取り出す。この測定対象の使い捨ておむつからの取り出し方法は、他の測定でも利用できる。
これに対し本発明では、胴周り部Dの外面を形成する外装体11を、汗の溜まりやすさ、尿や便などの汗以外の排泄物(股下部Bで排泄される排泄物)との接触頻度、着用者の肌との接触頻度等を考慮して、第1ないし3領域D3~D5に区分し、各領域D3~D5を適切に構成することで、風合い、防漏性及び吸汗性の向上を図っている。具体的には本発明では、複数のシートの積層構造の表面に配置され、該複数のシートどうしを接合する「融着部」に注目し、該融着部の単位面積当たりの数が多くなる(融着部密度が高くなる)ほど、該積層構造の吸汗速度(該積層構造の表面に存在する汗の引き込み速度)が速くなるという知見に基づいて、外装体11の第1ないし3領域D3~D5の積層構造5~7を設計している。
すなわち、外装体11の第2領域D4は、おむつ1の着用者の肌と接触し得る部位であるため、第2積層構造6の表面(肌対向面)は風合いに優れ肌触りが良好であることが好ましいところ、前記大小関係が成立し、第2積層構造6の融着部密度が、ウエスト開口部WHにより近い第1領域D3の第1積層構造5に比べて低くなることで、第2領域D4は、第1領域D3に比べて柔らかいものとなるため、着用者にとって感触が良好となり得る。また、第2領域D4は、吸収体23から比較的近い位置に配されていることから、吸収性コア24が吸収・保持した排泄物に由来する水分の誘引を避けることが好ましい。この点に関して、おむつ1では前記大小関係が成立していることに加えて、第1領域D3が吸収体23の縦方向端23Eよりも縦方向Xの外方に位置していて、第1領域D3を構成する第1積層構造5が吸収体23と重なっていないので、これらの構成の相乗効果により、水分を含む排泄物が、吸収体23から第1積層構造5に向かって到達し難くなっており、排泄物のウエスト端部からの漏れが生じ難い。
特に本実施形態では、背側部Cの胴周り部Dのみならず、腹側部Aの胴周り部Dにも前述の特徴的な構成が採用されているため、従来品に比べて、胴周り部Dの風合い、防漏性及び吸汗性が大幅に向上している。
第1領域D3(第1積層構造5)の融着部面積率は、第2領域D4(第2積層構造6)の融着部面積率に比べてその数値が大きいことを前提として、好ましくは9%以上、より好ましくは11%以上、そして、好ましくは28%以下、より好ましくは26%以下である。
第2領域D4(第2積層構造6)の融着部面積率は、第1領域D3(第1積層構造5)の融着部面積率に比べてその数値が小さいことを前提として、好ましくは6%以上、より好ましくは8%以上、そして、好ましくは25%以下、より好ましくは23%以下である。
この好ましい形態によれば、特におむつ1の着用者の汗が溜まりやすい胴周り部Dのウエストフラップ部D1(ウエスト端部)において、着用者の肌から比較的近い位置にある第1領域D3の親水性の外層シート12が汗を吸収し、その吸収した汗が親水性シート4に移行するという、理想的な吸汗システムが機能し、おむつ1の吸汗性能の一層の向上が期待できる。また、おむつ1の着用者の姿勢によっては、着用者の肌とこれに面する第2領域D4との間に隙間が生じる場合があるところ、その場合は、第2領域D4(第2積層構造6)による吸汗性能の低下が懸念される。着用者の肌に付着した汗の液滴が、汗のかき始めに見られるような比較的小さい場合も、同様の懸念がある。しかし、外層シート12が親水性、内層シート13が疎水性であることで、外層シート12の吸汗機能が有効に作用するので、斯かる懸念を払拭することができる。
外層シート12の接触角は、親水性シート4に比べて大きいことを前提として、好ましくは70度以上、より好ましくは75度以上、そして、好ましくは89度以下、より好ましくは85度以下である。
外層シート12の接触角と親水性シート4の接触角との差は、前者から後者を差し引いた場合に、好ましくは5度以上、より好ましくは10度以上である。
外層シート12の接触角と親水性シート4の接触角との差の上限については、特に制限されないが、前者から後者を差し引いた場合に、好ましくは39度以下、より好ましく34度以下である。
使い捨ておむつの測定対象領域(例えば第1領域D3)から、縦方向長さ50mm、横方向長さ50mmの平面視四角形形状の部分を、該部分の厚み方向の全域が含まれるように切り出してサンプルとし、その重量を測定する。シャーレにイオン交換水を入れ、該イオン交換水中にサンプルを5分間浸漬する。イオン交換水中にサンプルを浸漬させるときには、サンプルの肌対向面をイオン交換水に対向させた状態で、サンプルをイオン交換水に近づけてそのまま浸漬させる。5分間の浸漬後、ピンセットでサンプルをイオン交換水から取り出し、サンプルに吸収されたイオン交換水が自重で垂れなくなるまで、サンプルを自然乾燥させる。乾燥後、サンプルの重量を測定し、その測定値から、イオン交換水中に浸漬する前のサンプルの重量を差し引くことで、吸収容量(単位:mg)を算出する。
以上の手順を、1つの測定対象領域につき5回実施し、その5回の吸収容量の平均値を、当該測定対象領域の吸汗容量とする。
第2領域D4(第2積層構造6)の吸収容量は、第1領域D3(第1積層構造5)の吸収容量に比べて小さいことを前提として、好ましくは15mg以上、より好ましくは20mg以上、そして、好ましくは50mg以下、より好ましくは45mg以下である。
第1領域D3、第2領域D4の吸汗容量を高めようとすると、親水性シート4などの吸汗容量の向上に寄与し得る親水性部材の厚みが大きくなる傾向があり、それに伴って柔軟性が低下する。このような二律背反する関係を考慮し、吸収容量と柔軟性との両立を図る観点から、両領域D3,D4の吸収容量は、それぞれ前記範囲にあることが好ましい。
構成A:外層シート12が親水性(接触角が90度未満)であり、且つ第1積層構造5(第1領域D3)は、外層シート12及び親水性シート4を含み、第2積層構造6(第2領域D4)は、親水性シート4を含むが、外層シート12を含まない。
前記構成Aにおいては、第1積層構造5が、共に親水性のシート12,4が重なってなる親水性の二層構造を有するのに対し、第2積層構造6は、親水性の外層シート12を含まないため、このような親水性の二層構造を有さない。斯かる構成の相違により、吸汗容量について「第1積層構造5>第2積層構造6」の大小関係が成立し得る。
本発明者らの知見によれば、複数のシートの積層構造の表面の凹凸差が少なく平滑度が高いほど、該積層構造の吸汗速度(該積層構造の表面に存在する汗の引き込み速度)が速くなり、吸汗性が向上し得る。したがって、第1領域D3の吸汗速度の向上のためには、前記の大小関係「第1積層構造5の凹凸高低差T5<第2積層構造6の凹凸高低差T6」が成立することが好ましい。換言すれば、第1領域D3(第1積層構造5)の方が第2領域D4(第2積層構造6)に比べて、肌と接触し得る面の平滑度合いが高いことが好ましい。凹凸高低差T5,T6は下記方法により測定される。
使い捨ておむつの測定対象領域(例えば第1積層構造5)から、縦方向長さ10mm、横方向長さ50mmの平面視四角形形状の部分を、該部分の厚み方向の全域が含まれるように切り出してサンプルとする。サンプルを厚み方向に切断する。その際、その切断面がサンプルの表面の凹凸構造の凸部(例えば凸部51)の頂部を通るようにする。サンプルの切断面を顕微鏡で観察し、サンプルの凹凸構造を有する面における凸部の頂部と該凸部に隣接する凹部の底部とのサンプルの厚み方向に沿う離間距離を測定し、その測定値を凹凸高低差とする。1つの測定対象領域につき、任意の10箇所の凹凸高低差を測定し、それらの測定値の平均値を、当該測定対象領域の凹凸高低差とする。
第1積層構造5(第1領域D3)の凹凸高低差T5(図5参照)は、第2積層構造6(第2領域D4)の凹凸高低差T6(図6参照)に比べて小さいこと前提として、好ましくは70μm以上、より好ましくは90μm以上、そして、好ましくは190μm以下、より好ましくは170μm以下である。
第2積層構造6(第2領域D4)の凹凸高低差T6は、第1積層構造5(第1領域D3)の凹凸高低差T5に比べて大きいこと前提として、好ましくは80μm以上、より好ましくは100μm以上、そして、好ましくは200μm以下、より好ましくは180μm以下である。
本実施形態では、融着部密度について「第1積層構造5>第2積層構造6>第3積層構造7」の大小関係が成立している。
第3領域D5(第3積層構造7)は、おむつ1の外面(最外層)を形成しているので、肌触りが良好であることが要求され、また、第2領域D4(第2積層構造6)で吸収された汗や尿や便などの排泄物が第3領域D5に移行し、更におむつ1の外部へ滲み出さないことが要求されるところ、融着部密度について「第2積層構造6≧第3積層構造7」の大小関係が成立することで、親水度について「第2積層構造6>第3積層構造7」の大小関係が成立しやすくなり、斯かる要求性能が満たされやすくなる。
また、柔軟性と液のおむつ1の外部への滲み出し防止とのバランスの観点から、第3領域D5(第3積層構造7)の融着部面積率は、好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上、そして、好ましくは22%以下、より好ましくは20%以下である。
おむつ1の展開且つ伸長状態において、第1領域D3(第1積層構造5)の縦方向Xの長さは、胴周り部Dの縦方向Xの長さに対して、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上、そして、好ましくは40%以下、より好ましくは35%以下である。
おむつ1の展開且つ伸長状態において、第2領域D4(第2積層構造6)の縦方向Xの長さは、胴周り部Dの縦方向Xの長さに対して、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上、そして、好ましくは90%以下、より好ましくは85%以下である。
第1領域D3(第1積層構造5)の縦方向Xの長さは、好ましくは10mm以上、より好ましくは15mm以上、そして、好ましくは40mm以下、より好ましくは35mm以下である。
第2領域D4(第2積層構造6)の縦方向Xの長さは、好ましくは10mm以上、より好ましくは15mm以上、そして、好ましくは90mm以下、より好ましくは85mm以下である。
このように、吸収体23の前記吸収性コア非存在領域と第2積層構造6(第2領域D4)とが厚み方向において重なっていることにより、尿や便などの汗以外の排泄物が、第2積層構造6に到達することが抑制されるとともに、第2積層構造6が吸収した汗等の水分が、先ず、該吸収性コア非存在領域において厚み方向に対向するコアラップシート25,25どうし間に形成される空間に一時的にストックされ、次いで、該空間から第3積層構造7(第3領域D5)に移行し、更におむつ1の外部へ移行するようになるので、特に夏場のような、おむつ1の着用者が大量の汗をかく時期でも、親水性シート4に汗が残り難くなる。
前記吸収性コア非存在領域に存在する吸水性ポリマーの坪量が、0.5g/m2以上3g/m2以下であると、尿、便などの汗以外の排泄物が該吸収性コア非存在領域に移行する不都合を回避しつつ、汗を該吸収性コア非存在領域に優先的に移行させることが一層ようになるため好ましい。
前記吸収性コア非存在領域における吸水性ポリマーの含有量は、吸収性コア24に含有されている吸水性ポリマーの質量に対して、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。
なお本発明では、前記吸収性コア非存在領域は、第2領域D4と全く重ならなくてもよい。
疎水性繊維としては、疎水性の熱可塑性繊維(熱融着繊維)が好ましく用いられ、その素材(疎水性の熱可塑性樹脂)としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド;ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸アルキルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。前記疎水性繊維は、1種類の合成樹脂又は2種類以上の合成樹脂を混合したブレンドポリマーからなる単一繊維でもよく、あるいは複合繊維でもよい。ここでいう複合繊維は、成分の異なる2種類以上の合成樹脂を紡糸口金で複合し、同時に紡糸して得られる合成繊維(熱可塑性繊維)で、複数の成分がそれぞれ繊維の長さ方向に連続した構造で、単繊維内で相互接着しているものをいう。複合繊維の形態には、芯鞘型、サイドバイサイド型等があり、特に制限されない。
親水性繊維としては、親水性の熱可塑性繊維(熱融着繊維)を用いることができ、例えば、ポリアクリロニトリル繊維等の、本来的に親水性の熱可塑性繊維でもよく、あるいは前記疎水性繊維として使用可能な疎水性の熱可塑性繊維に親水化処理を施したものでもよく、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。後者の「親水化処理された熱可塑性繊維」としては、例えば、親水化剤が練り込まれた熱可塑性繊維、表面に親水化剤が付着した熱可塑性繊維、プラズマ処理が施された熱可塑性繊維等が挙げられる。親水化剤は、衛生品用途に使用される一般的な親水化剤であれば特に限定されない。
内層シート13の坪量は、好ましくは8g/m2以上、より好ましくは10g/m2以上、そして、好ましくは25g/m2以下、より好ましくは23g/m2以下である。
親水性シート4の坪量は、好ましくは10g/m2以上、より好ましくは12g/m2以上、そして、好ましくは25g/m2以下、より好ましくは23g/m2以下である。
例えば、胴周り部Dの外装体11の製造工程において、融着部17を形成するためのエンボス加工等の融着処理の回数を、各領域D1ないしD3で異ならせる方法が挙げられる。より具体的には例えば、胴周り部Dの外装体11において融着部密度が最も高い第1領域D3(第1積層構造5)を形成するための融着処理の回数を、他の領域D2,D3のそれに比べて多くする方法が挙げられる。
図7に示す外装体11の製造方法は、一方向(流れ方向MD)に搬送中の内層シート13の一方の面の一部に親水性シート4を配置し、両シート3,4の重なり部に第1融着処理を施すことにより第2積層構造6(該内層シート13と該親水性シート4との一体化物)を形成し、該内層シート13と該第2積層構造6とが流れ方向MDに連続する第1中間シート65を得る工程(第1工程)と、
前記第1中間シート65における前記内層シート13の他方の面(前記親水性シート4の配置面側とは反対側の面)に、外層シート12を、前記第2積層構造6(前記親水性シート4)の流れ方向MDの一端部(後端部)と平面視で重なるように配置し、該外層シート12と該内層シート13との重なり部に第2融着処理を施すことにより、該重なり部における該第2積層構造6の非配置部に第3積層構造7(該外層シート12と該内層シート13との一体化物)を形成するとともに、該重なり部における該第2積層構造6の配置部に第1積層構造5(該外層シート12と該内層シート13と該親水性シート4との一体化物)を形成し、該第3積層構造7と該第1積層構造5と該第2積層構造6とが流れ方向MDに連続する第2中間シート66を得る工程(第2工程)と、
前記第2中間シート66を、前記第1積層構造5の位置で前記親水性シート4を内側にして前記一方向(流れ方向MD)に折り返す工程(第3工程)とを有する。
本製造方法によれば、前述した特徴的な構成の外装体11をインラインで効率よく製造することができる。
例えば前記実施形態のおむつ1は、ウエスト開口部及びレッグ開口部が予め形成されたパンツ型であったが、本発明の使い捨ておむつはパンツ型に限定されず、例えば、ウエスト開口部及びレッグ開口部が予めは形成されておらず、吸収体の非配置部(フラップ部)に止着手段を備えた展開型でもよい。
また前記実施形態では、外装体11は、腹側部A、股下部B及び背側部Cにわたる砂時計状等の連続した形状あるが、これに代えて外装体11は、着用者の腹側に配される腹側外装体と、着用者の股下に配される股下外装体と、着用者の背側に配される背側外装体とを備え、各外装体どうしがその縦方向Xの端部で接合された構成でもよい。前記の各外装体は、構成が互いに同じでも異なっていてもよい。あるいは外装体11は、前記腹側外装体及び前記背側外装体を有するが、前記股下外装体は有さず、吸収性本体2が両外装体に架け渡して固定されていてもよい。外装体11の他の実施形態として、前記腹側外装体及び前記背側外装体は、それぞれ、前述のおむつ1における外装体11と同様の2枚のシートの積層構造(外層シート12、内層シート13及び両シート12,13間に介在配置された複数の弾性部材14を含む構造)を有し、前記股下外装体は、不織布からなる単層構造であるものが挙げられる。
前述した一の実施形態のみが有する部分は、すべて適宜相互に利用できる。
<1>
着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向と該縦方向に直交する横方向とを有し、該股間部に配される股下部と、該股下部よりも着用者の腹側に配される腹側部と、該股下部よりも着用者の背側に配される背側部とに区分され、体液を吸収保持する吸収体と、該吸収体の非肌対向面側に配された外装体とを備え、該腹側部及び該背側部に、着用者の胴周りに配される胴周り部を有する、使い捨ておむつであって、
前記外装体は、前記吸収体から相対的に遠い位置に配された外層シートと、該吸収体から相対的に近い位置に配された内層シートとを含み、
少なくとも前記背側部の前記胴周り部の前記外装体は、該外装体における前記吸収体の縦方向端よりも前記縦方向の外方に位置する部分が前記内層シート側に折り返されて形成された折り返し部を有し、且つ
前記折り返し部を形成するための前記外装体の折り位置を含み、前記吸収体の縦方向端よりも前記縦方向の外方に位置する含む第1領域と、
前記第1領域よりも前記縦方向の内方で且つ前記折り位置よりも着用者の肌から近い側に位置する第2領域と、
前記第1領域よりも前記縦方向の内方で且つ前記折り位置よりも着用者の肌から遠い側に位置する第3領域とに区分され、
前記第1領域は、前記縦方向の外方から内方に向かって前記外層シート、前記内層シート及び親水性シートがこの順で積層された部分を含む第1積層構造を備え、該第1積層構造を構成する複数のシートどうしは、該第1積層構造の表面に散在する融着部にて互いに接合されており、
前記第2領域は、前記折り返し部を構成する前記内層シートの非肌対向面に前記親水性シートが配された第2積層構造を備え、該第2積層構造を構成する複数のシートどうしは、該第2積層構造の表面に散在する融着部にて互いに接合されており、
前記第1積層構造は、前記第2積層構造に比べて、前記融着部の単位面積当たりの数が多い、使い捨ておむつ。
<2>
前記第1積層構造(前記第1領域)の前記融着部の面積率は、9~28%、好ましくは11~26%である、前記<1>に記載の使い捨ておむつ。
<3>
前記第2積層構造(前記第2領域)の前記融着部の面積率は、6~25%、好ましくは8~23%である、前記<1>又は<2>に記載の使い捨ておむつ。
前記第1領域は、前記第2領域に比べて、吸汗容量が大きい、前記<1>~<3>の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
<5>
前記第1領域(第1積層構造)の吸収容量は、23~75mg、好ましくは30~68mgである、前記<1>~<4>の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
<6>
前記第2領域(第2積層構造)の吸収容量は、15~50mg、好ましくは20~45mgである、前記<1>~<5>の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
前記第1積層構造及び前記第2積層構造それぞれの表面に、前記融着部に位置する凹部と該凹部の周辺部に位置する凸部とが形成されており、
前記第1積層構造は、前記第2積層構造に比べて、前記凸部と前記凹部との高低差が小さい、前記<1>~<6>の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
<8>
前記第1積層構造の前記凸部及び前記凹部は、該第1積層構造の外面に形成され、前記第2積層構造の前記凸部及び前記凹部は、該第2積層構造の外面(肌対向面)に形成されている、前記<7>に記載の使い捨ておむつ。
<9>
前記第1積層構造の前記高低差は、70~190μm、好ましくは90~170μmである、前記<7>又は<8>に記載の使い捨ておむつ。
<10>
前記第2積層構造の前記高低差は、80~200μm、好ましくは100~180μmである、前記<7>~<9>の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
前記第3領域は、前記外層シートと前記内層シートとが積層された第3積層構造を備え、該第3積層構造を構成する複数のシートどうしは、該第3積層構造の表面に散在する複数の融着部にて互いに接合されており、
前記第3積層構造の前記融着部の単位面積当たりの数は、前記第2積層構造のそれと同じか、又は該第2積層構造のそれに比べて少ない、前記<1>~<8>の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
<12>
前記第3積層構造(前記第3領域)の前記融着部の面積率は、3~22%、好ましくは5~20%である、前記<11>に記載の使い捨ておむつ。
<13>
前記第2積層構造(前記第2領域)の前記融着部の面積率と前記第3積層構造(前記第3領域)の前記融着部の面積率との差は、前者から後者を差し引いた場合に、3%以上、好ましくは5%以上である、前記<11>又は<12>に記載の使い捨ておむつ。
<14>
前記第3積層構造の表面に、前記融着部に位置する凹部と該凹部の周辺部に位置する凸部とが形成されており、
前記第3積層構造(前記第3領域)の前記凸部と前記凹部との高低差は、100~220μm、好ましくは120~200μmである、前記<11>~<13>の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
<15>
前記第3積層構造は、前記外層シートと前記内層シートとの二層構造である、前記<11>~<14>の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
前記内層シートと該内層シートに重ねられた前記親水性シートとの間に接着剤が介在していない、前記<1>~<15>の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
<17>
前記内層シートと該内層シートに重ねられた前記外層シートとの間に接着剤が介在していない、前記<1>~<16>の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
<18>
前記外層シートは親水性、前記内層シートは疎水性である、前記<1>~<17>の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
<19>
前記第2積層構造の前記第1領域側とは反対側の縦方向端から、前記内層シートが、前記縦方向の外方に延出している、前記<18>に記載の使い捨ておむつ。
<20>
前記親水性シートは、前記外層シートに比べて親水度が高い、前記<1>~<19>の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
前記吸収体は、吸水性材料を主体とする吸収性コアを含み、該吸収性コアと前記第2積層構造の前記親水性シートとが平面視で重ならない、前記<1>~<20>の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
<22>
前記吸収体は、前記吸収性コアの外面を被覆するコアラップシートを含み、且つ該吸収性コアの縦方向端よりも前記縦方向の外方に、該吸収性コアが存在せずに該コアラップシートが存在する吸収性コア非存在領域を有し、
前記吸収性コア非存在領域と前記第2積層構造とが平面視で重なる、前記<21>に記載の使い捨ておむつ。
<23>
前記吸収性コア非存在領域と前記第2積層構造とはそれらの一部どうしで重なり、前記吸収性コアの縦方向端と該第2積層構造とは前記縦方向に離間する、前記<22>に記載の使い捨ておむつ。
<24>
前記吸収性コア非存在領域に、吸水性ポリマーが0.5g/m2以上3g/m2以下存在する、前記<22>又は<23>に記載の使い捨ておむつ。
<25>
前記吸収性コア非存在領域における吸水性ポリマーの含有量は、前記吸収性コアに含有されている吸水性ポリマーの質量に対して、1質量%以下、好ましくは0.5質量%以下である、前記<22>~<24>の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
前記第1積層構造は、前記外層シートと前記内層シートと前記親水性シートとの三層構造である、前記<1>~<25>の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
<27>
前記第2積層構造は、前記内層シートと前記親水性シートとの二層構造である、前記<1>~<26>の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
X 縦方向
Y 横方向
F 前身頃
R 後身頃
A 腹側部
B 股下部
C 背側部
D 胴周り部
D1 ウエストフラップ部
D2 股下側胴周り部
D3 第1領域
D4 第2領域
D5 第3領域
WH ウエスト開口部
LH レッグ開口部
2 吸収性本体
21 表面シート
22 裏面シート
23 吸収体
24 吸収性コア
25 コアラップシート
3 防漏カフ
4 親水性シート(吸汗シート)
5 第1積層構造
50 第1積層構造の凹部
51 第1積層構造の凸部
6 第2積層構造
60 第2積層構造の凹部
61 第2積層構造の凸部
7 第3積層構造
11 外装体
12 外層シート
13 内層シート
14,15 弾性部材
16 折り返し部
17 融着部
Claims (10)
- 着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向と該縦方向に直交する横方向とを有し、該股間部に配される股下部と、該股下部よりも着用者の腹側に配される腹側部と、該股下部よりも着用者の背側に配される背側部とに区分され、体液を吸収保持する吸収体と、該吸収体の非肌対向面側に配された外装体とを備え、該腹側部及び該背側部に、着用者の胴周りに配される胴周り部を有する、使い捨ておむつであって、
前記外装体は、前記吸収体から相対的に遠い位置に配された外層シートと、該吸収体から相対的に近い位置に配された内層シートとを含み、
少なくとも前記背側部の前記胴周り部の前記外装体は、該外装体における前記吸収体の縦方向端よりも前記縦方向の外方に位置する部分が前記内層シート側に折り返されて形成された折り返し部を有し、且つ
前記折り返し部を形成するための前記外装体の折り位置を含み、前記吸収体の縦方向端よりも前記縦方向の外方に位置する第1領域と、
前記第1領域よりも前記縦方向の内方で且つ前記折り位置よりも着用者の肌から近い側に位置する第2領域と、
前記第1領域よりも前記縦方向の内方で且つ前記折り位置よりも着用者の肌から遠い側に位置する第3領域とに区分され、
前記第1領域は、前記縦方向の外方から内方に向かって前記外層シート、前記内層シート及び親水性シートがこの順で積層された部分を含む第1積層構造を備え、該第1積層構造を構成する複数のシートどうしは、該第1積層構造の表面に散在する融着部にて互いに接合されており、
前記第2領域は、前記折り返し部を構成する前記内層シートの非肌対向面に前記親水性シートが配された第2積層構造を備え、該第2積層構造を構成する複数のシートどうしは、該第2積層構造の表面に散在する融着部にて互いに接合されており、
前記第1積層構造は、前記第2積層構造に比べて、前記融着部の単位面積当たりの数が多く、
前記第1領域の面積に対する、該第1領域に存在する前記融着部の総面積の比率は、前記第2領域の面積に対する、該第2領域に存在する前記融着部の総面積の比率に比べて大きく、且つ
前記第1領域の面積に対する、該第1領域に存在する前記融着部の総面積の比率は9~28%であり、
前記第2領域の面積に対する、該第2領域に存在する前記融着部の総面積の比率は6~25%である、使い捨ておむつ。 - 前記第1領域は、前記第2領域に比べて、吸汗容量が大きい、請求項1に記載の使い捨ておむつ。
- 前記第1積層構造及び前記第2積層構造それぞれの表面に、前記融着部に位置する凹部と該凹部の周辺部に位置する凸部とが形成されており、
前記第1積層構造は、前記第2積層構造に比べて、前記凸部と前記凹部との高低差が小さい、請求項1又は2に記載の使い捨ておむつ。 - 前記第3領域は、前記外層シートと前記内層シートとが積層された第3積層構造を備え、該第3積層構造を構成する複数のシートどうしは、該第3積層構造の表面に散在する複数の融着部にて互いに接合されており、
前記第3積層構造の前記融着部の単位面積当たりの数は、前記第2積層構造のそれと同じか、又は該第2積層構造のそれに比べて少ない、請求項1~3の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。 - 前記内層シートと該内層シートに重ねられた前記親水性シートとの間に接着剤が介在していない、請求項1~4の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
- 前記内層シートと該内層シートに重ねられた前記外層シートとの間に接着剤が介在していない、請求項1~5の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
- 前記外層シートは親水性、前記内層シートは疎水性である、請求項1~6の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
- 前記第2積層構造の前記第1領域側とは反対側の縦方向端から、前記内層シートが、前記縦方向の外方に延出している、請求項7に記載の使い捨ておむつ。
- 前記親水性シートは、前記外層シートに比べて親水度が高い、請求項1~8の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
- 前記吸収体は、吸水性材料を主体とする吸収性コアを含み、該吸収性コアと前記第2積層構造の前記親水性シートとが平面視で重ならない、請求項1~9の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
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