JP7096740B2 - ステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ステアリング装置に関するものである。
ステアリング装置には、チルト機能を備えたものがある。チルト機能は、運転者の体格差や運転姿勢に応じてステアリングホイール(ステアリングシャフト)の傾斜角度を調整する機能である。この種のステアリング装置は、ステアリングシャフトを回転可能に支持するコラムと、車体に取り付けられ、コラムを支持するフロントブラケット及びリヤブラケットと、を備えている(例えば、下記特許文献1参照)。
フロントブラケットは、ピボット軸を介してコラムを回動可能に支持している。
リヤブラケットには、上下方向に延びるチルトガイド孔が形成されている。リヤブラケット及びコラムは、チルトガイド孔内に挿通されたロックボルトにより接続されている。
この構成によれば、ピボット軸回りのコラムの回動に伴い、ロックボルトがチルトガイド孔内を上下動する。これにより、コラム(ステアリングシャフト)の傾斜角度が変更される。なお、チルト調整後は、ロック機構によりコラムの回動が規制される。
特開2008-18803号公報
しかしながら、上述した従来技術にあっては、コラムを所望の傾斜角度まで回動させた後、ロック機構によりコラムの回動を規制する前に、コラムやステアリングシャフトの自重によってコラム及びステアリングシャフトが下方に位置ずれする可能性があった。そのため、従来のステアリング装置では、ステアリングシャフトを所望の傾斜角度で保持する点で未だ改善の余地があった。
本発明は、ステアリングシャフトを所望の傾斜角度で保持できるステアリング装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を採用した。
本発明の一態様に係るステアリング装置は、前後方向に沿う第1軸線回りにステアリングシャフトを回転可能に支持するコラムと、車体に取り付けられ、左右方向に沿う第2軸線回りに回動可能に前記コラムを支持するフロントブラケットと、前記フロントブラケットの後方において前記車体に取り付けられるとともに、前記コラムを左右方向の両側から挟持するリヤ側壁を有するリヤブラケットと、前記リヤ側壁と前記コラムとを接続する軸部材を有するとともに、前記第2軸線回りの前記コラムの回動を規制及び許容するロック機構と、を備え、前記リヤ側壁には、前記軸部材が挿通されて、前記コラムの回動に伴い前記軸部材の上下動を案内するチルトガイド部が形成され、前記チルトガイド部は、第1ガイド部と、前記第1ガイド部の上方に連なるとともに、前記第1ガイド部よりも前記第1軸線に沿うシャフト軸方向の幅が狭い第2ガイド部と、を有し、前記第2ガイド部は、前記コラムの回動に伴い前記軸部材が摺動可能に構成されるとともに、弾性変形可能に構成されている。
本態様では、チルト動作の際、ロック機構によりコラムの回動を許容させることで、コラムを第2軸線回りに回動させることができる。コラムを所望の傾斜角度まで回動させた後、ロック機構によりコラムの回動を規制することで、コラムを所望の傾斜角度で保持できる。
ここで、コラム(ステアリングシャフト)を例えば最上端位置に移動させる場合、コラムを上方に回動させる過程で、軸部材が第1ガイド部を通過して第2ガイド部に進入する。
本態様において、第2ガイド部は、第1ガイド部よりも前後方向の幅が狭くなっている。そのため、軸部材と第2ガイド部との間に発生する摺動抵抗が、軸部材と第1ガイド部との間に発生する摺動抵抗よりも大きくなる。したがって、ロック機構によりコラムの回動を規制する前に、コラムの自重等の影響により、コラムが下方に位置ずれするのを抑制できる。
しかも、本態様では、第2ガイド部が弾性変形可能に構成されている。そのため、例えば第2ガイド部が塑性変形する構成に比べ、寸法ばらつき等により軸部材と第2ガイド部との間に発生する摺動抵抗が過大になるのを抑制できる。
本態様のステアリング装置において、前記軸部材及び前記リヤブラケット間に介在して、前記コラムを上方に付勢する付勢部材を備えていてもよい。
本態様では、付勢部材の付勢力がコラムの自重に抗する方向に作用する。これにより、コラムの下方への落下を抑制し、チルトバランスを図ることができる。
本態様のステアリング装置において、前記第2ガイド部の幅は、前記軸部材の直径よりも狭くてもよい。
本態様では、軸部材が第2ガイド部内を移動する際に、第2ガイド部が軸部材によって押し広げられるように弾性変形する。これにより、軸部材と第2ガイド部との間の摺動抵抗を確保できる。
本態様のステアリング装置において、前記第1ガイド部の幅は、前記軸部材の直径よりも広くてもよい。
本態様では、軸部材が第1ガイド部内を移動する際の軸部材と第1ガイド部との間の摺動抵抗を軽減できる。これにより、軸部材が第1ガイド部を移動する際の操作性を向上させることができる。
本態様のステアリング装置は、前後方向に沿う第1軸線回りにステアリングシャフトを回転可能に支持するコラムと、車体に取り付けられ、左右方向に沿う第2軸線回りに回動可能に前記コラムを支持するフロントブラケットと、前記フロントブラケットの後方において前記車体に取り付けられるとともに、前記コラムを左右方向の両側から挟持するリヤ側壁を有するリヤブラケットと、前記リヤ側壁と前記コラムとを接続する軸部材を有するとともに、前記第2軸線回りの前記コラムの回動を規制及び許容するロック機構と、を備え、前記リヤ側壁には、前記軸部材が挿通されて、前記コラムの回動に伴い前記軸部材の上下動を案内するチルトガイド部が形成され、前記チルトガイド部は、第1ガイド部と、前記第1ガイド部の上方に連なるとともに、前記第1ガイド部よりも前後方向の幅が狭い第2ガイド部と、を有し、前記第2ガイド部は、前記コラムの回動に伴い前記軸部材が摺動可能に構成されるとともに、弾性変形可能に構成され、前記チルトガイド部は、前記第1ガイド部の下方に連なるとともに、前記第1ガイド部よりも前後方向の幅が狭い第3ガイド部を備え、前記第3ガイド部は、前記コラムの回動に伴い前記軸部材が摺動可能に構成されるとともに、弾性変形可能に構成されていてもよい。
本態様では、軸部材と第3ガイド部との間に発生する摺動抵抗が、軸部材と第1ガイド部との間に発生する摺動抵抗よりも大きくなる。したがって、ロック機構によりコラムの回動を規制する前に、付勢部材の復元力等によって、コラムが上方に位置ずれするのを抑制できる。
しかも、本態様では、第3ガイド部が弾性変形可能に構成されている。そのため、例えば第3ガイド部が塑性変形する構成に比べ、寸法ばらつき等により軸部材と第3ガイド部との間に発生する摺動抵抗が過大になるのを抑制できる。
本態様のステアリング装置において、前記第3ガイド部の幅は、前記軸部材の直径よりも狭くてもよい。
本態様では、軸部材が第3ガイド部内を移動する際に、第3ガイド部が軸部材によって押し広げられるように弾性変形する。これにより、軸部材と第3ガイド部との間の摺動抵抗を確保できる。
本態様のステアリング装置において、前記チルトガイド部は、前記リヤ側壁を左右方向に貫通するチルトガイド孔内に弾性リングが嵌め込まれて構成され、前記軸部材は、前記弾性リングの内側に挿通されていてもよい。
本態様では、チルトガイド孔内に弾性リングを嵌め込むだけで、上述した作用効果が奏功される。これにより、大幅な設計変更を伴うことなく、コラムを所望の傾斜角度で保持できる。
上記各態様によれば、ステアリングシャフトを所望の傾斜角度で保持できる。
実施形態に係るステアリング装置の斜視図である。 図1のII-II線に沿う断面図である。 図1のIII-III線に沿う断面図である。 実施形態に係るリヤブラケットの周辺を示す分解斜視図である。 実施形態に係るリヤ側壁の周辺を示す拡大側面図である。 実施形態に係る弾性リングの側面図である。 実施形態に係るコラムユニットが最上端位置にある状態を示す図5に対応する断面図である。 実施形態に係るコラムユニットが最下端位置にある状態を示す図5に対応する断面図である。 第1変形例に係る弾性リングの側面図である。 第2変形例に係る弾性リングの斜視図である。 第3変形例に係るリヤ側壁の周辺を示す拡大側面図である。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[ステアリング装置]
図1は、ステアリング装置1の斜視図である。
図1に示すように、ステアリング装置1は、車両に搭載されている。ステアリング装置1は、ステアリングホイール2の回転操作に伴って車輪の舵角を調整する。
ステアリング装置1は、コラムユニット(コラム)11と、ステアリングシャフト12と、固定ブラケット(フロントブラケット13及びリヤブラケット14)と、切替部15と、を備えている。コラムユニット11及びステアリングシャフト12は、それぞれ軸線O1に沿って形成されている。したがって、以下の説明では、コラムユニット11及びステアリングシャフト12の軸線O1の延びる方向を単にシャフト軸方向といい、軸線O1に直交する方向をシャフト径方向といい、軸線O1回りの方向をシャフト周方向という場合がある。
本実施形態のステアリング装置1は、軸線O1が前後方向に対して交差した状態で車両に搭載される。具体的に、ステアリング装置1の軸線O1は、後方に向かうに従い上方に延在している。但し、以下の説明では、便宜上、ステアリング装置1において、シャフト軸方向でステアリングホイール2に向かう方向を単に後方とし、ステアリングホイール2とは反対側に向かう方向を単に前方(矢印FR)とする。また、シャフト径方向のうち、ステアリング装置1が車両に取り付けられた状態での上下方向を単に上下方向(矢印UPが上方)とし、左右方向を単に左右方向とする。
<コラムユニット>
コラムユニット11は、アウタコラム21と、インナコラム22と、を有している。
アウタコラム21は、固定ブラケット13,14を介して車体に取り付けられている。アウタコラム21は、保持筒部24と、締付部25と、を主に有している。
図2は、図1のII-II線に沿う断面図である。
図2に示すように、保持筒部24は、軸線O1に沿って延びる筒状に形成されている。保持筒部24内における前端部には、前側軸受27の外輪が嵌合(圧入)されている。保持筒部24において、シャフト周方向の一部(本実施形態では、アウタコラム21の下部)には、スリット28が形成されている。スリット28は、アウタコラム21をシャフト径方向に貫通するとともに、アウタコラム21の後端面で開放されている。
図3は、図1のIII-III線に沿う断面図である。
図3に示すように、締付部25は、保持筒部24のうち、スリット28を間に挟んで左右方向で対向する位置からそれぞれ下方に延設されている。各締付部25には、締付部25を左右方向に貫通する貫通孔31が形成されている。
図2に示すように、インナコラム22は、軸線O1に沿って延びる筒状に形成されている。インナコラム22の外径は、保持筒部24の内径よりも小さくなっている。インナコラム22は、保持筒部24内に挿入されている。インナコラム22は、保持筒部24に対してシャフト軸方向に移動可能に構成されている。インナコラム22内における後端部には、後側軸受32の外輪が嵌合(圧入)されている。インナコラム22内における前端部には、中間軸受34の外輪が嵌合(圧入)されている。
<ステアリングシャフト>
ステアリングシャフト12は、インナシャフト37及びアウタシャフト38を備えている。
インナシャフト37は、軸線O1に沿って延びる中空円筒状に形成されている。インナシャフト37は、保持筒部24内に隙間をあけて挿入されている。インナシャフト37の前端部は、上述した前側軸受27の内輪に圧入されている。これにより、インナシャフト37は、保持筒部24内で前側軸受27を介して軸線O1回りに回転可能に支持されている。インナシャフト37の前端部(前側軸受27よりも前方に突出した部分)は、自在継手(不図示)等を介して例えばロアシャフト(不図示)とステアリングギヤボックス(不図示)等に連結される。
アウタシャフト38は、シャフト軸方向に延在している。アウタシャフト38は、アウタコラム21に対するインナコラム22のシャフト軸方向の移動に伴い、インナシャフト37に対してシャフト軸方向に移動可能に構成されている。なお、アウタシャフト38の内周面には、例えば雌スプラインが形成されている。雌スプラインは、インナシャフト37の外周面に形成された雄スプラインに係合している。これにより、アウタシャフト38は、インナシャフト37に対する相対回転が規制された上で、インナシャフト37に対してシャフト軸方向に移動する。但し、ステアリングシャフト12の伸縮構造や回転規制の構造は、適宜変更が可能である。
アウタシャフト38の後端部は、インナコラム22内で後側軸受32の内輪に圧入されている。アウタシャフト38の前端部は、インナコラム22内で中間軸受34の内輪に圧入されている。これにより、アウタシャフト38は、インナコラム22に対して軸線O1回りに回転可能に構成されている。アウタシャフト38のうち、インナコラム22の後方に突出した部分には、ステアリングホイール2が連結される。なお、本実施形態では、アウタシャフト38がインナシャフト37に対して後方に配置された構成について説明したが、この構成のみに限らず、アウタシャフト38がインナシャフト37に対して前方に配置された構成であってもよい。
<フロントブラケット>
図1に示すように、上述したフロントブラケット13は、ピボット軸53を介してアウタコラム21と車体との間を接続している。フロントブラケット13は、シャフト軸方向から見た正面視で下方に開口するU字状に形成されている。フロントブラケット13は、アウタコラム21の後端部を上方及び左右方向の両側から取り囲んでいる。フロントブラケット13のうち、左右方向の両側に位置するフロント側壁13aは、ピボット軸53によってアウタコラム21に接続されている。これにより、アウタコラム21は、ピボット軸53の左右方向に沿う軸線O2回りに回動可能にフロントブラケット13に支持されている。
<リヤブラケット>
図3に示すように、リヤブラケット14は、後述するロックボルト70を介してアウタコラム21と車体との間を接続している。リヤブラケット14は、シャフト軸方向から見た正面視で下方に開口するU字状に形成されている。リヤブラケット14は、アウタコラム21の上方及び左右方向の両側を取り囲んでいる。
具体的に、リヤブラケット14は、コラムユニット11に対して左右両側に配置された側板部55と、各側板部55同士を接続するブリッジ部56と、を備えている。
側板部55は、シャフト軸方向から見た正面視でL字状に形成されている。側板部55は、上下方向に延びるリヤ側壁58と、リヤ側壁58の上端部から左右方向の外側に張り出す張出部59と、を備えている。
各リヤ側壁58には、各リヤ側壁58を左右方向に貫通するチルトガイド孔60が形成されている。チルトガイド孔60は、上方に向かうに従い後方に向けて延びる長孔である。具体的に、チルトガイド孔60は、後方に向けて凸の円弧状に形成されている。
張出部59は、車体に連結されている。
ブリッジ部56は、各リヤ側壁58の上端部に連結されている。ブリッジ部56は、上方に向けて突のアーチ状に形成されている。ブリッジ部56は、コラムユニット11のチルト動作(軸線O2回りのコラムユニット11の角度調整)の際に、コラムユニット11の上昇を規制する。
<切替部>
切替部15は、ロックボルト(軸部材)70を有するロック機構65と、操作レバー66と、締結カム67と、を主に有している。
図3に示すように、ロックボルト70は、各締付部25に形成された貫通孔31よりも小径に形成されている。ロックボルト70は、上述した各締付部25の貫通孔31及びリヤブラケット14のチルトガイド孔60を通して、各締付部25及びリヤブラケット14を左右方向に貫通している。ロックボルト70の直径は、チルトガイド孔60におけるシャフト軸方向の幅よりも小さい。なお、以下の説明では、ロックボルト70の軸線O3が延びる方向を単にボルト軸方向(左右方向)といい、軸線O3に直交する方向をボルト径方向といい、軸線O3回りの方向をボルト周方向という場合がある。
図1に示すように、操作レバー66は、ロックボルト70における左右方向の第1端部(図示の例では左側端部)に連結されている。操作レバー66は、ロック機構65とともに軸線O3回りに回動可能に構成されている。
図3に示すように、締結カム67は、操作レバー66と、リヤブラケット14のリヤ側壁58と、の間に介在している。締結カム67は、操作レバー66の回動操作に伴い、左右方向の厚さが変化するように構成されている。ステアリング装置1では、締結カム67の厚さが変化することで、各リヤ側壁58を介して各締付部25が左右方向で互いに接近離間するように(スリット28の左右方向の幅(間隔)が拡縮するように)構成されている。具体的に、締結カム67の厚さが増加するように操作レバー66を回動操作することで、各締付部25同士が各リヤ側壁58とともに接近して保持筒部24が縮径する。
これにより、リヤ側壁58によってアウタコラム21が挟持されるとともに、アウタコラム21の保持筒部24によってインナコラム22が挟持される。その結果、アウタコラム21に対するインナコラム22のシャフト軸方向への移動が規制されるとともに、コラムユニット11のピボット軸53回りの回動が規制される(ロック状態)。
一方、ロック状態において、締結カム67の厚さが減少するように操作レバー66を回動操作することで、締付部25同士が各リヤ側壁58とともに離間して保持筒部24が拡径される。これにより、リヤ側壁58によるアウタコラム21の挟持が解除されるとともに、アウタコラム21の保持筒部24によるインナコラム22の挟持が解除される。その結果、アウタコラム21に対するインナコラム22のシャフト軸方向への移動が許容されるとともに、コラムユニット11のピボット軸53回りの回動が許容される(ロック解除状態)。
上述したロックボルト70における左右方向の両端部と、リヤブラケット14の上述した各張出部59と、の間には、付勢部材80がそれぞれ介在している。付勢部材80は、チルトバランスを図るためのものである。付勢部材80は、例えばコイルスプリングである。付勢部材80のうち、上端部は張出部59に連結され、下端部はロックボルト70に連結されている。なお、ステアリング装置1は、付勢部材80を有さない構成であってもよい。
付勢部材80は、ロックボルト70を介してコラムユニット11やステアリングシャフト12等を上方に向けて付勢している。これにより、ロック解除時にコラムユニット11が最下端位置まで自重で下がることを防止している。
図4は、リヤブラケット14の周辺を示す分解斜視図である。図5は、リヤ側壁58の周辺を示す拡大側面図である。
図4、図5に示すように、上述したチルトガイド孔60内には、弾性リング100が嵌め込まれている。弾性リング100は、図6に示す帯状の板材が長円形状に成形されたものである。弾性リング100は、例えばアウタコラム21と締結カム67とにより左右方向で挟持されることで、チルトガイド孔60内に保持されている。なお、本実施形態では、チルトガイド孔60が形成されたリヤ側壁58、及び弾性リング100により本発明に係るチルトガイド部110を構成している。弾性リング100は、チルトガイド孔60の形状に倣って後方に向けて凸の円弧状に湾曲した状態で嵌め込まれていてもよく、チルトガイド孔60の形状に倣って成形されていてもよい。
図5に示すように、弾性リング100は、シャフト軸方向(前後方向)での幅が上下方向での位置によって異なっている。具体的に、弾性リング100は、中間ガイド部(第1ガイド部)101と、上側ガイド部(第2ガイド部)102と、下側ガイド部(第3ガイド部)103と、が一体に連なっている。
中間ガイド部101は、チルトガイド孔60内における上下方向の中間部分に位置している。中間ガイド部101は、幅広部101aと、上側接続部101bと、下側接続部101cと、を有している。
幅広部101aは、弾性リング100の短軸方向の幅(シャフト軸方向の幅)がロックボルト70の直径よりも広くなっている。幅広部101aの外周面は、チルトガイド孔60の内周面に接している。幅広部101aの幅は、が上下方向の全体に亘って一様に形成されている。但し、幅広部101aの幅は、上下方向の位置に応じて変化させてもよい。
上側接続部101bは、幅広部101aの上端縁から上方に向かうに従い幅が漸次縮小するテーパ状に形成されている。但し、上側接続部101bは、幅広部101aと上側ガイド部102とを段差状に接続してもよい。
下側接続部101cは、幅広部101aの下端縁から下方に向かうに従い幅が漸次縮小するテーパ状に形成されている。但し、下側接続部101cは、幅広部101aと下側ガイド部103とを段差状に接続してもよい。
上側ガイド部102は、中間ガイド部101の上端縁に上側接続部101bを介して滑らかに連なっている。上側ガイド部102は、チルトガイド孔60内における上部に位置している。上側ガイド部102は、上側摺動部102aと、上側エンド部102bと、を有している。
上側摺動部102aの幅は、ロックボルト70の直径よりも小さくなっている。そのため、上側摺動部102aの外周面とチルトガイド孔60の内周面との間には、シャフト軸方向の幅に隙間を有している。上側摺動部102aは、ロックボルト70の進入に伴い、シャフト軸方向の外側に向けて押し広げられるように弾性変形可能に構成されている。図示の例において、上側摺動部102aの幅は、上下方向の全体に亘って一様に形成されている。但し、上側摺動部102aの幅は、上下方向の位置に応じて変化させてもよい。例えば上側摺動部102aは、上方に向かうに従い漸次狭くなるテーパ状に形成してもよい。
上側エンド部102bは、上側摺動部102aの上端縁に連なっている。上側エンド部102bは、上方に向けて凸の円弧状に形成されている。すなわち、上側エンド部102bは、上方に向かうに従い幅が漸次縮小している。上側エンド部102bの外周面は、チルトガイド孔60の内周面に近接又は当接している。
下側ガイド部103は、中間ガイド部101の下端縁に下側接続部101cを介して滑らかに連なっている。下側ガイド部103は、チルトガイド孔60内における下部に位置している。下側ガイド部103は、下側摺動部103aと、下側エンド部103bと、を有している。
下側摺動部103aの幅は、ロックボルト70の直径よりも小さくなっている。下側摺動部103aの外周面とチルトガイド孔60の内周面との間には、シャフト軸方向の幅に隙間を有している。本実施形態において、下側摺動部103aの幅は、上側摺動部102aの幅と同等になっている。但し、下側摺動部103aの幅と、上側摺動部102aの幅と、を互いに異ならせてもよい。この場合には、下側摺動部103aの幅が、上側摺動部102aの幅よりも広い方が好ましい。
下側摺動部103aは、ロックボルト70の進入に伴い、シャフト軸方向の外側に向けて押し広げられるように弾性変形可能に構成されている。図示の例において、下側摺動部103aの幅は、上下方向の全体に亘って一様に形成されている。但し、下側摺動部103aの幅は、上下方向の位置に応じて変化させてもよい。例えば下側摺動部103aは、下方に向かうに従い漸次狭くなるテーパ状に形成してもよい。
下側エンド部103bは、摺動部103aの下端縁に連なっている。下側エンド部103bは、下方に向けて凸の円弧状に形成されている。すなわち、下側エンド部103bは、下方に向かうに従い幅が漸次縮小している。下側エンド部103bの外周面は、チルトガイド孔60の内周面に近接又は当接している。
本実施形態において、中間ガイド部101、上側ガイド部102及び下側ガイド部103の上下方向での長さは、互いに同等になっている。但し、中間ガイド部101、上側ガイド部102及び下側ガイド部103の上下方向での長さを、互いに異ならせてもよい。
[作用]
次に、上述したステアリング装置1の作用を説明する。以下の説明では、チルト動作について主に説明する。以下の説明では、ロックボルト70がチルトガイド孔60における上下方向の中間部分に位置している状態(中間ガイド部101内に位置している状態)を初期状態として説明する。本実施形態のステアリング装置1では、ロックボルト70が中間ガイド部101内に位置している状態で、ロック解除状態としてステアリングホイール2から手を離したとき、ロックボルト70がチルトガイド孔60内(チルトガイド部110)における上下方向の中間部分に位置するように付勢部材80の付勢力が設定されている。すなわち、ステアリング装置1では、ロック解除状態において、ロックボルト70がチルトガイド孔60内における上下方向の中間部分で、ステアリング装置1(コラムユニット11やステアリングシャフト12)の自重や、ピボット軸53とアウタコラム21との間の摩擦力、付勢部材80の付勢力等の合力が釣り合う。
図7は、コラムユニット11が最上端位置にある状態を示す図5に対応する断面図である。
図7に示すように、ステアリングホイール2を初期状態から例えば最上端位置まで移動させるには、まず操作レバー66を回動操作して、ステアリング装置1をロック解除状態とする。具体的には、図3に示すように、締結カム67の厚さが減少する方向(例えば、下方)に操作レバー66を回動操作する。すると、締付部25同士が各リヤ側壁58とともに離間して保持筒部24(スリット28)が拡径される。これにより、保持筒部24によるインナコラム22の挟持が解除されるとともに、リヤ側壁58によるアウタコラム21の挟持が解除される。
ロック解除状態において、ステアリングホイール2を上方に押し上げる。すると、チルトガイド孔60に沿ってステアリングホイール2がコラムユニット11及びステアリングシャフト12とともに軸線O2回りで上方に回動する。具体的に、ロックボルト70は、中間ガイド部101内を通過して、上側ガイド部102内に進入する。上側ガイド部102内に進入したロックボルト70は、上側摺動部102aをシャフト軸方向の外側に押し広げながら上方に移動する。すなわち、ロックボルト70と上側摺動部102aとの間に発生する摺動抵抗は、ロックボルト70と中間ガイド部101との間に発生する摺動抵抗よりも大きくなる。
なお、コラムユニット11が上方に回動する過程において、ロックボルト70が弾性リング100(チルトガイド孔60)内を上方に移動する。この際、ロックボルト70がエンド部102bに当接した時点で、コラムユニット11の上方への回動が規制される。その後、操作レバー66を回動させ、ステアリング装置1をロック状態とする。具体的には、締結カム67の厚さが増加する方向(例えば、上方)に操作レバー66を回動操作する。すると、各締付部25同士が各リヤ側壁58とともに接近して保持筒部24(スリット28)が縮径する。これにより、保持筒部24によってインナコラム22が挟持されるとともに、リヤ側壁58によってアウタコラム21が挟持される。その結果、チルト動作が規制され、ステアリングホイール2を最上端位置で固定できる。
図8は、コラムユニット11が最下端位置にある状態を示す図5に対応する断面図である。
一方、図8に示すように、ロック解除状態において、ステアリングホイール2を初期状態から例えば最下端位置まで移動させるには、ステアリングホイール2を下方に引き下げる。すると、チルトガイド孔60に沿ってステアリングホイール2がコラムユニット11及びステアリングシャフト12とともに軸線O2回りで下方に回動する。具体的に、ロックボルト70は、中間ガイド部101内を通過して、下側摺動部103a内に進入する。下側摺動部103a内に進入したロックボルト70は、下側摺動部103aをシャフト軸方向の外側に押し広げながら下方に移動する。すなわち、ロックボルト70と下側摺動部103aとの間に発生する摺動抵抗は、ロックボルト70と中間ガイド部101との間に発生する摺動抵抗よりも大きくなる。その後、ロックボルト70がエンド部103bに近接又は当接した時点で操作レバー66を回動させ、ステアリング装置1をロック状態とする。その結果、チルト動作が規制され、ステアリングホイール2を最下端位置で固定できる。
これにより、ステアリングホイール2の角度を任意の位置に調整できる。
以上説明したように、本実施形態では、上側ガイド部102が中間ガイド部101よりも幅狭に形成されるとともに、コラムユニット11の回動に伴いロックボルト70が摺動可能な構成とした。
この構成によれば、チルト動作の際、ロック解除状態としてコラムユニット11の回動を許容させることで、コラムユニット11を軸線O2線回りに回動させることができる。コラムユニット11を所望の傾斜角度まで回動させた後、ロック状態とすることで、コラムユニット11を所望の傾斜角度で保持できる。
ここで、コラムユニット11(ステアリングシャフト12)を例えば最上端位置に移動させる場合、コラムユニット11を上方に回動させる過程で、ロックボルト70が中間ガイド部101を通過して上側ガイド部102に進入する。その際、ロックボルト70と摺動部102aとの間に発生する摺動抵抗が、ロックボルト70と中間ガイド部101との間に発生する摺動抵抗よりも大きくなる。したがって、ロック状態とする前に、コラムユニット11の自重等の影響により、コラムユニット11が下方に位置ずれするのを抑制できる。
しかも、本実施形態では、上側ガイド部102が弾性変形可能に構成されている。そのため、例えば上側ガイド部102が塑性変形する構成に比べ、寸法ばらつき等によりロックボルト70と上側ガイド部102との間に発生する摺動抵抗が過大になるのを抑制できる。
本実施形態では、ロックボルト70とリヤブラケット14との間にコラムユニット11を上方に付勢する付勢部材80が介在する構成とした。
この構成によれば、付勢部材80の付勢力がコラムユニット11の自重に抗する方向に作用する。これにより、コラムユニット11の下方への落下を抑制し、チルトバランスを図ることができる。
本実施形態では、上側ガイド部102の幅が、ロックボルト70の直径よりも狭い構成とした。
この構成によれば、ロックボルト70が上側ガイド部102内を移動する際に、上側ガイド部102がロックボルト70によって押し広げられるように弾性変形する。これにより、ロックボルト70と上側ガイド部102との間の摺動抵抗を確保できる。
本実施形態では、中間ガイド部101の幅がロックボルト70の直径よりも広い構成とした。
この構成によれば、ロックボルト70が中間ガイド部101内を移動する際のロックボルト70と中間ガイド部101との間の摺動抵抗を軽減できる。これにより、ロックボルト70が中間ガイド部101を移動する際の操作性を向上させることができる。
本実施形態では、中間ガイド部101の下方に連なるとともに、中間ガイド部101よりも幅が狭い下側ガイド部103を備えている構成とした。
この構成によれば、ロックボルト70と下側ガイド部103との間に発生する摺動抵抗が、ロックボルト70と中間ガイド部101との間に発生する摺動抵抗よりも大きくなる。したがって、ロック状態とする前に、付勢部材80の復元力等によって、コラムユニット11が上方に位置ずれするのを抑制できる。
しかも、本実施形態では、下側ガイド部103が弾性変形可能に構成されている。そのため、例えば下側ガイド部103が塑性変形する構成に比べ、寸法ばらつき等によりロックボルト70と下側ガイド部103との間に発生する摺動抵抗が過大になるのを抑制できる。
本実施形態では、下側ガイド部103の幅が、ロックボルト70の直径よりも狭い構成とした。
この構成によれば、ロックボルト70が下側ガイド部103内を移動する際に、下側ガイド部103がロックボルト70によって押し広げられるように弾性変形する。これにより、ロックボルト70と下側ガイド部103との間の摺動抵抗を確保できる。
本実施形態では、チルトガイド孔60内に弾性リング100が嵌め込まれることで、チルトガイド部110が構成されている。
この構成によれば、チルトガイド孔60内に弾性リング100を嵌め込むだけで、上述した作用効果が奏功される。これにより、大幅な設計変更を伴うことなく、ステアリングシャフト12を所望の傾斜角度で保持できる。
(変形例)
なお、上述した実施形態では、弾性リング100のうち、上下両側に中間ガイド部101よりも幅狭な上側ガイド部102及び下側ガイド部103を形成した場合について説明したが、この構成のみに限られない。弾性リング100は、少なくとも上部に中間ガイド部101よりも幅狭な上側ガイド部102を有していればよい。このような構成について、以下の変形例で説明する。なお、以下の各変形例において、上述した実施形態に対応する構成については、実施形態と同様の符号を付して説明を省略する場合がある。
図9、第1変形例に係る弾性リング100の側面図である。
図9に示す弾性リング100は、第1ガイド部151及び第2ガイド部152を備えている。
第1ガイド部151は、幅広部151a、下側エンド部151b及び上側接続部151cを備えている。
幅広部151aの幅は、ロックボルト70の直径よりも広くなっている。幅広部151aの外周面は、チルトガイド孔60(図5参照)の内周面に接する。幅広部151aの幅は、上下方向の全体に亘って一様に形成されている。但し、幅広部151aの幅は、上下方向の位置に応じて変化させてもよい。
下側エンド部151bは、幅広部151aの下端縁に連なっている。下側エンド部151bは、下方に向けて凸の円弧状に形成されている。下側エンド部152bの外周面は、チルトガイド孔60の内周面に近接又は当接している。
上側接続部151cは、幅広部151aの上端縁から上方に向かうに従い幅が漸次縮小するテーパ状に形成されている。
第2ガイド部152は、第1ガイド部151の上端縁に上側接続部151cを介して連なっている。第2ガイド部152は、上述した実施形態と同様に、上側摺動部102aと、上側エンド部102bと、を有している。
本変形例においても、コラムユニット11(ステアリングシャフト12)を上方に回動させる過程で、ロックボルト70が第1ガイド部151を通過して第2ガイド部152に進入する。その際、ロックボルト70と摺動部102aとの間に発生する摺動抵抗が、ロックボルト70と中間ガイド部101との間に発生する摺動抵抗よりも大きくなる。したがって、ロック状態とする前に、コラムユニット11の自重等の影響により、コラムユニット11が下方に位置ずれするのを抑制できる。
図10は、第2変形例に係る弾性リング100の斜視図である。本変形例では、弾性リング100がフランジ部202を備える点で、上述した第1変形例と相違している。
図10に示す弾性リング100は、リング部201と、フランジ部202と、を備えている。
リング部201は、上述したガイド部151,152により長円形状に形成されている。
フランジ部202は、リング部201における左右方向(開口方向)の端部から外側に張り出している。フランジ部202において、第2ガイド部152の周囲に位置する部分には、フランジ部202を貫通する逃げ孔203が形成されている。逃げ孔203は、第2ガイド部152の周囲を取り囲んでいる。
本変形例によれば、上述した第1変形例と同様の作用効果を奏することに加え、弾性リング100をチルトガイド孔60内に嵌め込んだ状態において、フランジ部202が例えばリヤ側壁58に左右方向で当接する。これにより、チルトガイド孔60内での弾性リング100の左右方向の位置決めが可能になる。その結果、組付性の向上を図ることができる。さらに、弾性リング100がチルトガイド孔60内に嵌め込まれているかどうかは、フランジ部202の有無を確認すれば明確にわかる。その結果、製造段階での弾性リング100の嵌め忘れを防止しやすくなる。なお、本変形例のフランジ部202は、上述した実施形態の構成にも採用可能である。
図11は、第3変形例に係るリヤ側壁58の周辺を示す拡大側面図である。本変形例では、チルトガイド孔60内の上部のみに弾性部材230を配置した点で上述した実施形態と相違している。
図11に示すチルトガイド部110は、第1ガイド部220と、第2ガイド部221と、を備えている。
第1ガイド部220は、チルトガイド孔60における上下方向の中央部から下端に至る領域である。すなわち、第1ガイド部220は、チルトガイド孔60の内周面により画成されている。
第1ガイド部220は、幅広部220aと、下側エンド部220bと、を有している。
幅広部220aの幅は、ロックボルト70の直径よりも広くなっている。幅広部220aの幅は、上下方向の全体に亘って一様に形成されている。但し、幅広部220aの幅は、上下方向の位置に応じて変化させてもよい。
下側エンド部220bは、幅広部220aの下端縁に連なっている。下側エンド部220bは、下方に向けて凸の円弧状に形成されている。すなわち、下側エンド部220bは、下方に向かうに従い幅が漸次縮小している。
第2ガイド部221は、第1ガイド部220の上方に連なっている。第2ガイド部221は、チルトガイド孔60の上部内周面に弾性部材230が配設されて構成されている。弾性部材230は、下方に開口するU字状に形成されている。弾性部材230は、チルトガイド孔60の上部において、チルトガイド孔60の内周面に倣って配置されている。すなわち、弾性部材230の内側は、第1ガイド部220(幅広部220a)よりも幅狭で、ロックボルト70が摺動可能な第2ガイド部221を構成している。本変形例において、弾性部材230の内側の幅は、ロックボルト70の直径よりも狭くなっている。
本変形例によれば、コラムユニット11(ステアリングシャフト12)を上方に回動させる過程で、ロックボルト70が第1ガイド部220を通過して第2ガイド部221に進入する。その際、ロックボルト70と第2ガイド部221との間に発生する摺動抵抗が、ロックボルト70と第1ガイド部220との間に発生する摺動抵抗よりも大きくなる。したがって、ロック状態とする前に、コラムユニット11の自重等の影響により、コラムユニット11が下方に位置ずれするのを抑制できる。なお、本変形例では、チルトガイド孔60の上部のみに弾性部材230を配置した構成について説明したが、チルトガイド孔60の上部及び下部の双方に弾性部材230を配置してもよい。
(その他の変形例)
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
例えば、上述した実施形態では、軸線O1がシャフト軸方向に交差している構成について説明していたが、この構成のみに限られない。軸線O1は、車両のシャフト軸方向に一致していてもよい。
上述した実施形態等では、チルトガイド孔60が形成されたリヤ側壁58に、別体の弾性部材(弾性リング100や弾性部材230)を配設してチルトガイド部110を構成する場合について説明したが、この構成のみに限られない。例えば、リヤ側壁58自体を弾性変形可能な材料により形成してもよい。この場合には、リヤ側壁58が本発明に係るチルトガイド部となる。
上述した実施形態等では、上側ガイド部102(摺動部102a)の幅がロックボルト70の直径より狭い構成について説明したが、この構成のみに限られない。上側ガイド部102の幅は、ロックボルト70が摺動可能であれば、ロックボルト70の直径以上であってもよい。
上述した実施形態等では、中間ガイド部101の幅広部101aの幅がロックボルト70の直径よりも広い構成について説明したが、この構成のみに限られない。幅広部101aの幅は、上側摺動部102aの幅よりも広い構成であれば、ロックボルト70の直径以下であってもよい。
上述した実施形態等では、コラムユニット11とリヤ側壁58とを接続する軸部材としてロックボルト70を採用した場合について説明したが、この構成のみに限られない。例えば、コラムユニット11とリヤ側壁58とを例えばピン部材等により接続してもよい。
上述した実施形態等では、チルトガイド部110がリヤ側壁58を左右方向に貫通する構成について説明したが、この構成のみに限られない。チルトガイド部は、接続部材が収容される構成であればよい。
上述した実施形態等では、付勢部材80によって、チルトガイド部110(チルトガイド孔60)における上下方向の中間部分でチルトバランスを図る構成について説明したが、この構成のみに限られない。例えば、チルトガイド部110の上部や下部でチルトバランスを図る構成であってもよい。
上述した実施形態等では、本発明に係るコラムとして、アウタコラム21及びインナコラム22を有する構成について説明したが、この構成のみに限られない。コラムは、ステアリングシャフト12を回転可能に支持する構成であればよい。
上述した実施形態等では、ステアリング装置1がチルト動作のみを行える構成について説明したが、この構成のみに限られない。ステアリング装置1は、アウタコラム21及びインナコラム22がシャフト軸方向に相対移動することで、ステアリングホイール12の前後位置を調整するテレスコ動作が可能であってもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1…ステアリング装置
11…コラムユニット(コラム)
12…ステアリングシャフト
13…フロントブラケット
14…リヤブラケット
60…チルトガイド孔
65…ロック機構
70…ロックボルト(軸部材)
80…付勢部材
100…弾性リング
101…中間ガイド部(第1ガイド部)
102…上側ガイド部(第2ガイド部)
103…下側ガイド部(第3ガイド部)
110…チルトガイド部
151…第1ガイド部
152…第2ガイド部
220…第1ガイド部
221…第2ガイド部

Claims (5)

  1. 前後方向に沿う第1軸線回りにステアリングシャフトを回転可能に支持するコラムと、
    車体に取り付けられ、左右方向に沿う第2軸線回りに回動可能に前記コラムを支持するフロントブラケットと、
    前記フロントブラケットの後方において前記車体に取り付けられるとともに、前記コラムを左右方向の両側から挟持するリヤ側壁を有するリヤブラケットと、
    前記リヤ側壁と前記コラムとを接続する軸部材を有するとともに、前記第2軸線回りの前記コラムの回動を規制及び許容するロック機構と、を備え、
    前記リヤ側壁には、前記軸部材が挿通されて、前記コラムの回動に伴い前記軸部材の上下動を案内するチルトガイド部が形成され、
    前記チルトガイド部は、
    第1ガイド部と、
    前記第1ガイド部の上方に連なるとともに、前記第1ガイド部よりも前記第1軸線に沿うシャフト軸方向の幅が狭い第2ガイド部と、を有し、
    前記第2ガイド部は、前記コラムの回動に伴い前記軸部材が摺動可能に構成されるとともに、弾性変形可能に構成されているステアリング装置。
  2. 前記軸部材及び前記リヤブラケット間に介在して、前記コラムを上方に付勢する付勢部材を備えている請求項1に記載のステアリング装置。
  3. 前記第1ガイド部の幅は、前記軸部材の直径よりも広い請求項1又は請求項に記載のステアリング装置。
  4. 前後方向に沿う第1軸線回りにステアリングシャフトを回転可能に支持するコラムと、
    車体に取り付けられ、左右方向に沿う第2軸線回りに回動可能に前記コラムを支持するフロントブラケットと、
    前記フロントブラケットの後方において前記車体に取り付けられるとともに、前記コラムを左右方向の両側から挟持するリヤ側壁を有するリヤブラケットと、
    前記リヤ側壁と前記コラムとを接続する軸部材を有するとともに、前記第2軸線回りの前記コラムの回動を規制及び許容するロック機構と、を備え、
    前記リヤ側壁には、前記軸部材が挿通されて、前記コラムの回動に伴い前記軸部材の上下動を案内するチルトガイド部が形成され、
    前記チルトガイド部は、
    第1ガイド部と、
    前記第1ガイド部の上方に連なるとともに、前記第1ガイド部よりも前後方向の幅が狭い第2ガイド部と、を有し、
    前記第2ガイド部は、前記コラムの回動に伴い前記軸部材が摺動可能に構成されるとともに、弾性変形可能に構成され、
    前記チルトガイド部は、前記第1ガイド部の下方に連なるとともに、前記第1ガイド部よりも前後方向の幅が狭い第3ガイド部を備え、
    前記第3ガイド部は、前記コラムの回動に伴い前記軸部材が摺動可能に構成されるとともに、弾性変形可能に構成されているテアリング装置。
  5. 前記チルトガイド部は、前記リヤ側壁を左右方向に貫通するチルトガイド孔内に弾性リングが嵌め込まれて構成され、
    前記軸部材は、前記弾性リングの内側に挿通されている請求項1から請求項の何れか1項に記載のステアリング装置。
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