JP2018197818A - エンボスシート及び化粧シート - Google Patents

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Abstract

【課題】異方性反射散乱特性を有するエンボスシート、及びこのエンボスシートを備え、木材の照り感をより一層反映した化粧シートを提供する。【解決手段】一方の面に複数のレンズが形成された透光性を有する基材を備え、前記レンズの所定の第2の方向における断面形状は、反射主部と、前記反射主部の各端部と前記基材表面とをそれぞれ接続する接続部とを有し、前記反射主部は、直線、または湾曲状であり、前記基材表面を基準とした最大接線角度は80°未満である、エンボスシート。【選択図】図5

Description

本発明は、照明による反射光を制御するエンボスシート、及びこのエンボスシートを備える化粧シートに関する。
従来、内装や家具の表面材として使用される化粧板としては、基材の表面に木材単板を張り合わせた突板化粧板が広く用いられてきた。しかし近年、天然資材の枯渇により、合板等の基材に木目模様を印刷した化粧シートを貼り合わせた化粧板が多く使用されている。
しかしながら印刷化粧シートでは、木材の質感(照り感や導管形状等)の表現に乏しい。そこで特許文献1では比較的入手のしやすい針葉樹材を薄く平坦にした木材基板の上に、裏面に広葉樹材の木目模様を印刷した透明ポリオレフィン系樹脂からなる化粧シートを貼り合わせることにより、本来木材が有するいわゆる照り感や木質感を反映した意匠性に優れた化粧材とする方法が考えられた。
特許第3672636号公報
天然木の木目模様に現れる「照り感」とは、照明光の正反射方向とは異なる方向に現れる光沢感であり、照明角度や観察角度を移動すると「照り」が生じる箇所も移動する。「照り」の移動には方向性があり、この要因は天然木の細胞内腔が繊維状のためだと考えられる。すなわち細胞内腔の繊維の延在方向に入射した照明光は概ね正反射方向へと反射されるが、細胞内腔の繊維の配列方向に入射した照明光は細胞内腔の角度によって正反射方向とは異なる方向へと偏向される。この細胞内腔の角度が、位置によって変化することで「照り」の移動が生じると考えられる。
この「照り」の反射散乱特性評価を行った結果を図8に示す。図8の(a)は測定した木片の模式図、図8の(b)がY方向から照明光を入射した際の反射散乱特性であり、図8の(c)はX方向から照明光を入射した際の反射散乱特性である。図8の(b)に示されるように、Y方向から照明光を入射すると正反射角度とは異なる角度に第2の反射ピークが確認され、測定箇所を変えると第2の反射ピーク角度が変化することが確認された。一方、X方向から照明光を入射すると、正反射角度にしか反射ピークは発生しなかった。すなわち上述した繊維状の細胞内腔による異方性が確認された。
本発明にあっては上記異方性反射散乱特性を有するエンボスシート、及びこのエンボスシートを備え、木材の照り感をより一層反映した化粧シートを提供することを目的とする。
上記、課題を解決するための本発明の一局面は、一方の面に複数のレンズが形成された透光性を有する基材を備え、前記レンズの所定の第1の方向における断面形状は、反射主部と、前記反射主部の端部と前記基材表面と接続する接続部とを有し、前記反射主部は、直線、または湾曲状であり、前記基材表面を基準とした最大接線角度θ1は80°未満である、エンボスシートである。
また、前記レンズは、前記第1の方向における長さが50μm以上500μm以下で、前記第1の方向に直交する第2の方向における長さが50μm以上500μm以下で、前記レンズの前記基材表面からの高低差が5μm以上500μm以下であってもよい。
また、前記複数のレンズにおいて、前記反射主部は、2種類以上の異なる接線角度θ1を持ってもよい。
また、前記複数のレンズにおいて、前記反射主部は、前記第1の方向に対して、1種類以上の異なる傾きを持ち配列していてもよい。
また、前記レンズ及び前記基材の少なくともいずれか一方が粗面化され、表面粗さRaが0.01μm以上5μm以下の範囲であってもよい。
また、本発明の他の局面は、上述のエンボスシートを備える化粧シートである。
本発明によれば、異方性反射散乱特性を有するエンボスシート、及びこのエンボスシートを備え、木材の照り感をより一層反映した化粧シートを実現できる。
本発明のエンボスシートは、基材の一方の面とのなす角度が異なる反射主部を備えたレンズが配列されるため、第1の方向においては基材の一方の面における正反射角度とは異なる角度に反射光を射出することができる。更に少なくとも2種類以上の異なる角度の反射主部を持つレンズ種の配列を構成すれば、箇所によってその反射光角度を自由に設計することができる。すなわち上述した見る角度によって反射特性の異なる異方性散乱反射特性を表現することができるエンボスシートであり、該エンボスシートを備えることで化粧シートに木の「照り感」を付与することができる。反射主部の最大接線角度θ1は80°未満の範囲内で2種類以上の異なる角度が選択でき、形状の自由度が高く、化粧シートの木の「照り感」表現を多様化することができる。また、反射主部に対し、接続部が鋭角であるため、接続部によって生じる反射特性による影響を低減できる。さらにレンズサイズを微細にすることによりレンズの面積率を上げることができ、より多くのレンズを敷設することができる。また、レンズの反射主部は、前記第1の方向に対して、1種類以上の異なる傾きを持ち配列させることにより、化粧シートに木の「照り感」を縦、横方向だけではなく、斜め方向にも付与可能で、木目模様に対し、「照り感」の方向性を限定させない。これにより、見る角度によって変化する異方性散乱反射特性の切り替わりが自然で、より実木に近い「照り感」表現が可能となる。
本発明の一実施形態に係るエンボスシートのレンズを説明する図。 本発明の一実施形態に係るエンボスシートのレンズを説明する図。 本発明の一実施形態に係るエンボスシートのレンズを説明する図。 本発明の一実施形態に係るエンボスシートのレンズの配置を説明する図。 本発明の一実施形態に係るエンボスシートのレンズの配置を説明する図。 本発明の一実施形態に係るエンボスシートのレンズの配置を説明する図。 本発明の一実施形態に係る化粧シートを説明する図。 (a)木片の模式図、(b)、(c)反射散乱特性の測定結果。
本発明の一実施形態に係るエンボスシート1について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、エンボスシート1を構成するレンズ2の平面図、及び断面図である。図1に示すようにエンボスシート1は、透光性を有する基材3と、基材3の一方の面31に突出する複数のレンズ2とを有する。
レンズ2の一方向(図1の第2の方向)の断面において、レンズ2は、外面が直線状または湾曲状の反射主部21と、反射主部21の一方端及び基材3の一方の面31を接続する外面が湾曲状の第1の接続部22とで構成される。図2は、他の例に係るレンズにおける図1の第2の方向の断面概略図である。図2において反射主部21の外面は直線状であるが、円弧状であってもよい。一方、図1に示すように、第2の方向と直交する第1の方向における断面において、反射主部21は面31から突出していればよく、反射主部21の外面は円弧状でも、台形状でも、三角形状でもよく、形状は限定されない。また、図1及び図2においてレンズ2は凸形状で表現されているが、凹形状であっても良い。
図3は、さらに他の例に係るレンズにおける図1の第2の方向の断面概略図である。図3に示すように、レンズ2の変形例として、レンズ2は、反射主部21の他方端及び基材3の一方の面31を接続する第2の接続部23を有しても良い。
図4は、本発明の一実施形態に係るエンボスシートのレンズの配置を説明する図である。図2〜図4に示すように、反射主部21と基材3の一方の面31とのなす接線角度θ1はレンズ2の配置位置によって±80°未満の範囲で任意に決定される。図4に示すように、プラスの接線角度θ1はθ1a、θ1bである。一方、マイナスの接線角度θ1はθ1d、θ1eであり、マイナスの接線角度を有するレンズ2はプラスの接線角度を有するレンズ2を180°反転させた形状となる。反射主部21の第2の方向と直交する第1の方向に沿った断面は直線状でも緩やかな湾曲状でも良いが、直線状である場合、第2の反射ピークの幅が狭くなってしまう。図8に示されるように、第2の反射ピークはある程度の角度範囲を持つため、反射主部21の第1の方向に沿った断面は完全な直線であるより、湾曲していることが望ましい。レンズ2の接続部22断面についても直線状でも良いし、湾曲状でもよい。反射主部21の片端は、図2に示すように直接基材3の一方の面31に接続され、他方は接続部22が面31に接続され構成される。
図3に示すレンズ2の反射主部21、第1の接続部22及び第2の接続部23の第2の方向に沿った断面は直線状であるが、断面が曲率半径R1で湾曲した反射主部21、曲率半径R1より小さい曲率半径R2で湾曲した接続部22及び曲率半径R1より小さい曲率半径R3で湾曲した接続部23で構成されていてもよい。尚、第2のピークを生じさせる機能は反射主部21が備えるため、図1及び図2のように第1の接続部22及び第2の接続部23のどちらか一方は必要に応じて省略しても構わない。ただし当然ながら、反射主部21が直線且つ反射主部21と基材3の一方の面31とのなす角度が0°である場合においては反射主部21の両端の第1の接続部22及び第2の接続部23を省略することはできない。
また、本発明におけるレンズ形状、反射主部21の最大接線角度θ1の値及び前記第1の方向における長さが50μm以上500μm以下、前記第1の方向に直交する第2の方向における長さが50μm以上500μm以下、前記レンズの前記基材表面からの高低差が5μm以上500μm以下の条件を満たすよう必ず両端の接続部22、23を必要とする形状もある。両端の接続部22、23からなるレンズ形状においても前記基材表面を基準とした最大接線角度はθ2及びθ3は特に限定はされないが、好ましくは80°以上90°未満で、同じ値でも異なる値をとっても構わない。
レンズ2を敷設したエンボスシート1に入射した光は、主として基材3の一方の面31及びレンズ2の反射主部21にて反射される。反射主部21と基材3の一方の面31とのなす接線角度θ1は±80°未満の範囲(0°も含む)で変動して成形されるため、基材3の一方の面31で反射される正反射光に対して異なる方向への反射光(第2の反射ピーク)を生じさせることが可能となる。
第2の反射ピークの強度はエンボスシート1におけるレンズ2の面積率を調整することで決定できる。ここで、レンズ2の面積率とは、エンボスシート1の一方の面31の単位面積当たりにおけるレンズ2の反射主部21の面積と定義する。レンズ2の面積率は任意に設定可能だが、望ましくは1%以上70%以下の範囲である。1%を下回ると、レンズ2が少なすぎるため、第2の反射ピークが弱くなり木目に由来する照り感を表現できなくなる。更にレンズ2の配置が疎らになり、レンズ2が1つ1つの点状に視認され易くなる。一方で、レンズ2の面積率が70%を超えると、基材3の一方の面31の平坦部が少なくなり過ぎるため、エンボスシート1による反射光の大部分がレンズ2によるものとなってしまい望ましくない。基材3の一方の面31内において面積率は一定でもよく、または基材3の一方の面31内の箇所によってレンズ2の面積率を変動(疎密分布)させても良い。第2のピーク強度を大きくしたい場合は面積率を高く、第2のピーク強度を小さくしたい場合は面積率を低く設定する。
すなわち、第2の反射ピークの強弱をエンボスシート1面内で表現したい場合、例えば第2の反射ピークを弱くしたい領域はレンズ2の面積率を1%以上20%未満の範囲、第2の反射ピークを強くしたい領域は50%以上70%以下、その中間は20%以上50%未満と設定することができる。レンズ2の面積率を変動させる箇所は、後述する恩札シート5の木目模様の印刷に対し、適宜、設定すればよい。またレンズサイズを微細にすることで、より多くのレンズを敷設することができ、かつ、レンズの面積率を上げることができる。
次に、エンボスシート1におけるレンズ2の配置について説明する。複数のレンズ2の配列においては、少なくとも2種類以上の異なる接線角度の反射主部21を持つことが好ましく、多くのレンズ種からなる構成がより好ましい。図4はエンボスシート1におけるレンズ2の配置の一部分を示す図である。エンボスシート1は、レンズ2として、第1の方向に断面形状の異なるレンズ2a〜2eが並ぶように配置され、第2の方向に同一形状のレンズが並ぶように配置されている。また、図4には、エンボスシート1に用いられるレンズ2a〜2eの第2の方向における断面形状を示す。レンズ2aは第2の方向では反射主部21と基材3の一方の面31とのなす角度はθ1a、レンズ2bはθ1b、レンズ2cはθ1c、レンズ2dはθ1d、レンズ2eはθ1eとなるよう配置した。
このとき、レンズ2a〜2eの反射主部21と基材3の一方の面31とのなす角度θ1a〜θ1eを、±80°以下の範囲で変動させた。
このような角度θ1は、形状種別毎に、例えば−40°、−20°、0°、+20°、+40°といったように周期的に変動しても良い。また、角度θ1の刻み幅は上記のように例えば20°刻みのように大きな刻み値でも良いが、1°以下の細かい刻み値であっても良い。刻みが細かいほど、視点や照明角度を変更した際に生じる第2のピーク角度の移動が滑らかになって望ましい。一方で、刻みが大きいほど製造プロセスは簡略化される。
レンズ2の単一形状は、第2の方向断面形状長さ(図1のW)は50μm以上500μm以下であり、第1の方向断面形状長さ(図1のL)は50μm以上500μm以下であることが望ましい。これより小さいと製造が困難であり、これより大きいと基材に占めるレンズの面積率の条件を満たすことができない。また、化粧シートにした場合にレンズが目立ってしまい、照り感を表現することができなくなる。レンズ2と基材との高低差(図1のH)は5μm以上500μm以下であることが望ましい。高低差が5μmより小さいとレンズ2の機能が低下し、第2の反射ピークが弱く、照り感を表現することが困難である。一方で、500μmより高いと製造が困難である。また、反射主部の接線角度θ1は80°以下であることが好ましい。反射主部の接線角度θ1が80°より高いとレンズ2の機能が低下し、第2の反射ピークが弱く、照り感を表現することが困難である。一方で接続部の接線角度θ2及びθ3は特に限定はされないが、好ましくは80°以上90°未満で、θ2とθ3の接線角度が同じ値でも異なる値をとっても構わない。接続部の接線角度θ2とθ3は80°未満であるとレンズ2の機能が低下し、第2の反射ピークが弱く、照り感を表現することが困難である。また、90°以上は製造が困難となる。
エンボスシート1は木目柄の化粧シート5の印刷面4の上に配置することで、実際の木に近い「照り感」を良好に表現することができる。図5には、エンボスシート1を用いた化粧シート5の上面図を示す。図に示すように反射主部は、第1の方向に対し、第2の方向に1種類以上の傾きαを持ち配列させてもよく、例えばα2=90°のレンズ2、第2の方向にα3=135°、α4=180°α5=45°傾けたようなレンズ32、42、52として、混在させても良い。
図6は、本発明の一実施形態に係るエンボスシートのレンズの配置を説明する図である。図6に示すように、図4のレンズ2を90°傾けたようなレンズ42の断面図を示す。刻みが細かいほど、視点や照明角度を変更した際に生じる第2のピーク角度の移動が滑らかになって望ましい。一方で、刻みが大きいほど製造プロセスは簡略化される。
エンボスシート1に入射した光を散乱反射させる手法として、基材3の一方の面31及びレンズ2の少なくともいずれか一方の面を粗面化しても良い。エンボスシート1を成形する際の型を粗面化することで、粗面を転写しても良く、またはエンボスシート1を直接粗面化しても良い。またはエンボスシート1の表面に微粒子を含有したコーティングを施しても良い。このとき、粗面化された基材3及びレンズ2の表面粗さRa(算術平均粗さ)は0.01μm以上5μm以下の範囲であることが望ましい。0.01μm未満はほとんど鏡面といっても差支えなく望むような散乱特性を得ることができず、一方で5μmを超えるとレンズ2の機能が低下する。
次にエンボスシート1の製造方法について説明する。エンボスシート1はレンズ2を形成する版を用いて、押出成形法、射出成型法、あるいは熱プレス成型法によって、基材3とレンズ2とを一体に成形することができる。用いる樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエステル樹脂、イソフタル酸共重合ポリエステル樹脂、スポログリコール共重合ポリエステル樹脂、フルオレン共重合ポリエステル樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン(ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー)、ポリメチルペンテン、脂環式オレフィン共重合樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、シクロオレフィンポリマー、ポリアクリロニトリル共重合体、アクリロニトリルスチレン共重合体、及びこれらを成分とする共重合体、またこれら樹脂の混合物などを用いることができ、特に制限されることはない。例えば紫外線吸収剤や光安定剤等を添加しても良い。または上記熱可塑性樹脂を用いて、押出成形法、射出成型法によって基材3を成形して後、レンズ2を形成する版を用いて、熱プレス法、紫外性硬化成形法、電子線硬化成形法等によってレンズ2を形成しても良い。
エンボスシート1の成形に用いる版は、例えば、版素材の表面をレーザー彫刻によって加工する。レーザー彫刻は、レーザー描画装置を用いて行う。用いたレーザーは1000nm波長のファイバーレーザーで、版の材料により250Wのレーザー発振器の出力を適宜、調整し、レーザー彫刻を行った。レーザー彫刻は単一のレンズ形状から平面投影図をデータ化し、描画装置に入力することで実現させた。レーザーのスポット径は10μmであり、所望のレンズ形状となるよう適宜、重ね合わせレーザー彫刻を行った。このようにしてレーザー彫刻を行う版の材料は銅、鉄、ニッケルなど特に材質に制限されることはない。
このように得たエンボスシート1には上述したレンズだけでなく、導管を表現する凹部、または凸部(図示せず)を設けても良い。より実際の木に近い「照り感」をさらに良好に表現することができるためである。またエンボスシート1表面にオーバーコート層(図示せず)を設けても良い。
このようにエンボスシート1における単一レンズの形状や複数のレンズ種類や表面粗さRa、導管を表現する凹部、または凸部は、木目模様の印刷に対して、化粧シート5に所望の「照り感」を付与できるよう木目模様の印刷に合わせて適宜配置する。
図5のエンボスシート1におけるレンズ2の配置は、図示しない木目模様の印刷に合わせて適宜調整した例である。縦方向(図5の上下方向)反射主部と接続部とを有するレンズ2は化粧シートに木の「照り感」を縦の回転方向に付与可能で、横方向(図5の左右方向)に反射主部と接続部とを有するレンズ2は横の回転方向に、斜め方向(図5第3の方向)に反射主部と接続部とを有するレンズ2は縦と横が混在した斜めの回転方向に「照り感」を付与可能である。一方で、1種の傾きαのみからなる図4及び図6のように縦方向のみ及び横方向のみで配向したレンズで構成されてもよい。図5のように複数のレンズ種の配向や隣り合うレンズのピッチなどをランダムにすることにより、化粧シートに実際の木に近い「照り感」を表現することができる。つまり、木目模様の印刷に対応する照り感表現はレンズ2における反射主部のθ1の値や接続部の有無で決まるθ2やθ3による単一レンズ形状及び異なるθ1の値で決まるレンズ種、それらの面積率、配置や配向αを適宜設定する。
レンズ2の方向性を限定しないエンボスシート1は、印刷した木目模様に対する「照り感」の回転方向は限定方向性や領域を限定しない特徴を有する。つまり加工方法によっては特定のサイズの化粧シートのみにしか適応できないエンボスシートとなるが、この加工方法におけるエンボスシートは化粧シートのサイズを限定しないことから、自由度の高いエンボスシートと言える。実際の建造物に施工される化粧シートのサイズは幅1500mm×長さ1800mmといったサイズのものであり、木目模様と同調したような「照り感」を再現するには「照り感」の方向性や領域が限定されない自由度の高い今回のような加工方法が有効である。
化粧シート5の基材6の材質は特に限定はされないが、上述したエンボスシート1に用いられる熱可塑性樹脂を用いても良い。好適な材料の一例としてはランダムPP(ポリプロピレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)などが挙げられ、これら熱可塑性樹脂に有機、無機の顔料が添加されても良い。印刷面4に用いられるインキとしては、例えばウレタン樹脂バインダーに有機、無機の顔料を添加したものが好適に用いられるがこれに限定されない。また化粧シート5の基材6とエンボスシート1との界面(印刷面4)において、接着層(図示せず)を追加しても良い。接着層は例えばポリプロピレン系の接着性樹脂などが用いられるがこれに限定されない。化粧シート5の基材6とエンボスシート1の密着性等を考慮して適宜、選択することができる。また、ポリエステルポリオールにイソシアネ―ト系を混合したアンカー層を化粧シート5の基材6と接着層との間に追加しても良い。上述したエンボスシート1表面のオーバーコート層の材料としては、例えばアクリルポリオールにイソシアネート系を混合した樹脂に紫外線吸収剤や光安定剤等が添加されたものを用いることができるが特に限定はされない。
図7に示す化粧シート5は、正反射ピークと、エンボスシート上の箇所によって異なる角度である第2の反射ピークとを有するエンボスシート1を有しているため、本物の木目で生じる「照り」が表現される、より実際の木に近い「照り感」を表現する木目柄化粧シート5を得ることができる。
<実施例1>
本発明の効果検証のため、以下に示すエンボスシート1を成形するための版素材の表面をレーザー彫刻によって加工した。レンズ2は、反射主部21と基材3の一方の面31とのなす角度θ1を±80°未満の範囲で、例えば−40°、−20°、0°、+20°、+40°の5種とし、印刷した木目柄に対し、第1の方向及び第2の方向において変動させレンズ2を適宜配置した。各レンズ2の面積率は30%で固定した。
レンズ2の第1の方向及び第2の方向の断面形状は円弧状で、断面形状長さLを75μmとし、レンズ2の接続部における接線角度θ2及びθ3は85°とした。レンズ2の基材の表面からの高さは50μmとなるようにした。
このようにしてエンボスシート1を成形するための金型の加工を行った後に、さらにサンドブラスト処理を行い、金型の基材3の一方の面31が転写される平坦面における表面粗さRaが約2μmとなるようにした。また、導管を表現する凹部を転写するパターンも金型上に形成した。以上により、実施例に係るレンズ2が形成されたエンボスシート1を成形するための金型を準備した。
<実施例2>
実施例2では、金型の単一のレンズサイズや、反射主部21と基材3の一方の面31とのなす5種の角度θ1及びレンズの面積率や配置は実施例1の金型と同様とし、傾きαのみを変更した。反射主部の第1の方向に対する傾きαを2種とし、金型におけるレンズ群からランダムに抽出した50%を、前記第1の方向に対して、α2=0°の傾きを持ったレンズ2として、残りの50%をα3=45°の傾きを持ったレンズ32として配列した。サンドブラスト処理の実施及び導管を表現する凹部を転写するパターンは実施例1の金型と同様に形成した。
また、比較例として、実施例に係るレンズ2を形成せず、平坦な金型に実施例と同様のサンドブラスト処理と導管を表現する凹部を転写するパターンを形成した金型を準備した。
木目柄が印刷されたシートに透明な樹脂と上記3つの金型によってエンボスシート1を成形し、エンボス面を有する実施例1及び2に係る化粧シート5を得た。また、同様にして、木目柄が印刷されたシート上に、透明な樹脂と上記の比較例に係る金型によって成形されたシートとを積層し、比較例に係る化粧シートを得た。実施例1及び実施例2による化粧シート5は照明下において帯状の輝線が見え、見る角度や化粧シート5の角度を変えると帯状の輝線が移動する視覚表現が得られた。実施例2はより輝線の移動がより滑らかであった。一方で、比較例による化粧シート5は上記のような輝線は生じない。3つを比較し、実施例1による化粧シート5の方がより本物の木らしさを表現した化粧シートを得ることができ、より好ましいのは輝線の移動がより滑らかな実施例2の方であった。
以上、説明したように、本発明に係るエンボスシートによれば、基材の一方の面31とのなす接線角度が異なる反射主部を備えたレンズが複数配列されるため、基材の一方の面における正反射角度と異なる角度に反射光を射出することができる。また、エンボスシートが、少なくとも2種類以上の異なる接線角度を有する反射主部を備える複数のレンズの配列から構成されることで、エンボスシート上の箇所によってその反射光角度を自由に設計することができる。すなわち、見る角度によって反射特性の異なる異方性散乱反射特性を表現することができるエンボスシート1を備える化粧シートとすることで、化粧シートに木の「照り感」を付与することができる。また、反射主部の接線角度θ1は80°未満の範囲内で2種類以上の異なる角度が選択でき、レンズ形状の自由度が高く、化粧シートの木の「照り感」表現を多様化することができる。また、反射主部と反射主部の一方端に接続される接続部とのなす角度が鋭角であるため、接続部によって生じる反射特性による影響を低減できる。さらにレンズサイズを微細にすることにより、より多くのレンズを敷設することができ、かつ、レンズの面積率を上げることができる。また、レンズは第2の方向側に±90°傾けたような配列も可能であるため、木目模様を印刷した化粧シート5を傾けることなく、化粧シートに木の「照り感」を縦方向に付与したレンズと、木の「照り感」を横方向に付与したレンズとを形成することが可能である。従って木目模様に対し、「照り感」の方向性が限定されないため、化粧シートのサイズ等に制限されることなく、より実際の木に近い「照り感」を表現する化粧シートを得ることができる。
本発明は、木目調の化粧板に張り付けて用いられる化粧シート等に有用である。
1 エンボスシート
2,32,42,52 レンズ
21 反射主部
22 接続部
23 接続部
3 基材(エンボスシート)
31 基材の一方の面
4 印刷面
5 化粧シート
6 基材(化粧シート)

Claims (6)

  1. 一方の面に複数のレンズが形成された透光性を有する基材を備え、前記レンズの所定の第2の方向における断面形状は、反射主部と、前記反射主部の各端部と前記基材表面とをそれぞれ接続する接続部とを有し、前記反射主部は、直線、または湾曲状であり、前記基材表面を基準とした最大接線角度は80°未満である、エンボスシート。
  2. 前記レンズは、前記第1の方向における長さが50μm以上500μm以下で、
    前記第1の方向に直交する第2の方向における長さが50μm以上500μm以下で、前記レンズの前記基材表面からの高低差が5μm以上500μm以下である、請求項1に記載のエンボスシート。
  3. 前記複数のレンズにおいて、前記反射主部は、2種類以上の異なる接線角度を持つ、請求項1または2に記載のエンボスシート。
  4. 前記複数のレンズにおいて、前記反射主部は、前記第1の方向に対して、1種類以上の異なる傾きを持ち配列している、請求項1〜3のいずれかに記載のエンボスシート。
  5. 前記レンズ及び前記基材の少なくともいずれか一方が粗面化され、表面粗さRaが0.01μm以上5μm以下の範囲である、請求項1〜4のいずれかに記載のエンボスシート。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のエンボスシートを備える化粧シート。
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