JP7096603B2 - ルーバー材の製造方法 - Google Patents
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Description
複数のルーバー材を互いに間隔を開けて平行に支持材に取り付けて構成されるルーバーにおいては、ルーバー材の表面に木目図柄の化粧シートを貼り付けてルーバーの意匠性を高めたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
さらに、内壁の交差部や建物や外装材の角部に設置されるルーバーの態様では、コーナー取り合いなどでルーバー材の小口が傾斜するが、前記従来の構造はこれに対応することができず、別の手段で小口化粧材を固定する必要がある。
ルーバー材は、出幅面の内側に見付面と向き合う裏面を配置して中空に形成されているとともに、前記出幅面の端部に内折れ片が配置された取付部が設けられ、
この取付部に面する前記裏面の外面と前記内折れ片の外面とに、複数の凸筋又は凹筋が形成された構成を有することを特徴とする。
ルーバー材が前記木材の視覚効果をもたらすようにするには、木目に相当する複数の凸筋を等間隔で機械的に配置するのではなく、「1/fのゆらぎ」の如き配置となるように、隣り合う凸筋同士が相互の間隔が微妙に異なるような配置とする必要がある。そのようにすることで凸筋のゆらいだ配置が視覚を通して人の感覚を心地よく刺激することが生じると考えられる。
そこで本発明のルーバー材は、アルミ押出形材により表面に凹凸模様を有するルーバー材を形成して製作コストの低廉化を図るとともに、凹凸模様が天然木の木目の形態に似た、つまり凹凸模様が機械的に均等な配置ではなく、ゆらいだ配置となるように形成することで、ルーバー材が木材の視覚効果をもたらすように構成した。
茶色系の塗装がなされた外面に当該ルーバー材の押出方向に沿って伸びた複数の凸筋が配置されているとともに、
この外面に配置された複数の凸筋は均一な寸法には配置されておらず、
少なくとも、前記外面の複数の凸筋のうちの一の凸筋とこれの両側の凸筋とがそれぞれ突出高さが異なり、且つ前記一の凸筋とその両側の凸筋の配置間隔が異なるように設けられた部分を有することを特徴する。
つまり、図1(A)に示されるように、ルーバー材の表面Sに突出した複数の凸筋Csを、一の凸筋Csとその両側の凸筋Cs,Csとがそれぞれ突出高さと配置間隔が異なった部分を有するような配置とした。
これに対して、前記のようにルーバー材外面の複数の凸筋が「ゆらぎ」のある配置としてあれば、均等ではない凸筋の配置から規則性のある工業的な印象は薄れ、凸筋の高さや配列密度の違いによって光の反射角度が変わり、ルーバー材を見る位置や角度によって異なる印象を与えるとともに、不均一な配置の凸筋によって光が拡散するためまぶしさが和らぎ、茶色系に塗装されていることと相俟って凸筋を天然木の木目のように視認させて、ルーバー材自体が木材により形成されているかのように観取させることができる。
図15から図20は、本発明のルーバー材の一例の形態の正面図、右側面図、左側面図、平面図及び底面図である。図示されるように、表面に不均一な配置の凸筋が形成されたルーバー材は、前述の木材の視覚効果を発揮し、これを組み合わせて構成されたルーバーを、落ち着いた雰囲気と高級感を醸し出す外観のものに形成することができる。
すなわち、図1(B)に示されるように、ルーバー材の表面Sから窪んだ或いは陥没した複数の凹筋Dsを、一の凹筋Dsとその両側の凹筋Ds,Dsとがそれぞれ窪み深さと配置間隔が異なった部分を有するような配置としてもよい。
このような、ルーバー材の外面に配置された複数の凹筋が、前記凸筋と同様な配置、つまり「ゆらぎ」のある配置であれば、ルーバー材を見る位置や角度によって異なる印象を与え、不均一な配置の凹筋によって光が拡散するためまぶしさが和らぎ、茶色系に塗装されていることと相俟って凹筋を天然木の木目のように視認させて、ルーバー材自体が木材により形成されているかのように観取させることが可能である。
前記ルーバー材の表面を茶色系に塗装する工程と、
の処理工程を含む製造方法により製作することができる。
ルーバー材の表面の塗装は、電解着色法による塗装や、焼き付け塗装などにより行うことができる。
例えば、デジタルカメラで天然木の木目模様を撮影し、撮影により取り込んだ画像データを、二次元画像をフーリエ変換する画像処理ソフトを用いて、木目の輝度などから周波数特性を解析する。木目部分とそれ以外の部分では色の濃淡で違いがあるので、不規則な木目の間隔が周波数で表現できると考えられる。
前記解析により画像データを波形の信号に変換し、この波形の信号から天然木の木目パターンを生成する。この木目パターンが、ルーバー材の表面に形成される複数の凸筋又は凹筋に相当する。
そして、前記生成された木目パターンのデータを金型の加工データに取り込み、押出成形されるルーバー材外面に対応する金型内面に前記木目パターンの凹凸を刻設することで、天然木の木目模様に依拠した凹凸部を内面に有するダイス金型を製作することができる。
ルーバー材外面の凸筋又は凹筋の配置が天然木の木目模様の画像データに基づいていれば、ルーバー材をより自然木に近い外観のものにすることができる。他の方法によっても前記凹凸部を有する金型を製作してもよい。
前記構成のルーバーにおいて、複数のルーバー材の少なくとも一部のルーバー材について隣接するルーバー材との配置間隔を適宜にずらすことにより、全体の配置間隔が均等である場合と比較して、自然な風合い、つまり恰も木製の帯状化粧材群をハンドメイドで取り付けたかの如き風情を壁面に醸し出すことができる。
前記小口蓋を、その内面に当該内面と直交して突出していて先端に前記内面に向けて折れた折り返し部を有する突出部を設けて形成し、
前記突出部を前記ルーバー材の中空部内に挿入して小口蓋をルーバー材の端部開口に被せるとともに、前記ルーバー材の取付部の側から裏面に留めネジをねじ込み、裏面を貫通して中空部内に突出した留めネジのネジ部を前記突出部の折り返し部に係合させて、又は折り返し部にネジ入れて留め付けることにより、ルーバー材の端部に小口蓋を固定することを特徴とする。
また、内壁の交差部や建物や外装材の角部などのコーナー部の取り合いでルーバー材の小口を傾斜させる必要がある場合でも、傾斜したルーバー材の端部開口に前記小口蓋を取り付けて、突出部を胴縁側からねじ入れた留めネジに留め付けることで、ルーバー材の端部に小口蓋を確実に固定することができる。
小口蓋の内面に設ける突出部は、前記内面と直交して突出し、先端に前記内面に向けて折れた折り返し部を有する形状、例えば断面J字形やU字形に形成することができる。前記留めネジのネジ部が確実に係合し、又は螺合して留め付けられるように、断面U字形に突出した形状に形成することが好ましい。
ルーバー材の中空部内部に前記リブが形成してあれば、小口蓋をルーバー材の端部に被せる際に、中空部内で小口蓋の突出部がリブに当接して挿入位置が規制されて小口蓋の取り付け位置ががたつくことはなく、突出部への留めネジの係合やねじ込み操作をスムーズ且つ確実に行うことができる。
リブは、前記ルーバー材の見付面の内面と裏面の内面の少なくともどちらか一方に形成してあれば、小口蓋の突出部の挿入位置を規制することができるが、前記突出部の中空部内への挿入をスムーズに行うため、見付面の裏面の両方に形成してあることが好ましい。
小口蓋の突出部が断面U字形に形成されている場合は、ルーバー材の見付面と裏面の両方の内面に適宜な間隔を開けて一対のリブをそれぞれ設け、見付面と裏面にそれぞれ設けた一対のリブ内に小口蓋の突出部が差し込まれるようにすることが好ましい。
天然木の木目模様を撮影した画像データの周波数特性を解析し、前記解析により画像データを波形の信号に変換し、この波形の信号から天然木の木目パターンを生成し、前記生成された木目パターンのデータを前記金型の加工データに取り込んで、前記金型内面に前記木目パターンの凹凸を刻設することにより形成された凹凸部を内面に有するダイス金型にアルミ合金を通して押し出すことにより外面に複数の凸筋又は凹筋を有する内外装材を成形する工程と、 前記内外装材の表面を塗装する工程と、の処理工程を含むことを特徴とする。
本形態のルーバー1は、表面が茶色系に塗装されていて外面に木目に模した複数の凸筋Csが形成された複数のルーバー材2が、鉛直縦向きに設置された支持材4に沿って上下に間隔を開けて横向き水平に取り付けられ、各ルーバー材2の端部に、ルーバー材2と同様に、表面が茶色系に塗装されていて外面に木目に模した複数の凹筋Dsが形成された小口蓋3を取り付けて、全体として、天然木の帯状の板材を上下複数列に配置した如き外観の壁面に構成してある。
見付面21、出幅面22,22及び裏面25の外面には、ルーバー材2の押出方向に沿って伸びた複数の凸筋Csを形成してある。また、内折れ片24,24の外面には、ルーバー材2の押出方向に沿って伸びた複数の凹筋Dsを形成してある。
また、内折れ片24,24の外面に形成された複数の凹筋Dsも、前記凸筋Csと同様に、均一な寸法には配置されておらず、その複数の凹筋Dsのうちの一の凹筋とこれの両側の凹筋とがそれぞれ窪み深さが異なり、且つ前記一の凹筋とその両側の凹筋の配置間隔が異なるように設けられた部分を有しており、不均一な配列の凹筋Dsと茶色系の塗装によって、内折れ片24,24はその外面に天然木の木目模様が付いているかの如き外観に装飾されている。
すなわち、図5に示されるように、ルーバー材2の取付部23内に、前記孔部52内に留めネジ6のネジ部が挿通し且つ留めネジ6のネジ頭を突条51,51間に篏合させえた固定金具5を挿入した状態で、ルーバー材2の打折れ片24,24の外面を支持材4の前面に重ねて支持材4の前方に見付面21を突出させる。
そして、取付部23内に挿入された固定金具5を内折れ片24,24の内面に係合させるとともに、固定金具5にネジ頭が篏合して留めネジ6のネジ部を支持材4の取り付け孔に挿入し、支持材4の背面側に突出した前記ネジ部にナット7を螺合し、支持材4の背面にナッット7を締め付けて、支持材4にルーバー材2が取り付けてある。
なお、前記留めネジ6のネジ部が貫通する支持材4の取り付け孔を、長孔に形成するなど、留めネジ6の固定位置を取り付け孔に沿ってずらすことができるようにすることで、支持材4に固定されるルーバー材2が、これと隣接するルーバー材2との配置間隔を適宜に調整することが可能である。
小口蓋3もルーバー材2と同様に、表面を茶色系に塗装したアルミ形材からなり、ルーバー材2の端部開口を塞ぐ大きさに形成された小口蓋本体31の外面に、ルーバー材2と同様の、押出方向に沿って伸びた複数の凹筋Dsが設けられているとともに、小口蓋本体31の内面に、当該内面と直交して突出していて先端に前記内面に向けて折れた折り返し部32aを有する断面U字形の突出部32を設けて形成してある。
突出部32は、その上下の幅がルーバー材2の見付面21と裏面25の両面の内面間の大きさ、その太さが見付面21の内面と裏面25の内面にそれぞれ形成された一対のリブ26,27間の両面の内面間の大きさにそれぞれ設定され、小口蓋3をルーバー材2の端部開口に被せたときに、ルーバー材2の中空部内に突出部32が進入し、前記一対のリブ26,27間に差し込まれてルーバー材2の内部に挿入するようになっている。
この小口蓋3もルーバー材2と同様に、表面を茶色系に塗装したアルミ形材からなり、小口蓋本体31の外面に、前記と同様の、押出方向に沿って伸びた複数の凹筋Ds33が設けられているとともに、小口蓋本体31の内面に、当該内面と直交して突出していて先端に前記内面に向けて折れた折り返し部32aを有する断面U字形の突出部32を設けて形成してある。突出部32が、その上下の幅がルーバー材2の見付面21と裏面25の両面の内面間の大きさ、その太さが見付面21の内面と裏面25の内面にそれぞれ形成された一対のリブ26,27間の両面の内面間の大きさにそれぞれ設定されていることは前記小口蓋3と同様である。
図13に示されるように、ルーバー材2の取付部23の側から裏面25に留めネジ8をねじ込み、裏面25を貫通して中空部内に突出した留めネジ8のネジ部を突出部32の折り返し部32aに係合させることによっても、小口蓋3をルーバー材2の端部に固定することができる。
また、図14に示されるように、断面U字形の突出部32の中空部の内寸よりもネジ部の径が大きな留めネジであって前記ネジ部の長さがルーバー材2の見付面21と裏面25に形成されたリブ26,27間に亘る長さを有する留めネジ8を用い、裏面25を貫通してルーバー材2の中空内に突出した留めネジ8のネジ部を突出部32の中空部内にねじ入れて留め付けることで、ルーバー材2の端部に小口蓋3が固定されるようにしてもよい。
前記ダイス金型内面の天然木の木目模様に依拠した凹凸部は、例えば、天然木の木目模様を撮影した画像データから木目に依拠した波形の信号に変換して天然木の木目パターンを生成する手段により形成することができるが、これに限定されない。
Claims (4)
- 建物の外装又は内装に用いられるアルミ形材からなるルーバー材であり、外面に当該ルーバー材の押出方向に沿って伸びた複数の凸筋又は凹筋が設けられてなるルーバー材の製造方法において、
天然木の木目模様を撮影した画像データの周波数特性を解析し、前記解析により画像データを波形の信号に変換し、この波形の信号から天然木の木目パターンを生成し、前記生成された木目パターンのデータを前記金型の加工データに取り込んで、前記金型内面に前記木目パターンの凹凸を刻設することにより形成された凹凸部を内面に有するダイス金型にアルミ合金を通して押し出すことにより外面に複数の凸筋又は凹筋を有するルーバー材を成形する工程と、
前記ルーバー材の表面を塗装する工程と、
の処理工程を含むことを特徴とするルーバー材の製造方法。 - 建物の外装又は内装に用いられるアルミ形材からなるルーバー材であって、外面に当該ルーバー材の押出方向に沿って伸びた複数の凸筋又は凹筋が設けられ、且つ出幅面の内側に見付面と向き合う裏面を配置して形成されているとともに、前記出幅面の端部に内折れ片が配置された取付部が設けられ、この取付部に面する前記裏面の外面と前記内折れ片の外面とに、複数の凸筋又は凹筋が形成されてなるルーバー材の製造方法において、
天然木の木目模様を撮影した画像データの周波数特性を解析し、前記解析により画像データを波形の信号に変換し、この波形の信号から天然木の木目パターンを生成し、前記生成された木目パターンのデータを前記金型の加工データに取り込んで、前記金型内面に前記木目パターンの凹凸を刻設することにより形成された凹凸部を内面に有するダイス金型にアルミ合金を通して押し出すことにより前記複数の凸筋又は凹筋を有するルーバー材を成形する工程と、
前記ルーバー材の表面を塗装する工程と、
の処理工程を含むことを特徴とするルーバー材の製造方法。 - ルーバー材は、その外面の全体又は一部に、当該ルーバー材の押出方向に沿って伸びた前記複数の凸筋又は凹筋が配置されているとともに、前記外面に配置された複数の凸筋又は凹筋は均一な寸法には配置されておらず、少なくとも、前記外面の複数の凸筋又は凹筋のうちの一の凸筋又は凹筋とこれの両側の凸筋又は凹筋とがそれぞれ突出高さが異なり、且つ前記一の凸筋又は凹筋とその両側の凸筋又は凹筋の配置間隔が異なるように設けられた部分を有するものである、請求項2に記載のルーバー材の製造方法。
- ルーバー材は、その出幅面の内側に見付面と向き合う裏面を配置して中空に形成され、前記見付面の内面と裏面の内面のどちらか一方又は両方に、ルーバー材の端部に取り付けられる小口蓋の内面に設けられた突出部の挿入位置を規制するリブが形成されたものである、請求項2又は3に記載のルーバー材の製造方法。
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